JP2007335329A - コネクタ用キャップの保持構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両ボディbに装着される保持具8には、雌雄コネクタ4,5を嵌合状態で保持するコネクタ用保持部12aと、両コネクタ4,5にそれぞれ被せ付け可能な雄型・雌型の両キャップ81,84を嵌合状態で保持するキャップ用保持部12bとを形成する。
【選択図】図2
Description
請求項1の発明によれば、雌雄コネクタが離脱されて単体状態とした後は、保持具から取り外された雌用キャップおよび雄用キャップを対応するコネクタにそれぞれ被せ付けることにより、両コネクタの防塵を図ることができる。また、キャップは車両ボディに固定された保持具を管理場所として与えられるため、紛失の恐れがなく、必要時に直ちに取出しが可能となる。また、両キャップは個別に保持されるのでなく、相互に嵌合させた状態で保持されるため、個別保持に比べて全体がコンパクトであるため、管理スペースも小さくて済む。
請求項2の発明によれば、コネクタの普段の使用部位に隣接してキャップの管理部位が設定されているため、キャップを探す手間もなく、使い勝手に優れる。
請求項3の発明によれば、雌雄いずれかのキャップを摘んで保持具からの抜き取り操作を行うと、両キャップを相互に嵌合されたままの状態で抜き取ることができる。これとは逆に、キャップ同士の離脱が保持具からの抜き取りに先行してなされてしまうと、保持具に残された側のキャップの被せ付け忘れを生じさせてしまうが、請求項3のような設定とすることにより、キャップを雌雄コネクタに対して確実に被せ付けることができる。
請求項4の発明によれば、ロックアームと係止受け部とが係止状態にある嵌合状態から、キャップ同士を離脱させる場合には、スライダーをキャップ同士の離脱方向に沿ってスライドさせる。このスライド動作に連動して連係部がロックアームを係止解除方向に変位させ、係止受け部との係止が解かれる。これと共に、スライダーが一方のキャップに形成されたストッパ面と当接して、それ以上のスライド操作が規制される結果、スライダーは一方のキャップと一体化されるため、引き続きスライダーに対し同方向への操作力、つまりは他方のキャップから離脱させる方向への操作力が加えられると、他方のキャップからの抜き取りがなされる。このように、請求項4の発明によれば、スライダーのスライド操作を行うだけで、ロックアームによる係止の解除と離脱の二つの動作を行わせることができる。かくして、キャップの離脱作業を円滑に行うことができる。
請求項5の発明によれば、キャップが保持具に保持されている状態では、指掛け部が車両ボディに対面しているため、指掛け部と車両ボディの間に指の挿入が困難とされている。このため、雌雄両キャップを嵌合状態のまま抜き取る作業に先立って一方のキャップのみが他方のキャップから離脱されてしまう、という誤った作業順を経てしまうことがなく、雌雄両キャップを嵌合状態のまま保持具から取り外す、という正規の作業手順が確実に遂行させることができる。
請求項6の発明によれば、一方のコネクタ内に設けられた戻しばねによってスライダーを初期の組み付け位置に自動的に戻すことができるため、人手による戻し操作は不要となる。
請求項7の発明によれば、脱着部材が車両ボディから取り外される前に、スライダーをスライド操作すると、このスライド操作に連動して連係部を介してロックアームと係止受け部との係止が自動的に解除される。そして、この係止解除と併せてストッパ面とスライダーとの当接がなされる。これによって、スライダーとコネクタとが一体化されるため、以後のスライダーの操作により一側コネクタが他側コネクタから離脱される。その場合、他側のコネクタに対する保持具の保持力は一側コネクタを他側コネクタから離脱させるに必要な離脱操作力よりも大に設定されていることから、他側コネクタを保持具に残したまま一側コネクタを離脱させることができる。
(コネクタの配置)
本発明の実施形態1を図1ないし図24によって説明する。図1において、1はいわゆるピックアップカーと呼ばれる車両であり、これに見られるように、車両の後部に荷台2を備え、その後部には開閉かつ荷台から取り外し可能なテールゲート3が装着されている。このテールゲート3にはバックモニターと呼ばれる、荷台の後方の状況を運転席において確認するための電気機器等(図示しない)が取り付けられている。このため、荷台2を含む車両ボディb側とテールゲート3側とは電気配線によって接続され、また必要に応じてテールゲート3が取り外されたときのために、この電気配線の途中は離脱可能なコネクタ4,5によって接続がなされている。そして、車両ボディb側の電気配線の端部には雄コネクタ4が接続され、テールゲート3側の電気配線の端部には雌コネクタ5が接続されている。
この実施形態においては、図2〜図4に示すように、コネクタ4,5はその不使用時に被せ付けられるキャップ81,84と共に保持具8によって車両ボディb側に保持されている。保持具8は例えば合成樹脂材料によって一体に成形されており、ボディbのパネルに貫通して形成された取付け孔9へ挿通される脚部10を有している。また、脚部10の途中にはカバー片11が張り出しており、取付け孔9を覆うようにしている。さらに、脚部10の基部にはコネクタ4,5及びキャップ81,84を保持するための保持部12が連続している。保持部12は図5における右側がコネクタ用保持部12aとされ、左側がキャップ用保持部12bとされており、共に同一構造に形成されている。両保持部12a,12bは、後に詳細を説明するが、雄コネクタ4のハウジング13あるいは雌コネクタ用キャップ81に形成された保持枠27,27a内に案内されながら差込み可能な略T字状部15を有し、かつここには引掛け片16が形成されて雄コネクタ4あるいは雌コネクタ用キャップ81に形成された装着爪14,14aが弾性的に係止可能である。
図6には雄コネクタ4の構成部品が示されている。雄コネクタ4は合成樹脂製のコネクタハウジング13、電線w端末に接続された雄端子金具17、雄端子金具17の抜け止めのためのリテーナ18とからなっている。
図9には雌コネクタ5の構成部品が示されている。雌端子金具35は略角筒状に形成された接続筒部36を有し、雄端子金具17のタブ部17bを挿通して電気的に接続状態とすることができる。接続筒部36の外面には突部37が形成され、この突部37に対してランス45が係止することによってキャビティ44から抜け出ないようにしている。また、接続筒部36の後方には電線wの芯線と接続されるワイヤバレル38が連続し、さらにその後部には電線被覆の端末に嵌め付けられたゴム栓40と共に電線被覆をかしめ付けるインシュレーションバレル39が連続している。
雌コネクタ用キャップ(以下、雄型キャップ81という。)は、基本的には雄コネクタハウジング13と近似した形態となっているため(図21乃至図23、および図3参照)、機能的にあるいは形態的に同一のものには同一符号(但し、符号末尾にpを付けて区別する)をもって説明する。このように、雄型キャップ81と雄コネクタ4とは近似した形態に形成されているため、雄型キャップ81を雄コネクタ4と誤って雌コネクタ5との嵌合作業を行うことが懸念される。そこで、本実施形態では雄コネクタ4とは異なる着色を施して成形することによって対策が採られている。
雄コネクタ用キャップ(以下、雌型キャップ84という。)は、基本的には雌コネクタ5と近似した形態となっているため(図3および図24参照)、機能的にあるいは形態的に同一のものには同一符号(但し、符号末尾にpを付けて区別する)をもって説明する。このように、雌型キャップ84と雌コネクタ5とは近似した形態に形成されているため、雄型キャップ81と同様に、雌コネクタ8とは異なる着色を施して誤嵌合への対応が図られている。
(1)雌雄コネクタ4,5同士、雄型・雌型キャップ81,84同士、あるいはキャップと対応するコネクタとのロック状態を解除し、さらには離脱まで行わせる場合に、スライダー62,62pを後退操作する、という単一の操作を行うだけでよい。したがって、従来のようにロックアームの操作を行った上で、抜き取りの操作を行う、という二段階の操作を必要としないため、ロック解除の作業性に優れる。
(2)スライダー62,62pは全周に開口を有さず、コネクタあるいはキャップのハウジングの外周を包み込むため、異物の進入をできるだけ回避でき、スライダーの円滑な操作性を保持することに寄与する。
(3)ストッパ面74をロックアーム63,63pを挟んで対称に配置したため、スライダー62,62pの後退操作をバランスよく行うことができる。
(4)ばね収容部67を利用してストッパ面74を形成するようにしたため、別途に形成する場合に比べてコネクタ構造を簡素化することができる。
(5)ロックアーム63はロック突起25を乗り越え可能な変位空間をスライダー62,62p内に確保した状態で配置されている。このように、ロックアーム63とスライダー62,62pとの間のギャップを埋めるようにしてロックアーム63から解除突部66を起立させ、これによってスライダー62,62pの後退動作と連動するロック解除機構を成立させている。かかる構造の採用により、スライダー62,62pには開口を設けることなく外周面が閉止した形態を採用することが可能となった。
(6)雌雄両コネクタ4,5に被せ付けられるキャップ81,84をコネクタに並んで保持具8に保持させるようにしたため、キャップ81,84の紛失の虞がない。また、キャップ81,84を嵌合状態で保持するため、個別に保持する場合に比較して管理スペースも小さくて済む。
(7)キャップ81,84が保持具8に保持されている状態では、指掛け部75pの一方側を車両ボディbに対向する姿勢となるように設定したため、スライダー62pによる操作を困難にし、もって雄型キャップ81を保持具8側に残したまま雌雄が分離した状態となることが回避できる。したがって、取り外された雌型キャップ84のみを雄コネクタ4に被せ付けただけで、雄型キャップ81の被せ付けを行うことなく作業を終了してしまう事態を未然に回避することができる。
(8)また、保持具8に対する雄型キャップ81の離脱力は、キャップ同士の離脱力よりも低く設定されていることも、(7)の効果をより確実なものとする。
(9)雌雄コネクタ4,5の離脱力は保持具8に対する雄コネクタ4の離脱力よりも低く設定されているため、保持具8から取り外す必要のない雄コネクタ4を確実に保持具8に留めておくことができる。
(10)指掛け部75は中央部を境にしてその前後で勾配を逆にしているため、コネクタあるいはキャップの嵌合・離脱の際の指の掛かりをよくし、もって嵌合・離脱の作業をしやすくしている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
5…雌コネクタ
8…保持具
12a…コネクタ用保持部
12b…キャップ用保持部
25…ロック突起
62,62p…スライダー
63,63p…ロックアーム
66…解除突部
67…ばね収容部
68…戻しばね
72…当て壁
74…ストッパ面
78…解除案内面
81…雄型キャップ
84…雌型キャップ
Claims (7)
- 相互に嵌合可能な雌雄コネクタと、
両コネクタのうち雄コネクタに被せ付け可能な雄用キャップと、雌コネクタに被せ付け可能で前記雄用キャップに対して嵌合可能に形成された雌用キャップと、
車両のボディに固定され、前記雌雄キャップを嵌合状態で保持可能な保持具とを備えてなることを特徴とするコネクタ用キャップの保持構造。 - 前記保持具は、前記両キャップを保持するためのキャップ用保持部と、嵌合状態にある前記両コネクタを保持するためのコネクタ用保持部とを備えていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ用キャップの保持構造。
- 前記キャップ用保持部は前記雄用キャップおよび雌用キャップのいずれかのキャップに解除可能に係止されるとともに、この係止解除力は前記雄用キャップと雌用キャップとの係止解除力よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ用キャップの保持構造。
- 前記両キャップのうちの一方にはロックアームが配され、他方には前記両キャップが嵌合したときに前記ロックアームと係止する係止受け部が配され、かつ前記一方のキャップには、同キャップを前記他方のキャップから離脱させるときの操作方向と同一方向にスライド操作可能にスライダーが組み付けられ、前記スライダーと前記ロックアームの少なくとも何れかには、前記スライダーが前記スライド操作されたときに、この操作に連動して前記ロックアームに対し前記係止受け部から係止解除される方向に変位させる連係部が設けられ、かつ前記一方のキャップには、前記ロックアームが前記受け部から係止解除された状態で、前記スライダーと当接してそのスライド操作を規制することにより、前記スライダーを前記一方のキャップと一体化させるストッパ面が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコネクタ用キャップの保持構造。
- 前記スライダーの外面で幅方向両側には前記スライド操作を行うための指掛け部が形成され、また前記両キャップは保持具に対し前記指掛け部が前記車両ボディに対面する姿勢で保持されることを特徴とする請求項4に記載のコネクタ用キャップの保持構造。
- 前記一方のキャップには、他方のキャップと嵌合・離脱の方向に沿って戻しばねが組み込まれ、同戻しばねの一端側は前記一方のキャップに当接し他端側は前記スライダーに当接して前記スライダーを戻し方向に付勢していることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のコネクタ用キャップの保持構造。
- 前記両コネクタのうち一側は前記車両ボディから取り外し可能な脱着部材に接続されるものにおいて、
前記一側のコネクタにはロックアームが配され、
他側コネクタは前記保持具に対して保持されるとともに、同他側コネクタには、
前記両コネクタが嵌合したときに前記ロックアームと係止する係止受け部が配され、
前記一側のコネクタには、同のコネクタを前記他側のコネクタから離脱させるときの操作方向と同一方向へスライド操作可能なスライダーが組み付けられ、
かつ、このスライダーと前記ロックアームの少なくとも何れかに設けられ、前記スライダーが前記スライド操作されたときに、この操作に連動して前記ロックアームに対し前記係止受け部から係止が解除される方向に変位させる連係部と、
さらに、前記一側のコネクタには、前記ロックアームが前記受け部から係止解除された状態で、前記スライダーと当接してそのスライド操作を規制することにより、前記スライダーを前記一側のコネクタと一体化させるストッパ面が設けられ、
さらに、前記他側コネクタに対する前記保持具の保持力は両コネクタを離脱させるのに必要な離脱操作力よりも大に設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のコネクタ用キャップの保持構造。
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