JP2007311117A - 電子レンズ及びそれを用いた荷電粒子線装置 - Google Patents

電子レンズ及びそれを用いた荷電粒子線装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
小型で低収差の電子レンズを提供し、それを用いて、超小型でかつ高分解能のSEM等の荷電粒子線装置を提供する。
【解決手段】
希土類コバルト系やネオジウム鉄ホウ素系のごとき高強度の磁性材料で軸対称で中心に穴のある構造の永久磁石1の極それぞれに上部磁極2と試料側磁極3を磁気的に接続し、中心軸側に内側ギャップ100を設けることで軸上に磁界レンズを形成する。さらに、外側磁界を部分的にシールドし、かつ磁気抵抗値を調整する半固定式の磁路4を外側に設け、試料側磁極3と磁路4の間が永久磁石より外側領域において最も磁気抵抗の高い領域を形成する。さらにまた、永久磁石1と上部磁極2と試料側磁極3と半固定磁路4との空間を非磁性材料の充填材6で埋めることにより、対物レンズとして構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に電子線を用いて微細構造を観察する走査型電子顕微鏡(SEM)等の電子線応用技術に関する。
従来の走査電子顕微鏡(SEM)の対物レンズには、コイルと磁気回路からなる磁界レンズがもっぱら用いられてきた。電子線を微細な点に絞るために強い磁界が必要で、そのためにはコイルに流す電流量を増やす必要があり、この結果コイルからの発熱による温度上昇対策が必要であった。コイルの線を太くしたり、水冷配管を設けたり、また、試料室の真空中では断熱状態となるために、真空シール構造も必要であった。これらのために、高分解能のSEMでは対物レンズのサイズが大きく、直径や高さが15cm〜40cm程度と、大きなサイズとなっていた。
一方、小型で高分解能のSEMとしては、例えば、特公平7−1681号公報(第1図)にあるようなものが知られている。電子線の収束に静電レンズを用い、対物レンズ外側の0Vの電極に対して、対物レンズの上部の電極では、正の高電圧を印加して電子を加速することで、高分解能で小型のSEMを得ていた。静電レンズで構成した場合、対物レンズのサイズは直径数cm以下という小さいサイズが可能である。しかし、この場合の分解能の上限は4〜6nm程度であり、これ以上の高分解能化は、静電レンズの耐圧と収差の制限があるため不可能であった。
磁界レンズの磁界発生源として、コイルのかわりに永久磁石を使うという事は1950年代にはすでに考案されており、例えば、「J. H. Reisner著:Permanent Magnet Lenses、Journal of Applied Physics、第22巻1951年刊、561頁」(従来技術1)に記載されている構造がある。これは、図2の(a)に示されるように、棒磁石20を4本、軸対称位置に平行に並べ、そのS極とN極に軟磁性材料からなる軸対称構造の外部磁路21と内部磁路22を磁気期的に接続し両者のギャップができる2カ所に電子レンズ24を生じていた。これをさらに進め、小型で焦点距離調整も可能な電子顕微鏡も実現されており、例えば、「木村博一:永久磁石励磁電子レンズ系の一形式とその特性、応用物理第26巻(1957)、45頁」(従来技術2)に記載のものがある。この場合、2個、及び3個のレンズを永久磁石と軟磁性体の回路で構成していた。
特公平7−1681号公報 J. H. Reisner著:Permanent Magnet Lenses、Journal of Applied Physics、第22巻1951年刊、561頁 木村博一:永久磁石励磁電子レンズ系の一形式とその特性、応用物理26(1957)、45頁
小型で高分解能のSEMを構成しようとして、静電レンズを用いた小型SEMに磁界型の対物レンズとして永久磁石を適用することは容易に想像できる。しかし、永久磁石は外部に漏洩磁界が発生するので、これを防ぐために、先述した(従来技術1)や(従来技術2)が実施しているように2枚以上のレンズ構成となる。これは、次の様な理由による。
図2の(b)に示すような軸対称で中央に穴があり、上下方向に磁化された永久磁石1を使う場合、穴の内部をとおる磁力線101を軟磁性材料による磁気回路により所望の領域にコンファインしてレンズにすればよい。しかし、このために、図2の(c)に示すようにドーナツ型の軟磁性材料による磁極板25を上下に配置すると、外側にも磁界がもれ、これがレンズ外部にある電子光学系や他の装置に影響を与えるのみならず、対物レンズが強い磁石として機能し鉄などを引き付けるので、装置の利用やメンテナンスをする者にとって危険である。一方、外側への漏洩磁界をシールドしようとして上下の磁極板25の外側を軟磁性材料で磁気的に結合すると、外側の磁気抵抗が小さくなり外側にまわる磁束が増加する。総磁束量は永久磁石で決まっているので、レンズ側の磁界が弱くなりレンズとして機能しなくなる。従来の多段のレンズ構成は、この外側の磁界の漏洩を防ぐために、磁気回路により軸上に曲げ、電子レンズとして機能させるためのものであり、この結果レンズが2枚以上の構成となっている。
しかしながら、小型SEMの対物に用いようとすると、サイズが大きくなるという問題と、小さく作ろうとして2枚できるレンズを近づけると、軸上の磁界分布は山と谷が隣接する形状となり、磁界の急変部分が中央に、その前後になだらかな分布ができるために収差が小さくできず、結果として高分解能化は困難であるという課題を有していた。
また、電子の走行する中心軸付近は真空とする必要があったので、図2の(a)のように磁性体21、22の作るすき間を真鍮23で充填して真空シールとしており、この外側は大気圧で用いていた。
そこで、本発明の目的は、小型で低収差の電子レンズを提供し、それを用いて、超小型でかつ高分解能な荷電粒子線装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、希土類コバルト系やネオジウム鉄ホウ素系のごとき高強度の磁性材料で、軸対称で中心に穴のある構造の永久磁石の極それぞれに上部磁極と試料側磁極(下部電極)を磁気的に接続し、中心軸側に内側ギャップを設けることにより、軸上に磁界レンズを形成する。さらに、外側磁界を部分的にシールドし、かつ磁気抵抗値を調整する半固定式の磁路を外側に設け、試料側磁極と磁路の間が永久磁石より外側領域において最も磁気抵抗の高い領域を形成する。さらにまた、永久磁石と上部磁極と試料側磁極と半固定磁路との空間を非磁性材料の充填材で埋めることにより、電子レンズ(対物レンズ)として構成する。
永久磁石から発生する磁束は、外部磁路と中心軸側の内部磁路に分配され、中心の軸上に形成される軸上磁界がレンズとしての性能を決定する。外部磁路と内部磁路の磁束の分配は、両者の磁気抵抗の比率で決定される。本発明では、小型でも十分強い所望の軸上磁界を得るために、極めて強い磁石、すなわち総磁束量の多い磁石を用い、外側磁路にもある程度磁束を分配する構造とする事に特徴がある。
このとき外側磁路に分配する磁束のうちある程度磁性体の外に磁界を漏洩させると、いっそう小型化可能になる。このため、外側の磁路で最も磁気抵抗の高い部分を中心軸から離れた試料側に配置したことで、外部への漏洩磁界は試料側に発生するので電子線に影響を与えず、また他の装置に影響を与えない程度に弱くすることができる。本発明の構造をとることにより、十分強い軸上磁界が得られる結果、対物レンズとして高分解能が達成される。
さらに、非磁性体の充填剤の部分が磁気抵抗を大きくする働きとこの部分に空気の出入りをなくし、磁石からの異物発生や、外部からの異物混入を防ぐためにこの対物レンズ構造を全て真空の試料室に入れても試料や他の設備に影響を与えずに安定して使えるという利点がある。さらに、着磁等の製造工程、や温度変化、経時変化などで永久磁石の磁化にはらつきが出た場合でも、半固定式の磁路により所望の軸上磁に調整が可能であり、安価で安定した性能を達成することが可能となる。
以下、本発明の代表的な構成例を列挙する。
(1)試料に電子線を収束させる電子レンズであって、軸対称形状で中心部に穴のある永久磁石と、軸上に磁界を導く上部磁極および試料側磁極とを有し、前記上部磁極および前記試料側磁極は、軟磁性材料からなり前記永久磁石に磁気的に結合し、前記上部磁極および前記試料側磁極の両磁極間に設けた、前記中心部に近いギャップにより軸上に一つの磁界レンズを形成してなり、前記永久磁石の外側に、軟磁性材料で構成され、軸方向に可動もしくは軸を中心として回転可能な磁路を設けて、前記永久磁石の外側磁路の磁気抵抗を調整可能に構成したことを特徴とする。
(2)試料に電子線を収束させる電子レンズであって、その中心に穴のある軸対称形状で軸対称の磁化を持つ永久磁石と、軸上に磁界を導く上部磁極および試料側磁極とを有し、前記上部磁極および前記試料側磁極は、軟磁性材料からなり前記永久磁石に磁気的に結合し、前記上部磁極および前記試料側磁極の両磁極間に設けた内側ギャップにより軸上に磁界レンズを形成してなり、前記両磁極間の外側ギャップを、軸から見て前記内側ギャップよりも外側でかつ前記試料側に設け、前記外側ギャップは前記永久磁石の磁束の外側部分を導く外側磁路のうち最も磁気抵抗が高い部分であり、前記永久磁石と前記上部磁極と前記試料側磁極とで囲まれる空間を非磁性材料の充填材で充填してなることを特徴とする。
(3)前記(2)の電子レンズにおいて、前記永久磁石の外側に、前記軸上磁界を調整する手段として、前記外側磁路の磁気抵抗値を調整する磁路を設けたことを特徴とする。
(4)前記(3)の電子レンズにおいて、前記磁路は、略円筒形の軟磁性材料で構成され、軸方向に可動式とし、かつ、前記磁路を当該電子レンズに対して固定する機能を持つ固定手段を備えることを特徴とする電子レンズ。
(5)前記構成の電子レンズにおいて、前記磁界レンズにより発生する軸上磁界の影響の及ぶところもしくはその近傍に、電界レンズ効果をもたらす静電電極を設けたことを特徴とする。
(6)前記構成の電子レンズにおいて、前記上部電極もしくは前記試料側磁極を、絶縁体を介して電気的に分割した構造とし、前記静電電極として、前記上部磁極もしくは前記試料側磁極の一部を用いるように構成したことを特徴とする。
(7)電子源と、前記電子源から放出される電子線を試料上に収束させる電子レンズを含む電子光学系と、前記試料から二次的に発生した電子を検出して画像化し表示する手段とを備えた荷電粒子線装置において、前記電子レンズは、軸対称形状で中心部に穴のある永久磁石と、軸上に磁界を導く上部磁極および試料側磁極とを有し、前記上部磁極および前記試料側磁極は、軟磁性材料からなり前記永久磁石に磁気的に結合し、前記上部磁極および前記試料側磁極の両磁極間に設けた、前記中心部に近いギャップにより軸上に磁界レンズを形成してなり、前記永久磁石の外側に、軟磁性材料で構成され、軸方向に可動もしくは軸を中心として回転可能な磁路を設けて、前記永久磁石の外側磁路の磁気抵抗を調整可能に構成したことを特徴とする。
(8)電子源と、前記電子源から放出される電子線を試料上に収束させる電子レンズを含む電子光学系と、前記試料から二次的に発生した電子を検出して画像化し表示する手段とを備えた荷電粒子線装置において、前記電子レンズは、その中心に穴のある軸対称形状で軸対称の磁化を持つ永久磁石と、軸上に磁界を導く上部磁極および試料側磁極とを有し、前記上部磁極および前記試料側磁極は、軟磁性材料からなり前記永久磁石に磁気的に結合し、前記上部磁極および前記試料側磁極の両磁極間に設けた内側ギャップにより中心軸上に磁界レンズを形成してなり、前記両磁極間の外側ギャップを、中心軸から見て前記内側ギャップよりも外側でかつ前記試料側に設け、前記外側ギャップは前記永久磁石の磁束の外側部分を導く外側磁路のうち最も磁気抵抗が高い部分であり、前記永久磁石の外側に、軟磁性材料で構成され、軸方向に可動式の磁路を設けて、前記永久磁石の前記外側磁路の磁気抵抗を調整可能に構成し、前記永久磁石と前記上部磁極と前記試料側磁極とで囲まれる空間を非磁性材料の充填材で充填してなることを特徴とする。
(9)前記構成の荷電粒子線装置において、イオン源から放出されるイオンビームを静電対物レンズを介して前記試料上に収束し偏向するイオンビーム光学系を有し、前記電子光学系と前記イオンビーム光学系とを同一の真空容器内に備えることを特徴とする。
(10)前記(9)の荷電粒子線装置において、前記電子光学系における前記電子レンズは、前記上部磁極と前記試料側磁極による前記内側ギャップが軸の外側に向いた構造であり、前記イオンビーム光学系では前記静電対物レンズよりも前記イオン源側に磁界発生手段を持ち、イオンの質量による軌道の違いを形成し、前記試料上で前記電子光学系からの磁界により質量の異なるイオンの軌道が一点もしくは焦点のサイズ内で一致するよう構成したことを特徴とする。
本発明によれば、小型で低収差の電子レンズを提供し、それを用いて、超小型でかつ高分解能のSEM等の荷電粒子線装置を実現する。
以下、本発明の実施例について、図面を参照して、詳述する。
(実施例1)
図1に、本発明の第1の実施例に係る電子レンズ(小型対物レンズ)の構造の断面を示す。その中心に穴のある軸対称形状(ドーナツ型)で軸対称の磁化を持つ永久磁石1は、図の上下方向に磁化され、両極のそれぞれにパーマロイによる上部磁極2と試料側磁極3が設けられており、軸に近い方には両磁極の内側ギャップ100が試料向きに形成されている。この部分から真空中に磁束が発生し、中心軸上の試料側、すなわちレンズ構造の下側に軸上磁界が発生し、これが磁界レンズとして機能する。磁束密度のピークは0.2T(テスラ)程度を達成し、ワーキングディスタンス(WD)が2mmから4mm程度で、試料入射エネルギー1keV程度の電子線用に最適なレンズとなっており、分解能2nm程度の電子ビームの収束が可能となる。
次に、この性能を達成するために設けられた構成の他の部分について説明する。同軸形状の円筒様のアルミニウム(Al)による充填材6とカバー7により永久磁石1の内壁と外壁が覆われ、全体を真空の試料室に入れて用いる事ができる。また、最外側には筒形のパーマロイによる半固定の磁路4が止めネジ5によって充填材6に止められている。この半固定の磁路4による外側の磁路と試料側磁極3の間には外側ギャップ9ができる。このギャップの磁気抵抗を半固定の磁路4の位置により調節し、軸上磁界が最適となるように決められる。
ここで、上部磁極2の中心軸近くは漏斗様の形状であり、試料8に近づくにつれて内径が小さくなっている。上部磁極2の下端より試料側に軸上磁界のピークが得られ、この結果、形成される磁界レンズの焦点距離が極めて小さくなるので、特に100eVから3keV程度の低加速SEMにおいては、分解能に支配的な色収差を低減できるという利点がある。また、外側に漏れる磁界は、主に外側ギャップから試料側に広がっているので、電子線装置の性能への影響を最小限にすることができる。
ここでは、永久磁石1の大きさは、外径34mm、内径20mm、高さ5mmであり、上部磁極2の中心軸の穴径は3mm、上部の円盤部分の厚さ5mm、試料側磁極3の内径12mm、円盤部分の厚さ3mm、半固定式の磁路4の厚み2mm、レンズ全体の外径50mm、高さ10mmである。なお、これら寸法は、必要な軸上磁界と、所望の形状等によって、適宜永久磁石材料、各磁極用の軟磁性材料を選んでから決めればよいので、このサイズに限ることはない。
製造工程としては、まず、各部品すなわち円筒形の永久磁石1の材料として着磁していない円筒形のサマリウムコバルト系合金等の強磁性体材料の焼結体、上部磁極2、試料側磁極(下部電極)3、外側の磁路4、カバー7、充填材6とを成形、加工した後、これらを組み合わせる。これを、図3(a)に示すような着磁器に入れ、着磁コイル30に電流を流してポールピース31間に磁束を発生して、強磁性体材料を磁化して永久磁石1とする。この場合、軟磁性材料が両ポールピース間をショートするようにおかれている部分では、磁束密度がこれらの材料の飽和磁束密度よりも強くすれば、磁束の吸い込みによる不均一な磁化を防ぐことができる。あるいは、ポールピース31の形状を平板から変更して、例えば、中心軸付近には窪みを作って磁気抵抗が大きい領域を形成しても良い。着磁後は、上部磁極2と試料側磁極3及び磁路4は磁気の力で引き付けられるので、部品の脱落や分解の心配がなく使用することができる。また、着磁前の各部品の固定用、あるいは着磁後にはずれる心配のあるような強い力が加わる場合には、あらかじめ接着剤やネジなどで固定しても良い。あるいは着磁前の各部品の固定用であれば、永久磁石1を弱く、飽和磁化の10%程度以下に磁化しておいて、弱い力で吸着しておいても良い。
なお、組み立て時に、すでに着磁済みの永久磁石1を用いることは可能だが、磁気による吸引力は磁性体が近づくにつれて急激に強くなるために、組立時の衝撃による部品の割れや、組立誤差や、作業者のけがなどの可能氏があるので注意を要する。
また、磁路4は着磁前に組み込んでおかず、着磁後に組み込んでも良い。また、ポールピース31の形状はレンズ構造により適宜変更して用いればよい。例えば、上部磁極の上面や試料側磁極の試料側がコーン状のときは、各ポールピースもその形状に合わせて用いる。また、充填材6やカバー7は硬化前の樹脂を組立後、あるいは着磁後に流し込み、その後硬化させて形成しても良い。この場合密着性の良いものが得られる。
次に、永久磁石の温度変化を抑えるために、適宜、エージングあるいはアニールを行う。これは、永久磁石の磁化の温度変化のうち非可逆成分を予め除去し、使用時の変動を抑えるもので、永久磁石材料と使用温度、永久磁石のパーミアンスにより決めればよい。磁石としてサマリウムコバルト系を用いる場合は、キュリー温度が800℃程度と高いので、高温に加熱する場所でも使え、例えば400℃に加熱する場合には、磁化後、450℃のアニールを1時間程度行うと安定となる。なお、その場合、充填材6とカバー7はより耐熱性の高いものが望ましく、たとえば、銅合金、チタニウム合金、オーステナイト系ステンレス鋼等を用いればよい。また、強磁性体としてネオジウム鉄ホウ素系を用いた場合はキュリー温度が低いので、200℃以下の用途にとどめるべきであり。望ましくは熱処理温度150℃以下で、使用は100℃以下で用いると良い。また、永久磁石1の形状によりパーミアンス係数が異なり、磁化方向に幅が小さくて長い形状の場合はパーミアンスが大きく温度や外部磁界変動に対して磁束の変化が少ないので、設計上スペースのある場合には有効である。一方、幅が広くて短い、すなわち薄いドーナツ形状の場合はパーミアンスが小さく磁束が変化しやすいので、その分考慮して設計する必要がある。
次に、永久磁石1の着磁後の磁束にはばらつきが出るため、図3(b)に示すような調整器により所望の特性とする。ここで調整器を構成する部品は、非磁性材料である必要があり、例えば、硬い樹脂、セラミックス、ガラス、アルミニウム合金、オーステナイト系ステンレス鋼、チタニウム合金、より小さくて硬いものが必要な場合にはモリブデン等で構成される。調整器の上蓋37と底板33との間に、本発明による電子レンズ構造の着磁およびアニール後のものを固定し、軸上磁界を磁場測定器により計測し、この値が所望の値となるように磁路4の位置を調整棒35により調整し、その後ドライバ36により止めネジ5を回して固定する。ここで調整棒35は磁路4の上2点以上の場所にありネジあるいは板等により均等に下に移動して磁路4を下に移動させる。磁路4の上への移動は底板33から上に移動する調整棒35により行う。なお、ここでは磁路4の上下動を行うために棒を用いているが、磁路4を移動させる手段であれば同様の効果があるので、例えば、板あるいは円筒のようなものを用いてもよい。
磁界の調整方法として磁路4を移動するために、他の手段や構造を採用しても同様の効果があることは明らかである。例えば、図4(a)に示すように、磁路4の内周と充填材6の外周部をネジ構造としておけば、磁路4は軸方向に可動となり、磁路4の回転により上下位置が決められるので、軸上磁界を所望の値に調整することができる。また、上部磁極2に使われているパーマロイ等の軟磁性材料は、ストレスや歪みなどで磁性が変わるので、調整時の摩擦などによる不均一な劣化を防ぐために、図4(b)のようにカバー40を設けるとよい。この材料として、テフロン(登録商標)やベスペルなどの樹脂材料を用いれば、外側の磁路4との摩擦を小さくするメリットもある。
本実施例では、これまで、半固定式の磁路4が外側での磁束を担う磁性体であったが、図4(c)のように別に固定の外周固定磁路41を設けておいても良い。外周固定磁路41は磁気飽和かそれに近い条件で用いるために、薄肉の円筒とする。この場合は、半固定の磁路4により軸上磁界を調整する範囲が狭くなるので、より精度の高い調整が容易となるという利点がある。
また、これらの半固定の磁極4や外周固定磁極41の断面形状は長方形であったが、磁極4が動ければどのような形状でもよく、例えば、図4(d)のようにくさび形としても良い。この場合、外側ギャップ9の磁気抵抗は固定で、磁極4と外周固定磁極41重なり部分で磁気抵抗を調節する構造となる。
また、外部磁路の磁気抵抗を可変にするためには、必ずしも軸対象構造でなくともよく、例えば、図4(e)に示すような鋸歯状半固定磁路42と鋸歯状固定磁路43を組み合わせ、鋸歯状半固定磁路42を軸を中心として回転可能に構成しても良い。また、図4(f)のように鋸歯状の磁路構造の歯の間の空いた部分を非磁性充填材44で埋めてもよく、この場合、円筒形の外観が得られる。
本実施例では、試料側磁極3よりも試料側に磁界レンズの中心を形成するタイプの対物レンズを用いて説明してきたが、図5(a)のように内側ギャップ100が上部磁極2と試料側磁極3の中間にある構造も可能である。この場合、電子レンズ部4は中心軸上で内側ギャップ100の中間に形成され、電子レンズ構造の内部となる。この構造は、中心軸上でのレンズ外、特に試料への磁界漏洩がきわめて少ないので、磁界の影響を受けやすいような磁性体サンプルの観察や、斜めで他の電子線やイオンビームカラムと共存する場合に有用である。
また、本構造では上部磁極2の軸側すなわち内側の磁気抵抗がきわめて小さくなるため、図1に示した電子レンズに比べて、同じレンズ強さの軸上磁界を得るための永久磁石1の磁束が小さくでき、また、外側の磁路の磁気抵抗が小さくできるという特徴がある。これは、対物レンズ構造全体を小さくできるという利点につながるので、より試料に近づきWDが小さい条件での高分解能観察や、空間的に余裕のない場所の観察に適している。例えば、図1の構造と同程度の強度の磁界、すなわち、0.2T程度の磁界発生のために、レンズ全体の外径を30mmから10mm程度と小型化することも可能である。
さらに、本構造では、内側の磁気抵抗を小さくできるために、図5(b)のように上部磁極2と試料側磁極3を外側で結合した構造として、外側ギャップ9を不要とすることもできる。この場合は、実用上、中心部の軸上磁界のピークが0.7〜0.1Tが可能であり、電子の加速エネルギー10kVから1kV用に適した磁界を選べばよい。また、これ以外にも30kV程度の高加速電子に適用する場合は永久磁石1と磁路の外側の外周をより大きなものとすればよい。
永久磁石による電子レンズは、コイルを採用したレンズと比べて、きわめて安定で、ノイズが発生しないという利点がある。しかし、永久磁石の場合、レンズ強度は常に一定であり、変化させることは難しいので、加速電圧や試料高さの変化や、オートフォーカス時に焦点位置を細かく変える場合には適用できないという問題がある。わずかな調整を与えるためにコイルを重畳して巻き、これに通電することは一つの手段である。他の手段として、静電レンズと組み合わせると有効である。例えば、図5(c)のように上部磁極2と試料側磁極との間に、電界レンズ効果をもたらす静電電極50を設けると良い。これは、永久磁石1と試料側磁極3との間に絶縁カバー52ではさんだ静電電極50を入れ、中心軸側のみ静電電極50をむき出しにする。静電電極50は燐青銅、オーステナイト系ステンレス、チタン合金等の導電体でかつ非磁性体材料が用いられる。被覆線52により外部から静電電極に電圧を加える。このような構造にすると、上部磁極2と試料側磁極3が同電位で、中間の静電電極50の電位を変えることでアインツエル型のような静電レンズが重畳される。このため、電子線の加速や、試料位置が変わった場合、この静電電極50に印加する電圧を変えて対応することができる。
また、オートフォーカス機能を使う際に、静電電極50に高周波を印加して高速で焦点位置を変化させることができる。特に、コイルを用いたレンズの場合はコイルのインダクタンスのために高速化には限界があるが、本構造では静電電極50の浮遊容量のみで高速レスポンス性能が決まるので、より迅速な焦点あわせが可能という利点がある。周波数としては静電電極50をコンパクトなサイズにすれば、数十MHz程度も可能である。
さらに、本構造の利点として、焦点変化時にヒステリシスがないということがある。コイルを用いた電子レンズにおいて磁界を変動させる構造では、途中の磁路のヒステリシスループが必ずあるために同じ励磁電流でもフォーカス位置が異なるという問題があった。このため、高精度あるいは高分解能を要求される観察条件でのオートフォーカスが難しかったので、装置の使い勝手が悪い、観察に熟練を要する等の問題があった。この点、本発明では、磁界レンズは常に正確に一定であり、全く独立に静電レンズ条件のみ精度良くヒステリシスなく変化させることが可能であり、高精度高分解能のオートフォーカスが可能になるという利点がある。
静電レンズ効果を重畳させるための他の手段でも同様な効果があることは明らかである。例えば、図5(d)のように、上部静電電極53を上部磁極2の上にそなえ、内側ギャップ100近傍にその穴を持ってくることで、静電のバイポテンシャルレンズを重畳してもよく、この場合、構造が簡単で安価に製造できるという利点がある。さらに、上部静電電極53に正の高電圧数百Vから10kV程度を印加すれば、電子線を加速する構造となるので、磁界レンズ中の色収差を低減し、高分解能化が可能という利点があり、分解能2nm程度のSEMが形成可能である。
また、静電電極として、磁極を兼用してもよく、例えば、図5(e)のように、上部磁極2を絶縁体54により固定磁路55と絶縁して別の電圧を印加して静電レンズを重畳しても同様の効果がある。この効果は、試料側磁極を絶縁しても同様である。ここで、絶縁体54はセラミックスや樹脂などの絶縁体材料を用いる。なお、強い磁界が必要な場合には、マンガン亜鉛フェライトのような電気抵抗が高いソフトフェライトを絶縁体54として用いると、磁路の磁気抵抗を低減できるので効果的である。
ここでは、磁界レンズに静電レンズを組み合わせることで焦点を変えられるため、例えば、図5(b)から、半固定の磁路4を取り去り、すべて固定の磁路構造を用いても良い。磁界レンズの特性は個々にばらついていても、静電レンズで補正して用いれば、同じフォーカス位置が得られる。この場合は、より安価に製造できるという利点がある。
本実施例においては、これまで永久磁石1の磁化方向が対称軸の方向であったが、実際にレンズとして使う軸上磁界は、内側ギャップの位置や向きで決まるので、これに適した方向であれば、磁化方向は他の向きでも良いことは明らかである。例えば、図6(a)に示すように、永久磁石1の半径方向に磁化、すなわち円筒形の永久磁石1の内面と外面で、S極とN極にしてもよい。内側の円筒面に上部磁極2を、外側の円筒面に試料側磁極3を磁気的に結合して用いる。この場合、内側ギャップが試料向きになるので、図1と同様に試料側に軸上磁界のピークを持つレンズが得られる。ここでは磁石1を試料に近づけることができるので、小さいサイズの磁石でよく、ここにネオジウム鉄硼素系の磁束密度1T程度の強い磁石を用いればよりいっそう小型のレンズが形成される。なお、Nd−Fe−Bを主とした磁石材料は粒界腐食しやすいので、表面の保護をかねてコーティング層60を施すと良い。また、サマリウムコバルト系磁石を用いてもよく、この場合、30%ほど磁束密度は弱くなるが、キュリー点が800℃程度と高いので、高温にさらされる場所に最適である。この場合も、サマリウムコバルト材料のガス吸収による膨張や粒界割れを防ぐためにコーティング60によるカバーは有効である。
試料に対してカラムを大きな角度に傾けて、高分解能観察したい場合には、さらに上部磁極2の中心軸側部分を試料側につきだして用いると良い。例えば、図6(b)のような構造とすれば、Si基板のような平らな試料上で傾けて試料に近づけて、磁界レンズを試料付近に形成できるので、高分解能観察が可能である。また、磁界を漏洩してはいけない場合には、図6(c)のように、試料側磁極3の中心軸側を上部磁極2よりも試料側に突き出せばよい。
(実施例2)
図7に、小型の静電型カラムに本発明を適用して高分解能化した第2の実施例を示す。
ここでは、高性能のショットキー型電子源71を用いかつ小型化するために、電子銃70の排気はイオンポンプを使わず、内部においたシート状の非蒸発ゲッタポンプ72を用いる。この結果ポンプ込みの電子銃70の外径は70mm以下ときわめてコンパクトとなる。立ち上げ時には、粗排気ポート69から真空配管をターボ分子ポンプ19につないで、ある程度真空排気した後、外壁に配したヒーター73により非蒸発ゲッタポンプ72を加熱活性化し、その後、粗排気ポート69をバルブにより封じることで、電子銃70内部は超高真空雰囲気に保たれる。活性化用の加熱条件はZr−V系を使えば、350℃から700℃で1時間以上である。また、超高真空を保つために、電子銃70と真空容器76との間の隔壁の電子線10が通過するアパーチャ68の直径は30μmから100μmと小さくしてガスの流入を制限している。
ターボ分子ポンプ19により排気される真空容器76内には、制御電極11とドリフトチューブ12と本発明による磁界対物レンズ74を配する。磁界対物レンズ74は、図5(a)の構造のものであり、永久磁石1、上部磁極2、試料側磁極3は各々厚さ1mmからなり、全体の厚さ3mm、直径4cm、穴径0.8mmのものである。制御電極11とドリフトチューブ12にはそれぞれ正の高電圧を印加し、ドリフトチューブ12の上端の部分と制御電極11により静電レンズが形成され、これがコンデンサレンズとして機能する。また、ドリフトチューブ12の下面とアース電位におかれた磁界レンズ74との間に静電レンズが形成され、その下の磁界対物レンズとあわせて対物レンズを形成している。ドリフトチューブの周りにはスティグマコイル14、アラインメントコイル15、および偏向器16を配置する。試料8に照射した電子線10により二次的に発生した電子、ここでは、二次電子75は、近くに配置した二次電子検出器17で検出される。また、反射電子77はエネルギーが高いので、対物レンズ74の下面においた反射電子検出器78で検出される。それぞれの検出信号と、偏向器16へのスキャン信号により画像形成手段18に走査電子顕微鏡像を表示する。
ここでは、ドリフトチューブ12に正の高電圧を印加して内部で電子線10を加速し、対物レンズ中で減速する方法を用いている。例えば、電子線10のアースに対するエネルギーを1keVとした場合、ドリフトチューブ12に5kV程度を印加し、制御電極11に800から1200V印加し、ドリフトチューブ中を電子線が平行ビームとなるように調節すると、静電の対物レンズを構成する電極穴の距離5mm、穴の直径0.8mmの場合、永久磁石1が磁化していない場合は対物レンズ74の下面から約5mmの場所に焦点を結ぶ、すなわちWD5mmで、このときの分解能は13nm程度である。一方、永久磁石を磁化し、軸上磁界を0.1T程度に調節した磁界対物レンズ74を用いると、WD2から3mmで、分解能3nm程度と高分解能なSEM像が得られる。この場合の焦点位置あわせはドリフトチューブ12と制御電極11に印加する電圧で調節する。本実施例では、きわめて小型で高分解能が達成されるので、卓上や他の装置上において使えるという利点がある。
なお、真空容器76は常に真空状態に保っておくといつでもSEM観察可能なので、試料8の交換には、別に真空導入室を設けてロードロック方式にすると便利である。また、ここでは電子源としてショットキー電子源71を用いたが、タングステン(W)の電界放射電子源を用いてもよく、その場合、電子銃70をより小さい構造とすることができる。また、分解能があまり高くない用途であれば、電子源として、LaB6やWフィラメントを加熱して用いても良い。また、ここでは1kV程度の低加速の場合の条件の例を挙げたが、より高加速でも同様のことが可能で、その場合、色収差が小さくなるのでよりいっそうの高分解能化が可能となる。
静電レンズと小型の電子銃70との組み合わせで全体を真空容器に入れて使うとSEMカラム全体を可動式として使うことが可能となる。例えば、図8(a)のようにSEM全体を直径70mm以下、好ましくは直径40mm程度に作り、移動手段81により試料8上を移動するように構成すると、試料8が大型の平面ディスプレー用のパネル、あるいは大型の半導体基板の場合に、試料移動がなくてすむので装置のサイズを小さく作ることができるという利点がある。
さらに、SEMカラムを傾けたり一つの装置に多数並べたりできるので、立体構造の観察や、ウェハの縁や側壁の観察に便利な装置を形成することもできる。図8(a)のSEMカラムは、ショットキー電子源71が入る電子銃70は引き出し電極80と非蒸発ゲッタポンプ72が入り、外部にはポンプの活性化用のヒーター73が設けられる。ここで全体を覆うハウジング82は真空容器76内部にあるために、大気圧がかからないので、薄肉で小さく作ることができる。電子光学系は制御電極11、ドリフトチューブ12、磁界対物レンズ74、偏向器24からなるところは図7の装置構成と同じであり、図8には明示していないが、そのほかスティグマコイルやアラインメントコイルを備えていることも同様である。
図8(a)の装置においては、試料8に負の電圧−100Vから−400Vを印加しているので、電子ビーム10の照射により試料8から発生した二次電子75は、対物レンズ74の穴を戻り、ドリフトチューブ12内の内蔵電子検出器83で検出される。この構造では、SEMカラムと検出器が一体であるため、システムとして小型化可能であり、移動手段81で動かす装置や、複数のカラムを並べる装置に有利である。なお、ここで、84は試料8を載置する試料ステージ、85は試料ステージ84を制御するステージ制御装置、86はSEMカラムの電子光学系やステージ制御装置85等を制御するコントローラ、87はディスプレーを示す。
この場合の対物レンズ構造は、例えば、図8(b)のように、図7の場合と同様に静電レンズの下に磁界レンズがある構造で、磁界対物レンズ74はボルト89によりハウジング82に固定される。
磁界対物レンズ74をドリフトチューブ12の試料側端に固定して用いても良い。例えば、図8(c)のようにスペースのない場所ではドリフトチューブと磁界対物の一部にネジ山を設け、両者を固定しても良い。この構造の対物の場合、ドリフトチューブ中の電子の運動エネルギーを3keVから10keV程度に加速しておけば、磁界レンズ中は高速で通過するため、特に色収差を低減できる。試料側電極79を0Vとして減速して電子を試料上に絞ることで、高分解能の観察が可能となり、WD2mm程度で、試料への入射エネルギー1keV程度で分解能2nm程度が達成される。
(実施例3)
図9に、本発明の第3の実施例の構成を示す。
これは、試料8として半導体基板の配線パターンや穴の形状などを観察するのに適した装置である。ショットキー電子源を用いた電子銃70から発生した電子線10を、磁界によるコンデンサレンズ93と本発明による磁界対物レンズ74より細く絞って試料8に照射する。電子線10を偏向器16によりスキャンする。ここで対物レンズ74の上にはExBフィルター90がおかれる。これは電界と磁界をお互いに直交しかつ軸に直交するようにかけ、電子ビーム10に対しては直進するように調整したもので、よりエネルギーの低い電子は通過の際に軌道が曲がるようになっている。電子線10のアースに対するエネルギーを3keV程度とし、試料8に印加するリターディング電圧Vrを2kV程度とすると、試料に入射する電子線10のエネルギーは1keV程度となる。これに対して、上部磁極2にブースター電圧Vbを印加し、対物レンズ中の電子線10の運動エネルギーを10kから5keVとして対物レンズ中の色収差を押さえ試料8上に小さな焦点を形成し、分解能2nm程度を得る。
ここから発生する二次電子75は、Vb−Vrによる電界で加速され、かつ対物レンズ74からの磁界によって対物レンズ中を通り抜け、ExBフィルターに入る。ここでは二次電子75のエネルギーは、VrからVr+10eV程度と、プローブの電子線10より低いために横に曲げられ、二次電子検出器17で検出される。ここで、試料8表面の深い穴から発生する二次電子は、このVb−Vrによる電界で引き上げられるために、アスペクト比10以上の深い穴の中の寸法や形状の情報を得ることができる。また、試料側磁極2は、通常はアース電位だが、必要に応じて、+300から−300V程度の電圧Vcを印加することができる。これは、試料8の表面の帯電電位を制御するもので、これにより負の帯電あるいは正の帯電を選び、試料からの必要な情報を得ることができる。
また、本発明による対物レンズ構造は、直径2cmから5cmと小さく作ることができる。対物レンズ74の近くに光学式の試料高さ測定器91をおいて光92の試料からの反射により距離を測定し、試料位置を制御するか、すばやい焦点あわせが可能となる。
(実施例4)
図10の(a)に、本発明の第4の実施例の構成を示す。
本実施例は、対物レンズ74として、図6(b)と同様に、上部磁極2が試料側につきだした構造をとり、試料8に対して斜めから電子線10を照射するSEMである。試料8の表面に対し、電子線10は約30度の角度まで傾けることが可能である。ここで、二次電子75の一部は対物レンズからの磁界のために、図9の場合と同様に対物レンズ中を通り、上部静電電極53中で加速され、ExBフィルター90に低速で入り二次電子検出器17の方に弁別される。試料表面からの反射電子77は、電子の入射方向と反対側に多く出るためにSEMカラムの外に反射電子検出器78を置き、主に反射電子を検出する構成とする。静電電極53にはブースター電圧Vbを印加し電子線10を加速すると同時に、戻ってきた二次電子75を効率良く取り込む機能がある。また、下端付近での静電レンズ効果を用いて、焦点の微調整、オートフォーカスを行う。
また、図6(b)の構造と異なり、試料側磁極3は、永久磁石1に対して絶縁体54を介してつながり、さらに充填材6とカバー7も絶縁体とする事で、アース電位から絶縁し、独立の電圧Vmをかける構造にしても良い。この場合、Vmを変化させて焦点の変調を行いオートフォーカスとして使うことができる。この場合は、二次電子の検出軌道に与える影響が少なく、精度の高い焦点あわせが可能となる。なお、試料側磁極3の下端から非磁性体の電極を延長し、上部磁極2の先端に近づけると、Vmの電圧を小さくしてフォーカス条件を変調することができる。
図10の(b)は、上図(a)のSEMカラムと、フォーカスイオンビームカラムとを組み合わせた例である。
液体金属のGaイオン源102から放出した30kV程度のエネルギーのイオンビーム107を、静電のコンデンサレンズ103と静電対物レンズ105により微細なプローブとして試料に照射し、このスポット位置を静電偏向器106により制御して試料の加工を行う。この加工中および加工前後の試料観察を左側のSEMカラムで高分解能観察する。SEMカラム自体を可動式とし、加工中は試料から遠ざけて低分解能観察すると、試料からの飛散物の付着を防げるので効果的である。高分解能観察が必要な場合は、試料8に近づけてWDを小さくして観察することが必要になるが、本発明の対物レンズ74は、従来のコイル式に比べて小さくできるために、イオンビームの静電対物レンズ105の下に入れて用いることができるので、有用である。
また、その際に、対物レンズ74から漏れる磁力線101のためにガリウム(Ga)のスポットが分離しないように、イオンビームカラム中にある同位体補整器104に磁界を発生させる。Gaには原子量69と71の同位体がほぼ6:4で存在するため、磁界により試料上に入射する点が異なる。このため、高分解能の電子レンズで試料上に磁界を発生するとイオンビームか高精度が悪くなるという問題がある。これを防ぐために、対物レンズ105上であらかじめ磁場により同位体の軌道を変え、試料上で一点に一致するようにしたものが、同位体補整器104である。
なお、図6(c)のタイプの磁界を漏らさないタイプの対物レンズを採用すれば、分解能は少し悪くなるが、同位体補整器104がなくてすむので、より安価な装置には適している。
以上、実施例を挙げて詳述したように、本発明によれば、小型で低収差の磁界対物レンズが得られるので、超小型で高かつ高分解能のSEMが実現される。さらに、超小型でカラム可動式のSEM装置や、イオンビーム装置を組み合わせて、高機能の電子線応用装置が実現される。
本発明に係る電子レンズの一実施例を説明する断面図。 従来の電子レンズを説明する図。 本発明の電子レンズの製造工程を説明する図。 本発明の電子レンズにおける磁界の調整方法を説明する図。 本発明の電子レンズの別の構成例を説明する図。 本発明の電子レンズのさらに別の構成例を説明する図。 本発明の第2の実施例を説明する図。 第2の実施例の変形例を説明する図。 本発明の第3の実施例を説明する図。 本発明の第4の実施例を説明する図。
符号の説明
1…軸対称形状の永久磁石、2…上部磁極、3…下部磁極、4…磁路、5…とめネジ、6…非磁性体充填材、7…カバー、8…試料、9…外側ギャップ、10…電子線、11…制御電極、12…ドリフトチューブ、14…スティグマコイル、15…アラインメントコイル、16…偏向器、17…二次電子検出器、18…画像形成手段、19…ターボ分子ポンプ、20…棒磁石、21…外部磁路、22…内部磁路、23…真鍮、24…電子レンズ部、25…軟磁性材料、30…着磁コイル、31…ポールピース、32…磁化器のボディー、33…調整器の底板、34…磁場測定器、35…調整棒、36…ドライバー、37…調整器の上蓋、38…調整器の筒、40…外周カバー、41…外周固定磁路、42…鋸歯状半固定磁路、43…鋸歯状固定磁路、44…非磁性充填材、50…静電電極、51…絶縁カバー、52…被覆線、53…上部静電電極、54…絶縁体、55…固定磁路、60…コーティング、68…アパーチャ、69…粗排気ポート、70…電子銃、71…ショットキー電子源、72…非蒸発ゲッタポンプ、73…ヒーター、74…磁界対物レンズ、75…二次電子、76…真空容器、77…反射電子、78…反射電子検出器、79…試料側電極、80…引き出し電極、81…移動手段、82…ハウジング、83…内蔵電子検出器、84…試料ステージ、85…ステージ制御装置、86…コントローラ、87…ディスプレー、89…ボルト、90…ExBフィルター、91…光学式試料高さ測定器、92…光、93…コンデンサレンズ、100…内側ギャップ、101…磁力線、102…イオン源、103…静電コンデンサレンズ、104…同位体補整器、105…静電対物レンズ、106…静電偏向器、107…イオンビーム。

Claims (16)

  1. 試料に電子線を収束させる電子レンズであって、軸対称形状で中心部に穴のある永久磁石と、軸上に磁界を導く上部磁極および試料側磁極とを有し、
    前記上部磁極および前記試料側磁極は、軟磁性材料からなり前記永久磁石に磁気的に結合し、前記上部磁極および前記試料側磁極の両磁極間に設けた、前記中心部に近いギャップにより軸上に一つの磁界レンズを形成してなり、
    前記永久磁石の外側に、軟磁性材料で構成され、軸方向に可動もしくは軸を中心として回転可能な磁路を設けて、前記永久磁石の外側磁路の磁気抵抗を調整可能に構成したことを特徴とする電子レンズ。
  2. 試料に電子線を収束させる電子レンズであって、その中心に穴のある軸対称形状で軸対称の磁化を持つ永久磁石と、軸上に磁界を導く上部磁極および試料側磁極とを有し、
    前記上部磁極および前記試料側磁極は、軟磁性材料からなり前記永久磁石に磁気的に結合し、前記上部磁極および前記試料側磁極の両磁極間に設けた内側ギャップにより軸上に磁界レンズを形成してなり、
    前記両磁極間の外側ギャップを、軸から見て前記内側ギャップよりも外側でかつ前記試料側に設け、前記外側ギャップは前記永久磁石の磁束の外側部分を導く外側磁路のうち最も磁気抵抗が高い部分であり、
    前記永久磁石と前記上部磁極と前記試料側磁極とで囲まれる空間を非磁性材料の充填材で充填してなることを特徴とする電子レンズ。
  3. 請求項2に記載の電子レンズにおいて、前記永久磁石の外側に、前記軸上磁界を調整する手段として、前記外側磁路の磁気抵抗値を調整する磁路を設けたことを特徴とする電子レンズ。
  4. 請求項3に記載の電子レンズにおいて、前記磁路は、略円筒形の軟磁性材料で構成され、軸方向に可動式とし、かつ、前記磁路を当該電子レンズに対して固定する機能を持つ固定手段を備えることを特徴とする電子レンズ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子レンズにおいて、前記永久磁石の軸側面で、かつ前記上部磁極と前記試料側磁極との間に、コーティング層もしくはカバーを設けたことを特徴とする電子レンズ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子レンズにおいて、前記磁界レンズにより発生する軸上磁界の影響の及ぶところもしくはその近傍に、電界レンズ効果をもたらす静電電極を設けたことを特徴とする電子レンズ。
  7. 請求項6に記載の電子レンズにおいて、前記上部電極もしくは前記試料側磁極を、絶縁体を介して電気的に分割した構造とし、前記静電電極として、前記上部磁極もしくは前記試料側磁極の一部を用いるように構成したことを特徴とする電子レンズ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電子レンズにおいて、前記永久磁石の材料として、サマリウムコバルト系またはネオジウム鉄硼素系を用いることを特徴とする電子レンズ。
  9. 請求項1又は3に記載の電子レンズを製造する工程にあって、磁化がないかもしくは飽和磁化の10%程度以下の永久磁石材料を用いて形成された前記永久磁石と、前記上部磁極および前記試料側磁極とを組み立てた後に、着磁する工程を含むことを特徴とする電子レンズの製造方法。
  10. 請求項9に記載の電子レンズの製造方法において、前記着磁工程を経て、前記永久磁石の磁化の温度変化を抑えるために、前記永久磁石をアニールもしくはエージングを施した後、前記軸上磁界を測定しながら、前記磁路を調節、固定する工程を含むことを特徴とする電子レンズの製造方法。
  11. 電子源と、前記電子源から放出される電子線を試料上に収束させる電子レンズを含む電子光学系と、前記試料から二次的に発生した電子を検出して画像化し表示する手段とを備えた荷電粒子線装置において、
    前記電子レンズは、軸対称形状で中心部に穴のある永久磁石と、軸上に磁界を導く上部磁極および試料側磁極とを有し、
    前記上部磁極および前記試料側磁極は、軟磁性材料からなり前記永久磁石に磁気的に結合し、前記上部磁極および前記試料側磁極の両磁極間に設けた、前記中心部に近いギャップにより軸上に磁界レンズを形成してなり、
    前記永久磁石の外側に、軟磁性材料で構成され、軸方向に可動もしくは軸を中心として回転可能な磁路を設けて、前記永久磁石の外側磁路の磁気抵抗を調整可能に構成したことを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 電子源と、前記電子源から放出される電子線を試料上に収束させる電子レンズを含む電子光学系と、前記試料から二次的に発生した電子を検出して画像化し表示する手段とを備えた荷電粒子線装置において、
    前記電子レンズは、その中心に穴のある軸対称形状で軸対称の磁化を持つ永久磁石と、軸上に磁界を導く上部磁極および試料側磁極とを有し、
    前記上部磁極および前記試料側磁極は、軟磁性材料からなり前記永久磁石に磁気的に結合し、前記上部磁極および前記試料側磁極の両磁極間に設けた内側ギャップにより中心軸上に磁界レンズを形成してなり、
    前記両磁極間の外側ギャップを、中心軸から見て前記内側ギャップよりも外側でかつ前記試料側に設け、前記外側ギャップは前記永久磁石の磁束の外側部分を導く外側磁路のうち最も磁気抵抗が高い部分であり、
    前記永久磁石の外側に、軟磁性材料で構成され、軸方向に可動式の磁路を設けて、前記永久磁石の前記外側磁路の磁気抵抗を調整可能に構成し、
    前記永久磁石と前記上部磁極と前記試料側磁極とで囲まれる空間を非磁性材料の充填材で充填してなることを特徴とする荷電粒子線装置。
  13. 請求項11又は12に記載の荷電粒子線装置において、前記電子光学系は、少なくとも1つの静電レンズを形成する電極をもち、前記電子源は、Zr−O/Wショットキー電子源もしくはタングステン電界放射電子源で構成し、非蒸発ゲッターを主な排気手段とすることを特徴とする荷電粒子線装置。
  14. 請求項11又は12に記載の荷電粒子線装置において、前記電子源および前記電子光学系の移動手段を設け、前記試料上の位置、または前記試料に対する角度を可変としたことを特徴とする荷電粒子線装置。
  15. 請求項11又は12に記載の荷電粒子線装置において、イオン源から放出されるイオンビームを静電対物レンズを介して前記試料上に収束し偏向するイオンビーム光学系を有し、前記電子光学系と前記イオンビーム光学系とを同一の真空容器内に備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  16. 請求項15の荷電粒子線装置において、前記電子光学系における前記電子レンズは、前記上部磁極と前記試料側磁極による前記内側ギャップが軸の外側に向いた構造であり、前記イオンビーム光学系では前記静電対物レンズよりも前記イオン源側に磁界発生手段を持ち、イオンの質量による軌道の違いを形成し、前記試料上で前記電子光学系からの磁界により質量の異なるイオンの軌道が一点もしくは焦点のサイズ内で一致するよう構成したことを特徴とする荷電粒子線装置。
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