JP2007308143A - カバーフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリアテープに対するヒートシール性、特にポリカーボネート製キャリアテープに対するヒートシール性に優れた、高速シールが可能なカバーフィルムを提供すること。
【解決手段】基材層とシーラント層を有し、シーラント層がスチレン系炭化水素65〜90質量%と共役ジエン系炭化水素10〜35質量%のブロック共重合体であって、且つビカット軟化温度が60〜85℃である共重合体(a)の50〜90質量%と、スチレン系炭化水素50〜95質量%と脂肪族不飽和カルボン酸及び/又は脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル5〜50質量%の共重合体(b)の10〜50質量%の樹脂組成物からなるカバーフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、カバーフィルムに関する。
カバーフィルムは、例えばキャリアテープに代表される電子部品の包装体に使用するカバーフィルムに用いられている。電子機器の小型化に伴い、使用される電子部品についても小型高性能化が進み、併せて電子機器の組み立て工程においてはプリント基板上に部品を自動的に実装することが行われている。自動実装に際し、電子部品を順次供給していくためにテーピング包装が一般的に行われている。一般にテーピング包装は、一定間隔で電子部品を収納する窪みを有した成形テープ(キャリアテープ)の窪み部に電子部品等を収納後、該成形テープの上面に蓋材としてカバーフィルムを重ね,加熱したシールバーでカバーフィルムの両端を長さ方向に連続的ヒートシールするものがある。カバーフィルム材としては、二軸延伸したポリエステルフィルムを基材にシーラント層にホットメルト層を積層したものなどが使用されている。キャリアテープ材としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルあるいはポリカーボネートなどが使用されている。
キャリアテープとカバーフィルムによって収納された部品は、電子機器等の製造工程の部品実装時には、カバーフィルムが自動剥離装置により剥離され、部品は自動取り出し機により取り出された後、回路基板等に実装される。
電子部品の実装が高速化されることに伴い、キャリアテープにも強い引張応力が掛かるようになってきている。キャリアテープには引張強度に優れ、高速かつ高強度で引っ張ってもキャリアテープの切断を生じにくいポリカーボネート製のキャリアテープが使用されてきている。ポリカーボネート製のキャリアテープにはポリスチレンなどに比べて、カバーフィルムをヒートシールで接着させることが難しい性質があるが、部品収納時の高速化によりカバーフィルムにシールバーが接触する時間が短くなってきている。そのため、ポリカーボネート製キャリアテープに対して、カバーフィルムを充分にヒートシール出来ない問題が生じることがある。
ポリカーボネート製キャリアテープに対するカバーフィルムには特許文献1〜5などがある。
特開平11−139488号公報 特表2001−519728号公報 特開2002−154573号公報 特開2003−95322号公報 特開2003−200990号公報
本発明は、ヒートシール性に優れるカバーフィルムを提供するものである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
(1)基材層とシーラント層を有し、シーラント層がスチレン系炭化水素65〜90質量%と共役ジエン系炭化水素10〜35質量%のブロック共重合体であって、且つビカット軟化温度が60〜85℃である共重合体(a)の50〜90質量%と、スチレン系炭化水素50〜95質量%と脂肪族不飽和カルボン酸及び/又は脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル5〜50質量%の共重合体(b)の10〜50質量%の樹脂組成物からなるカバーフィルム。
(2)共重合体(b)の脂肪族不飽和カルボン酸及び/又は脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルが、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタアクリル酸アルキルエステルより選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする前記(1)に記載のカバーフィルム。
(3)共重合体(b)の脂肪族不飽和カルボン酸エステルが、アクリル酸n−ブチルである前記(1)又は前記(2)に記載のカバーフィルム。
(4)少なくとも片側に帯電防止処理がなされている前記(1)〜(3)に記載のカバーフィルム。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のカバーフィルムを用いた電子部品包装容器。
(6)前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のカバーフィルムとポリカーボネートのキャリアテープを用いた電子部品包装容器。
(7)前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載のカバーフィルムを用いたキャリアテープ用カバーフィルム。
本発明によれば、ヒートシール性に優れたカバーフィルムを提供することができる。特にポリカーボネート製キャリアテープに対するヒートシール性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカバーフィルムは、少なくとも基材層、及びシーラント層を有する。基材層は特に制限するものではないがヒートシール時の温度において使用上問題なければよく、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン等のポリアミド、ポリカーボネート等があげられる。これらのフィルムを二軸延伸したものは耐テープの切れ性、耐熱性、剛性が向上し好適に使用できる。これら一般的なフィルムの他に、帯電防止処理のための帯電防止剤が塗布または練り込まれたもの、またはコロナ処理や易接着処理などを施したものを用いることが出来る。これらのフィルムはいずれも市販のフィルムを用いることができる。基材層の厚さは10〜25μm厚さのものを好適に用いることが出来る。基材層が薄すぎるとカバーフィルム剥離時の「フィルム切れ」を発生しやすく、一方厚すぎるとカバーフィルムの接着性の低下を招きやすい。
シーラント層中の共重合体(a)はスチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素のブロック共重合体であり、スチレン系炭化水素としては、例えばスチレン、α―メチルスチレン、及び各種アルキル置換スチレンなどである。これらスチレン系炭化水素は単独で用いてもよいが、2種以上を併用しても良く、特にスチレンを好適に用いることが出来る。また、共役ジエン系炭化水素とは、共役二重結合を有するオレフィン類で、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これら共役ジエン系炭化水素は単独で用いても良いが、2種類以上を併用しても良い。中でも1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンが好ましい。本発明で使用する共重合体(a)は、リビングアニオン重合等の公知の手法で得ることができる。
共重合体(a)のスチレン系炭化水素含有量は65〜90質量%、好ましくは70〜85質%である。スチレン系炭化水素が65質量%未満の場合、製膜性が悪くなる傾向にあり、カバーフィルムを得るのが難しくなる。一方、90質量%以上では組成物のビカット軟化温度が上昇し、カバーフィルムをヒートシールする際に十分な剥離強度を得るのが困難になる。又、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素の共重合体(a)は、スチレン系炭化水素ブロック−共役ジエンブロックであるジブロック共重合体、スチレン系炭化水素ブロック−共役ジエンブロック−スチレン系炭化水素ブロックであるトリブロック共重合体、スチレン系炭化水素ブロック−スチレン系炭化水素と共役ジエンの含有比が傾斜的に変化するテーパー構造のブロック−スチレン系炭化水素ブロック、といった構造を有するブロック共重合体、
スチレン系炭化水素を主鎖とし共役ジエンを側鎖とするグラフト共重合体などが挙げられる。そのなかでも、スチレン系炭化水素ブロック−スチレン系炭化水素と共役ジエンの含有比が傾斜的に変化するテーパーブロック−スチレン系炭化水素ブロック、との構造を有するブロック共重合体は透明性が良好で、カバーフィルムのヒートシールの際に、充分な剥離強度を得られやすいので好ましい。
共重合体(a)のビカット軟化温度で定義する軟化温度は60〜85℃であることが好ましく、更に好ましくは65〜80℃である。ビカット軟化温度はJIS K−7206法に準じて試験荷重10Nにて測定した値を用いる。ビカット軟化温度が60〜85℃であれば、加熱したシールバーを用いてキャリアテープとカバーフィルムを短時間でシールをした場合でも、シーラント層が軟化しキャリアテープ材への密着が良く、良好な剥離強度が得られる。キャリアテープ材の中でも、特にポリカーボネート製のキャリアテープに対して、その効果が優れている。
ビカット軟化温度が60℃未満であると剥離強度が強くなりすぎる傾向があるだけでなく、高温保管時にフィルムがブロッキングしやすくなりハンドリング性が悪くなる傾向にあり好ましくない。又、ビカット軟化温度が85℃を超えると、ヒートシールした際に共重合体(a)が充分に被着体に密着せず、充分な剥離強度を得ることが困難となる。
共重合体(b)は、スチレン系炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸及び/又は脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルの単量体を重合してなる共重合体であり、スチレン系炭化水素としては例えばスチレン、α―メチルスチレン、及び各種アルキル置換スチレンなどがある。これらスチレン系炭化水素は単独で用いてもよいが、2種以上を併用しても良く、特にスチレンを好適に用いることが出来る。脂肪族不飽和カルボン酸及び/又は脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、アクリル酸、又はアクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のC1〜C12のアルコールとアクリル酸とのエステル誘導体、更に、メタクリル酸、又はメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のC1〜C12のアルコールとメタクリル酸とのエステル誘導体の1種以上を用いることができる。その中でも脂肪族不飽和カルボン酸エステルが好適に用いられ、特にアクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル等が好ましい。これら脂肪族不飽和カルボン酸及び/又はカルボン酸アルキルエステルは、単独で用いてもよいが、2種以上を併用してもよい。
共重合体(b)はスチレン系炭化水素の含有量が50〜95質量%、好ましくは70〜90質量%である。スチレン系炭化水素の含有量が95質量%を超えると、共重合体(b)の柔軟性が低下し、カバーフィルムのシーラント層が脆くなる恐れがあるだけでなく、ポリカーボネート製キャリアテープに対する充分なシール性が得られにくい。一方、スチレン系炭化水素の含有量が50質量%未満であると、硬さ、加工性等の性質が損なわれて、製膜が難しくなる。更に、共重合体(a)と混合した時の相溶性が低下する為、分散不良、外観不良、ヒートシール不良などを起こし易く、好ましくない。
シーラント層は、共重合体(a)が50〜90質量%、共重合体(b)が10〜50質量%、好ましくは共重合体(a)が60〜80質量%、共重合体(b)が20〜40質量%である。共重合体(a)が50質量%未満であるとシーラント層の柔軟性が低下し、シーラントが脆くなるだけでなく、ヒートシールした際にシーラントのキャリアテープに対する密着性が低下する。共重合体(a)が90質量%を超えると、キャリアテープに対するシール性が不十分になる場合がある。
シーラント層の厚さは5〜30μmが好ましく、更に好ましくは10〜20μmである。厚さが5μm未満ではヒートシールした際に充分な剥離強度が得られず、30μmよりも大きいと、剥離強度が強くなりすぎて、カバーフィルム剥離時にテープ切れを起こしてしまう可能性がある。
カバーフィルムには基材層、シーラント層の間に一層以上の中間層を積層しても良い。中間層を設けることで、カバーフィルムの柔軟性が調整でき、基材層とシーラント層の接着強度を強固にすることができる。中間層に使用する熱可塑性樹脂は特に限定されるものではないが、例えば低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンや、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体,エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−エチレングラフト共重合体、スチレン−プロピレングラフト共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエンブロック共重合体、プロピレンなどを用いることができる。これらのポリオレフィンは単独あるいは二種以上を混合物として併用することも可能である。また、中間層であるポリオレフィン樹脂層を、ポリエチレンからなる層とエチレン−1−ブテンからなる層など、異なる樹脂からなる二層以上の層から構成することも可能である。中間層の厚みは10μm〜50μmが好ましく、更に好ましくは10μm〜30μmである。中間層の厚みが10μm未満であると、ヒートシール層との十分な接着強度が得られ難くなり、中間層の厚みが50μm以上であると、フィルムがカールし、カバーフィルムのハンドリング性が悪化する傾向にある。
カバーフィルムには、必要に応じて帯電防止処理工程を行うことができる。帯電防止剤として、例えば、界面活性剤系帯電防止剤、高分子型帯電防止剤、及び酸化アンチモンや酸化スズなどの金属酸化物微粒子を含有する導電化剤等を、グラビアロールを用いたロールコーターやスプレー等により塗布することができる。また、帯電防止処理を行う前に、これらの帯電防止剤を均一に塗布するためにフィルムの表裏面をコロナ放電処理やオゾン処理することが好ましい。特に、コロナ放電処理することが好ましい。
カバーフィルムを製造する方法は特に限定されるものではないが、例えば、シーラント層を構成する各成分をヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー、マゼラー等の混合機を用いてブレンドし、これを直接押出機でフィルム化するか、あるいはブレンド物を一度単軸あるいは二軸の押出機で混練押し出ししてペレットを得た後、ペレットを更に押出機で押し出してフィルム化する方法などが可能である。フィルム化の方法としては、インフレーション法、Tダイ法、キャスティング法、あるいはカレンダー法等のいずれの方法を用いても差し支えないが、通常はインフレーション法やTダイ法が用いられる。また、シーラント層を構成する樹脂と前記中間層の一部を構成する熱可塑性樹脂を、それぞれ別の単軸または二軸の押出機を用いて溶融混練し、両者をフィードブロックやマルチマニホールドダイを介して積層一体化した後、Tダイから共押し出しすることにより、シーラント層と中間層である熱可塑性樹脂層からなる二層フィルムを得ることも可能である。二層化したフィルムとすることにより、製膜したフィルムを巻き取った際のフィルムの表裏面が付着してしまう、いわゆるブロッキングを防ぐことが出来る。
基材層にシーラント層を積層する方法は特に限定されるものではないが、例えば基材層にウレタン樹脂などのアンカーコート剤を塗布し、前記の方法にて製膜したシーラント層とドライラミネートする方法により製造することが可能である。基材層と貼り合せる側のシーラント層の表面には基材層との密着性を向上させる為、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理等の表面処理を施してもよい。カバーフィルムに中間層を含む構成とする場合、基材層に中間層のフィルムをポリオレフィン樹脂を介して押出ラミネートすることにより積層フィルムとし、さらにこのフィルムの中間層の面にウレタン樹脂などのアンカーコート剤を塗布し、シーラント層のフィルムをポリオレフィン樹脂を介して押出ラミネートする方法により製造することが可能である。ウレタン樹脂などのアンカーコート剤を塗布した基材層と、中間層の熱可塑性樹脂とシーラント層を積層一体化した二層フィルムの中間層面とをポリオレフィン樹脂を介して押出ラミネートする方法により製造することができる。基材層と、中間層とシーラント層を積層一体化した二層フィルムの中間層面とを接着剤を介してドライラミネートする方法により製造することも可能である。
フィルムの製造機としては、一般的なラミネーターを用いることができる。押出ラミネートを行う際にアンカーコート剤を基材層に塗布するためのコーターとしては、ロールコーター、グラビアコーター、リバースロールコーター、バーコーター、ダイコーター等の通常使用されているものを用いることができる。
例えば、ポリオレフィン樹脂を押し出すためのラミネーターのダイには、T−ダイを用いることができる。また、フィルム幅を調整するためのディッケルを備えていても良い。
カバーフィルムの全体の厚さは40〜100μmの範囲を好適に用いることができる。カバーフィルムの全体の厚さが40μm未満の場合には、カバーフィルムが薄いため取り扱いが難しく、また、カバーフィルム剥離時にフィルムが切れ易い。一方、カバーフィルム全体の厚さが100μmを超えるとヒートシールが難しくなる。
本発明のカバーフィルムを用いたキャリアテープ用カバーフィルムは、これを使用することにより、電子部品が保管、輸送、実装中に汚染されることが防止でき、カバーフィルをキャリアテープから剥離する時の剥離強度の温度依存性が低い。更に、本発明のカバーフィルムはキャリアテープに対するヒートシール性が優れている。特に、ポリカーボネート系のキャリアテープに対するヒートシール性が優れており、ヒートシールの際に熱ゴテを圧し当てる時間が少なくて済み、高速シールが可能である。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例1〜4)
シーラント層として、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素のブロック共重合体に共重合体(a)−1、(a)−2、(a)−3を、スチレン系炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸及び/又は脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルの共重合体に(b)−1、(b)−3を用い、表1に示す組成になるように配合したものを直径40mmの単軸押出機を用いて200℃で混練した。混練後、この樹脂組成物をTダイ法を用いてフィルム化し、厚さ20μmのシーラントフィルムを得た。作製したシーラントフィルムをドライラミネート法を用いて、基材層である、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと積層させて実施例1〜4となるカバーフィルムを得た。
(実施例5〜16、比較例1〜9)
シーラント層として、スチレン系炭化水素と共役ジエン系炭化水素の共重合体に共重合体(a)−1〜(a)−9を、スチレン系炭化水素と脂肪族不飽和カルボン酸及び/又は脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルの共重合体に(b)−1〜(b)−5を用い、表1、2、3に示す組成になるように配合したものを直径40mmの単軸押出機を用いて200℃で混練し、シーラント層用の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物とポリオレフィン系樹脂として低密度ポリエチレンとを別々の単軸押出機から押出し、マルチマニホールドダイで積層することにより、シーラント層が20μm、中間層(低密度ポリエチレン)が30μmの厚さの2層フィルムを得た。この2層フィルムをドライラミネート法により、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと積層させて実施例5〜16、比較例1〜9のカバーフィルムを作製した。
実施例及び比較例で使用した樹脂は次の通りである。
共重合体(a)として、
(a)−1:スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(電気化学工業社製、「デンカクリアレン」、スチレン含量83質量%、ブタジエン含量17質量%、ビカット軟化温度76℃)
(a)−2:スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(電気化学工業社製、「デンカクリアレン」、スチレン含量74質量%、ブタジエン含量26質量%、ビカット軟化温度76℃)
(a)−3:スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂 (電気化学工業社製、「デンカクリアレン」、スチレン含量65質量%、ブタジエン含量質量35%、ビカット軟化温度60℃)
(a)−4:スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂 (電気化学工業社製、「デンカクリアレン」、スチレン含量90質量%、ブタジエン含量質量10%、ビカット軟化温度85℃)
(a)−5:スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂 (電気化学工業社製、「デンカクリアレン」、スチレン含量85質量%、ブタジエン含量質量15%、ビカット軟化温度80℃)
(a)−6:スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(電気化学工業社製、「デンカクリアレン」、スチレン含量80質量%、ブタジエン含量20質量%、ビカット軟化温度88℃)
(a)−7:スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(電気化学工業社製、「デンカクリアレン」、スチレン含量84質量%、ブタジエン含量16質量%、ビカット軟化温度90℃)
(a)−8:耐衝撃性ポリスチレン(東洋スチレン社製、「トーヨースチロール」、スチレン含量92質量%、ブタジエン含量8質量%、ビカット軟化温度89℃)
(a)−9:スチレン−ブタジエンブロック共重合体樹脂(JSR製、「STRレジン」、スチレン含量40質量%、ブタジエン含量60質量%、ビカット軟化温度65℃)
共重合体(b)として、
(b)−1:スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体(PSジャパン社製、「アサフレックス」、スチレン含量83質量%、アクリル酸n−ブチル含量17質量%)
(b)−2:スチレン−アクリル酸共重合樹脂(電気化学工業社製、「TFポリマー」、スチレン含量97%、アクリル酸含量3%)
(b)−3:スチレン−アクリル酸共重合樹脂(電気化学工業社製、「TFポリマー」、スチレ含量90%、アクリル酸含量10%)
(b)−4:スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂(電気化学工業社製「TXポリマー」、スチレン含量70質量%、メタクリル酸メチル含量30%)
(b)−5:スチレン−メタクリル酸メチル共重合樹脂(電気化学工業社製「TXポリマー」、スチレン含量50質量%、メタクリル酸メチル含量50%)
各実施例及び各比較例で作製した電子部品のキャリアテープ用カバーフィルムに対して、下記に示す評価を行った。これらの結果を表1及び表2、表3にまとめて示す。
(1)ビカット軟化温度
JIS K 7206:1999に準拠して、試験荷重10Nにて測定を行った。
(2)キャリアテープに対する高速シール特性
シール機(システメーション社、ST−60)を使用し、シールヘッド巾0.5mm×2、シールヘッド長32mm、シール圧力3.5MPa、送り長16mm、シール時間0.2秒×2(ダブルシール)の条件で、熱ゴテ温度を150℃から200℃まで10℃の間隔で変化させて、21.5mm巾のカバーフィルムを24mm巾のポリカーボネート製キャリアテープ(電気化学工業製)にヒートシールした。24時間放置後、毎分300mmの速度、剥離角度180°でカバーフィルムを剥離した。150℃でヒートシールした時の平均剥離強度が0.4N〜0.6Nの範囲にあるものを「優」とし、0.3〜0.8Nの範囲にあるものを「良」とし、上記以外のものを「不良」と表記した。
(3)剥離強度の温度依存性
上記シール方法において、150℃〜200℃の平均剥離強度が0.3N〜1.3Nの範囲にあり、且つ150℃でシールした時の平均剥離強度と200℃でシールした時の平均剥離強度の差が0.5N以下であるものを「優」とし0.8N以下であるものを「良」とし、上記以外の平均剥離強度のものを「不良」と表記した。

本発明により提供されるカバーフィルムは、実用的な剥離強度を容易に得るためのヒートシール性に優れ、剥離強度の温度依存性が小さい。特にポリカーボネート製キャリアテープに対するヒートシール性に優れており、高速シールをすることができる。

Claims (7)

  1. 基材層とシーラント層を有し、シーラント層がスチレン系炭化水素65〜90質量%と共役ジエン系炭化水素10〜35質量%のブロック共重合体であって、且つビカット軟化温度が60〜85℃である共重合体(a)の50〜90質量%と、スチレン系炭化水素50〜95質量%と脂肪族不飽和カルボン酸及び/又は脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステル5〜50質量%の共重合体(b)の10〜50質量%の樹脂組成物からなるカバーフィルム。
  2. 共重合体(b)の脂肪族不飽和カルボン酸及び/又は脂肪族不飽和カルボン酸アルキルエステルが、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタアクリル酸アルキルエステルより選ばれる少なくとも1種以上からなる請求項1に記載のカバーフィルム。
  3. 共重合体(b)の脂肪族不飽和カルボン酸エステルが、アクリル酸n−ブチルである請求項1又は請求項2に記載のカバーフィルム。
  4. 少なくとも片側に帯電防止処理がなされている請求項1〜3に記載のカバーフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のカバーフィルムを用いた電子部品包装容器。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のカバーフィルムとポリカーボネートのキャリアテープを用いた電子部品包装容器。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のカバーフィルムを用いたキャリアテープ用カバーフィルム。
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