JP2007273373A - メタルハライドランプおよび照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高効率かつ光色の変動を抑制したメタルハライドランプを提供すること。
【解決手段】放電空間を形成する本管部12と本管部12の両側に設けられた細管部14,16とからなり内部に希ガスとハロゲン化物が封入された、透光性セラミック材料からなる発光管8と、細管部14,16に支持された軸部26,28を有し、先端部同士が前記放電空間において間隔をおいて対向するように設けられた一対の電極22,24とを有するメタルハライドランプにおいて、本管部12に、その管軸8X方向中程に、局部的に膨出した膨出部20を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、メタルハライドランプに関し、特に、発光管に透光性セラミック材料を用いたメタルハライドランプ等に関する。
メタルハライドランプの発光管に用いる材料としては、従来、石英ガラスが主流であるが、近年、透光性セラミックを使用したものが実用化されている。透光性セラミックは、石英ガラスよりも耐熱性が高いため、メタルハライドランプをより高温状態で点灯することができ、演色性などのランプ特性が向上することとなる。加えて、透光性セラミックは、石英ガラスとは異なり金属ハロゲン化物との反応が少ない関係上、管壁負荷を上げることができるので、石英ガラスを用いた場合よりも高い効率が得られる。
そして、更なる効率化を図るため、特許文献1には、発光管内にハロゲン化ナトリウム(例えば、NaI)とハロゲン化セリウム(例えば、CeI)とを封入し、かつ、比較的細長い形状の発光管(発光管において放電空間を形成する部分の内径をD、電極間距離をELとしたとき、(EL/D)>5となるような形状)を採用したメタルハライドランプが開示されている。
また、特許文献2には、発光管内にハロゲン化ナトリウム(例えば、NaI)とハロゲン化プラセオジウム(例えば、PrI)とを封入し、かつ、比較的細長い形状の発光管((EL/D)>4となるような形状)を採用したメタルハライドランプが開示されている。
上記特許文献1、2のメタルハライドランプによれば、発光管において放電空間を構成する部分を比較的細長くしているので、ナトリウムの自己吸収が少なくなり、もって高効率が実現できる。
特表2000−501563号公報 特開2003−229089号公報
しかしながら、本願の発明者が、特許文献1に記載されたメタルハライドランプを現実に作製して点灯させたところ、光色(色温度)が激しく変動することが認められた。
そこで、本発明は、高効率かつ光色の変動を抑制したメタルハライドランプを提供することを目的とする。また、本発明は、そのようなメタルハライドランプを備えた照明装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るメタルハライドランプは、放電空間を形成する本管部と当該本管部の両側に設けられた細管部とからなり、内部に希ガスとハロゲン化物が封入された、透光性セラミック材料からなる発光管と、前記細管部に支持された軸部を有し、先端部同士が前記放電空間において間隔をおいて対向するように設けられた一対の電極とを有し、前記本管部が、その管軸方向中程に、局部的に膨出した膨出部を有することを特徴とする。
また、前記膨出部以外の本管部部分は全体的に略円筒状をしていて、当該円筒状部分の内径をDEとし、前記一対の電極間距離をELとしたとき、本管部が、3.5≦(EL/DE)の関係を満たすような形状をしていることを特徴とする。
さらに、前記膨出部は略円形をした横断面を有していて、当該膨出部の最大内径をDCとしたとき、前記本管部が、1.2≦(DC/DE)≦2.0の関係を満たすような形状をしていることを特徴とする。
また、前記膨出部の管軸方向における長さをWCとしたとき、本管部が、WC≦{(2/5)×EL}の関係を満たすような形状をしていることを特徴とする。
また、前記ハロゲン化物として、ハロゲン化セリウム、ハロゲン化プラセオジウム、およびハロゲン化ネオジムの内の少なくとも一つとハロゲン化ナトリウムとが封入されていることを特徴とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る照明装置は、照明器具と、前記照明器具に組み込まれた、請求項1〜5のいずれか1項に記載のメタルハライドランプと、前記メタルハライドランプを点灯させるための安定器と、を備えることを特徴とする。
上記構成からなるメタルハライドランプによれば、たとえ高効率化のために本管部を細長くした場合であっても、膨出部に最冷点が現れることになるので、ハロゲン化物は、当該膨出部に凝集しやすくなり、細管部には凝集しにくくなる。その結果、光色の変動原因であると推測される、細管部内での液化したハロゲン化物の急激な蒸発を抑制できることとなる。
以下、本発明の実施の形態について説明するのであるが、その具体的な説明に入る前に、従来技術に係るメタルハライドランプで生じる光色の変動の原因等について説明する。
図11は、従来技術に係るメタルハライドランプの発光部102を示す縦断面図である。
図11に示すように、発光部102は、本管部104と本管部104の両側から延伸された細管部106,108とからなる発光管110を有している。
発光管110は、約1200℃の耐熱性を有する透光性多結晶アルミナセラミック材料で形成されている。
本管部104は放電空間を形成し、細管部106.108は、後述するリード線130,132を介して、タングステン電極112,114の軸部(タングステン電極棒116,118)を支持する。なお、本管部104の内径Dは、5.2[mm]である。また、発光管110内には、CeI、NaIの金属ハライドから成る発光物質120、緩衝ガスとなる水銀、および始動補助用希ガスとしてアルゴンが、それぞれ所定量封入されている。
タングステン電極112,114は、タングステン電極棒116,118とタングステン電極棒116,118の一端部側に巻回されたタングステンコイル122,124とから構成されている。タングステン電極112とタングステン電極114の対向する先端部同士の距離(電極間距離)ELは、41.6[mm]である。
また、タングステン電極棒116,118の細管部106,108と重なる部分には、細管部106,108内の必然的にできる空間(タングステン電極棒116,118と細管部106,108の内周面との隙間)をできるだけ充塞するためのモリブデンコイル126,128が巻回されている。
タングステン電極棒116,118の他端部には、タングステン電極棒116,118よりも太いリード線130,132の一端部が接合されている。リード線130,132は、細管部106,108にフリット(セラミックスセメント)134,136で封着・固定されており、発光管110は、当該フリット134,136で気密封止されている。リード線130,132は、導電性サーメットからなる。
なお、図11に示す発光部102は、真空の外管バルブに収納され、当該外管バルブに口金が装着されて完成したメタルハライドランプとなるのであるが、外管バルブと口金の図示については省略する。ここで、発光部102を有するメタルハライドランプを「比較ランプ」と称することとする。
本願の発明者は、上記構成からなる比較ランプを点灯させ、点灯開始から100時間経過した時点から10時間(600分間)の間、色温度を2分間隔で測定し、当該色温度の経時変化を調査した。なお、このとき、比較ランプは、発光管110の管軸110Xが水平方向となる姿勢で保持した。
調査結果を図12に示す。図12は、横軸に色温度測定開始(すなわち、点灯開始から100時間の時点)からの経過時間を、縦軸に色温度をとったグラフである。
図12から明らかなように、色温度が短時間の間に激しく変化していることが分かる。
図12のグラフの基になった色温度データから、以下の値が得られている。
平均色温度:3851K、最高色温度:4450K、最低色温度:3342K、標準偏差σ:238K
本願の発明者は、比較ランプの観察等を通じて、色温度が激しく変動する原因について以下のように推測した。
試験ランプのように、EL/Dの値が8(=41.6/5.2)と、比較的細長い本管部を有する場合、点灯中の最冷点は細管部内に存在する。したがって、ハロゲン化ナトリウム(本例の場合、NaI)と共に封入される金属ヨウ化物(本例の場合、CeI)が、細管部内に凝集し、場合によっては、液化して細管部内周面に付着するものと思われる。
細管部内に配されるモリブデンコイルの外周と細管部内周とは、非常に近接しているため、液化した金属ヨウ化物がモリブデンコイルに接触する場合がある。細管部内周面の温度(すなわち、液化した金属ヨウ化物の温度)と比較して、モリブデンコイルの温度は非常に高く、放電空間に近い方の端部部分は金属ヨウ化物の沸点を越える程の温度になっている。したがって、モリブデンコイルの前記端部部分に接触した金属ヨウ化物は、急激に蒸発(突沸)して、放電空間(本管部内)に拡がる。その結果、激しい蒸気圧変化が生じて、色温度が急変するものと考えられる。
そして、上記した金属ヨウ化物の細管部内への凝集、細管部内周面への付着、モリブデンコイルとの接触、蒸発が短時間の周期で繰り返されるので、図12に現れたような、色温度の激しい変動が生じるものと推測した。
そこで、本願の発明者は、本管部を比較的太短くすることで、最冷点が本管部の管軸方向中央部の下部に存するようにし、この部分に金属ヨウ化物を凝集させることとしてみたところ、上記した比較ランプのような激しい色温度の変動は認められず、色温度は比較的安定すること確認した。
また、発光管110の管軸110Xが垂直方向となる姿勢で保持して点灯させたときにも、激しい色温度の変動は認められず、色温度は比較的安定すること確認した。これは、以下の理由によるものと推測される。垂直点灯させた場合、最冷点は下方の細管部に現れる。このため、当該細管部内周に金属ヨウ化物が液化して付着するものと思われるが、細管部内周面をつたって下方へ移動するので、液化した金属ヨウ化物が、モリブデンコイルの放電空間に近い方の端部部分と接触する確率が少ないためと思われる。また、液化した金属ヨウ化物が、モリブデンコイルの放電空間から遠い方の端部部分(すなわち、下端部部分)と接触することは考えられるが、当該下端部部分の温度は、金属ヨウ化物の沸点よりも低いため、上記したような突沸が生じないためと考えられる。
本願の発明者は、電極間距離ELと本管部内径Dとの比(EL/D)の異なる種々のメタルハライドランプを作製し、水平点灯させて実験をしたところ、(EL/D)<3.5の範囲では、問題と思える程の色温度の変動は認められず、(EL/D)≧3.5の範囲で問題となる色温度の変動が認められた。
また、ハロゲン化物として、ハロゲン化セリウム、ハロゲン化プラセオジウム、ハロゲン化ネオジムの内の一つ、または全部、あるいは任意の2つのを封入すると高い発光効率が実現できるものの、他のハロゲン化物を封入した場合と比較して、特に色温度の変動が激しくなることが確認されている。
以上説明したように、水平点灯の際に発生する色温度の変動を抑制しようとすれば、本管部を太短くすればよい。しかしながら、太短くすると、今度は、発光効率が低下してしまう。ハロゲン化ナトリウムが封入されている場合に、ナトリウムの自己吸収が大きくなるからである。
そこで、本願の発明者は、高効率のため本管部を全体的に細長くし(本管部の形状を(EL/D)≧3.5の範囲で設定し)、水平点灯させたとしても、問題となるような色温度の変動が生じにくいメタルハライドランプを創作した。
以下、そのようなメタルハライドランプを実施の形態に基づき、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るメタルハライドランプ2の一部破断図である。
メタルハライドランプ2は、定格ランプ電力が250[W]で、管壁負荷が32[W/cm]のものである。
図1に示すように、メタルハライドランプ2は、口金4(例えば、E型)が設けられた外管バルブ6内に、発光管8を有する発光部10が収納された構造を有している。外管バルブ6は、硬質ガラスで形成されており、外管バルブ6内は、真空になっている。
図2は、発光部10の縦断面図である。
図2に示すように、発光部10は、本管部12と本管部12の両側から延伸された細管部14,16とからなる発光管8を有している。また、本管部12は、管軸8X方向の中程に局部的に膨出した膨出部20を有する。なお、本管部12の外周側から見ると膨出部20であるが、本管部20の内周側から見ると、局部的に窪んだ凹部20Aと捉えることもできる。
膨出部20は、略球形をしている。したがって、管軸8Xと直交する平面で切断してなる横断面は略円形をしており、当該膨出部20の内径DC(前記横断面における最大内径)は、8.4[mm]である。また、膨出部20の管軸8X方向における長さ(最長部長さ)WCは、8.8[mm]である。なお、膨出部20を設けた目的(効果)については後述する。
本管部12における前記膨出部20以外の部分は、全体的に略円筒状をしており、当該円筒状部分の内径DEは、5.0[mm]であり、外径は、6.4[mm]である。
細管部14,16の内径は1.0[mm]で、外径は3.2[mm]である。
発光管8は、約1200℃の耐熱性を有する透光性多結晶アルミナセラミック材料(全透過率96%)で形成されている。なお、発光管8は、公知のゲルキャスティング成形法あるいは鋳込み成形法で作製することができる。
本管部12は放電空間を形成し、細管部14,18は、後述するリード線40,42を介して、タングステン電極22,24の軸部(タングステン電極棒26,28)を支持する。
また、発光管8内には、CeI、NaIの金属ハライドから成る発光物質30、緩衝ガスとなる水銀、および始動補助用希ガスとしてキセノンが封入されている。なお、CeIは5.0mg、NaIは10.0mg、水銀は1.4mgそれぞれ封入されており、キセノンは、200mbarとなる分量分封入されている。
タングステン電極22,24は、タングステン電極棒26,28とタングステン電極棒26,28の一端部側に巻回されたタングステンコイル32,34とから構成されている。タングステン電極棒26,28の径は0.60[mm]で、全長は17.5[mm]である。また、タングステン電極22とタングステン電極24の対向する先端部同士の距離(電極間距離)ELは、40.0[mm]である。
また、タングステン電極棒26,28の細管部14,26と重なる部分には、細管部14,16内に必然的にできる空間(タングステン電極棒26,28と細管部14,16の内周面との隙間)をできるだけ充塞するためのモリブデンコイル36,38が巻回されている。
タングステン電極棒26,28の他端部には、タングステン電極棒26,28よりも太いリード線40,42の一端部が接合されている。リード線40,42は、導電性サーメットからなり、径は0.95[mm]で、全長は6.0[mm]である。リード線40,42は、細管部14,16に、Dy−Al−SiO系フリット44,46で封着・固定されており、発光管8は、当該フリット44,46で気密封止されている。フリット44,46は、細管部14,16の端部から5.0[mm]の深さ(フリット封止長)まで浸入している。
上記構成からなるメタルハライドランプ2(以下、比較ランプに対して、「第1実施例ランプ2」とも称することとする。)について、比較ランプの場合と同様に実験して、色温度の変動を調査した。
実験結果を図3に示す。
また、図3のグラフの基になった色温度データから、以下の値が得られている。
平均色温度:3950K、最高色温度:4274K、最低色温度:3515K、標準偏差σ:130K
実験結果から、色温度の標準偏差σが、比較ランプでは238Kであったのに対し、第1実施例ランプ2は130Kとなり、色温度の変動が抑制されていることがわかる。
これは、管軸8X方向の中程に局部的に膨出した膨出部20を設けることにより、最冷点が当該膨出部20に現れることとなる。その結果、金属ヨウ化物は、膨出部20の内周に凝集しやすくなり、細管部14,16には凝集しにくくなるためであると考えられる。
また、比較ランプと第1実施例ランプ2について、点灯開始から100時間のエージング後、15分点灯させた後に測定した電圧[V]、電流[A]、電力[W]、全光束[lm]、発光効率[lm/W]、色温度[Tc]、Duv(黒体軌跡からのずれ×1000)、及び平均演色評価数[CRI]の平均値を図4に示す。図4に示すように、第1実施例ランプ2は、発光効率の面でも比較ランプより優れていることがわかる。
(実施の形態2)
図5に、実施の形態2に係るメタルハライドランプにおける発光部50の縦断面図を示す。実施の形態2に係るメタルハライドランプは、発光管における本管部の形状が異なる以外は、実施の形態1のメタルハライドランプ2と基本的に同様の構成を有している。したがって、実施の形態2に係るメタルハライドランプの図において、実施の形態1のメタルハライドランプ2と同様の構成要素には、同じ符号を付してその説明については省略する。
発光管52の本管部54は、その管軸52X方向中程に、局部的に膨出した膨出部56を有している。膨出部56は、当該縦断面において、台形状に膨出している。すなわち、膨出部56は、膨出部56以外の円筒状部(内径DE部分)よりも大きな内径(DC)をした円筒状部56Bと当該円筒状部56Bから延設されたテーパ状部(円錐台状部)56Cとを有している。
ここで、発光部50での電極間距離ELは、40.0[mm]、膨出部56以外の本管部54部分の内径DEは5.0[mm]、外径は6.4[mm]、膨出部56の最大内径DCは8.4[mm]、円筒状部56Bの管軸52X方向の長さは4.0[mm]である。
また、実施の形態2に係るメタルハライドランプは、定格電力が250[W]で、管壁負荷が31[W/cm]に設定されている。
上記の構成からなる実施の形態2に係るメタルハライドランプ(以下、「第2実施例ランプ」とも称する。)について、比較ランプの場合と同様に実験して、色温度の変動を調査した。
実験結果を図6に示す。
また、図6のグラフの基になった色温度データから、以下の値が得られている。
平均色温度:4287K、最高色温度:4331K、最低色温度:4225K、標準偏差σ:23K
実験結果から、色温度の標準偏差σが、比較ランプでは238Kであったのに対し、第1実施例ランプ2は23Kとなり、色温度の変動が抑制されていることがわかる。
また、比較ランプと第2実施例ランプについて、点灯開始から100時間のエージング後、15分点灯させた後に測定した電圧[V]、電流[A]、電力[W]、全光束[lm]、発光効率[lm/W]、色温度[Tc]、Duv(黒体軌跡からのずれ×1000)、及び平均演色評価数[CRI]の平均値を図7に示す。図7に示すように、第1実施例ランプ2は、発光効率では優れる比較ランプと略同等の高発光効率が達成できることがわかる。
詳細なデータは省略するが、実験により、本願の発明者は、上記実施の形態1,2に係るメタルハライドランプにおいて、発光管における各部寸法DC,DE,WC間の好ましい関係を見出した。以下、その関係について説明する。
(i)膨出部の最大内径DC[mm]と膨出部以外の本管部部分の内径DE[mm]との関係
本管部が、1.2≦(DC/DE)≦2.0の関係を満たすような形状をしていることが好ましい。
1.2>(DC/DE)の範囲では、膨出部に最冷点が現われないからであり、(DC/DE)>2.0の範囲では、膨出部に最冷点が現れるものの、その温度が過度に低下してしまい、その結果、ハロゲン化物の蒸気圧が大きく低下することとなって、発光効率が著しく低下してしまうからである。
そこで、色温度の変動を抑制しつつ高発光効率を実現するために、(DC/DE)の値は上記した範囲が好ましいのである。
(ii)膨出部の管軸方向における長さWC[mm]と電極間距離EL[mm]との関係
本管部が、WC≦{(2/5)×EL}の関係を満たすような形状をしていることが好ましい。
WC>{(2/5)×EL}の範囲では、アークが大きく上方に凸に湾曲し、膨出部における上部と下部の温度差が大きくなって、発光管にクラックが生じる場合があるからである。
膨出部の無い従来の発光管の場合、水平点灯させると、発光管を横断面でみたとき、先ず、放電空間の上下で温度差が生じ、これが原因で封入ガスの対流が生じる。当該対流は、前記横断面でみたとき、右半分は時計回りに生じ、左半分は反時計回りに生じる。つまり、左右方向の真ん中部分には、下方から上方に向かう対流が生じることから、当該対流によってアークが上方に押し上げられて上に凸に湾曲する。アークは熱源であるので、アークが接近する発光管の上部部分とアークが遠ざかる下部部分との間で相当の温度差が生じて、クラックが入ってしまう。そして、湾曲の程度は、発光管の内径に依存する。すなわち、発光管の内径が小さい場合、放電空間における上下の温度差が小さいこと、アークが曲がろうとしても管壁によって押さえられて抑制されることから、クラックは発生しにくく、発光管の内径が大きい場合は、これとは逆の結果となってクラックが発生しやすくなる。
以上は、従来の発光管の場合であるが、本願の発明者は、膨出部を設けた場合に、上記WCの長さに依存して、アークの湾曲の程度が変わることを実験によって見出し、アークの湾曲に起因するクラックの発生を防止できる、WCとELとの適切な範囲を求めたのである。
すなわち、クラックの発生を防止するため、WCとELとが上記の関係となることが好ましいのである。なお、WCが短すぎると、発光管の製作が困難になるので、現実的には、{(1/10)×EL}≦WCの範囲にするのが好ましい。
発光管の形状は、上記したもの以外に、例えば、下記の変形例のようにしても構わない。
下記変形例1,2に係るメタルハライドランプは、いずれも、発光管の形状が異なる以外は、実施の形態1に係るメタルハライドランプ2と基本的に同様の構成をしている。したがって、変形例1,2に係るメタルハライドランプの図において、実施の形態1のメタルハライドランプ2と同様の構成要素には、同じ符号を付してその説明については省略する。
(変形例1)
図8は、変形例1に係るメタルハライドランプの発光部60を示す縦断面図である。
発光管62の本管部64は、その管軸62X方向中程に、局部的に膨出した膨出部66を有している。膨出部66は、円筒状に膨出している。すなわち、膨出部66は、膨出部66以外の円筒状部(内径DE部分)よりも大きな内径(DC)をした円筒状に突出した形状をしている。
(変形例2)
図9は、変形例2に係るメタルハライドランプの発光部70を示す縦断面図である。
発光管72の本管部74は、管軸72X方向中程に、局部的に膨出した膨出部76を有している。膨出部76は、円筒状に膨出している。すなわち、膨出部76は、膨出部76以外の円筒状部(内径DE部分)よりも大きな内径(DC)をした円筒状に突出した形状をしている。ただ、変形例1と異なるのは、変形例1では、膨出部とこれ以外の本管部部分との連接部、および、本管部と細管部との連接部が滑らかな丸みを帯びていたのに対し、変形例2では、膨出部76とこれ以外の本管部74部分との連接部、および、本管部74と細管部77,78との連接部が角張っている点である。
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3に係る照明装置80の概略構成を示す図である。
照明装置80は、図10に示すように、垂直壁82に取り付けられた照明器具84と照明器具84に組み込まれたメタルハライドランプ2とメタルハライドランプ2を点灯させるための安定器86とを有する。なお、照明器具84に組み込むのは、実施の形態1,2、変形例1,2のいずれのメタルハライドランプでも構わないのであるが、本例では実施の形態1に係るものとした。
照明器具84は、メタルハライドランプ2の口金4(図1)を取り付けるためのソケット88を有しており、取り付けられた状態でメタルハライドランプ2は、その長手方向(発光管8の管軸方向)が水平方向となる姿勢で保持される。また、照明器具84は、ソケット88に取り付けられたメタルハライドランプ2からの光を水平方向に反射して集光する反射鏡90を有している。反射鏡90はラッパ状をした内面を有しており、当該内面は、鏡面に仕上げられていたり、あるいは、白色塗料が塗布されていたりして、メタルハライドランプ2からの光を効率よく反射する。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下のような形態とすることも可能である。
(1)上記実施の形態では、膨出部は本管部の全周に渡って膨出させたものとしたが、これに限らず、部分的に膨出させたものであっても構わない。例えば、下方に半球状に膨出させた膨出部とすることもできる。すなわち、水平点灯されるメタルハライドランプにおいて、本管部が、その管軸方向中程において、局部的に少なくとも下方に膨出した膨出部を有することとすれば、当該膨出部に最冷点が現れることとなって、本願発明の目的が達成できるのである。また、下方に膨出させる形状も半球状に限らないことは言うまでもない。
(2)上記実施の形態では、膨出部以外の本管部部分は、略円筒状に形成されているが、これに限らず、例えば、両端から膨出部に向かって緩やかに拡がるテーパー状(膨出部から両端に向かって緩やかに縮小されるテーパー状)に形成しても構わない。あるいは、縦断面でみた場合に、膨出部両側の本管部部分を合わせた形状が全体的に長楕円形状(の一部)となるように形成しても構わない。
(3)上記実施の形態では、本管部と細管部とを一体的に形成して発光管を構成しているが、これに限らず、本管部と細管部とを別個に作成して組み立てることにより発光管を形成することとしても構わない。すなわち、細管部の端部外径を本管部の端部内径よりも太く形成し、焼きばめにより、端部同士をしまりばめ状態で接合して、発光管を形成しても構わない。
(4)上記実施の形態では、本発明を、定格電力250[W]のメタルハライドランプに適用した例を示したが、本発明は、これに限らず、200[W]、150[W]、100[W]、70[W]の定格電力のメタルハライドランプに適用できる。
(5)上記実施の形態では、発光管には、ハロゲン化ナトリウムと共にハロゲン化セリウムを封入したが、ハロゲン化ナトリウムと共に封入するハロゲン化物はこれに限らず、例えば、以下の構成にしても構わない。ハロゲン化プラセオジウムまたはハロゲン化ネオジム、あるいは、ハロゲン化セリウム、ハロゲン化プラセオジウム、およびハロゲン化ネオジムの全部、もしくは、任意の2つであっても構わない。
すなわち、発光管には、ハロゲン化物として、ハロゲン化セリウム、ハロゲン化プラセオジウム、およびハロゲン化ネオジムの内の少なくとも一つとハロゲン化ナトリウムとが封入されていればよいのである。
本発明に係るメタルハライドランプは、特に、高効率で光色変動の少ないことが要求される照明装置の光源として好適に利用可能である。
実施の形態1に係るメタルハライドランプを示す図である。 実施の形態1に係るメタルハライドランプの発光部を示す図である。 実施の形態1に係るメタルハライドランプにおける光色(色温度)変動の実験結果を示す図である。 実施の形態1に係るメタルハライドランプと従来技術に係るメタルハライドランプの諸特性を比較した図である。 実施の形態2に係るメタルハライドランプの発光部を示す図である。 実施の形態2に係るメタルハライドランプにおける光色(色温度)変動の実験結果を示す図である。 実施の形態2に係るメタルハライドランプと従来技術に係るメタルハライドランプの諸特性を比較した図である。 変形例1に係るメタルハライドランプの発光部を示す図である。 変形例2に係るメタルハライドランプの発光部を示す図である。 実施の形態3に係る照明装置を示す図である。 従来技術に係るメタルハライドランプの発光部を示す図である。 従来技術に係るメタルハライドランプにおける光色(色温度)変動の実験結果を示す図である。
符号の説明
2 メタルハライドランプ
8,52,62,72 発光管
12,54,64,74 本管部
14,16,77,78 細管部
20,56,66,76 膨出部
22,24 タングステン電極
26,28 タングステン電極棒
80 照明装置
84 照明器具
86 安定器

Claims (6)

  1. 放電空間を形成する本管部と当該本管部の両側に設けられた細管部とからなり、内部に希ガスとハロゲン化物が封入された、透光性セラミック材料からなる発光管と、
    前記細管部に支持された軸部を有し、先端部同士が前記放電空間において間隔をおいて対向するように設けられた一対の電極とを有し、
    前記本管部が、その管軸方向中程に、局部的に膨出した膨出部を有することを特徴とするメタルハライドランプ。
  2. 前記膨出部以外の本管部部分は全体的に略円筒状をしていて、当該円筒状部分の内径をDEとし、前記一対の電極間距離をELとしたとき、本管部が、3.5≦(EL/DE)の関係を満たすような形状をしていることを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。
  3. 前記膨出部は略円形をした横断面を有していて、当該膨出部の最大内径をDCとしたとき、前記本管部が、1.2≦(DC/DE)≦2.0の関係を満たすような形状をしていることを特徴とする請求項2記載のメタルハライドランプ。
  4. 前記膨出部の管軸方向における長さをWCとしたとき、本管部が、WC≦{(2/5)×EL}の関係を満たすような形状をしていることを特徴とする請求項2または3記載のメタルハライドランプ。
  5. 前記ハロゲン化物として、ハロゲン化セリウム、ハロゲン化プラセオジウム、およびハロゲン化ネオジムの内の少なくとも一つとハロゲン化ナトリウムとが封入されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタルハライドランプ。
  6. 照明器具と、
    前記照明器具に組み込まれた、請求項1〜5のいずれか1項に記載のメタルハライドランプと、
    前記メタルハライドランプを点灯させるための安定器と、
    を備えることを特徴とする照明装置。
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