JP2000021350A - セラミック製放電ランプ - Google Patents

セラミック製放電ランプ

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JP2000021350A
JP2000021350A JP10198069A JP19806998A JP2000021350A JP 2000021350 A JP2000021350 A JP 2000021350A JP 10198069 A JP10198069 A JP 10198069A JP 19806998 A JP19806998 A JP 19806998A JP 2000021350 A JP2000021350 A JP 2000021350A
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Japan
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discharge lamp
ceramic
light emitting
tube
lamp
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JP10198069A
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English (en)
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Mitsuru Ikeuchi
満 池内
Kazuyuki Mori
和之 森
Akishi Miyanaga
晶司 宮永
Takuya Tsukamoto
卓也 塚本
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
Original Assignee
Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 25W以下の低電力の放電ランプであって
も、発光効率の優れた放電ランプを提供する。 【解決手段】 25W以下のセラミック製放電ランプに
おいて、発光管部の肉厚を0.6mm以下として、発光
管部に連設された狭窄管部の2つの断面積合計を6.3
mm2以下としたセラミック製放電ランプとする。そし
て、管壁負荷を18〜23W/cm2にして使用するセ
ラミック製放電ランプとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧放電ランプや
メタルハライドランプなどのセラミック製放電ランプに
関する。
【0002】
【従来の技術】放電ランプは、発光管部内に一対の電極
が対向配置されるとともに、水銀と希ガスおよび必要に
応じて各種金属のハロゲン化物が封入されている。発光
管部は一般に球形や楕円球形をしており、この発光管部
に筒状の狭窄管部が一体に形成されており、通常は石英
ガラスで成形されている。そして、その先端に電極を有
する電極構造体が狭窄管部で封止される。
【0003】これに対して、アルミナなどの透光性セラ
ミックスは、石英ガラスよりも機械的強度が大きくて耐
熱温度も高い利点を有し、また、発光管部内に封入され
る特定の金属元素に対して優れた耐食性を有する。この
ため最近では、発光管部を透光性セラミックスで成形し
たセラミック製放電ランプが注目されている。セラミッ
ク製発光管部の形状は球形や楕円球形のものもあれば、
円筒状になっているものもあり、いずれも焼結体からな
っている。
【0004】従来、セラミック製放電ランプは35W以
上のランプが主流であった。しかし近年、省エネルギー
の観点から、高効率であってしかも25W以下の低消費
電力、例えば20Wのランプが市場において求められる
ようになってきている。けれども、小電力のランプの設
計を35Wランプと相似形に設計することにより小型化
していくと、ランプの発光効率が低下してしまい、実用
的効率である85lm/Wを確保できないという問題が
あった。
【0005】なお、10Wほどの小電力ランプに至る
と、前記85lm/Wの発光効率を得ることができず、
10Wランプにおいては超小型であるという寸法メリッ
トを考えると70lm/Wでも実用的と見なしうる効率
だが、それでも70lm/Wという発光効率すら確保し
づらいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、25W以下の低電力ランプにも関わらず、発光効率
の優れた放電ランプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、透光性セラミックスで形
成された発光管部内に一対の電極が対向配置され、前記
発光管部内にバッファガスと共に放電物質が封入された
25W以下のセラミック製放電ランプにおいて、前記発
光管部のセラミックスの肉厚が0.6mm以下であるセ
ラミック製放電ランプとするいうものである。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のセラミック製放電ランプにおいて、前記発光管
部には狭窄管部が連設されており、該狭窄管部の総断面
積合計が6.3mm2以下であるセラミック製放電ラン
プとするいうものである。ここで、狭窄管部の総断面積
とはダブルエンド型の放電ランプにおいては、発光管部
の両端に連設された2つの狭窄管部の断面積の合計面積
であり、シングルエンド型の放電ランプにおいては、唯
一の狭窄管部の断面積とする。
【0009】そして、請求項3に記載の発明は、請求項
1または請求項2に記載のセラミック製放電ランプにお
いて、発光管部の内表面積をA(cm2)、ランプ入力
をN(W)としたときの管壁負荷を18≦N/A≦23
(W/cm2)の範囲として使用されるセラミック製放
電ランプとするというものである。
【0010】そして、請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至請求項3の何れかに記載のセラミック製放電ラン
プにおいて、狭窄管部内にセラミック製のスリーブを具
備し、電極をその先端に有する電極芯棒が該スリーブ内
を挿通しているセラミック製放電ランプとするというも
のである。
【0011】そして、請求項5に記載の発明は、請求項
1乃至請求項4の何れかに記載のセラミック製放電ラン
プにおいて、前記放電物質としてCe・Pr・Nd・S
mの少なくともいずれか1種とNaに加えGd・Dy・
Laの内の少なくとも1種を選択したセラミック製放電
ランプとするというものである。
【0012】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
乃至請求項5の何れかに記載のセラミック製放電ランプ
において、周波数10kHz以上の高周波によって点灯
されるセラミック製放電ランプとするというものであ
る。
【0013】また、請求項7に記載の発明は、請求項1
乃至請求項6の何れかに記載のセラミック製放電ランプ
において、透光性セラミックスとしてY23多結晶体あ
るいはYAG多結晶体を選択したセラミック製放電ラン
プとするというものである。
【0014】また、請求項8に記載の発明は、請求項1
乃至請求項7の何れかに記載のセラミック製放電ランプ
において、バッファガスとしてNeおよびArを始動電
圧が低下するように混合したものを選択したセラミック
製放電ランプとするというものである。
【0015】また、請求項9に記載の発明は、請求項1
乃至請求項8の何れかの記載のセラミック製放電ランプ
において、電極をその先端に有する電極芯棒の線径が
0.06mm以上0.2mm以下であるセラミック製放
電ランプとするというものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の具体的な実施例に
ついて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。図1は本発明のセラミック製放電ランプ
の一例における構成を示す説明用断面図である。
【0017】放電空間Sを取囲む発光管部1は、透光性
多結晶セラミックスで形成されており、その肉厚は0.
6mm以下となっている。そして、発光管部1の両端に
筒状の狭窄管部2が連設されており、その両方の狭窄管
部2、2の断面積合計は6.3mm2以下となってい
る。ここに、バルブ10を構成する材料である透光性多
結晶セラミックスとしては、透光性アルミナ多結晶体、
透光性イットリウム−アルミニウム−ガーネット(YA
G)多結晶体、透光性イットリア多結晶体を用いること
ができる。
【0018】バルブ10内には、一対の電極6、6が発
光管部1内において互いに対向するように配置されてい
る。それぞれの電極6は、狭窄管部2内から発光管部1
内に管軸にそって伸びる電極芯棒3の先端部に金属コイ
ルが巻き付けられて形成されている。電極芯棒の線径は
0.06mm以上0.2mm以下である。
【0019】電極芯棒3の基端には、当該電極芯棒3と
同方向に伸びる棒状のリード線7が例えば溶接によって
一体に連結されて電気的に接続された状態となってい
る。ここに、電極芯棒3および金属コイルの材質として
は例えばタングステンなどが用いられ、リード線7の材
質としては例えばニオブなどが用いられる。
【0020】そして、これらの電極芯棒3、リード線
7、並びに後述するセラミック製のスリーブ5により構
成される電極構造体4がバルブ10の狭窄管部2に挿通
されている。具体的には、電極6が発光管部1内に位置
すると共にリード線7の先端が外部に位置され、また、
電極芯棒3の基端側部分およびリード線7の先端以外の
部分が狭窄管部2内に位置された状態となっている。
【0021】発光管部内には放電物質としては、通常T
l・Nd・Dy等が封入されるが、Ce・Pr・Nd・
Smの少なくともいずれか1種とNaに加えGd・Dy
・Laの内の少なくとも1種を選択して封入することに
より更に発光効率を改善できる。前記放電物質と一緒に
バッファガスとしてはNeおよびArをNe99%−A
r1%の割合で混合して封入している。
【0022】狭窄管部2におけるスリーブ5よりも外方
に位置する外端側部分には気密封止構造が形成されてい
る。具体的には、封止用フリットガラス8が狭窄管部2
の外端部分内に注入されて、スリーブ5の外端から突出
する電極芯棒3の基端部およびリード線7と狭窄管部2
の内壁面との間の間隙に充填されると共に、狭窄管部2
の外端部上にフリットガラスのビード部9が外方に突出
するように形成され、このビード部9内に、リード線7
の中間部分が埋没された状態で固定され、リード線7の
先端部はこのフリットガラスのビード部9から外部に突
出した状態となっている。ここで、フリットガラス8と
しては、例えばアルミナ−シリカ−希土類酸化物系のも
のが好ましく用いられる。
【0023】そして、狭窄管部2におけるフリットガラ
ス8が充填されている気密封止領域の内方に位置する温
度緩衝領域Rには、狭窄管部2とスリーブ5との間、並
びに当該スリーブ5と電極芯棒3との間に、デッドスペ
ースGが形成されている。温度緩衝領域Rおよびデッド
スペースGについては後述する。
【0024】本発明のセラミック製放電ランプを、例え
ばメタルハライドランプとして実施する場合には、図3
に示すように、バルブ10を内管として、このバルブ1
0を取囲むように、外管40が設けられた二重管構造を
とることが好ましい。具体的に説明すると、図3の例の
外管40は、一端に排気管残部41を有し、他端にピン
チシール部42を有してなり、石英ガラスまたは硬質ガ
ラスにより形成されており、外管40の内部空間Nは排
気されることによって、例えば1×10-3Pa以下の真
空状態となっている。外管40のピンチシール部42に
は、モリブデンよりなる一対の金属箔43が互いに離間
して埋設されており、金属箔43の各々の内端部(図で
左端部)には、接続用リード44を介してリード線23
が電気的に接続され、金属箔43の各々の外端部には、
外管40の管軸方向に伸びる給電用リード45が接続さ
れている。
【0025】また、外管40内には、例えばジルコニウ
ム−アルミニウム合金よりなるゲッター46が配置され
ており、このゲッター46は、適宜の位置に設けられた
支柱(図示略)に、スポット溶接により固定されてい
る。このような構成の二重管構造のランプ装置では、内
管であるバルブ10の発光管部1の温度状態を高い温度
に安定して維持することができると共に、温度分布の均
一化を達成することができるため、放射される光の放射
方向依存性が軽減または解消される。
【0026】そして、本発明のセラミック製放電ランプ
は10kHz以上の高周波電力にて点灯されるものであ
る。
【0027】本発明者は、小型ランプにおいて発光効率
が低下することの解明に努めた結果、それは小型ランプ
においては発光管部からの熱放射損失が無視できなくな
ることによるものとの認識に至り、以下のような実験を
行なった。
【0028】図1に示す構成に従って、発光管部1の最
大外径5.8mm、狭窄管部2の外径1.8mm、内径
0.75mmの透光性多結晶アルミナを使用した定格電
力10W〜75Wまでの電力の各ランプを製作した。封
入物としては、沃化ジスプロニウム−沃化タリウム−沃
化ナトリウムのペレット2.5mgと水銀2.2mgを
封入した。バッファーガスとしては、ネオンガス99%
−アルゴンガス1%が13kPaの圧力で封入された。
【0029】スリーブ5は多結晶アルミナ焼結体よりな
り、外径が0.72mm、長さが5mmである。従っ
て、スリーブ5の外径と封止管部の内径の差は0.03
mmである。発光管部1内に、一対のタングステン製電
極芯棒3の先端が3.7mmの間隔で対向配置されてい
る。その電極構造体4を構成する電極芯棒3の先端にタ
ングステン製のコイルが巻かれてなる電極6がある。
【0030】そして、上記ランプにおいて、発光管部1
の肉厚を変えた放電ランプを製作し、電力投入後、15
分経過後の発光効率を測定した。図4はその結果を示し
たものであり、表の上の段は発光効率(lm/W)を、
下の段は各定格電力のランプにおける最高効率を100
%として表した割合である。このとき、管壁負荷は23
W/cm2で一定とした。
【0031】発光管部1の肉厚は機械的強度と熱的な応
力、腐食による強度劣化を考慮して決定する必要がある
が、発光管部1の肉厚が厚くなると、実効的な放射率が
増加し、発光管部自体からの熱放射が増えるため、熱損
失が増加し、結果として発光効率が低下することにな
る。図4の結果を図6にグラフで示したが、定格電力2
0W以下の小型ランプにおいては、発光管肉厚が0.8
mm以上の例で極端に発光効率が落ちていることがわか
る。これは、小さいランプ入力に対し、発光管表面から
の熱放射が極端に効いてきた結果と考えられる。したが
って、定格電力20W以下のような小型ランプにおい
て、高発光効率とするためには、発光管の肉厚を0.6
mm以下にすることが必要であることが理解できる。
【0032】また、本発明者は同様にして、小型ランプ
においては、発光効率が低下することの解明に努めた結
果、狭窄管部の総断面積合計も効いているとの認識に至
り、以下のような実験を行なった。発光管部1の両端に
連設された2つの狭窄管部2の断面積合計(狭窄管部の
総断面積)に対し、発光効率がどのように変わるかにつ
いて調べるため、実施例1に示したランプにおいてセラ
ミックスの肉厚を0.5mmで一定にして、狭窄管部2
の外径を変化させて放電ランプを製作した。そして、定
格電力投入後、15分経過後の発光効率を測定した。こ
のとき、管壁負荷を23W/cm2で一定とした。その
結果を図5と図7に示した。図5の表の上の段は発光効
率(lm/W)を、下の段は各定格電力のランプにおけ
る最高効率を100%として表した割合である。
【0033】このように、狭窄管部2、2の断面積が大
きくなると定格電力20W以下では発光効率が低下す
る。これは狭窄管部の断面積が大きくなると狭窄管部へ
の熱伝導と狭窄管部からの熱放射による熱損失が顕著に
なるからであると考えられる。定格電力20Wと10W
のランプに付いて図5の結果およびそれをグラフで示し
た図7を見ると、狭窄管部2、2の断面積合計が6.3
mm2以下であれば、20Wランプにおいて87lm/
W以上、10Wランプで70lm/W以上の高発光効率
のランプが得られることがわかる。
【0034】なお、セラミックスの肉厚を0.4mmに
しても、図5と同様な傾向を示し、狭窄管部の2つの断
面積合計が6.3mm2以下であれば発光効率は良好で
あったが、セラミックスの肉厚を0.8mmにした場合
は狭窄管部の2つの断面積合計が6.3mm2以下であ
っても発光効率は良くないことを確認した。
【0035】さらに発明者は、小型ランプにおいて、発
光効率が低下することの解明に努めた結果、発光管部最
高温度、換言すれば管壁負荷が発光効率に効いていると
の認識に至り、次のような実験を行なった。すなわち、
点灯時の発光管部1の最高温度や管壁負荷を変化させ
て、各最高温度や管壁負荷のときの発光効率を調べた。
発光管部1の肉厚は0.5mm、狭窄管部2の合計断面
積を5.1mm2とした。図8にはその結果を示す。
【0036】セラミックは耐熱性が高いためバルブ材料
として約1300℃の高温まで使用できる。この温度は
管壁負荷に換算すると約35W/cm2に相当する。定
格電力35Wより大きなランプにおいては、発光管部1
の温度が高くなるほど演色性が良くなる。発光効率はあ
まり変化しないが、発光管部1の温度が上がるにつれて
わずかに増加する。このため、発光管部1を構成するセ
ラミックスと封入物の反応によって寿命が制約されると
いう条件下で、最も高い温度で設計しようとする考え方
が一般的であった。
【0037】しかし驚いたことに、図8の結果をみて分
かるように、定格電力が20Wより小さくなると、発光
管部1からの熱放射損失と狭窄管部2の最高温度が87
5℃から1075℃になる場合(管壁負荷18〜23W
/cm2)の間において最大の発光効率が得られること
が見出された。管壁負荷18〜23W/cm2におい
て、定格電力20Wランプで90lm/W、定格電力1
0Wランプで74lm/Wの高効率が得られている。
【0038】つまり、発光管部1の温度を低くしたほう
が発光効率が高くなる領域が存在するのである。発明者
の鋭意研究の結果、ランプ入力が小さくなると、発光管
部1からの熱放射損失と狭窄管部から熱伝導で逃げる熱
が無視しえなくなり、入力電力が小さいランプではこの
熱損失のため発光効率の低下が顕著になることが判明し
た。発光管部や狭窄管部からの熱損失が入力電力に比例
せず、およそ一定にとどまることに起因するものと考え
られる。
【0039】図1及びその狭窄管部の拡大図である図2
に示すように、本発明の放電ランプにおいては、狭窄管
部2にはセラミック製のスリーブを介装保持している。
この狭窄管部においては気密封止構造を形成する工程に
おいて、当該狭窄管部を溶融変形加工することが出来
ず、このため、狭窄管部とこれに挿通された電極構造体
との間に封止用フリットガラス、本発明では、具体的に
はDy23−Al23−SiO2系フリットを充填する
ことにより、気密封止構造が形成される。
【0040】しかしながら、一般にフリットガラスはそ
の耐熱温度が約840℃と十分に高いものではないた
め、当該放電ランプの点灯時に過熱状態になることを避
けなれればならない。このような要請から、図1および
図2に示されているように、セラミック製放電ランプの
狭窄管部においては、点灯時に極めて高い温度になる発
光管部1の中央部と気密封止領域との間を離隔させるた
めに、発光管部1に続いて適宜の長さの温度緩衝領域R
を設ける構成とされている。その場合に、狭窄管部と電
極芯棒およびリード線などによる電極構造体との間に放
電空間Sと連なる隙間(前述のデッドスペースG)が不
可避的に形成されてしまう。
【0041】このデッドスペースGを埋めるのに、金属
コイルを電極芯棒に巻き付ける従来技術があるが、その
場合は狭窄管部周辺に熱が逃げやすい。そこでセラミッ
ク製のスリーブを電極芯棒の回りに配置することによっ
て、狭窄管部周辺に熱が逃げにくく、ランプの熱損失を
小さくできるため、発光効率を高くすることができる。
本発明において、使用したセラミック製のスリーブは多
結晶アルミナ製であり、狭窄管部の外径によって使い分
け、例えば、狭窄管部の外径が1.8mmで肉厚0.5
mmのものに対しては、スリーブの外径は0.72mm
とした。
【0042】発光物質としての封入物については、前記
実施例においては、沃化ジスプロシウム−沃化タリウム
−沃化ナトリウムを具体的封入物として挙げて説明した
が、それは一例であって、その他にもCe、Pr、N
d、Smは緑色の付近の発光を増加させ、発光効率を高
める働きがある。また、Naは橙色から赤色の光を効率
よく放射し、Gd、Dy、Laは青色の発光をするの
で、これらを併用すると、色のバランスを保ったまま、
高い発光効率を達成できることを確認している。発明者
は前記実施例以外の封入物の組み合わせとして沃化ガド
リニウム−沃化セリウム−沃化ナトリウムを封入したラ
ンプを製作し、色バランスの優れた高効率ランプを実現
している。
【0043】また、投入電力の周波数を10kHz以上
としてランプを点灯すると、放電時に電極の温度変化が
少なくなり、電極の電圧ドロップが減少するため、電力
の電極損失が減少し、発光効率を高めることができるこ
とが確認された。前述の実施例においては、20kHz
の周波数を使用することにより高発光効率となることを
確認している。
【0044】本実施例ではバルブ材料として透光性アル
ミナ多結晶体を使用したものを説明した。しかし、透光
性Y23多結晶体や透光性YAG多結晶体は、波長が約
8μmまで透明である。一方、アルミナが透明なのは約
6μmまでである。透明体は熱放射できないので、Y2
3多結晶体やYAG多結晶体のようにアルミナ多結晶
体より長波長域まで透明な材料のほうが、同じ温度にお
ける放射効率が小さくなる。そのため、アルミナ多結晶
体より長波長まで透明な材料のほうが発光効率を高くで
きる。具体的には、バルブ材質がイットリア(Y23
多結晶体のランプでは、バルブ材質がアルミナ多結晶体
のランプと比べて、その発光効率が約6%向上した。同
様にしてバルブ材質がYAG多結晶体とした場合もアル
ミナ多結晶体のランプと比べて、発光効率が向上するこ
とが考えられる。
【0045】始動電圧が高くなると、始動困難となり、
何回も始動を試みる結果、発光管部内で電極物質が飛散
し発光管壁に付着し、放電からのランプ外への発光を妨
げるので、見かけ上の発光効率が低下する。本発明にお
いては、ネオンとアルゴンを混合したものを用いると、
始動電圧が低下し、前述のような不具合が起こらないた
め、発光効率を高い水準に維持できることを見出した。
具体的には100時間点灯して光束維持率が平均94%
であったものが平均97%に改善された。
【0046】さらに、電極芯棒の線径が0.06mm以
下であると電極を支えるために機械強度を確保できな
い。また、0.2mm以上だと、電極の熱損失が増え、
電極降下電圧が上昇し、発光効率が低下する。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、25W以
下のセラミック製放電ランプにおいて、請求項1乃至請
求項3にそれぞれ示した条件、すなわち発光管部の肉厚
を0.6mm以下にすることによって、高発光効率を得
ることができる。また、発光管部の肉厚を0.6mm以
下であって、狭窄管部の総断面積を6.3mm2以下と
することで高発光効率を得ることができる。そして、管
壁負荷を18〜23W/cm2の範囲で使用されること
によって高発光効率を得ることができる。さらには、請
求項4乃至請求項9で示した条件でランプが構成されて
使用されると、始動性が良く、色バランスの優れた高効
率の低電力セラミック製放電ランプとすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセラミック製放電ランプの一例にお
ける構成を示す断面図である。
【図2】 本発明のセラミック製放電ランプの狭窄管部
の構成を示す拡大図である。
【図3】 本発明のセラミック製放電ランプによる二重
管構造のランプ装置の構成を示す断面図である。
【図4】 発光管部肉厚と発光効率の関係を示す表であ
る。
【図5】 狭窄管部総断面積と発光効率の関係を示す表
である。
【図6】 図4の表に示した、発光管部肉厚と発光効率
の関係を示すグラフである。
【図7】 図5の表に示した、狭窄管部総断面積と発光
効率の関係を示すグラフである。
【図8】 管壁負荷と発光効率の関係を示す表である。
【符号の説明】
1 発光管部 2 狭窄管部 3 電極芯棒 4 電極構造体 5 スリーブ 6 電極 7 リード線 8 フリットガラス 9 ビード部 10 バルブ 40 外管 41 排気管残部 42 ピンチシール部 43 金属箔 44 接続用リード 45 給電用リード 46 ゲッター S 放電空間 N 内部空間 R 温度緩衝領域 G デッドスペース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 61/88 H01J 61/88 C (72)発明者 塚本 卓也 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 Fターム(参考) 5C015 PP02 PP03 QQ06 QQ17 QQ19 QQ20 QQ21 QQ23 QQ24 5C039 HH06 5C043 AA02 CC03 CD01 CD05 DD02 DD03 DD15 EA09 EB16

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性セラミックスで形成された発光管
    部内に一対の電極が対向配置され、前記発光管部内にバ
    ッファガスと共に放電物質が封入された25W以下のセ
    ラミック製放電ランプにおいて、 前記発光管部のセラミックスの肉厚が0.6mm以下で
    あることを特徴とするセラミック製放電ランプ。
  2. 【請求項2】 前記発光管部には狭窄管部が連設されて
    おり、該狭窄管部の総断面積合計が6.3mm2以下で
    あることを特徴とする請求項1に記載のセラミック製放
    電ランプ。
  3. 【請求項3】 前記発光管部の内表面積をA(c
    2)、ランプ入力をN(W)としたときの管壁負荷を
    18≦N/A≦23(W/cm2)の範囲として使用さ
    れることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    セラミック製放電ランプ。
  4. 【請求項4】 前記狭窄管部内にセラミック製のスリー
    ブを具備し、前記電極をその先端に有する電極芯棒が該
    スリーブ内を挿通していることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3の何れかに記載のセラミック製放電ランプ。
  5. 【請求項5】 前記放電物質としてCe・Pr・Nd・
    Smの少なくともいずれか1種とNaに加えGd・Dy
    ・Laの内の少なくとも1種を選択したことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4の何れかに記載のセラミック製
    放電ランプ。
  6. 【請求項6】 周波数10kHz以上の高周波によって
    点灯されることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何
    れかの記載のセラミック製放電ランプ。
  7. 【請求項7】 前記透光性セラミックスとしてY23
    結晶体あるいはYAG多結晶体を選択したことを特徴と
    する請求項1乃至請求項6の何れかに記載のセラミック
    製放電ランプ。
  8. 【請求項8】 前記バッファガスとしてNeおよびAr
    を始動電圧が下がるように混合したものを選択したこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のセ
    ラミック製放電ランプ。
  9. 【請求項9】 電極をその先端に有する電極芯棒の線径
    が0.06mm以上0.2mm以下であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項8の何れかに記載のセラミック
    製放電ランプ。
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