JP2010272436A - 高圧放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極構体が挿通された放電容器の小径筒状部の開口端近傍に溜まった金属ハロゲン化物による容器の侵蝕防止および発光特性の向上がはかれたメタルハライド放電ランプおよびこの放電ランプを用いた照明装置を提供する。
【解決手段】耐熱透光性のセラミックスからなる発光管1Aと給電用導体34の最大外径をX(mm)、給電用導体34の膨出部21側に臨む端部Pと直交する方向における放電容器2の内径をY(mm)としたとき、1.9(mm)≦Y−X≦5.0(mm)で、かつ、希土類金属ハロゲン化物の総封入量をM(mg)、放電容器2内容積をV(cm)としたとき、2.5(mg/cm)≦M/V≦5.5(mg/cm)の範囲内にある高圧放電ランプ。
【選択図】図2

Description

本発明は、耐熱透光性のセラミックス製の放電容器を有する発光管内に少なくとも一対の電極を対峙して設けるとともに発光用などの金属ハロゲン化物を含む放電媒体を封入した高圧放電ランプおよびこのランプを用いた照明装置に関する。
近時、メタルハライドランプは、金属ハロゲン化物との反応が石英ガラスよりも少なく耐熱性および耐蝕性に優れたセラミックス製の材料からなる小形化した放電容器を用いた発光管が開発されたことで、さらに高い効率、相関色温度、演色性や長寿命が得られるようになった。
この小形化されたメタルハライドランプの発光管は、直管形状や略長円形状などをなす膨出部の対向する端部に一対の小径筒状部を有するセラミックス製の放電容器が用いられ、上記小径筒状部内を挿通して小径筒状部の開口端に気密封止されるとともに膨出部内に臨む先端に電極が設けられた電極構体および容器内に封入された放電媒体を主体として構成されている。
上述の発光管を用いたランプは小形高効率化がはかれ、また、このランプを用いた照明器具も小形軽量化や新しい用途が生まれるなどの利点がある。
しかし、この種構造のメタルハライドランプにおいて、発光管の放電容器を形成する小径筒状部やこの小径筒状部と膨出部との連接部近傍においてクラックが発生しリークするという問題があった。
すなわち、発光管内に封入された余剰のハロゲン化物が、点灯中、小径筒状部内に挿通されている電極構体の給電用導体外面と小径筒状部内面との間の隙間に入り込んで小径筒状部の形成材料であるセラミックスと反応し、小径筒状部内面がその反応によってえぐられるように局部的に削られて侵蝕部を形成し、削られたセラミックス成分がこの侵蝕部近傍の小径筒状部内面において徐々に堆積していき給電用導体と接触するに至る。そして、ランプの点滅が繰り返される結果、堆積物と給電用導体との接触部においてこれらの熱膨張係数差に起因して小径筒状部に大きな応力が発生しクラックが起きていた。
そこで、この削られたセラミックス成分が上記連接部に堆積するのを防ぐため、膨出部内面の直線部分と連接部内面の直線部分とのなす角度や膨出部と連接部との境界部の内面の曲率半径あるいは封入ハロゲン化物の組成比率、小径筒状部肉厚、管壁負荷などの数値を規制することが知られている。(特許文献1)
国際公開第2005/096347号パンフレット
しかし、上記特許文献1に記載の対応では、小径筒状部内面から析出された堆積物の堆積位置を制御することはできるが、小径筒状部内に生じる侵蝕部分の薄肉化によるクラックの発生を防止することができなかった。
メタルハライドランプなどにおいては、寿命中所定の発光特性を得るため発光金属の消耗などに対処し発光管内には金属ハロゲン化物などが余剰に封入されていることが多く、ランプ点灯時にこの封入物がすべて蒸発すればよいが、垂直点灯時などには上方側に比べ温度が上がらない下方側の小径筒状部内面に接触している金属ハロゲン化物などの封入物が蒸発せず残留して所定の発光が得られず色温度特性が大きく変化するなどのことがあった。
また、小径筒状部内径に比べ外径が小さい電極軸と電極軸よりも径大で小径筒状部内径とほぼ同径の給電用導体との境界部の近傍で、液状となった金属ハロゲン化物が小径筒状部内面と給電用導体外面との間の隙間に入り込まずに溜り易く、金属ハロゲン化物、特に希土類金属のハロゲン化物の液相とセラミックス製放電容器内面が反応し易い濃度や温度、たとえば850〜950℃の温度にあると容器のセラミックスを侵蝕して、小径筒状部内面を削るようにその部分の肉厚を薄くするとともに脆くする結果、強度が低下してこの侵蝕部にクラックを生じランプの短寿命を招くという問題があった。
本発明の目的は、放電容器内に電極が設けられた電極構体および発光用の金属をハロゲン化物として封装した発光管において、電極構体が挿通された放電容器の小径筒状部の開口端近傍に溜まった金属ハロゲン化物による容器の侵蝕防止および発光特性の向上がはかれたメタルハライド放電ランプおよびこの放電ランプを用いた照明装置を提供することである。
請求項1の発明の高圧放電ランプは、放電空間を形成する膨出部およびこの膨出部両端にそれぞれ配設され膨出部より内径が小さい小径筒状部が設けられた透光性のセラミックスからなる放電容器と、上記小径筒状部内に挿通した給電用導体、この給電用導体一端側に膨出部に臨み配設された電極部を構成する給電用導体より小径の電極軸および給電用導体の他端側に接続され小径筒状部に気密封止された外部導入導体を有する電極構体と、上記放電容器内に封入された希土類金属ハロゲン化物および希ガスを含んでなる放電媒体とを有する発光管と;上記発光管の電極構体に電気的に接続するとともに発光管を保持したサポート部材と;内部に上記発光管を管軸に沿って配設するとともに端部にサポート部材を封止した外管と;を具備した高圧放電ランプにおいて、
上記給電用導体の最大外径をX(mm)、給電用導体の膨出部側に臨む端部と直交する方向における放電容器の内径をY(mm)としたとき9(mm)≦Y−X≦5.0(mm)で、かつ、上記希土類金属ハロゲン化物の総封入量をM(mg)、放電容器内容積をV(cm)としたとき2.5(mg/cm)≦M/V≦5.5(mg/cm)の範囲内にあることを特徴とする。
請求項1の発明の高圧放電ランプは、発光管を構成する電極構体の電極軸より大径の給電用導体(中間部材)を放電空間を形成する放電容器の膨出部側に臨ませて配設され、この給電用導体の最大外径X(mm)と、給電用導体の先端部が位置する端部と直交する方向における容器の内径Y(mm)との差Y−Xを1.9〜5.0mmの範囲内、好ましくは2.0〜4.0mmの範囲にするとともに放電容器の内容積V(cm)当たりの希土類金属ハロゲン化物の封入量M(mg)、M/Vを2.5〜5.5mg/cm、好ましくは4.0〜5.5mg/cmの範囲内で構成している。
この発光管は、上記給電用導体などの構成および希土類金属ハロゲン化物の封入量を上記数値範囲内とすることによって、点灯経過時に給電用導体の昇温による金属ハロゲン化物の液相と小径筒状部内面とのハロゲン化物による反応の抑制がはかれ、侵蝕による薄肉化や脆弱化を防いで小径筒状部などの放電容器のクラック発生を防止することができる。
なお、上記前者の給電用導体が関わるY−X(mm)の値が1.9mm未満であると、小径筒状部内における金属ハロゲン化物の溜まるのを制御することができず小径筒状部内面温度を侵蝕の発生し易い温度の関係から、侵蝕の度合が大きく早期にクラックが発生しやすくなるなどの問題がある。また、Y−X(mm)の値が5.0mmを超えると、所定の温度を確保できないため最冷部としての機能を果たすことができず、所望の演色性など発光特性が得られないなどの問題があって好ましくない。
また、後者の希土類金属ハロゲン化物の封入量M/V値が2.5mg/cm未満であると、所望の効率や演色性などの発光特性が得られない問題があり、また、M/V値が5.5mg/cmを超えると、希土類金属ハロゲン化物の濃度が高まり放電容器の侵蝕を招く問題があり好ましくない。
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。以下、その構成要素ごとに説明する。
<透光性セラミックス放電容器について>
発光管の放電容器を形成する材料としては、サファイヤ、アルミニウム酸化物(アルミナ)、イットリウム−アルミニウム−ガーネットの酸化物(YAG)、イットリウム酸化物(YOX)やアルミニウム窒化物(AlN)などのセラミックスからなる耐熱透光性およびハロゲン化物からの耐蝕性が高いものを用いることができる。
また、上記放電容器は、放電によって発生した光を透過して外部に放出できる程度の光透過性を有し、透明に限らず、光拡散性であってもよく、容器端部など放電による放射を主としていない部分は、遮光性であってもよい。
また、放電容器の形状は、楕円形などの略長円形、略球形や略円筒形あるいはこれら形状の複合体などの膨出部の対向する両端に小径筒状部が設けられたものからなり、一体成形されたものであっても膨出部と小径筒状部とが別体で成形され焼嵌めなどの手段で一体的に形成されたものであってもよく、小径筒状部外端の開口部を耐熱性シール剤などの充填剤で気密に閉塞した封止部が形成してある。
さらに、本発明において透光性セラミックス放電容器の内容積は制限されるものではないが、本発明が対応する定格が100〜150W程度の高圧放電ランプの場合、放電容器の内部の大きさは全長が16mm以下(両端の小径筒状部を含まない)、好ましくは11〜16mm程度、最大内径が10mm以下、好ましくは9〜10mm程度である。また、放電容器の内壁面積(両端の小径筒状部を含まない)は3.0〜5.0cm、好ましくは3.2〜4.7cm程度で、また、その内容積は1.0cm以下、好ましくは0.5〜1.0cm程度である。
<電極構体について>
電極構体は、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)やバナジウム(V)などの封止用金属からなる封止部材を兼ねる無空棒状やパイプ状などに形成されている外部導入導体に、電極が設けられるタングステン(W)やドープドタングステンからなる電極軸を直接溶接した2部材あるいは両者間にモリブデン(Mo)やサーメット(セラミックスとタングステン(W)やモリブデン(Mo)などとの混合粉末を焼結したもの)などからなる1ないし2の中間部材からなる給電用導体を介し直列的に2ないし4部材などの複数部材を突合せ溶接などの手段で接続したものからなる。
電極は、放電容器の小径筒状部内を挿通し、先端部が膨出部内に臨んでいて、電極軸の先端部が電極を兼ねてもまたは電極軸の先端部にタングステン(W)やドープドタングステン線からなるコイルが巻装されていてもよい。
また、放電容器の小径筒状部内に位置する電極構体の上記電極軸または中間にある給電用導体は、小径筒状部内面との最小間隔が0.1mm以下(接触していてもよい)となるように挿通されているのが好ましい。また、この小径筒状部内面との間隔を小さくする(接触していてもよい)手段として挿通部材の一部にタングステン(W)やモリブデン(Mo)などの材料からなる線材をコイル状に巻装したり、板材をパイプ状に成形したものを巻装したりして対応させてもよい。
また、電極構体を構成する電極部は小径筒状部内に挿通されるため外径に制約を受け電極軸に巻装した電極コイルの外径が給電用導体の外径と同径か細径であり、本発明でいう給電用導体の外径とはコイルやパイプを巻装した場合はこれらを含む外径を指す。
なお、上記電極構体の各部材料の選択は放電容器やシール剤の材料の熱膨張係数などに応じ適宜選ぶことができる。上記モリブデン(Mo)やサーメットなどの耐ハロゲン性材料からなる給電用導体は、電極部材と封止用金属との間の熱膨張率差を緩和するとともに高温となる電極部から封止部への伝熱を緩和する。
<放電媒体について>
放電媒体は、水銀(Hg)などの発光物質の金属ハロゲン化物やアマルガムなどを含む。この金属ハロゲン化物は、発光効率、演色性や発光色などの発光特性あるいはランプ電力や放電容器の内容積などに応じて、たとえば発光金属として既知の水銀(Hg)、ナトリウム(Na)、タリウム(Tl)、インジウム(In)、リチウム(Li)やセシウム(Cs)などあるいはディスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、ツリウム(Tm)、スカンジウム(Sc)、ネオジム(Nd)やセリウム(Ce)などの希土類金属が、また、ハロゲンとしては、ヨウ素(I)、臭素(Br)、塩素(Cl)やフッ素(F)のいずれか一種または複数種を用いることができる。なお、上記ハロゲン化物は発光用のほか電気的特性調整用として封入されるものを含む。
また、希ガスとしては、アルゴン(Ar)やネオン(Ne)などが封入されるが、必要に応じてその他の希ガスを封入することができる。この希ガスは始動用ガスおよび緩衝用ガスで、点灯中は約1気圧以上の圧力を呈するように放電容器内に封入される。
<外管について>
外管は、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスなどの硬質ガラスや半硬質ガラスなどのガラスあるいはセラミックスからなる透光性および耐熱性を有する材料で形成されたA形、AP形、B形、BT形、ED形、R形、T形などをなし、端部の開口部から上記発光管を保持したマウント(サポート部材)を入れ、この開口部をバーナで加熱し直接溶融閉塞したりステムを用い封止した封止部が形成されている。
また、必須の部材ではないが上記発光管は、容器と同様なセラミックスあるいは石英ガラスや硬質ガラスからなる耐熱透光性の材料で形成した気密あるいは連通した中管で囲繞して外管内に収容された三重管構造であってもよい。この中管を設けることにより、発光管の保温が行なえ発光金属を容易に作用させて高効率化や高演色化など発光特性の向上がはかれるとともに万一の発光管容器破損時の防護をなす。
なお、上記封止部は、T(直管)形などの外管の場合は両端に形成されていてもよい。また、外管内は真空雰囲気であっても、窒素(N2)やアルゴン(Ar)などの希ガスが封入された不活性ガス雰囲気であってもよい。
また、サポート部材は、封止部内に封止られる部分が外管ガラスとの気密性やなじみがよい材料を要することから、外管内の給電線部分、封止部の封着部材部分、外管外に導出した外部リード線部分など複数の材料を接続して構成するのが妥当で、材料、寸度などの形態は発光管(や中管)の品種、電力、重量、外管材料などに合わせ適宜選べばよい。
さらに、上記サポート部材の外管内給電線部分は、モリブデン(Mo)やタングステン(W)などの金属材料からなり、発光管両端の外部導線に電気的に接続して給電を行うとともに発光管などを管軸に沿って配設保持する支持部材を兼ねている。
請求項2の発明の高圧放電ランプは、上記金属ハロゲン化物の総封入量(mol)に対する上記希土類金属ハロゲン化物の総封入量(mol)の比が、12〜34%(100:12〜34)の範囲内にあることを特徴とする。
上記において発光特性への寄与が高い希土類金属ハロゲン化物の比率が12%未満であると、所望の効率や演色性などの発光特性が得られず、また、この比率が34%を超えると、演色性が低下して好ましくなかった。
請求項3の発明の高圧放電ランプは、上記発光管の管壁負荷(W/cm)が、27〜33W/cmの範囲内にあることを特徴とする。
上記において管壁負荷が27W/cm未満であると、所望の最冷部温度が得られず高い発光効率を得ることができないなどの問題があり、また、33W/cmを超えると、金属ハロゲン化物とシール剤が反応しクラックが生じリークして短寿命となるなどの問題があって好ましくなかった。
請求項4の発明の照明装置は、照明装置本体と;この照明装置本体に設けられた請求項1ないし3のいずれか一に記載の高圧放電ランプと;この高圧放電ランプを点灯させる点灯回路手段と;を具備していることを特徴とする。
上記請求項1ないし3に記載の作用を奏する高圧放電ランプを装着した照明装置(器具)であって、短寿命の発生がないとともに高い発光特性を有するランプが装着されているので、ランプ購入やランプ交換など装置(器具)の保守管理が容易となる。
なお、本発明でいう演色性と演色評価数とは同義語である。
請求項1の発明によれば、給電用導体の外径や配設部との寸法関係および希土類ハロゲン化物の封入量を規制することによって、放電容器が侵蝕されるのを防ぎクラックによる短寿命の発生を抑制できるとともに希土類ハロゲン化物使用によるランプの効率や演色性の向上など発光特性および寿命特性に優れた高圧放電ランプ(メタルハライドランプ)を提供することができる。
また、請求項2および3の発明によれば、上記請求項1の効果の他、高効率で、かつ、高演色性のランプを得ることができる。
さらに、請求項4の発明によれば、上記請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ランプを備えているので、ランプ購入や交換などの保守管理が容易な照明器具などの照明装置を提供することができる。
本発明の高圧放電ランプ(メタルハライドランプ)の実施形態を示す概略正面図である。 図1中の発光管部分の要部(約半分(上下が略対称照構造))を縦断拡大して示す説明図である。 本発明の照明装置の実施形態としてスポットライトを示す一部断面側面図である。 (a)図は本発明の高圧放電ランプに用いられる発光管の他の実施の形態の要部を拡大して示す一部切欠縦断面図、(b)図は電極構体の実施の形態を拡大して示す縦断面図である。 (a)図は本発明の高圧放電ランプに用いられる発光管の他の実施の形態の要部を拡大して示す一部切欠縦断面図、(b)図は電極構体の実施の形態を拡大して示す縦断面図である。 本発明の高圧放電ランプに用いられる発光管の他の実施の形態の要部を拡大して示す一部切欠縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の高圧放電ランプ(メタルハライドランプ)の実施形態を示す概略正面図、図2は図1中の発光管部分の要部(発光管の約半分(上下が略対称照構造))を縦断拡大して示す説明図である。
図1に示す高圧放電ランプ(メタルハライドランプ)Lは、発光管1A、この発光管1Aを支持するとともに給電をなすサポート部材4を内部に収容した外管5、この外管5の端部に接合された口金8を主体として構成されている。
発光管1Aは図2に示すように、略長円形状や略球形状ここでは略長円形状をなす膨出部21の両端に連続的な曲面によって繋った小径筒状部22,22を一体的に連接した透光性アルミナなどのセラミックス材料からなる放電容器2を備え、この放電容器2の各小径筒状部22,22内に挿通されるとともに耐熱性シール剤23により気密封止された電極構体3A,3A(一方は図示されない)を有する。
上記各電極構体3Aは図2中に示すように、タングステン(W)線からなる電極軸31と、この電極軸31より大径のモリブデン(Mo)線製の中間部材32およびサーメット線製の中間部材33からなる給電用導体34と、ニオブ(Nb)線からなる封止線を兼ねる外部導入導体35との4部材が直列的に突合せ溶接などの手段で接続され、上記電極軸31の先端部にはタングステン(W)細線を約5ターン密接巻装(約100%ピッチ)したコイル状の電極30が設けられ構成されている。
そして、各小径筒状部22,22内に挿通された電極構体3Aは、先端の両電極30,30(一方は図示されていない)を膨出部21内において所定の放電間隔をもって対峙させて、上記封止線を兼ねる外部導入導体35部分が耐熱性シール剤23を介し小径筒状部22,22に気密封止されている。
なお、このとき上記小径筒状部22内に挿入された中間部材32,33を構成する給電用導体34の外面と小径筒状部22の内面との隙間は好ましくは0.1mm以下(接触していてもよい)となっていて電極構体3Aの良好なセンターリングを行うことができる。この隙間を小さくする手段としては、中間部材32,33に後述するようにモリブデン(Mo)などの細線を密接巻装(約100%ピッチ)して形成したコイルやモリブデン(Mo)薄板をパイプ状に成形したもので被覆するようにしてもよい。
そして、本発明では上記電極軸31より大径のモリブデン(Mo)線製の給電用導体34(=中間部材32)の最大外径をXmm、膨出部21側に臨む給電用導体34(=中間部材32)端部Pと直交する方向における放電容器2(通常は、膨出部21と小径筒状部22との連接部や小径筒状部22の開口部近傍)の内径をYmmとしたときY−Xの関係が1.9〜5.0mmの範囲内(すなわち1.9≦Y−X≦5.0mm)となるように構成されている。
また、この発光管1Aの放電容器2内には、放電媒体としてたとえばアルゴン(Ar)やネオン(Ne)などを含む始動および緩衝ガスならびに発光金属としての金属ハロゲン化物と水銀とが封入されている。この金属ハロゲン化物は、たとえばヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化タリウム(TlI)、ヨウ化ツリウム(TmI3 )、ヨウ化インジウム(InI)、ヨウ化セリウム(CeI3 )などである。
そして、放電容器2の内容積をVcmとし、上記金属ハロゲン化物のうちヨウ化ツリウム(TmI3 )やヨウ化セリウム(CeI3 )などの希土類金属のハロゲン化物の総封入量をMmgとしたとき、M/Vの関係、すなわち容器2内容積当り2.5〜5.5mg/cmの範囲内(すなわち2.5≦M/V≦5.5mg/cm)の希土類金属のハロゲン化物が封入してある。
また、外管5はホウケイ酸ガラスなどの透光性の硬質ガラスなどからなる、ここでは上部側に閉塞されたトップ部51、下部側にステム6が封止された封止部(図示しない。)が設けられたネック部52を有するいわゆるT形をなしている。このネック部52には、封止部を覆ってE形の口金8が取り付けられている。
また、外管5に封止されたステム6から延在する一対の内部導入線61,62には上記発光管1を支持するサポート部材4が接続固定されている。すなわち、一方の内部導入線61には、ニッケル製などの線材や板材を用い、ここでは線材を用い略U字形状に形成したサポート線41の基端部側が溶接などの手段で接続固定されている。
また、他方の内部導入線62には、ニッケル製などの線材や板材を用い、ここでは線材を用い外管5の内面近くを管軸に沿ってトップ部51にまで延在させ管軸と直交方向に折り曲げたサポート線42の基端部側が溶接などの手段で接続固定されている。
そして、上記サポート線41,42が延在した先端側において、上記発光管1A両端の小径筒状部22,22から導出している外部導入導体35,35を溶接などの手段で固定し電気的接続と発光管1Aの支持を行わせている。なお、このとき外管5の中心軸上に発光管1Aが位置するよう固定している。また、この発光管1Aの支持は、短冊状の金属板を用いサポート線41(42)と小径筒状部22とを橋絡して固定するようにしてもよい。
また、上記外管5内は真空雰囲気または窒素(N)などの不活性ガスを封入した気密雰囲気としてある。また、図1中、43は外管5のトップ部51の中心近くのサポート線41に固定されて、トップ部51内壁に弾性当接する金属板製の弾性(ばね)部材で、この弾性(ばね)部材43により発光管1を確実に外管5の中心軸上にあるよう支持させることができる。また、図中、71は発光管1始動用の紫外線を発生するエンハンサ、72はゲッタである。
そして、上記メタルハライドランプLは、発光管1Aが電極構体3Aの電極軸31より大径の給電用導体34(中間部材32)を放電空間を形成する放電容器2の膨出部21側に臨ませ配設され、この給電用導体34の最大外径X(mm)と、給電用導体34の先端部が位置する端部Pと直交する方向における容器2の内径Y(mm)との差Y−Xを1.9〜5.0mmの範囲内、好ましくは2.0〜4.0mmの範囲にするとともに放電容器2の内容積V(cm)当たりの希土類金属ハロゲン化物の封入量M(mg)、M/Vを2.5〜5.5mg/cm、好ましくは4.0〜5.5mg/cmの範囲内で構成している。
本発明者等がセラミック製の放電容器の侵蝕現象の発生要因を種々の試験によって検証したところ、小径筒状部22と給電用導体34との関係と希土類金属のハロゲン化物の封入量比に大きく依存していることを突き止めた。詳細な理由は不明であるが、給電用導体34の端部Pの直交する方向の隙間寸法が侵蝕現象の発生に大きく影響していることが判明した。
発光管1Aは、上記給電用導体34などの構成および希土類金属ハロゲン化物の封入量を上記数値範囲内とすることによって、点灯経過時に給電用導体34の昇温による金属ハロゲン化物の液相と小径筒状部22内面とのハロゲン化物による反応の抑制がはかれ、侵蝕による薄肉化や脆弱化を防いで小径筒状部22などの放電容器2のクラック発生を防止した長寿命のメタルハライドランプLを提供することができる。
なお、上記前者の給電用導体34が関わるY−X(mm)の値が1.9mm未満であると、小径筒状部22内における金属ハロゲン化物の溜まるのを制御することができず小径筒状部22内面温度と侵蝕の発生しやすい温度の関係から、侵蝕の度合が大きく、早期にクラックが発生しやすいなどの問題がある。また、Y−X(mm)の値が5.0mmを超えると、所望の温度を確保できないため最冷部としての機能を果たすことができず、所望の演色性など発光特性が得られないなどの問題がある。
また、上記後者の発光特性への影響が大きい希土類金属ハロゲン化物の封入量に関しては、2.5〜5.5mg/cmの範囲であればよく、この範囲を外れると、所望の効率や演色性などの発光特性が得られなかったり、また、5.5mg/cmを超える多量の封入量であると放電容器2内面の侵蝕が加速されるなどのことがあり好ましいものではなかった。
また、このメタルハライドランプLにおいて、上記希土類金属ハロゲン化物の封入量の他、発光金属のハロゲン化物の総封入量に対する希土類金属ハロゲン化物の総封入量を規制することによっても高効率で、かつ、高演色性のランプを得ることができる。
すなわち、金属ハロゲン化物の総封入量H(mol)に対し希土類金属ハロゲン化物の総封入量K(mol)を下記範囲に規制する。
H(mol):K(mol)=100:12〜34
上記で発光特性への寄与が高い希土類金属ハロゲン化物の比率が12(12%)未満であると、所望の効率や演色性などの発光特性が得られなかった。また、この比率が34(34%)を超えると所望の最冷部温度を得るのが困難になり、演色性が低下して好ましくなかった。
また、このメタルハライドランプLは、発光管1Aの管壁負荷が27〜33W/cmの範囲内にあり、管壁負荷が27W/cm未満であると所望最冷部温度が得られず、高い発光効率を得るのが困難となるなどの問題があり、また、33W/cmを超えると金属ハロゲン化物とシール剤23が反応し、クラックが生じリークして短寿命となるなどの問題があって好ましくなかった。
上記図1に示すメタルハライドランプ(高圧放電ランプ)Lは、T形の外管5に発光管1Aを収容した二重管構造のメタルハライドランプLとして、たとえば図3に示す照明装置(器具)9に取着して点灯される。
図3は、本発明の照明装置の実施形態としてスポットライト9を示す一部断面側面図である。
図において91は照明装置本体、92は天井取付部、93はアーム、94は本体ケース、95はランプソケット、96は反射鏡、97は遮光筒、98は前面ガラスである。
天井取付部92は、天井に取り付けられて照明装置本体91を吊持するとともに、天井裏などに配設された点灯回路装置(図示しない)に接続され、ここから受電する。アーム93は、基端部側が天井取付部92に固定されている。
本体ケース94は、前面が開口した容器状をなし、アーム93の先端に垂直面内において俯仰自在に枢着されている。ランプソケット95は、E形口金に適合するもので本体ケース94内に配設されている。
反射鏡96は、ランプソケット95の前方に位置してあり、遮光筒97は、反射鏡95の開口端の中央部に配設されている。前面ガラス98は、本体ケース94の開口端に配設されている。
メタルハライドランプLは、図1に示すのと同一仕様であり、口金8部をソケット95に装着することによりベースアップ(口金上方)の状態で取付けられ、ランプLの先端部に臨む遮光筒97が先端からの光を遮光してグレアを防止するようになっている。
そして、この照明装置9は、ベースアップの垂直で取付けられたランプLが通電されることにより点灯し、ランプLから放射された光線は直射光や反射鏡96からの反射光となって前面ガラス98を透過し下方側に照射され所定の照明が行われる。
そして、ベースアップで点灯しているランプLは、下方側の電極構体3Aの給電用導体34の端部P近傍に金属ハロゲン化物の液相が生じ溜まっても、小径筒状部22内面と給電用導体34外面との間に侵入せず、ハロゲン化物による小径筒状部22内面の反応の抑制がはかれ、侵蝕による薄肉化や脆弱化を防いで小径筒状部22などの放電容器2のクラック発生の防止がはかれる。
したがって、上述した作用効果を呈するメタルハライドランプLを用い照明が行われるので、諸発光特性や寿命特性などに優れるとともにランプの購入やランプ交換などの保守管理が容易な照明器具などの照明装置を提供することができる。
図4〜図6は本発明の高圧放電ランプに用いられる発光管の他の実施の形態の要部を拡大して示し、(a)図は一部切欠縦断面図、(b)図は電極構体の実施の形態を拡大して示す縦断面図である。なお、図4〜図6において、上述の図2と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図4(a)に示す発光管1Bは、電極構体3Bの心棒部がタングステン(W)線からなる電極軸31と、この電極軸31と同径のモリブデン(Mo)線製の中間部材32およびこの中間部材32より大径のサーメット線製の中間部材33からなる給電用導体34と、中間部材33と同径のニオブ(Nb)線からなる封止線を兼ねる外部導入導体35との4部材が直列的に突合せ溶接などの手段で接続され、上記電極軸31の先端部にはタングステン(W)細線を巻装したコイル状の電極30が、また、中間の中間部材32にはモリブデン(Mo)の細線を密着巻装(100%ピッチ)したコイル36が設けられている。なお、この中間部材32に巻装されたコイル36の外径は小径筒状部22内に挿入可能な内径とほぼ同径に形成されている。
図5(a)に示す発光管1Cは、電極構体3Cの心棒部がタングステン(W)線からなる電極軸31と、この電極軸31より大径のサーメット線製の中間部材33からなる給電用導体34と、中間部材33と同径のニオブ(Nb)線からなる封止線を兼ねる外部導入導体35との3部材が直列的に突合せ溶接などの手段で接続され、上記電極軸31の先端部にはタングステン(W)細線を巻装したコイル状の電極30が、また、電極軸31の他端部側の一部(中間部材32を構成する部分)にはタングステン(W)の細線を巻装したコイル36が設けられている。
図6(a)に示す発光管1Dは、電極構体3Dの心棒部がタングステン(W)線からなる電極軸31と、この電極軸31より大径のニオブ(Nb)線からなる封止線を兼ねる外部導入導体35との2部材が直列的に突合せ溶接などの手段で接続され、上記電極軸31の先端部にはタングステン(W)細線を巻装したコイル状の電極30が、また、電極軸31の他端部側(中間部材32や33を構成する部分)が給電用導体34としてモリブデン(Mo)の細線を巻装したコイル36が設けられている。
上記図4(a)〜図6(a)に示す電極構体3B〜3Dは、給電用導体34の放電空間側の膨出部22に臨む端部は軸径を変えたり、コイル36を設けることにより、電極軸31部分と給電用導体34との境界部が形成されていてこの境界部が給電用導体34の端部Pとなって、容器2の内径Yを測る基点となる。
そして、これらの電極構体3B〜3Dを有し上記実施の形態に示す給電用導体34の外径や配設部との寸法関係および希土類ハロゲン化物の封入量を規制して製作された発光管1B〜1Dを備えたメタルハライドランプも、金属ハロゲン化物による放電容器の侵蝕を防ぎクラックによる短寿命の発生を防止できる。
また、上記発光管1B〜1Dは、膨出部21と小径筒状部22との連接部内面の形状を微妙に異ならせた放電容器2を示してある。すなわち、図4(a)に示す容器2は連接部内面の形状が大きい曲率半径を有する。また、図5(a)に示す容器2は連接部内面の形状が小さい曲率半径を有する。また、図6(a)に示す容器2は連接部内面が略U字形状をした略直線部を有する。
そして、図4(a)に示す容器2の場合は、連接部の液状の金属ハロゲン化物が溜まる箇所の温度を低く設定することができるという利点がある。
また、図5(a)に示す容器2の場合は、連接部内面に液状の金属ハロゲン化物が溜まらないという利点がある。
また、図6(a)に示す容器2の場合は、液状の金属ハロゲン化物が溜まる連接部内面に略直線部を有しているので、電極軸31と給電用導体34との境界部(=給電用導体34の端部P)位置の内径の許容範囲を広くとれる利点がある。
なお、本発明において上記各種の放電容器2と電極構体3A〜3Dとの組合せは、上記図示の組合せに限らず、ランプの定格あるいはハロゲン化物の種類や封入量などに応じて適宜選ぶことができる。
図1に示す構造の定格消費電力が150W、定格寿命12000時間のセラミック製メタルハライドランプLで、外管5内には発光管1Cが封装されている。
この発光管1Cはアルミナ製の放電容器2が用いられ中央の膨出部21の最大外径約11mm、最大内径約10mm、内部長さ約16mm、小径筒状部22,22の外径約3.0mm、内径約1.0mm、内部長さ約17mm、内容積約1.0cm、内表面積約5.0cmである。
また、電極構体3Cは図4(b)に示すものとほぼ同じ構造で、タングステン(W)線からなる外径約0.5mm、長さ約12mmの電極軸31兼中間部材32、サーメット線からなる外径約0.9mm、長さ約4mmの中間部材33、ニオブ(Nb)線からなる外径約0.9mm、長さ約16mmの外部導入導体35の3部材を直列して突合せ溶接などにより接続した棒材、この棒材の電極軸31部分の先端部に外径約0.2mmのタングステン(W)線を5〜6ターン巻装したコイル状電極30、このコイル状電極30の端部から約0.8mm離れた電極軸31上を始点Pとして外径約0.2mmのタングステン(W)線を上記タングステン(W)からなる中間部材32の長さ約10mmの範囲に亘り巻装した外径約0.9mmのコイル36で構成している。
なお、本発明ではこのコイル36が巻装された中間部材32,33部分が給電用導体34である。また、両電極構体3,(3)の先端の対峙するコイル状電極30,30の離間距離は約11mmである。
また、放電容器2内には放電媒体として、アルゴン(Ar)ガス約20kPa、水銀(Hg)約15mg、金属ハロゲン化物としてNaI−TlI−TmI3−InI−CeI3が重量比で28:9:41:3:19の比率で約8mg封入してある。
そして、本発明者等は上記実施例1の構成を基本として、小径筒状部22内に挿通させた電極構体3Cの給電用導体34の膨出部(放電空間)側に臨む端部Pと直交する方向における放電容器2の内径Y(mm)値を種々変化させた試料1〜17(17種類)の発光管1を製作し小径筒状部22内に生じる侵蝕について観察した。
すなわち、給電用導体34(X(一定)=0.9mm)を形成するコイル36の端部P位置を変化させることにより放電容器2の内径Y(mm)値を調整し、コイル36の端部P位置を除く以外の発光管1の組立材料、構造や寸法など原則同一のものを用い試料1〜17について各5本の発光管1を製作し、ランプに組み立て寿命(点灯)試験を行い経過をみた。
なお、これら各試料のメタルハライドランプの発光管1Cは、希土類金属ハロゲン化物の総封入量M(mg)/放電容器内容積をV(cm)が約4.8mg/cm、管壁負荷(W/cm)が約30W/cm、金属ハロゲン化物の総封入量(mol)に対する希土類金属ハロゲン化物の総封入量(mol)の比が約33%である。
表1は各ランプの変化させたY−X(0.9mm)値、クラックの発生数、クラックの発生時間、発光効率および評価が記載してある。寿命(点灯)試験は、ランプを点灯5.5時間、消灯0.5時間の点滅を繰り返すことにより行った。
Figure 2010272436
表1に示すとおり、Y−X値が小さいほど、すなわち試料1のランプは給電用導体34端部Pが小径の小径筒状部22内面ないしは筒状部22の拡開部近傍内面に対面している間隔が0.1mmと小さく、この間隙に液状の金属ハロゲン化物が給電用導体34端部Pを埋没するほど溜まって小径筒状部22内面を侵蝕して薄肉化しこの部分にクラックを生じ約3000時間で不点灯となる短寿命のランプが発生した。
また、試料2ないし4の間隔が1.0〜1.7mmのランプでは、最短寿命が約5000時間から約9000時間と間隔が小さいほど短寿命が発生するが、間隔が1.9mm以上の試料5ないし7のランプでは全数が定格寿命の12000時間以上の寿命を呈した。
この試料5ないし7のランプは、給電用導体34端部Pと放電容器2(膨出部21内面と小径筒状部22内面との連接部内面)との間隔が大きく、温度上昇が低いため液状の金属ハロゲン化物による放電容器2内面の侵蝕反応を抑制して容器2にクラックや脆弱化が生じるのを防止した長寿命のランプLが得られた。
また、Y−X値の上限値については発光効率を勘案すると5.0mmあればよいことが確認できた。
図1に示す構造の定格消費電力が100W、定格寿命12000時間のセラミック製メタルハライドランプLで、外管5内には発光管1Cが封装されている。
この発光管1Cはアルミナ製の放電容器2が用いられ中央の膨出部21の最大外径約11mm、最大内径約10mm、内部長さ約12mm、小径筒状部22,22の外径約3.0mm、内径約1.0mm、内部長さ約17mm、内容積約0.6cm、内表面積約3.5cmである。
また、電極構体3Bは図4(a)に示すものとほぼ同じ構造で、タングステン(W)線からなる外径約0.5mm、長さ約6mmの電極軸31、モリブデン(Mo)線からなる外径約0.5mm、長さ約6mmの中間部材32、サーメット線からなる外径約0.9mm、長さ約4mmの中間部材33、ニオブ(Nb)線からなる外径約0.9mm、長さ約16mmの外部導入導体35の4部材を直列して突合せ溶接などにより接続した棒材、この棒材の電極軸31部分の先端部に外径約0.2mmのタングステン(W)線を5〜6ターン巻装したコイル状電極30、上記モリブデン(Mo)線からなる約6mmの中間部材32に巻装した外径約0.9mmのコイル36で構成している。
なお、本発明ではこのコイル36が巻装された中間部材32および33部分が給電用導体34である。また、両電極構体3,(3)の先端の対峙するコイル状電極30,30の離間距離は約7mmである。
また、放電容器2内には放電媒体として、アルゴン(Ar)ガス約20kPa、水銀(Hg)約15mg、金属ハロゲン化物としてNaI−TlI−TmI3−InIが 重量比で26:10:61:3の比率で約5mg封入してある。
そして、本発明者等は上記実施例2の構成を基本として、小径筒状部22内に挿通させた電極構体3Bの給電用導体34の膨出部(放電空間)側に臨む端部Pと直交する方向における放電容器2の内径Y(mm)値を種々変化させた試料1〜17(17種類)の発光管1を製作し小径筒状部22内に生じる侵蝕について観察した。
すなわち、上記実施例1と同様に給電用導体34(X(一定)=0.9mm)を形成するコイル36の端部P位置を変化させることにより放電容器2の内径Y(mm)値を調整し、コイル36の端部P位置を除く以外の発光管1の組立材料、構造や寸法など原則同一のものを用い試料1〜17について各5本の発光管1を製作し、ランプに組み立て寿命(点灯)試験を行い経過をみた。
なお、これら各試料のメタルハライドランプの発光管1Bは、希土類金属ハロゲン化物の総封入量M(mg)/放電容器内容積をV(cm)が約5.1mg/cm、管壁負荷(W/cm)が約29W/cm、金属ハロゲン化物の総封入量(mol)に対する希土類金属ハロゲン化物の総封入量(mol)の比が約34%である。
表2は各ランプの変化させたY−X(0.9mm)値、クラックの発生数、クラックの発生時間、発光効率および評価が記載してある。寿命(点灯)試験は、ランプを点灯5.5時間、消灯0.5時間の点滅を繰り返すことにより行った。
Figure 2010272436
表2に示すとおり、Y−X値の範囲を1.9〜5.0mmとすれば異なる定格のランプにおいても同様な結果であることが確認でき、発光効率や寿命を満足できるランプLが得られる。
つぎに、放電容器2内に発光用として封入される希土類金属ハロゲン化物の総封入量M(mg/cm)について、金属ハロゲン化物の組合せを変えた複数種の発光管1を製作し、発光特性や状況などについて確認した結果を表3に示す。
Figure 2010272436
表3より明らかなように、放電容器2の内容積V(cm)当たりの希土類金属ハロゲン化物の総封入量M(mg)が多い試料9,10のランプは発光効率が高くなるが平均演色評価値が低くなり、また、逆に希土類金属ハロゲン化物の総封入量M(mg)が少ない試料10,11のランプは発光効率が低くなるが平均演色評価数が高くなる結果が確認された。要するに、要求されるランプの発光特性に適宜合わせ希土類金属ハロゲン化物の封入量を規制すればよいが、封入量M/Vを2.5〜5.5mg/cmの範囲内とすることにより発光効率や演色性を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に示したものに限らず、構造寸法や形状が変わった定格が35〜400W級のメタルハライドランプにも適用が可能であるとともに上記実施の形態と同様な作用効果を奏することが確認されている。
また、外管内における、発光管の保温や発光管容器破損時の防護をはかるため、発光管の周囲を耐熱透光性の石英ガラス製やセラミックス製あるいは金属製のメッシュなどからなる中管(シュラウド)で囲うようにしてもよい。
また、照明装置(器具)も上記実施の形態に限らず、他の構造や用途をなすものであってもよく、装着されるランプの点灯方向もベースアップ(口金上方)やベースダウン(口金下方)の垂直点灯に限らず、本発明のランプは傾斜や水平点灯でも支障なく点灯が可能である。
本発明は、一般用照明器具、スポーツ、公共施設や工場などの施設用照明器具、前照灯、光ファイバー用光源装置、画像投射装置、光化学装置など発光を何らかの目的で利用する高圧放電ランプ(メタルハライドランプ)およびこのランプを用いた上記照明装置(器具)に利用することができる。
L:高圧放電ランプ(メタルハライドランプ)、 1A〜1D:発光管、
2:放電容器、 3A〜3D:電極構体、 30:コイル状電極、
31:電極軸、 32,33;中間部材、 34;給電用導体、
35;外部導入導体、 36:コイル、 4:サポート部材、
5:外管、 9:照明装置(器具)、 91:照明装置本体、

Claims (4)

  1. 放電空間を形成する膨出部およびこの膨出部両端にそれぞれ配設され膨出部より内径が小さい小径筒状部が設けられた透光性のセラミックスからなる放電容器と、上記小径筒状部内に挿通した給電用導体、この給電用導体一端側に膨出部に臨み配設された電極部を構成する給電用導体より小径の電極軸および給電用導体の他端側に接続され小径筒状部に気密封止された外部導入導体を有する電極構体と、上記放電容器内に封入された希土類金属ハロゲン化物および希ガスを含んでなる放電媒体とを有する発光管と;
    上記発光管の電極構体に電気的に接続するとともに発光管を保持したサポート部材と;
    内部に上記発光管を管軸に沿って配設するとともに端部にサポート部材を封止した外管と;
    を具備した高圧放電ランプにおいて、上記給電用導体の最大外径をX(mm)、給電用導体の膨出部側に臨む端部と直交する方向における放電容器の内径をY(mm)としたとき、
    1.9(mm)≦Y−X≦5.0(mm)で、
    かつ、上記希土類金属ハロゲン化物の総封入量をM(mg)、放電容器内容積をV(cm)としたとき、
    2.5(mg/cm)≦M/V≦5.5(mg/cm
    の範囲内にあることを特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 上記金属ハロゲン化物の総封入量(mol)に対する上記希土類金属ハロゲン化物の総封入量(mol)の比が、12%〜34%の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
  3. 上記発光管の管壁負荷が、27(W/cm)〜33(W/cm)の範囲内にあることを特徴とする請求項1または2に記載の高圧放電ランプ。
  4. 照明装置本体と;
    この照明装置本体に設けられた請求項1ないし3のいずれか一に記載の高圧放電ランプと;
    この高圧放電ランプを点灯させる点灯回路手段と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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