JP2007268952A - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも1つのフィルムが、有機化層状ケイ酸塩含有フィルムであり、優れたガスバリア性及び機械的物性を備え、かつ有機化層状ケイ酸塩を含まないフィルムを積層することでヘイズの悪化を防止でき、透明性を有する積層フィルムの提供。
【解決手段】少なくとも2つのフィルムを積層してなる積層フィルムであって、前記積層フィルムのうちの少なくとも1つが、表面処理剤で表面処理された有機化層状ケイ酸塩を0.1〜10質量%含有する有機化層状ケイ酸塩含有フィルムであり、前記積層フィルムのうちの少なくとも1つが、表面処理された有機化層状ケイ酸塩を含まず、かつ熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する有機化層状ケイ酸塩非含有フィルムである。
【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも2つのフィルムを積層してなる積層フィルムのうちの少なくとも1つが、表面処理された有機化層状ケイ酸塩を含む有機化層状ケイ酸塩含有フィルムである積層フィルムに関する。
従来より、成形用樹脂材料の機械的強度、ガスバリア性などの向上を図る目的で、層状化合物を配合することが試みられている。例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂と、層状化合物とからなる熱可塑性樹脂組成物、及び該熱可塑性樹脂組成物を成形してなるガスバリア性に優れたフィルムが開示されている。また、特許文献2には、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及び膨潤性層状ケイ酸塩を含有する樹脂フィルムが提案されている。
しかし、これらの層状ケイ酸塩を含有する樹脂フィルムは、二軸延伸すると表面に微細な凹凸が発生し、透明性が損なわれてしまい、また機械的強度、ガスバリア性についても充分満足できる性能を有するものではなく、更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
特開平8−53572号公報 特開2000−327805号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、少なくとも2つのフィルムを積層してなる積層フィルムのうちの少なくとも1つが、表面処理された有機化層状ケイ酸塩を含む有機化層状ケイ酸塩含有フィルムであり、ヘイズの悪化による失透を防止でき、優れたガスバリア性及び機械的物性を備えた積層フィルムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも2つのフィルムを積層してなる積層フィルムであって、
前記積層フィルムのうちの少なくとも1つが、表面処理剤で表面処理された有機化層状ケイ酸塩を0.1〜10質量%含有する有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)であり、
前記積層フィルムのうちの少なくとも1つが、表面処理された有機化層状ケイ酸塩を含まず、かつ熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する有機化層状ケイ酸塩非含有フィルム(B)であることを特徴とする積層フィルムである。
<2> 有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)の合計厚みが、30〜120μmである前記<1>に記載の積層フィルムである。
<3> 有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)の合計厚みをa(μm)とし、有機化層状ケイ酸塩非含有フィルム(B)の合計厚みをb(μm)とすると、両者の比(a/b)が0.1〜12である前記<1>から<2>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<4> 有機化層状ケイ酸塩は、表面処理剤で表面処理された層状ケイ酸塩が3〜60枚積層された積層体からなり、該積層体の厚みが10〜120nmであり、かつ該積層体を構成する表面処理された層状ケイ酸塩同士の層間距離が、1.5〜4.0nmである前記<1>から<3>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<5> 有機化層状ケイ酸塩の積層体の平均長径が、0.1〜20μmである前記<1>から<4>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<6> 表面処理剤が、有機ホスホニウム化合物及び有機イミダゾリウム化合物のいずれかである前記<1>から<5>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<7> 有機化層状ケイ酸塩含有フィルムが、熱可塑性ポリエステル樹脂及びスルホン酸変性ポリエステル樹脂の少なくともいずれかを含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の積層フィルムである。
<8> 少なくとも3つのフィルムを積層してなり、最外層が有機化層状ケイ酸塩非含有フィルム(B)である前記<1>から<7>のいずれかに記載の積層フィルムである。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、少なくとも2つのフィルムを積層してなる積層フィルムのうちの少なくとも1つが、表面処理された有機化層状ケイ酸塩を含む有機化層状ケイ酸塩含有フィルムであり、ヘイズの悪化を防止でき、優れたガスバリア性及び機械的物性を備えた積層フィルムを提供することができる。
本発明の積層フィルムは、少なくとも2つのフィルムを積層してなり、更に必要に応じてその他の構成を有してなる。
前記積層フィルムのうちの少なくとも1つが、表面処理剤で表面処理された有機化層状ケイ酸塩を0.1〜10質量%含有する有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)であり、
前記積層フィルムのうちの少なくとも1つが、表面処理された有機化層状ケイ酸塩を含まず、かつ熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する有機化層状ケイ酸塩非含有フィルム(B)である。
前記積層フィルムは、少なくとも2つ、好ましくは2〜5つのフィルムを積層してなり、3つ以上のフィルムを積層した場合には、最外層(最表層)が前記有機化層状ケイ酸塩非含有フィルム(B)であることが、積層フィルムの透明性向上と平滑性向上の点で好ましい。
前記有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)の合計厚みaは、30〜120μmが好ましく、30〜100μmがより好ましい。前記合計厚みaが30μm未満であると、有機化層状ケイ酸塩を含有させても透明性には優れるものの、積層フィルムとしての高度なガスバリア性を付与することができず、120μmを超えると、ガスバリア性、機械強度は大幅に改善されるものの、透明性を失ってしまう。また、前記合計厚みaが30〜100μmの範囲であれば、フィルムを積層した際に、高度なガスバリア性と機械強度が大幅に改善されるばかりでなく、非常に優れた透明を有するバランスの取れたフィルムを得ることができる。
前記有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)の合計厚みをa(μm)とし、前記有機化層状ケイ酸塩非含有フィルム(B)の合計厚みをb(μm)とすると、両者の比(a/b)が0.1〜12であり、0.5〜10がより好ましく、1〜8が更に好ましい。前記比(a/b)が0.1未満であると、有機化層状ケイ酸塩を含有させたことによるガスバリア性の向上、及び機械的強度改善の効果が殆どなくなり、12を超えると、有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)の厚みaが大き過ぎ、ヘイズが35%を超え、透明性を失ってしまうことがある。前記比(a/b)が0.5〜10の範囲であると、有機化層状ケイ酸塩を含有したことによるガスバリア性及び機械強度改善効果と透明性のバランスがよくなり、1〜8の範囲であると、ヘイズは20%以内となり、非常に高い透明性を付与することができる。
<有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)>
前記有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)は、表面処理剤で表面処理された有機化層状ケイ酸塩を含有し、かつ該有機化層状ケイ酸塩は、表面処理剤で表面処理された層状ケイ酸塩が3〜60枚積層された積層体からなり、該積層体の厚みが10〜120nmであり、かつ該積層体を構成する表面処理された層状ケイ酸塩同士の層間距離が、1.5〜4.0nmである。特に、表面処理剤で表面処理された層状ケイ酸塩が10〜50枚積層された積層体からなり、該積層体の厚みが30〜100nmであり、かつ該積層体を構成する表面処理された層状ケイ酸塩同士の層間距離が、2.0〜3.5nmであることが好ましい。
また、前記有機化層状ケイ酸塩の積層体の平均長径は、0.1〜20μmが好ましい。
前記有機化層状ケイ酸塩が、分散させた状態で、上記性状を備えることによって、樹脂中に分散させた場合には、機械強度、寸法安定性及びガスバリア性が向上する。更に前記有機化層状ケイ酸塩の積層体の平均長径が0.1〜5μmであれば高度な透明性を付与することができる。
ここで、前記有機化層状ケイ酸塩の性状は、例えば、フィルム中の面方向からは画像解析により測定することができる。また、延伸フィルムの場合は、断面方向からは電子顕微鏡、断面を薄く切り出した薄片の透過電子顕微鏡により測定できる。
前記有機化層状ケイ酸塩は、層状ケイ酸塩を溶媒に分散させた後、表面処理剤を溶液pHが5〜7になるまで投入して得られた有機化層状ケイ酸塩分散液をろ過し、洗浄して得られる。
−層状ケイ酸塩−
前記層状ケイ酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、天然又は合成のヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト、ハイデライト、モンモリロナイト、ノントライト、ベントナイト等のスメクタイト属粘土鉱物;Na型テトラシリシックフッ素雲母、Li型テトラシリシックフッ素雲母、Na型フッ素テニオライト、Li型フッ素テニオライト等の膨潤性雲母属粘土鉱物;バーミキュライトなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記層状ケイ酸塩としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、ラポナイトXLG(英国ラポート社製、合成ヘクトライト類似物)、ラポナイトRD(英国ラポート社製、合成ヘクトライト類似物)、サーマビス(独国ヘンケル社製、合成ヘクトライト類似物)、スメクトンSA−1(クニミネ工業株式会社製、サポナイト類似物)、ベンゲル(豊順洋行株式会社販売、天然モンモリロナイト)、クニピアF(クニミネ工業株式会社販売、天然モンモリロナイト)、ビーガム(米国バンダービルト社製、天然ヘクトライト)、ダイモナイト(トピー工業株式会社製、合成膨潤性雲母)、ソマシフ(コープケミカル株式会社製、合成膨潤性雲母)、ルーセンタイトSWN(コープケミカル株式会社製、合成スメクタイト)、ルーセンタイトSWF(コープケミカル株式会社製、合成スメクタイト)などが挙げられる。
これらの中でも、溶媒に対し溶解、膨潤及び分散しやすく、かつ表面処理剤により処理し易い膨潤性雲母、スメクタイト類が好適である。
前記「膨潤性」とは、層状ケイ酸塩層間に、水、アルコール、エーテル等の溶媒が侵入して膨潤する性質を意味する。
−表面処理剤−
前記表面処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、有機オニウム化合物、有機ヒドロキシ化合物、有機シラン化合物、有機ハロゲン化合物、エポキシ基含有化合物、イミダゾリウム基含有化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、有機オニウム化合物が特に好ましい。
前記有機オニウム化合物としては、例えば、有機アンモニウム化合物、有機ホスホニウム化合物、有機スルホニウム化合物、有機イミダゾリウム化合物などが挙げられる。これらの中でも、有機アンモニウム化合物、有機ホスホニウム化合物、有機イミダゾリウム化合物が好ましく、耐熱性の面から有機ホスホニウム化合物、有機イミダゾリウム化合物が特に好ましい。
前記有機ホスホニウム化合物は、下記構造式(1)で表されるものが好適である。
Figure 2007268952
前記構造式(1)において、R、R、R、及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、フェニル基、及びエポキシ基を含む炭化水素基から選択されるいずれかを表す。ただし、アルキル基、及びフェニル基は、その水素原子の一部がハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、及び−COOR(ただし、Rは炭素数1〜5のアルキル基を表す)から選択されるいずれかで置換されていてもよい。
は対イオンを表し、ハロゲンイオン、スルホン酸イオンなどが挙げられる。
前記構造式(1)で表される有機ホスホニウム化合物としては、例えば、臭化ヘキサデシルトリフェニルホスホニウム、臭化ヘキサデシルトリブチルホスホニウムなどが挙げられる。
前記有機イミダゾリウム化合物としては、例えば、臭化ヘキサデシルイミダゾリウム、1−メチル−3−〔2−(3−ペンタデシルフェノキシ)エチル〕イミダゾリウムブロマイド、〔10−(3,5−ビスメトキシカルボニルフェノキシ)デシル〕−1−メチルイミダゾリウムブロマイドなどが挙げられる。
前記有機ヒドロキシ化合物としては、例えば、炭素数1〜20のアルコール類が好適に挙げられる。該炭素数1〜20のアルコール類としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
前記有機ハロゲン化合物としては、例えば、メチルクロリド、エチルクロリド、プロピルクロリド、ブチルクロリド、ヘキシルクロリド、オクチルクロリド、シクロヘキシルクロリド、ベンジルクロリド、又はこれらに対応するフルオリド、ブロミド、ヨージドなどの炭素数1〜20のハロゲノ炭化水素基などが挙げられる。
前記有機シラン化合物としては、例えば、一般式:R SiX4−n〔ただし、Rは炭化水素基を表す。Xはハロゲン原子、OR基(ただし、Rはアルキル基を表す)又はOH基を表し、nは1〜3の整数である〕で表される化合物が好適であり、例えば、トリメチルクロロシラン、ジエチルジクロルシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロルシラン、フェニルシラノール、トリメチルエトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどが挙げられる。
−溶媒−
前記溶媒は、前記層状ケイ酸塩及び表面処理剤を溶解乃至懸濁させることで、該表面処理剤により層状ケイ酸塩を有機化させて、分散液を得るのに使用される。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水、アセトン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、THFなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒中に配合する層状ケイ酸塩の量は、0.1〜4質量%が好ましい。前記層状ケイ酸塩の量が0.1質量%未満であると、層状ケイ酸塩の均一な分散状態が達成できるものの、一度に生産できる量が少なく生産性が非常に悪くなる。一方、前記層状ケイ酸塩の量が4質量%を超えると、溶媒中でゲル化が起こりやすくなり、均一な分散状態が達成しにくくなり、最終的には表面処理された有機化層状ケイ酸塩のフィルム中における分散状態を不均一にする可能性がある。
前記層状ケイ酸塩を有機化処理する直前の分散溶液の溶液粘度は2.0〜1,000mPa・sで安定化していることが好ましく、より好ましくは2.5〜600mPa・sである。ここで、安定化した状態とは、溶液粘度の変動幅が±10%以内に入る状態を意味する。前記溶液粘度が2.0mPa・s未満の場合はほぼ溶媒粘度と同等であるため、粘度が安定しているかどうか判定できない、しかも溶液中の層状ケイ酸塩濃度が少ないため、有機化層状ケイ酸塩の生産性が著しく悪くなる。一方、前記溶液粘度が1000mPa・sを超えると、表面処理剤又は溶媒に予め溶かしておいた表面処理剤を投入しても、溶液中へ均一に分散できず、有機化処理が不均一に進むため、有機化層状ケイ酸塩同士の凝集が発生しやすくなる。この表面処理後の溶媒を多く含んだ有機化層状ケイ酸塩を凍結真空乾燥して熱可塑性樹脂に分散させたとしても、粒径が20μmを超える大きな凝集物が発生してしまうことがある。
前記表面処理剤の添加量は、層状ケイ酸塩を溶媒に分散させた分散液のpHが5〜7になるまでの量である。通常、層状ケイ酸塩を分散させた分散液のpHは8以上であり、弱いアルカリ性を示す。これは層状ケイ酸塩中に含まれるアルカリ又はアルカリ土類金属が溶出するためである。このアルカリ又はアルカリ土類金属イオンと表面処理剤とを交換することで表面処理を行っている。従って、pHが7以下を示すまで表面処理剤を投入することで、層状ケイ酸塩中に含まれるアルカリ又はアルカリ土類金属のうち、イオン交換に関与できるイオン容量(CEC)に対して、十分な量のイオン交換が行われたことになるためである。ただし、層状ケイ酸塩の層間内にあるアルカリ金属又はアルカリ土類金属を十分に交換できても、層状ケイ酸塩の側面には水酸基などが存在する。この側面の水酸基同士が水素結合して乾燥後の分散サイズが大幅に拡大する可能性があるため、pHが7以下になる弱酸性雰囲気まで投入し、側面水酸基にも表面処理剤が吸着するまで投入して、側面水酸基による水素結合を抑制する必要がある。
前記溶媒中に、層状ケイ酸塩及び表面処理剤を溶解乃至懸濁させる方法としては、特に制限はなく、通常使用される方法の中から目的に応じて適宜選択して行うことができ、例えば、マグネティックスターラー、ホモジナイザーなどの回転翼式攪拌機以外にビーズミル等の粉砕機などを用いることが好ましい。
−凍結真空乾燥−
前記凍結真空乾燥法は、適当な溶媒中に層状ケイ酸塩と表面処理剤を溶解し、懸濁された分散液をろ過し、洗浄した溶液又はペースト状物を、−30℃以下で1時間以内に凍結することが好ましく、−50℃以下で1時間以内がより好ましい。−30℃を超えると、分散液の凍結課程において、分散していた有機化層状ケイ酸塩が配向したり、凝集を起こしてしまう。−30℃以下であれば急速に凍結するため、溶媒中の分散状態を保持することができる。
また、溶媒中での層状ケイ酸塩の溶解及び表面処理剤の溶解、または夫々を混合して反応させる懸濁方法、及び得られた有機化層状ケイ酸塩のろ過及び洗浄方法については、公知の方法により実施され、特に限定されるものではない。
前記真空乾燥時の圧力は、溶媒をある程度除去することができる程度の圧力であれば特に制限はないが、3.3〜26.6Paが好ましい。
また、前記分散液は、溶媒を完全に除去する観点から、前記凍結乾燥後に、二次乾燥を行うことが好ましい。
前記二次乾燥を行う際の温度は20〜50℃が好ましく、圧力は9.9〜40Paが好ましい。
−熱可塑性樹脂−
前記熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アミド基及びスルホン酸基の少なくともいずれかの置換基を持つモノマーを共重合したポリエチレンテレフタレート)、ポリプロピレン、ポリエチレン、シクロオレフィン、アクリル樹脂などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート(以下、単に「PET」と称することもある)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート(以下、単に「PC」と称することもある)、ポリメタクリル酸メチル、アミド基及びスルホン酸基の少なくともいずれかの置換基を持つモノマーを共重合したポリエチレンテレフタレートが、優れた透明性を有している点から特に好ましい。
前記アミド基及びスルホン酸基の少なくともいずれかの置換基を持つモノマーを共重合したポリエチレンテレフタレートとしては、上記ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分の一部を下記のモノマーで置き換えることにより得られる。使用されるモノマーとしては、例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル、N,N−ビス(3アミノプロピル)ピペラジン、N,N−ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、2−アミノエチルピペラジン、2−アミノプロピルピペラジン、ラウリン酸ジエタノールアミド、o−アミノベンジルアルコール、m−キシレンジアミン等が挙げられる。これらモノマーの置き換える量は5mol%以上が好ましい。前記置き換え量が5mol%未満であると、無機フィラーの分散性が不十分となることがある。
前記アミド基及びスルホン酸基の少なくともいずれかの置換基を持つモノマーを共重合したポリエチレンテレフタレートは、ポリエチレンフタレート等に併用することができる。併用する場合には、樹脂分を100質量部とすると、含まれるアミド基及びスルホン酸基の少なくともいずれかの置換基を持つモノマーを共重合したポリエチレンテレフタレートの比率は、5〜25質量部であることが好ましい。前記比率が5質量部未満であると、分散性が不十分となることがあり、25質量部を超えると、機械的強度などが不足することがある。
前記熱可塑性樹脂の配合量は、樹脂組成物100質量部に対し、70〜99.5質量部が好ましい。前記配合量が70質量部未満であると、無機粒子の分散性、透明性が低下したり、樹脂組成物を使用して作製された成型品が脆くなることがあり、実用に耐えられないことがある。前記配合量が99.5質量部を超えると、機械強度が向上しないことがある。
前記有機化層状ケイ酸塩の配合量は、樹脂組成物100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましい。前記配合量が0.5質量部未満であると、機械強度が向上しないことがあり、30質量部を超えると、分散性、光透過性が低下したり、樹脂組成物を使用して作製された成型品が脆くなることがあり、実用に耐えられないことがある。
前記有機化層状ケイ酸塩の配合方法としては、特に制限はなく、通常使用される方法を適宜選択して行うことができるが、溶融混練法により溶融混練することが好ましい。
前記溶融混練を行うために使用される混練機としては、特に制限はなく、通常使用される機械を、目的に応じて適宜選択して使用することができるが、例えば、一軸押出機、同方向回転二軸押出機、異方向回転二軸混練機、回転円盤と固定円盤との間で混練を行う石臼型連続混練機(KCK)、バンバリーミキサー、ロールミル、などが挙げられる。
なお、前記溶融混練法により得られた樹脂組成物は、押出成形や射出成形をする際には、事前に真空乾燥又は熱風乾燥してもよい。
−その他の添加剤−
前記樹脂組成物に対しては、その光透過性と機械強度を損なわない範囲内で、通常使用されるその他の添加剤を併用してもよい。
前記添加剤としては、例えば、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤、帯電防止剤、相溶化剤(アミド基及び/又はスルホン酸基を置換基にもつモノマーを共重合したポリエステル系共重合体等)、などが挙げられる。
前記樹脂組成物は、通常行われる各種成形方法により成形することで、成形品、フィルム、シートとして利用できる。特にフィルム、シートについては、未延伸状態でも使用できるが、1軸延伸、2軸延伸などの加工を加えて使用することもできる。
<有機化層状ケイ酸塩非含有フィルム(B)>
前記有機化層状ケイ酸塩非含有フィルム(B)は、前記表面処理された有機化層状ケイ酸塩を含まず、かつ熱可塑性ポリエステル樹脂を含有するものである。
前記熱可塑性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、上記有機化層状ケイ酸塩含有フィルムと同様のものを用いることができるが、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、1,4シクロヘキサンジメタノール、1、4シクロヘキサンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
−積層方法−
前記有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)と、前記有機化層状ケイ酸塩非含有フィルム(B)とを積層する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、融着、接着、縫合などにより実質的に自由度がないように接合する方法が挙げられる。これらの中でも、融着が特に好ましい。前記融着としては、2軸押出機で成形する際に、2種以上を共押出する方法が好ましい。
また、両フィルムに接着剤を塗布し圧着する方法などが挙げられ、更に作製したフィルム上に塗布層を形成する方法であってもよい。
本発明の積層フィルムは、該積層フィルムのうちの少なくとも1つが、有機化層状ケイ酸塩含有フィルムであるので、ヘイズの悪化を防止でき、機械的強度、ガスバリア性、及び透明性に優れているので、各種用途に用いられるが、例えば、拡散シート、プリズムシート、偏光反射シート等の光学用シート、磁気材料用支持体、画像形成材料用支持体、工業用リスなどに好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
−微粒子1の製造−
膨潤性層状ケイ酸塩としてソマシフME100(コープケミカル株式会社製、合成マイカ)4gを使用し、水温22℃の水400ml中にホモジナイザー(NIHONSEIKIKAISHA Ltd.製、回転翼攪拌機)により11,000rpmで分散させて、攪拌を止め、B級粘度計を使用して22℃温浴中で溶液粘度を測定して、2.8mPa・sの一定になるまで攪拌を続けた。膨潤性層状ケイ酸塩水溶液の溶液粘度が一定になったところで、表面処理剤として予め水に攪拌溶解させておいた1−メチル−3−〔2−(3−ペンタデシルフェノキシ)エチル〕イミダゾリウムブロマイド(イオンとしては1−メチル−3−〔2−(3−ペンタデシルフェノキシ)エチル〕イミダゾリウムイオン)10質量%水溶液を0.2ml/minの滴加速度でpHが6程度になるまでに投入することにより有機化処理(イオン交換)を行い、有機層状ケイ酸塩分散液を得た。
この有機化層状ケイ酸塩分散液をブフナーロートで吸引ろ過を行いながら、ろ液の電導度が200μS/cmになるまで水で洗浄を行った。
得られたペースト状(含溶媒状態)の有機化層状ケイ酸塩を、凍結乾燥機(共和真空株式会社製、トリオマスターIIA−04)を用いて、液体窒素中で急速凍結して分散状態を固定した後、棚温を−30℃以下に設定された凍結乾燥装置に投入して、6.6Paまで減圧し、ペースト状の有機化層状ケイ酸塩中の溶媒を90%減少するまで除去した。このとき、昇華の崩壊温度を超えないようにサンプル温度を保持しながら減圧乾燥を行った。その後、サンプル温度が30℃になるように調節しながら、13.3Paを保持して減圧乾燥を行い、一旦減圧を止めてサンプルより溶媒が昇華して減圧度が下がらなくなったところで減圧を終了した。以上により、微粒子1を作製した。
(製造例2〜7)
−微粒子2〜7の作製−
微粒子1における膨潤性層状ケイ酸塩と表面処理剤の種類を、表1に示すように変更した以外は、製造例1と同様にして、微粒子2〜7をそれぞれ作製した。
Figure 2007268952
*合成マイカ:ソマシフME100(コープケミカル株式会社製、合成膨潤性雲母)
*合成スメクタイト:ルーセンタイトSWN(コープケミカル株式会社製、合成スメクタイト)
(実施例1)
<積層フィルムの作製>
−樹脂組成物の調製−
微粒子1を5質量%、熱可塑性樹脂(ベース樹脂1)としてのポリエチレンテレフタレート(富士写真フイルム株式会社製、以下、単に「PET1」と略記する)を85質量%と、ベース樹脂2としてスルホン酸基をもつモノマーを20mol%共重合させたポリエチレンテレフタレート(富士写真フイルム株式会社製、SSIA−PET)を10質量%の配合量で、二軸スクリュー押出機(東芝機械株式会社製、TEM−37)へ投入して、溶融混練法により溶融混練し、樹脂組成物を得た。なお、混練はスクリュー回転数150rpm、温度275℃で行った。
得られた樹脂組成物をメイン押出し機に供給し、サブ押出し機にベース樹脂としてPET1を供給し、フィードブロックを用いてメイン押出し機より押出される組成からなる層(フィルムA)と、サブ押出し機から押出される組成からなる層(フィルムB)を、フィルムB/フィルムA/フィルムBの順に積層した。これを25℃に調温した冷却ロール上にTダイより共押出して、積層ポリエステルフィルムを得た。なお、各押出機の吐出量はシート厚みが約320μmとなり、フィルムAの合計厚みaが約240μmとなるように調整した。
得られた厚み約320μmのフィルムを延伸温度105℃で逐次2×2倍延伸(縦・横延伸速度1.5m/min)し、厚み80μmの2軸延伸フィルムを作製した。
(実施例2)
−積層フィルムの作製−
実施例1において、微粒子1を微粒子2に変えた以外は、実施例1と同様にして、全層厚み80μmの積層フィルムを作製した。
(実施例3)
−積層フィルムの作製−
実施例1において、微粒子1を微粒子3に変え、ベース樹脂2のSSIA−PETと微粒子の配合量を表2に示すように変更し、各層の厚みを変更した以外は、実施例1と同様にして、全層厚み110μmの積層フィルムを作製した。
(実施例4)
−積層フィルムの作製−
実施例1において、微粒子1を微粒子4に変え、フィルムAの厚みaを変更した以外は、実施例1と同様にして、全層厚み130μmの積層フィルムを作製した。
(実施例5)
−積層フィルムの作製−
〔有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)の作製〕
微粒子5を5質量%、ベース樹脂1の熱可塑性樹脂としてポリエチレンテレフタレート(富士写真フイルム株式会社製、以下、単に「PET1」と略記する)を85質量%と、ベース樹脂2としてスルホン酸基をもつモノマーを20mol%共重合させたポリエチレンテレフタレート(富士写真フイルム株式会社製、SSIA−PET)を10質量%の配合量で、二軸スクリュー押出機(東芝機械株式会社製、TEM−37)へ投入して、溶融混練法により溶融混練し、樹脂組成物を得た。なお、混練はスクリュー回転数150rpm、温度275℃で行った。
得られた樹脂組成物を押出し機に供給し、25℃に調温した冷却ロール上にTダイより厚みが約240μmのポリエステルシートを得た。
得られた厚み約240μmのフィルムAを延伸温度105℃で逐次2×2倍延伸(縦・横延伸速度1.5m/min)し、厚み60μmの2軸延伸フィルムを作製した。
〔有機化層状ケイ酸塩を含まないフィルム(B)の作製〕
同様にベース樹脂としてポリエチレンテレフタレート(富士写真フイルム株式会社製、以下、単に「PET1」と略記する)を押出し機に供給し、25℃に調温した冷却ロール上にTダイより厚みが約40μmのポリエステルシートを得た。
得られた厚み40μmのフィルムBを延伸温度105℃で逐次2×2倍延伸(縦・横延伸速度1.5m/min)し、厚み10μmの2軸延伸フィルムを作製した。
前記より得られたフィルムAの両面に、水系接着剤(ポリゾールSE950 昭和高分子製)を厚み5μmで塗布し、105℃で乾燥したのち、フィルムBを上下2枚積層して圧着し、2種3層の全層厚み90μmの積層フィルムを作製した。
(実施例6)
−積層フィルムの作製−
実施例5において、フィルムAに使用する微粒子5を微粒子6に変えた以外は、実施例5と同様にして、全層厚み90μmの積層フィルムを作製した。
(実施例7)
−積層フィルムの作製−
実施例1において、フィルムAに使用する微粒子1を微粒子6に変え、フィルムAの厚みaとフィルムBの厚みbとを変えた以外は、実施例1と同様にして、全層厚み100μmの積層フィルムを作製した。
(実施例8)
−積層フィルムの作製−
実施例1において、全てのベース樹脂をPET1からポリエチレン−2,6−ナフタレート(TN8065、帝人化成株式会社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、全層厚み80μmの積層フィルムを作製した。
(実施例9)
−積層フィルムの作製−
実施例1において、微粒子1を微粒子5に変え、全てのベース樹脂をPET1からポリエチレン−2,6−ナフタレート(TN8065、帝人化成株式会社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、全層厚み80μmの積層フィルムを作製した。
(実施例10)
−積層フィルムの作製−
実施例1において、フィルムAの厚みaとフィルムBの厚みbとを表2に示すように変更し、全層厚み180μmの積層フィルムを作製した。
(実施例11)
−積層フィルムの作製−
実施例1において、フィルムAの厚みaとフィルムBの厚みbを表2に示すように変更し、厚み比(a/b)を変更して、全層厚み65μmの積層フィルムを作製した。
(実施例12)
−積層フィルムの作製−
実施例1において、フィルムAの厚みaとフィルムBの厚みbを表2に示すように変更し、厚み比(a/b)を変更して、全層厚み62μmの積層フィルムを作製した。
(比較例1)
−積層フィルムの作製−
実施例5において、フィルムAを作製する際の微粒子5を微粒子1に変えた以外は、実施例5と同様にして、全層厚み60μmのフィルムAを作製し、フィルムBを積層しなかった。
(比較例2)
−積層フィルムの作製−
実施例1において、微粒子1を微粒子7に変えた以外は、実施例1と同様にして、全層厚み80μmの積層フィルムを作製した。
(比較例3)
−積層フィルムの作製−
実施例1における、表2に示すように微粒子1の配合量を5質量%から15質量%に変えた以外は、実施例1と同様にして、全層厚み80μmの積層フィルムを作製した。
Figure 2007268952
*PEN1:ポリエチレン−2,6−ナフタレート(TN8065、帝人化成株式会社製)
−評価−
次に、得られた各積層フィルムについて、以下のようにして諸特性を評価した。結果を表3に示す。
(1)フィルム中に分散している有機化層状ケイ酸塩の積層体の厚み(短径)、平均長径、有機化層状ケイ酸塩の積層体内の有機化層状ケイ酸塩の積層枚数、有機化層状ケイ酸塩同士の層間距離の測定
<有機化層状ケイ酸塩の積層体の厚み(短径)>
各樹脂組成物から得られた2×2倍延伸フィルムの断面をミクロトームにより厚み100nmの切片を切り出し、透過電子顕微鏡(JEOL社製、JEM−2010;100kV)を用いて倍率2万倍〜10万倍で観察した。粒子100個の層厚みを実測し、その平均値を分散している層状ケイ酸塩の厚み(nm)とした。
<有機化層状ケイ酸塩の積層体の平均長径>
各樹脂組成物から得られた2×2倍延伸フィルムの断面をミクロトームにより正確に切り出し、電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−4700:5kV)を用いて倍率1000倍又は3000倍で観察した。粒子100個の粒径(長径)を実測し、その平均値を平均粒径(μm)とした。
<有機化層状ケイ酸塩同士の層間距離>
各樹脂組成物から得られた2×2倍延伸フィルムを凍結粉砕して得られた粉体をX線回折広角測定法(装置:RINT TTRIII、株式会社リガク製)により(001)面に相当するピークの回折角度より層間距離(nm)を算出した。測定条件は、X線発生強度50kV−300mA、測定レンジ2θ=1〜35°、スキャン速度4°/minである。
<有機化層状ケイ酸塩の積層体内の有機化層状ケイ酸塩の積層枚数>
上記方法で測定した積層体の厚みを層状ケイ酸塩同士の層間距離で除して積層枚数を算出した。
(2)引張弾性率
各樹脂組成物から得られた2×2倍延伸フィルムをテンシロン万能試験機(STROGRAPH VE50、東洋精機製作所製)にて引っ張り試験を行い、引張弾性率を求めた。同様にして、無機粒子等を配合しないPETのみのフィルムにおいても引張弾性率を求めた後、前記樹脂組成物のシートにおいて、PETのみのフィルムに比してどの程度引張弾性率が向上したかを百分率により算出し、その結果を下記の3段階により評価した。
〔評価基準〕
○・・・PETのみに対して50%以上向上
△・・・PETのみに対して20%以上50%未満向上
×・・・PETのみに対して20%未満の向上
(3)ガスバリア性
各積層フィルム水蒸気透過率を水蒸気透過計(L80−5000型、LYSSY社製)で測定し、下記基準で評価した。測定条件は40℃×24時間である。
〔評価基準〕
○・・・PETのみのフィルムに対して50%以上低下した場合
△・・・PETのみのフィルムに対して30%以上低下した場合
×・・・PETのみのフィルムに対して30%未満しか低下しない場合
(4)ヘイズの評価
各樹脂組成物から得られた2×2倍延伸フィルムのヘイズを濁度計(COLOR AND COLOR DIFFERENCE METER MODEL 1001DP:日本電色工業(株)製)で同サンプルの設定位置を変更して(縦、横)3回ずつ測定し、その平均値を用いた。また、表面形状によるヘイズへの影響をキャンセルするため、セル中に、りん酸トリトリルを入れ、サンプルをこの中に浸漬させた状態で測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
○・・・ヘイズが20%未満の場合
△・・・ヘイズが35%未満の場合
×・・・ヘイズが35%以上の場合
(5)総合評価
前記(1)〜(4)の評価における○の数により、下記の基準により総合評価した。
〔評価基準〕
◎・・・全てが○の場合
○・・・一つ以上△が含まれる場合
×・・・一つでも×が含まれる場合
Figure 2007268952
本発明の積層フィルムは、少なくとも2つのフィルムを積層してなる積層フィルムのうちの少なくとも1つが、表面処理された有機化層状ケイ酸塩を含む有機化層状ケイ酸塩含有フィルムであるため、優れたガスバリア性及び機械的物性を備えており、かつ有機化層状ケイ酸塩を含まないフィルムを表層に積層することでヘイズの悪化を防止でき、光学用フィルム、光学用シート、磁気材料用支持体、画像形成材料用支持体などの各種用途に好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 少なくとも2つのフィルムを積層してなる積層フィルムであって、
    前記積層フィルムのうちの少なくとも1つが、表面処理剤で表面処理された有機化層状ケイ酸塩を0.1〜10質量%含有する有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)であり、
    前記積層フィルムのうちの少なくとも1つが、表面処理された有機化層状ケイ酸塩を含まず、かつ熱可塑性ポリエステル樹脂を含有する有機化層状ケイ酸塩非含有フィルム(B)であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)の合計厚みが、30〜120μmである請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 有機化層状ケイ酸塩含有フィルム(A)の合計厚みをa(μm)とし、有機化層状ケイ酸塩非含有フィルム(B)の合計厚みをb(μm)とすると、両者の比(a/b)が0.1〜12である請求項1から2のいずれかに記載の積層フィルム。
  4. 有機化層状ケイ酸塩は、表面処理剤で表面処理された層状ケイ酸塩が3〜60枚積層された積層体からなり、該積層体の厚みが10〜120nmであり、かつ該積層体を構成する表面処理された層状ケイ酸塩同士の層間距離が、1.5〜4.0nmである請求項1から3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 有機化層状ケイ酸塩の積層体の平均長径が、0.1〜20μmである請求項1から4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 表面処理剤が、有機ホスホニウム化合物及び有機イミダゾリウム化合物のいずれかである請求項1から5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 有機化層状ケイ酸塩含有フィルムが、熱可塑性ポリエステル樹脂及びスルホン酸基を側鎖に持つポリエステル樹脂の少なくともいずれかを含有する請求項1から6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 少なくとも3つのフィルムを積層してなり、最外層が有機化層状ケイ酸塩非含有フィルム(B)である請求項1から7のいずれかに記載の積層フィルム。
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