JP2007254903A - オフセット印刷用新聞用紙 - Google Patents

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啓二 島谷
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Abstract

【課題】古紙パルプまたはメカニカルパルプを原料とするオフセット印刷新聞用紙において、オフセット印刷時の印刷後不透明度が優れており、インキセット性も優れ、しかも版パイリング、ブランケットパイリング等、紙に含まれるレイセルや灰分を主な原因とするトラブルの発生が少なく、良好な印刷作業性およびカラー印刷品質を有するオフセット印刷用新聞用紙の提供。
【解決手段】
原料パルプに古紙パルプまたはメカニカルパルプを含み、表面に平均粒子径が115nm以下であり、アクリロニトリルを10質量%以上含み、ゲル含有量が80質量%以上の合成樹脂ラテックスを5〜20質量%、澱粉を70〜95質量%含んだ塗工層を、片面当り乾燥質量で0.1〜0.7g/mの塗布量となるよう設け、前記合成樹脂ラテックスは、アクリロニトリルを20質量%以上含み、ゲル含有量が90質量%以上であるオフセット印刷用新聞用紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、古紙パルプまたはメカニカルパルプを原料とするオフセット印刷新聞用紙に関し、更に詳しくは、オフセット印刷時の粉落ち、ブランケットパイリング、カスレ等、紙に含まれる灰分やレイセルなどの紙粉を主な原因とするトラブルの発生が少なく、良好な印刷作業性およびカラー印刷品質を有するオフセット印刷用新聞用紙に関する。
新聞印刷においてはオフセット化、カラー化、高速化が一般化し、印刷媒体となる新聞用紙に、より優れたカラー印刷適性や印刷作業性を有する新聞用紙が求められている。オフセット印刷では、比較的タックの強い印刷インキを使用するため、用紙表面の強度が強いことが要求される。また、湿し水を使用するため、表面の耐水性が要求される。表面強度の弱い用紙、あるいは耐水性の低いまたは無い表面を持つ用紙を使用すると、紙粉が版やブランケットに堆積したり、インキに混入することにより、印刷面に所謂カスレを生じさせるといった問題が生じる。
新聞用紙は軽量でありながら高度な不透明度を要求されているため、従来よりメカニカルパルプを原料の中心として製造されてきた。このメカニカルパルプにはレイセルと呼ばれる放射状柔細胞が含まれ、これは他の繊維と比べ小さな形状でかつ結合力が小さいため、上記の紙粉の原因となることがしばしばある。レイセルは新聞用紙のリサイクルの過程の中でも残存するため、新聞用紙が古紙として利用された場合、再び古紙由来のレイセルとして同様のトラブルの原因となりうる。また、DIP用の原料古紙として現在主流となっている新聞古紙は、新聞とチラシの混合物であり、地域や時代によって異なるがその割合は、チラシ/新聞=30〜50%程度とされている。その結果、新聞古紙にはレイセルのみならず多くの灰分が含まれるため、メカニカルパルプ同様に上記紙粉の原因となる。さらに、新聞古紙はまとまった原料として需要が高く、近年はで雑誌古紙をDIP用の原料古紙として使用することが多くなってきた。雑誌古紙は不透明度の良好なDIPを与えるが、特に灰分の多い原料として上記紙粉の原因となることがある。
このようなオフセット印刷時のトラブルに対処するため、従来からオフセット印刷用紙の表面には澱粉やPVA、ポリアクリルアミド等を成分とする表面処理剤を塗布することが一般に行われている。これらの表面処理剤は、紙面の強度を向上させ、紙表面の微細繊維や填料をパルプ繊維等に接着させる働きは有るものの、いずれも耐水性に乏しく、湿し水によって紙匹より遊離し易いために、印刷時にブランケット上に堆積したり、紙面に粘着性が生じて断紙が誘発され易いといった難点がある。さらには、これらの表面処理剤はインキの紙表面への浸透を抑えるために、カラー印刷時に塗工ムラに起因するインキ吸収ムラ(印刷面の色ムラ)を発生させるといった難点を抱えている。
上記の如き実状より、オフセット印刷用紙に関しては、各種接着剤を組み合わせるとともに耐水性を向上させることにより、表面強度を高める種々の方法が提案されてきた。例えば、特定のポリアクリルアミド系化合物を表面に塗布することにより用紙表面の強度を高め、さらに多価アルデヒド類を併用することによって、表面耐水性を高める方法が特開平8−13384号公報(特許文献1)や、PVAにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体を加えた組成物を塗布することにより、表面サイズ性、表面強度を改良する方法が特開平5−59689号公報(特許文献2)等に提案されている。また、耐水性を持つ接着剤としてラテックスの利用も試みられている。例えば顔料を含有する塗工層に対顔料で70〜300部のラテックスを配合する方法が特許2896377号公報(特許文献3)に、塗工紙の上塗り層にゲル含有率40〜70質量%のラテックスを配合する方法が特開平11−279992号公報(特許文献4)に、さらにはオフセット印刷用新聞用紙においてゲル含有率が90質量%以上のラテックスを配合する方法が特開平11−50393号公報(特許文献5)に開示されている。しかしながら、紙粉の堆積を抑制させることは必ずしも十分なものではなくまた、ラテックス配合過多による表面粘着性悪化(以後、ネッパリ性と称す)など他のトラブルにつながることもあった。
特開平8−13384号公報 特開平5−59689号公報 特許2896377号公報 特開平11−279992号公報 特開平11−50393号公報
本発明が解決しようとする課題は、古紙パルプまたはメカニカルパルプを原料とするオフセット印刷新聞用紙において、オフセット印刷時の印刷後不透明度が優れており、インキセット性も優れ、しかも版パイリング、ブランケットパイリング等、紙に含まれるレイセルや灰分を主な原因とするトラブルの発生が少なく、良好な印刷作業性およびカラー印刷品質を有するオフセット印刷用新聞用紙を提供することにある。
発明者らは、オフセット印刷用新聞用紙において、古紙パルプまたはメカニカルパルプを多量に原料に用いて、高い印刷適性を維持しながらパイリングトラブルを防ぐ手段を鋭意検討した。その結果、オフセット印刷用新聞用紙の表面に、適切な粒子径と適切なゲル含有量を有する特定の物性を持った合成樹脂ラテックスを、適切な塗布量で塗工することにより、良好な印刷後不透明度を維持したまま、パイリングのみならずネッパリ、セットオフなど、極めて良好な印刷作業性が得られることを見出し本発明を完成させた。
本発明は以下の発明を包含する。
(1)原料パルプに古紙パルプまたはメカニカルパルプを含み、表面に平均粒子径が115nm以下であり、アクリロニトリルを10質量%以上含みゲル含有量が80質量%以上の合成樹脂ラテックスを5〜20質量%、澱粉を70〜95質量%含んだ塗工層を、片面当り乾燥質量で0.1〜0.7g/mの塗布量となるよう設けたオフセット印刷用新聞用紙。
(2)前記合成樹脂ラテックスは、アクリロニトリルを20質量%以上含み、ゲル含有量が90質量%以上である(1)記載のオフセット印刷用新聞用紙。
(3)全パルプ中に古紙パルプとメカニカルパルプを合計で90質量%以上含有し、塗工層をフィルム転写方式のロールコーターにより設けた(1)または(2)に記載のオフセット印刷用新聞用紙。
(4)原料に雑誌古紙を10質量%以上を含む古紙パルプを原料パルプ中に70質量%以上含有し、坪量が40〜45g/mである(1)〜(3)のいずれか1項記載のオフセット印刷用新聞用紙。
(5)前記塗工層にバインダー100質量%当たり5〜30質量%の平板状顔料を含む(1)〜(4)のいずれか1項記載のオフセット印刷用新聞用紙。
本発明により、古紙パルプ、またはメカニカルパルプを多配合した原紙を使用してもパイリングの問題を起こすことなく、高い印刷後不透明度を得ることが可能なオフセット印刷用新聞用紙を得ることが可能である。
本発明で用いるオフセット印刷新聞用紙の原紙としては、古紙パルプ、メカニカルパルプおよび/またはクラフトパルプなどの化学パルプを原料とし、各種補助薬品より構成される。古紙パルプは資源有効利用の観点から使用することが一般的に行われており、今後もその割合が高まるものと思われる。また、オフセット印刷用新聞用紙に求められる重要な品質の中でも特に印刷後不透明度は重要であるが、その目的からメカニカルパルプ(GP、CGP、RGP、PGW、TMP等)は新聞用紙の主原料として用いられてきた。その意味からも、パルプ組成として古紙パルプとメカニカルパルプの合計含有量は90質量%以上を含むことが好ましい。この量を下回ると、資源有効利用と印刷後不透明度のバランスがとりづらくなる。
さらに、原料古紙としては、不透明度が良好で資源として入手しやすい雑誌古紙を10質量%以上含んだ古紙パルプを70質量%以上含有することが好ましい。原料古紙として雑誌古紙が10質量%より少ないと不透明度がでにくくなり好ましくない。また全パルプ中への古紙パルプの含有量が70質量%より少ないと資源有効利用の観点から好ましくない。その他原料パルプとして化学パルプ(NBKP、LBKP等)を単独または任意の比率で混合して使用される。また、ホワイトカーボン、クレー、無定形シリカ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの製紙用填料が抄紙時に添加される。
本発明で使用する合成樹脂ラテックスは平均粒子径が115nm以下であり、アクリロニトリルを10質量%以上含有し、ゲル含有量が80質量%以上のものを使用する。
ラテックスとしてはスチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の合成樹脂ラテックス類いずれも好適に用いることができる。そもそも合成樹脂ラテックスは、一般塗被紙の製造分野で塗被組成物の接着剤として広く使用されているが、低塗工量のオフセット印刷用紙の分野では、ネッパリ性に問題があるとされ、積極的に使用されなかった。しかし、高いゲル含有量と小さな粒子径を有する合成樹脂ラテックスではこの問題が生じないことを見出した。
合成樹脂ラテックスのゲル含有量とは、一般にトルエン不溶分として、ラテックスの架橋度合いの指標として知られているものであり、本発明でのゲル含有量は下記の方法により測定、算出したものである。即ち、合成樹脂ラテックスを室温で乾燥してラテックスフィルムを作成し、この乾燥ラテックスフィルムの約1.0gを正確に秤量し(Bg)、400ccのトルエンに入れ48時間放置した後、300メッシュの金網で濾過後、金網上の未溶解物を室温で乾燥、秤量し(Ag)、ゲル含有量〔(A/B)×100:単位…質量%〕を算出した。
このゲル含有量は、合成樹脂ラテックスのモノマー組成、重合時の連鎖移動剤の種類、量等を調節することによって、適宜調節される。例えば、モノマーとしては、スチレン、ブタジエン、メチルメタアクリレート、アクリロニトリル等が例示される。
ところで、一般塗被紙の製造分野で広く使用されている汎用ラテックスのゲル含有量は、通常30〜80質量%程度のものであり、本発明で特定する80質量%以上のゲル含有量は、高い領域にあるものである。高いゲル含有量を有する合成樹脂ラテックスを使用することで、パイリングが軽減される理由としては、ラテックスの架橋度が進んでいることによって、ラテックスが一旦乾燥されてフィルムとなった後、該乾燥フィルムが湿し水によって再湿潤されても、溶出しないことによると推定される。
さらに、ゲル含有量が高い領域においては当初の架橋が高すぎるためフィルムの形成が悪くなり、バインダー能力が低下することがあるが、平均粒子径を115nm以下に規定することにより、さらには親水性の比較的高いアクリロニトリルの含有量を10質量%以上に規定することにより、高いゲル含有量の効果を十分に発揮できることを見出し、オフセット印刷用紙のパイリング改善に適用したことが本発明の大きな特徴のひとつである。平均粒子径が115nm以下では粒子が均一に塗被層に分散するためフィルム化しやすくなり、アクリロニトリル含有量が10質量%以上ではラテックスの親水性が比較的高くなり、親水性である繊維表面との結合力が向上するため、パイリング抑制に効果をもたらすと考えられる。結局いずれかが上記範囲を満足できない場合は、パイリング抑制効果が低下する。
本発明では前記合成樹脂ラテックスを塗工層中に5〜20質量%の範囲で含有させる。5質量%未満ではパイリングについて十分な効果が得られないため好ましくなく、また20質量%を越えて含有させると印刷時のネッパリ性が悪化するため好ましくない。
本発明では、塗工層中に澱粉を70〜95質量%含有させる。澱粉が70質量%未満ではネッパリ性が悪化し、95質量%を越えて含有させるとパイリングが悪化する。澱粉種類としては一般的に用いられる生澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、りん酸エステル化澱粉等のエステル化澱粉、疎水基を共重合した澱粉、あるいは酵素変性澱粉などを用いることが出来る。澱粉以外の成分としてはカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースなどの水溶性セルロース類、アルギン酸、グアーガム、キサンタンガム、プルラン等の天然水溶性高分子誘導体類、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の合成水溶性高分子類、などを添加剤として用いることが出来る。
本発明では塗工層中に顔料を含有させることも可能であり、中でも特に上記塗工層中に平板状顔料を含有させることで、ネッパリ性をさらに向上させることができる。平板状顔料としては、一級カオリン、二級カオリン、焼成カオリン、エンジニアードカオリン、ストラクチャードカオリン、微粒カオリンなどのカオリン類、タルク類、ハンタイト、ハイドロマグネサイト、雲母類などがあるが、なかでカオリン類が好ましく、微粒カオリン、およびエンジニアードカオリンがさらに好ましい。平板状顔料含有量はバインダー100質量%に対して5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がさらに好ましい。5質量%未満ではネッパリ性向上作用がほとんどみられず、30質量%を超えると摩擦係数が低下しすぎるため印刷機上でのしわや用紙の走行安定性不良などのトラブルが生じる虞がある。
本発明の特徴は、印刷後不透明度、印刷時のクッション性、環境対応としてのDIP利用など、各種要求に対しバランスの取れたオフセット印刷用紙の版パイリングを改良することにあるが、その手段の中心は塗料の接着剤、特にラテックス組成にある。しかし、その他サイズ性やネッパリ性などの品質あるいは操業性など総合的にバランスの取れた新聞用印刷用紙に仕上げるため、平板状顔料以外の顔料、表面サイズ剤、消泡剤類、スライムコントロール剤類、染料類などの公知公用の薬品類を適宜配合してもなんら差し支えない。
また、澱粉、ラテックスを主な構成要素とする塗工層の塗布量は、片面で0.1g/m以上、0.7g/m以下であり、通常は表裏同等に塗工するが、各面に対する塗布量は同じである必要はなく、原紙に表裏差がある場合や、印刷条件が表裏で異なる場合などには、各面の塗布量を適宜調整することが出来る。表裏の合計量としては0.2から1.4g/mの範囲となる。以下塗工量は片面あたりの塗工量とする。塗工量に制限を設ける理由としては、一般に新聞紙が熱乾燥のないオフセット印刷機で印刷され、インキの乾燥は原紙への溶剤の吸収によっておこなわれるため、塗工層の塗布量が0.7g/mを超えるとセットオフが悪化してしまう。さらに原紙内に浸透する塗工液が多くなり、印刷後不透明度低下につながる。また。0.1g/m未満では十分な効果は得られない。
塗工層を設けるための塗工装置としては、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどの、フィルム転写方式のロールコーターが好ましい。ロールコーターであってもフィルム転写方式ではない、例えばツーロールサイズプレスのような装置を使用すると、塗料が紙層内部に浸透してしまい、パイリング防止など本発明における所望の効果が低減する恐れがある。なお、塗料を塗布後の湿潤塗被層を乾燥する方法としては、例えば、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥等の各種方式が採用できる。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙の製造に際しては、原紙の抄造条件について特に限定はなく、抄紙機としては、たとえば、長網式抄紙機、オントップ型抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機などの商業規模の抄紙機が目的に応じて適宜選択される。抄紙方式としては酸性抄紙、中性抄紙、弱アルカリ性抄紙などのいずれでもよい。
表面処理剤組成物の塗被層の形成後に、各種キャレンダー装置にて平滑化処理が施されるが、かかるキャレンダー装置としては、スーパーキャレンダー、ソフトキャレンダー、グロスキャレンダー、コンパクトキャレンダー、マットスーパーキャレンダー、マットキャレンダー等の一般に使用されているキャレンダー装置が適宜使用できる。キャレンダー仕上げ条件としては、剛性ロールの温度、キャレンダー圧力、ニップ数、ロール速度、キャレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択される。さらに、キャレンダー装置は、コーターと別であるオフタイプとコーターと一体となっているオンタイプがあるが、どちらにおいても使用できる。使用するキャレンダー装置の材質は、剛性ロールでは金属もしくはその表面に硬質クロムメッキ等で鏡面処理したロールである。弾性ロールはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリレート樹脂等の樹脂ロール、コットン、ナイロン、アスベスト、アラミド繊維等を成型したロールが適宜使用される。なお、キャレンダーによる仕上げ後の塗被紙の調湿、加湿のための水塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置等を適宜組合せて使用することも勿論可能である。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙は坪量が40〜45g/m2と軽量でありながら、印刷後不透明度に優れ、版パイリング。ブランケットパイリングなどのトラブルの発生が少ない、印刷適性及び印刷作業性に優れたオフセット印刷用新聞用紙である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、%は、全て質量%である。
まず、各種物性測定法について示す。
(印刷後不透明度)
JAPAN TAPPI No.45に準拠した。なお、実施例1の実米坪を基準とし、異なる米坪のサンプルに対しては、0.6%/米坪1g/mとして米坪補正を行なった。
(インキセット性)
上記と同様にして各実施例および比較例で得たオフセット印刷用新聞用紙を貼り付けたサンプル台紙を作成し、RI印刷試験機にて、印刷インキ(T&K TOKA株式会社製)を0.5cc使用して印刷を行った。印刷は、サンプルがインキロールにタッチしたところから一定時間ごとに2〜3cmずつ行い、印刷終了後のインキロールを別の紙面に写し取り、その濃度変化を目視評価した。評価は次の5段階評価で行った。なお、基準品としては比較例1のサンプルを用いた。
〈評価基準〉
5(優)−1(劣)
5:基準品と比較して、印刷終了後の新聞印刷用紙表面を転写した片面塗工紙のインキ濃度が明確に低い
4:基準品と比較して、印刷終了後の新聞印刷用紙表面を転写した片面塗工紙のインキ濃度がやや低い
3:基準品と同等のインキ濃度。
2:基準品と比較して、印刷終了後の新聞印刷用紙表面を転写した片面塗工紙のインキ濃度がやや高い
1:基準品と比較して、印刷終了後の新聞印刷用紙表面を転写した片面塗工紙のインキ濃度が明確に高い
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
(ネッパリ)
各実施例および比較例で得たオフセット印刷用新聞用紙について、非画線部のみのアルミ版とブランケット(DAYインターナショナル製DAYブランケット8891)をセットしたオフセット印刷機(三菱リソピアL−BT3−1100)を用いて、インキをのせずに1〜4胴すべてで水刷りを行い、200部印刷を行った後、水供給を停止し、新聞用紙のブランケットへの貼りつき度合いを目視にて判定した。評価は次の5段階評価で行った。
〈評価基準〉
5(優)−1(劣)
5:繊維の取られが全く発生しない。
4:ごくわずかに繊維の取られが発生。
3:繊維の取られは発生するが、実用上問題のないレベル。
2:一部で紙層破壊発生。
1:全面で紙層破壊発生。
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
(版パイリング)
各実施例および比較例で得たオフセット印刷用新聞用紙について、オフセット印刷機(三菱リソピアL−BT3−1100)を使用して、カラー4色刷り印刷を行い、5000部印刷を行った後、版への紙粉の堆積度合いを目視にて判定した。評価は次の5段階評価で行った。なお、基準品としては実施例9のサンプルを用いた。
〈評価基準〉
5(優)−1(劣)
5:基準品と比較して、印刷終了後の版への紙粉の堆積度合いが明確に低い
4:基準品と比較して、印刷終了後の版への紙粉の堆積度合いがやや低い
3:基準品と同等の紙粉の堆積度合い。
2:基準品と比較して、印刷終了後の版への紙粉の堆積度合いがやや高い
1:基準品と比較して、印刷終了後の版への紙粉の堆積度合いが明確に高い
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
(ブランケットパイリング)
各実施例および比較例で得たオフセット印刷用新聞用紙について、オフセット印刷機(三菱リソピアL−BT3−1100)を使用して用紙ワイヤー側のカラー4色刷り片面印刷を行い、5000部印刷を行った後、1胴目のブランケット非画線部の堆積物をPET透明テープで採取し、画像解析装置(DA−6000、王子計測機器製)にて堆積物面積率を測定した。評価は次の5段階評価で行った。
〈評価基準〉
5(優)−1(劣)
5:面積率が0.5%以下であり、紙粉の堆積度合いが明確に低い
4:面積率が0.5〜1.0%であり、紙粉の堆積度合いがやや低い
3:面積率が1.0〜3.0%であり、紙粉の堆積度合いは実用上問題ないレベル
2:面積率が3.0〜5.0%であり、紙粉の堆積度合いがやや高い
1:面積率が5.0%で以上であり、紙粉の堆積度合いが明確に高い
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
(動摩擦係数)
JIS P 8147に準拠した。
実施例1
原紙の作成
針葉樹クラフトパルプ10部、サーモメカニカルパルプ20部、新聞古紙(チラシを40%含む)を原料とする脱墨古紙パルプを70部の割合で混合して離解し、レファイナーでフリーネス120mlC.S.F.(カナダ標準フリーネス)に調成したパルプスラリーに、対絶乾パルプ当りカチオン化澱粉(商品名;P3Y、PIRAAB STARCH Co.Ltd.製)を0.5%、中性ロジンサイズ剤(N815、荒川化学工業株式会社製)を0.8%、填料として水和珪酸(トクシールGU−N、トクヤマ株式会社製)を1%、硫酸バンドで抄紙pHを6.5に調整し、得られた紙料をツインワイヤー抄紙機およびゲートロールサイズプレスを用いて風乾坪量43g/mとなるよう抄紙した。
塗工層の付与および仕上げ
塗液として、酸化澱粉(王子エースA、王子コーンスターチ株式会社製)93%、スチレン−ブタジエンラテックス(R1298、旭化成株式会社製、アクリロニトリル含有率23%、ゲル含有率92%、粒径100nm)7%からなる固形分濃度20%の分散液を調製し、これを上記の原紙両面に、ゲートロールサイズプレス機(三菱重工社製)を使用して、乾燥後の塗布量が片面0.2g/m、両面合計0.4g/mとなるように両面に塗布、乾燥後、ソフトニップカレンダー仕上げを行い、オフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例2
塗布層の付与において、乾燥後の塗布量が片面0.6g/m、両面合計1.2g/mとなるように両面に塗布した。それ以外は、原料、抄紙および仕上げまで含め、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例3
塗液として、酸化澱粉72%、スチレン−ブタジエンラテックス18%、立方体状炭酸カルシウム(ブリリアントS15、白石工業株式会社製)10%からなる固形分濃度20%の分散液を調製し、塗工したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例4
塗液のラテックスとして、スチレン−ブタジエンラテックス(PA5021、A&L社製、アクリロニトリル含有率20%、ゲル含有率84%、粒径109nm)7%を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例5
塗液のラテックスとして、スチレン−ブタジエンラテックス(PA4089、A&L社製、アクリロニトリル含有率24%、ゲル含有率88%、粒径112nm)7%を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例6
塗液のラテックスとして、スチレン−ブタジエンラテックス(T2635、JSR社製、アクリロニトリル含有率24%、ゲル含有率91%、粒径115nm)7%を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例7
原紙の作成
脱墨古紙パルプの原料として、新聞古紙(チラシを40%含む)85%と雑誌古紙15%を混合し使用したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例8
原紙の作成において、針葉樹クラフトパルプ40部、サーモメカニカルパルプ10部、新聞古紙(チラシを40%含む)を原料とする脱墨古紙パルプを50部の割合で混合して離解し、レファイナーでフリーネス120mlC.S.F.に調成したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例9
塗工層の付与において、2ロールサイズプレス機を使用して両面に塗布、乾燥したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例10
原紙の作成において、風乾坪量38g/mとなるよう抄紙したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例11
塗液として酸化澱粉70%、スチレンブタジエンラテックス10%、カオリン(コンツァーエクストリーム、イメリス株式会社製)20%からなる固形分濃度22%の分散液を用い、乾燥後の塗布量を片面0.3g/m、両面合計0.6g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
比較例1
塗液として、酸化澱粉100%でスチレン−ブタジエンラテックスを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
比較例2
塗布層の付与において、乾燥後の塗布量が片面1.0g/m、両面合計2.0g/mとなるように両面に塗布した。それ以外は、原料、抄紙および仕上げまで含め、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
比較例3
塗液のラテックスとして、スチレン−ブタジエンラテックス(nipol111A2、日本ゼオン社製、アクリロニトリル含有率20%、ゲル含有率73%、粒径300nm)7%を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
比較例4
塗液のラテックスとして、スチレン−ブタジエンラテックス(PA4087、A&L社製、アクリロニトリル含有率15%、ゲル含有率62%、粒径100nm)7%を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
比較例5
塗液として、酸化澱粉75%、スチレン−ブタジエンラテックス25%からなる固形分濃度20%の分散液を調製し、塗工したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
比較例6
塗液のラテックスとして、スチレン−ブタジエンラテックス(日本ゼオン社製、アクリロニトリル含有率5%、ゲル含有率85%、粒径120nm)7%を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてオフセット印刷用新聞用紙を作成し、上記物性の測定及び評価を行い、その結果を表1に示す。
Figure 2007254903



Claims (3)

  1. 古紙パルプまたはメカニカルパルプを原料パルプに含有し、表面に、平均粒子径が115nm以下であり、アクリロニトリルを10質量%以上含み、ゲル含有量が80質量%以上の合成樹脂ラテックスを5〜20質量%、澱粉を70〜95質量%含んだ塗工層を、片面当り乾燥質量で0.1〜0.7g/m2の範囲となるよう設けたことを特徴とするオフセット印刷用新聞用紙。
  2. 前記合成樹脂ラテックスがアクリロニトリルを20質量%以上含み、ゲル含有量が90質量%以上であることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷新聞用紙。
  3. 前記古紙パルプが原料に雑誌古紙10質量%以上含み、全原料パルプ中に70質量%以上含有し、坪量が40〜45g/mであることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷新聞用紙。




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