JP4742988B2 - コールドオフセット印刷用新聞用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、コールドオフセット印刷時のインキ着肉性、印刷後不透明度を顕著に向上することができ、しかもネッパリ現象、ブランケットパイリング、セットオフ等のトラブルを発生することなく、良好な印刷作業性およびカラー印刷品質を有するコールドオフセット印刷用新聞用紙に関する。
新聞用紙の印刷を含め、近年の商業印刷方式はオフセット印刷が主流となっている。オフセット印刷は通常PS版と呼ばれる刷版作成し、刷版に湿し水とインキを供給して印刷する方法である。刷版は平版であり、刷版上で画線部は親油性の表面となるように処理され、非画線部は親水性の表面になるように処理されている。この刷版に湿し水とインキを供給すると画線部にはインキが、非画線部には水が付着した状態となり、この刷版よりブランケットを介して紙にインキを転写させて印刷することができる。
このオフセット印刷では比較的タックの強いインキを使用するため、オフセット用の印刷用紙には強い内部結合強度と表面強度が要求される。特に、湿し水が用紙表面に付着するため、湿潤時の強い内部結合強度と表面強度維持も要求される。
表面強度の弱い用紙を使用すると、紙表面に塗工された顔料分が溶出し、ブランケット上に顔料など(パイリング物)が堆積する現象(ブランケットパイリング)が起きる場合がある。また、パイリング物が多くなると、ブランケット上にインキがうまく転写されず、印刷部にカスレが発生する現象(印面カスレ)が生じるトラブルが起こる場合がある。
さらに、湿し水による湿潤が複数回必要となるカラー印刷の導入によって、表面強度に関する要求は厳しさを増している。
また、新聞用紙の場合、即時大量印刷の必要性とコストの要請上、一般のオフセット印刷のように加熱乾燥する方式ではなく、用紙へのインクの吸収により乾燥させるコールドオフセットと呼ばれる方式を採用している。
コールドオフセット印刷では、インキ中のビヒクル(樹脂分、溶剤)が用紙に浸透しにくい場合、すなわちインキセットが良好でない場合は、印刷機上でのインキが乾燥不十分となり、印刷後の用紙のインキが他の用紙に付着する現象(セットオフ)が生じる場合がある。
このオフセットを防ぐため、新聞インキは用紙に浸透しやすい設計とされている。そのため、新聞用紙では、印刷後の不透明度が出難く、表面の印刷が裏面から透けて見える現象(裏抜け)が生じる場合がある。
特に近年、新聞用紙に軽量化(低坪量化)が求められていることから、表面の印刷が裏面から透けて見える現象(裏抜け)の問題が生じやすい状況となっている。特に、カラー印刷では用紙の同一表面上に多量のインキが付与されるので、裏抜けの問題が生じやすい。したがって、不透明度、特に印刷後にも高い不透明度が維持できる用紙の要求が強まっている。
また、環境面でDIP(脱墨古紙パルプ)の高率配合化が重要視されているが、DIPはGP(砕木パルプ)やRGP(リファイナ砕木パルプ)、TMP(サーモメカニカルパルプ)等のメカニカルパルプに比べ、不透明度が出難い。そのため、DIPを高配合しても高い不透明度が得られる用紙の要求が強まっている。
上記のように、多岐にわたるコールドオフセット印刷用新聞用紙の要求特性を満たすことを目的として、従来から様々の試みがなされている。
紙の不透明度を高める観点からは、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、酸化チタンあるいはタルク等の無機顔料を抄紙時の填料として多量に使うことが行われている。しかし、これらの無機顔料は、コールドオフセット印刷時の湿し水によって容易に紙層内から浸み出し、パイリング物の主な成分の一つとなる。そのため、抄紙時に上記無機顔料を用いるには限界があった。
さらに、無定形シリカや無定形シリケート、ゼオライト等の多孔性填料を配合する方法もあるが(特許文献1)、多孔性填料は印刷時のインキ成分を吸収する能力が他の填料よりも優れているが、炭酸カルシウムやタルクに比べて紙の不透明度を高める能力が低い。また、粒度分布がブロードであるため、粗大粒子に起因する印刷時のパイリングや粉落ちといった問題と、微細粒子に起因する繊維間結合強度(内部結合強度)の低下といった問題が生じる。
そのため、紙の不透明度を高める方法として、二酸化チタンなどの高屈折率の填料を配合する方法や、二酸化チタンと炭酸カルシウムやホワイトカーボンなどとを複合化した複合粒子の添加も提案されている(特許文献2参照)。
粗大粒子を除去する方法としては、振動スクリーン等を用いた分級処理や、反応終了後のスラリーを湿式粉砕する方法が提案されている(特許文献3参照)。また、多孔性填料の製造工程中に徹底的に粉砕処理を施すことで、粗大粒子を減らし、平均粒子径を小さくしつつ、1μm以下の微細粒子を少なくする方法が開示されている(特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献2にあるように二酸化チタンを使用する場合、二酸化チタンが他の填料に比べて高価であること、二酸化チタンの粒子径が0.2〜0.3μmと微小で歩留が低くいこと等の問題があり、汎用性の高い印刷用紙ではコスト面から二酸化チタンの使用量に限界があった。
特許文献3に記載の湿式粉砕では、粉砕処理によって微細粒子が増加するため、得られた多孔性填料を紙に配合した場合に内部結合強度を確保できていない。特許文献4に記載の方法によれば、製造工程での粉砕処理により微細粒子量が増加したため、紙に配合した際の内部結合強度が低下し、さらに多孔性填料を含む液の粘度が増加するといった問題が発生している。
無機顔料を抄紙時に高率配合化せずにインキ着肉性や印刷後不透明度を向上する手段として、抄紙後に各種顔料を新聞用紙表面に塗布する方法が提案されている。サチンホワイトや水和珪酸、中空有機顔料の塗布は、少量の塗布量で白色度、不透明度、印刷後不透明度への改善効果が認められるが、接着剤との結合強度が弱く、ブランケットパイリングが悪化するため、接着剤比率の増加が必要となり、結果的に不透明度への効果が小さくなり、コスト的にも好ましくない(特許文献5,6,7参照)。不透明度の高い顔料として知られる二酸化チタンを塗布することで不透明度を向上する技術(特許文献8参照)も紹介されている。二酸化チタンの塗布は、他の顔料を使用した場合に比較して良好な不透明度を得ることができ、ネッパリ性にも改善効果が認められるが、接着剤との相溶性が悪く、塗工時に凝集物を生じ易く安定した操業が困難である。
一般塗工紙において通常に使用されるカオリンの塗布(特許文献9参照)については、比較的安価であるという利点はあるが白色度、不透明度への改善効果が小さく、また、板状顔料であるため摩擦係数が低下しやすく、塗布量を増加させると紙流れが発生する問題点がある。コロイダルシリカの塗布(特許文献10,11,12参照)については、ネッパリ性、インキ着肉性等に効果が認められるが不透明度への改善効果は小さい。
軽質炭酸カルシウムの塗工についても、従来から検討が行われており、不透明度、印刷後不透明度への効果はサチンホワイト、水和珪酸、中空有機顔料に比べ劣るが、表面強度においては比較的優れている。しかしながら片面当り0.3g/m未満の塗布量の場合、不透明度、印刷後不透明度への効果および摩擦係数向上効果は十分でなく、塗布量が0.3g/mを超えると、良好なインキ着肉性および印刷後不透明度を得ることができるが、印刷時にブランケットパイリングが発生する問題点があった。
特開平10−226982号公報 特開2002−29739号公報 特開平5−301707号公報 特開平8−91820号公報 特開2000−34694号公報 特開2001−164494号公報 特開2000−314097号公報特 開平11−247095号公報 特開平4−57988号公報 特開2001−348796号公報 特開2001−226896号公報 特開2002−129489号公報
本発明は、コールドオフセット印刷時のインキ着肉性、印刷後不透明度を顕著に向上することができ、しかもネッパリ現象、ブランケットパイリング、セットオフ等のトラブルを発生することなく、良好な印刷作業性およびカラー印刷品質を有するコールドオフセット印刷用新聞用紙を提供することである。
上記の課題を達成するために、発明者らは原紙を軽量化しつつ内部強度、不透明度低下を防ぎ、さらに印刷適性を向上するために原紙においては内添する填料について検討を行い、本願の多孔性填料を見出し、さらに印刷適性については表面処理剤について検討を行い本願の表面処理剤を見出し、本発明の完成に至った、本発明は以下の構成を採用した。
(1)少なくとも原紙の一方の面にバインダーと顔料を含有する表面処理剤を塗布して得られるコールドオフセット印刷用新聞用紙において、前記原紙は二酸化ケイ素および/またはケイ酸塩から形成されたケイ素含有粒子と、前記ケイ素含有粒子100質量部に対して0.1〜40質量部の耐アルカリ性微粒子とを含有し、細孔体積が3.0〜5.0mL/g、比表面積70〜250m/gである多孔性填料を、パルプ100質量部に対して0.5〜10.0質量部含有し、前記表面処理剤はバインダーとして澱粉を主成分とし、顔料として軽質炭酸カルシウムを全顔料に対して50質量%以上含有し、該表面処理剤の固形分塗布量が片面当たり1.4g/m以下であるコールドオフセット印刷用新聞用紙。
(2)前記多孔性填料の平均粒径が10〜40μmである(1)記載のコールドオフセット印刷用新聞用紙。
(3)前記表面処理剤の顔料100質量部に対するバインダー比率が30質量部以上70質量部未満である(1)記載のコールドオフセット印刷用新聞用紙。
(4)前記表面処理剤がバインダーとしてラテックスを含有する(3)項記載のオフセット印刷用新聞用紙。
(5)前記バインダーの澱粉100質量部に対するラテックスの比率が70質量部である(4)記載のコールドオフセット印刷用新聞用紙。
(6)前記軽質炭酸カルシウムの形態が、立方体状である(1)記載のコールドオフセット印刷用新聞用紙。
(7)前記顔料がカオリンを含有する(1)項記載のコールドオフセット印刷用新聞用紙。
(8)前記顔料が軽質炭酸カルシウムとカオリンを50:50〜90:10の割合で含有する(7のいずれか1項に記載のコールドオフセット印刷用新聞用紙。
(9)前記表面処理剤がさらに表面サイズ剤として下記成分AまたはBの少なくとも1成分を含有する(1)記載のコールドオフセット印刷用新聞用紙。
成分A:オレフィン系不飽和モノマーを共重合体の構成要素の一つとするサイズ剤
成分B:スチレン系不飽和モノマーを共重合体の構成要素の一つとするサイズ剤
本発明に係るオフセット印刷用新聞用紙は、コールドオフセット印刷時のインキ着肉性および印刷後不透明性が顕著に改善され、ネッパリ現象、ベッセルピック、ブランケットパイリング、セットオフ等のいずれのトラブルをも発生することなく、良好な印刷作業性およびカラー印刷品質を有するという利点がある。
本発明では、二酸化ケイ素および/またはケイ酸塩から形成されたケイ素含有粒子と、該ケイ素含有粒子100質量部に対して0.1〜40質量%の対アルカリ性微小粒子とを含有し、比表面積が70〜250m/g、細孔体積3.0〜5.0mL/gである多孔性填料を用いることで、抄紙時の凝集構造の破壊が防止され、嵩高性が維持される上に、印刷時のインキ吸収量が高く維持できるため、印刷後の不透明度を向上させることができるものである。
ここで、ケイ素含有粒子を形成するケイ酸塩とは、一般式xMO・ySiO、xMO・ySiO、xM・ySiOで表される化合物であって、MがAl、Fe、Ca、Mg、Na、K、Ti、Znのいずれかのものである(x、yは任意の正の数値である)。
耐アルカリ性微小粒子としては、例えば、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらの中でも、コスト的に優位であることから、炭酸カルシウム、カオリン、タルクが好ましく、中でもコスト的、白色度向上効果に優位である炭酸カルシウムが好ましい。
耐アルカリ性微小粒子の含有量は、ケイ素含有粒子100質量部に対して0.1〜40質量部であり、好ましくは0.5〜30質量部である。耐アルカリ性微小粒子の含有量が前記範囲であることにより、紙の不透明性付与に適したものであって、適切な平均粒子径および狭い粒度分布を有する多孔性填料が得られる。耐アルカリ性微小粒子の含有量が0.1質量部未満であると、目的の狭い粒度分布が得られず、紙の表面強度および内部結合強度が不十分となる。また40質量部を超えると、目的の狭い粒度分布が得られないほか、多孔性填料の透明性が向上し、紙に内添した際に不透明度が低下する。なお、耐アルカリ性微小粒子の含有量は、多孔性填料の粉末サンプルを錠剤化した後、蛍光X線分析装置を用いて各元素の酸化物量として測定することにより求められる。
また、耐アルカリ性微粒子の粒子径は反応槽中での分散性に優れる0.2〜7.0μm、さらに好ましくは0.2〜5.0μmであることが好ましい。7.0μmを越えて大きくなると粒度分布が広がり、パイリングや粉落ちを起こす可能性があるため好ましくない。0.2μmより小さくするにはコストがかかるため好ましくない。耐アルカリ性微小粒子の平均粒子径は、サンドグラインダ等の粉砕設備を用いることにより調整できる。その際、ポリアクリル酸塩、ポリカルボン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩などの分散剤を用いることに何ら問題はない。
本発明の多孔性填料は平均粒子径が10〜40μmの範囲であることが好ましい。さらには10〜25μmであることが好ましい。10μm未満の場合は、内部結合強度が低下することがあり、平均粒子径が40μmを超える場合には、粒度分布が悪くなり、微小粒子および粗大粒子が多くなり、内部結合強度、表面強度が低下することがある。
粒度分布としては、標準偏差(σ)が0.350以下であることが好ましく、さらには0.300以下であることが好ましい。該粒度分布が良好な多孔性填料を添加することで内部強度低下および表面強度低下が小さく、さらにはカレンダで表面処理をする際に紙層が潰れにくく、粗大粒子に起因する紙表面の荒れが小さく、良好な平滑性を有する。ただし、紙中含有率0.5%未満では前述の効果は発揮せず、また10%を超える場合は紙の内部強度が低下し好ましくない。
なお、本発明における平均粒子径とは、SALD2000J((株)島津製作所製)を用いて、レーザー回折法により測定し、体積積算で50%となる値のことである。
また、本発明の多孔性填料は、細孔体積が2.0〜5.0mL/g、かつ比表面積が70〜250m/g、であり、さらには70〜150m/gであることが好ましい。
細孔体積が3.0mL/g未満の場合は、吸油性が低下し紙に配合した際に高い印刷後不透明度が得られず、5.0mL/gを超えると凝集構造体の結合力が弱くなり、パルプスラリー調製時のせん断力およびプレス圧、キャレンダー処理圧力で潰れやすく、吸油性が不十分となる。
比表面積が50m/g未満の場合は、粒度分布が悪くなり、微細粒子と粗大粒子が多くなり、内部強度および表面強度が低下する。250m/gを超えると、凝集構造体の結合力が弱くなり、パルプスラリー調製時およびプレス圧、キャレンダー処理圧力で潰れやすく、紙に内添した際の吸油量が不十分となるほか、填料の透明性が向上し、紙に抄き込んだ場合、不透明度が低下する。
ここで、比表面積は、ポアサイザ9230((株)島津製作所製)を用いて、細孔形状が幾何学的な円筒であると仮定した全細孔の表面積で、測定範囲内における圧力と圧入された水銀量の関係から求めた値である。また細孔径も、ポアサイザ9230((株)島津製作所製)を用いて、積分比表面積曲線から得られるメジアン細孔直径のことである。
本発明の多孔性填料の製造方法は、ケイ酸アルカリ水溶液中に耐アルカリ性微小粒子を添加した後、鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液を添加し、ケイ酸アルカリ水溶液を中和してケイ素含有粒子を一定の電解質の存在下で析出させる方法である。
ここで、ケイ酸アルカリ水溶液としては特に制限されないが、ケイ酸ナトリウム水溶液またはケイ酸カリウム水溶液が好ましい。ケイ酸アルカリ水溶液の濃度は、多孔性填料が効率的に製造できることから、3〜15%であることが好ましく、ケイ酸アルカリ水溶液がケイ酸ナトリウム水溶液の場合には、SiO/NaOモル比が2.0〜3.4であることが好ましい。
耐アルカリ性微小粒子のケイ酸アルカリ水溶液への添加は、ケイ酸アルカリ水溶液を攪拌しながら、その中に耐アルカリ性微小粒子を添加することが好ましいが、耐アルカリ性微小粒子の水性スラリーに、ケイ酸アルカリ水溶液を添加しても差しつかえない。
また、耐アルカリ性微小粒子は、鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加前に全部を一括してケイ酸アルカリ水溶液中に添加してもよいし、複数に分けて添加してもよい。
前記鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液において、鉱酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などが挙げられ、鉱酸の金属塩としては、前記鉱酸のナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、価格、ハンドリングの点で、硫酸、硫酸アルミニウムが好ましく、また、水溶液であることが好ましい。
鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加量は、理論必要中和量の95〜150%の範囲であり、得られるスラリーのpHを2.5超10以下の範囲に調整する量であることが好ましい。鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加量が理論必要中和量の95%未満あるいは得られるスラリーのpHが10を超える量である場合には、原料であるケイ酸アルカリ水溶液の無駄が多くなる。一方、理論必要中和量の150%超あるいは得られるスラリーのpHが2.5以下になる量である場合には多孔性填料を濃縮する際に発生するろ液pHが低くなり過ぎ、取り扱いにくくなる。
ケイ素含有粒子の析出時には、攪拌装置により、周速として5〜15m/秒で攪拌することが好ましい。ここで、周速は剪断力の指標となり、周速が速ければ剪断力が大きくなる。周速が5m/秒未満である場合は、剪断力が小さすぎて、耐アルカリ性微小粒子を包含させても、適切な平均粒子径および狭い粒度分布を得ることが困難になることがある。
一方、析出時の周速が15m/秒を超える場合には、剪断力が大きくなりすぎて、多孔性填料の粒子径が小さくなり、紙に配合した際に内部結合強度が低くなることがある上に、負荷電力の増加、設備費の高額化を招く。攪拌装置としては、アジテータ、ホモミキサ、パイプラインミキサなどの装置が好ましい。なお、ボールミルやサンドグラインダ等の粉砕機を用いることも可能ではあるが、微細粒子の増加やスラリーの増粘といった問題が生じる傾向があるため好ましくない。
鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液は1段で一括してケイ酸アルカリ水溶液中に添加してもよいが、より良好な粒径分布になることから、2段以上に分割して添加することが好ましい。
鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液を2段以上で添加する場合には、特に良好な粒度分布になることから、1段目のケイ酸アルカリ水溶液の温度を20〜70℃にし、2段目以降では70℃以上にすることが好ましい。また、1段目では、鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加量を理論必要中和量の10〜50%の範囲にすることが好ましい。
1段目および2段目以降共に、鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加は、ケイ酸アルカリ水溶液に一括してまたは連続的に添加することができる。
鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加が終了した後には、必要に応じて、添加時の温度を維持したまま攪拌する熟成工程を有してもよい。
鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液を1段で添加する場合には、ケイ酸アルカリ水溶液の温度を60℃〜当該溶液の沸点にすることが好ましく、75℃〜当該溶液の沸点にすることがより好ましい。鉱酸溶液および/または鉱酸の金属塩溶液の添加は、ケイ酸アルカリ水溶液に一括してまたは連続的に添加することができる。
本発明のオフセット印刷用新聞用紙は、前記多孔性填料を内添し、不透明度を維持したまま軽量化された原紙に、印刷適性を向上する表面処理剤を塗工したものであり、表面処理剤には、顔料と接着剤が含有されている。原紙の原料パルプとして化学パルプ(NBKP、LBLP等)、機械パルプ(GP、CGP、RGP、PGW、TMP等)、脱墨古紙パルプ(DIP等)を単独または任意の比率で混合して使用することが可能であるが、脱墨古紙パルプが全パルプ中50質量%以上含有する場合に本願で用いる多孔性填料の効果が大きいため好ましい。上記パルプ100質量%に対して前記多孔性填料を0.5〜10.0質量%含有させることが好ましい。該粒度分布が良好な多孔性填料を添加することで内部強度低下および表面強度低下が小さく、さらにはカレンダで表面処理をする際に紙層が潰れにくく、嵩高性を有するほか、粗大粒子に起因する紙表面の荒れが小さく、良好な平滑性を有する。ただし、紙中含有率0.5%未満では前述の効果は発揮せず、また10%を超える場合は紙の内部強度が低下し好ましくない。また、必要に応じて、内添サイズ剤、定着剤、紙力増強剤、歩留まり剤、耐水化剤、紫外線吸収剤等の抄紙用薬品が適宜添加され、抄紙機にて抄紙される。原紙の抄造条件についても、特に限定はない。抄紙機としては、例えば、長網式抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の商業規模の抄紙機が、目的に応じて適宜選択して使用できる。
また、本発明で用いるコールドオフセット印刷用新聞用紙の原紙には該多孔性填料の他にも、必要に応じて、一般に紙に用いられる各種の顔料、例えば、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、タルク、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、無定形シリケート、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、スチレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂並びにそれらの微小中空粒子等の有機顔料が内部結合強度、表面強度などの紙力に影響を及ぼさない程度であれば添加することが可能である。
さらに、本発明で用いるコールドオフセット印刷用新聞用紙の原紙には、本発明の効果を妨げない範囲において、青系統或いは紫系統の染料や有色顔料、蛍光染料、増粘剤、保水剤、酸化防止剤、老化防止剤、導電処理剤、消泡剤、紫外線吸収剤、分散剤、pH調整剤、離型剤、耐水化剤、撥水剤等の各種助剤を適宜配合することができる。
原紙の抄紙方法としては、酸性抄紙、中性抄紙等のいずれの方式でも良いが中性抄紙おいては、硫酸バンドの使用量が酸性紙と比べて少ないため、表面処理剤液中への酸性成分の戻りがほとんどなく、循環させる表面処理剤液のpH変動が小さくなり、塗料安定性が高くなる。また、損紙処理において、抄紙pHが高い中性抄紙の場合には炭酸カルシウムの溶解が抑えられるため、発砲、スケール生成などのトラブルが発生しにくくなる。
なお、紙面pHは紙面測定用pH計(型式MPC、共立理化学研究所製)などで測定することが出来る。すなわち、前記紙面測定用pH計に付属の、pH測定範囲が4.6〜6.8であるBCP溶液での発色、またはpH測定範囲が6.0〜8.0であるBTB溶液での発色を、標準板と対比させて紙面pHを測定する。
本発明では印刷適性を向上させるために原紙上に顔料と接着剤を含有する表面処理剤を塗布する、接着剤としては澱粉を主成分とすることが重要である。ここでいう主成分とは、全接着剤中で最も含有量が多い成分という意味である。澱粉種類としては一般的に用いられる生澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、りん酸エステル化澱粉等のエステル化澱粉、疎水基を共重合した澱粉、あるいは酵素変性澱粉などを用いることが出来る。澱粉以外の成分としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースなどの水溶性セルロース類、アルギン酸、グアーガム、キサンタンガム、プルラン等の天然水溶性高分子誘導体類、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の合成水溶性高分子類、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の合成ラテックス類などを接着剤として用いることが出来る。
本発明においては、接着剤として澱粉とともに好ましくは合成ラテックスが併用される。ラテックスのTgとしては特に制限は無いが、表面強度とネッパリのバランスを考慮して20℃以下のものが好ましく、0℃以下のものがさらに好ましい。このTg範囲にあるものは常温では粘着性を発現し顔料/填料への接着性が良好となるが、分子の極性が非常に低く、強親水性のセルロース繊維に接着性が出にくいため、セルロース繊維との接着力が高い澱粉と併用し、澱粉のみでは弱い顔料/填料への接着性をカバーする働きを持つ。本発明のような低塗工量の場合にはこのラテックスと澱粉の相互の働きの効果が大きく影響することがある。ラテックスとしてはコアシェル型も用いることが出来るが、この場合にはコアのTgが0℃以下のものが好ましく用いられる。なお、濃度勾配型と呼ばれる、粒子の内部から外部への組成が連続的に変化しているラテックスについても同様の効果があるが、この場合は平均Tgが0℃以下のものが好適である。澱粉100質量部に対するラテックスの比率は特に限定されないが、5〜70質量部が好ましく、5〜40質量部がさらに好ましい。ラテックス比率が5質量部未満では顔料や填料に対する接着性が不足し、印刷機上でパイリングなどのトラブルが起こりやすくなる。70質量部を超えると、相対的に澱粉量が少なくなり、表面強度が低下し、繊維の取られなどが発生しやすくなる。また、ドライピックが悪化することによる印面カスレの懸念がある。なお、ラテックスの配合により紙表面の水に対する接触角を向上できるが、水滴下後0.1秒後の接触角が80°以上であることが望ましい。水滴下後0.1秒後の接触角が80°以上では、インキに対しての充分な親和性が確保され、インキ着肉性が良好となる。また、コールドコールドオフセット新聞印刷において必要とされるウェット表面強度が得やすくなる。
本発明では前記表面処理剤を片面あたり1.4g/m以下になるように塗布する。さらに好ましくは0.3g/m〜1.4g/mの範囲で塗布する。0.3g/m未満では不透明度向上に効果がなく、1.4g/mを超えて塗布するとセットオフなどの印刷作業性に問題が発生する場合がある。
塗布される顔料は、全顔料中に50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上の軽質炭酸カルシウムを含有することが重要である。50質量%未満では軽質炭酸カルシウムに由来する印刷後不透明度および動摩擦係数向上効果が見られなくなり、また塗料流動性や塗料安定性に問題が発生する場合がある。なお、軽質炭酸カルシウムとしては、立方体状もしくは紡錘状、好ましくは立方体状のものが、セットオフが出難く、かつ印刷後不透明度が高いために最適である。
本発明で使用される軽質炭酸カルシウムとしては、その平均粒子径がレーザー回折式粒度分布測定装置(「SALD−2000L」:島津製作所)で測定した値で0.2〜5.0μmのものが好ましい。
平均粒径が0.2μm未満では、粒子径が可視光の波長以下となるため、光散乱が著しく低下し、不透明度が出難い傾向にある。一方、平均粒子径が5.0μmを超えると、粒子数の減少に伴う印刷インキの吸着性の低下や、ブランケットパイリングを生じやすくなる傾向がある。
軽質炭酸カルシウム以外の副顔料成分としては、カオリンクレー、重質炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、サチンホワイト等の顔料類が50質量%未満配合されるが、軽質炭酸カルシウムの割合が表面処理剤の全顔料分に対して50質量%以上になるように、副顔料成分を配合すべきである。
副顔料成分の中でもカオリンが好ましく用いられる。
カオリンの不透明度向上効果は炭酸カルシウムに比べると劣るがサチンや水和珪酸、有機顔料にくらべて接着剤の吸収が少ない上、表面平滑性への効果が大きいことから両者を併用することにより、少ない塗工量で表面性と不透明度のバランスをとることが可能となった。炭酸カルシウムとカオリンは50:50〜90:10の割合で含有することが好ましい、カオリンの割合を50より増やすと不透明度が低下するため好ましくない、また10未満では動摩擦係数低下に寄与できないため好ましくない。カオリンに限定はないが不透明度向上効果が高いもの、白色度が高いものが好ましい。
消泡剤類、スライムコントロール剤類、染料類などを適宜配合しても差し支えない。
接着剤の顔料100質量部に対する比率は30質量部以上、70質量部未満であることが望ましい。本願のように塗工量が少ない場合には原紙へ浸透するバインダーの比率が高くなり、30質量部未満では塗工顔料および紙表面繊維に対する充分な接着力が得られない。一方、70質量部以上では、塗工顔料および紙表面繊維の接着力は充分であるものの塗工顔料間の空隙がバインダーで埋められてしまい、インキ吸収性が阻害されてしまう。さらに、原紙中に浸透するバインダーが多くなり、不透明度が低下する虞がある。
本発明では表面処理剤には表面サイズ剤を含有することが好ましい。表面サイズ剤としては、オレフィン系不飽和モノマーを共重合体の構成要素の一つとするサイズ剤(以下オレフィン系表面サイズ剤)またはスチレン系不飽和モノマーを共重合体の構成要素の一つとするサイズ剤(以下スチレン系表面サイズ剤)の少なくとも一方を含有することが好ましく、オレフィン系サイズ剤のみを含有することがさらに好適である。本発明で使用するオレフィン系サイズ剤とは、具体的には、疎水性不飽和モノマーとカルボキシル基含有不飽和モノマー若しくはその塩を主構成要素とする共重合体であって、かかる疎水性不飽和モノマーの主体が
オレフィン系不飽和モノマーで構成されているものである。
かかるオレフィン系不飽和モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、イソオクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20程度の直鎖、環状または分岐状のオレフィン系不飽和モノマーが挙げられる。
上記オレフィン系サイズ剤のうちでも、疎水性不飽和モノマーに占めるオレフィン系不飽和モノマーの割合が90〜100モル%の範囲にある表面サイズ剤は、澱粉分子間の結合を阻害する程度が極めて低く、澱粉フィルムの耐水性をほとんど低下させず、ネッパリ現象を生じないため好適である。
また、本発明で使用するスチレン系サイズ剤とは、具体的には、疎水性不飽和モノマーとカルボキシル基含有不飽和モノマー若しくはその塩を主構成要素とする共重合体であって、疎水性不飽和モノマーの主体がスチレン系不飽和モノマーで構成されているものである。
係るスチレン系不飽和モノマーとしては、例えば、スチレンや、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのアルキル基置換スチレン、モノクロロスチレン、モノブロモスチレンなどのハロゲン置換スチレン、さらにはシアノスチレン等が挙げられる。
上記スチレン系サイズ剤のうちでも、疎水性不飽和モノマーに占めるスチレン系不飽和モノマーの割合は特に限定されないが、50〜100モル%、好ましくは80〜100モル%の範囲にある表面サイズ剤は、表面接触角を向上する効果が高く、オフセット印刷におけるインキ着肉性が良好であるため好ましい。
上記オレフィン系不飽和モノマーまたはスチレン系不飽和モノマーと共重合されるカルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル、イタコン酸、イタコン酸ハーフエステル、シトラコン酸、フマル酸等が挙げられる。
本発明で使用するサイズ剤において、疎水性不飽和モノマーとカルボキシル基含有不飽和モノマーとのモル比については特に限定されないが、疎水性不飽和モノマー1モルに対して0.5〜3モル、好ましくは0.5〜2モルの範囲でカルボキシル基含有不飽和モノマーを共重合するのが望ましい。ちなみに、カルボキシル基含有不飽和モノマーの割合が0.5モル未満では、疎水性不飽和モノマーの割合が高くなりすぎてネッパリ現象を招き、逆に、カルボキシル基含有不飽和モノマーの割合が3モルを超えると充分なサイズ効果が得られず、水切れ断紙等の発生により、印刷作業性が悪化する。
なお、本発明の表面サイズ剤では、上記疎水性不飽和モノマーとカルボキシル基含有不飽和モノマーの他に、ジメチルアミノメタクリレート等の第三モノマー成分を少量含んでいても良い。
かかる共重合体は、上記モノマー成分と重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤等を混合し、常法に従って溶液重合または乳化重合される。溶液重合の溶媒としては、エチルアルコールやプロピルアルコール等のアルコール類、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン等の低級ケトン類、酢酸エチル等が単独または混合して使用される。また、水溶性溶剤であれば、水と混合して使用することも出来る。
重合反応終了後、常法に従って有機溶媒を除去し、アンモニア水溶液や水酸化ナトリウム水溶液等を添加して水溶性共重合のサイズ剤が製造される。
上記オレフィン系表面サイズ剤の重量平均分子量は、1000〜10000の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは、5000〜7000の範囲ものが用いられる。オレフィン系表面サイズ剤の重量平均分子量が前記範囲より大きいと、表面サイズ剤が澱粉の分子間結合を大きく阻害し、ネッパリ現象が悪化してしまう。一方、重量平均分子量が前記範囲より小さいと、サイズ剤として機能せず、充分なサイズ性が得られないため、印刷時の湿し水によりブランケットパイリング、印面カスレ、さらには水切れ断紙などのトラブルを発生しやすくなる傾向にある。なお、表面サイズ剤の重量平均分子量は、THFを溶離液として、ゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算して求めた値である。スチレン系表面サイズ剤の重量平均分子量については特に限定されるものではないが、10000〜50000の範囲が好ましく、より好ましくは20000〜30000の範囲のものが用いられる。
本発明で使用する表面サイズ剤を、より具体的な共重合体として例示するならば、オレフィン系表面サイズ剤としては、エチレン/アクリル酸共重合体、イソブチレン/アクリル酸共重合体、n−ブチレン/(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、プロピレン/マレイン酸共重合体、エチレン/マレイン酸共重合体などが挙げられ、また、スチレン系表面サイズ剤としては、スチレン/アクリル酸共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体などが挙げられる。
本発明で使用する表面サイズ剤としては、スチレン系表面サイズ剤に比べてオレフィン系表面サイズ剤は、ネッパリとサイズ性のバランスが良好なため好ましく用いられるが、オレフィン系表面サイズ剤のうちでも、特に、疎水性不飽和モノマーに占めるオレフィン系不飽和モノマーの割合が90〜100モル%の範囲にあって、重量平均分子量が5000〜7000の範囲にあるサイズ剤は、最もネッパリ抑制効果が高く、かつ高いサイズ効果も得られるため、最適である。
本発明において、前記表面サイズ剤の塗布量については、両面合計での乾燥塗布量が0.01〜0.3g/mの範囲となるように、原紙の両面に塗布、乾燥するのが好ましく、0.03〜0.1g/mの範囲とするのがさらに好ましい。塗布量が0.01g/m未満では、サイズ剤としての効果がほとんどみられなくなり、充分な耐水性が得られず、塗布された顔料のブランケットパイリングが発生する虞がある。他方、0.3g/mを越えると、乾燥時にバインダーの強度が極端に弱くなり、塗布された顔料やレイセルなどがブランケットに取られやすくなる。
表面処理剤には、顔料と接着剤に加えて、耐水化剤類、消泡剤類、スライムコントロール剤類、染料類等を適宜配合しても差し支えない。
前記表面処理剤を原紙へ塗工するための塗工装置としては、特に限定されるものではないが、例えばインクラインまたはバーティカルツーロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどのロールコーター、トレーリング、フレキシブル、ロールアプリケーション、ファウンテンアプリケーション、ショートドゥエル等のベベルタイプやベントタイプのブレードコーターロッドブレードコーター、バーコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、グラビアコーターなどの公知公用の装置が適宜使用される。なお、表面処理剤を塗布後の湿潤塗被層を乾燥する方法としては、例えば、蒸気乾燥、ガスヒーター乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥等の各種方式が採用できる。
本発明のコールドオフセット印刷用新聞用紙の製造に際しては、塗料組成物の塗工層の形成後に、各種スーパーキャレンダー装置にて平滑化処理が施されるが、かかるキャレンダー装置としては、スーパーキャレンダー、ソフトキャレンダー、グロスキャレンダー、コンパクトキャレンダー、マットキャレンダー、マットスーパーキャレンダー等の一般に使用されているキャレンダー装置が適宜使用できる。キャレンダー仕上げ条件としては、剛性ロールの温度、キャレンダー圧、二ップ数、ロール速度、キャレンダー前の紙水分等が、要求される品質に応じて適宜選択される。さらに、キャレンダー装置は、コーターと別であるオフタイプとコーターと一体となっているオンタイプがあるが、どちらにおいても使用できる。使用するキャレンダー装置の材質は、剛性ロールでは金属もしくはその表面に硬質クロムメッキ等で鏡面処理したロールである。弾性ロールはウレタン樹脂等の樹脂ロール、コットン、ナイロン、アスベスト、アラミド繊維等を成型したロールが適宜使用される。なお、キャレンダーによる仕上げ後の塗工紙の調湿、加湿のための水塗り装置、静電加湿装置、蒸気加湿装置等を適宜組み合わせて使用することも勿論可能である。
本発明のコールドオフセット印刷用新聞用紙は内填した多孔性填料の効果により、坪量を45g/m以下としても印刷後不透明度を91%以上の高いものにすることが可能となる。また内部結合強度(J.TAPPI No18−2)が190J/m以上、好ましくは200J/m以上であるため、カスレや紙切れなどを生じる恐れがない。
本発明のオフセット印刷用紙はJISP−8147による動摩擦係数は0.45〜0.70の範囲にあることが好ましく、さらに好ましい範囲は0.50〜0.65である。動摩擦係数が0.45未満では、新聞コールドオフセット輪転印刷機においてテンションが掛かりにくくなり、紙流れ等のトラブルが発生する虞がある。一方、0.70を超えるとテンションは充分に掛かるが、しわなどのトラブルが発生する場合がある。なお、紙流れとは、新聞コールドオフセット輪転印刷機において、印刷部から折り部にいたる間に走行紙が蛇行したり偏ったりするトラブルを言う。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論これに限定されるものではない。また、例中の「部」および「%」は特に断らない限り「固形分質量部」「固形分質量%」のことである。
後述のようにして得た実施例1〜7および比較例1〜4となるコールドオフセット印刷用新聞用紙について、下記の物性を測定し、その結果を表1に示した。
(平均粒径と粒度分布)
平均粒子径はSALD2000J((株)島津製作所製)を用いて、レーザー回折法により測定し、体積積算で50%となる値のことである。
多孔性填料の粒度分布としては、標準偏差(σ)の値で示した。
(細孔体積および比表面積)
ポアサイザ9230((株)島津製作所製)を用いて測定した。
(多孔性填料中の耐アルカリ性微小粒子の含有率)
蛍光X線分析装置(スペクトリス社製PW2404)を用いて測定した値である。
(白色度)
本発明におけるコールドオフセット印刷新聞用紙の白色度は、分光白色度測色計(スガ試験機社製)を使用してISO 3688に記載の方法で測定した。
(動摩擦係数)
JIS P 8147に準拠した。
表裏−縦縦での測定で、引張速度は200mm/minで測定。
(印刷後不透明度)
JAPAN TAPPI No.45に準拠した。
(ブランケットパイリング)
各実施例および比較例で得たオフセット印刷用新聞用紙について、オフセット印刷機(三菱リソピアL−BT3−1100)を使用して用紙ワイヤー側のカラー4色刷り片面印刷を行い、5000部印刷を行った後、1胴目のブランケット非画線部の堆積物をPET透明テープで採取し、画像解析装置(DA−6000、王子計測機器製)にて堆積物面積率を測定した。評価は次の5段階評価で行った。
〈評価基準〉
5:面積率が0.5%以下であり、紙粉の堆積度合いが明確に低い
4:面積率が0.5〜1.0%であり、紙粉の堆積度合いがやや低い
3:面積率が1.0〜3.0%であり、紙粉の堆積度合いは実用上問題ないレベル
2:面積率が3.0〜5.0%であり、紙粉の堆積度合いがやや高い
1:面積率が5.0%以上であり、紙粉の堆積度合いが明確に高い
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
(インキセット)
各実施例及び比較例で得た、コールドオフセット用新聞印刷用紙を短冊状に切り、サンプル台紙(OK特アートポスト 256g/m)に横並びに貼り付けたものを作成する。インキ練り用のゴムロールを4胴目にセットしたRI印刷試験機(石川島産業機械製)にて該当する金属ロールとの間でオフセット輪転機用新聞印刷インキ(NEWS WEBMASTER/プロセス墨G2:サカタインクス株式会社製)を0.5cc練った後、インキ練り用のゴムロールを2胴目に移動し、新たに4胴目に比較的平滑性の高いインキ転写用片面塗工紙を巻いたゴムロールを装着し、2胴目で印刷を行う。4胴目のロールにタッチした時点で一旦回転を止め、そこから一定時間毎に2cmずつ4胴目のロールにインキを転写し、その転写濃度変化を目視評価した。評価は5段階で行った。なお、下記において基準品とは比較例1で得られたコールドオフセット用印刷用紙である。
〈評価基準〉
5:基準品と比較して、印刷終了後のコールドオフセット用新聞印刷用紙の表面を転写した片面塗工紙のインキ濃度が明確に低い
4:基準品と比較して、印刷終了後のコールドオフセット用新聞印刷用紙の表面を転写した片面塗工紙のインキ濃度がやや低い
3:基準品と同等のインキ濃度。
2:基準品と比較して、印刷終了後のコールドオフセット用新聞印刷用紙の表面を転写した片面塗工紙のインキ濃度がやや高い
1:基準品と比較して、印刷終了後のコールドオフセット用新聞印刷用紙の表面を転写した片面塗工紙のインキ濃度が明確に高い
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
(ネッパリ)
各実施例および比較例で得たオフセット印刷用新聞用紙について、非画線部のみのアルミ版とブランケット(DAYインターナショナル製DAYブランケット8891)をセットしたオフセット印刷機(三菱リソピアL−BT3−1100)を用いて、インキをのせずに1〜4胴すべてで水刷りを行い、200部印刷を行った後、水供給を停止し、新聞用紙のブランケットへの貼りつき度合いを目視にて判定した。評価は次の5段階評価で行った。
〈評価基準〉
5:繊維の取られが全く発生しない。
4:ごくわずかに繊維の取られが発生。
3:繊維の取られは発生するが、実用上問題のないレベル。
2:一部で紙層破壊発生。
1:全面で紙層破壊発生。
なお、評価が3未満のものは、実用上問題がある。
(多孔性填料Aの製造)
水道水746gに5%硫酸ナトリウム水溶液を238gを加えた後、市販の3号ケイ酸ナトリウム水溶液330g(固形分濃度38%)をスリーワンモータで攪拌しながら添加した。さらに、耐アルカリ性微小粒子として、サンドグラインダにて平均粒子径が0.6μmになるように調整した炭酸カルシウムの分散液(TP−121「紡錘状」、奥多摩工業製、固形分濃度9.5%)100g(ケイ素含有粒子100部に対し10部)をスリーワンモータ(ピッチドタービン翼使用)で攪拌しながら温度50℃において添加した。その後、攪拌翼の周速を10m/秒に調整し、硫酸(濃度20%)86gを15分間で添加して1段目の中和を行った後、上記周速の状態で90℃まで昇温した。次いで、このままの温度で硫酸188gを40分かけて添加し、2段目の中和を行って多孔性填料を得た。反応液のpHは5.0であった。
得られた多孔性填料を前記レーザー回折式粒度分布計で測定したところ、50%質量積算値の粒子径は、19.4μm、標準偏差は0.222であった。
填料スラリーはろ過・洗浄後のケーキの一部を105℃にて乾燥し、比表面積および細孔径を測定、および、蛍光X線分析装置による耐アルカリ微細粒子含有量の測定に供した。得られた多孔性填料中の細孔体積は4.9cc/g、比表面積は240m/gであった。また耐アルカリ性微小粒子の含有量はケイ素含有粒子100部に対し3.4部であった。
(多孔性填料Bの製造)
水道水263gに5%硫酸ナトリウム水溶液を754gを加えた後、市販の3号ケイ酸ナトリウム水溶液330g(固形分濃度38%)をスリーワンモータで攪拌しながら添加した。さらに、耐アルカリ性微小粒子として、サンドグラインダにて平均粒子径が0.6μmになるように調整した炭酸カルシウムの分散液(TP−121「紡錘状」、奥多摩工業製、固形分濃度9.5%)100g(ケイ素含有粒子100部に対し10部)をスリーワンモータ(ピッチドタービン翼使用)で攪拌しながら温度50℃において添加した。その後、攪拌翼の周速を10m/秒に調整し、硫酸(濃度20%)74gを15分間で添加して1段目の中和を行った後、上記周速の状態で90℃まで昇温した。次いで、このままの温度で硫酸200gを40分かけて添加し、2段目の中和を行って多孔性填料を得た。反応液のpHは5.0であった。
得られた多孔性填料を前記レーザー回折式粒度分布計で測定したところ、50%質量積算値の粒子径は、21.1μm、標準偏差は0.288であった。
填料スラリーはろ過・洗浄後のケーキの一部を105℃にて乾燥し、比表面積および細孔径を測定、および、蛍光X線分析装置による耐アルカリ微細粒子含有量の測定に供した。得られた多孔性填料中の細孔体積は3.8cc/g、比表面積は96(m/gであった。また耐アルカリ性微小粒子の含有量はケイ素含有粒子100部に対し3.2部であった。
(多孔性填料Cの製造)
水道水831gに5%硫酸ナトリウム水溶液を161gを加えた後、市販の3号ケイ酸ナトリウム水溶液330g(固形分濃度38%)をスリーワンモータで攪拌しながら添加した。さらに、耐アルカリ性微小粒子として、サンドグラインダにて平均粒子径が0.6μmになるように調整した炭酸カルシウムの分散液(TP−121「紡錘状」、奥多摩工業製、固形分濃度9.5%)100g(ケイ素含有粒子100部に対し10部)をスリーワンモータ(ピッチドタービン翼使用)で攪拌しながら温度90℃において添加した。その後、攪拌翼の周速を10m/秒に調整し、硫酸(濃度20%)74gを15分間で添加して1段目の中和を行った後、上記周速の状態で、このままの温度で硫酸200gを40分かけて添加し、2段目の中和を行って多孔性填料を得た。反応液のpHは5.0であった。
得られた多孔性填料を前記レーザー回折式粒度分布計で測定したところ、50%質量積算値の粒子径は、23.0μm、標準偏差は0.388であった。
填料スラリーはろ過・洗浄後のケーキの一部を105℃にて乾燥し、比表面積および細孔径を測定、および、蛍光X線分析装置による耐アルカリ微細粒子含有量の測定に供した。得られた多孔性填料中の細孔体積は2.8cc/g、比表面積は62m/gであった。また耐アルカリ性微小粒子の含有量はケイ素含有粒子100部に対し3.2部であった。
(実施例1)
針葉樹クラフトパルプ10部、サーモメカニカルパルプ40部、脱墨古紙パルプ50部の割合で混合して離解し、レファイナーでフリーネス120mlC.S.F.(カナダ標準フリーネス)に調製したパルプスラリーに、対絶乾パルプ当りカチオン化澱粉(P3Y、PIRAAB STARCH Co., Ltd.製)を0.5%、前記多孔性填料Aを紙中多孔性填料含有量が3%となるように添加し、硫酸バンドで抄紙pHを4.5に調整後、得られた紙料をオントップツインワイヤー抄紙機で抄紙し、米坪42.0g/mのコールドオフセット印刷用新聞用紙原紙を得た。
これを上記新聞用紙原紙の両面に、顔料として軽質炭酸カルシウム(ブリリアントS15、白石工業株式会社製)を固形分として100部、接着剤として糊化溶解した酸化トウモロコシ澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ株式会社製)を固形分として50部、表面サイズ剤としてオレフィン系表面サイズ剤(商品名:OT25、荒川化学工業株式会社製)を固形分として5部を加え、固形分濃度20%の塗料を調製し、ゲートロールコータを使用して乾燥後の塗工量が片面あたり0.78g/mとなるように塗布、乾燥して実量43.6g/mのコールドオフセット印刷用新聞用紙を得た。
(実施例2)
実施例1で、顔料として軽質炭酸カルシウム(ブリリアントS15、白石工業株式会社製)を固形分として80部、カオリン(商品名:ミラグロスJ、シール株式会社性)20部、接着剤として糊化溶解した酸化トウモロコシ澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ株式会社製)を固形分として40部、スチレンブタジエンラテックス(商品名:T2635R、JSR株式会社製)を固形分として10部、表面サイズ剤を使用せず、片面当たりの塗工量を0.75g/mとした以外は、実施例1と同様にして実量43.5g/mのコールドオフセット印刷用新聞用紙を得た。
(実施例3)
実施例2で、軽質炭酸カルシウムとカオリンの配合比率を60:40にした以外は実施例2と同様にしてコールドオフセット印刷用新聞用紙を得た。
(実施例4)
実施例2で、顔料に下記のようにして作製した軽質炭酸カルシウム(A)を固形分として80部、カオリン(商品名:ミラグロスJ、シール株式会社性)20部を使用した以外は実施例2と同様にしてコールドオフセット印刷用新聞用紙を得た。
(軽質炭酸カルシウム(A)の作製)
水酸化カルシウムと炭酸ガスとの炭酸化反応を利用して軽質炭酸カルシウムを合成し、固形分濃度25%、平均粒子径4.7μmの軽質炭酸カルシウム凝集体スラリーを得た。この軽質炭酸カルシウム凝集体の一次粒子は、長軸約1.5μmのカルサイト系紡錘状軽質炭酸カルシウムであり、二次粒子を形成して平均粒子径が4.7μmとなっていた。この炭酸カルシウムスラリーに分散剤(商品名;アロンT50、東亞合成株式会社製)を0.8部添加後、横型サンドグラインダー(商品名;UVM−60、アイメックス株式会社製)を用いて、処理流量9L/minで粉砕処理して軽質炭酸カルシウムスラリーを得た。この粉砕品を10分間の超音波処理後に測定した平均粒子径は0.68μmであった。
(実施例5)
実施例1で、填料として前記多孔性填料Aに替えて、前記多孔性填料Bを使用した以外は、実施例1と同様にしてコールドオフセット印刷用新聞用紙を得た。
(実施例6)
実施例1で、前記多孔性填料Bを紙中多孔性填料含有量が1%となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてコールドオフセット印刷用紙を得た。
(実施例7)
実施例2で、前記多孔性填料Bを紙中多孔性填料含有量が8%となるように添加し、接着剤として糊化溶解した酸化トウモロコシ澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ株式会社製)を固形分として60部、スチレンブタジエンラテックス(商品名:T2635R、JSR株式会社製)を固形分として10部とし、片面当たりの塗工量を0.85g/mとした以外は実施例2と同様にして実量43.7g/mのコールドオフセット印刷用新聞用紙を得た。
(比較例1)
針葉樹クラフトパルプ10部、サーモメカニカルパルプ40部、脱墨古紙パルプ50部の割合で混合して離解し、レファイナーでフリーネス120mlC.S.F.(カナダ標準フリーネス)に調製したパルプスラリーに、対絶乾パルプ当りカチオン化澱粉(P3Y、PIRAAB STARCH Co., Ltd.製)を0.5%、前記多孔性填料Aを紙中多孔性填料含有量が3%となるように添加し、硫酸バンドで抄紙pHを4.5に調整後、得られた紙料をオントップツインワイヤー抄紙機で抄紙し、米坪42.0g/mのコールドオフセット印刷用新聞用紙原紙を得た。
上記コールドオフセット印刷用新聞用紙原紙の両面に、顔料として軽質炭酸カルシウム(ブリリアントS15、白石工業株式会社製)を固形分として40部、カオリン(商品名:未ラグロスJ、シール株式会社性)60部、接着剤として糊化溶解した酸化トウモロコシ澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ株式会社製)を固形分として40部、スチレンブタジエンラテックス(商品名:T2635R、JSR株式会社製)を固形分として10部とし、表面サイズ剤を使用せず、固形分濃度20%の塗料を調製し、ゲートロールコータを使用して乾燥後の塗工量が片面あたり0.75g/mとなるように塗布、乾燥して実量43.5g/mのコールドオフセット印刷用新聞用紙を得た。
(比較例2)
比較例1で、原紙坪量を43.0g/mとし、顔料は使用せず、糊化溶解した酸化トウモロコシ澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ株式会社製)の固形分として100部、表面サイズ剤としてオレフィン系表面サイズ剤(商品名:OT25、荒川化学工業株式会社製)を固形分として5部を加え、固形分濃度10%の塗料を調製し、ゲートロールコータを使用して乾燥後の塗工量が片面あたり0.3g/mとなるように塗布した以外は比較例1と同様にして実量43.6g/mのコールドオフセット印刷用新聞用紙を得た。
(比較例3)
比較例1で、填料として前記多孔性填料Aに替え、前記多孔性填料Cを使用し、顔料として軽質炭酸カルシウム(ブリリアントS15、白石工業株式会社製)を固形分として100部、接着剤として糊化溶解した酸化トウモロコシ澱粉(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ株式会社製)を固形分として50部、表面サイズ剤としてオレフィン系表面サイズ剤(商品名:OT25、荒川化学工業株式会社製)を固形分として5部を加え、片面当たりの塗工量を0.78g/mとした以外は、比較例1と同様にして実量43.6g/mのコールドオフセット印刷用新聞用紙を得た。
(比較例4)
比較例1で、原紙坪量を37.0g/mとし、ゲートロールコータを使用して乾燥後の塗工量が片面あたり3.30g/mとなるように塗布した以外は実施例2と同様にして実量43.6g/mのコールドオフセット印刷用新聞用紙を得た。
Figure 0004742988

Claims (6)

  1. 少なくとも原紙の一方の面にバインダーと顔料を含有する表面処理剤を塗布して得られるコールドオフセット印刷用新聞用紙において、前記原紙は二酸化ケイ素および/またはケイ酸塩から形成されたケイ素含有粒子と、前記ケイ素含有粒子100質量%に対して0.5〜30質量%の炭酸カルシウムとを含有し、細孔体積が3.0〜5.0mL/g、比表面積70〜250m/gである多孔性填料を、パルプ100質量%に対して0.5〜10.0質量%含有し、前記表面処理剤はバインダーとして澱粉を主成分とし、顔料として軽質炭酸カルシウムを全顔料に対して50質量%以上含有し、該表面処理剤の固形分塗布量が片面当たり1.4g/m以下であることを特徴とするコールドオフセット印刷用新聞用紙。
  2. 前記多孔性填料の平均粒径が10〜40μmであることを特徴とする請求項1に記載のコールドオフセット印刷用新聞用紙。
  3. 前記表面処理剤の顔料100質量部に対するバインダー比率が30質量部以上70質量部未満であることを特徴とする請求項1記載のコールドオフセット印刷用新聞用紙。
  4. 前記軽質炭酸カルシウムの形態が、立方体状であることを特徴とする請求項1記載のコールドオフセット印刷用新聞用紙。
  5. 前記顔料がカオリンを含有することを特徴とする請求項1記載のコールドオフセット印刷用新聞用紙。
  6. 前記顔料が炭酸カルシウムとカオリンを50:50〜90:10の割合で含有することを特徴とする請求項5記載のコールドオフセット用新聞印刷用紙。
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