JP2007248726A - 親水性領域と撥水性領域を有する処理基材およびその製造方法 - Google Patents

親水性領域と撥水性領域を有する処理基材およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コントラストの高い親水性領域と撥水性領域を表面に有する処理基材の提供。また、特別な装置や高エネルギー光、長時間の光の照射を必須とせず、低光量により短時間で処理基材を製造する方法の提供。
【解決手段】基材の表面に親水性領域と撥水性領域とを有する処理基材であって、撥水性領域はエポキシ基官能基の1個以上と撥水性部分を有する化合物(a)、および光カチオン重合開始剤を含む組成物(A)を硬化させた膜厚が0.1〜100nmである撥水性の膜からなる処理基材。基材の表面を親水化処理して表面を親水性にし、該表面に組成物(A)を含む膜を形成し、該膜の表面の一部に光を照射して組成物(A)を硬化させて膜厚が0.1〜100nmである撥水性の膜を形成し、基材の表面に存在する未硬化の組成物(A)を除去して親水性の表面を露出させることによって、処理基材を製造する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面に親水性領域と撥水性領域を有する処理基材およびその製造方法、該処理基材を用いて機能性材料のパターンが形成された部材を製造する方法に関する。
半導体素子、ディスプレイ、発光素子などの分野において、多くの機能性薄膜が実用化されている。機能性薄膜は、所望の特性を有する材料を所望位置に配置させてパターン化したものである。該薄膜は、配線、電極、絶縁層、発光層、および光学薄膜等として利用される。
たとえば、フォトリソグラフィにより得たフォトレジストパターンはその一例である。しかしフォトリソグラフィの工程は複雑で、エネルギー、材料等の利用効率が低い。また、クリーンルーム内で実施するために設備コストが高価となる問題がある。
フォトリソグラフィの問題を解決する方法として、インクジェット法が提案されている。しかしインクジェット法は、位置精度が低く、高精細なパターンの形成が困難であるため、予め基材表面上に、インクを受容しない撥水性領域とインクを受容する親水性領域もつ下地膜を形成させて位置精度を上げる下記(1)および(2)の方法が提案されている。
(1)酸化チタン等の光触媒を露光時に作用させることにより、界面活性剤の濡れ性を変化させる、または光触媒分解性物質を分解除去することにより、印刷インクやトナーを受容または反発するパターンを形成する方法(特許文献1参照)。該文献中には、光触媒の結着剤に使用されるシロキサン結合(−Si−O−)の主骨格を有するシリコーン樹脂は、光触媒作用により、ケイ素原子に結合した有機基が酸素含有基に置換されることによって濡れ性が向上することが記載される。
(2)基材表面を親水化処理した後、化学気相蒸着法によりフッ化アルキルシランの有機単分子膜のパターンを形成させ、該単分子膜をエッチングのレジスト膜にする方法(特許文献2参照)。親水化処理として、単結晶シリコン(自然酸化膜表面SiO)、ポリエチレンフィルム、ガラスなどの基材の表面を、Xeエキシマランプの紫外光(172nm)または酸素プラズマにより親水化処理する方法が開示される。またフッ化アルキルシランの有機単分子膜形成は、紫外光(172nm)または電子ビームを照射することにより行われることが記載される。
特開平11−344804号公報 特開2000−282240号公報
従来の方法は、200nm未満の高エネルギー光を必要とし、長時間の光の照射を必要とする方法である。また、該方法は大規模な設備、真空装置、高エネルギー光源などの特別な装置が必要になる。また、該方法は200nm以下の高エネルギー光が用いられるため、パターンの薄膜中の有機物までもが分解し、親水性領域と撥水性領域のコントラストの低いパターンとなることがある。
本発明は、コントラストの高い親水性領域と撥水性領域を表面に有する処理基材の提供を目的とする。また本発明は、該処理基材を、特別な装置や高エネルギー光、長時間の光の照射を必須とせず、低光量により短時間で製造できる方法の提供を目的とする。さらに本発明は、該処理基材を用いて、機能性材料のパターンが形成された部材を製造する方法の提供を目的とする。
上記目的は、以下の本発明により達成できる。
<1> 基材の表面に親水性領域と撥水性領域とを有する処理基材であって、撥水性領域は下記組成物(A)を硬化させた膜厚が0.1〜100nmである撥水性の膜からなることを特徴とする処理基材。
組成物(A):1,2−エポキシ基の1個以上と撥水性部分とを有する化合物(a)、および光によりカチオンを発生する重合開始剤を含む組成物。
<2> 前記化合物(a)は下式(11)、下式(12)、下式(21)または下式(22)で表される化合物である<1>に記載の処理基材。ただし、式中の記号は以下の意味を示す。QおよびQは、それぞれ独立して、フッ素原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基。Qは、炭素数4以上のアルキル基もしくは該基を部分構造として持つ1価の有機基、または炭素数1以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基もしくは該基を部分構造として持つ1価の有機基。Qは、炭素数4以上のアルキレン基もしくは該基を部分構造として持つ2価の有機基、または炭素数2以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキレン基もしくは該基を部分構造として持つ2価の有機基。nは0以上の整数、kは1〜5の整数。
Figure 2007248726
<3> 組成物(A)は、1,2−エポキシ基の3個以上を有する化合物(b)(ただし、該化合物(b)は前記化合物(a)であっても、前記化合物(a)以外の化合物であってもよい)を含む、<1>または<2>に記載の処理基材。
<4> 親水性領域の水に対する接触角が50度以下であり、撥水性領域の水に対する接触角が80度以上である<1>〜<3>のいずれかに記載の処理基材。
<5> 親水性領域と撥水性領域が所望のパターンを形成してなる<1>〜<4>のいずれかに記載の処理基材。
<6> 基材の表面を親水化処理して表面を親水性にし、つぎに該表面に下記組成物(A)を含む膜を形成し、ついで該膜の表面の一部に光を照射して組成物(A)を硬化させて膜厚が0.1〜100nmである撥水性の膜を形成し、ついで基材の表面に存在する未硬化の組成物(A)を除去して親水性の表面を露出させることによって、基材の表面に親水性領域と組成物(A)を硬化させた撥水性の膜からなる撥水性領域とを有する処理基材を得ることを特徴とする処理基材の製造方法。
組成物(A):1,2−エポキシ基の1個以上と撥水性部分とを有する化合物(a)、および光によりカチオンを発生する重合開始剤を含む組成物。
<7> 基材の表面を湿式洗浄もしくは光洗浄する、または基材の表面に親水性化合物を塗布することにより、基材の表面を親水化処理する、<6>に記載の製造方法。
<8> 基材の表面に親水性化合物と下記組成物(A)とを含む膜を形成し、静置することにより親水性化合物を基材側に移行させて、ついで該膜の表面の一部に光を照射して組成物(A)を硬化させて膜厚が0.1〜100nmである撥水性の膜を形成し、ついで基材の表面に存在する未硬化の組成物(A)を除去して親水性の表面を露出させることによって、基材の表面に親水性領域と組成物(A)を硬化させた撥水性の膜からなる撥水性領域とを有する処理基材を得ることを特徴とする処理基材の製造方法。
組成物(A):1,2−エポキシ基の1個以上と撥水性部分とを有する化合物(a)、および光によりカチオンを発生する重合開始剤を含む組成物。
<9> 200nm以上の波長を有する光を照射する、<6>〜<8>のいずれかに記載の製造方法。
<10> <5>に記載の処理基材の表面に機能性材料を含む親水性の液を塗布して、処理基材のパターンを形成した親水性領域に該親水性の液を付着させ、つぎに乾燥させることによって機能性材料のパターンを形成させることを特徴とする機能性材料のパターンが形成された部材の製造方法。
<11> <5>に記載の処理基材の表面に機能性材料を含む親水性の液を塗布して、処理基材のパターンを形成した親水性領域に該親水性の液を付着させ、つぎに乾燥させることによって機能性材料のパターンを形成させた後、組成物(A)を硬化させた撥水性の膜を除去することを特徴とする機能性材料のパターンが形成された部材の製造方法。
本発明によれば、コントラストの高い親水性領域と撥水性領域を表面に有する処理基材が得られる。また、大規模な設備、真空装置および高エネルギー光源を用いることなく処理基材を製造できる。すなわち、簡便な装置および光源を用い、低光量により短時間で、処理基材を製造できる。
また、本発明の処理基材を用いて、簡便に機能性材料のパターンが形成された部材を得ることができ、多くの用途に使用することができる。
本明細書において、式(11)で表される化合物を化合物(11)と記す。他式で表される化合物も同様に記す。また、1,2−エポキシ基を、単にエポキシ基と記す。
本発明で用いられる基材としては、ガラス;シリコンウェハー;Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、またはPb等の金属;PdO、SnO、In、PbO、またはSb等の金属酸化物;HfB、ZrB、LaB、CeB、YB、またはGdB等の硼化物;TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、またはWC等の炭化物;TiN、ZrN、またはHfN等の窒化物;SiまたはGe等の半導体;カーボン;ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリテトラフルオロエチレン等の樹脂;等の材料からなる基材から選択できる。ガラス、シリコンウェハー、金属酸化物またはポリイミドが好ましい。
基材の形状としては、特に限定されず、平面、曲面、または部分的に曲面を有する平面が好ましく、平面がより好ましい。また基材の面積も特に限定されず、従来の塗布方法が適用できる限りの大きさの面を有する基材を採用できる。また、本発明における基材の表面における処理は、平面上の基材の片面で行うのが好ましい。
本発明の処理基材の製造方法は、下記[1]の工程または下記[2]の工程を含む。
[1]まず基材の表面を親水化処理して表面を親水性にし、つぎに該表面に、1,2−エポキシ基の1個以上と撥水性部分とを有する化合物(a)、および光によりカチオンを発生する重合開始剤(以下、光カチオン重合開始剤という)を含む組成物(A)を含む膜を形成する工程。
[2]基材の表面に、親水性化合物と上記組成物(A)とを含む膜を形成し、静置することにより親水性化合物を基材側に移行させる工程。
上記[1]の工程または上記[2]の工程の後、膜の表面の一部に光を照射して組成物(A)を硬化させ膜厚が0.1〜100nmである撥水性の膜を形成し、ついで基材の表面に存在する未硬化の組成物(A)を除去して親水性の表面を露出させることによって本発明の処理基材を得ることができる。
まず、上記[1]の工程について説明する。基材の表面を親水化処理する方法としては、プラスチック、金属、ガラス、セラミックスなどの表面を親水化処理する一般的な方法が適用可能である。該方法としては、基材の表面を湿式洗浄する方法、基材の表面を光洗浄する方法、または基材の表面に親水性化合物を塗布する方法、またはこれらを組み合わせた方法が例示できる。
基材の湿式洗浄には、水、水系洗浄剤、または非水系洗浄剤(有機溶剤、フッ素系溶剤等)を使用できる。特に基材を水または界面活性剤を含んだ水系洗浄剤を用いて洗浄した後に、イソプロピルアルコールやエチルアルコール等の低沸点の有機溶剤を用いて、表面の異物や水分等を除去しつつ乾燥する方法が好ましい。さらに基材の種類や汚れの種類・程度に応じて、工程の追加、または工程の一部の省略ができる。有機系の汚れが付着した基材の湿式洗浄は、まず該汚れを除去するために、ジクロロペンタフルオロプロパン(旭硝子社製AK−225;CFCFCHClとCClFCFCHClFの混合物)等のフッ素系溶剤であらかじめ洗浄しておき、つぎに水系洗浄剤または有機溶剤で基材を浸漬洗浄するのが好ましい。浸漬洗浄する際には、超音波洗浄を併用してもよい。ガラスについては、浸漬洗浄の代わりに、または浸漬洗浄とともに、酸化セリウム系微粒子を含む研磨剤で研磨洗浄し、純水ですすいで風乾して用いる方法を採用してもよい。
基材を光洗浄する方法としては、UV/O洗浄(紫外光、オゾン、または両者の組み合わせによる光洗浄)が好ましい。UV/O洗浄の原理は、(1)フォトンエネルギーの高い紫外光で、汚れの主成分(有機物)の結合を切り、汚れの結合が切れやすくなった状態にし、(2)この状態にさらにオゾンや活性酸素種が作用して、有機物を酸化し、二酸化炭素や水にして揮発させて洗浄するというものである。よって、紫外光とオゾンのそれぞれを単独でまたは併用して表面を親水化処理でき、後者の方法が好ましい。市販のUV/O洗浄用装置を使用できる。
また、湿式洗浄のみでは微少な有機物の汚れ(例えば、中性洗剤の界面活性剤の残り滓、クリーンルームの浮遊物など)が残りやすい。これに対して、上述の光洗浄は、そのおそれがない。従って、最初に、湿式洗浄で比較的大きな汚れを除去し、その後、光洗浄により洗浄する方法も好ましい。
基材の表面の親水化処理に用いうる親水性化合物としては、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)等の親水性ポリマー;グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール;H−Si(OCHCH、NHCHCHCH−Si(OCHCH等のシラン化合物、または該化合物の一部または全部が加水分解物された化合物、または該化合物の加水分解縮合物が挙げられる。
親水性化合物は溶媒に溶解させた溶液として塗布することが好ましい。親水性ポリマーや多価アルコールは水に溶解させることが好ましく、シラン化合物はイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒に溶解させることが好ましい。溶液中の親水性化合物の濃度は0.01〜10%が好ましく、0.1〜1%がより好ましい。
基材への塗布方法は特に限定されず、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法、ロールコート法、メニスカスコート法、スクリーン印刷法等が採用できる。
基材の表面が異なる材料で形成されている場合の親水化処理として、親水性化合物を塗布する方法を採用すると、異なる材料の表面に対して同じ親水性を付与することができるので好ましい。
つぎに、親水化処理を行った基材の親水性の表面に、組成物(A)を含む膜を形成する。組成物(A)はエポキシ基の1個以上と撥水性部分とを有する化合物(a)、および光カチオン重合開始剤を含む。化合物(a)のエポキシ基は、分子中のどの位置にあってもよいが分子末端に存在するのが特に好ましい。分子の末端に存在する方が反応性が高いからである。エポキシ基はグリシジル基の一部として化合物(a)に導入されることが好ましい。
化合物(a)の撥水性部分としては、1価または2価の撥水性の基が好ましい。1価の撥水性の基としては、オルガノシロキサン骨格を有する1価の基、炭素数4以上のアルキル基、または炭素数1〜12のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基が好ましい。2価の撥水性の基としては、オルガノシロキサン骨格を有する2価の基、炭素数4以上のアルキレン基、または炭素数2〜12のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキレン基が好ましい。
化合物(a)としては、1個のエポキシ基と1価の撥水性の基とを有する化合物、2個のエポキシ基と2価の撥水性の基とを有する化合物が挙げられる。前者の例としては化合物(11)または化合物(12)が挙げられ、後者の例として化合物(21)または化合物(22)が挙げられる。ただし、式中の記号は前記した意味と同じ意味である。
Figure 2007248726
化合物(11)ではオルガノシロキサン骨格を有する1価の基が、化合物(12)ではQが、化合物(21)ではオルガノシロキサン骨格を有する2価の基が、化合物(22)ではQが、それぞれ撥水性部分に相当する。
上記の式中、QおよびQは、それぞれ独立して、1価の有機基であり、フッ素原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
nは0以上の整数であり、1以上の整数が好ましく、化合物の分子量が500〜1,000,000となる整数であるのが好ましい。kは1〜5の整数であり、2〜4の整数が好ましく、3がより好ましい。
上記の式中、Qは、炭素数4以上のアルキル基もしくは該基を部分構造として持つ1価の有機基、または炭素数1以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基もしくは該基を部分構造として持つ1価の有機基である。
が炭素数4以上のアルキル基もしくは該基を部分構造として持つ1価の有機基である場合、炭素数4以上のアルキル基が好ましく、炭素数4〜18のアルキル基がより好ましい。炭素原子数が該範囲であると、優れた撥水性を発揮する利点がある。アルキル基は、直鎖構造、分岐構造、環構造、または部分的に環を有する構造が挙げられ、直鎖構造が好ましい。
炭素数4以上のアルキル基であるQの具体例としては、以下の基が挙げられる。
H(CH−、H(CH−、H(CH−、H(CH10−、H(CH12−、H(CH14−、H(CH16−、H(CH18−。
が炭素数1以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基もしくは該基を部分構造として持つ1価の有機基である場合、Rf1−Y−で表される基が好ましい(Rf1は炭素数1以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基を示し、Yはフッ素原子を含まない2価連結基を示す。)。
f1基は、炭素数1〜12のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基であるのが好ましく、炭素数1〜12のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいペルフルオロアルキル基であるのがより好ましく、炭素数3〜12のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいペルフルオロアルキル基であるのが特に好ましい。Rf1基の構造は、直鎖構造、分岐構造、環構造、または部分的に環を有する構造が挙げられ、直鎖構造が好ましい。
f1基の具体例としては、以下の基が挙げられる。
F(CF−、F(CF−、F(CF−、H(CF−、H(CF−、H(CF−、CFCFOCFCFOCF−、CFCFOCFCFOCFCF−、CFCFOCFCFOCFCFOCFCFOCF−、CFCFOCFCFOCFCFOCFCFOCFCF−、CFCFCFOCF−、CFCFCFOCFCF−、CFCFCFOCF(CF)−、CFCFCFOCF(CF)CF−、CFCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)−、CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CF−。
Yとしては、−(CH−、−SONR−(CH−、−(C=O)−NR−(CH−で表される基が好ましい。ただし、mは1〜5の整数を示し、Rは水素原子、メチル基、またはエチル基を示す。
は、炭素数4以上のアルキレン基もしくは該基を部分構造として持つ2価の有機基、または炭素数2以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキレン基もしくは該基を部分構造として持つ2価の有機基である。
が炭素数4以上のアルキレン基もしくは該基を部分構造として持つ2価の有機基である場合、炭素数4以上のアルキレン基が好ましく、炭素数4〜18のアルキレン基がより好ましい。これらの基は優れた撥水性を発揮する利点がある。アルキレン基は、直鎖構造、分岐構造、環構造、または部分的に環を有する構造が挙げられ、直鎖構造が好ましい。
炭素数4以上のアルキレン基であるQの具体例としては、以下の基が挙げられる。
−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH10−、−(CH12−、−(CH14−、−(CH16−、−(CH18−。
が炭素数2以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキレン基もしくは該基を部分構造として持つ2価の有機基である場合、炭素数2〜12のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキレン基が好ましく、炭素数2〜12のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいペルフルオロアルキレン基がより好ましい。エーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキレン基の構造は、直鎖構造、分岐構造、環構造、または部分的に環を有する構造が挙げられ、直鎖構造が好ましい。
炭素数2以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキレン基であるQの具体例としては、以下の基が挙げられる。
−(CF−、−(CF−、−(CF−、−(CF−、−(CF−、−(CF)CF[OCFCF(CF)]OCF(CFCFO[CF(CF)CFO]CF(CF)−、−CFCFOCF(CF)CF[OCFCF(CF)]OCF−、−(CFCFO[CF(CF)CFO]CF(CF)CFOCFCF−。
化合物(a)としては、化合物(11)、化合物(12)または化合物(21)が好ましい。撥水性に優れることから、QおよびQがメチル基である化合物(11)、Qがメチル基である化合物(21)、QがR−B−で表される基であってRが炭素数1〜12のペルフルオロアルキル基である化合物(12)を用いるのがより好ましい。さらに、QおよびQがメチル基である化合物(11)、Qがメチル基であり、分子量が500〜1,000,000である化合物(21)が特に好ましく、分子量が1,000〜100,000である化合物(21)がとりわけ好ましい。
化合物(11)または化合物(21)は、通常はnが異なる2種以上の化合物の混合物として入手される場合があり、該場合のnはnの平均値である正数で表現されることもある。化合物(11)または化合物(21)において、分子量が500以上であると、基材表面からの蒸発を防止できる利点があり、分子量が1,000,000より小さいと、溶媒への溶解性が良好になるため、作業性が向上する利点がある。
光カチオン重合開始剤としては、光を吸収してカチオンを発生することにより重合反応を開始させる物質であり、エポキシ基の重合を開始させる物質から選択されうる。例えば[CH−ph−I−ph−CH−(CH][PF ](ただし、phは1,4−フェニレン基を示す)が好ましく、[CH−ph−I−ph−CH−(CH][PF ](ただし、phは1,4−フェニレン基を示す)とプロピレンカーボネートの3:1の混合物(チバ・ガイギー社製、イルガキュア250)が例示される。光カチオン重合開始剤は1種を用いても2種以上を用いてもよい。硬化性を促進する目的で、カチオン重合開始剤とチオキサントン系の増感剤を併用してもよい。チオキサントン系の増感剤としては2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製、カヤキュアDETX)が好ましい。光カチオン重合開始剤の量は、化合物(a)の総量に対して0.1〜50質量%が好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。
組成物(A)は、エポキシ基の3個以上を有する化合物(b)を含むことが好ましく、グリシジル基を3個以上を有する化合物(b)を含むことがより好ましい。ただし、該化合物(b)は上記化合物(a)であっても、上記化合物(a)以外の化合物であってもよい。すなわち、化合物(a)である化合物(b)とは、エポキシ基の3個以上と撥水性部分とを有する化合物を意味し、化合物(a)以外の化合物である化合物(b)とは、エポキシ基の3個以上を有し撥水性部分を有しない化合物を意味する。エポキシ基の3個以上を有する化合物(b)の使用は、組成物(A)の硬化を促進するのに有効である。
該化合物(b)の例としては、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。組成物(A)中の化合物(b)の量は、化合物(a)の総量に対して0.1〜100質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。化合物(b)の量が多すぎると、組成物(A)を硬化させた膜からなる撥水性領域の撥水性が低くなるおそれがある。
つぎに、上記[2]の工程について説明する。上記組成物(A)に上記親水性化合物を含ませ、つぎに混合して基材の表面に塗布して膜を形成し、静置することにより親水性化合物を基材側に移行させる。親水性部分を有する化合物は高表面エネルギーの材料であることから基材側に配向し、撥水性部分を有する化合物は低表面エネルギーの材料であることから気相界面に配向する性質がある。この性質を利用して、親水性化合物と化合物(a)のバイレイヤー構造を形成させることができる。
親水性化合物の量は化合物(a)の量に対して0.1〜100質量%が好ましく、1〜60質量%がより好ましい。静置の条件は、化合物(a)の種類、親水性化合物の種類、膜厚に応じて適宜決められる。この現象を促進するために、材料を塗布した基材を加熱してもよい。塗布した親水性化合物および/または化合物(a)はガラス転移温度以上に加熱することにより、数十秒〜数分程度の短時間で、バイレイヤー構造を形成できる。
上記[1]の工程における組成物(A)、上記[2]の工程における親水性化合物と組成物(A)とは、溶媒を含む溶液として塗布するのが好ましい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ヘキサン等の炭化水素類が好ましい。溶液中の固形分濃度は0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
膜を形成する方法としては、上記溶液を基材表面に塗布する方法が好ましく、スピンコート、ディップコート、ワイヤーバーコート、ブレードコート、ロールコートなどの方法が採用できる。塗布は、室温下または加熱下で行うことが好ましい。また膜を形成した基材は、大気中または窒素気流中等で乾燥されることが好ましい。該乾燥は室温で行うのが好ましい。乾燥を加熱下で行う場合には、基材の材質の耐熱性によって温度および時間を適宜変更するのが好ましい。
膜を形成後、膜の表面の一部に光を照射する。光照射に用いる光は、波長200nm以上の光が好ましく、波長300nm以上の光がより好ましい。また、波長380nm以下の光が好ましく、波長365nm以下の光がより好ましい。波長200nm以上の光は、基材を分解するおそれが少ない利点がある。また、波長380nm以下の光照射により重合を開始させる光カチオン重合剤は入手しやすく、光源も安価である。照射時間は、光の波長、光の強度・光源の種類、組成物(A)の種類等に応じて、適宜変更しうる。超高圧水銀ランプの場合、2〜100mw/cmで5〜120秒照射すればよい。高圧水銀ランプの場合は一般に、超高圧水銀ランプより短時間の照射でよい。
光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、窒素等の気体レーザー、有機色素溶液の液体レーザー、無機単結晶に希土類イオンを含有させた固体レーザー等が挙げられる。また、単色光が得られるレーザー以外の光源としては、広帯域の線スペクトル、連続スペクトルをバンドパスフィルター、カットオフフィルター等の光学フィルターを使用して取出した特定波長の光を使用してもよい。一度に大きな面積を照射することができることから、光源としては高圧水銀ランプまたは超高圧水銀ランプが好ましい。
光の照射はフォトマスクを介して行うことが好ましい。この方法により、膜の表面の所望の領域でのみ硬化反応を起こすことが可能であり、親水性領域と撥水性領域が所望のパターンを形成した処理基材を得ることができる。
光照射する雰囲気は任意に選択することができ、空気雰囲気でも不活性ガス雰囲気でもよい。また、光照射は、基材が光照射に用いる光を透過する波長の光であれば、基材のどちらの面側から行ってもよく、通常は基材の組成物(A)を含む膜の面側から光照射を行うのが好ましい。
組成物(A)を硬化させた撥水性の膜を形成した後、基材の表面に存在する未硬化の組成物(A)を除去する。未硬化の組成物(A)を除去することにより、親水性の表面を露出させることとなる。未硬化の組成物(A)を除去する方法としては、化合物(a)が低分子量である場合には、窒素気流を吹き付けて除去する方法が好ましい。化合物(a)が高分子量である場合には、容易に蒸発しないため、未反応の化合物(a)が残存する表面を有機溶媒で洗浄するのが好ましい。洗浄に用いる有機溶媒としては、化合物(a)を溶解する溶媒が好ましい。該有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ヘキサン等の炭化水素類が挙げられる。
撥水性の膜の膜厚は0.1〜100nmであり、0.1〜50nmが好ましく、0.1〜10nmがより好ましい。特に本発明の処理基材を電子部材として使用する場合は撥水性の膜は薄いほうが好ましい。本発明の処理基材の表面に機能性材料を含む親水性の液を塗布して、処理基材のパターンを形成した親水性領域に該親水性の液を付着させ、つぎに乾燥させることによって機能性材料のパターンを形成させた後、組成物(A)を硬化させた撥水性の膜を除去して機能性材料のパターンが形成された部材を製造できる。該部材は電子素子として有用である。組成物(A)を硬化させた撥水性の膜を除去するのは、該部材を電子素子として使用する場合に、撥水性の膜が素子の動作に影響するおそれがあるからである。よって撥水性の膜は除去しやすさの観点から薄いほうが好ましい。
本発明によれば、基材の表面に親水性領域と、組成物(A)を硬化させた撥水性の膜からなる撥水性領域とを有する処理基材が提供される。親水性領域と撥水性領域は、水に対する接触角で区別できる。本明細書では該接触角は、実施例に記載する静滴法による測定値で表す。親水性領域の接触角は、50度以下が好ましく、40度以下がより好ましく、20度以下が特に好ましい。撥水性領域の接触角は、80度以上が好ましく、100度以上がより好ましく、110度以上が特に好ましい。
また、化合物(a)として含フッ素化合物を用いた場合には、撥水性領域は撥油性領域にもなる。撥油性領域と親水性領域とは、炭化水素化合物に対する接触角で区別できる。具体的には、撥油性領域の接触角は、炭化水素化合物としてヘキサデカンを用いた場合、40度以上が好ましく、60度以上がより好ましく、70度以上が特に好ましい。
本発明の処理基材の製造方法において、光重合反応に用いる光としてフォトマスクを介した光やレーザー光を用いて光照射を行った場合には、親水性領域と撥水性領域が所望のパターンを形成してなる処理基材が得られる。また、親水性領域と撥水性領域の線幅が10μm以下であるパターンを形成できる。
本発明の処理基材の表面に機能性材料を含む親水性の液を塗布して、処理基材のパターンを形成した親水性領域に該親水性の液を付着させ、つぎに乾燥させることによって、機能性材料のパターンが形成された部材を製造できる。機能性材料としては、金属配線を形成する金属粒子分散ペースト、カラーフィルタを形成する色素材料、電子デバイス・有機ディスプレイを形成するセラミック材料、有機半導体材料等が挙げられる。機能性材料を含む親水性を有する液とは、機能性材料を水もしくは極性の高い有機溶媒に溶解させた液をいう。極性の高い有機溶媒は水と混和しうる有機溶媒であればさらに好適である。液の塗布方法としては、インクジェット法が好ましい。
たとえば、機能性材料として親水性のインクを用い処理基材に付着させた場合には、スタンプとなりうる。さらに親水性領域と撥水性領域のパターンを精密に形成した場合には、マイクロコンタクトプリンティング用のスタンプ等としても利用できる。
また、本発明において、基材としてプラスチック基板等のフレキシブル基板を用いた場合には、ロールツーロール法(Roll to Roll法)が実施できるように設置した複数のロールと、複数のロールの間に露光機を設置して基板への光照射を行うことにより、高スループットで光処理基材を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
水に対する接触角は、静滴法により、JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠して、基材上の測定表面の3ケ所に水滴を載せ、各水滴について測定した。液滴は2μL/滴であり、測定は20℃で行った。接触角は、3測定値の平均値(n=3)で示す。
[例1]
(基材の洗浄)
5cm四方のシリコンウェハーをエタノールで洗浄後、UV/O洗浄した。
(塗布溶液の作製)
サンプル瓶にイソプロパノール(2.5g)をとった。両末端にエポキシ基を有するポリジメチルシロキサン(X−22−163c、信越化学工業社製、上記式(21)において、Qがメチル基、kが3である化合物、分子量は5,000〜6,000。)の10%イソプロパノール溶液(0.1g)を加えた。光カチオン重合開始剤(IRGACURE 250、チバ・ガイギー社製)の1%イソプロパノール溶液(0.06g)を加えた。増感剤(DETX、日本化薬社製)の1%イソプロパノール溶液(0.03g)加えた。サンプル瓶を数回振って溶液が均一になるまでを混合させたものを塗布溶液とした。
(溶液の塗布)
作製した塗布溶液を洗浄後のシリコンウェハーに、3000rpm、20秒の条件下スピンコートして、膜を形成した。
(光照射)
得られた膜の表面に、空気雰囲気下、膜側から、開孔パターン(2.5cm×5cm)を有するフォトマスクを介して、高圧水銀ランプからの紫外線を65mw/cmで30秒照射した。
(基材の洗浄)
光照射後の基材を、イソプロパノールでリンスした後、エタノールでリンスし、窒素気流で乾燥したものを処理基材とした。
(接触角の測定)
上記工程により得られた処理基材の表面の水に対する接触角は、非照射部分が22度、紫外線照射部分が105度であったことから、親水性領域(接触角22度)と、撥水性領域(接触角105度)とを有する撥水親水パターンの形成が確認された。撥水性領域の膜厚は38nmであった。
本発明の製造方法によれば、大規模な設備、真空装置および光源を用いることなく親水性領域と撥水性領域とからなる微細なパターンを形成できる。該パターン面に、インクジェットを利用して機能性インクを噴射した場合には、親水性領域にのみ機能性インクが保持され、撥水性領域には保持されないことから、基材を機能性インクでパターニングできる。また本発明は電子デバイスの回路形成にも応用できる。また、撥水親水パターンを有する薄膜は、親水性領域に機能性インクを含ませ、別の基材に転写することにより、マイクロコンタクトプリンティング用のスタンプとして使うこともできる。
また、本発明の基材の表面に親水性領域と撥水性領域を有する処理基材は、医療分野においても使用できる。例えば、毛細血管の血管部が親水部になるようなパターンを持ったマスクを作製し、基材に毛細血管のパターンを転写する。その上に血管皮細胞をばら撒いて、親水性領域のみで細胞増殖し、毛細血管のパターンを再生できる。
また、化合物(a)として撥水性を有し撥油性を有さない化合物(例えば、フッ素不含の炭化水素系撥水性化合物)を用いた場合には、撥水性領域は親油性領域ともなりうるため、油性のインクを親油部に保持させることができ、印刷の製版として利用できる。
また、本発明の基材の表面に親水性領域と撥水性領域を有する処理基材は、親水性領域の表面に存在する水酸基等の反応性を利用して、該親水性領域の表面に他の性質を有する化合物を反応させ、撥水性と他の性質を有する基材を形成させることも可能である。

Claims (11)

  1. 基材の表面に親水性領域と撥水性領域とを有する処理基材であって、撥水性領域は下記組成物(A)を硬化させた膜厚が0.1〜100nmである撥水性の膜からなることを特徴とする処理基材。
    組成物(A):1,2−エポキシ基の1個以上と撥水性部分とを有する化合物(a)、および光によりカチオンを発生する重合開始剤を含む組成物。
  2. 前記化合物(a)は、下式(11)、下式(12)、下式(21)または下式(22)で表される化合物である請求項1に記載の処理基材。
    ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
    およびQは、それぞれ独立して、1価の有機基。
    は、炭素数4以上のアルキル基もしくは該基を部分構造として持つ1価の有機基、または炭素数1以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基もしくは該基を部分構造として持つ1価の有機基。
    は、炭素数4以上のアルキレン基もしくは該基を部分構造として持つ2価の有機基、または炭素数2以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキレン基もしくは該基を部分構造として持つ2価の有機基。
    nは0以上の整数、kは1〜5の整数。
    Figure 2007248726
  3. 組成物(A)は、1,2−エポキシ基の3個以上を有する化合物(b)(ただし、該化合物(b)は前記化合物(a)であっても、前記化合物(a)以外の化合物であってもよい)を含む、請求項1または2に記載の処理基材。
  4. 親水性領域の水に対する接触角が50度以下であり、撥水性領域の水に対する接触角が80度以上である請求項1〜3のいずれかに記載の処理基材。
  5. 親水性領域と撥水性領域が所望のパターンを形成してなる請求項1〜4のいずれかに記載の処理基材。
  6. 基材の表面を親水化処理して表面を親水性にし、つぎに該表面に下記組成物(A)を含む膜を形成し、
    ついで該膜の表面の一部に光を照射して組成物(A)を硬化させて膜厚が0.1〜100nmである撥水性の膜を形成し、
    ついで基材の表面に存在する未硬化の組成物(A)を除去して親水性の表面を露出させることによって、
    基材の表面に親水性領域と組成物(A)を硬化させた撥水性の膜からなる撥水性領域とを有する処理基材を得ることを特徴とする処理基材の製造方法。
    組成物(A):1,2−エポキシ基の1個以上と撥水性部分とを有する化合物(a)、および光によりカチオンを発生する重合開始剤を含む組成物。
  7. 基材の表面を湿式洗浄もしくは光洗浄する、または基材の表面に親水性化合物を塗布することにより、基材の表面を親水化処理する、請求項6に記載の製造方法。
  8. 基材の表面に親水性化合物と下記組成物(A)とを含む膜を形成し、静置することにより親水性化合物を基材側に移行させて、
    ついで該膜の表面の一部に光を照射して組成物(A)を硬化させて膜厚が0.1〜100nmである撥水性の膜を形成し、
    ついで基材の表面に存在する未硬化の組成物(A)を除去して親水性の表面を露出させることによって、
    基材の表面に親水性領域と組成物(A)を硬化させた撥水性の膜からなる撥水性領域とを有する処理基材を得ることを特徴とする処理基材の製造方法。
    組成物(A):1,2−エポキシ基の1個以上と撥水性部分とを有する化合物(a)、および光によりカチオンを発生する重合開始剤を含む組成物。
  9. 200nm以上の波長を有する光を照射する、請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 請求項5に記載の処理基材の表面に機能性材料を含む親水性の液を塗布して、処理基材のパターンを形成した親水性領域に該親水性の液を付着させ、つぎに乾燥させることによって機能性材料のパターンを形成させることを特徴とする機能性材料のパターンが形成された部材の製造方法。
  11. 請求項5に記載の処理基材の表面に機能性材料を含む親水性の液を塗布して、処理基材のパターンを形成した親水性領域に該親水性の液を付着させ、つぎに乾燥させることによって機能性材料のパターンを形成させた後、組成物(A)を硬化させた撥水性の膜を除去することを特徴とする機能性材料のパターンが形成された部材の製造方法。
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