JP5830931B2 - ウェハの洗浄方法 - Google Patents

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本発明は、凹凸パターンが形成されたウェハ表面を、洗浄するときに、凹凸パターンの倒れを防止することに奏功する洗浄方法に関する。
半導体チップの製造では、まず、成膜、リソグラフィやエッチングなどを経て、ウェハ表面に微細な凹凸パターンが形成され、その後、ウェハ表面を清浄なものとするために、洗浄液を用いて洗浄がなされる。
近年、半導体素子は微細化される方向にあり、凹凸パターンの間隔は益々狭くなってきている。このため、洗浄液を用いて洗浄し、該洗浄液をウェハ表面から乾燥させるときに、毛細管現象により、凹凸パターンが倒れるという問題が生じやすくなってきている。この問題は、特に凹凸のパターン間隔がより狭くなった、例えば凹部の幅が20nm台、10nm台世代の半導体チップでより顕著になってきている。
特許文献1には、パターン倒れを抑制する手法として気液界面を通過する前に洗浄液を水から2−プロパノールへ置換する技術が開示されている。しかし、対応できるパターンのアスペクト比が5以下である等、限界があると言われている。
また、特許文献2には、シリコンを含む膜により凹凸形状パターンを形成したウェハ表面を酸化等により表面改質し、該表面に水溶性界面活性剤またはシランカップリング剤を用いて撥水性保護膜を形成し、毛細管力を低減し、パターンの倒壊を防止する洗浄方法が開示されている。
特開2003−45843号公報 特許第4403202号明細書
半導体チップの製造時には、ウェハ表面は、凹凸パターンを有する面とされる。表面に凹凸パターンを有し、該凹凸パターンの少なくとも一部がシリコン元素を含むウェハ(以降、単に「ウェハ」と記載する場合がある)の洗浄時において、ウェハの凹凸パターン部の毛細管力を低減させる撥水性の保護膜(以降、単に「保護膜」とも記載する)は、シランカップリング剤などのケイ素化合物が、ウェハ表面に導入された水酸基(OH基)などと反応することにより形成される。
このように、シリコン元素を含む凹凸パターンに保護膜を形成するためには、凹凸パターンの表面に水酸基などの反応活性点を形成し、保護膜を形成する化合物とその反応活性点とを反応させる必要がある。シリコン元素を含む凹凸パターンにおいては、凹凸パターンを構成する材料の種類に応じて水酸基などの形成しやすさが異なることや、水酸基などを形成する際に行う水などによる表面処理の条件により、単位面積あたりの水酸基などの量に違いが生じることがある。
本発明は、凹凸パターンの倒れを防止することに奏功するウェハの洗浄方法に関し、凹凸パターンの表面に水酸基などが導入されやすいウェハはもちろんのこと、凹凸パターンの表面に水酸基などが導入されにくいウェハであっても、経済的かつ効率的にウェハを洗浄することが可能な洗浄方法を提供することを課題とする。
パターン倒れは、ウェハの乾燥時に気液界面がパターンを通過するときに生じる。これは、パターンのアスペクト比が高い部分と低い部分との間において、残液高さの差ができ、それによってパターンに作用する毛細管力に差が生じることが原因と言われている。尚、「倒れ」という表記は、以降「倒壊」ということがある。
このため、毛細管力を小さくすれば、残液高さの違いによる毛細管力の差が低減し、パターン倒れが解消すると期待できる。毛細管力の大きさは、以下に示される式で求められるPの絶対値であり、この式からγ、もしくは、cosθを小さくすれば、毛細管力を低減できると期待される。
P=2×γ×cosθ/S
(式中、γは凹部に保持されている液体の表面張力、θは凹部表面と凹部に保持されている液体のなす接触角、Sは凹部の幅である。)
本発明では、シリコン元素を含む凹凸パターンが形成されたウェハを洗浄する経済的かつ効率的な方法について検討を重ねた結果、凹凸パターン表面に適量の水酸基などを形成しやすい方法を検討するという着想に至った。なぜなら、凹凸パターン表面に適量の水酸基などを形成しやすい方法を提供することができれば、撥水性の保護膜を形成する化合物種は、凹凸パターン表面に結合されやすくなり、撥水性の保護膜を安定的に得やすくなるからである。
本発明は、上記着想のもと鋭意検討してなしたものである。すなわち、本発明のウェハの洗浄方法は、
表面に凹凸パターンを有し、該凹凸パターンの少なくとも一部がシリコン元素を含むウェハの表面に前処理用薬液を供給することにより、凹凸パターンの表面を改質する、前処理工程、および、
改質された凹凸パターンの表面に保護膜形成用薬液を供給することにより、凹凸パターンの表面に撥水性の保護膜を形成する、保護膜形成工程
を少なくとも含むウェハの洗浄方法であって、
前記前処理工程では、酸をモル濃度で0.001〜5mol/L含み、pHが3以下である前処理用薬液を用いて、40℃以上、前処理用薬液の沸点未満の温度で凹凸パターンの表面を改質することを特徴とする。
本発明のウェハの洗浄方法においては、酸と該酸を溶解するための溶媒を含む液体である前処理用薬液中の前記酸によって、凹凸パターンの表面に水酸基などの反応活性点を形成することができる。凹凸パターンの表面に撥水性の保護膜を形成する際に用いる保護膜形成用薬液には、シランカップリング剤等の保護膜を形成する化合物と該化合物を溶解するための溶媒が含まれる。前記前処理により凹凸パターンの表面に水酸基などの反応活性点が多く存在するようになると、保護膜形成用薬液に含まれる保護膜を形成する化合物と、反応活性点とが反応しやすくなる。その結果、凹凸パターンの表面に撥水性の保護膜を安定的に形成することができる。
本発明のウェハの洗浄方法においては、前処理用薬液中の酸のモル濃度(以下、「酸濃度」とも記載する)は、0.001〜5mol/Lである。前処理用薬液中の酸のモル濃度が0.001mol/L未満であると、凹凸パターンの表面を改質する効果、すなわち、凹凸パターンの表面に水酸基などの反応活性点を形成する効果が充分に得られない。また、前処理用薬液中の酸のモル濃度が5mol/L超であると、酸の濃度が高くなりすぎるため、前処理工程を行う前に予め前処理用薬液から金属不純物等をイオン交換法により除去し、精製することが困難となる。
本発明のウェハの洗浄方法において、前記前処理用薬液のpHは、3以下である。前処理用薬液のpHが3超であると、前処理用薬液の酸性が弱くなるため、凹凸パターンの表面を改質する効果、すなわち、凹凸パターンの表面に水酸基などの反応活性点を形成する効果が弱くなる。
前処理用薬液は、温度を高くすると、より短時間で凹凸パターンの表面を改質しやすくなる。一方、前処理用薬液の沸点以上の温度で凹凸パターンの表面を改質すると、前処理用薬液の急激な蒸発に伴って気液界面がパターンを通過するのに近い状態となってパターンが倒壊するなどの悪影響が生じる可能性がある。以上より、本発明のウェハの洗浄方法においては、40℃以上、前処理用薬液の沸点未満の温度で凹凸パターンの表面を改質する。前記凹部表面により優れた撥水性を付与することができるので、前記前処理用薬液によるウェハの表面改質は、65℃以上、前処理用薬液の沸点未満の温度で行われることが好ましい。
尚、本発明のウェハの洗浄方法において、凹凸パターンの表面に保護膜が形成されるまでは、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に液体が保持された状態が維持されていることが好ましい。
本発明のウェハの洗浄方法において、前記前処理用薬液中に含まれる酸は、有機酸であることは好ましい。有機酸は、主に炭素元素、水素元素および酸素元素からなり、半導体の製造工程で嫌われる元素を含んでいないため好ましい。また、有機酸は、無機酸に比べて、有機溶媒に溶けやすい、金属と反応しにくいといった特性を有しているため好ましい。
本発明のウェハの洗浄方法において、前記凹凸パターンの少なくとも一部は、窒化ケイ素および/またはシリコンから形成されていることが好ましい。凹凸パターンが窒化ケイ素やシリコンから形成されている場合、凹凸パターンの表面が改質されていないと、凹凸パターンの表面に水酸基などの反応活性点が少ない。そのため、窒化ケイ素やシリコンから形成された凹凸パターンに保護膜形成用薬液を供給しても、凹凸パターンの表面に撥水性の保護膜が形成されにくくなる。しかし、酸を含む前処理用薬液によって凹凸パターンの表面を改質することにより、凹凸パターンが窒化ケイ素やシリコンから形成されている場合であっても、充分な撥水性を有する保護膜を凹凸パターンの表面に形成することができる。
本発明のウェハの洗浄方法では、洗浄過程において凹凸パターンの表面に形成される保護膜が、安定して撥水性を示すことができる。そのため、凹凸パターンの倒れを防止しながら、ウェハを安定的に洗浄することができる。
また、工業的にウェハを洗浄する場合、生産ロット毎にウェハ種が異なる場合がある。この場合、生産ロットに応じた洗浄条件、すなわち、凹凸パターン表面に適量の水酸基などを形成し、撥水性の保護膜を形成する条件を適用させる必要が生じる。しかし、本発明を適用することにより、ウェハ種毎での洗浄条件の変更を少なくすることに奏功する。
表面が凹凸パターン2を有する面とされたウェハ1を斜視したときの模式図を示す図である。 図1中のa−a’断面の一部を示したものである。 凹部4が保護膜形成用薬液8を保持した状態の模式図を示している。 撥水性の保護膜が形成された凹部4に液体が保持された状態の模式図を示す図である。
本発明の実施形態に係るウェハの好適な洗浄方法は、
(工程1)表面に凹凸パターンを有し、該凹凸パターンの少なくとも一部がシリコン元素を含むウェハの表面(以下、「凹凸パターンの表面」とも記載する)に液体を供し、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に液体を保持する工程、
(工程2)前記液体を保護膜形成用薬液で置換し、該薬液を凹凸パターンの少なくとも凹部表面に保持する工程、
(工程3)凹凸パターンの表面から液体を除去する工程、および、
(工程4)保護膜を除去する工程、
を有する。
(工程1)における液体としては、少なくとも前処理用薬液を用いる。前処理用薬液の他に、水系溶液からなる水系洗浄液、ならびに、前処理用薬液および水系洗浄液とは異なる洗浄液Aの少なくとも1つを用いてもよい。複数の液体を用いる場合、前処理用薬液と、水系洗浄液および洗浄液Aの少なくとも1つとを組み合わせて用いてもよいし、前処理用薬液と、水系洗浄液および洗浄液Aの少なくとも1つとを含む混合液を用いてもよい。(工程1)では、例えば、ウェハ表面の洗浄と凹凸パターン表面の改質を兼ねて、前処理用薬液のみを用いてもよい。また、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に水系洗浄液を保持した後に、水系洗浄液を洗浄液Aで置換し、さらに、洗浄液Aを前処理用薬液で置換してもよい。また、前処理用薬液が水系洗浄液と置換可能である場合には、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に水系洗浄液を保持した後に、水系洗浄液を前処理用薬液で置換してもよい。
さらに、(工程2)の後で、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に保持された保護膜形成用薬液を該保護膜形成用薬液とは異なる洗浄液Bに置換した後に、(工程3)に移ってもよい。また、前記洗浄液Bへの置換を経て、該凹凸パターンの少なくとも凹部表面に水系溶液からなる水系洗浄液を保持した後に、(工程3)に移ってもよい。また、前記保護膜形成用薬液が水系洗浄液と置換可能である場合には、前記洗浄液Bによる置換を省略しても構わない。
本発明において、ウェハの凹凸パターンの少なくとも凹部表面に前記薬液(前処理用薬液または保護膜形成用薬液)や洗浄液を供給するときの該薬液や洗浄液の形態としては、該凹部表面に保持された時に液体になるものであれば特に限定されず、例えば、液体、蒸気などがある。なお、後述するように、前処理工程では、前処理用薬液を用いて、沸点未満の温度で凹凸パターンの表面を改質する。そのため、前処理工程において、ウェハの凹凸パターンの少なくとも凹部表面に前処理用薬液を供給するときの該薬液の形態は、液体である。
本発明において、ウェハの凹凸パターンの少なくとも凹部表面に前記薬液(前処理用薬液または保護膜形成用薬液)や洗浄液を保持できるのであれば、該ウェハの洗浄方式は特に限定されない。ウェハの洗浄方式としては、ウェハをほぼ水平に保持して回転させながら回転中心付近に液体を供給してウェハを1枚ずつ洗浄するスピン洗浄に代表される枚葉方式や、洗浄槽内で複数枚のウェハを浸漬し洗浄するバッチ方式が挙げられる。
工業的にウェハを洗浄する場合、生産ロット毎にウェハ種が同じである場合もあるし、生産ロット毎にウェハ種が異なる場合もあるが、本発明は、いずれの場合にも適用することができる。
ウェハ表面に形成される凹凸パターンは、図1及び図2に記すように定義される。図1は、表面が凹凸パターン2を有する面とされたウェハ1を斜視したときの模式図を示し、図2は図1中のa−a’断面の一部を示したものである。凹部の幅5は、図2に示すように凸部3と凸部3の間隔で示され、「線幅」や「スペース寸法」ともいう。凸部のアスペクト比は、凸部の高さ6を凸部の幅7で割ったもので表される。ウェハの凹部表面に撥水性の保護膜が形成されていない場合、洗浄工程でのパターン倒れは、凹部の幅が70nm以下、特には45nm以下、アスペクト比が4以上、特には6以上のときに生じやすくなる。
ウェハ表面に凹凸パターンを形成する方法の一例を以下に示す。まず、ウェハ表面にレジストを塗布したのち、レジストマスクを介してレジストに露光し、露光されたレジスト、または、露光されなかったレジストをエッチング除去することによって所望の凹凸パターンを有するレジストを作製する。また、レジストにパターンを有するモールドを押し当てることでも、凹凸パターンを有するレジストを得ることができる。次に、ウェハをエッチングする。このとき、レジストパターンの凹の部分が選択的にエッチングされる。最後に、レジストを剥離すると、表面に凹凸パターンを有するウェハが得られる。
表面に凹凸パターンを有し、該凹凸パターンの少なくとも一部がシリコン元素を含むウェハとしては、ウェハ表面にシリコン、または、酸化ケイ素、窒化ケイ素などシリコン元素を含む膜が形成されたもの、あるいは、上記凹凸パターンを形成したときに、該凹凸パターンの表面の少なくとも一部がシリコン、または、酸化ケイ素、窒化ケイ素などシリコン元素を含むものが含まれる。なお、シリコンとしては、ポリシリコン、アモルファスシリコンが含まれる。また、シリコン元素を含む複数の成分から構成されたウェハ、シリコンカーバイドウェハ、及び、当該ウェハ上にシリコン元素を含む各種膜が形成されたものもウェハとして用いることができる。さらには、サファイアウェハ、各種化合物半導体ウェハ、プラスチックウェハなどシリコン元素を含まないウェハ上に、シリコン元素を含む各種膜が形成されたものであっても良い。
また、表面に凹凸パターンを有し、該凹凸パターンの少なくとも一部がシリコン元素を含むウェハは、シリコン、酸化ケイ素、および、窒化ケイ素から選ばれる少なくとも1つを含む複数の成分から構成されたウェハであってもよい。該複数の成分から構成されたウェハとしては、シリコン、酸化ケイ素、および、窒化ケイ素から選ばれる少なくとも1つがウェハ表面に形成したもの、あるいは、凹凸パターンを形成したときに、該凹凸パターンの少なくとも一部がシリコン、酸化ケイ素、および、窒化ケイ素から選ばれる少なくとも1つとなるものも含まれる。
以下、各工程について説明する。まず、凹凸パターンを有するウェハ表面(凹凸パターンの表面)に液体を供し、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に液体を保持する工程(工程1)を行う。
ここでは、液体として前処理用薬液を用いる場合を説明する。この場合、(工程1)では、凹凸パターンの表面に前処理用薬液を供給することにより、凹凸パターンの表面を改質する工程(以下、「前処理工程」と記載する)を行う。前処理工程では、酸をモル濃度で0.001〜5mol/L含み、pHが3以下である前処理用薬液を用いて、40℃以上、前処理用薬液の沸点未満の温度で凹凸パターンの表面を改質する。
凹凸パターンの表面に前処理用薬液を供給すると、前処理用薬液中の酸によって、凹凸パターンの表面に水酸基などの反応活性点が形成される。凹凸パターンの表面に水酸基などの反応活性点が多く存在すると、後述する(工程2)において、保護膜形成用薬液に含まれる保護膜を形成する化合物と、反応活性点とが反応しやすくなる。その結果、凹凸パターンの表面に撥水性の保護膜が形成されやすくなる。
凹凸パターンの表面に前処理用薬液を供給することは、特に、凹凸パターンの少なくとも一部が、窒化ケイ素および/またはシリコンから形成されている場合に適している。凹凸パターンが窒化ケイ素やシリコンから形成されている場合、前処理用薬液により凹凸パターンの表面が改質されていないと、凹凸パターンの表面に水酸基などの反応活性点が少ない。そのため、窒化ケイ素やシリコンから形成された凹凸パターンに保護膜形成用薬液を供給しても、凹凸パターンの表面に撥水性の保護膜が形成されにくくなる。しかし、酸を含む前処理用薬液によって凹凸パターンの表面を改質することにより、凹凸パターンが窒化ケイ素やシリコンから形成されている場合であっても、充分な撥水性を有する保護膜を凹凸パターンの表面に形成することができる。
なお、窒化ケイ素またはシリコンから形成される凹凸パターンは、たとえば、ウェハ表面に窒化ケイ素またはシリコンの膜を成膜した後、該窒化ケイ素またはシリコンの膜をエッチングすることにより形成することができる。また、窒化ケイ素またはシリコンから形成される凹凸パターンは、ウェハ表面に凹凸パターンを形成した後、該凹凸パターンに窒化ケイ素またはシリコンの膜を成膜することによっても形成することができる。
前処理工程では、40℃以上、前処理用薬液の沸点未満の温度で凹凸パターンの表面を改質するが、凹凸パターンの表面を改質する温度を調節する方法としては、前処理用薬液を加熱する方法、ウェハを加熱する方法などが挙げられる。
前処理用薬液に含まれる酸としては、有機酸や無機酸がある。無機酸の例としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などが挙げられる。有機酸の例としては、酢酸およびプロピオン酸などの脂肪族モノカルボン酸、マレイン酸およびフマル酸などの脂肪族ポリカルボン酸、安息香酸などの芳香族モノカルボン酸、フタル酸およびテレフタル酸などの芳香族ポリカルボン酸、メタンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸などの有機スルホン酸などが挙げられる。
凹凸パターンの表面を改質する効果(凹凸パターンの表面に水酸基などの反応活性点を形成する効果)を奏するために、前処理用薬液中の酸のモル濃度は、0.001〜5mol/Lであることが必要であるが、0.005〜2mol/Lであることが好ましい。
凹凸パターンの表面を改質する効果(凹凸パターンの表面に水酸基などの反応活性点を形成する効果)を奏するために、前処理用薬液のpHは、3以下である。また、前処理用薬液のpHは、0.1以上であることが好ましい。前処理用薬液のpHが0.1未満であると、前処理工程を行う前に予め前処理用薬液をイオン交換法により精製しにくくなり、精製コストが上昇する恐れが生じる。
前処理用薬液のpHは、前処理用薬液中のプロトン濃度を用いて、以下の式から求められる。
pH=−Log10[H
式中、Log10は10を底とする対数、[H]は25℃の前処理用薬液中のプロトン濃度を表しており、プロトン濃度の単位はmol/Lである。なお、前処理用薬液は、水溶液に限定されず、前処理用薬液の溶媒として有機溶媒のみが用いられている場合や、水と有機溶媒とが併用されている場合であっても、上記式によって求められる値を前処理用薬液のpHとする。特に、本明細書においては、前処理用薬液の溶媒が水のみの場合、または、水と有機溶媒とが混合されてなる場合、前処理用薬液のpHとは、25℃にした前処理用薬液をpHメーターにより測定した値をいうこととする。
前処理用薬液は、酸と該酸を溶解するための溶媒を含む液体であることが好ましい。溶媒としては、水および有機溶媒などが挙げられる。有機溶媒の種類は特に限定されないが、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、含ハロゲン溶媒、スルホキシド系溶媒、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコールの誘導体、含窒素化合物溶媒等が挙げられる。また、水および有機溶媒などの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。例えば、水と有機溶媒とを組み合わせて用いてもよいし、複数の有機溶媒を組み合わせて用いてもよい。
前記炭化水素類の例としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどがあり、前記エステル類の例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチルなどがあり、前記エーテル類の例としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどがあり、前記ケトン類の例としては、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどがあり、前記含ハロゲン溶媒の例としては、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン、ヘキサフルオロベンゼンなどのパーフルオロカーボン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、オクタフルオロシクロペンタン、2,3−ジハイドロデカフルオロペンタン、ゼオローラH(日本ゼオン製)などのハイドロフルオロカーボン、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、アサヒクリンAE−3000(旭硝子製)、Novec HFE−7100、Novec HFE−7200、Novec7300、Novec7600(いずれも3M製)などのハイドロフルオロエーテル、テトラクロロメタンなどのクロロカーボン、クロロホルムなどのハイドロクロロカーボン、ジクロロジフルオロメタンなどのクロロフルオロカーボン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンなどのハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテルなどがあり、前記スルホキシド系溶媒の例としては、ジメチルスルホキシドなどがあり、アルコール類の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどがあり、多価アルコール類の例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオールなどがあり、前記多価アルコールの誘導体の例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどがあり、含窒素化合物溶媒の例としては、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどがある。
前処理用薬液による改質効果を考慮すると、前処理工程の温度は高い方が好ましい。そのため、溶媒の沸点は高い方が好ましく、前処理用薬液の溶媒として水と有機溶媒の混合溶媒を用いる場合、或いは、有機溶媒を用いる場合、有機溶媒の沸点は100℃を超えるものを用いることが好ましい。これらを考慮すると、溶媒として多価アルコール類や多価アルコール類の誘導体を用いることが好ましい。
前処理用薬液では、該前処理用薬液の沸点未満の温度において、気泡が発生しないことが好ましい。前処理用薬液に気泡が発生すると、前処理用薬液の取り扱い性が困難になるという問題が生じる。これらを考慮すると、前処理用薬液は、溶媒として、オゾン(O)、過酸化水素(H)などの酸化剤を含まないことが好ましい。前処理用薬液に酸化剤が含まれている場合、前処理用薬液の温度が高くなると、酸化剤が分解して酸素が発生するからである。
以上を考慮すると、前処理用薬液の溶媒は、酸化剤を含まず、水のみ、有機溶媒のみ、または、水と有機溶媒のみからなることが好ましい。また、前処理用薬液の溶媒が、水と有機溶媒のみからなる場合、水と有機溶媒との比(水/有機溶媒)は、質量比で、水/有機溶媒=10/90〜90/10であることが好ましく、20/80〜60/40であることがより好ましい。
前処理用薬液の調製方法において、酸およびその溶液のうち少なくとも1つを精製することが好ましい。
前記精製は、モレキュラーシーブ等の吸着剤や蒸留等による水分濃度の調整、イオン交換樹脂や蒸留等によるNa、Mg、K、Ca、Mn、Fe及びCuの各元素の金属不純物の除去、及び、フィルターろ過によるパーティクル等の汚染物質の除去のうち少なくとも1つの除去手段を用いて行われるものである。前処理用薬液の活性やウェハの清浄度を考慮して、水分濃度を調整し、かつ、金属不純物を除去し、かつ、汚染物質を除去することが好ましく、除去する順番は問わない。
上述したように、(工程1)においては、凹凸パターン表面に水系洗浄液を供し、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に水系洗浄液を保持した後に、水系洗浄液を洗浄液Aで置換し、さらに、洗浄液Aを前処理用薬液で置換してもよい。また、前処理用薬液が水系洗浄液と置換可能である場合には、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に水系洗浄液を保持した後に、水系洗浄液を前処理用薬液で置換してもよい。
水系洗浄液または洗浄液Aを前処理用薬液に置換する場合、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に水系洗浄液または洗浄液Aが保持された状態で、該洗浄液を該前処理用薬液に置換していくことが好ましい。
また、(工程1)の後、(工程2)の前に、前処理用薬液とは異なる洗浄液を凹凸パターン表面に供してもよい。前処理用薬液とは異なる洗浄液としては水系洗浄液や洗浄液Aが挙げられる。この場合、凹凸パターンの表面に保護膜が形成されるまでは、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に液体が保持された状態が維持されていることが好ましい。
水系洗浄液の例としては、水、あるいは、水に有機溶媒、酸、アルカリのうち少なくとも1種が混合された水を主成分(例えば、水の含有率が50質量%以上)とするものが挙げられる。これらの中では、水が好ましい。
洗浄液Aの好ましい例としては、後述する保護膜形成用薬液、水、有機溶媒、あるいは、それらの混合物、あるいは、それらに酸、アルカリ、界面活性剤、酸化剤のうち少なくとも1種が混合されたもの等が挙げられる。
また、該洗浄液Aの好ましい例の一つである有機溶媒の例としては、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、含ハロゲン溶媒、スルホキシド系溶媒、アルコール類、多価アルコールの誘導体、含窒素化合物溶媒等が挙げられる。
前記炭化水素類の例としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどがあり、前記エステル類の例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチルなどがあり、前記エーテル類の例としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどがあり、前記ケトン類の例としては、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどがあり、前記含ハロゲン溶媒の例としては、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン、ヘキサフルオロベンゼンなどのパーフルオロカーボン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、オクタフルオロシクロペンタン、2,3−ジハイドロデカフルオロペンタン、ゼオローラH(日本ゼオン製)などのハイドロフルオロカーボン、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、アサヒクリンAE−3000(旭硝子製)、Novec HFE−7100、Novec HFE−7200、Novec7300、Novec7600(いずれも3M製)などのハイドロフルオロエーテル、テトラクロロメタンなどのクロロカーボン、クロロホルムなどのハイドロクロロカーボン、ジクロロジフルオロメタンなどのクロロフルオロカーボン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンなどのハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテルなどがあり、前記スルホキシド系溶媒の例としては、ジメチルスルホキシドなどがあり、アルコール類の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオールなどがあり、前記多価アルコールの誘導体の例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどがあり、含窒素化合物溶媒の例としては、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどがある。
また、該洗浄液Aに混合されることのある酸としては、無機酸や有機酸がある。無機酸の例としては、フッ酸、バッファードフッ酸、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸など、有機酸の例としては、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸などが挙げられる。該洗浄液Aに混合されることのあるアルカリとしては、アンモニア、コリンなどが挙げられる。該洗浄液Aに混合されることのある酸化剤としては、オゾン、過酸化水素などが挙げられる。
なお、該洗浄液Aが有機溶媒であれば、前記保護膜形成用薬液を水と接触させることなく凹部に供すことができるので好ましい。また、該洗浄液Aが酸水溶液を含んでいれば、後述する(工程2)において保護膜が短時間で形成できるので好ましい。
また、前記洗浄液Aとして、複数の洗浄液を用いても良い。例えば、前記酸水溶液を含む洗浄液と前記有機溶媒の洗浄液の2種類を用いることができる。
次に、前記液体を保護膜形成用薬液で置換し、該薬液を凹凸パターンの少なくとも凹部表面に保持する工程(工程2)を行う。具体的には、改質された凹凸パターンの表面に保護膜形成用薬液を供給することにより、凹凸パターンの表面に撥水性の保護膜を形成する工程(以下、「保護膜形成工程」と記載する)を行う。
本明細書において、保護膜とは、ウェハ表面に形成されることにより、該ウェハ表面の濡れ性を低くする膜、すなわち、撥水性を付与する膜のことをいう。また、撥水性とは、保護膜の表面エネルギーを低減させて、水やその他の液体と該保護膜表面との間(界面)で相互作用、例えば、水素結合、分子間力などを低減させる性質を意味する。保護膜においては、特に、水に対して相互作用を低減させる効果が大きいが、水と水以外の液体の混合液や、水以外の液体に対しても相互作用を低減させる効果を有する。該相互作用を低減させることにより、保護膜表面に対する液体の接触角を大きくすることができる。
保護膜形成工程において、保護膜は、保護膜形成用薬液に含まれる保護膜を形成する化合物と、凹凸パターンの表面に形成された水酸基などの反応活性点とが反応することにより、保護膜を形成する化合物がウェハのSi元素と化学的に結合することによって形成される。保護膜形成工程において、ウェハの凹部表面に撥水性の保護膜が形成されるので、後述する(工程3)において、ウェハの凹部から液体が除去されるとき、すなわち、ウェハが乾燥されるとき、該凹部表面の毛細管力が小さくなり、パターン倒れが生じにくくなる。
保護膜形成工程では、該工程(工程2)の前に凹部に保持されている液体を保護膜形成用薬液に置換し、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に該保護膜形成用薬液が保持されている間に、該凹凸パターンの少なくとも凹部表面に前記保護膜が形成される。保護膜形成工程において、保護膜は、必ずしも連続的に形成されていなくてもよく、また、必ずしも均一に形成されていなくてもよいが、より優れた撥水性を付与できるため、連続的に、また、均一に形成されていることがより好ましい。
図3は、洗浄工程にて凹部4が保護膜形成用薬液8を保持した状態の模式図を示している。図3の模式図のウェハは、図1のa−a’断面の一部を示すものである。保護膜形成工程の際に、保護膜形成用薬液が、凹凸パターン2が形成されたウェハ1に供される。この際、保護膜形成用薬液は図3に示したように凹部4に保持された状態となり、凹部4の表面に保護膜が形成されることにより該表面が撥水化される。
保護膜形成用薬液は、温度を高くすると、より短時間で撥水性の保護膜を形成しやすくなる。均質な保護膜を形成しやすい温度は、10℃〜保護膜形成用薬液の沸点未満であり、特には15℃〜保護膜形成用薬液の沸点より10℃低い温度で保持されることが好ましい。保護膜形成用薬液の温度は、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に保持されているときも当該温度に保持されることが好ましい。
なお、他の洗浄液についても、10℃以上、洗浄液の沸点未満の温度で保持しても良い。例えば、洗浄液Aが酸水溶液を含む、特に好ましくは酸水溶液と沸点が100℃以上の有機溶媒を含む溶液を用いる場合、洗浄液の温度を該洗浄液の沸点付近に高くすると、前記保護膜が短時間で形成しやすくなるので好ましい。
凹凸パターンの表面に撥水性の保護膜を形成することができるものであれば、保護膜形成用薬液に含まれる保護膜を形成する化合物(以下、「化合物A」とも記載する)の種類は特に限定されない。化合物Aの例としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリメチルシリルジエチルアミン(TMSDEA)、テトラメチルジシラザン、トリメチルシリルジメチルアミン、オクチルジメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、トリメチルクロロシラン、プロピルジメチルクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
保護膜形成用薬液は、触媒として酸Aを含んでもよい。保護膜形成用薬液中の酸Aは、前記化合物AとウェハのSi元素との反応を促進することに奏功する。該酸Aは、水を含有するものであると、保護膜形成用薬液中に含まれる水の増加につながり、前記保護膜が形成されにくくなる。このため、該酸Aは、水の含有量が少ないものほど好ましく、好ましい水の含有率は、35質量%以下であり、特に好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下であり、限りなく0質量%に近いことが理想的である。
保護膜形成用薬液において、酸Aの濃度は、前記化合物Aの総量100質量%に対して0.01〜20質量%であることが好ましい。添加量が少ないと酸の触媒効果が低下するので好ましくなく、過剰に多くしても触媒効果は向上せず、逆に、ウェハ表面を浸食したり、不純物としてウェハに残留する懸念もある。このため、前記酸Aの濃度は、前記化合物Aの総量100質量%に対して0.05〜10質量%であることが特に好ましい。
前記酸Aとしては、無機酸や有機酸がある。水の含有量が少ない無機酸の例としては、ハロゲン化水素、硫酸、過塩素酸、リン酸などがあり、有機酸の例としては、一部または全ての水素元素がフッ素元素等で置換されていても良いアルカンスルホン酸やカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などがある。
また、酸Aとしてはルイス酸も用いることができる。ルイス酸の定義については、例えば「理化学辞典(第五版)」に記載されている。ルイス酸としては、酸無水物、ホウ素化合物、ケイ素化合物がある。酸無水物の例としては、無水トリフルオロメタンスルホン酸などの無水アルカンスルホン酸、ならびに、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、および、無水ペンタフルオロプロピオン酸などの無水カルボン酸などが挙げられる。酸無水物においては、一部または全ての水素元素がフッ素元素等で置換されていても良い。ホウ素化合物の例としては、アルキルホウ酸エステル、アリールホウ酸エステル、トリス(トリフルオロアセトキシ)ホウ素、トリアルコキシボロキシン、トリフルオロホウ素などが挙げられる。ケイ素化合物の例としては、クロロシラン、一部または全ての水素元素がフッ素元素等で置換されていても良いアルキルシリルアルキルスルホネート、一部または全ての水素元素がフッ素元素等で置換されていても良いアルキルシリルエステルなどが挙げられる。なお、前記ケイ素化合物が用いられた場合、該ケイ素化合物で前記保護膜の少なくとも一部が形成されても良い。
また、保護膜形成用薬液において、前記化合物A及び酸Aは、溶媒によって希釈されてもよい。保護膜形成用薬液の総量100質量%に対して、化合物Aと酸Aの添加量の総和を、0.01〜100質量%とすると、前記凹凸パターンの少なくとも凹部表面に均一に保護膜を形成しやすくなるため好ましい。0.01質量%未満では、凹凸パターンの倒れ防止効果が不十分となる傾向がある。さらに好ましくは0.05〜50質量%である。
保護膜形成用薬液において希釈に用いられることのある溶媒としては、例えば、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、含ハロゲン溶媒、スルホキシド系溶媒、アルコール類、多価アルコールの誘導体、含窒素化合物溶媒などの有機溶媒が好適に使用される。この中でも、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、含ハロゲン溶媒、スルホキシド系溶媒、多価アルコールの誘導体のうちOH基を持たないものを用いると、前記凹凸パターン表面に保護膜を短時間に形成できるためより好ましい。
前記炭化水素類の例としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどがあり、前記エステル類の例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチルなどがあり、前記エーテル類の例としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどがあり、前記ケトン類の例としては、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどがあり、前記含ハロゲン溶媒の例としては、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン、ヘキサフルオロベンゼンなどのパーフルオロカーボン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、オクタフルオロシクロペンタン、2,3−ジハイドロデカフルオロペンタン、ゼオローラH(日本ゼオン製)などのハイドロフルオロカーボン、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、アサヒクリンAE−3000(旭硝子製)、Novec HFE−7100、Novec HFE−7200、Novec7300、Novec7600(いずれも3M製)などのハイドロフルオロエーテル、テトラクロロメタンなどのクロロカーボン、クロロホルムなどのハイドロクロロカーボン、ジクロロジフルオロメタンなどのクロロフルオロカーボン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンなどのハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテルなどがあり、前記スルホキシド系溶媒の例としては、ジメチルスルホキシドなどがあり、前記多価アルコールの誘導体でOH基を持たないものの例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどがある。
また、前記有機溶媒に不燃性のものを使うと、保護膜形成用薬液が不燃性になる、あるいは、引火点が高くなって、該薬液の危険性が低下するので好ましい。含ハロゲン溶媒は不燃性のものが多く、不燃性含ハロゲン溶媒は不燃性有機溶媒として好適に使用できる。
また、ウェハを回転させながら保護膜形成用薬液をウェハに供する場合、前記有機溶媒の沸点が低すぎると、前記保護膜形成用薬液がウェハ全面に濡れ広がる前に該薬液が乾燥しやすくなり好ましくない。また、沸点が高すぎると、前記薬液の粘性が高くなりすぎる傾向があり好ましくない。このため、前記有機溶媒は沸点が70〜220℃のものを用いるのが好ましい。このような溶媒としては、コストや他の洗浄液との溶解性(置換のしやすさ)を考慮すると、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノンなどが好ましい。
また、保護膜形成用薬液中の水分量は、該薬液総量に対し5000質量ppm以下であることが好ましい。水分量が5000質量ppm超の場合、前記化合物A及び酸Aの活性が低下し、前記保護膜を短時間で形成しにくくなる。従って、保護膜形成用薬液に含まれる化合物A、酸Aや、保護膜形成用薬液に含まれることのある溶媒は水を多く含まないものであることが好ましい。なお、保護膜形成用薬液中の水分量は、10ppm以上であってもよい。
また、保護膜形成用薬液中の液相での光散乱式液中粒子検出器によるパーティクル測定における0.5μmより大きい粒子の数が該薬液1mL当たり100個以下であることが好ましい。前記0.5μmより大きい粒子の数が該薬液1mL当たり100個超であると、パーティクルによるパターンダメージを誘発する恐れがありデバイスの歩留まり低下及び信頼性の低下を引き起こす原因となるため好ましくない。また、0.5μmより大きい粒子の数が該薬液1mL当たり100個以下であれば、前記保護膜を形成した後の、溶媒や水による洗浄を省略または低減できるため好ましい。このため、保護膜形成用薬液中の0.5μmより大きい粒子の該薬液1mL当たりの個数は少ないほど好ましいが、前記0.5μmより大きい粒子の数は、該薬液1mL当たり1個以上であってもよい。なお、保護膜形成用薬液中の液相でのパーティクル測定は、レーザを光源とした光散乱式液中粒子測定方式における市販の測定装置を利用して測定するものであり、パーティクルの粒径とは、PSL(ポリスチレン製ラテックス)標準粒子基準の光散乱相当径を意味する。
また、保護膜形成用薬液中のNa、Mg、K、Ca、Mn、Fe及びCuの各元素の金属不純物含有量が、該薬液総量に対し各100質量ppb以下であることが好ましい。前記の各元素の金属不純物としては、金属微粒子、イオン、コロイド、錯体、酸化物や窒化物といった形で、溶解、未溶解に係らず薬液中に存在するもの全てが対象となる。前記金属不純物含有量が、該薬液総量に対し100質量ppb超であると、デバイスの接合リーク電流が増大する恐れがありデバイスの歩留まりの低下及び信頼性の低下を引き起こす原因となるため好ましくない。また、前記金属不純物含有量が、該薬液総量に対し各100質量ppb以下であると、前記保護膜を形成した後の、溶媒や水による洗浄を省略または低減できるため好ましい。なお、前記金属不純物含有量は、該薬液総量に対し各0.01質量ppb以上であってもよい。
前記化合物Aと酸Aを混合して含有させる保護膜形成用薬液の調製方法において、混合前の化合物A、酸A、及び、混合後の混合液のうち少なくとも1つを精製することが好ましい。また、保護膜形成用薬液が溶媒を含有する場合は、前記の混合前の化合物A及び酸Aは、溶媒を含んだ溶液状態であってもよく、この場合、前記精製は、混合前の化合物Aまたはその溶液、酸Aまたはその溶液、及び、混合後の混合液のうち少なくとも1つを対象とするものであってもよい。
前記精製は、モレキュラーシーブ等の吸着剤や蒸留等による水分子の除去、イオン交換樹脂や蒸留等によるNa、Mg、K、Ca、Mn、Fe及びCuの各元素の金属不純物の除去、及び、フィルターろ過によるパーティクル等の汚染物質の除去のうち少なくとも1つの除去手段を用いて行われるものである。保護膜形成用薬液の活性やウェハの清浄度を考慮して、水分子を除去し、かつ、金属不純物を除去し、かつ、汚染物質を除去することが好ましく、除去する順番は問わない。
上述したように、(工程2)の後で、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に保持された保護膜形成用薬液を該薬液とは異なる洗浄液Bに置換した後に、(工程3)に移ってもよい。洗浄液Bの例としては、水系溶液からなる水系洗浄液、または、有機溶媒、または、前記水系洗浄液と有機溶媒の混合物、それらに酸、アルカリ、界面活性剤のうち少なくとも1種が混合されたもの、またはそれらに保護膜形成用薬液に含まれる化合物A、及び、酸Aが該薬液よりも低濃度になるように添加されたもの等が挙げられる。
また、該洗浄液Bの好ましい例の一つである有機溶媒の例としては、炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、含ハロゲン溶媒、スルホキシド系溶媒、アルコール類、多価アルコールの誘導体、含窒素化合物溶媒等が挙げられる。
前記炭化水素類の例としては、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどがあり、前記エステル類の例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチルなどがあり、前記エーテル類の例としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどがあり、前記ケトン類の例としては、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどがあり、前記含ハロゲン溶媒の例としては、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン、ヘキサフルオロベンゼンなどのパーフルオロカーボン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、オクタフルオロシクロペンタン、2,3−ジハイドロデカフルオロペンタン、ゼオローラH(日本ゼオン製)などのハイドロフルオロカーボン、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、アサヒクリンAE−3000(旭硝子製)、Novec HFE−7100、Novec HFE−7200、Novec7300、Novec7600(いずれも3M製)などのハイドロフルオロエーテル、テトラクロロメタンなどのクロロカーボン、クロロホルムなどのハイドロクロロカーボン、ジクロロジフルオロメタンなどのクロロフルオロカーボン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,2−ジクロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンなどのハイドロクロロフルオロカーボン、パーフルオロエーテル、パーフルオロポリエーテルなどがあり、前記スルホキシド系溶媒の例としては、ジメチルスルホキシドなどがあり、アルコール類の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオールなどがあり、前記多価アルコールの誘導体の例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどがあり、含窒素化合物溶媒の例としては、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどがある。
また、前記洗浄液Bへの置換を経て、該凹凸パターンの少なくとも凹部表面に水系溶液からなる水系洗浄液を保持した後に、(工程3)に移ってもよい。
また、前記洗浄液Bとして、複数の洗浄液を用いても良い。
水系洗浄液の例としては、水、あるいは、水に有機溶媒、酸、アルカリのうち少なくとも1種が混合された水を主成分(例えば、水の含有率が50質量%以上)とするものが挙げられる。特に、水系洗浄液に水を用いると、保護膜形成用薬液によって撥水化された凹凸パターンの少なくとも凹部表面の該液との接触角θが大きくなって該凹部表面の毛細管力Pが小さくなり、さらに乾燥後にウェハ表面に汚れが残りにくくなるので好ましい。
保護膜形成用薬液により撥水性の保護膜が形成された凹部4に液体が保持された場合の模式図を図4に示す。図4の模式図のウェハは、図1のa−a’断面の一部を示すものである。凹凸パターン表面は、前記保護膜形成用薬液により保護膜10が形成され撥水化されている。そして、該保護膜10は、液体9が凹凸パターン表面から除去されるときもウェハ表面に保持される。
前記凹凸パターン表面から液体が除去されるときに、該表面に保持されている液体は、保護膜形成用薬液、洗浄液B、水系洗浄液、及びそれらの混合液でもよい。なお、前記薬液を含む混合液は、前記薬液を洗浄液Bに置換する途中の状態の液でもよいし、あらかじめ前記薬液を該薬液とは異なる洗浄液に混合して得た混合液でもよい。また、前記凹凸パターン表面から液体が一旦除去された後で、前記凹凸パターン表面に、洗浄液B、水系洗浄液、および、それらの混合液から選ばれる少なくとも1つを保持させて、その後、乾燥しても良い。
ウェハの凹凸パターンの少なくとも凹部表面に、保護膜形成用薬液により前記保護膜10が形成されたとき、該表面に水が保持されたと仮定したときの接触角は60〜120°であると、パターン倒れが発生し難いため好ましい。また、接触角は90°に近いほど該凹部表面の毛細管力が小さくなり、パターン倒れが更に発生し難くなるため、70〜110°が特に好ましい。また、毛細管力は2.1MN/m以下であることが好ましい。該毛細管力が2.1MN/m以下であれば、パターン倒れが発生し難いため好ましい。また、該毛細管力が小さくなると、パターン倒れは更に発生し難くなるため、該毛細管力は1.6MN/m以下が特に好ましく、1.1MN/m以下がさらに好ましい。さらに、液体との接触角を90°付近に調整して毛細管力を限りなく0.0MN/mに近づけることが理想的である。
凹凸パターン表面から液体を除去する工程(工程3)では、例えば、凹凸パターン表面に保持された液体を乾燥により除去する。当該乾燥は、スピン乾燥法、IPA(2−プロパノール)蒸気乾燥、マランゴニ乾燥、加熱乾燥、温風乾燥、真空乾燥などの周知の乾燥方法によって行うことが好ましい。
次に、保護膜を除去する工程(工程4)を行う。前記保護膜を除去する場合、該保護膜中のC−C結合、C−F結合を切断することが有効である。その方法としては、前記結合を切断できるものであれば特に限定されないが、例えば、ウェハ表面を光照射すること、ウェハを加熱すること、ウェハをオゾン曝露すること、ウェハ表面にプラズマ照射すること、ウェハ表面にコロナ放電すること等が挙げられる。
光照射で前記保護膜を除去する場合、該保護膜中のC−C結合、C−F結合を切断することが有効であり、このためには、それらの結合エネルギーである83kcal/mol、116kcal/molに相当するエネルギーである340nm、240nmよりも短い波長を含む紫外線を照射することが好ましい。この光源としては、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、エキシマランプ、カーボンアークなどが用いられる。
また、光照射で前記保護膜を除去する場合、紫外線で前記保護膜の構成成分を分解すると同時にオゾンを発生させ、該オゾンによって前記保護膜の構成成分を酸化揮発させると、処理時間が短くなるので特に好ましい。この光源としては、低圧水銀ランプやエキシマランプが用いられる。また、光照射しながらウェハを加熱してもよい。
ウェハを加熱する場合、400〜700℃、好ましくは、500〜700℃でウェハの加熱を行う。この加熱時間は、0.5〜60分、好ましくは1〜30分の保持で行うことが好ましい。また、当該工程では、オゾン曝露、プラズマ照射、コロナ放電などを併用してもよい。また、ウェハを加熱しながら光照射を行ってもよい。
ウェハをオゾン曝露する場合、低圧水銀灯などによる紫外線照射や高電圧による低温放電等で発生させたオゾンをウェハ表面に供することが好ましい。ウェハをオゾン曝露しながら光照射してもよいし、加熱してもよい。
前記のウェハ表面の保護膜を除去する工程では、光照射処理、加熱処理、オゾン曝露処理、プラズマ照射処理、コロナ放電処理などを組み合わせることによって、効率的にウェハ表面の保護膜を除去することができる。
ウェハの表面を凹凸パターンを有する面とすること、凹凸パターンの少なくとも凹部表面に保持された洗浄液を他の洗浄液で置換することは、他の文献等にて種々の検討がなされ、既に確立された技術であるので、本発明では、前記保護膜形成用薬液の評価を中心に行った。また、背景技術等で述べた式
P=2×γ×cosθ/S
(式中、γは凹部に保持されている液体の表面張力、θは凹部表面と凹部に保持されている液体のなす接触角、Sは凹部の幅である。)
から明らかなように、パターン倒れは、洗浄液のウェハ表面への接触角、すなわち、液滴の接触角と、洗浄液の表面張力に大きく依存する。凹凸パターン2の凹部4に保持された洗浄液の場合、液滴の接触角と、パターン倒れと等価なものとして考えてよい該凹部に働く毛細管力とは相関性があるので、前記式と保護膜10の液滴の接触角の評価から毛細管力を導き出してもよい。なお、実施例において、前記洗浄液として、水系洗浄液の代表的なものである水を用いた。上記の式より、接触角が90°に近いほど該凹部に働く毛細管力が小さくなり、パターン倒れが発生し難くなるため、前記保護膜表面に水が保持されたと仮定したときの接触角は60〜120°が好ましく、70〜110°が特に好ましい。
水滴の接触角の評価は、JIS R 3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」にもあるように、サンプル(基材)表面に数μlの水滴を滴下し、水滴と基材表面のなす角度の測定によりなされる。しかし、パターンを有するウェハの場合、接触角が非常に大きくなる。これは、Wenzel効果やCassie効果が生じるからで、接触角が基材の表面形状(ラフネス)に影響され、見かけ上の水滴の接触角が増大するためである。そのため、表面に凹凸パターンを有するウェハの場合、該凹凸パターン表面に形成された前記保護膜10自体の接触角を正確に評価できない。
そこで、本実施例では前記薬液を表面が平滑なウェハに供して、ウェハ表面に保護膜を形成して、該保護膜を表面に凹凸パターン2が形成されたウェハ1の表面に形成された保護膜10とみなし、種々評価を行った。なお、本実施例では、表面が平滑なウェハとして、表面に熱酸化膜(SiO膜)層または窒化ケイ素膜(SiN膜)層を有する、表面が平滑なシリコンウェハを用いた。従って、本実施例では、表面が平滑なウェハに対する種々評価結果に基づき、下記工程を含む本発明に対する適用がなされた。
凹凸パターン表面に前処理用薬液を供給する工程(ここでは、本工程を「前処理」と表記する。)
凹凸パターン表面に保護膜形成薬液を供給して撥水性の保護膜を形成する工程
〔ウェハの評価方法〕
本実施例では、前記両工程が施されたウェハの評価方法として、以下の(1)〜(3)の評価を行った。
(1)ウェハ表面に形成された保護膜の接触角評価
保護膜が形成されたウェハ表面上に純水約2μlを置き、水滴とウェハ表面とのなす角(接触角)を接触角計(協和界面科学製:CA−X型)で測定した。ここでは保護膜の接触角が60〜120°の範囲であったものを合格とした。
(2)保護膜の除去性
以下の条件で低圧水銀灯のUV光をサンプルに1分間照射した。照射後に水滴の接触角が10°以下となったものを合格(表1中で○と表記)とした。
・ランプ:セン特殊光源製PL2003N−10
・照度:15mW/cm(光源からサンプルまでの距離は10mm)
(3)保護膜除去後のウェハの表面平滑性評価
原子間力電子顕微鏡(セイコ−電子製:SPI3700、2.5μm四方スキャン)によって表面観察し、中心線平均面粗さ:Ra(nm)を求めた。なお、Raは、JIS B 0601で定義されている中心線平均粗さを測定面に対し適用して三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」として次式で算出した。保護膜を除去した後のウェハのRa値が1nm以下であれば、洗浄によってウェハ表面が浸食されていない、および、前記保護膜の残渣がウェハ表面にないとし、合格(表1中で○と表記)とした。
Figure 0005830931
ここで、X、X、Y、Yは、それぞれ、X座標、Y座標の測定範囲を示す。Sは、測定面が理想的にフラットであるとした時の面積であり、(X−X)×(Y−Y)の値とした。また、F(X,Y)は、測定点(X,Y)における高さ、Zは、測定面内の平均高さを表す。
[実施例1]
(1)保護膜形成用薬液の調製
化合物Aとしてヘキサメチルジシラザン(HMDS);3g、酸Aとしてトリフルオロ酢酸(TFA);0.1g、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA);96.9gを混合し、約5分撹拌して保護膜形成用薬液を得た。
(2)ウェハの洗浄
平滑なSiO膜付きシリコンウェハ(表面に厚さ1μmの熱酸化膜層を有するシリコンウェハ、以下単に「SiO膜」と記載する場合がある)を1質量%のフッ酸水溶液に2分浸漬し、次いで純水に1分、2−プロパノールに1分浸漬した。また、LP−CVDで作製した平滑なSiN膜付きシリコンウェハ(表面に厚さ50nmの窒化ケイ素膜を有するシリコンウェハ、以下単に「SiN膜」と記載する場合がある)を1質量%のフッ酸水溶液に2分浸漬し、次いで純水に1分、28質量%アンモニア水:30質量%過酸化水素水:水を1:1:5の体積比で混合した洗浄液に1分、純水に1分浸漬した。
(3)前処理
前処理用薬液として、1mol/L塩酸(表1中、HClと記載)水溶液(実測pHは、0.1)を、予めイオン交換法、及び、フィルターろ過で精製したものを用い、ホットプレートで液温が60℃となるように加熱した。その後、前記洗浄を行ったSiO膜付きシリコンウェハおよびSiN膜付きシリコンウェハを、それぞれ前処理用薬液に1分浸漬して前処理を行った。その後、各ウェハを純水に1分浸漬した。なお、前処理用薬液のpHは、前処理用薬液を25℃恒温槽に1時間放置した後、pHメーター(アズワン社製、ラコムテスターpH計 pH1100)を用いて測定した。
(4)ウェハ表面への保護膜形成用薬液による表面処理
前処理を行ったSiO膜付きシリコンウェハおよびSiN膜付きシリコンウェハを、それぞれ2−プロパノールに1分浸漬した後、上記「(1)保護膜形成用薬液の調製」で調製した保護膜形成用薬液に20℃で1分浸漬させた。その後、各ウェハを2−プロパノールに1分浸漬し、次いで、純水に1分浸漬した。最後に、各ウェハを純水から取出し、エアーを吹き付けて、表面の純水を除去した。
得られた各ウェハを上記「ウェハの評価方法」に記載した要領で評価した。以下、SiO膜付きシリコンウェハについて言及する場合は、単に「SiO膜」と記載し、SiN膜付きシリコンウェハについて言及する場合は、単に「SiN膜」と記載する。評価結果は表1に示すとおり、SiO膜では、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は88°となり、撥水性付与効果を示した。また、UV照射後の接触角は10°未満であり保護膜は除去できた。さらに、UV照射後のウェハのRa値は0.5nm未満であり、洗浄時にウェハは侵食されず、さらにUV照射後に保護膜の残渣は残らないことが確認できた。
また、SiN膜では、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は69°となり、撥水性付与効果を示した。また、UV照射後の接触角は10°未満であり保護膜は除去できた。さらに、UV照射後のウェハのRa値は0.5nm未満であり、洗浄時にウェハは侵食されず、さらにUV照射後に保護膜の残渣は残らないことが確認できた。
このように、60℃に加熱した1mol/L塩酸水溶液により前処理を行うと、ウェハ表面に水酸基の多いSiO膜付きシリコンウェハ、ウェハ表面に水酸基の少ないSiN膜付きシリコンウェハのどちらに対しても良好な撥水性付与効果が得られ、効率的に洗浄が行えることが確認できた。
Figure 0005830931
[実施例2〜18]
実施例1で用いた前処理用薬液の酸、酸濃度、溶媒、pH、温度や、保護膜形成用薬液の表面処理の温度、時間などの条件を適宜変更して、ウェハの表面処理を行い、さらにその評価を行った。結果を表1に示す。
なお、表1中で、HNOは硝酸、CHCOOHは酢酸、HOOCCHCHCOOHはマレイン酸を意味し、水/EG=60/40は水/エチレングリコールが60/40の質量比で混合された溶媒を意味し、水/EG=20/80は水/エチレングリコールが20/80の質量比で混合された溶媒を意味し、HMDS/TFA/PGMEAは実施例1と同様の組成比の保護膜形成用薬液を意味する。
[比較例1]
前処理を行わなかった以外はすべて実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。SiO膜では、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は91°となり、撥水性付与効果を示した。また、UV照射後の接触角は10°未満であり保護膜は除去できた。さらに、UV照射後のウェハのRa値は0.5nm未満であり、洗浄時にウェハは侵食されず、さらにUV照射後に保護膜の残渣は残らないことが確認できた。
一方、SiN膜では、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は47°となり、撥水性付与効果が充分では無かった。
比較例1の評価結果より、前処理を行わない場合、表面に存在する水酸基などの反応活性点の量がほとんど変化しないため、元来ウェハ表面に水酸基の少ないSiN膜付きシリコンウェハでは、撥水性の保護膜が充分に形成されないと考えられる。
[比較例2]
前処理用薬液として、0.0005mol/L塩酸水溶液(実測pHは、3.5)を用いた以外はすべて実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。SiO膜では、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は88°となり、撥水性付与効果を示した。また、UV照射後の接触角は10°未満であり保護膜は除去できた。さらに、UV照射後のウェハのRa値は0.5nm未満であり、洗浄時にウェハは侵食されず、さらにUV照射後に保護膜の残渣は残らないことが確認できた。
一方、SiN膜では、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は59°となり、撥水性付与効果が充分では無かった。
[比較例3]
前処理用薬液として、0.01mol/L酢酸水溶液(実測pHは、3.6)を用いた以外はすべて実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。SiO膜では、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は89°となり、撥水性付与効果を示した。また、UV照射後の接触角は10°未満であり保護膜は除去できた。さらに、UV照射後のウェハのRa値は0.5nm未満であり、洗浄時にウェハは侵食されず、さらにUV照射後に保護膜の残渣は残らないことが確認できた。
一方、SiN膜では、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は58°となり、撥水性付与効果が充分では無かった。
比較例2および3の評価結果より、前処理用薬液中の酸濃度が低すぎる場合、または、前処理用薬液のpHの値が大きすぎる場合、ウェハ表面を改質する効果が弱くなるため、元来ウェハ表面に水酸基の少ないSiN膜付きシリコンウェハでは、撥水性の保護膜が充分に形成されないと考えられる。
[比較例4]
前処理用薬液として、7mol/L塩酸水溶液(実測pHは、0.0)を用いた。しかし、前処理用薬液の酸濃度が高過ぎるため、イオン交換法による該前処理用薬液の精製を行うことが出来なかった。
[比較例5]
1mol/L塩酸水溶液;90g、30%過酸化水素(以下、Hと記載)水溶液;10gを混合し、5分撹拌して、前処理用薬液(実測pHは、0.0)とした。前処理用薬液中の塩酸濃度は0.9mol/L、溶媒の組成は水/H=97/3(質量比)である。前処理用薬液をホットプレートで液温が90℃となるように加熱したところ、気泡が発生した。これは、過酸化水素が分解して酸素が発生したものと考えられる。上記気泡の発生により、前処理を行うことができなかった。
[比較例6]
前処理用薬液を、30℃で用いた以外はすべて実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。SiO膜では、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は87°となり、撥水性付与効果を示した。また、UV照射後の接触角は10°未満であり保護膜は除去できた。さらに、UV照射後のウェハのRa値は0.5nm未満であり、洗浄時にウェハは侵食されず、さらにUV照射後に保護膜の残渣は残らないことが確認できた。
一方、SiN膜では、表面処理前の初期接触角が10°未満であったものが、表面処理後の接触角は51°となり、撥水性付与効果が充分では無かった。
比較例2の評価結果より、前処理用薬液の温度が低すぎる場合、ウェハ表面を改質する効果が弱くなるため、元来ウェハ表面に水酸基の少ないSiN膜付きシリコンウェハでは、撥水性の保護膜が充分に形成されないと考えられる。
本実施例では、ウェハ表面に水酸基の少ないウェハとして、SiN膜付きシリコンウェハを用いた。しかし、ポリシリコンなどのシリコン膜付きシリコンウェハを用いた場合においても、SiN膜付きシリコンウェハを用いた場合と同様の結果が得られると想定される。
1 ウェハ
2 ウェハ表面の凹凸パターン
3 パターンの凸部
4 パターンの凹部
5 凹部の幅
6 凸部の高さ
7 凸部の幅
8 凹部4に保持された保護膜形成用薬液
9 凹部4に保持された液体
10 保護膜(撥水性の保護膜)

Claims (5)

  1. 表面に凹凸パターンを有し、該凹凸パターンの少なくとも一部がシリコン元素を含むウェハの表面に前処理用薬液を供給することにより、凹凸パターンの表面に水酸基生じさせるように改質する、前処理工程、および、
    改質された凹凸パターンの表面に、水酸基と反応するシランカップリング剤を含む保護膜形成用薬液を供給することにより、凹凸パターンの表面に撥水性の保護膜を形成する、保護膜形成工程
    を少なくとも含むウェハの洗浄方法であって、
    前記前処理工程では、酸をモル濃度で0.001〜5mol/L含み、pHが3以下である前処理用薬液を用いて、40℃以上、前処理用薬液の沸点未満の温度で凹凸パターンの表面を改質することを特徴とする、ウェハの洗浄方法。
  2. 前記前処理用薬液中に含まれる酸が、有機酸であることを特徴とする、請求項1に記載のウェハの洗浄方法。
  3. 前記凹凸パターンの少なくとも一部が、窒化ケイ素および/またはシリコンから形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のウェハの洗浄方法。
  4. 前記シランカップリング剤が、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシリルジエチルアミン、テトラメチルジシラザン、トリメチルシリルジメチルアミン、オクチルジメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルイミダゾール、トリメチルクロロシラン、プロピルジメチルクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、及びトリメチルエトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のウェハの洗浄方法。
  5. 前記保護膜形成用薬液が酸をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のウェハの洗浄方法。
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