JP2008189836A - 撥水性領域のパターンを有する処理基材、その製造方法、および機能性材料の膜からなるパターンが形成された部材の製造方法 - Google Patents

撥水性領域のパターンを有する処理基材、その製造方法、および機能性材料の膜からなるパターンが形成された部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コントラストの高い撥水性領域を表面に有する処理基材、その製造方法、の提供。
【解決手段】基材の表面に撥水性領域のパターンを有する処理基材であって、撥水性領域は、ケイ素原子に1個の含フッ素有機基と3個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物を含む加水分解性シラン化合物の加水分解縮合物と(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを含む硬化性組成物を硬化させた撥水性硬化膜からなる。
また、基材の表面に上記硬化性組成物を含む塗膜を形成する工程、該塗膜の表面の一部に光を照射して、光照射された部分の硬化性組成物を硬化させて撥水性硬化膜を形成する工程、基材の表面に存在する未硬化の硬化性組成物を除去する工程、を含む上記処理基材の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面に撥水性領域のパターンを有する処理基材、該基材の製造方法、該処理基材を用いて機能性材料の膜からなるパターンが形成された部材を製造する方法に関する。
半導体素子、ディスプレイ、発光素子などの分野において、多くの機能性薄膜が実用化されている。機能性薄膜は、所望の特性を有する機能性材料を所望位置に配置させてパターン化したものである。該薄膜は、配線、電極、絶縁層、発光層、および光学薄膜等として利用される。
たとえば、フォトリソグラフィにより得たフォトレジストパターンはその一例である。しかしフォトリソグラフィの工程は複雑で、エネルギー、材料等の利用効率が低い。また、クリーンルーム内で実施するために設備コストが高価となる問題がある。
フォトリソグラフィの問題を解決する方法として、インクジェット法が提案されている。しかしインクジェット法は、位置精度が低く、高精細なパターンの形成が困難であるため、予め基材表面上に、インクを受容しない撥水性領域とインクを受容する親水性領域をもつ撥水・親水パターンの下地膜を形成させて位置精度を上げる下記の方法が提案されている。
(1)基材の親水性の表面に、フッ化アルキルシランからなる薄膜を化学気相蒸着法で形成し、ついで紫外光を照射しフッ化アルキルシランからなる薄膜を分解・除去する方法(特許文献1参照)。該方法で得られた基材は、非光照射部が撥水性領域となり、光照射部位が親水性領域になる。
(2)酸化チタン等の光触媒を用いて、長波長の紫外線照射により撥水性の薄膜を分解する方法(特許文献2参照)。
特開2000−282240号公報 特開平11−344804号公報
上記(1)の方法は、200nm未満の高エネルギー光による、長時間の光の照射を必要とする。また、該方法は大規模な設備、真空装置、高エネルギー光源等の特別な装置も必要とする。さらに、該方法は200nm以下の高エネルギー光が用いられるため、パターンの薄膜中の有機物までもが分解し、親水性領域と撥水性領域のコントラストの低いパターンとなることがある。上記(2)の方法においても、薄膜中の有機物を分解する問題がある。
本発明は、コントラストの高い撥水性領域を表面に有する処理基材の提供を目的とする。また本発明は、該処理基材を、特別な装置や高エネルギー光、長時間の光の照射を必須とせず、低光量により短時間で製造できる方法の提供を目的とする。さらに本発明は、該処理基材を用いて、機能性材料の膜からなるパターンが形成された部材を製造する方法の提供を目的とする。
本発明は、基材の表面に撥水性領域のパターンを有する処理基材であって、撥水性領域は、下記生成物(A1)を、または、下記生成物(A2)と化合物(b)との混合物を、含む硬化性組成物を硬化させた撥水性硬化膜からなることを特徴とする処理基材を提供する。
生成物(A1):ケイ素原子に1個の含フッ素有機基と3個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−1)、ケイ素原子にp個(pは0、1または2の整数)の炭化水素基と(4−p)個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−2)、および、ケイ素原子にq個(qは1または2)のアクリロイル基およびメタクリロイル基から選ばれた重合性官能基を有する有機基とr個(rは0または1であって、q+rが1または2となる数)の炭化水素基と(4−q−r)個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−3)、の少なくとも3種の加水分解性シラン化合物の加水分解縮合生成物。
生成物(A2):ケイ素原子に1個の含フッ素有機基と3個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−1)、および、ケイ素原子にp個(pは0、1または2)の炭化水素基と(4−p)個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−2)の少なくとも2種の加水分解性シラン化合物の加水分解縮合生成物。
化合物(b):アクリロイル基およびメタクリロイル基から選ばれた重合性官能基の1個以上を有する化合物。
上記加水分解性シラン化合物(a−1)は下記式(a1)で表される化合物であり、上記加水分解性シラン化合物(a−2)は下記式(a2)で表される化合物であり、上記加水分解性シラン化合物(a−3)は下記式(a3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2008189836
上記式(a1)〜(a3)中の記号は、以下の通りである。
は、炭素数1以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基または該基を部分構造として持つ有機基。
は、炭化水素基。
Qは、アクリロイル基およびメタクリロイル基から選ばれた重合性官能基の1個以上を部分構造として持つ有機基。
Xは、加水分解性基。
pは0、1または2。qは1または2。rは0または1であって、q+rが1または2となる数。
上記硬化性組成物は、光重合開始剤(c)を含むことが好ましい。
本発明の処理基材は、撥水性領域以外の表面の水に対する接触角が50度以下であり、撥水性領域の水に対する接触角が70度以上であることが好ましい。
本発明の処理基材は、撥水性の膜の膜厚が0.1〜100nmであることが好ましい。
また本発明は、基材の表面に上記硬化性組成物を含む塗膜を形成する工程、ついで該塗膜の表面の一部に光を照射して、光照射された部分の硬化性組成物を硬化させて撥水性硬化膜を形成する工程、ついで基材の表面に存在する未硬化の硬化性組成物を除去する工程、を含むことを特徴とする、基材の表面に撥水性硬化膜からなる撥水性領域のパターンを有する処理基材の製造方法。
本発明の処理基材の製造方法においては、200nm以上の波長を有する光を照射することが好ましい。
また本発明は、上記本発明の処理基材の表面に機能性材料を含む液を供給して、撥水性領域以外の表面に該液を付着させる工程、ついで乾燥させることによって機能性材料の膜からなるパターンを形成させる工程、を含むことを特徴とする、機能性材料の膜からなるパターンが形成された部材の製造方法を提供する。
また本発明は、上記本発明の処理基材の表面に機能性材料を含む液を供給して、撥水性領域以外の表面に該液を付着させる工程、ついで乾燥させることによって機能性材料の膜からなるパターンを形成させる工程、ついで撥水性の膜を除去する工程、を含むことを特徴とする、機能性材料の膜からなるパターンが形成された部材の製造方法を提供する。
本発明の処理基材は、コントラストの高い撥水性領域を表面に有する。本発明の処理基材における撥水性領域は、特定の硬化性組成物を硬化させた撥水性硬化膜からなるため、水だけでなく有機溶剤に対しても撥液性(撥油性)を奏する。撥水性領域が有機溶剤に対して撥液性を奏するため、相対的に撥水性領域以外の表面は有機溶剤に対して親液性を奏する。
本発明の処理基材の製造法によれば、大規模な設備、真空装置および高エネルギー光源を用いることなく、簡便な装置および光源を用い、低光量により短時間で、処理基材を製造できる。
本発明の処理基材を用いて、簡便に機能性材料の膜からなるパターンが形成された部材を得ることができ、多くの用途に使用することができる。処理基材の撥水性領域は撥油性にも優れることから、特に有機溶剤に溶解または分散した機能性材料を含む液を用いてデバイスを作製する際に有用である。
以下、アクリロイル基またはメタクリロイル基から選ばれた重合性官能基を意味する用語として(メタ)アクリロイル基を使用する。(メタ)アクリレートとはアクリレートとメタクリレートの両者を意味する総称として使用する。
<生成物(A1)、生成物(A2)>
本発明における硬化性組成物は、生成物(A1)を、または、生成物(A2)と化合物(b)との混合物を、含む硬化性組成物である。生成物(A1)および生成物(A2)は加水分解性シラン化合物の加水分解縮合生成物であり、それ自身分子量分布を有する組成物である。この加水分解縮合生成物は常温で液体または溶媒溶解性の固体であり、通常シリコーンレジンと呼ばれる硬化性シリコーンの1種である。硬化性シリコーンは3官能性モノマーと2官能性モノマーの加水分解縮合により得られ、場合により少量の4官能性モノマーや1官能性モノマーが併用される。官能性の数は1つのケイ素原子に結合した加水分解性基の数、および場合により1つのケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)やシラノール基となりうる結合の数などとの合計数をいう。
生成物(A1)は少なくとも3種のモノマーの加水分解縮合により得られる硬化性シリコーンであり、含フッ素有機基と(メタ)アクリロイル基を有する有機基と炭化水素基を有する。生成物(A2)は少なくとも2種のモノマーの加水分解縮合により得られる硬化性シリコーンであり、含フッ素有機基と炭化水素基を有する。これら有機基は、ケイ素原子に結合する結合手が炭素原子の結合手であるものをいう。生成物(A1)と生成物(A2)は(メタ)アクリロイル基を有する有機基の有無で区別されるものである。
加水分解性シラン化合物(a−1)は3官能性のモノマーである。加水分解性シラン化合物(a−2)は(4−p)官能性のモノマーであり、加水分解性シラン化合物(a−3)は(4−q−r)官能性のモノマーである。加水分解性シラン化合物(a−2)は、pが0である4官能性モノマー、またはpが1である3官能性モノマーであることが好ましい。加水分解性シラン化合物(a−2)は2種以上を併用できる。その場合、4官能性モノマーおよび/または3官能性モノマーとともに2官能性モノマーを併用することもできる。加水分解性シラン化合物(a−3)は、qが1でrが1の2官能性モノマー、またはqが1でrが0の3官能性モノマーであることが好ましい。加水分解性シラン化合物(a−3)も2種以上を併用でる。
生成物(A1)や生成物(A2)は上記以外のモノマーを共縮合したものであってもよい。他のモノマーとしては、例えば、ケイ素原子に3個の炭化水素基と1個の加水分解性基が結合した1官能性の加水分解性シラン化合物、ヘキサメチルジシロキサンなどの1官能性シロキサン単位となりうるオルガノジシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状オルガノポリシロキサン、シランカップリング剤と呼ばれる官能基含有有機基を有する加水分解性シラン化合物(上記加水分解性シラン化合物(a−1)〜(a−3)を除く)などがある。特に、加水分解縮合生成物の分子量調節剤として機能する1官能性加水分解性シラン化合物やオルガノジシロキサンを併用することが好ましい。1官能性の加水分解性シラン化合物として、ケイ素原子に1個の含フッ素有機基と2個の炭化水素基と1個の加水分解性基が結合した含フッ素有機基を有する1官能性加水分解性シラン化合物を使用することができる。また、ケイ素原子に1個の(メタ)アクリロイル基を有する有機基と2個の炭化水素基と1個の加水分解性基が結合した1官能性加水分解性シラン化合物を使用することもできる。また、(メタ)アクリロイル基を有する有機基や含フッ素有機基を有するオルガノジシロキサンを使用することもできる。これら1官能性シロキサン単位となりうるシラン化合物を併用することにより、これら有機基の含有割合を高めることができる。また、これら有機基を有していない1官能性加水分解性シラン化合物やオルガノジシロキサンを使用することもできる。
上記加水分解性シラン化合物(a−1)は下記式(a1)で表される化合物[以下、化合物(a1)という]が好ましい。上記加水分解性シラン化合物(a−2)は下記式(a2)で表される化合物[以下、化合物(a2)という]が好ましい。上記加水分解性シラン化合物(a−3)は下記式(a3)で表される化合物[以下、化合物(a3)という]であることが好ましい。
Figure 2008189836
上記式(a1)〜(a3)中の記号は、以下の通りである。
は、炭素数1以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基または該基を部分構造として持つ有機基。
は、炭化水素基。
Qは、アクリロイル基およびメタクリロイル基から選ばれた重合性官能基の1個以上を部分構造として持つ有機基。
Xは、加水分解性基。
pは0、1または2。qは1または2。rは0または1であって、q+rが1または2となる数。
なお、式(a1)において3個のXは互いに異なっていてもよい。式(a2)においてp=2の場合2個のRは互いに異なっていてもよく、p=0の場合4個のXは互いに異なっていてもよく、p=1の場合3個のXは互いに異なっていてもよく、p=2の場合2個のXは互いに異なっていてもよい。式(a3)においてq=2の場合2個のQは互いに異なっていてもよく、q+r=1の場合3個のXは互いに異なっていてもよく、q+r=2の場合2個のXは互いに異なっていてもよい。
上記に加え、下記式(a4)で表される加水分解性シラン化合物[以下、化合物(a4)という]または下記式(a5)で表されるオルガノジシロキサン[以下、化合物(a5)という]を併用することが好ましい。これらは1官能性のシロキサン単位を生成しうるシラン化合物(a−5)である。ただし、下記WがQである化合物を併用して得られる加水分解縮合生成物は、Qを有することより生成物(A1)である。
Figure 2008189836
上記式(a4)、(a5)中のW以外の記号は、上記式と同一である。Wは上記R、RまたはQを表す。なお、式(a4)において2個のR(WがRの場合は3個のR)は互いに異なっていてもよく、式(a5)において4個のR(WがRの場合は5または6個のR)は互いに異なっていてもよい。
生成物(A1)および生成物(A2)におけるR基およびR基は、撥水性を発現する基であり、主にR基によって撥油性が発現される。これら生成物の硬化物が充分な撥油性を発現するのは、撥油性を損なうR基が結合していないケイ素原子に結合したR基が存在するためと考えられる。また、これら生成物の硬化物が充分な撥油性を発現するには、これら生成物中のR基とR基に対するR基の相対的割合が高いことが好ましい。炭素数の少ないR基は撥水性を低下させる要因となるため、相対的割合は少ないことが重要である。p=0の場合、生成物(A1)および生成物(A2)におけるR基の相対的割合が高くなり撥油性が向上し、また造膜性に優れるという利点がある。p=1または2の場合、R基がある程度存在することにより、これら生成物は炭化水素系の溶剤に溶解しやすくなり、基材の表面に硬化性組成物の塗膜を形成する際に比較的安価な溶剤を選択できるという利点がある。
生成物(A1)はQ基が存在することにより光により重合して硬化しうる(硬化反応し得る)。生成物(A2)は、それ自体は光により硬化反応しないが、後述する化合物(b)の存在により硬化性組成物は光により硬化し得る。さらに、Q基はR基と同様に炭化水素系溶剤への溶解性を向上させる。しかし、撥水性を低下させる要因となるため、R基に対するQ基の相対的割合は必要以上に高くしないことが好ましい。
生成物(A1)や生成物(A2)が、上記化合物(a−4)や上記化合物(a−5)を併用して得られたものである場合、そのWがRであると、これら生成物のR基の相対的割合を高めてより優れた撥油性を発現しうる。同様に、WがRである場合これら生成物の炭化水素系溶剤への溶解性が向上する。WがQである場合、生成物(A1)の硬化性が向上し、また炭化水素系溶剤への溶解性が向上する。
生成物(A1)および生成物(A1)は、前記各化合物を反応させて得られる反応生成物である。反応は、加水分解性基の加水分解反応によるシラノール基の生成とシラノール基同士の脱水縮合反応によるシロキサン結合の生成である。
本発明における生成物(A1)は、加水分解性シラン化合物(a−1)、加水分解性シラン化合物(a−2)および加水分解性シラン化合物(a−3)の少なくとも3種の加水分解性シラン化合物の加水分解縮合生成物であり、生成物(A2)は、加水分解性シラン化合物(a−1)および加水分解性シラン化合物(a−2)の少なくとも2種の加水分解性シラン化合物の加水分解縮合生成物である。ただし、生成物(A2)は、これら2種以外の共縮合性化合物を共縮合させる場合は(メタ)アクリロイル基を有する有機基を有する共縮合性化合物(例えば加水分解性シラン化合物(a−3)、前記WがQである化合物(a4)や化合物(a5)、など)を共縮合したものではない。
生成物(A1)、生成物(A2)を製造するために使用する各モノマーの共縮合割合は、特に限定されるものではないが、加水分解性シラン化合物(a−1)1モルに対する加水分解性シラン化合物(a−2)の量は1〜9モルが好ましい。より好ましいこの量は、2.5〜9モルである。R基を含有する生成物(A1)、生成物(A2)は塗膜の表面に偏析する性質を有するので、少量のR基をこれら化合物に導入することにより、硬化性組成物を硬化させた膜は撥水性を発揮できる。過剰のR基をこれら化合物に導入すると汎用の溶剤への溶解性が損なわれるおそれがある。
生成物(A1)の製造において、加水分解性シラン化合物(a−1)1モルに対する加水分解性シラン化合物(a−3)の量は、0.01〜10モルが好ましく、特に0.1〜1モルが好ましい。加水分解性シラン化合物(a−3)の量が多すぎると、硬化物の撥水性を低下させるおそれがあり、少なすぎると充分な硬化性を有する生成物(A1)が得られないおそれがある。
生成物(A1)、生成物(A2)の製造において、前記化合物(a4)や化合物(a5)などの単官能性化合物を使用する場合、当該単官能性化合物以外の加水分解性シラン化合物に対する当該単官能性化合物の量は、100モル%以下が好ましく、特に10モル%以下(ただし、オルガノジシロキサンの場合はこの1/2の量以下)が好ましい。
本発明における生成物(A1)や生成物(A2)は、単一の化合物で構成されていてもよいが、通常、重合度等の異なる複数の化合物で構成される混合物である。前記化合物(a1)〜化合物(a5)を用いて得られる生成物は、下記式(1)で表される平均組成式の構造を有するものとなる。ただし、実際は加水分解性基またはシラノール基が残存した生成物(部分加水分解縮合生成物)であると考えられるのでこの生成物を化学式で表すことは困難であり、下記式(1)で表した平均組成式は加水分解性基またはシラノール基の全てがシロキサン結合となったと仮定した場合の化学式である。式(1)で表される平均組成式は、生成物(A1)や生成物(A2)の単独をほぼ完全に縮合して得られる硬化生成物を表す化学式としてより適切であると考えられる(ただしこの硬化生成物も多少の加水分解性基またはシラノール基が残存していると推測される)。
Figure 2008189836
上記モノマーを使用して得られる生成物(A1)は、m、nおよびkがそれぞれ1以上の整数、jが0または1以上の整数である化合物である。上記モノマーを使用して得られる生成物(A2)は、mおよびnがそれぞれ1以上の整数、kが0、jが0または1以上の整数(ただし、WはQではない)である化合物である。各モノマー単位はランダムに配列していると推測される。なお、m、n、k、jの値は、生成物全体の平均値として、n/m、k/mおよびj/mに相当する、前記加水分解性シラン化合物(a−1)に対する各モノマーの使用量の前記範囲内にあることが好ましい。
本発明における生成物(A1)および生成物(A2)の重量平均分子量は、それぞれ、500以上が好ましく、1,000,000未満が好ましく、10,000未満がより好ましい。重量平均分子量が500以上であると、基材表面からの蒸発を防止できる利点があり、重量平均分子量が1,000,000未満であると、溶剤への溶解性が良好になるため、作業性が向上する利点がある。生成物(A1)および生成物(A2)の重量平均分子量は反応条件等を選択することにより調節できる。1官能性加水分解性シラン化合物やオルガノジシロキサンを使用して分子量の上限を調整することができ、またこれにより反応により得られる生成物の保存安定性を向上させることもできる。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、ポリスチレンを標準物質として測定した値をいう。
以下、前記化合物(a1)〜化合物(a5)についてさらに具体的に例を挙げて説明する。
Xは加水分解性基であり、例えば、モノオールから水酸基の水素原子を除いた有機基、ハロゲン原子、アシル基、イソシアネート基、アミン化合物からアミノ基の水素原子を除いた有機基などがある。Xとしては、炭素数4以下のアルコキシ基またはハロゲン原子が好ましく、CHO−、CO−、Cl−がより好ましい。これらの基(X)は加水分解反応により水酸基(シラノール基)となり、さらに分子間で反応してSi−O−Si結合を形成する。
としては、RF1−Y−で表される基が好ましい。ただし、RF1は炭素数1以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基を示し、Yはフッ素原子を含まない2価連結基を示す。
F1基は炭素数1〜12のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基であるのが好ましく、炭素数1〜12のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいペルフルオロアルキル基であるのがより好ましく、炭素数3〜12のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいペルフルオロアルキル基であるのが特に好ましい。
F1基の構造は、直鎖構造、分岐構造、環構造、または部分的に環を有する構造が挙げられ、直鎖構造が好ましい。
F1基の具体例としては、以下の基が挙げられる。
F(CF−、F(CF−、F(CF−、H(CF−、H(CF−、H(CF−。
CFCFOCFCFOCF−、CFCFOCFCFOCFCF−、CFCFOCFCFOCFCFOCFCFOCF−、CFCFOCFCFOCFCFOCFCFOCFCF−。
CFCFCFOCF−、CFCFCFOCFCF−、CFCFCFOCF(CF)−、CFCFCFOCF(CF)CF−、CFCFCFOCF(CF)CFOCFCF−、CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)−、CFCFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CF−。
Yとしては、−(CH−、−SONR−(CH−、−(C=O)−NR−(CH−で表される基が好ましい。ただし、gは1〜5の整数を示し、Rは水素原子、メチル基、またはエチル基を示す。Yは、gが2または3である−(CH−が特に好ましい。なお、該基Yの向きとしては、右側にSiが、左側にRF1が結合することを意味する。
としては、炭素数1〜4のアルキル基、またはフェニル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
Qとしては、Q−Z−で表される基が好ましい。ただし、Qは(メタ)アクリロイルオキシ基を示す。Zは−(CH−、−(CH−、−(CH−、または−(CH−を示し、−(CH−が好ましい。
化合物(a1)の具体例としては以下の例が好ましい。
F(CFCHCHSi(OCH
F(CFCHCHSi(OCH
F(CFCHCHSi(OCH
H(CFCHCHSi(OCH
H(CFCHCHSi(OCH
H(CFCHCHSi(OCH
CFCFCFOCF(CF)CFOCFCFCHCHSi(OCH
化合物(a2)の具体例としては以下の例が好ましい。
Si(OCH、Si(OCH2CH、CHSi(OCH
CHSi(OCH2CH、CHCH2Si(OCH
CHCH2Si(OCH2CH、(CHSi(OCH
(CHSi(OCH2CH
化合物(a3)の具体例としては以下の例が好ましい。
CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
CH=C(CH)COO(CHSi(OCHCH
CH=CHCOO(CHSi(OCH
CH=CHCOO(CHSi(OCHCH
[CH=C(CH)COO(CH]CHSi(OCH
[CH=C(CH)COO(CH]CHSi(OCHCH
化合物(a4)の具体例としては以下の例が好ましい。
F(CFCHCH(CHSi(OCH)、(CHSi(OCH)、
CH=C(CH)COO(CH(CHSi(OCH) 。
化合物(a5)の具体例としては以下の例が好ましい。
(CHSiOSi(CH
CH=C(CH)COO(CH(CHSiOSi(CH(CHOOC(CH)C=CH
加水分解、縮合の反応には、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸を触媒として用いるのが好ましい。反応に用いる溶媒としては、触媒を溶解する水溶性溶剤と生成物を溶解する溶剤を組み合わせるのが好ましく、水溶性溶剤と生成物を溶解させる溶剤は相互に混和することが好ましい。イソプロピルアルコールとヘキサン、イソプロピルアルコールとジクロロペンタフルオロプロパン(旭硝子社製AK−225;CFCFCHClとCClFCFCHClFの混合物)が例示される。反応は、室温から溶剤の沸点までの温度で実施するのが好ましい。
<硬化性組成物>
本発明における硬化性組成物は、硬化性成分として、前記生成物(A1)を必須とする組成物、または前記生成物(A2)と化合物(b)[すなわち、(メタ)アクリロイル基を1個以上有する化合物]とを必須とする組成物である。化合物(b)は生成物(A1)であってもよい[すなわち、硬化性組成物は、前記生成物(A1)と前記生成物(A2)とを含む組成物であってもよい]。ただし、以下の説明では、特に言及しない限り、化合物(b)は前記生成物(A1)以外の化合物であるとする。また、本発明における硬化性組成物は、この化合物(b)と前記生成物(A1)とを含む組成物であってもよい。この硬化性組成物は、光硬化や熱硬化などで硬化させ硬化物とすることができる。本発明の硬化性組成物は、光重合開始剤を含む光硬化性の組成物であることが好ましい。
化合物(b)は(メタ)アクリロイル基を1個以上有する化合物であり、ケイ素原子を有する化合物であってもよい。(メタ)アクリロイル基を有する有機基としては(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基が好ましい。すなわち、化合物(b)は水酸基を有する化合物の水酸基が(メタ)アクリロイルオキシ基に置換された化合物が好ましい。水酸基を有する化合物としてはアルコール性水酸基を有する化合物が好ましい。化合物(b)としてはアルコール性水酸基を有する化合物の1個の水酸基が(メタ)アクリロイルオキシ基に置換された化合物であってもよい。しかし、化合物(b)としては、2以上のアルコール性水酸基を有する化合物の2以上の水酸基(ただし、全ての水酸基でなくてもよい)が(メタ)アクリロイルオキシ基に置換された化合物[以下、ポリ(メタ)アクリレートという]が好ましい。さらに、組成物の硬化を促進するのに有効であることから、化合物(b)としては3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するポリ(メタ)アクリレートがより好ましい。
ポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
硬化性組成物中の化合物(b)の量は、前記生成物(A2)の量に対して0.1〜100質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。化合物(b)の量が多すぎると、硬化性組成物の硬化物の撥水性が低くなるおそれがある。硬化性組成物が前記生成物(A1)と前記生成物(A1)以外の化合物(b)と任意に前記生成物(A2)とを含む場合、化合物(b)の量は生成物(A1)と生成物(A2)との合計量に対して100質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。ただしこの場合、化合物(b)と生成物(A1)の合計量は生成物(A2)の量に対して0.1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。なお、硬化性組成物が前記生成物(A1)と前記生成物(A2)を含む場合(生成物(A1)以外の化合物(b)を含まない場合)、両者の合計に対する生成物(A1)の量は0.1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。上記割合の硬化性分を含むことにより、硬化性組成物は充分な撥水性を有する硬化物となり、また硬化性組成物の光硬化性も充分発揮される。
本発明における硬化性組成物は、光重合開始剤(c)を含むことが好ましい。
光重合開始剤(c)は、光を吸収してラジカルを発生することにより重合反応を開始させる物質であり、(メタ)アクリロイル基の重合反応を開始させる物質から選択されうる。例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製、ダロキュア1173)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製、イルガキュア184)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製、ダロキュア1116)、ベンジルジメチルケタール(チバ・ガイギー社製、イルガキュア651)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・ガイギー社製、イルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・ガイギー社製、イルガキュア369)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製、カヤキュアDETX)を好ましい例として挙げることができる。これらは単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。光重合開始剤(c)の量は、前記生成物(A1)、前記生成物(A2)および化合物(b)の合計量に対して0.1〜50質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
撥水性硬化膜を形成するために硬化性組成物の膜を形成するためには、硬化性組成物の溶液を使用してその溶液の塗膜(湿潤膜)を形成し、次いで溶媒を蒸発等で除去して硬化性組成物の塗膜とすることが好ましい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ヘキサン等の炭化水素類;ジクロロペンタフルオロプロパン(旭硝子社製AK−225;CFCFCHClとCClFCFCHClFの混合物)、CFCHOCFCHF(旭硝子社製AE−3000)等のフッ素系溶剤が好ましい。溶液中の固形分濃度は0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
<基材表面の撥水性領域>
前記硬化性組成物を硬化させた硬化物の表面は撥水性を呈し、したがって、薄膜状の硬化物を形成することにより表面が撥水性の硬化膜(すなわち、撥水性硬化膜)が得られる。この撥水性硬化膜によりパターンを形成すると基材上に撥水性領域(この撥水性硬化膜が存在する領域)のパターンが形成される。前記硬化性組成物は光硬化性を有することよりリソグラフィ法で撥水性硬化膜のパターンを形成することができる。また、印刷法で硬化性組成物の薄膜パターンを形成した後該硬化性組成物を硬化して撥水性硬化膜のパターンを形成することもできる。さらに、撥水性硬化膜を形成した後エッチング等で膜を部分的に除去して撥水性硬化膜のパターンを形成することもできる。このように、撥水性硬化膜のパターンを形成する手段は限定されるものではないが、後述のようにリソグラフィ法で撥水性硬化膜のパターンを形成することが好ましい。
基材表面上において、上記硬化物の表面からなる撥水性領域は撥水性を有し、該撥水性領域以外の表面(以下、非撥水性領域という)はより低い撥水性を有し、その撥水性の差は大きいことが好ましい。本発明において、撥水性は水に対する接触角で表される性質をいうものとする。非撥水性領域は撥水性領域よりも相対的に低い撥水性を有する限り、撥水性であってもよく、疎水性であってもよく、親水性であってもよい。撥水性領域における水に対する接触角は70度以上が好ましく、特に85度以上が好ましい。最も好ましい撥水性領域における水に対する接触角は100度以上である。撥水性は高いほどよいが、通常その上限は150度程度である。
非撥水性領域は、水に対する接触角が撥水性領域より20度以上低いことが好ましく、特に水に対する接触角が50度以下であることが好ましい。撥水性領域と非撥水性領域との水に対する接触角の差は40度以上が好ましく、70度以上がより好ましい。この差が大きいほどコントラストの高いパターンが得られる。非撥水性領域自身の水に対する接触角は40度以下が好ましく、特に20度以下が好ましい。なお、本発明において、撥水性とは水に対する接触角が60度超である表面の性質をいい、疎水性とは水に対する接触角が40度〜60度である表面の性質をいい、親水性とは水に対する接触角が40度未満である表面の性質をいうものとする。また、本明細書における接触角は、実施例に記載する静滴法により測定された値をいう。
撥水性領域の水に対する接触角を特に85度以上とすることにより、撥水性領域に撥油性を発揮させることができる。撥油性を有する表面は親油性溶媒(炭化水素系溶媒など)をはじくことができ、それによって機能性膜を形成するために機能性材料の溶媒として親油性溶媒を使用しても撥水性領域に機能性材料が付着することを防止することができる。一方、非撥水性領域においては親油性溶媒に対しても親和性を持たせることができる。撥油性をヘキサデカンに対する接触角で表すと、撥水性領域のヘキサデカンに対する接触角は40度以上が好ましく、特に60度以上が好ましい。非撥水性領域のヘキサデカンに対する接触角は30度以下が好ましく、特に20度以下が好ましい。
後述する機能性材料を含む液を供給した場合、撥水性領域と非撥水性領域の接触角の差が大きいほど、撥水性領域と非撥水性領域にまたがった機能性材料の液は非撥水性領域に流れ込みやすくなり、機能性材料の液を乾燥させることで得られる機能性材料の膜からなるパターンは撥水性領域と非撥水性領域とのパターンをより正確に再現できる。
また、非撥水性領域の接触角の絶対値が小さいほど、機能性材料は非撥水性領域で良く濡れ広がり、機能性材料の液を乾燥させることで得られる機能性材料の膜からなるパターンの膜厚をより均一にすることができる。
撥水性領域における撥水性硬化膜の膜厚は目的に応じて適宜選択しうるが、0.1〜100nmであることが好ましい。この膜厚が0.1nm未満であると充分な撥水性が発揮されないおそれが生じる。また、機能性材料の膜からなるパターンを形成した後撥水性硬化膜を除去する場合は、除去しやすさの観点から、撥水性硬化膜の膜厚は薄いほうが好ましい。その場合、膜厚は0.1〜50nmがより好ましく、0.1〜10nmが特に好ましい。
非撥水性領域は通常機能性薄膜を形成する表面であり、通常基材の表面である。基材が金属酸化物などの金属化合物や金属などの無機物からなる場合、基材表面は通常親水性を呈する。基材がプラスチックなどの有機物からなる場合基材表面は通常疎水性を呈する。したがって、非撥水性領域はこれら基材の表面とすることができる。またこれら材料からなる基体を薄膜等で被覆してなる基材では該薄膜等の表面を基体材料とは異なる非撥水性に調整することができる。
本発明における基材の材料としては、ガラス;シリコン(特にシリコンウェハーを構成する材料);Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、またはPb等の金属やそれらの合金;PdO、SnO、In、PbO、またはSb等の金属酸化物;HfB、ZrB、LaB、CeB、YB、またはGdB等の硼化物;TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、またはWC等の炭化物;TiN、ZrN、またはHfN等の窒化物;SiまたはGe等の半導体を構成する材料;カーボン;ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、またはポリテトラフルオロエチレン等の樹脂;等の材料が好ましい。ガラス、シリコンウェハーを構成する材料、金属酸化物またはポリイミドからなる材料がより好ましい。これら材料は少なくとも基材の表面を構成する材料であることが好ましく、基材全体がこれら材料からなっていてもよい。
また、基材表面は、エッチング、研磨、表面酸化、表面光照射等の表面処理で形成される材料であってもよい。これら表面処理は基材表面の親水化に効果的であることが多い。また、基材表面が汚れや不純物に汚染されている場合は洗浄して使用することが好ましい。上記表面処理はこの洗浄にも有効であることがある。さらに基材は表面に薄膜を有する基材であってもよい。前記のような材料からなる基体の表面に前記のような材料やそれ以外の材料からなる薄膜を形成したものを基材として使用することができる。この薄膜としては前記非撥水性領域の表面特性を有する薄膜が好ましい。特に親水性化合物(親水性ポリマーなど)からなる薄膜や親水化処理化合物(親水化処理用の加水分解性シランなど)による処理で形成される薄膜が好ましい。なお、基体とは薄膜を有する基材の薄膜以外の部分をいう。
予め表面を親水化した基材を用いる代わりに、基材の表面に親水性化合物を含む硬化性組成物の塗膜を形成し、静置することにより親水性化合物を基材側に移行させる方法を採用することもできる。親水性化合物は高表面エネルギーの材料であることから基材側に配向し、前記生成物(A1)や前記生成物(A2)などの撥水性を示す化合物は低表面エネルギーの材料であることから気相界面に配向する性質がある。この性質を利用して、硬化性組成物の塗膜において親水性化合物が基材表面に配置されたバイレイヤー構造を形成させることができる。親水性化合物が加水分解性シラン化合物等では、基材表面に反応して基材表面が親水化される。
基材の形状としては、特に限定されず、パターンが形成される表面として平面、曲面、または部分的に曲面を有する平面を有する基材が好ましく、パターンが形成される表面が平面である形状を有する基材が好ましい。特にシート状やフィルム状の基材が好ましい。シート状やフィルム状の基材においては、パターンの形成は基材の片面で行うのが好ましい。また基材の面積も特に限定されず、従来の塗布方法が適用できる限りの大きさの面を有する基材を採用できる。基体の形状もこれら基材の形状と同様であるのが好ましい。
本発明の、基材の表面に撥水性領域のパターンを有する処理基材におけるパターン形状は特に限定されない。パターンは、撥水性領域と非撥水性領域とで形成され、仮に非撥水性領域を地とし撥水性領域を図(地の上に描かれたもの)とすると、図は点や線からなる。この点の面積や形状、線の幅や長さは、限定されるものではない。本発明は微細なパターを形成することができ、例えば線で構成されるパターンにおいてはその線幅が10μm以下であるパターンを形成できる。
<基材の洗浄、親水化基材>
前記のように、処理基材の製造にあたって予め基材の表面を洗浄することが好ましい。また、基材表面を親水化処理することも好ましく、さらに表面に親水性薄膜を有する基材を使用することも好ましい。これらの表面の処理は共通する方法で行うことができ、また、その処理がこれらの処理のいずれかであるかを区別しがたい場合もある。以下これらを全て基材の親水化処理とみなして、以下説明する。
基材の親水化処理方法としては、プラスチック、金属、ガラス、セラミックスなどの表面を親水化処理する一般的な方法が適用可能である。該方法としては、基材の表面を湿式洗浄する方法、基材の表面を湿式酸化する方法、基材の表面を光洗浄もしくは光酸化する方法、基材の表面に親水性化合物を塗布する方法、またはこれらを組み合わせた方法が例示できる。基材の材質が親水性である場合にはそのまま用いることもできるが、このような基材は通常汚れやすい。そのため、基材を使用前に湿式洗浄、光洗浄、またはこれらの組合せにより親水化処理することが好ましい。基材表面の材質が疎水性で親水性化する必要がある場合、基材の表面を湿式酸化、光酸化、または親水性化合物の塗布により親水化処理することが好ましい。
基材の湿式洗浄には、水、水系洗浄剤、または非水系洗浄剤(有機溶剤、フッ素系溶剤等)を使用できる。特に基材を水または界面活性剤を含んだ水系洗浄剤を用いて洗浄した後に、イソプロピルアルコールやエチルアルコール等の低沸点の有機溶剤を用いて、表面の異物や水分等を除去しつつ乾燥する方法が好ましい。さらに基材の種類や汚れの種類・程度に応じて、工程の追加、または工程の一部の省略ができる。有機系の汚れが付着した基材の湿式洗浄は、まず該汚れを除去するために、ジクロロペンタフルオロプロパン(旭硝子社製AK−225;CFCFCHClとCClFCFCHClFの混合物)等のフッ素系溶剤であらかじめ洗浄しておき、つぎに水系洗浄剤または有機溶剤で基材を浸漬洗浄するのが好ましい。浸漬洗浄する際には、超音波洗浄を併用してもよい。ガラスについては、浸漬洗浄の代わりに、または浸漬洗浄とともに、酸化セリウム系微粒子を含む研磨剤で研磨洗浄し、純水ですすいで風乾して用いる方法を採用してもよい。
基材の湿式酸化は、過酸化物等の酸化剤の水溶液を用いて表面を酸化する。酸化剤としては特に限定されず、硫酸、硝酸、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過マンガン酸カリウム等が挙げられる。基材を湿式酸化する方法は該水溶液を基材の表面に塗布できるものであれば特に限定されず、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法、ロールコート法等が採用できる。
基材を光洗浄または光酸化する方法としては、UV照射処理、UV/O処理、プラズマ処理、コロナ放電処理、フレーム処理等があり、UV/O処理が好ましい。
また、湿式洗浄のみでは微少な有機物の汚れ(例えば、中性洗剤の界面活性剤の残り滓、クリーンルームの浮遊物など)が残りやすい。これに対して、上述の光洗浄は、そのおそれがない。従って、最初に、湿式洗浄で比較的大きな汚れを除去し、その後、光洗浄により洗浄する方法も好ましい。
基材の表面の親水化処理に用いうる親水性化合物としては、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)等の親水性ポリマー;グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコールなどがある、また、基材表面に反応して表面に親水性残基を形成する親水化処理化合物としては、Si(OCH、Si(OCHCH、[(CHSi]NH、HSi(OCHCH、NHCHCHCHSi(OCHCH等の親水性基を有する加水分解性シラン化合物、または該化合物の一部または全部が加水分解物された化合物、または該化合物の加水分解縮合物が挙げられる。H−Si(OCHCHを用いた場合は、表面に反応させた後、0.1mol/L程度の水酸化ナトリム水溶液で洗浄する必要がある。
親水性化合物や親水化処理化合物は溶媒に溶解させた溶液として塗布することが好ましい。親水性ポリマーや多価アルコールは水に溶解させることが好ましく、シラン化合物はイソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤に溶解させることが好ましい。溶液中のこれら化合物の濃度は0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。
基材へのこれら溶液の塗布方法は特に限定されず、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法、ロールコート法、メニスカスコート法、スクリーン印刷法等が採用できる。塗布後溶媒を除去することにより親水化された表面が得られる。
基材の表面が異なる材料で形成されている場合の親水化処理として、親水性化合物や親水化処理化合物で親水化する方法を採用すると、異なる材料の表面に対して同じ親水性を付与することができるので好ましい。
<処理基材の製造方法>
本発明の処理基材の製造方法は特に限定されるものではないが、前記のように、リソグラフィ法で製造されることが好ましい。以下リソグラフィ法による処理基材の製造方法を説明する。この方法における素工程(例えば塗膜の形成工程など)は、リソグラフィ法以外の方法にも適用可能な方法であり、以下の説明はリソグラフィ法のみに限定されるものではない。
リソグラフィ法による製造法は、基材の表面に下記硬化性組成物を含む塗膜を形成する工程(以下、塗膜形成工程という)、得られた塗膜の表面の一部に光を照射して、光照射された部分の硬化性組成物を硬化させて撥水性硬化膜を形成する工程(以下、硬化工程という)、および、基材の表面に存在する未硬化の硬化性組成物を除去する工程(以下、現像工程という)の3つの工程を含む。これら工程を含む製造法の1例を図1を用いて具体的に説明する。
図1(a)に基材の1例を示す。この基材(0)は基体(1)とその片面に形成された親水性薄膜(2)からなる。図1(b)は、塗膜形成工程を経てこの基材の表面に前記硬化性組成物の塗膜(3)を形成したものを示す。図1(c)は硬化工程を示す。前記硬化性組成物の塗膜に光(6)をマスク(5)を介して照射し、マスク(5)の光透過部分を透過した光が硬化性組成物の塗膜を硬化させる。光が照射された塗膜部分は硬化して撥水性硬化膜(4)となり、光が照射されなかった部分は実質的に硬化しない。図1(d)は現像工程を経て得られた処理基材(9)を示す。処理基材(9)の表面は、撥水性硬化膜の表面からなる撥水性領域(8)と基材表面の非撥水性領域(7)とから形成されたパターンを有する。
塗膜形成工程では、前記のように硬化性組成物の溶液を使用し、基材表面上に該溶液を塗布して該溶液の塗膜(湿潤膜)を形成し、次いで溶媒を除去して硬化性組成物の塗膜を形成する。基材表面上に硬化性組成物の溶液を塗布する方法としては、スピンコート、ディップコート、ワイヤーバーコート、ブレードコート、ロールコートなどの方法が採用できる。塗布は、室温下または加熱下で行うことが好ましい。また溶媒の除去は、溶媒の蒸発による除去(以下、乾燥ともいう)が好ましく、大気中または窒素気流中等で行われることが好ましい。乾燥は室温で行うのが好ましい。乾燥を加熱下で行う場合には、基材の材質の耐熱性によって温度および時間を適宜変更するのが好ましい。
硬化工程では、塗膜の表面の一部に光を照射する。光照射に用いる光は、波長200nm以上の光が好ましく、波長300nm以上の光がより好ましい。また、波長380nm以下の光が好ましく、波長365nm以下の光がより好ましい。波長200nm以上の光は、基材を分解するおそれが少ない利点がある。また、波長380nm以下の光照射により硬化反応を開始させる光重合開始剤(c)は入手しやすく、光源も安価である。照射時間は、光の波長、光の強度・光源の種類、組成物の種類等に応じて、適宜変更しうる。超高圧水銀ランプの場合、2〜100mw/cmで5〜120秒照射すればよい。高圧水銀ランプの場合は一般に、超高圧水銀ランプより短時間の照射でよい。
光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、窒素等の気体レーザー、有機色素溶液の液体レーザー、無機単結晶に希土類イオンを含有させた固体レーザー等が挙げられる。また、単色光が得られるレーザー以外の光源としては、広帯域の線スペクトル、連続スペクトルをバンドパスフィルター、カットオフフィルター等の光学フィルターを使用して取出した特定波長の光を使用してもよい。一度に大きな面積を照射することができることから、光源としては高圧水銀ランプまたは超高圧水銀ランプが好ましい。
光の照射はフォトマスクを介して光を照射することが好ましい。この方法により、膜の表面の所望の領域でのみ硬化反応を起こすことが可能であり、撥水性領域と非撥水性領域とが所望のパターンを形成した処理基材を得ることができる。
光照射する雰囲気は任意に選択することができる。膜厚100nm以下の硬化性組成物を硬化させた撥水性硬化膜を形成する場合には、酸素による硬化阻害を受ける場合があるため、窒素ガス雰囲気等の不活性ガス雰囲気下に光照射するのが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等から選ばれるガスが挙げられ、安価に入手できるため窒素ガスが最も好ましい。
光照射は、基材が光照射に用いる光を透過する波長の光であれば、基材のどちらの面側から行ってもよく、通常は基材の組成物を含む膜の面側から光照射を行うのが好ましい。
フォトマスクを解した光やレーザー光を用いて光照射を行った場合には、撥水性領域と非撥水性領域とが所望のパターンを形成してなる処理基材が得られる。また、撥水性領域や非撥水性領域の線幅が10μm以下であるパターンを形成できる。
本発明において、基材としてプラスチック基板等のフレキシブル基板を用いた場合には、ロールツーロール法(Roll to Roll法)が実施できるように設置した複数のロールと、複数のロールの間に露光機を設置して基板への光照射を行うことにより、高スループットで処理基材を得ることができる。
現像工程では、基材の表面に存在する未硬化の硬化性組成物を除去する。未硬化の硬化性組成物を除去することにより、基材表面を露出させることとなる。未硬化の硬化性組成物を除去する方法としては、前記生成物(A1)、前記生成物(A2)、前記化合物(b)などが低分子量の化合物である場合には、窒素気流を吹き付けて除去する方法が好ましい。これら化合物が高分子量の化合物である場合には、容易に蒸発しないため、未硬化の硬化性組成物が残存する表面を有機溶剤で洗浄するのが好ましい。洗浄に用いる有機溶剤としては、未硬化の硬化性組成物の各成分を溶解する溶剤が好ましい。該有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ヘキサン等の炭化水素系溶剤等が挙げられる。
<機能性材料の膜からなるパターンが形成された部材>
また本発明は、機能性材料の膜からなるパターンが形成された部材(以下、機能膜形成部材ともいう)の製造方法である。この製造方法は、上記本発明の処理基材の表面に機能性材料を含む液を供給して、撥水性領域以外の表面に該液を付着させる工程(以下、機能性膜形成工程1という)、ついで液状媒体を除去することによって機能性材料の膜からなるパターンを形成させる工程(以下、機能性膜形成工程2という)、を含むことを特徴とする。さらに、機能性膜形成工程2の次に撥水性硬化膜を除去する工程(以下、硬化膜除去工程という)を加えて、前記撥水性硬化膜が除去された部材を製造することもできる。
これら工程を含む機能膜形成部材の製造法の1例を図2を用いて具体的に説明する。
図2(d)は図1(d)と同じ処理基材を示す。処理基材(9)の表面は、撥水性硬化膜の表面からなる撥水性領域(8)と基材表面の非撥水性領域(7)とから形成されたパターンを有する。図2(e)は機能性膜形成工程1を示す。処理基材の表面に機能性材料を含む液(11)を液供給装置(10)から供給し撥水性領域以外(非撥水性領域(7))の表面に液(11)を付着させる。液供給装置(10)としては例えばインクジェット装置などを使用できる。液(11)が撥水性領域(8)の表面に接触しても撥水性領域表面の高い撥水性(かつ高い撥油性)によりその液をはじき、液(11)は撥水性領域(8)の表面に付着しない。図2(f)は機能性膜形成工程1を経た基材を示す。液(11)は非撥水性領域(7)の表面を満たし、撥水性領域(8)の表面には存在しない。図に示すように、液(11)が撥水性硬化膜の高さよりも高く盛り上がっても撥水性領域(8)の表面まで覆うことはないと考えられる。
図2(g)は機能性膜形成工程2を経て得られた機能膜形成部材(13)を示す。機能性材料を含む液(11)から液状媒体を除去して、機能性材料の膜(12)とそれ以外の部分からなるパターンが形成されている。図2(h)は、図2(g)に示した機能膜形成部材(13)から硬化膜除去工程を経て得られた、撥水性領域(8)の撥水性硬化膜が除去された機能膜形成部材(13)を示す。
機能性材料としては、金属配線を形成する金属粒子分散ペースト、カラーフィルタを形成する色素材料、電子デバイス・有機ディスプレイを形成するセラミック材料、有機半導体材料等が挙げられる。
機能性材料を含む液とは、機能性材料を水、有機溶媒、それらの混合物などの液状媒体に溶解または分散させた液体もしくは液状体をいう。本発明の処理基材の撥水性領域においては前述のとおり撥油性をも示すため、上記有機溶溶媒としては極性の低い有機溶媒も使用できる。有機溶媒としては、特に限定されず、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン等の炭化水素類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系化合物;プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノン等の極性化合物が挙げられる。これらのうち、溶解性、分散性、それらの安定性の点で、好適な溶媒を選択することが好ましい。これらの有機溶媒は、単独で使用してもよく、2種以上の混合物として使用してもよい。
機能性膜形成工程1における液の塗布方法としては、スピンコート、ディップコート、ワイヤーバーコート、ブレードコート、ロールコート等の塗布方法、スクリーン印刷、インクジェット法等の特定領域への印刷方法が挙げられる。これらのうち、撥水性領域と非撥水性領域とからなるパターン上の非撥水性領域に選択的に塗布することが可能という点で、スクリーン印刷、インクジェット法が好ましい。
機能性膜形成工程2における液状媒体の除去は、前記と同様、液状媒体の蒸発除去(乾燥ともいう)により行うことが好ましい。乾燥は大気中または窒素気流中等で行うことが好ましい。また、乾燥は室温または加熱下で行うのが好ましい。乾燥を加熱下で行う場合には、基材の材質の耐熱性によって温度および時間を適宜変更するのが好ましい。
電子素子などにおいては、撥水性硬化膜が除去された機能膜形成部材が有用である。撥水性硬化膜を除去するのは、該部材を電子素子として使用する場合に、撥水性硬化膜が素子の動作に影響するおそれがあるからである。硬化膜除去工程において、撥水性硬化膜の除去には、部材をUV/O処理することにより行うのが好ましい。例えば、UV/O発生装置としてPL7−200(センエジニアリング(株)製)を使用し、部材を1〜3分照射することが好ましい。撥水性硬化膜の除去を行う場合は、除去しやすさの観点から、撥水性硬化膜の膜厚は薄いほうが好ましい。前記のように、その膜厚は0.1〜50nmが好ましく、0.1〜10nmが特に好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
水に対する接触角は、静滴法により、JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠して、基材上の測定表面の3ケ所に水滴を載せ、各水滴について測定した。液滴は2μL/滴であり、測定は20℃で行った。接触角は、3測定値の平均値(n=3)で示す。
[例1]
(塗布用溶液の作製)
撹拌機を備えた100mLの三口フラスコに、CF(CFCHCHSi(OCH(TSL8257、ジーイー東芝シリコーン株式会社、2g)を、CHSi(OC(5.2g)、CH=C(CH)COO(CHSi(OCH(東京化成工業社製、0.69g)、(CHSiOSi(CH(東京化成工業社製、0.32g)を入れた。ついで、ヘキサン(28g)、およびイソプロピルアルコール(12g)を入れた。
撹拌しながら、1.28%塩酸水溶液を2.5g滴下した。滴下終了後、さらに、1時間撹拌した。溶剤を除去して、液(1)を得た。液(1)の10%イソプロピルアルコール溶液を作製した。
サンプル瓶にイソプロピルアルコール(2.5g)、液(1)の10%イソプロピルアルコール溶液(0.1g)を加え、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのイソプロピルアルコール1%溶液(0.2g)を加えた。さらに光ラジカル重合開始剤としてIRGACURE 907(チバ・ガイギー社製)の1%イソプロピルアルコール溶液(0.06g)を加えた。サンプル瓶を数回振って溶液を混合させ、組成物(A1)溶液を得た。
(基板の洗浄)
5cm四方のシリコンウェハーをエタノールで30秒間超音波洗浄し、5分間UV/O洗浄した。
(溶液の塗布)
上記組成物(A1)溶液をシリコンウェハーにスピンコート(3000rpm、20秒)した。
(光照射)
得られた塗膜の表面に、塗膜側から、開孔パターン(2.5cm×5cm)を有するフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプの紫外線を100mw/cmで30秒間照射した。
(基材の洗浄)
基材を、イソプロピルアルコールでリンスした後、エタノールでリンスし、窒素気流で乾燥し、処理基材を得た。
(接触角の測定)
上記工程により得られた処理基材の表面の水に対する接触角は、非照射部分が26度、紫外線照射部分が100度であったことから、親水性領域(非照射部分)と、撥水性領域(紫外線照射部分)とを有する撥水親水パターンの形成が確認された。また、ヘキサデカンに対する接触角は、非照射部分が14度、紫外線照射部分が43度であったことから、親油(水)性領域(非照射部分)と、撥油(水)性領域(紫外線照射部分)とを有する撥油親油パターンの形成が確認された。
[例2]
例1で作製した処理基材の表面にUV/Oを3分間照射した。UV/O発生装置としてはPL7−200(センエジニアリング(株)製)を使用した。照射後、基材の表面の水に対する接触角を測定したところ、親水性領域、撥油性領域ともに5度以下であった。このことから、基材の表面から、撥水性の膜が除去されていることがわかった。
本発明によれば、大規模な設備、真空装置および光源を用いることなく撥水性領域と非撥水性領域とからなる微細な撥水−非撥水パターンを形成できる。該パターン面に、インクジェットを利用して機能性材料含有インクを噴射した場合には、非撥水性領域にのみ機能性材料含有インクが保持され、撥水性領域には保持されないことから、機能性材料含有インクで基材をパターニングできる。また本発明は電子デバイスの回路形成にも応用できる。また、撥水−非撥水パターンを有する処理基材の非撥水性領域に機能性材料含有インクを含ませ、機能性材料を別の基材に転写することもできる。
また、本発明の基材の表面に撥水性領域と非撥水性領域とを有する処理基材は、医療分野においても使用できる。例えば、毛細血管の血管部が非撥水性領域(特に親水性領域)になるようなパターンを持ったマスクを作製し、基材に毛細血管のパターンを転写する。その上に血管皮細胞を散布して、非撥水性領域のみで細胞増殖し、毛細血管のパターンを再生できる。
また、本発明の基材の表面に撥水−非撥水パターンを有する処理基材は、非撥水性領域(特に親水性領域)の表面に存在する水酸基等の反応性を利用して、該非撥水性領域の表面に他の性質を有する化合物を反応させ、撥水性と他の性質を有する基材を形成させることも可能である。
本発明の処理基材の製造方法を示す断面模式図である。 本発明の部材の製造方法を示す断面模式図である。
符号の説明
0:基材
1:基体
2:親水性薄膜
3:硬化性組成物の塗膜
4:撥水性硬化膜
5:フォトマスク
6:光
7:非撥水性領域
8:撥水性領域
9:処理基材
10:液供給装置
11:機能性材料を含む液
12:機能性材料の膜
13:機能性材料の膜からなるパターンが形成された部材

Claims (10)

  1. 基材の表面に撥水性領域のパターンを有する処理基材であって、撥水性領域は、下記生成物(A1)を、または、下記生成物(A2)と化合物(b)との混合物を、含む硬化性組成物を硬化させた撥水性硬化膜からなることを特徴とする処理基材。
    生成物(A1):ケイ素原子に1個の含フッ素有機基と3個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−1)、ケイ素原子にp個(pは0、1または2)の炭化水素基と(4−p)個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−2)、および、ケイ素原子にq個(qは1または2)のアクリロイル基およびメタクリロイル基から選ばれた重合性官能基を有する有機基とr個(rは0または1であって、q+rが1または2となる数)の炭化水素基と(4−q−r)個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−3)、の少なくとも3種の加水分解性シラン化合物の加水分解縮合生成物。
    生成物(A2):ケイ素原子に1個の含フッ素有機基と3個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−1)、および、ケイ素原子にp個(pは0、1または2)の炭化水素基と(4−p)個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−2)の少なくとも2種の加水分解性シラン化合物の加水分解縮合生成物。
    化合物(b):アクリロイル基およびメタクリロイル基から選ばれた重合性官能基の1個以上を有する化合物。
  2. 加水分解性シラン化合物(a−1)が下記式(a1)で表される化合物であり、加水分解性シラン化合物(a−2)が下記式(a2)で表される化合物であり、加水分解性シラン化合物(a−3)が下記式(a3)で表される化合物である、請求項1に記載の処理基材。
    Figure 2008189836
    上記式(a1)〜(a3)中の記号は、以下の通りである。
    は、炭素数1以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基または該基を部分構造として持つ有機基。
    は、炭化水素基。
    Qは、アクリロイル基およびメタクリロイル基から選ばれた重合性官能基の1個以上を部分構造として持つ有機基。
    Xは、加水分解性基。
    pは0、1または2。qは1または2。rは0または1であって、q+rが1または2となる数。
  3. 硬化性組成物が、光重合開始剤(c)を含む請求項1または2に記載の処理基材。
  4. 撥水性領域以外の表面の水に対する接触角が50度以下であり、撥水性領域の水に対する接触角が70度以上である請求項1〜3のいずれかに記載の処理基材。
  5. 撥水性硬化膜の膜厚が0.1〜100nmである請求項1〜4のいずれかに記載の処理基材。
  6. 基材の表面に下記硬化性組成物を含む塗膜を形成する工程、
    ついで該塗膜の表面の一部に光を照射して、光照射された部分の硬化性組成物を硬化させて撥水性硬化膜を形成する工程、
    ついで基材の表面に存在する未硬化の硬化性組成物を除去する工程、
    を含むことを特徴とする、基材の表面に撥水性硬化膜からなる撥水性領域のパターンを有する処理基材の製造方法。
    硬化性組成物:下記生成物(A1)を、または、下記生成物(A2)と化合物(b)との混合物を、含む硬化性組成物。
    生成物(A1):ケイ素原子に1個の含フッ素有機基と3個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−1)、ケイ素原子にp個(pは0、1または2)の炭化水素基と(4−p)個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−2)、および、ケイ素原子にq個(qは1または2)のアクリロイル基およびメタクリロイル基から選ばれた重合性官能基を有する有機基とr個(rは0または1であって、q+rが1または2となる数)の炭化水素基と(4−q−r)個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−3)、の少なくとも3種の加水分解性シラン化合物の加水分解縮合生成物。
    生成物(A2):ケイ素原子に1個の含フッ素有機基と3個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−1)、および、ケイ素原子にp個(pは0〜2の整数)の炭化水素基と(4−p)個の加水分解性基が結合した加水分解性シラン化合物(a−2)の少なくとも2種の加水分解性シラン化合物の加水分解縮合生成物。
    化合物(b):アクリロイル基およびメタクリロイル基から選ばれた重合性官能基の1個以上を有する化合物。
  7. 加水分解性シラン化合物(a−1)が下記式(a1)で表される化合物であり、加水分解性シラン化合物(a−2)が下記式(a2)で表される化合物であり、加水分解性シラン化合物(a−3)が下記式(a3)で表される化合物である、請求項6に記載の処理基材。
    Figure 2008189836
    上記式(a1)〜(a3)中の記号は、以下の通りである。
    は、炭素数1以上のエーテル性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基または該基を部分構造として持つ有機基。
    は、炭化水素基。
    Qは、アクリロイル基およびメタクリロイル基から選ばれた重合性官能基の1個以上を部分構造として持つ有機基。
    Xは、加水分解性基。
    pは0、1または2。qは1または2。rは0または1であって、q+rが1または2となる数。
  8. 200nm以上の波長を有する光を照射する、請求項6または7に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の処理基材の表面に機能性材料を含む液を供給して、撥水性領域以外の表面に該液を付着させる工程、
    ついで乾燥させることによって機能性材料の膜からなるパターンを形成させる工程、
    を含むことを特徴とする、機能性材料の膜からなるパターンが形成された部材の製造方法。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の処理基材の表面に機能性材料を含む液を供給して、撥水性領域以外の表面に該液を付着させる工程、
    ついで乾燥させることによって機能性材料の膜からなるパターンを形成させる工程、
    ついで撥水性硬化膜を除去する工程、
    を含むことを特徴とする、機能性材料の膜からなるパターンが形成された部材の製造方法。
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