JP2007227614A - 情報管理方法、情報管理システム、プログラム、記録媒体、パターン検査装置及び基板検査装置 - Google Patents

情報管理方法、情報管理システム、プログラム、記録媒体、パターン検査装置及び基板検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】デバイス生産の歩留まりを向上させる。
【解決手段】ウエハの検査で異常が発生した場合、露光装置において、異常箇所に該当する部分のレチクル検査を行って、解析装置に送信する。そして、ウエハの異常と、レチクルの異常との相関をとり、ウエハの異常の原因がレチクルにあるか否かを判断する。さらに、ウエハの異常の原因が、レチクル上の異物にある場合には、それを取り除き、レチクルパターンの欠陥にある場合には、レチクルを交換する。また、必要に応じて、レチクル検査の異常判定レベルを調整する。
【選択図】図4

Description

本発明は、情報管理方法、情報管理システム、プログラム、記録媒体、パターン検査装置及び基板検査装置に係り、さらに詳しくは、例えば、半導体素子、液晶表示素子、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子、薄膜磁気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程に関する情報を管理するための情報管理方法、情報管理システム、プログラム、記録媒体、パターン検査装置及び基板検査装置に関する。
従来より、デバイス製造処理においては、デバイスパターンが形成された基板のそのパターンの形成状態が検査器を用いて検査されている。この検査において基板上に形成されたデバイスパターンに欠陥などの異常が認められると、デバイス製造処理における一連の処理の中で、その異常の原因が特定され、その原因が取り除かれる。しかしながら、デバイスパターンの異常の原因が特定されるまでには試行錯誤的な作業が必要となり、その原因が取り除かれるまでにかなりの時間が必要となっていた。
また、このような検査においては、検査器の検出感度を上げると、ほとんどすべてのパターンの欠陥を検出することはできるものの、欠陥ではないが、若干のパターン線幅の細りなどで欠陥として検出されてしまった擬似的な欠陥(擬似欠陥)や、欠陥ではあるが実質的に歩留まりに影響しない微細な欠陥についても、多数検出されてしまうようになる。このような場合には、欠陥を検出した後に、擬似欠陥や歩留まりに影響しない程度の欠陥と本来検出すべき欠陥とを選別する作業が必要となり、欠陥の選別にかなりの時間が必要となっていた。
一方、リソグラフィ技術においては、デバイスパターンの微細化の要求に応えるべく、超解像技術(Resolution Enhancement Technology)の一環として、光近接効果を考慮してパターンが設計されたOPC(Optical Proximity Correction)マスクや、光の位相差を利用して、像面上のパターンの高コンストラスト化をはかった位相シフトマスクが採用されるようになっている。OPCマスクや位相シフトマスクにおいては、パターンがより複雑化しており、このような複雑なパターンに対する欠陥検出感度の向上、欠陥検査時間の短縮が求められている。
特許第3128876号公報
本発明は、第1の観点からすると、パターンを検査するパターン検査装置と情報処理装置との間を情報伝達可能に接続し、前記パターンが転写された基板を検査する基板検査装置と前記情報処理装置との間を情報伝達可能に接続する接続工程と;前記情報処理装置を用いて、前記パターン検査装置の検査内容に関する情報と、前記基板検査装置の検査内容に関する情報とを収集する収集工程と;前記収集された情報を、前記情報処理装置を用いて管理する管理工程と;を含む情報管理方法である。
本発明は、第2の観点からすると、基板上に転写されるパターンを検査するパターン検査装置と;前記パターンが転写された基板を検査する基板検査装置と;前記パターン検査装置及び前記基板検査装置と情報伝達可能に接続され、前記パターン検査装置の検査内容に関する情報と、前記基板検査装置の検査内容に関する情報とを収集し、前記収集された情報を管理する前記情報処理装置とを含む情報管理システムである。
本発明は、第3の観点からすると、パターンを検査するパターン検査装置から検査内容に関する情報を収集する手順と、前記パターンが転写された基板を検査する基板検査装置から検査内容に関する情報を収集する手順と、前記パターン検査装置から収集された情報と前記基板検査装置から収集された情報とを管理する手順とを、コンピュータに実行させるプログラムである。
これらによれば、歩留まりに直接影響する基板欠陥検査の検査内容に関する情報と、その欠陥を未然に検出しうるパターン欠陥検査の検査内容に関する情報とを収集し、それらを統合して管理するので、歩留まりに直接影響しうる欠陥を、いち早く検出するための環境を構築することができるようになる。この結果、デバイスの生産性が向上する。
本発明は、第4の観点からすると、本発明のプログラムをコンピュータシステムで読み取り可能に記録する記録媒体である。かかる場合には、コンピュータに本発明のプログラムのいずれかを実行させることができ、歩留まりに直結する検査を効率良く行うことが可能となる。
本発明は、第5の観点からすると、基板上に転写されるパターンを検査するパターン検査装置であって、前記パターンが転写された基板を検査する基板検査装置での検査内容に関する情報を受信する受信装置を備え、前記パターンの検査に関する情報と前記基板検査装置での検査内容に関する情報との相関に基づいて、前記基板の検査方法を最適化するパターン検査装置である。
これによれば、パターンの検査と相関のある基板の検査が可能となり、歩留まりに直結する基板検査を実現することができる。
本発明は、第6の観点からすると、基板上に転写されるパターンを検査するパターン検査装置であって、前記パターンが転写された基板を検査する基板検査装置での検査内容に関する情報を受信する受信装置を備え、前記パターンの検査に関する情報と前記基板検査装置での検査内容に関する情報との相関に基づいて、前記基板の検査方法を最適化するパターン検査装置である。
これによれば、基板の検査と相関のあるパターンの検査が可能となり、歩留まりに直結するパターン検査を実現することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るデバイス製造処理システムの概略構成が示されている。図1に示されるように、デバイス製造処理システム1000は、半導体ウエハを処理し、マイクロデバイスを製造するためにデバイス製造工場内に構築されたシステムである。図1に示されるように、このデバイス製造処理システム1000は、露光装置100と、その露光装置100に隣接して配置されたトラック200と、管理コントローラ160と、解析装置500と、ホストシステム600と、デバイス製造処理装置群900とを備えている。
露光装置100は、デバイスパターンを、フォトレジストが塗布されたウエハに転写する装置である。露光装置100は、露光用照明光を射出する照明系、その照明光により照明されるデバイスパターン等が形成されたレチクルを保持するステージ、露光用照明光により照明されたデバイスパターン等を投影する両側テレセントリックな投影光学系、露光対象となるウエハを保持するステージ(いずれも不図示)及びこれらを統括制御する制御系等を備えている。
照明系からの照明光は、レチクルステージに保持されたレチクルの一部に照射される。この照射領域を照明領域とする。レチクル上には、回路パターン等を含むデバイスパターンが形成されている。照明領域を介した照明光は、投影光学系を介して、ステージに保持されたウエハの被露光面(ウエハ面)の一部に入射し、そこに照明領域のデバイスパターンの投影像が形成される。このウエハ上の領域を露光領域とする。ウエハ面には、フォトレジストが塗布されており、露光領域に対応する部分に投影像のパターンが転写されるようになる。
ここで、投影光学系の光軸と平行な座標軸をZ軸とするXYZ座標系を考える。ウエハを保持するステージは、XY平面を移動可能であるとともに、ウエハ面を、Z軸方向のシフト、θx(X軸回りの回転軸)方向、θy(Y軸回りの回転軸)方向に調整することが可能である。また、レチクルを保持するステージは、ウエハを保持するステージに同期してXY面内を移動することが可能である。
この両ステージの投影光学系の投影倍率に応じた同期走査により、レチクル上のデバイスパターンが、照明領域を通過するのに同期して、ウエハ面が、露光領域を通過するようになる。これにより、レチクル上の全デバイスパターンが、ウエハ面上の一部の領域(ショット領域)に転写されるようになる。露光装置100は、露光用照明光に対し、上述した両ステージの相対同期走査と、ウエハを保持するステージのステッピングを繰り返すことにより、レチクル上のデバイスパターンをウエハ上の複数のショット領域に転写している。すなわち、露光装置100は、走査露光(ステップ・アンド・スキャン)方式の露光装置である。
露光装置100の制御系は、照明光の強度(露光量)を制御する露光量制御系と、両ステージの同期制御や、投影光学系の焦点深度内にウエハの面を一致させるオートフォーカス/レベリング制御(以下、単に、フォーカス制御という)などを行うステージ制御系と、投影光学系の可動レンズ素子を制御するレンズ制御系とを備えている。
露光量制御系は、露光量を検出可能な各種露光量センサの検出値に基づいて、露光量をその目標値に一致させるように制御するフィードバック制御を行っている。
以下では、ステージ制御系のうち、両ステージの同期制御を行う制御系を同期制御系とし、ステージ位置(ウエハ面)のZ位置やX軸回り、Y軸回りの回転量を制御する制御系を、フォーカス制御系として説明する。ステージ制御系は、XYZ座標系の下で、ステージの位置を計測する干渉計の計測値に基づいてフィードバック制御を行って、両ステージの位置制御及び速度制御を実現している。露光装置100には、ウエハ面のフォーカス/レベリングずれを複数検出点にて検出する多点AF(オートフォーカス)センサが設けられている。ステージ制御系は、この多点AFセンサの複数検出点のうち、例えば9個の検出点(9チャンネル)でウエハ面高さを検出し、露光領域に対応するウエハ面を、投影光学系の像面に一致させるようなフィードバック制御を行うことにより、フォーカス制御を実現している。
投影光学系は、複数枚、例えば10〜20枚程度の屈折光学素子(レンズ素子)を含む光学系である。これらのレンズ素子のうち、物体面側(レチクル側)の例えば5枚のレンズ素子は、制御系によって外部から駆動可能な可動レンズとなっている。これらのレンズ素子は、不図示の二重構造のレンズホルダをそれぞれ介して鏡筒に保持されている。これらレンズ素子は、内側レンズホルダにそれぞれ保持され、これらの内側のレンズホルダが不図示の駆動素子、例えばピエゾ素子などにより重力方向に3点で外側レンズホルダに対して支持される。そして、これらの駆動素子に対する印加電圧を独立して調整することにより、レンズ素子各々が、X軸、Y軸、Z軸(光軸)方向にシフト駆動であり、各軸回りの回転方向(θx、θy、θz)に回転駆動可能、すなわち6自由度に駆動可能な構成となっている。
その他のレンズ素子は、通常のレンズホルダを介して鏡筒に保持されている。なお、可動レンズ素子は、何個設けられていてもよい。レンズ制御系は、大気圧、露光装置100のチャンバ内の温度、露光量、投影光学系のレンズの温度をモニタし、そのモニタ結果に基づいて投影光学系の倍率変動量と、フォーカス変動量を算出し、その変動量に基づいて、投影光学系内部の気圧の調整と、レンズ間隔の調整により、ベストフォーカス位置と、倍率とが、目標値に追従するように制御している。
[制御系パラメータ]
露光装置100では、上記各制御系の動作を規定するファクタが幾つかパラメータ化されており、それらの値を、適切な範囲内で自由に設定することができるようになっている。制御系パラメータは、その設定値を変更する際に、プロセスを一旦停止して装置調整が必要となる調整系パラメータと、装置調整を必要としない非調整系パラメータとに大別される。
調整系パラメータの代表例について幾つか説明する。まず、露光量制御系関連では、露光量を検出する露光量センサ(不図示)の調整パラメータや、ウエハ面上の照明光の強度を計測する照度計測センサ(不図示)の調整パラメータなどがある。また、同期制御系関連では、ステージの位置測定用の干渉計からのレーザービームを反射するために両ステージ上に設けられた移動鏡曲がり補正用の補正関数の係数値などのパラメータや、フィードバック制御の位置ループゲイン、速度ループゲイン、積分時定数などがある。
また、フォーカス制御系関連では、露光時のウエハ面と投影光学系による最良結像面とを一致させる際のフォーカス制御のオフセット調整値であるフォーカスオフセット、露光時のウエハ面と投影光学系の最良結像面とを一致させるためのレベリング調整パラメータ、多点AFセンサの個々の検出点のセンサである位置検出素子(PSD)のリニアリティ、センサ間オフセット、各センサの検出再現性、チャンネル間オフセット、ウエハ上へのAFビーム照射位置(すなわち検出点)、その他AF面補正などに関連するパラメータなどがある。また、レンズ制御系関連では、フォーカスオフセットや、内部のレンズ間隔の調整パラメータがある。これら調整系パラメータの値は、いずれも装置のキャリブレーションや試運転によって調整する必要がある。
次に、非調整系パラメータの代表例について幾つか説明する。まず、露光量制御系関連では、例えば、照明系におけるNDフィルタの選択に関するパラメータや、露光量目標値がある。また、同期制御系関連では、例えば、走査(スキャン)速度などがある。また、フォーカス制御系関連では、例えば、多点AFセンサにおける9チャンネル分のフォーカスセンサの選択状態、後述するフォーカス段差補正マップ関連のパラメータ、フォーカスオフセットの微調整量、ウエハ外縁のエッジショットにおけるスキャン方向などがある。また、レンズ制御系関連では、投影光学系内部の気圧調整パラメータなどがある。これらのパラメータの設定値は、いずれも装置のキャリブレーションを行わずに値を変更することが可能なパラメータであり、露光レシピによって指定されているものが多い。なお、NDフィルタについては、あるウエハに対する露光開始時に、露光量目標値を適当に(例えば最小に)設定した状態で1回だけ行われる平均パワーチェックの結果により選択される。また、このNDフィルタの選択によっては、スキャン速度もある程度微調整される。
ウエハ上に転写形成されるデバイスパターンの線幅や転写位置は、露光量、同期精度、フォーカス、レンズの各制御誤差により設計値からずれる。そこで、露光装置100では、露光量制御系から得られる露光量誤差に関連する制御量の時系列データ(露光量トレースデータ)、同期制御系から得られる同期精度誤差に関連する制御量の時系列データ(同期精度トレースデータ)、フォーカス制御系から得られるフォーカス誤差に関連する制御量の時系列データ(フォーカストレースデータ)、投影光学系のレンズ制御系から得られるレンズ制御誤差に関連する制御量の時系列データ(レンズトレースデータ)をロギングし、それらのデータをパターン線幅等の解析評価に利用している。
また、露光装置100では、既にウエハ上のデバイスパターンが転写されている場合には、そのデバイスパターンに、レチクルのパターンを重ね合わせ露光するため、ウエハを位置合わせする必要がある。この処理をウエハアライメントという。露光装置100では、このウエハアライメントの処理内容に関するデータもロギングしており、それらのデータをデバイスパターンの重ね合わせ精度等の解析評価に利用している。
さらに、投影光学系には、波面収差が存在する。この波面収差により、投影光学系を通過する平行光束の波面は理想的な波面からずれるようになる。この波面のずれは、物面上の1点から生じた光の像面上の結像位置の位置ずれなどを引き起こす。露光装置100では、可動レンズ素子を駆動して、この波面収差を調整するための機能も設けられている。
投影光学系の波面収差は、ザイデル収差やツェルニケ多項式で表現することができる。中でも、ツェルニケ多項式は、高次成分の波面収差の表現に好適である。ツェルニケ多項式は、次式で示されるように、投影光学系の瞳座標(ρ,θ)に関する実多項式である。
Figure 2007227614
ツェルニケ多項式は、直交系であるから、各項の係数Ziを独立に決定することができる。iを適当な値で切ることはある種のフィルタリングを行うことに対応する。なお、一例として第1項〜第37項までのfi(fi(ρ,θ):動径ρ、角度θを独立変数とする動径多項式)を係数Ziとともに例示すると、次の表1のようになる。但し、表1中の第37項は、実際のツェルニケ多項式では、第49項に相当するが、本明細書では、i=37の項(第37項)として取り扱うものとする。すなわち、本発明において、ツェルニケ多項式の項の数は、特に限定されるものではない。
Figure 2007227614
ツェルニケ多項式のそれぞれの項は光学収差に対応する。しかも低次の項(iの小さい項)は、ザイデル収差にほぼ対応する。例えば、ツェルニケ係数Z7、Z8(Z7、Z8は直交関係)は、3次のコマ収差に対応し、Z14、Z15は、5次のコマ収差に対応する。これらのコマ収差は、動径多項式が奇関数であるので、奇関数収差とも呼ばれている。ウエハ上に形成される像面では、パターンの横ずれ、焦点深度の低減、パターン非対称性の原因となる。また、ツェルニケ係数Z4は、フォーカスに対応し、Z9は、4次の球面収差に対応する。これらの収差は、動径多項式が偶関数であるので偶関数収差とも呼ばれている。
以上述べたように、このツェルニケ多項式を用いることにより、投影光学系の波面収差を求めることができる。ツェルニケ多項式は、像面上の任意の位置での収差量を位置座標とは独立して扱うことができるため、投影光学系の収差の評価に適しているといえる。制御系の制御により、可動レンズ素子を駆動すれば、投影光学系の波面収差、すなわちツェルニケ係数の第1項から第37項までの収差の大きさが変化する。第1項から第37項までの収差の大きさが変わると、ぞれぞれの項の収差に感度のある結像性能が変化する。この波面収差は、露光領域(像面)内の各地点で異なるため、露光領域内の結像性能の変化状態も、地点ごとに異なるようになる。レンズ素子は、露光領域内における結像特性が、できるだけ均一となるように、すなわち、露光領域IA内の波面収差ができるだけ均一となるように、駆動される必要がある。
なお、照明系は、制御系の制御の下で、露光用照明光の波長を微調整可能である。また、露光装置100には、不図示の照度ムラセンサも設けられている。
制御系は、上述したように、露光装置100の各種構成要素を制御するコンピュータシステムである。制御系は、デバイス製造処理システム内に構築された通信ネットワークに接続され、その通信ネットワークを介して外部とのデータ送受信が可能となっている。
ところで、露光装置100においては、レチクルとしては、OPCマスクや位相シフトマスクを採用することができる。
<OPCマスク>
OPCマスクとは、光近接効果補正法(Optical Proximity Correction:OPC)を利用したマスクのことである。通常のマスクを単に微細化しても、微細パターンでの光量不足や隣接パターンからの光の影響により、露光パターン異常が発生する可能性がある。この現象を光近接効果という。これらの現象を防止するために、マスクパターンの角に小さい図形を付加したり、密集部と粗な箇所のパターンサイズを変化させる技法が、光近接効果補正法(Optical Proximity Correction:OPC)である。OPCマスクでは、例えば、パターンのエッジにジョグと呼ばれる段差を作り、ウエハ上の露光パターンの形状が設計パターンの形状に近くなるように、ジョグの長さや大きさを調整する。
<位相シフトマスク>
位相シフトマスクは、例えば、マスクパターンの透過部を隣接する透過部とは異なる物質とすることにより、透過光に180°の位相差を与えたマスクである。よって、パターン遮光部では、回折した180°位相の異なる透過光同士が打ち消し合い、光強度が小さくなり、その結果、像面上のパターンコントラストが向上する。位相シフトマスクとしては、例えば、レベンソン型(基板掘り込み式、両掘り込み式、シフタ式)、補助パターン型、リム型、ハーフ・トーン型、クロム・レス型などの様々なタイプがある。
OPCマスクや位相シフトマスクを採用することは、超解像技術の1つであり、これらのマスクを用いれば、ウエハ面上に転写形成されるパターンの微細化が実現される。しかしながら、これらのマスクを採用すると、そのマスクに形成された欠陥の内容も、多様化する。例えば、OPCマスクにおいて、顕著に発生する欠陥には、ピンホールや突起などの形状欠陥及び異物、パターンの位置ずれ・サイズずれなどがある。また、位相シフトマスクで発生する欠陥としては、上記欠陥(OPCマスクの欠陥)以外に、透過率や位相差ずれも考慮する必要がある。したがって、通常のマスクを用いる場合に比べ、OPCマスクや位相シフトマスクを用いた場合には、欠陥を検査する検査器には多様化するマスク欠陥に対応する検査能力が求められるようになる。
また、露光装置100には、ウエハを保持するステージが2台設けられている。続けて処理されるウエハは、両ステージに交互にロードされて順次露光される。このようにすれば、一方のステージに保持されたウエハに対する露光を行っている最中に、他方のステージ上にウエハをロードし、アライメントなどを行っておくことができるので、1台のステージでウエハ交換→アライメント→露光を繰り返し行うよりもスループットが向上する。図1では、一方のステージに保持されたウエハに対し走査露光を行う部分を、処理部1として示しており、他方のステージに保持されたウエハに対し走査露光を行う部分を、処理部2として示している。
[レチクル検査器]
露光装置100内には、露光に用いられるレチクルを、ステージに保持する前に検査するレチクル検査器130が設けられている。レチクル検査器130は、レチクルのデバイスパターン上に付着した異物の有無及びデバイスパターンの欠陥を検出する。まず、レチクル検査器130は、レチクルのデバイスパターンを、レーザでスキャンして、その反射光や散乱光を検出し、反射光又は散乱光の強度変化によって、デバイスパターン上の異物を検出する。また、レチクル検査器130は、照明光により照明されたデバイスパターンを撮像し、その撮像結果に基づいて、パターン欠陥を検出する。デバイスパターンの画像としては、パターンを透過した光に基づく撮像データと、パターンを反射した光に基づく撮像データとを取得することができるようになっている。ここで、レチクル検査器は、露光装置100の外に接続されていてもよい。
レチクル検査器130は、反射光や散乱光の検出結果や、デバイスパターンの撮像結果に基づいて、デバイスパターン上の異物や欠陥の有無の判断を行う(すなわち異常を検出する)情報処理装置を備えている。この情報処理装置では、上記異常検出のほか、異常が検出された箇所の位置の特定、異常の種類(異物か欠陥か)、異常部分の大きさ、異常の発生数などを検出する。これらの検出結果や、反射光や散乱光の検出信号やパターンの撮像信号などに相当する計測生データは、レチクル検査器130内の不図示の記憶装置に格納される。この情報処理装置は、外部の通信ネットワークと接続されており、外部の装置とデータ(上記計測生データを含む)の送受信が可能となっている。
[トラック]
トラック200は、露光装置100を囲むチャンバ(不図示)に接するように配置されている。トラック200は、内部に備える搬送ラインにより、主として露光装置100に対するウエハの搬入・搬出を行っている。
[コータ・デベロッパ]
トラック200内には、レジスト塗布及び現像を行うコータ・デベロッパ(C/D)110が設けられている。C/D110は、ウエハ上に対しフォトレジストの塗布及び現像を行う。C/D110は、これらの処理状態を観測し、その観測データをログデータとして記録することができるようになっている。観測可能な処理状態としては、例えば、レジスト塗布膜厚均一性、現像モジュール処理、PEB(Post-Exposure-Bake)の温度均一性(ホットプレート温度均一性)、ウエハ加熱履歴管理(PEB処理後のオーバベークを回避、クーリングプレート)の各状態がある。C/D110も、その装置パラメータの設定により、その処理状態をある程度調整することができるようになっている。このような装置パラメータには、例えば、ウエハ上のレジストの塗布むらに関連するパラメータ、例えば、設定温度、ウエハの回転速度、レジストの滴下量や滴下間隔などの装置パラメータがある。
C/D110は、露光装置100や、ウエハ検査器120とは、独立して動作可能である。C/D110は、トラック200の搬送ラインに沿って配置されている。したがって、この搬送ラインによって、露光装置100とC/D110との間でウエハの搬送が可能となる。また、C/D110は、デバイス製造処理システム1000内の通信ネットワークと接続されており、外部とのデータ送受信が可能となっている。C/D110は、例えば、そのプロセスに関する情報(上記トレースデータなどの情報)を出力可能である。
[ウエハ検査器]
トラック200内には、露光装置100でのウエハの露光前後(すなわち、事前、事後)において、そのウエハに対する様々な測定検査を行うことが可能な複合的なウエハ検査器120が設けられている。ウエハ検査器120は、露光装置100やC/D110とは、独立して動作可能である。ウエハ検査器120は、露光前に測定を行う事前測定検査処理と、露光後に測定を行う事後測定検査処理とを行う。
事前測定検査処理では、ウエハが露光装置100に搬送される前に、ウエハ上の異物の検査、ウエハ上のレジスト膜検査や、露光装置100における露光条件を最適化するための測定を行う。事前測定検査処理の測定対象としては、露光前のウエハの面形状がある。ウエハ検査器120は、事前測定検査の結果を、システム内の通信ネットワークを介して外部にデータ出力することができるようになっている。
一方、ウエハ検査器120の事後測定検査器は、露光装置100で転写されC/D110で現像された露光後(事後)のウエハ上のレジストパターン等の線幅や重ね合わせ誤差、投影光学系の波面収差、照明ムラの測定を行い、ウエハ膜検査、ウエハ欠陥・異物検査などを行う。ここで、ウエハ膜検査とは、ウエハ上に形成された膜の膜厚、膜厚ムラ、膜不良、異物、スクラッチなどの検査を含む。
また、ウエハ検査器120では、露光装置100の投影光学系の収差計測のための露光されたテストウエハ上の収差計測用マークの相対位置ずれ量なども計測することができるようになっている。
また、ウエハ検査器120についても、その測定状態(例えば、測定のためのウエハの位置あわせ時の残差成分などの位置合わせ等の測定誤差などに影響するようなデータ)をログデータとして記録することができるようになっている。このログデータについても、通信ネットワークを介して外部に出力可能となっている。また、ウエハ検査器120も、その装置パラメータを許容範囲内で設定することにより、その測定状態をある程度調整することができるようになっている。このような装置パラメータには、例えば、計測の前提となるウエハの位置合わせ関連のパラメータや、センサのフォーカス状態に関するパラメータ、計測対象となるウエハの選定や、計測ショットの選択に関するパラメータなどがある。
なお、このC/D110及びウエハ検査器120においても処理部1、2が設けられており、処理時間の短縮が実現されている。
ウエハ検査器120は、トラック200の搬送ラインに沿って配置されている。したがって、この搬送ラインによって、露光装置100と、C/D110と、ウエハ検査器120との間でウエハの搬送が可能となる。すなわち、露光装置100と、トラック110と、ウエハ検査器120とは、相互にインライン接続されている。ここで、インライン接続とは、装置間及び各装置内の処理ユニット間を、ロボットアームやスライダ等のウエハを自動搬送する搬送装置を介して接続することを意味する。このインライン接続により、露光装置100とC/D110とウエハ検査器120との間でのウエハの受け渡し時間を格段に短くすることができる。
インライン接続された露光装置100とトラック110と測定器120とは、これを一体として、1つの基板処理装置(100、110、120)とみなすこともできる。基板処理装置(100、110、120)は、ウエハに対して、フォトレジスト等の感光剤を塗布する塗布工程と、感光剤が塗布されたウエハ上にレチクルのパターンの像を投影露光する露光工程と、露光工程が終了したウエハを現像する現像工程と、レチクルやウエハの測定検査工程等を行う。これらの工程については後述する。
デバイス製造処理システム1000では、露光装置100と、トラック110と、ウエハ検査器120とが(すなわち基板処理装置(100、110、120)が)、複数台設けられている。各基板処理装置(100、110、120)、デバイス製造処理装置群900は、温度及び湿度が管理されたクリーンルーム内に設置されている。また、各装置の間では、所定の通信ネットワーク(例えばLAN:Local Area Network)を介して、データ通信を行うことができるようになっている。この通信ネットワークは、顧客の工場、事業所あるいは会社に対して設けられたいわゆるイントラネットと呼ばれる通信ネットワークである。
基板処理装置(100、110、120)においては、ウエハは複数枚(例えば20枚)を1単位(ロットという)として処理される。デバイス製造処理システム1000においては、ウエハは1ロットを基本単位として処理され製品化されている。したがって、デバイス製造処理システム1000におけるウエハプロセスをロット処理ともいう。
なお、このデバイス製造処理システム1000では、ウエハ検査器120は、トラック200内に置かれ、露光装置100やC/D110とインライン接続されているが、ウエハ検査器120を、トラック200外に配置し、露光装置100やC/D110とはオフラインに構成してもよい。
上述した、ウエハ検査器120における情報処理装置を実現するハードウエアとしては、例えばパーソナルコンピュータを採用することができる。この場合、この情報処理装置のCPU(不図示)で実行されるプログラムの実行により実現される。解析プログラムは、CD−ROMなどのメディア(情報記録媒体)により供給され、PCにインストールされた状態で実行される。
[解析装置]
解析装置500は、露光装置100、トラック200とは独立して動作する装置である。解析装置500は、デバイス製造処理システム1000内の通信ネットワークと接続されており、外部とデータ送受信が可能となっている。解析装置500は、この通信ネットワークを介して各種装置から各種データ(例えばその装置の処理内容)を収集し、ウエハに対するプロセスに関するデータの解析を行う。このような解析装置500を実現するハードウエアとしては、例えばパーソナルコンピュータを採用することができる。この場合、解析処理は、解析装置500のCPU(不図示)で実行される解析プログラムの実行により実現される。この解析プログラムは、CD−ROMなどのメディア(情報記録媒体)により供給され、PCにインストールされた状態で実行される。
解析装置500は、露光装置100のログデータや、ウエハ検査器120の事前測定結果データなどに基づいて、基板処理装置(100、110、120)の処理条件の最適化を行う。ここで、最適化される処理条件は、比較結果に応じて異なったものとなり、露光装置100の上記制御系パラメータや、投影光学系のレンズ素子の駆動量などの露光装置100の各種パラメータや、C/D110、ウエハ検査器120の処理内容など多岐に渡る。解析装置500は、パラメータの最適化を行う場合には、内部の記憶装置に格納されている、線幅を推定するためのCDテーブル群、波面収差変化表、結像性能変化表などの各種データベースを参照する。これらのデータベースについては後述する。解析装置500のデータベースには、マンマシンインターフェイスを介して入力された結像性能誤差許容値も予め登録されている。
CDテーブル群は、パターンの線幅と、露光量、同期精度、フォーカス、レンズの各制御誤差との関係を示すテーブル群である。図2には、このCDテーブル群552の一例が模式的に示されている。図2に示されるように、このテーブル群は、インデックステーブル51と、幾つかのテーブル群52とから成る。インデックステーブル51には、露光量の制御誤差(露光量誤差)の代表値として−0.1〜0.1mJ/cm2のうちの5つの代表値が指定されており、同期精度の制御誤差(同期精度誤差)の代表値として0.00〜0.03μmのうちの4つの代表値が指定されている。インデックステーブル51では、露光量誤差としては所定期間内の移動平均が採用され、同期精度誤差としては所定期間内の移動標準偏差が採用されている。同期精度誤差(移動標準偏差)は、通常、√((同期精度XMSD2+(同期精度YMSD2+(同期精度θMSD×像高)2)で表されるが、パターンの形状、方向などに応じて、上記XYθのうち不要な項を除いても良い。いずれも線幅への影響度が高い統計値が採用されている。ここで、所定期間とは、ウエハを保持するステージとレチクルを保持するステージの相対走査によりスリット状の露光領域が、ウエハ上のある地点に到達してから抜けるまでの期間である。
インデックステーブル51の各セルには、各代表値の組合せに対応するテーブル群のテーブル名(T11〜T54)のいずれかが登録されている。複数のテーブル群52には、それぞれフォーカスの制御誤差の統計値としてのZ平均オフセットZMEAN、Z移動標準偏差ZMSDと、線幅値との関係を示すテーブルが用意されている。ここで、ZMEANとは、上記所定期間(露光スリット通過期間)内のフォーカスの制御誤差の移動平均値であり、ZMSDとは、上記所定期間内のフォーカスの制御誤差の移動標準偏差である。より厳密には、Z平均オフセットZMEAN、Z移動標準偏差ZMSDは、露光スリットがそのパターンの部分を通過する間の、ウエハ面のデバイストポグラフィを基準とするフォーカス目標位置からのウエハ面のZ方向及び傾斜方向のずれ、すなわちそれらの方向の総合的なフォーカス制御誤差の移動平均及び移動標準偏差である。なお、同じZMEAN、ZMSDであってもそのときの線幅値(CD値)は、像高(走査方向に直交する座標軸方向)ごとに異なるため、テーブル群では、像高の幾つかの代表値(f0〜fM)ごとにテーブルが用意されている。
解析装置500は、露光装置100から取得される露光量トレースデータ、同期精度トレースデータ、フォーカストレースデータ、レンズトレースデータに基づいて、ウエハ上のある地点(サンプル地点)でのそれぞれの制御誤差の統計値を算出する。そして、解析装置500は、インデックステーブル51を参照し、露光量誤差及び同期精度誤差に基づいて、それらの値に近い代表値に対応するテーブル群を、テーブル群T11〜T54の中から選択する。例えば、露光量誤差が−0.07で、同期精度誤差が0.005であったとすると、その値の近傍の代表値の組合せに対応するセルに登録された4つのテーブル群T11、T12、T21、T22が選択されるようになる。
4つのテーブル群が選択された場合のCD値の算出方法について説明する。前提として、選択されたテーブル群に対応する露光量誤差の代表値のうち、小さい方を露光量誤差最小値と呼び、大きい方を露光量誤差最大値と呼ぶ。また、選択されたテーブル群に対応する同期精度誤差の代表値のうち、小さい方を同期精度誤差最良値と呼び、大きい方を同期精度誤差最悪値と呼ぶ。解析装置500は、選択された4つのテーブル群の中から、パターンのショット内X座標に対応する像高fk(k=0〜M)のテーブルを参照し、以下に示される4つのテーブルを読み出す。ここで、k=0は像高0、すなわち光軸上であることを意味する。
(1)露光量誤差最小値と同期精度誤差最良値でのテーブル群の像高fkのテーブル1
(2)露光量誤差最小値と同期精度誤差最悪値でのテーブル群の像高fkのテーブル2
(3)露光量誤差最大値と同期精度誤差最良値でのテーブル群の像高fkのテーブル3
(4)露光量誤差最大値と同期精度誤差最悪値でのテーブル群の像高fkのテーブル4
まず、解析装置500は、テーブル1、2を参照して、ZMEAN、ZMSDに対応するCD値を読み出す。なお、このZMEANとしては、レンズ制御誤差に基づくフォーカスの平均ずれの統計値が加味されたものが用いられ、このZMSDとしては、レンズ制御誤差に基づくフォーカスの標準偏差の統計値が加味されたものが用いられる。そして、同期精度誤差最悪値と同期精度誤差最良値との間を内分する同期精度誤差の、その内分比に基づく1次補間により、テーブル1、2から読み出されたCD値から、その同期精度誤差に対応するCD値を算出する。より具体的には、CDと同期精度とを各座標軸とする2次元面内における2つのテーブル1、2から読み出されたCD値、直線の切片と傾きを求め、同期精度誤差におけるその直線の値を、その同期精度誤差に対応するCD値として求める。同様に、テーブル3、4を参照して、ZMEAN、ZMSDに対応するCD値を読み出す。なお、この場合にも、このZMEANとしては、レンズ制御誤差に基づくフォーカスの平均ずれの統計値が加味されたものが用いられ、このZMSDとしては、レンズ制御誤差に基づくフォーカスの標準偏差の統計値が加味されたものが用いられる。そして、同期精度誤差最悪値と同期精度誤差最良値との間を内分する同期精度誤差の値のその内分比に基づく1次補間により、テーブル3、4から読み出されたCD値から、その同期精度誤差に対応するCD値を算出する。続いて、算出された2つのCD値を、露光量誤差最小値と露光量誤差最大値との間を内分する露光量誤差の値の、その内分比に基づく1次補間により、その露光量の制御誤差に対応するCD値を算出する。このCD値が、このサンプル地点におけるCD値となる。上記補間は、露光量誤差又は同期精度誤差のいずれか一方の値が代表値に等しく、4つのテーブルでなく2つのテーブルが選択された場合にも適用されるのは勿論である。
ところで、このテーブルを用いた線幅の推定に先立って、テーブルにCD値を予め登録しておく必要がある。このCD値は、一連のプロセスの実行前に、露光装置100及びウエハ検査器120から得られる情報に基づいて登録される。まず、露光装置100に、所定の露光条件を設定した状態で走査露光を行ってテストウエハにテストパターンを転写させ、そのときの露光量トレースデータ、同期精度トレースデータ、フォーカストレースデータ、レンズトレースデータを取得させる。そして、テストパターンが転写されたテストウエハをC/D110に現像させ、ウエハ検査器120にテストパターンの線幅を測定させる。そして、各種トレースデータ及び設定されている露光条件に関するデータと、線幅の測定結果とを、解析装置500に転送させる。
解析装置500は、各種トレースデータに基づいて、線幅が測定されたテストパターンが転写されたサンプル点での露光量、同期精度、フォーカス、レンズの制御誤差の統計値を算出する。次に、解析装置500は、テーブルに設定されている各種制御誤差の代表値を基準とする所定の範囲(すなわちテーブル内のセル)毎に、測定結果をグループ分けする。そして、同じグループに属する線幅の測定結果の平均値を、そのセルのCD値としてテーブルに登録する。なお、登録されるCD値は、ウエハ検査器120の測定結果に基づくものでなく、SEMによる測定された値又はOCD法等により測定された値に基づくものであってもよいし、実際にテストウエハを用いず、テストパターンの空間像を計測する空間像センサを代わりに設置し、その空間像センサによって計測されるテストパターンの空間像から求められた空間像シミュレーションの算出値であってもよい。
なお、露光量誤差、同期精度誤差、フォーカス誤差、レンズ誤差が全く同じであっても、CD値は、露光装置100の露光条件、転写されるパターンの設計条件によって異なるようになる。そのため、このテーブル群は、露光条件、パターン設計条件ごとに用意される。このように、テーブル群については、露光条件、パターン設計条件、露光量誤差、同期精度誤差、フォーカス誤差をキーとして、CD値の推定値を探索できるようにデータベース化しておく必要がある。なお、露光条件としては、露光波長、投影光学系NA、照明NA、照明σ、照明種類、焦点深度などがあり、パターンの設計条件としては、マスク線幅、ターゲット線幅(例えば130nm)、パターンピッチ、マスク種類(バイナリ、ハーフトーン、レベンソン)、パターン種類(孤立線やライン・アンド・スペース・パターン)などがある。これらの露光条件、パターン設計条件と、パターン線幅との関係や、テーブルにおける像高などの諸条件の設定方法については、例えば特開2001−338870号公報に詳細に開示されているので、詳細な説明を省略する。
このCDテーブル群は、解析装置500におけるパターン線幅に関連するパラメータの最適化にも用いられる。例えば、線幅が設計値に近づくような、露光量制御関連、同期制御関連、フォーカス制御関連、レンズ制御関連の制御系パラメータの組合せ、又は前提条件としての照明条件などを求める際に、CDテーブル群を参照する。
また、解析装置500は、投影光学系の波面収差を最適化することも可能である。解析装置500には、レンズ素子の駆動量に対する波面収差変化表と、波面収差に対する結像性能変化表とが登録されている。解析装置500は、波面収差に関する測定データに基づいて、投影光学系の波面収差、すなわちツェルニケ項の第1項〜第37項の大きさを算出する。解析装置500は、このツェルニケ項の大きさ(すなわち波面収差データ)と、レンズ素子駆動範囲と、レンズ素子の駆動量に対する波面収差変化表と、波面収差に対する結像性能変化表と、結像性能誤差許容値とを入力し、それらを用いて、ウエハ検査器120の測定結果から算出された波面収差データに基づいて、レンズ素子等の駆動位置や露光波長の調整値、ウエハを保持するステージの姿勢の調整値と、残留誤差と、駆動後の予測結像性能とを出力する。レンズ素子の駆動位置は、露光装置100に送られる。
露光装置100は、投影光学系の結像性能を制御する結像性能コントローラ(不図示)を介して、送られてきた駆動位置にレンズ素子を駆動し、投影光学系の波面収差等を調整したり、ウエハを保持するステージの姿勢制御のオフセット値を変更したり、露光用照明光の波長を微調整し、結像性能をその目標値に近づける。
[波面収差変化表]
波面収差変化表は、レチクル上のパターンの投影像の形成状態に影響を与える調整パラメータの単位調整量の変化を、投影光学系の視野内(すなわち露光領域内)の複数の計測点それぞれに対応する結像性能、例えば上述したツェルニケ多項式の第1項〜第37項の係数の変動量との関係を示すデータを所定の規則に従って並べたデータ群から成る変化表である。波面収差変化表の要素は、投影光学系と実質的に等価なモデルを用いて、シミュレーションを行い、このシミュレーション結果として取得することができる。調整パラメータは、上述した通り、投影光学系内の5つの可動レンズの6自由度の駆動量、露光用照明光の波長、ウエハ面(すなわちウエハステージWST)のZ、θx、θyの駆動量である。
[結像性能感度表]
結像性能感度表は、それぞれ異なる露光条件、すなわち光学条件(露光波長、最大N.A.、使用N.A、照明N.A、照明系開口絞りの開口形状、照明σなど)、評価項目(マスクの種類、線幅、評価量、パターンの情報など)と、これらの光学条件と評価項目との組合せにより定まる複数の露光条件下でそれぞれ求めた、投影光学系の結像性能、例えば諸収差(あるいはその指標値)のツェルニケ多項式の各項、例えば第1項〜第37項の1λ当りの変化量から成る計算表、すなわちツェルニケ感度表を含むデータベースである。ツェルニケ感度表は、Zernike Sensitivityとも呼ばれる。そこで、複数の露光条件下におけるツェルニケ感度表から成るファイルは、「ZSファイル」とも呼ばれている。
本実施形態では、ツェルニケ感度算出の対象となる結像性能として、各Zernike係数に対して線形な結像性能である次の12種類の線形収差、すなわち、X軸方向、Y軸方向のディストーション、4種類のコマ収差の指標値である線幅異常値、4種類の像面湾曲、2種類の球面収差と、各Zernike係数に対する非線形な結像性能である線幅CDとの13種類の結像性能が含まれている。ここで、各Zernike係数に対する非線形な結像性能としての線幅には、投影光学系によって像面上に形成されるラインパターンの像の線幅の他、縦方向に延びるラインパターンと、横方向に延びるラインパターンとの線幅差、孤立線と密集線との線幅差などがあるが、以下では、ラインパターンの像の線幅CDを代表的に採りあげて説明を行うものとする。
解析装置500は、算出した波面収差データと結像性能変化表とに基づいて、現在の各結像性能を計算し、次に、レンズ素子、露光用照明光の波長、ウエハ面を仮に動かしたときの結像性能の変化を求める。そして、最も結像性能が良好となるであろう状態のレンズ素子の位置、露光用照明光の波長、ウエハ面位置とそのときの結像性能予測情報(レンズ素子等駆動量(調整パラメータ)、残留誤差、結像性能)を最適化結果として出力する。ここで、その結像性能は、レンズ素子駆動範囲と、結像性能誤差許容値とを考慮して算出される。
言い換えると、ここでは、結像性能に対する要求から、上記各種データベース情報に基づいて決定された波面収差に対する閾値を、実測された波面収差量が超えた場合に、求められる結像性能に、実際の結像性能が近づくように、調整パラメータが算出される。
なお、本実施形態では、レンズ素子の駆動量に対する波面収差変化表と、波面収差に対する結像性能変化表とは、解析装置500が有しているものとしたが、これらの情報を露光装置100が有しており、解析装置500は、投影光学系の調整パラメータを算出する必要が生じた場合に、露光装置100から取得するようにしてもよい。
[デバイス製造処理装置群]
図1に戻り、デバイス製造処理装置群900としては、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法)装置910と、エッチング装置920と、化学的機械的研磨を行いウエハを平坦化する処理を行うCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)装置930と、酸化・イオン注入装置940とが設けられている。CVD装置910は、ウエハ上に薄膜を生成する装置であり、エッチング装置920は、現像されたウエハに対しエッチングを行う装置である。また、CMP装置930は、化学機械研磨によってウエハの表面を平坦化する研磨装置である。酸化・イオン注入装置940は、ウエハの表面に酸化膜を形成し、又はウエハ上の所定位置に不純物を注入するための装置である。また、CVD装置910、エッチング装置920、CMP装置930及び酸化・イオン注入装置940も、露光装置100などと同様に複数台設けられており、相互間でウエハを搬送可能とするための搬送経路が設けられている。デバイス製造処理装置群900には、この他にも、プロービング処理、リペア処理、ダイシング処理、パッケージング処理、ボンディング処理などを行う装置も含まれている。
[管理コントローラ]
管理コントローラ160は、露光装置100により実施される露光工程を集中的に管理するとともに、トラック200内のC/D110及びウエハ検査器120の管理及びそれらの連携動作の制御を行う。このようなコントローラとしては、例えば、パーソナルコンピュータを採用することができる。管理コントローラ160は、デバイス製造処理システム1000内の通信ネットワークを通じて、処理、動作の進捗状況を示す情報や、処理結果、測定・検査結果を示す情報を各装置から受信し、デバイス製造処理システム1000の製造ライン全体の状況を把握し、露光工程等が適切に行われるように、各装置の管理及び制御を行う。
[ホストシステム]
ホストシステム(以下、「ホスト」と呼ぶ)600は、デバイス製造処理システム1000全体を統括管理し、露光装置100、C/D110、ウエハ検査器120、デバイス製造処理装置群900を統括制御するメインホストコンピュータである。このホスト600についても、例えばパーソナルコンピュータなどを採用することができる。ホスト600と、他の装置との間は、有線又は無線の通信ネットワークを通じて接続されており、相互にデータ通信を行うことができるようになっている。このデータ通信により、ホスト600は、このシステムの統括制御を実現している。
[デバイス製造工程]
次に、デバイス製造処理システム1000における一連のプロセスの流れについて説明する。図3には、このプロセスのフローチャートが示されている。このデバイス製造処理システム1000の一連のプロセスは、ホスト600及び管理コントローラ160によってスケジューリングされ管理されている。上述したようにウエハはロット単位で処理されるが、実際には、ロット単位で、ウエハ毎に、図3に示される処理が例えばパイプライン的に繰り返されることになる。
図3に示されるように、まず、ステップ201では、露光装置100に搬入されたレチクルの事前測定検査処理を行う。ここでは、内部のレチクル検査器130を用いて、レチクル上のパターンに対するレーザスキャンの結果と撮像データとに基づいて、レチクル上の異物の付着や欠陥を検出する。なお、このステップ201の処理については、後で詳述する。次のステップ203では、露光装置において、レチクルをステージにロードし、レチクルの位置合わせや、ベースライン(オフアクシスのアライメントセンサと、レチクルのパターン中心との距離)の計測などの準備処理を行う。
この後、上記ステップ201、203に平行して、ウエハに対する処理が行われる。まず、CVD装置910においてウエハ上に膜を生成し(ステップ205)、そのウエハをC/D110に搬送し、C/D110においてそのウエハ上にレジストを塗布する(ステップ207)。次に、ウエハを、ウエハ検査器120に搬送し、ウエハ検査器120において、ウエハ上に、既に形成された前層の複数のショット領域のうち、計測対象として選択されたショット領域(以下、計測ショットとする)について、ショットフラットネス(ショット領域のフォーカス段差)の測定、ウエハ上の異物の検査などの事前測定検査処理を行う(ステップ209)。この計測ショットの数及び配置は、任意のものとすることができるが、例えば、ウエハ外周部の8ショットとすることができる。ウエハ検査器120の測定結果(すなわち計測ショットのショットフラットネス)は、露光装置100及び解析装置500に送られる。この測定結果は、露光装置100における走査露光時のフォーカス制御に用いられる。
続いて、ウエハを露光装置100に搬送し、露光装置100にてレチクル上の回路パターンをウエハ上に転写する(ステップ211)。このとき、露光装置100では、計測ショット露光中の上記露光量、同期精度、フォーカストレースデータをモニタリングし、内部のメモリにログデータとして記憶しておく。次に、ウエハをC/D110に搬送して、C/D110にて現像を行う(ステップ213)。その後、このレジスト像の線幅の、ウエハ検査器120での測定や、ウエハ上に転写された欠陥検査などの事後測定検査処理を行う(ステップ215)。
次に、解析装置500において、解析処理を行う(ステップ217)。この解析処理については後述する。ウエハは、ウエハ検査器120からエッチング装置920に搬送され、エッチング装置920においてエッチングを行い、不純物拡散、配線処理、CVD装置910にて成膜、CMP装置930にて平坦化、酸化・イオン注入装置940でのイオン注入などを必要に応じて行う(ステップ219)。そして、繰り返し工程が完了し、ウエハ上にすべてのパターンが形成されたか否かを、ホスト600において判断する(ステップ221)。この判断が否定されればステップ201に戻り、肯定されればステップ223に進む。このように、成膜・レジスト塗布〜エッチング等という一連のプロセスが工程数分繰り返し実行されることにより、ウエハ上に回路パターンが積層されていき、半導体デバイスが形成される。
繰り返し工程完了後、プロービング処理(ステップ223)、リペア処理(ステップ225)が、デバイス製造処理装置群900において実行される。このステップ223において、メモリ不良検出時は、ステップ225において、例えば、冗長回路へ置換する処理が行われる。解析装置500は、検出した線幅の異常が発生した箇所などの情報を、プロービング処理、リペア処理を行う装置に送るようにすることもできる。不図示の検査装置では、ウエハ上の線幅異常が発生した箇所については、チップ単位で、プロービング処理、リペア処理の処理対象から除外することができる。その後、ダイシング処理(ステップ227)、パッケージング処理、ボンディング処理(ステップ229)が実行され、最終的に製品チップが完成する。なお、ステップ215の事後測定検査処理は、ステップ219のエッチング後に行うようにしてもよい。この場合には、ウエハ上のエッチング像に対し線幅測定が行われるようになる。
[最適化処理その1]
次に、デバイス製造処理システム1000における一連の最適化処理について詳細に説明する。図4には、この最適化処理におけるデータ通信の流れを示すデータフローが示されている。図4に示されるように、ステップ201(図3参照)におけるレチクル検査器130のレチクルの事前測定検査結果のデータは、解析装置500からの要求に応じて、又は自動的に、解析装置500に送られる。また、ステップ215(図3参照)におけるウエハ検査器120のウエハの事後測定検査結果のデータも、解析装置500からの要求に応じて、又は自動的に、解析装置500に送られる。解析装置500は、レチクルの事前測定検査結果と、ウエハの事後測定検査結果とを、不図示の記憶装置に格納するとともに、適当なタイミングで、ステップ217に進み、それらの検査結果を用いた解析処理を行う。この解析処理については詳述する。なお、この解析処理では、必要に応じて、露光装置100に対しデータ要求(処理状態のログデータ)を発して、そのログデータを取得し、取得したログデータに基づいて行われる場合もある。
解析装置500における解析結果は、露光装置100に送られる。露光装置100は、この解析結果に基づいて、装置パラメータ等の調整を行う。この調整処理についても後述する。
[解析処理]
解析装置500において、行われる解析処理(ステップ217)には、以下の2つがある。
(1)レチクル検査器130の検査条件を最適化するための解析処理
(2)露光装置100などの処理条件を最適化するための解析処理
[解析処理その1]
まず、図5に示されるように、ステップ401において、レチクル検査結果をレチクル検査器130から取得する。この場合、レチクル検査結果としては、もし、レチクルの異常が検出されていれば、その異常が発生したレチクル上の位置、異常の種類(異物か欠陥か)、大きさ、数、検出信号などが含まれている。次のステップ403では、そのレチクル検査結果に基づいて、レチクルに異物や欠陥があるか否かを判断する。この判断が否定されればステップ419に進み、肯定されれば、ステップ405に進む。
ステップ405では、ウエハ検査結果データをウエハ検査器120から取得する。次のステップ407では、レチクル検査結果データとウエハ検査結果データとの相関度を算出する。次のステップ409では、算出された相関度が閾値を超えたか否かを判断する。ここで、判断が肯定されればステップ411に進み、否定されればステップ417に進む。
ステップ411では、検査結果が異物であるか否かを判断する。この判断が否定されればステップ413に進み、レチクルに欠陥有りと判断し、レチクル交換要を通知内容として設定する。また、ステップ411で判断が肯定されればステップ415に進み、異物除去要を通知内容として設定する。
一方、ステップ409での判断が肯定された後に行われるステップ417では、レチクル検査器120の判定レベルの調整を行う。すなわち、レチクル検査結果で異常となり、かつ、ウエハ検査結果との相関性がない場合には、その異常検出レベルは、歩留まりに影響しない異常検出レベルとずれがあるものとして、通知内容としての異常検出用の閾値を高めに設定する。
ステップ413、415、417が実行された後は、ステップ419に進み、通知内容を、露光装置100(レチクル検査器130)に送る。
図6には、この通知後の露光装置100(レチクル検査器130含む)の調整処理であるステップ303のサブルーチンが示されている。図6に示されるように、まず、ステップ451では、解析装置500からの通知内容を取得する。次のステップ453では、レチクル検査結果で異常が検出されていたか否かを判断する。この判断が否定されれば処理を終了するが、肯定された場合にはステップ455に進む。
ステップ455では、その相関度が閾値を上回っているか否かを判断する。この判断が肯定されればステップ457に進み、この判断が否定されればステップ463に進む。ステップ457では、レチクル検査結果の異常の原因が異物であったか否かを判断する。この判断が否定されればステップ459に進み、肯定されればステップ461に進む。ステップ459では、パターン欠陥と判定されたので、レチクルを、欠陥のないレチクルに交換し、ステップ461では異物有りと判定されたので、レチクルをクリーニングする。一方、ステップ463では、異常判定レベルを変更する。ステップ459、461、463終了後は、処理を終了する。
[解析処理その2]
次に、解析処理その2について説明する。図7には、解析処理その2のフローチャートが示されている。図7に示されるように、ステップ501では、ウエハ検査結果を取得する。この場合、ウエハ検査結果としては、もし、ウエハの異常が検出されていれば、その異常が発生したウエハ上の位置、異常の種類(異物か欠陥か)、大きさ、数、検出信号などが含まれている。次のステップ503では、ウエハ検査結果を参照し、ウエハ上に異物・欠陥が有るか否かを判断する。この判断が否定されればステップ541に進み、肯定されればステップ505に進む。ステップ505では、レチクル検査結果をレチクル検査器130から取得し、次のステップ507では、レチクル検査結果(レチクル異常)と、ウエハ検査結果(ウエハ欠陥)との相関度を算出し、ステップ509では、相関度が閾値以上であるか否かを算出する。ステップ509の判断が肯定されればステップ511に進み、否定されればステップ517に進む。
ステップ511では、レチクル異常の要因が、異物であるか否かを判断する。この判断が否定されればステップ513に進み、肯定されればステップ515に進む。ステップ513ではレチクルに欠陥有りと判断してレチクル交換要を設定し、ステップ517では異物除去要を設定する。
一方、ステップ517では、露光装置100からログデータを取得し、ステップ519では、そのログデータとウエハ検査結果との相関度を算出する。ここでは、異常が発生した位置での検出信号と、ログデータとの相関度を算出する。次のステップ521では、相関度が閾値を超えたか否かを判断する。この判断が肯定された場合にのみ、ステップ525に進み、露光装置の制御系パラメータを最適化する。例えば、CDテーブル群552を参照して、ウエハの異常の要因が解消されるように、ログデータから算出される異常個所に該当する露光量、同期誤差、フォーカス、レンズ制御誤差などの値と、そのときの推定線幅との関係に基づいて、各種制御系における制御系パラメータを最適化する。さらに、ウエハの異常がデバイスパターンの重ね合わせ異常であった場合には、ウエハアライメント関連の装置パラメータも最適化の対象となる。最適化されたパラメータは、解析結果として設定される。
次のステップ531では、C/D110や検査器120、130の処理内容に異常が見られるか否かを、それらから取得されたデータ等に基づいて判定する。この判断が肯定された場合にのみ、ステップ533に進み、C/D110、検査器120、139の調整要を設定する。
ステップ535では、投影光学系の収差調整要か否かを設定する。この判断が肯定された場合にのみ、ステップ537に進んで、投影光学系の収差調整要を設定する。
ステップ539では、レチクル最適化処理を行う。OPCや位相シフト技術によるレチクル最適化である。より具体的には、ウエハ検査結果から、設計情報とのパターンのずれが閾値以上である箇所を抜き出す。そして、ずれが大きい箇所について、OPC技術又は位相シフトマスク技術により、パターンの設計情報を変更する。そして、変更されたパターンの設計情報に合致したレチクルを用意する。
図8(A)〜図8(E)には、OPC技術によるパターンの設計変更の一例が示されている。図8(A)の例では、ライン・アンド・スペース・パターンの一部のラインパターンの一部が細くなったりするような場合(すなわち寸法が変動する場合)に、そのラインパターンを太くするようにパターンが補正されている。これにより、ウエハ上の転写パターンは、設計パターンどおりとなる。
また、図8(B)の例では、正方形状のレチクルパターンがウエハ上で縦に長細くなってしまう場合に、レチクルパターンを横に長細くなるように補正することにより、ウエハ上のパターンが設計パターンどおりに正方形状に補正されている。
また、図8(C)の例では、2つのラインパターンと、そのラインパターンに挟まれた矩形パターンとの組合せパターンの転写パターンにおいて、ラインパターンと矩形パターンとがつながってしまうような場合が示されている。この場合には、ラインパターンと、矩形パターンとの間が広くなるように、ラインパターンの一部を細くなるように補正することにより、ウエハ上のパターンが、設計どおりに形成される。
また、図8(D)では、ライン・アンド・スペース・パターン(L/Sパターン)のラインパターンの4角が丸まってしまうような場合に、レチクル上のラインパターンの4角を、矩形状に拡張している。また、図8(E)に示される例では、ラインパターンが全体的に小さくなってしまうような場合に、ラインパターンの4辺に、補助パターンが形成されている。
一方、位相シフトマスクとしては、例えば、レベンソン型、補助パターン型、リム型、ハーフ・トーン型、クロム・レス型などの様々なタイプを適用することができる。
ステップ513、515、539終了後は、ステップ541に進み、各種装置、解析結果を通知し、処理を終了する。
図9には、この通知を受けた露光装置100の処理のフローチャートが示されている。図9に示されるように、ステップ551では、通知内容を取得し、ステップ553において、ウエハに異常があったか否かを判断する。この判断が否定されれば、そのまま処理を終了する。ステップ553の判断が肯定された場合には、ステップ555に進む。ここでは、相関が無いか否かが判断される。この判断が肯定されれば(相関が無ければ)、ステップ557において、異物が有るか否かが判断される。ここで、この判断が否定されれば、レチクルに欠陥有りと判断して、ステップ559においてレチクル交換が行われ、肯定されれば、ステップ561においてレチクルのクリーニングが実施される。
一方、ステップ555で、判断が肯定された場合には、ステップ563に進み、最適化するパラメータが有るか否かを判断する。有る場合には、ステップ565に進み、最適化パラメータを設定し、無い場合には、ステップ567に進み、投影光学系の収差を調整するか否かを判断し、肯定された場合には、投影光学系の調整を行い、否定された場合には、処理を終了する。
なお、上述した解析装置500における解析処理は、他の装置での処理に対して、独立であるため、デバイス生産のスループットには、ほとんど影響を与えない。
以上詳細に述べたように、本実施形態によれば、レチクル検査器130のレチクル欠陥検査データと、ウエハ検査器120のウエハ欠陥検査データとを収集し、収集されたデータを統合して管理するので、歩留まりに影響する欠陥を速やかに検出し、修正を行えるようなデータが導き出されるような環境を構築することができる。この結果、デバイス生産の歩留まりが向上する。
また、本実施形態によれば、解析装置500は、レチクル検査器130の検査内容に関するデータと、ウエハ検査器120の検査内容に関するデータとの相関を、判定するステップ407、409を実行する。このようにすれば、ウエハの欠陥の原因がレチクルにあるのか否かを判別することが可能となる。
また、本実施形態によれば、ウエハ検査器120のウエハの欠陥検査で異常が認められた場合にのみ、各種処理条件の最適化処理を実行する。このようにすれば、検査が正常である限り、最適化処理を行わずに済むため、解析装置500やシステム全体の処理負荷が軽減される。なお、ウエハ1枚おき、3枚おき、ロット先頭のみ、又は定期的に、各種処理条件の最適化を行うようにしてもよいことは勿論である。最適化処理を行う頻度は、増減することができる。例えば、ウエハの異常が検出された場合に、最適化処理を行う頻度を増やし、その後、ウエハの検査結果が安定すれば、最適化処理を行う頻度を減らすようにすればよい。
なお、本実施形態では、このようなレチクル検査とウエハ検査との相関の判定を、ウエハごとに行ったが、これは、任意のタイミングで実行することができる。例えば、ロット内先頭のウエハのみ、3枚おき、5枚おき、又は、定期的に、各種処理条件の最適化処理を実行することができる。この結果、デバイス生産のスループットの低下が防止される。
また、本実施形態によれば、レチクル検査とウエハ検査との間に相関が認められ、かつ、ウエハに異常が認められた場合に、レチクルパターンの状態を改善するためのステップ413、415を実行する。ステップ413では、レチクルの交換が行われ、ステップ415では、レチクル上のパターンのクリーニング(レチクル上の異物の除去)が行われる。これにより、レチクルの状態が改善され、露光精度が向上する。
レチクルの検査とウエハの欠陥検査との間に相関が認められず、かつ、レチクル検査器130の検査又はウエハ検査器120の検査のいずれかで異常が認められた場合に、異常が検出されなかったもう一方のレチクル検査器130又はウエハ検査器120の検査条件を最適化する。このようにすれば、実際に歩留まりに直結する検査体勢が確立されるようになる。
また、本実施形態によれば、例えば最適化する検査条件は、異常を判別するための異常検出レベルとすることができる。この異常検出レベルが適切に設定されれば、擬似欠陥等の発生が抑制され、デバイス生産の歩留まりが向上する。
また、本実施形態によれば、レチクル検査器130の検査結果で異常が認められ、かつ、ウエハ検査器120の検査結果で異常が認められていなかった場合に、レチクル検査器130の検査条件を最適化する。
また、本実施形態によれば、ウエハにパターンを転写する露光装置100と解析装置500との間をデータ通信可能に接続する。次に、露光装置100によるウエハの処理状態に関するログデータを収集する。そして、ウエハの検査結果と、レチクルの検査結果との間に相関が認められなかった場合に、露光装置100の処理状態に関するログデータと、ウエハ検査器120の検査結果との相関を判定する。この相関の判定により、ウエハ欠陥の原因が露光装置100にあるか否かを判定することができるようになる。
また、本実施形態によれば、ウエハの検査結果と、露光装置100の処理状態との相関が認められた場合に、露光装置100の処理内容を最適化する。このようにウエハの検査結果との相関に基づいて、露光装置100の処理内容が改善されるので、デバイス生産の歩留まりが向上する。
また、本実施形態によれば、レチクル検査結果と、ウエハ検査結果との間で相関が認められず、さらに、ウエハ検査結果と、露光装置100の処理状態との間でも相関が認められなかった場合には、レチクル自体を交換するようにしてもよい。ここでは、なお、複数のレチクルを用意しておき、複数の異なるレチクルの中から、最適なレチクルを選択するようにしてもよい。このような複数のレチクルは、OPC技術や、位相シフト技術を用いたレチクルとすることができる。
また、本実施形態によれば、レチクル検査器130やウエハ検査器120から収集されたデータに基づいて、解析装置500を用いて、一方の検査器120、130の検査内容に関するデータに基づいて、他方の検査器120、130の検査内容の検査条件を最適化することができる。
また、このような最適化は、レチクル検査器130の検査結果とウエハ検査器120の検査結果とのいずれかで異常が認められた場合、又は、任意のタイミングで行うことができる。
また、この最適化処理においては、一方の検査器120、130の検査結果で異常が認められた場合に、その異常に対応する部分に対して検査が重点的に行われるように、他方の検査器120、130の検査条件を最適化することができる。
また、本実施形態によれば、解析装置500は、レチクル検査器130及びウエハ検査器120との少なくとも一方で異常が検出された場合には、その異常に関するデータのみを収集する。このようにすれば、データ通信量を削減して、通信ネットワークのトラフィックの負荷を軽減することができる。
また、本実施形態に係るレチクル最適化に至るまでの解析処理は、言い換えると、レチクル検査器130の検査結果のデータと、露光装置100の処理内容に関するデータと、ウエハ検査器120の検査結果のデータとの相関関係を考慮して、パターンの設計データを作成する方法であるとすることができる。
すなわち、レチクル検査器130の検査結果に関するデータとウエハ検査器の検査結果に関するデータとの相関関係とに基づいて、レチクル上のパターンの状態を改善し、露光装置100の処理内容に関するログデータと、ウエハ検査器120の検査結果に関するデータとの相関関係とに基づいて、露光装置100の制御パラメータ等を最適化した状態で、ウエハ検査器120の検査結果に関するデータに基づいて、レチクル上のパターンの設計データ(OPCマスクや位相シフトマスク)を作成する。これらのデータを総合的に勘案してレチクル上に形成するパターンの設計データを作成すれば、最適な状態の下で、デバイスを生産することが可能となる。
また、本実施形態によれば、レチクル検査で異常が認められた場合、異常が認められた部分に関するデータ(異常が発生したレチクル内の位置、種類、大きさ、数、検出信号など)を、露光装置100からウエハ検査器120又は解析装置500に送信する。ウエハ検査器120又は解析装置500は、このデータに基づいて、ウエハの検査条件を最適化する。このようにすれば、最適な状態で、ウエハを検査することができるようになる。
また、本実施形態によれば、インラインのウエハ検査器120で検出されたパターン欠陥(例えば、コーナの丸まり、設計寸法からのずれ)に関するデータに応じて、ウエハ、露光装置(露光装置での露光に用いられるレーザ光源の状態を含む)に測して、露光に用いるマスクを、その補正に適したマスク(OPC技術や、位相シフト技術などを適用したマスク)に変更する。これにより、高精度な露光を実現することができる。
また、本実施形態によれば、ウエハ検査器120又は解析装置500において、ロット間、ウエハ間、ショット間でのウエハ上の異常発生具合の傾向を分析する。このようにすれば、異常が発生する頻度が高い場所の検査頻度を増やしたり、異常が発生する確率が極めて少ない場所の検査頻度を減らしたりすることができる。
なお、異常が検出されたウエハを必ずしも廃棄する必要はなく、レジスト膜剥離などを行って、そのウエハを再利用するようにしてもよい。
本実施形態では、ウエハ検査器120を露光装置100等とインラインに接続するものとしたが、ウエハ検査器120は、露光装置100やトラック200とはインラインに接続されていないオフラインの測定検査器であってもよい。
さらに、特開平11−135400号公報や特開2000−164504号公報に開示されるように、ウエハを保持するウエハステージと基準マークが形成された基準部材や各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
なお、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式やステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置について説明したが、本発明は、これらの投影露光装置の他、プロキシミティ方式の露光装置など他の露光装置にも適用できることはいうまでもない。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置にも本発明を好適に適用することができる。これに代表されるように、各種装置についても、その種類には限定されない。
また、例えば国際公開WO98/24115号、WO98/40791号に開示されるような、ウエハステージを2基備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。また、例えば国際公開WO99/49504号に開示される液浸法を用いる露光装置にも本発明を適用することができるのは勿論である。この場合、投影光学系とウエハとの間に局所的に液体を満たす露光装置を採用しているが、本発明は、特開平6−124873号公報、特開平10−303114号公報、米国特許第5,825,043号明細書などに開示されているような露光対象の基板の被露光面全体が液体中に浸かっている状態で露光を行う液浸露光装置にも適用可能である。
また、本発明は、半導体製造工程に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造工程にも適用可能である。また、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する工程、薄膜磁気ヘッドの製造工程、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造工程の他、すべてのデバイス製造工程における線幅管理に本発明を適用することができるのは勿論である。
また、上記実施形態では、解析装置500を、例えばPCとした。すなわち解析装置500における解析処理は、解析プログラムが、PCで実行されることにより実現されている。この解析プログラムは、上述したようにメディアを介してPCにインストール可能となっていてもよいし、インターネットなどを通じてPCにダウンロード可能となっていてもよい。また、解析装置500がハードウエアで構成されていても構わないのは勿論である。
また、解析装置500は、露光装置100(レチクル検査器130含む)、C/D110、ウエハ測定検査器120とは、独立した装置としたが、いずれかが備えているようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の情報管理方法、情報管理システム、プログラム、記録媒体、パターン検査装置及び基板検査装置は、マイクロデバイスを製造するのに適している。
本発明の一実施形態に係るデバイス製造処理システムの概略構成を示す図である。 CDテーブル群の一例を示すフローチャートである。 ウエハプロセスの流れを示すフローチャートである。 解析処理の流れを示すフローである。 解析装置における解析処理その1を示すフローチャートである。 露光装置における調整処理その1を示すフローチャートである。 解析装置における解析処理その2を示すフローチャートである。 図8(A)〜図8(E)は、OPCマスクの設計例を示すフローチャートである。 露光装置における調整処理その2を示すフローチャートである。
符号の説明
51…インデックステーブル、52…テーブル群、100…露光装置、110…コータ・デベロッパ、120…ウエハ検査器、130…レチクル検査器、160…管理コントローラ、200…トラック、500…解析装置、552…CDテーブル群、600…ホストシステム、900…デバイス製造処理装置群、910…CVD装置、920…エッチング装置、930…CMP装置、940…酸化・イオン注入装置、1000…デバイス製造処理システム。

Claims (33)

  1. パターンを検査するパターン検査装置と情報処理装置との間を情報伝達可能に接続し、前記パターンが転写された基板を検査する基板検査装置と前記情報処理装置との間を情報伝達可能に接続する接続工程と;
    前記情報処理装置を用いて、前記パターン検査装置の検査内容に関する情報と、前記基板検査装置の検査内容に関する情報とを収集する収集工程と;
    前記収集された情報を、前記情報処理装置を用いて管理する管理工程と;を含む情報管理方法。
  2. 前記パターン検査装置の検査内容に関する情報と、前記基板検査装置の検査内容に関する情報との相関を、情報処理装置を用いて判定する検査間相関判定工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の情報管理方法。
  3. 前記パターン検査装置の検査結果と前記基板検査装置の検査結果とのいずれかで異常が認められた場合、又は、任意のタイミングで、前記検査間相関判定工程を行うことを特徴とする請求項2に記載の情報管理方法。
  4. 前記検査間相関判定工程において相関が認められ、かつ、前記基板検査装置の検査結果で異常が認められた場合に、前記パターンの状態を改善する改善工程をさらに含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報管理方法。
  5. 前記改善工程では、
    前記パターンのクリーニング及び前記パターンの交換のいずれかを行うことを特徴とする請求項4に記載の情報管理方法。
  6. 前記検査間相関判定工程において相関が認められず、かつ、一方の検査装置で異常が認められた場合に、他方の検査装置の検査条件を最適化する最適化工程をさらに含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報管理方法。
  7. 前記検査条件は、異常を判別するための閾値であることを特徴とする請求項6に記載の情報管理方法。
  8. 前記パターン検査装置の検査結果で異常が認められ、かつ、前記基板検査装置の検査結果で異常が認められていなかった場合に、前記パターン検査装置の検査条件を最適化する最適化工程をさらに含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報管理方法。
  9. 前記基板を加工する少なくとも1つの加工装置と前記情報処理装置との間を情報伝達可能に接続する接続工程と;
    前記加工装置による前記基板の加工内容に関する情報を収集する収集工程と;
    前記検査間相関判定工程で相関が認められなかった場合に、前記加工装置の加工内容に関する情報と、前記基板検査装置の検査内容に関する情報との相関を判定する加工検査間相関判定工程と;をさらに含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報管理方法。
  10. 前記加工検査間相関判定工程で相関が認められた場合に、その相関が認められた加工装置の加工内容を最適化する最適化工程をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の情報管理方法。
  11. 前記検査間相関判定工程で相関が認められず、かつ、前記加工検査間相関判定工程で相関が認められなかった場合に、前記パターンを変更する変更工程をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の情報管理方法。
  12. 前記変更工程では、
    複数の異なるパターンの中から、1つのパターンを選択することを特徴とする請求項11に記載の情報管理方法。
  13. 前記変更工程では、
    前記パターンの形状及び光学特性の少なくとも一方を変更することを特徴とする請求項11に記載の情報管理方法。
  14. 前記収集された情報に基づいて、前記情報処理装置を用いて、一方の検査装置の検査内容に関する情報に基づいて、他方の検査装置の検査内容の検査条件を最適化する最適化工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の情報管理方法。
  15. 前記パターン検査装置の検査結果と前記基板検査装置の検査結果とのいずれかで異常が認められた場合、又は、任意のタイミングで、前記最適化工程を行うことを特徴とする請求項14に記載の情報管理方法。
  16. 前記最適化工程では、
    一方の検査装置の検査結果で異常が認められた場合に、その異常に対応する部分に対して検査が重点的に行われるように、他方の検査装置の検査条件を最適化することを特徴とする請求項14又は15に記載の情報管理方法。
  17. 前記収集工程では、
    前記パターン検査装置及び前記基板検査装置との少なくとも一方で異常が検出された場合には、その異常に関する情報のみを収集することを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の情報管理方法。
  18. 前記基板に前記パターンを転写する転写装置を含む少なくとも1つの加工装置と、前記情報処理装置との間を情報伝達可能に接続する接続工程と;
    前記加工装置の処理内容に関する情報を収集する収集工程と;
    前記パターン検査装置の検査内容に関する情報と、前記加工装置の処理内容に関する情報と、前記基板検査装置の検査内容に関する情報との相関関係を考慮して、パターンの設計情報を作成する設計工程と;をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の情報管理方法。
  19. 前記パターン検査装置の検査内容に関する情報と前記基板検査装置の検査内容に関する情報との相関関係に基づいて、前記パターンの状態を改善し、
    前記加工装置の処理内容に関する情報と、前記基板検査装置の検査内容に関する情報との相関関係に基づいて、前記加工装置の処理条件を最適化した状態で、
    前記基板検査装置の検査内容に関する情報に基づいて、前記パターンの設計情報を作成することを特徴とする請求項18に記載の情報管理方法。
  20. 前記パターンの設計情報は、前記パターンの形状及び光学特性の少なくとも一方に関する情報を含むことを特徴とする請求項18又は19に記載の情報管理方法。
  21. 基板上に転写されるパターンを検査するパターン検査装置と;
    前記パターンが転写された基板を検査する基板検査装置と;
    前記パターン検査装置及び前記基板検査装置と情報伝達可能に接続され、前記パターン検査装置の検査内容に関する情報と、前記基板検査装置の検査内容に関する情報とを収集し、前記収集された情報を管理する前記情報処理装置とを備える情報管理システム。
  22. 前記情報処理装置は、
    さらに、前記パターン検査装置の検査内容に関する情報と、前記基板検査装置の検査内容に関する情報との相関を判定することを特徴とする請求項21に記載の情報管理システム。
  23. 前記情報処理装置と情報伝達可能に接続され、前記基板を加工する少なくとも1つの加工装置をさらに備え、
    前記情報処理装置は、前記加工装置による前記基板の加工内容に関する情報を収集し、
    さらに、前記検査間相関判定工程で相関が認められなかった場合に、前記加工装置の加工内容に関する情報と前記基板検査装置の検査内容に関する情報との相関を判定することを特徴とする請求項22に記載の情報管理システム。
  24. 前記情報処理装置は、一方の検査装置の検査内容に関する情報とに基づいて、他方の検査装置の検査内容に検査条件を最適化することを特徴とする請求項21に記載の情報管理システム。
  25. 前記情報処理装置と情報伝達可能に接続され、前記基板に前記パターンを転写する転写装置を含む少なくとも1つの加工装置をさらに備え、
    前記情報処理装置は、前記加工装置の処理内容に関する情報を収集し、前記パターン検査装置の検査内容に関する情報と、前記加工装置の処理内容に関する情報と、前記基板検査装置の検査内容に関する情報との相関関係を考慮して、パターンの設計情報を作成することを特徴とする請求項21に記載の情報管理システム。
  26. パターンを検査するパターン検査装置から検査内容に関する情報を収集する手順と、
    前記パターンが転写された基板を検査する基板検査装置から検査内容に関する情報を収集する手順と、
    前記パターン検査装置から収集された情報と前記基板検査装置から収集された情報とを管理する手順とを、コンピュータに実行させるプログラム。
  27. 前記パターン検査装置から収集された情報と、前記基板検査装置から収集された情報との相関を判定する手順を、さらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項26に記載のプログラム。
  28. 前記基板を加工する少なくとも1つの加工装置から加工内容に関する情報を収集する手順と、
    前記パターン検査装置から収集された情報と前記基板検査装置から収集された情報との相関が認められなかった場合に、前記加工装置の加工内容に関する情報と前記基板検査装置の検査内容に関する情報との相関を判定する手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項27に記載のプログラム。
  29. 収集された一方の検査装置の検査内容に関する情報に基づいて、他方の検査装置の検査内容の検査条件を最適化する手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項26に記載のプログラム。
  30. 前記基板に前記パターンを転写する転写装置を含む少なくとも1つの加工装置から当該加工装置の加工内容に関する情報を収集する手順と;
    前記パターン検査装置の検査内容に関する情報と、前記加工装置の加工内容に関する情報と、前記基板検査装置の検査内容に関する情報との相関を求める手順と;
    求められた前記相関に基づいて、パターンの設計情報を作成する手順と;をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項26に記載のプログラム。
  31. 請求項26〜30のいずれか一項に記載のプログラムをコンピュータシステムで読み取り可能に記録する記録媒体。
  32. 基板上に転写されるパターンを検査するパターン検査装置であって、
    前記パターンが転写された基板を検査する基板検査装置での検査内容に関する情報を受信する受信装置を備え、
    前記パターンの検査に関する情報と前記基板検査装置での検査内容に関する情報との相関に基づいて、前記基板の検査方法を最適化するパターン検査装置。
  33. パターンが転写された基板を検査する基板検査装置であって、
    前記パターンを検査するパターン検査装置での検査内容に関する情報を受信する受信装置を備え、
    前記基板の検査に関する情報と前記パターン検査装置での検査内容に関する情報との相関に基づいて、前記基板の検査方法を最適化する基板検査装置。
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