JP2007223952A - アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】アルツハイマー病をはじめとするアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断のためのプローブを得る。
【解決手段】放射性標識、好ましくは陽電子放出核種、とりわけ11Cで標識された6−[2−(フルオロ)エトキシ]−2−[2−(2−ジメチルアミノチアゾール−5−イル)エテニル]ベンゾキサゾールをアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断のためのプローブとして使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、放射性核種、好ましくは陽電子放出核種、とりわけ11Cで標識された、アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断プローブ化合物BF−227、ならびにそれを含む画像診断用組成物およびキットに関する。
アミロイドが蓄積する疾患には、体内の種々の器官や組織への不溶性原線維性蛋白(アミロイド)の沈着を特徴とする種々の疾病があり、アルツハイマー病やダウン症候群等が含まれる。このうち、アルツハイマー病(AD)は現在最も治療の困難な疾病の1つとされており、正確な早期診断が望まれている。
アルツハイマー病(AD)は現在最も治療の困難な疾病の1つとされており、正確な早期診断が望まれている疾病である。アルツハイマー病は主として初老期から老年期に起こる進行性の認知症を特徴とする疾患である。病理学的には大脳の全体的な萎縮、神経細胞の著しい変性と脱落、神経原線維変化と老人斑の出現を特徴とする。アルツハイマー病に代表される認知症の最大のリスクファクターは加齢であることが知られている。したがって、老齢人口の増加に伴う患者数の増加は、特に、高齢化社会となっている日本、アメリカ、ヨーロッパ諸国において顕著であり、それに対する医療コストはこれらの国の医療システムを危機におとしめている。
なお、我が国においてはアルツハイマー病患者数は約100万人と推定され、今後人口の高齢化に伴いその患者数は増大することが確実視されている。アルツハイマー病患者にかかわる費用は介護費用を含めると年間患者1人当たり250万円を超えると考えられていることから、すでに我が国では2兆5千億円を超える社会経済的コストを払っていることになる。アルツハイマー病において認知症の症状が顕在化する以前ないしはできるだけ早期に治療を加えることは、大きな医療経済的効果をもたらすことはいまや世界の常識となっている。しかし現状ではこれらの段階のアルツハイマー病を正確に診断することは極めて困難である。
現在のアルツハイマー病診断方法は各種あるが、我が国においては長谷川式、ADAS、MMSE等の、アルツハイマー病が疑われる個体の認知機能の低下を定量的に評価する方法が一般的であり、まれに画像診断法(MRI、CT等)が補助的に用いられている。しかしこれらの診断法では病気を確定するには不十分であり、確定診断には生前における脳の生検(バイオプシー)、死後脳の病理組織学的検査が必要である。このように、アルツハイマー病の診断法についても精力的な研究が行われているにもかかわらず、それほどの進歩がみられないでいる。多くの研究の結果、最初の臨床症状が現れるかなり前(長い場合は約40年前)にはすでにアルツハイマー病特徴的な神経変性が始まっていることが判ってきた。また同病においては患者を取り巻く家族または臨床家が最初の臨床症状に気づいた時には、すでに脳内病理像は取り返しのつかない状態まで進行していることが知られている。上述のような病状の進行特性および患者数の激増を考え合わせると、アルツハイマー病の正確な早期診断の必要性ならびに意義は極めて大きい。
アルツハイマー病の病理組織像は2つの主徴に代表される。すなわち老人斑および神経原線維変化である。前者の主構成成分はβシート構造をとったアミロイドβ(Aβ)蛋白であり、後者のそれは過剰リン酸化されたアミロイドβ蛋白である。アルツハイマー病の確定診断はこれらの病理学的特徴が患者脳内に出現することをよりどころとしている。
アミロイドβ蛋白はアルツハイマー病を包含するアミロイドが蓄積する疾患に特徴的であり、密接な関連性を有している。したがって、体内、特に脳内でβシート構造をとったアミロイドβ蛋白をマーカーとして検出することが、アミロイドが蓄積する疾患、特にアルツハイマー病の重要な診断方法の1つとなる。アルツハイマー病をはじめとするアミロイドが蓄積する疾患の診断を目的として、体内、特に脳内アミロイドβ蛋白に特異的に結合し、これを染色する物質の検索が従来から行われている。かかる物質としてはコンゴーレッド(非特許文献1参照)およびチオフラビンS(非特許文献2参照)、チオフラビンT(非特許文献3参照)ならびにクリサミンGおよびその誘導体(特許文献1および2参照)等が知られているが、アミロイドβ蛋白に対する結合特異性、血液−脳関門透過性、溶解度、毒性等の面から問題が少なくない。
脳内蛋白がβシート構造をとることによって、その蛋白自身が病因となる疾患が知られている。 アルツハイマー病においてはアミロイドβ蛋白およびタウ蛋白がβシート構造をとることによって、それらの蛋白自身が病因または病因の一部となっていると考えられている。Yanknerらはアミロイドβ蛋白にβシート構造をとらせることにより神経細胞毒性を発揮することを初めて報告した(非特許文献4参照)。その後、多くの追試が行われ、βシート構造をとったアミロイドβ蛋白が、神経細胞毒性を有することが確認された。このようにβシート構造をとったアミロイドβ蛋白、タウ蛋白に神経細胞毒性がみられることから、これらを早期に検出することが正確な疾病の診断および治療につながる。
これまでアルツハイマー病の研究あるいは生検または剖検試料を用いた診断等には、アルツハイマー患者から脳切片を調製し、これを染色することが行われてきた。しかし、従来の方法は、生前の早期診断には不向きな点が多く、患者への負担も多かった。
近年、目的物質の検出感度および精度が高く、非侵襲的で患者への負担も軽い診断手段として、放射性核種で標識したプローブを用いる画像診断が用いられるようになってきた。画像診断プローブおよびその検出手段に求められる一般的要件としては、インビボで診断できること、患者へのダメージが少ないこと(特に非侵襲的であること)、検出感度が高いこと、半減期が適当な長さであること(標識プローブ調製時間、診断時間が適当であること)等が挙げられる。そこで、最近では、高い検出感度と物質透過性を示すγ線を利用した陽電子断層撮影法(PET)またはγ線放出核種によるコンピューター断層撮影法(SPECT)が用いられるようになってきた。このうち、PETは、陽電子放出核種から正反対の方向に放射される2本のγ線を1対の検出器により同時計数法により検出するので、解像力や定量性に優れた情報が得られるので好ましい。
国際特許出願PCT/US96/05918明細書 国際特許出願PCT/US98/07889明細書 パチトラー(Puchtler)ら、ジャーナル・オブ・ヒストケミストリー・アンド・サイトケミストリー(Journal of Histochemistry and Cytochemistry)、第10巻、35頁、1962年 パチトラー(Puchtler)ら、ジャーナル・オブ・ヒストケミストリー・アンド・サイトケミストリー(Journal of Histochemistry and Cytochemistry)、第77巻、431ページ、1983年 レバイン(LeVine)、プロテインサイエンス(Protein Science)、2巻、404−410ページ、1993年 ヤンカー(Yankner)ら、サイエンス(Science)、245巻、417-420ページ、1989
したがって、アルツハイマー病をはじめとするアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断のためのプローブであって、アミロイドβ蛋白に対する特異性が高く、血液−脳関門透過性、溶解度が大きく、毒性が低い等の特徴を有し、適切な標識が付されたプローブを開発することが本発明の課題であった。
本発明者らは、6−[2−(フルオロ)エトキシ]−2−[2−(2−ジメチルアミノチアゾール−5−イル)エテニル]ベンゾキサゾール(以下、「BF−227」と称する)がアミロイドβ蛋白に対する特異性が高く、血液−脳関門透過性(脳移行性)が高く、しかも極めて安全性の高い化合物であり、そのうえ、実際の使用時におけるベースライン変動が小さい等の優れた特性を有することを確認した。さらに本発明者らは、放射性核種、好ましくは陽電子放出核、とりわけ11Cで標識されたBF−227がPETによるアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患のPETによる画像診断に極めて好適であることも確認した。なお、BF−227は以下に示す構造を有する化合物である。
したがって、本発明は、
(1)陽電子放出核種で標識された、下式:
Figure 2007223952

で示される、アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断プローブ化合物;
(2)陽電子放出核種が11Cである、(1)記載の化合物;
(3)下式:
Figure 2007223952

で示される、(2)記載の画像診断プローブ化合物;
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の画像診断プローブ化合物を含む、アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断用組成物;
(5)(1)〜(3)のいずれかに記載の画像診断プローブ化合物を含む、アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断用キット
に関するものである。
本発明によれば、アルツハイマー病などのアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患を、PETやSPECTを用いて高い感度および特異度でもって画像診断することができ、しかも患者の負担も軽くてすむ。
本発明のアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患のPET診断用プローブは、放射性核種、好ましくは陽電子放出核種、とりわけ11Cにて標識されたBF−227、または存在する場合にはその塩もしくは溶媒和物である。BF−227の塩は医薬上許容される塩であることが好ましい。BF−227の溶媒和物も医薬上許容される溶媒和物であることが好ましい。本明細書において特に断らないかぎり、「BF−227」、「本発明の化合物」または「6−[2−(フルオロ)エトキシ]−2−[2−(2−ジメチルアミノチアゾール−5−イル)エテニル]ベンゾキサゾール」という場合(構造式で表示されている場合も含む)には、BF−227ならびに存在しうる場合にはその塩および溶媒和物を包含する。
本発明の標識されたBF−227は当業者に公知の種々の方法により合成することができる。また、実施例に示すように、適当な前駆体を公知の方法により合成し、これに標識を付してもよい。
本発明においては、アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患における対象体内のアミロイドβ蛋白(本明細書において「Aβ蛋白」または「Aβ」ともいう)にインビボにおいて特異的に結合するBF−227またはその塩もしくは溶媒和物を、放射性核種、好ましくは陽電子放出核種、とりわけ11Cで標識して使用する。BF−227はAβ蛋白に対する特異性が極めて高く、老人斑(びまん性老人班を含む)が鮮明に染色される。本明細書における「Aβが蓄積する疾患」とは、Aβ蛋白の脳内蓄積を主徴とする疾病をいい、Aβ蛋白、すなわち老人斑をマーカーとして診断可能な疾病としては、アルツハイマー病、ダウン症候群などがあげられる。
画像診断プローブおよびその検出手段に求められる一般的要件としては、インビボで診断できること、患者へのダメージが少ないこと(特に、毒性が低いかあるいはないこと、非侵襲的であること)、検出感度が高いこと、半減期が適当な長さであること(標識プローブ調製時間、診断時間が適当であること)、実際の測定時にベースラインの変動が小さいこと等が挙げられる。
最近では、高い検出感度と物質透過性を示すγ線を利用したPETまたはSPECTが種々の診断や検査に用いられるようになってきた。PETは、陽電子放出核種から正反対の方向に放射される2本のγ線を1対の検出器により同時計数法により検出するので、解像力や定量性に優れた情報が得られるので好ましい。PET用には11C、13N、15O、18F、62Cu、68Ga、76Br等の陽電子放出核種で標識されたプローブ化合物が用いられている。陽電子放出核種のなかでも、半減期が適当であること、標識しやすさ等の点から11C、13N、15O、18Fが好ましく用いられている。11C、13N、15O、18Fを用いてBF−227を標識することができる。特に好ましいBF−227の標識は11Cである。
また、SPECT用には99mTc、111In、67Ga、201Tl、123I、133Xe等のγ線放出核種が標識として用いられている。これらの標識によりBF−227を標識することができる。
一般的には、これらの核種はサイクロトロンまたはジェネレーターと呼ばれる装置により産生される。当業者は、産生核種に応じた産生方法および装置が選択可能である。そのようにして産生された核種を用いてBF−227を標識することができる。半減期が適度に短い11Cなどの核種を用いる場合、病院等の施設内の設置された(超)小型サイクロトロンから所望核種を得て、当該分野にて公知の方法によりBF−227を所望位置で標識して、即座に診断、検査、治療等に使用することが可能である。
BF−227のいずれの位置に上記標識を導入してもかまわない。11Cを標識として用いる場合には、BF−227のいずれの炭素を11Cで置換してもよく、好ましくはジメチルアミノ基の2個のメチル基の炭素の1つを11Cとする。また例えば18Fを標識として用いる場合には、BF−227の末端のフッ素を18Fとすることができる。
放射性核種にて標識されたBF−227、好ましくは陽電子放出核種、とりわけ11Cにて標識されたBF−227を対象に投与して、アミロイドβ蛋白への結合および崩壊のための十分な時間経過後、PETやSPECTにて検査部位を調べることができる。アミロイドβ蛋白への結合および崩壊のための十分な時間は疾病の種類、対象の状態、検査部位等の要因により様々であるが、当業者はこれを容易に決定することができる。標識されたBF−227の対象への投与は局所的であってもよく、あるいは全身的であってもよい。投与経路としては、皮内、腹腔内、静脈、動脈、または脊髄液への注射または輸液等があるが、疾病の種類、使用核種、使用化合物、対象の状態、検査部位等の要因により選択できる。そのための手段・方法は公知のものを用いることができ、疾病の種類、対象の状態、検査部位等の要因に応じて適宜選択できる。
放射性核種により標識されたBF−227の用量は、疾病の種類、対象の年齢、身体的状態、性別、疾病の程度、検査部位等により様々である。特に、対象の被曝量については十分に注意する必要がある。ちなみに11Cにより標識されたBF−227の放射能量は、通常には、3.7メガベクレルないし3.7ギガベクレル、好ましくは、18メガベクレルないし740メガベクレルの範囲である。
また本発明は、放射性核種により標識されたBF−227を含む、アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断用組成物を提供する。好ましくは、本発明の組成物は、陽電子放核種、とりわけ11Cにより標識されたBF−227および医薬上許容される担体を含む。本発明の画像診断用組成物の形態は、その目的からすれば注射あるいは輸液可能な形態であることが好ましい。したがって、医薬上許容される担体は液体であるものが好ましく、リン酸カリウム緩衝液、生理食塩水、リンゲル液、蒸留水等のごとき水性溶媒、あるいはポリエチレングリコール、植物性油脂、エタノール、グリセリン、ジメチルスルホキサイド、プロピレングリコール等のごとき非水性溶媒があるが、これらに限らない。担体と放射性核種により標識されたBF−227との配合比率は、適用部位、検出手段等に応じて適宜選択できるが、通常には10万対1ないし2対1の比率であり、好ましくは1万対1ないし10対1の比率である。また、本発明の組成物はさらに公知の抗菌剤(例えば、抗生剤等)、局所麻酔剤(例えば、塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン等)、バッファー(例えば、トリス−塩酸バッファー、ヘペスバッファー等)、浸透圧調節剤(例えば、グルコース、ソルビトール、塩化ナトリウム等)等を含有していてもよい。
さらに本発明は、放射性核種、好ましくは陽電子放出核種、とりわけ11Cにより標識されたBF−227を必須の構成成分として含む、アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断用キットを提供する。通常には、キットは、標識されたBF−227、それを溶解する溶剤、バッファー、浸透圧調節剤、抗菌剤、局所麻酔剤等の各成分を別個に、あるいはいくつかを一緒にしてそれぞれの容器に入れたものをひとまとめにしたものである。
上記キットにおいて、標識されたBF−227は凍結乾燥粉末等の固形物として提供してもよく、あるいは適当な溶媒中に溶解して提供してもよい。溶剤としては上述の本発明の組成物に用いられる担体と同様のものであってよい。また、バッファー、浸透圧調節剤、抗菌剤、局所麻酔剤等の各成分も上述の本発明の組成物に使用するものと同様のものであってよい。各成分を入れる容器は種々のものを適宜選択でき、例えば遮光性の材質のものとしてもよく、あるいは患者への投与に便利なようにバイアル、または注射器等の形状とすることもできる。また、キットは診断に必要な器具類、例えば注射器、輸液セット、あるいは使用する画像診断装置に使用する器具類等を適宜含んでいてもよい。キットには説明書を添付するのが一般的である。
さらに本発明は、放射性核種、好ましくは陽電子放出核種、とりわけ11Cにより標識されたBF−227またはその塩もしくは溶媒和物をプローブとして用いることを特徴とする、アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断方法を提供する。
上述のごとく、従来から研究・開発されているコンゴーレッドまたはチオフラビンS等ではアミロイドβ蛋白および神経原線維変化の両方を染色するが、BF−227はアミロイドβ蛋白に特異性が高い。したがって、BF−227は、例えば、アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断やかかる疾病の研究に有用である。さらに、コンゴーレッドまたはチオフラビンS等のごとき従来の多くの化合物はびまん性老人斑には特異的に結合しないが、BF−227はこれに結合する。アルツハイマー病における老人斑の主成分であるアミロイドβ(Aβ)蛋白は同病が発症する(認知症の症状が顕性化する)かなり以前(少なくとも10年以上前)に蓄積が始まると考えられており、この初期の蓄積像がびまん性老人斑と考えられている。BF−227はびまん性老人斑にも結合するので、画像診断法と組み合わせることにより、アルツハーマー病などのアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の早期発見・診断に極めて有用である。
放射性核種で標識したBF−227を用いてアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患を画像診断する場合の手順や方法は当該分野において公知である。対象を安静にさせ、好ましくは液体処方として注射または輸液により標識されたBF−227を投与し、Aβへの結合および崩壊のための時間が経過後に画像データを得る。画像データ解析には当該分野において知られた種々の手段・方法を用いることができる。PETを用いる場合には、SUV(Standardized Uptake Value)法、DVR(Distribution Volume Ratio)法、Logan法を用いたDVR法などを用いて画像データ解析するのが好ましい。
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、実施例は本発明を限定するものと解してはならない。
BF−227の諸性質を調べた。化合物は標識していないものを用いた。試験項目は:(a)β構造認識度試験、(b)アルツハイマー病患者脳切片上でのアミロイドβ蛋白の染色試験、(c)急性毒性試験、および(d)脳移行性試験であった。これらの試験方法・手順を以下に説明する。
(a)β構造認識度試験
(1)アミロイドβ蛋白(ペプチド研より購入)はリン酸緩衝液(pH7.4)で溶解し37℃で4日間放置した。
(2)同緩衝液に溶解したコンゴーレッド50μlを96穴マイクロプレートに分注した(最終濃度0.1μM)。
(3)アミロイドβ蛋白100μlずつを添加(最終濃度5μM)し、30分間放置した。
(4)同緩衝液に溶解したBF−227を100μlずつ添加(最終濃度10マイクロM)し、60分間放置した。
(5)蛍光マイクロプレートリーダー(モレキュラーデバイス社製、fmax)を用いて、あらかじめ測定してあった、最適励起および測定波長で測定した。
(6)BF−227とアミロイドβ蛋白とコンゴーレッド共存下の蛍光度をA、被験化合物とコンゴーレッド共存下のそれをB、BF−227とアミロイドβ蛋白共存下のそれをC、BF−227単独のそれをDとして、BF−227のβ構造認識度を以下の式で算出した。
BF−227β構造認識度(%)={(A−B)/(C−D)}×100
(7)このβ構造認識度が大きいほど化合物のアミロイドβ蛋白に対する結合特異性が高いといえる。
(b)アルツハイマー病患者脳切片上でのアミロイドβ蛋白の染色試験
(1)病理学的にアルツハイマー病と確定診断された患者および正常高齢者の、側頭葉または海馬における脳標本を使用した。
(2)パラフィン包埋された脳組織は厚さ6μmあるいは8μmで薄切し、スライドグラス上に伸展、乾燥させた。パラフィン脳切片はキシレン10分×2、100%エタノールl5分×2、95%エタノールl5分×2、流水洗10分の順で脱パラフィン化した。
(3)本発明化合物による染色の前処理として、リポフスチンによる自己蛍光を除去する処置を行った。はじめに、脱パラフィン化した切片を10%ホルマリン溶液に60分間浸漬し、PBSで5分間洗浄した後、0.25% KMnO4溶液に90分間浸漬した。PBSにて2分間×2回洗浄した後、0.1% K225/シュウ酸溶液中に約30秒間浸し、さらにPBSにて2分間×3回洗浄を行った。
(4)50%エタノールに溶解した100μMのBF−227溶液を約150μl滴下し、10分間反応させた。水道水中に5回つけた後、50%エタノールに3〜5回つけて速やかに分別を行い、その後PBSに60分間浸漬した上、Fluor Save Reagent(Calbiochem)で封入し、蛍光顕微鏡(Nikon,Eclips E800)を用いて鏡検した。画像はデジタルカメラ(Plaroid PDMCII)にて撮影した。
対照として、アルツハイマー病患者脳切片上でのアミロイドβ蛋白の免疫染色試験を下記手順で行った。
(1)(b)における脱パラフィン工程後、蒸留水中で2分×2で洗浄を行い、イムノペンにより組織を囲んだ後、蟻酸を約150μl滴下し、室温で5分間静置した。水道水で5分間洗浄した後、冷PBS−Tween20に2分間浸漬し、その後、0.05%トリプシン溶液を約150μl滴下して、37℃、15分間反応させた。
(2)氷浴中、冷PBS−Tween20で5分間×2回洗浄した後、ブロッキング用血清を2滴滴下して、37℃、30分間反応させ、余分な水分を除去した後に、アミロイドβ蛋白の特異抗体である6F/3D(DAKO社、1:50希釈)を約150μl滴下して、37℃、1時間反応させた。
(3)さらに冷PBS−Tween20で2分間×5回洗浄した後、抗マウスIgG(H+L)、ヤギ、ビオチン結合溶液を2滴滴下して37℃、1時間反応させ、冷PBS−Tween20で2分間×3回洗浄した上でABC溶液(ストレプトアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ複合体溶液)を2滴滴下して、30分間静置した。再び、冷PBS−Tween20で2分間×3回洗浄した後、DAB溶液(20mlの0.05mol/lトリス塩酸緩衝液にDAB 10mgを溶解し、使用直前に3%過酸化水素水100μlを添加)を約150μl滴下して、十分な発色を得たのち、蒸留水で1分間洗浄し、反応を停止させ、封入後、鏡検した。
(c)急性毒性試験
BF−227の急性毒性を、マウスを用いて静脈内投与で検討した。Crj:CD1系雄性マウスを一群4匹として使用した(各群の平均体重は31〜32gであった)。BF−227は1N HCl、ポリエチレングリコール400、蒸留水の混合液に溶解、またはDMSOに溶解後、蒸留水にて希釈し、尾静脈を介して投与し、以後7日まで観察した。
(d)脳移行性試験
マウスにBF−227を静脈内投与し、インビボにおける脳移行性を測定した。
(1)マウスは30〜40g(7週齢、n=3)のSlc:ICR(日本SLC)を用いた。
(2)BF−227は1N HCl、ポリエチレングリコール400、DMSOの混合液で溶解、DMSOまたはエチルアルコールで溶解後、精製水にて希釈して、尾静脈より注入し、投与より2分後にエーテル麻酔下で腹部大動脈からヘパリン処理注射筒を用いての採血、脳の採材をおこなった。
(3)血液は採血後4℃、14,000rpmで10分間遠心し、上清を血漿として−80℃で保存した。脳(小脳を含む)は採材後−80℃で保存した。
(4)使用時には血漿は溶解後、精製水で希釈した後、コンディショニングしたC18固相抽出カートリッジ(bond elute C18、200 mg、Varian)に添加しメチルアルコールにて溶出した。または溶解後ジエチルエーテル/シクロヘキサン混合液を加え震盪した後、遠心し油層を分注した。
(5)脳は使用時には凍結したまま湿重量を測定し生理食塩水を加え、ホモジェナイズを行った。ホモジェネートを10分間遠心し、上清をコンディショニングしたC18固相抽出カートリッジに添加し、メチルアルコールにて溶出を行った。または湿重量を測定後ジエチルエーテル/シクロヘキサン混合液を加えホモジネートし震盪した後、遠心し油層を分注した。
(6)高速液体クロマトグラフィを用い、吸光および蛍光を検出した。
(7)血漿、脳それぞれについて、投与量に対する血漿もしくは脳内のBF−227含有量(%ID(injected dose)/mlまたはg)を求めた。
上記試験により得られたBF−227の諸特性は以下のとおりであった。
(a)BF−227のβ構造認識度は、チオフラビンT(従来からAβに特異的とされている)の約1.2倍であり、Aβに対するBF−227の極めて高い特異性が示された。
(b)アルツハイマー病患者脳切片におけるBF−227(図1左パネル)と抗Aβ抗体6F/3D免疫染色(図1右パネル=図1左パネルの隣接切片)の染色性を比較した。BF−227は抗Aβ抗体6F/3Dによって染色される老人斑(クサビ型矢印)およびびまん性老人斑(破線丸印内)を染色することがわかった。
(c)一般にヒトでのPET撮影にはポジトロン標識および未標識化合物の総投与量として、1×10-12から1×10-5mg/kgの単回静脈内投与が用いられ、多くの場合、1×10-10から1×10-7mg/kgの静脈内投与が用いられる。BF−227の最大耐量は10mg/kgまたはそれ以上であり、PET撮影時に必要な総化合物量を考慮すると、両者の間には少なくとも10万倍以上の開きがあることから、BF−227はPET撮影用のプローブとしては極めて安全性の高い化合物と考えられる。
(d)BF−227投与2分後の脳内含有量は、7.9%ID/gであった。中枢神経系を対象としたPETまたはSPECT用化合物の脳移行性は、0.5%ID/g以上あれば十分と考えられている。その意味でBF−227は極めての脳移行性の高い化合物である。
このように、BF−227は、アミロイドβ蛋白に対する特異性が高く、血液−脳関門透過性(脳移行性)が高く、しかも極めて安全性の高い化合物であることがわかった。
実施例1 11Cで標識されたBF−227([11C]BF−227)の合成
下式:
Figure 2007223952

で示される前駆体化合物6−[2−(フルオロ)エトキシ]−2−[2−(2−メチルアミノチアゾール−5−イル)エテニル]ベンゾキサゾール(以下、「THK−001」と称する)のメチルアミノ基の水素を、以下に説明するメチル化反応により[11C]CH3とすることにより、[11C]BF−227を得た。
THK−001は以下に説明するようにして合成した。
Figure 2007223952
(1)3の合成
2(10.0g,99.9mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解し、(Boc)O(27.5ml,119.9mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧留去し、得られた結晶にn−ヘキサンを加えて粉砕し、3(19.25g,96%)を無色結晶として得た。

m.p. : 181.5〜182.5℃、1H NMR(CDCl3)δ 1.60(9H, s), 6.88(1H, d, J=3.7Hz), 7.38(1H, d, J=3.7Hz), 11.9(1H, s)、IR (Nujol) 1713 cm-1、APCI-MS m/z: 201 [M+H]+
(2)4の合成
3(10.0g,49.9mmol)をテトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、0℃で攪拌下、t−ブトキシカリウム(6.72g,59.9mmol)を加え、同温で10分攪拌し、ヨードメタン(4.66ml,74.9mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液の不溶物をろ別し、ろ液の溶媒を減圧留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9、1)で精製し、4(6.53g,61%)を無色固体として得た。

m.p. : 51〜52℃、 1H NMR(DMSO)δ 1.53(9H, s), 3.47(3H, s), 7.25(1H, d, J=3.5Hz), 7.45(1H, d, J=3.5Hz)、 IR (Neat) 1734 cm-1、APCI-MS m/z: 215 [M+H]+
(3)5の合成
ジイソプロピルアミン(5.12ml,36.4mmol)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液に、アルゴン雰囲気下、−60℃以下で1.58M n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液(23.0ml,36.4mmol)を滴下し、除々に0℃まで昇温した。次に−70℃以下で4(7.08g,33.1mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を滴下し、−78℃で1時間撹拌した。同温で、N−ホルミルモルホリン(4.98ml,49.6mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を一度に加え、同温で30分撹拌した。反応液に冷水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗後、乾燥し、溶媒を減圧留去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=10〜4)で精製し、5(6.40g,80%)を黄色固体として得た。

m.p. : 80〜81℃、 1H NMR(DMSO)δ 1.55(9H, s), 3.52(3H, s), 8.38(1H, s), 9.90(1H, s)、 IR (Nujol) 1714, 1659 cm-1、APCI-MS m/z: 243 [M+H]+
(4)7の合成
文献法1)により合成した6(1.20g,8.1mmol)のテトラヒドロフラン(30ml)溶液に、2−フルオロエタノール(1.04ml,17.7mmol)およびトリフェニルホスフィン(4.64g,17.7mmol)を加え、室温撹拌下、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(3.48ml,17.7mmol)を滴下し、室温で16時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1)で精製し、7(1.50g,96%)を無色油状物として得た。

1H NMR(DMSO)δ 2.56(3H, s), 4.29(2H, dt, J=30.1, 3.7Hz), 4.77(2H, dt, J=47.9, 3.7Hz), 6.96(1H, dd, J=8.7, 2.3Hz), 7.33(1H, d, J=2.3Hz), 7.54(1H, d, J=8.7Hz)、APCI-MS m/z: 196 [M+H]+
1) Fujita, S., Koyama, K., Inagaki, Y.; Synthesis, 1982, 68.
(5)8の合成
ジイソプロピルアミン(1.51ml,10.7mmol)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液に、アルゴン雰囲気下、−60℃以下で1.58M n−ブチルリチウム/n−ヘキサン溶液(6.78ml,10.7mmol)を滴下し、除々に0℃まで昇温した。次に−70℃以下で7(1.90g,9.7mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を滴下し、−78℃で1時間撹拌した。同温で、5(3.06g,12.6mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を滴下し、同温で30分撹拌した。反応液に冷水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗後、乾燥し、溶媒を減圧留去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=1)で精製し、8(2.26g,53%)を淡橙色油状物として得た。

1H NMR(DMSO)δ 1.51(9H, s), 3.40(3H, s), 4.28 (2H, dt, J=30.0, 3.7Hz), 4.76(2H, dt, J=47.7, 3.7Hz), 5.33(1H, m), 6.02(1H, d, J=5.3Hz), 6.97(1H, dd, J=8.7, 2.3Hz), 7.27(1H, s), 7.34(1H, d, J=2.3Hz), 7.56(1H, d, J=8.7Hz)、APCI-MS m/z: 438 [M+H]+
(6)9の合成
8(2.26g,5.2mmol)のジクロロメタン(30ml)溶液にトリエチルアミン(4.33ml,20.7mmol)を加え、氷冷撹拌下、メタンスルホニルクロライド(0.800ml,10.3mmol)を滴下し、室温で30分撹拌した。反応液に冷水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗後、乾燥し、溶媒を減圧留去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製後、酢酸エチル/n−ヘキサンで再結晶し、9(1.61g,74%)を橙色結晶として得た。

m.p. : 194〜195℃、1H NMR(DMSO)δ 1.56(9H, s), 3.49(3H, s), 4.33 (2H, dt, J=29.9, 3.5Hz), 4.78(2H, dt, J=47.7, 3.5Hz), 6.77(1H, d, J=16.1Hz), 7.02(1H, dd, J=8.7, 2.2Hz), 7.37(1H, d, J=2.2Hz), 7.62(1H, d, J=8.7Hz), 7.84(1H, d, J=16.1Hz), 7.87(1H, s)、IR (Nujol) 1695, 1632 cm-1、APCI-MS m/z:420 [M+H]+
(7)1(THK−001)の合成
9(1.00g,2.4mmol)をジクロロメタン(24ml)に懸濁し、氷冷攪拌下、トリフルオロ酢酸(6ml)を滴下し、室温で1.5時間撹拌した。反応液に氷片を加え、炭酸カリウム水溶液を加え、pH=8とし、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗後、乾燥し、溶媒を減圧留去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製後、酢酸エチルで再結晶し、1(633mg,83%)を黄色結晶として得た。

m.p. : 234〜236℃、1H NMR(DMSO)δ 2.89(3H, d, J=4.6Hz), 4.30(2H, dt, J=30.2, 3.9Hz), 4.77(2H, dt, J=47.8, 3.9Hz), 6.28(1H, d, J=15.7Hz), 6.97(1H, dd, J=8.7, 2.4Hz), 7.31(1H, d, J=2.4Hz), 7.51(1H, s), 7.54(1H, d, J=8.7Hz), 7.74(1H, d, J=15.7Hz),8.20(1H, q, J=4.6Hz)、IR (Nujol) 3240, 1637, 1618 cm-1、APCI-MS m/z:320 [M+H]+
次に、THK−001からの[11C]BF−227の合成スキームを示す。
Figure 2007223952
サイクロトロンHM12(住友重機械社製)で加速した12MeVの陽子ビームをN2ガス(0.5% O2ガス含有)に30分間照射して[11C]CO2を合成した。続いてMicroLabヨウ化メチル合成システム(GE社製)を用いて[11C]CO2から[11C]CH3Iを合成し、加熱したAgOTf充填カラム(約190℃)に通すことで[11C]CH3Iを[11C]CH3OTfに変換した。そして、THK−001(約1mg)をDMSO(450μL)に溶解し、2M NaOH水溶液(7μL)を添加した溶液中に、室温条件下、[11C]CH3OTfを含有したヘリウムガスを流し込むことで11C標識メチル化反応を行った。この反応溶液に5%AcOH(エタノール溶液、150μL)を加えてよく攪拌し、その混合液をセミ分取HPLC(カラム:YMC−Pack Pro C18 RS(10X250mm)+ガードカラム(10X30mm)、移動相:EtOH/MeCN/20mM NaH2PO4=15/40/45、流速:6.0mL/分)にかけて、約9−10分に溶出する[11C]BF227由来の放射性ピークを分取した。分取HPLCクロマトグラムから求められた放射化学的収率は50%以上であった。[11C]BF−227含有フラクションを蒸留水(約30mL)で希釈してSep−Pak tC18カートリッジ(Waters社製)にロードし、蒸留水でカートリッジを洗浄後、EtOHで[11C]BF−227を溶出した。このEtOH溶出液に25%アスコルビン酸水溶液および5%ポリソルベート80エタノール溶液を適量加えて80℃で加熱しながらロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、得られた[11C]BF−227含有放射性残渣を生理食塩液に溶解して0.22μmフィルターに通し濾過滅菌した。[11C]BF−227含有生理食塩液の放射化学的純度は95%以上、比放射能の平均は約170GBq/μmolであった。
実施例2 [11C]BF−227を用いた臨床試験
探索的臨床試験は東北大学医学部・医学系研究科倫理委員会の承認のもとで行われた。同委員会承認番号は正常健常人を用いた試験では2005−52(平成17年6月20日付け)、またアルツハイマー病患者様を用いた試験では2005−186(平成17年10月18日付け)である。
正常健常者は東北大学医学系研究科機能薬理学講座、またアルツハイマー病患者様は同老年呼吸器内科・先進漢方治療医学講座においてリクルートした。総ての参加者は一般内科的検査として、胸部X線写真、心電図、血液生化学検査等を施行し異常のないことを確認するとともに脳血管障害の有無、脳萎縮度の評価のため、脳のMRI撮影を施行した。神経心理学テストによって正常認知機能を有することが確かめられた正常健常人7名、そのうち健常若年者3名および健常高齢者4名、またNINCDS−ADRDA(National Institute of Neurologic and Communicative Disorders and Stroke-Alzheimer's Disease and Related Disorders Association)のクライテリア(McKahann G et al.: Clinical diagnosis of Alzheimer's disease-report of the NINCDS-ADRDA Work Group under the auspieces of Department of Health and Human Services Task Force on Alzheimer's disease-. Neurology 34:939, 1984)を満たし、「probableアルツハイマー病」と診断された患者様4名が探索的臨床試験に参加した(表1)。
Figure 2007223952
括弧内はそれぞれ個々の年齢およびMMSEスコアを示す。
MMSE:Mini-Mental State Examination(Folstein MF et al.: Mini-mental state". A practical method for grading the cognitive state of patients for the clinician. J Psychiat Res 12 :189-198. 1975)。
なお、平均および標準偏差は以下の式に依って算出した。
Figure 2007223952
探索的臨床試験参加者のPET画像撮影は以下の手順で実施した。
PETスキャナーは、SET−2400W(島津製作所製)を3次元モードで使用した。被検者はPETスキャナーのベッドに仰臥位になり、頭部をヘッドホルダーに固定した後、吸収補正のための外部線源を用いたトランスミッションスキャンを8分間施行した。引き続き、あらかじめ右上腕静脈に確保しておいた静脈カテーテルから[11C]BF−227 5〜10mCiを速やかに静脈内投与し、投与開始から90分間のダイナミック撮像を施行した。撮像プロトコルは、30秒X5フレーム、60秒X5フレーム,150秒X5フレーム,300秒X14フレームの計29フレームとした。また左前腕部を加温し、動脈化した上腕静脈にカテーテルを留置し、撮像開始と同時に連続採血を実施した。採血時間は、投与開始後20秒、40秒、1分、1分20秒、1分40秒、2分、2分20秒、2分40秒、3分、4分、5分、7分30秒、10分、15分、20分、30分、40分、50分、60分、70分、80分、90分の計22回とし、採血量は、5分後・15分後・30分後の3回は代謝分析用に5ml、その他の時間は1.5mlとした。採取した血液サンプルはヘパリン入り採血管へ移し、3000回転/分で3分間遠心した後、血漿サンプルのみを分離し、その後ガンマカウンターにより各タイムポイントにおける血中放射能を測定した。減衰補正および代謝物補正を加えた後、血漿における時間放射能曲線を算出し、定量計算における入力関数として使用した。
画像解析は以下の手順で施行した。SUV(Standardized Uptake Value)画像は島津製作所製のPET計測プログラムにより作成した。さらにダイナミック画像データおよび各フレームを加算平均処理した画像を市販のソフトウェアで処理するためにANALYZEフォーマットに変換した。また各個人のMRI T1強調画像(横断面、スライス厚 2mm)も同様にフォーマット変換した。次に、SPM2ソフトウェア(Welcome Department of Cognitive Neurology, London, UK)のregistration機能を用いて、MRI T1強調画像をPET加算画像に一致するよう変換、スライスの切り出しを行った。続いて、変換後のMRI画像をDr.View/LINUXソフトウェア(旭化成情報システム製)に読み込ませ、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、前部帯状回、後部帯状回、線条体、視床、内側側頭葉、橋、小脳皮質、白質の各領域に関心領域(ROI;Region of Interest)を設定した。その後、MRI上で設定したROI情報をPETダイナミック画像上に読み込ませ、Dr.View/LINUXソフトウェアを用いて、各領域、各タイムフレームの放射活性を計測した。上記処理により計測した脳各領域における放射活性と血漿サンプルの入力関数を使用して、定量解析を行った。定量解析にはLoganのグラフ解析法(Logan J et al.: (1990) Graphical analysis of reversible radioligand binding from timeactivity measurements applied to N-11C-methyl]-()-***e PETstudies in human subjects. J Cereb Blood Flow Metab 10:7407,1990 および Logan J . Graphical analysis of PET data applied to reversible and irreversible tracers. Nucl Med Biol 27:661670, 2000)を使用した。老人斑(ないしは線維化したアミロイドβ蛋白)が蓄積しないとされている小脳皮質を参照領域として、各領域のDistribution Volume Ratio(DVR)を算出するとともに、Logan法を用いたDVR計算画像を作成した。
アルツハイマー病において老人斑(ないしはアミロイドβ蛋白)が蓄積しないことが知られている小脳皮質領域におけるSUVを図2に、小脳皮質領域を参照領域(基準)として作成した各領域のDVR、Logan法を用いた各領域のDVR(Logan DVR)およびLogan法を用いたDVR(Logan DVR)計算画像を、それぞれ図3、図4および図5に示した。
これまでの多くの研究により、アルツハイマー病における老人斑(ないしはアミロイドβ蛋白)は小脳皮質領域には殆ど蓄積せずに、主として大脳皮質(前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、前部帯状回、後部帯状回)に蓄積することが知られている(Braak H, Braak E: Neuropthological Stageing of Alzheimer-related changes. Acta Neuropathol .82. 239-259.1991)。
図2に示したように小脳皮質領域における[11C]BF−227のSUVは健常高齢者とアルツハイマー病患者間で殆ど差がなかった。このことは健常高齢者およびアルツハイマー病患者ともこの領域には老人斑(ないしはアミロイドβ蛋白)が蓄積していないことを示している。
図3に示したように小脳皮質領域を参照領域(基準)として作成した健常若年者および健常高齢者の前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、前部帯状回、後部帯状回におけるDVRは殆ど1であった。このことは健常若年者および健常高齢者のこれらの領域には老人斑(ないしはアミロイドβ蛋白)が殆ど蓄積していないことを示している。
一方、アルツハイマー病患者の前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、前部帯状回、後部帯状回におけるDVRは健常若年者および健常高齢者のそれらに比し明らかに高かった。
図4に示したように小脳皮質領域を参照領域(基準)として作成した健常若年者および健常高齢者の前頭葉、側頭葉、頭頂葉におけるLogan DVRは殆ど1であった。このことは健常若年者および健常高齢者のこれら領域には老人斑(ないしはアミロイドβ蛋白)が殆ど蓄積していないことを示している。
一方、アルツハイマー病患者の前頭葉、側頭葉、頭頂葉におけるLogan DVRは健常若年者および健常高齢者のそれらに比し明らかに高かった。前頭葉、側頭葉、頭頂葉におけるLogan DVRの閾値を1.1とすると、アルツハイマー病と診断される感度(Sensitivity)および特異度(Specificity)はともに100%であった。
図5に示したように小脳皮質領域を参照領域(基準)として作成した健常若年者、健常高齢者、およびアルツハイマー病患者間のLogan DVR計算画像のそれぞれの代表例を比較すると、健常者間およびアルツハイマー病患者間には差は見られなかった。
一方、健常者−アルツハイマー病患者間では図3および図4で示したように、大脳皮質領域において明らかな両者間の差が認められた。
以上のように[11C]BF−227をプローブとしてPETを用いてアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患、特にアルツハイマー病を診断する方法、[11C]BF−227をプローブとしてPETを用いてSUV法によってアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患、特にアルツハイマー病を診断する方法、[11C]BF−227をプローブとしてPETを用いてDVR法によってアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患、特にアルツハイマー病を診断する方法、および[11C]BF−227をプローブとしてPETを用いてLogan DVR法によってアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患、特にアルツハイマー病を診断する方法は、高い感度、特異度を得ることができる。
本発明は、診断薬の分野、特にアルツハイマー病のごときアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の診断薬の分野、ならびにアミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の研究分野において利用可能である。
図1は、アルツハイマー病患者脳切片におけるBF−227(左パネル)と抗Aβ抗体6F/3D免疫染色(右パネル、左パネルの隣接切片)の染色性の比較を示す。クサビ型矢印は抗Aβ抗体6F/3Dによって染色される老人斑、破線丸印はびまん性老人斑を示す。 図2は、健常高齢者およびアルツハイマー病患者の小脳皮質領域における[11C]BF−227のSUV(Standardized Uptake Value)を示すグラフである。 図3は、小脳皮質を参照領域とした際の健常若年者、健常高齢者およびアルツハイマー病患者の各領域におけるDVR(Distribution Volume Ratio)を示すグラフである。 図4は、小脳皮質を参照領域とした際の健常若年者、健常高齢者およびアルツハイマー病患者の各領域におけるLogan DVR(Distribution Volume Ratio)を示すグラフである。 図5は、小脳皮質を参照領域とした際の健常若年者(36歳)、健常高齢者(69歳)およびアルツハイマー病患者のLogan DVR(Distribution Volume Ratio)計算画像である。

Claims (5)

  1. 陽電子放出核種で標識された、下式:
    Figure 2007223952

    で示される、アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断プローブ化合物。
  2. 陽電子放出核種が11Cである、請求項1記載の化合物。
  3. 下式:
    Figure 2007223952

    で示される、請求項2記載の画像診断プローブ化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像診断プローブ化合物を含む、アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断用組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像診断プローブ化合物を含む、アミロイドβ蛋白が蓄積する疾患の画像診断用キット。
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