JP2007203443A - 電着砥石の製造方法及びこの方法により製造される電着砥石 - Google Patents

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良規 浅井
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Keisuke Kishimoto
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Abstract

【課題】 無電解めっきによって金属を被覆した金属被覆砥粒を電着砥石の砥粒層部に使用する電着砥石の製造方法及びこの方法により製造される電着砥石において,金属被覆砥粒が付着する共析量を向上させる。
【解決手段】 本発明は,砥粒の表面の全部又は一部を金属で被覆した金属被覆砥粒の表面に形成された酸化膜を除去し,酸化膜が除去された金属被覆砥粒を基台に電着させる,電着砥石の製造方法である。これにより基台に金属被覆砥粒が付着する共析量を向上させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は,電着砥石の製造方法及びこの方法により製造される電着砥石に関し,特に,金属被覆砥粒が付着する共析量を向上させることが可能な電着砥石の製造方法及びこの方法により製造される電着砥石に関する。
ガラス,シリコン,セラミックスなどの硬質材料からなる板状物に小孔を穿設するための孔開け工具がある。この種の孔開け工具として,ダイヤモンドやCBNなどの超砥粒を電鋳ボンドを用いてドリルの先端部に付着させた構成のものが公知である。
このようなドリルは,砥粒層部の集中度を大きくすることにより,切削能力を向上させると共に,ドリルの寿命も向上させることができると考えられる。ここでいう集中度とは,砥粒層部に含まれているダイヤモンド砥粒の割合を示す値である。例えば,集中度100とは,砥粒層部の体積の25%を砥粒が占めている状態を意味する。
また,半導体デバイスの切断は,一般にダイシング装置とよばれる精密切削装置によって施される。このダイシング装置は,環状の砥粒層部(砥石部)を有する切削ブレードを備えている。この切削ブレードの環状の砥粒層部でも結合材として電鋳ボンドが使用されている。切削ブレードは,電鋳ボンドの中にダイヤモンドやCBN等の超砥粒を混合させたものであるが,半導体デバイスの種類や状態によって,砥粒層部の集中度を大きくしたい場合がある。集中度は,ダイシング加工において消耗量(ライフ)と品質(チッピングサイズ等)に影響し,その集中度を高精度に制御することで,消耗量と品質をより安定化させることが可能となる。
このような電鋳ボンドを使用した電鋳砥石は,例えば,砥粒を電気めっき浴中に落下させて攪拌し,この砥粒が基台表面の砥粒層生成面に接触した際に,電気めっきにより固着して砥粒層を形成することによって製造される。この際に,砥粒の表面に金属層を被覆させた金属被覆砥粒を使用して,砥粒を基台表面の砥粒層生成面に付着し易くすることによって,付着する砥粒の共析量を向上させ,砥粒層部の集中度を大きくさせることを検討している(例えば,特許文献1〜3を参照)。
特開昭2005−153131号公報 特開昭62−15079号公報 特開平9−70759号公報
ところで,集中度を大きくさせるためには,電着砥石の砥粒層部を形成するときに,付着させる砥粒の共析量を向上させることが必要となるが,本発明者らが鋭意検討をした結果,単に砥粒の表面に金属層を被覆しただけでは,砥粒の共析量を著しく向上させることは困難である,ということが判明した。この原因を検証した結果,一般的に,めっきを行う際にその表面に酸化膜があると,その表面の酸化物層により表面活性が低下し,めっきされにくいという問題があることによるものと考えた。すなわち,砥粒の表面に金属を被覆させることで砥粒表面の濡れ性を向上させても,その後に金属が被覆された砥粒の表面に酸化膜が形成されてしまうことにより,砥粒の共析量を著しく向上させることができないものと推察される。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,無電解めっきによって金属を被覆した金属被覆砥粒を電着砥石の砥粒層部に使用する電着砥石の製造方法及びこの方法により製造される電着砥石において,金属被覆砥粒が付着する共析量を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,砥粒の表面の全部又は一部を金属で被覆した金属被覆砥粒の表面に形成された酸化膜を除去し,酸化膜が除去された金属被覆砥粒を基台に電着させる,電着砥粒の製造方法が提供される。
このように,本発明に係る電着砥石の製造方法によれば,電着砥石の砥粒層部を,無電解めっきによって金属を被覆した砥粒を付着させて形成する際に,酸化膜を除去した金属被覆砥粒を使用することにより,金属被覆砥粒が付着する共析量を向上させることができる。したがって,これにより,電着砥石の集中度を向上させることができ,電着砥石の切削能力の向上や長寿命化を図ることができる。
ここで,上記酸化膜の除去は,無機酸を使用して行われることが好ましい。これは、無機酸が一般的に強酸であるため、酸化膜を短時間に除去にすることに適しているからである。特に,上記無機酸としては,塩酸,硝酸,フッ化水素酸,ホウフッ化水素酸及び硫酸からなる群から選択される少なくとも1つの酸を使用することが好ましい。
このような無機酸を酸化膜の除去に用いることにより,最も効率的にかつ金属層にほとんど影響を与えることなく酸化膜を除去できると考えられる。
また,上記金属被覆砥粒の表面に金属を被覆する前に,砥粒の表面に対し,シランカップリング処理が行われることが好ましい。
このように,無電解めっきによって砥粒表面に金属を被覆する前に,砥粒の表面に対し,シランカップリング処理を施すことにより,砥粒と無電解めっきによりめっきされる金属との密着性を向上させることができる。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,上述した製造方法により製造された電着砥石が提供される。
このように,上述した製造方法により製造された電着砥石の砥粒層部は,酸化膜が除去された金属被覆砥粒を付着させて形成されているので,金属被覆砥粒の共析量が向上した電着砥石となる。したがって,これにより,電着砥石の集中度を向上させることができ,電着砥石の切削能力の向上や長寿命化を図ることができる。
本発明によれば,電着砥石の砥粒層部を,無電解めっきによって金属を被覆した砥粒を付着させて形成する際に,酸化膜を除去した金属被覆砥粒を使用するので,金属被覆砥粒が付着する共析量を向上させることができる。したがって,これにより,電着砥石の集中度を向上させることができ,電着砥石の切削能力の向上や長寿命化を図ることができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず,図1に基づいて,本発明の第1の実施形態に係る電着砥石を使用した孔開け装置1の全体構成について説明する。なお,図1は,本実施形態に係る孔開け装置1の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すように,本実施形態に係る孔開け装置1は,例えば,本実施形態に係る被加工物であるガラス板5に穿孔を形成することが可能な装置である。この孔開け装置1は,概略的には,例えば,チャック手段10と,穿孔ユニット20と,から構成される。
本実施形態に係る被加工物としてのガラス板5は,例えば,略矩形状のPDPガラスなどである。かかるガラス板5は,略円盤状のカーボンプレート6に剥離可能な状態で接着固定されており,カーボンプレート6を介して,後述するチャック手段10上に載置される。なお,本実施形態に係る孔開け装置1で穿孔を形成する被加工物としては,上記ガラス板には限られず,例えば,シリコン,セラミックスなどの硬質材料からなる板状物であってもよい。
チャック手段10は,載置されたガラス板5を吸着・保持して,回転させることができる。このチャック手段10は,例えば,チャックテーブル102と,ハウジング104と,から構成される。
チャックテーブル102は,例えば,上面に平滑な水平面を有する略円盤形状のテーブル(下盤)であり,ハウジング104によって支持されている。このチャックテーブル102は,例えば,少なくともその上面が多孔性セラミックス等の多孔質材料で形成されており,ハウジング104内部等に形成された連通路(図示せず。)を介して,真空ポンプ(図示せず。)等に連通されている。このため,この真空ポンプを動作させて負圧を加えることで,チャックテーブル102は,例えば,その上面に載置されたガラス板5を真空吸着して,保持・固定することができる。
ハウジング104は,主に上記チャックテーブル102を支持するための筐体である。このハウジング104は,例えば,移動用モータ等で構成されるチャック手段移動機構(図示せず。)によって,搬送ユニット10と穿孔ユニット20との間で水平方向(例えばX軸方向)に移動可能である。
次に,穿孔ユニット20について説明する。穿孔ユニット20は,例えば,スピンドル210と,穿孔手段220と,移動機構230と,を備える。
スピンドル210は,回転軸を中心に水平方向に回転可能に設けられている。このスピンドル210の下端には,穿孔手段220が上記チャック手段10と対向するように装着される。また,スピンドル210の上端部は,内部に電動モータ等(図示せず)が備えられたスピンドルハウジング312に収容されており,このスピンドルハウジング312内に備えられた電動モータ等によって,穿孔時に,スピンドル210を介して穿孔手段220を水平方向に回転させることができる。この回転速度は,例えば,80,000〜300,000rpmである。
穿孔手段220は,略円柱状の部材であり,マウント部228を介してスピンドル210の先端部に取り付けられている。この穿孔手段220の先端部には,ダイヤモンドやCBNなどの超砥粒が電着ボンドを用いて付着されている。また,穿孔手段220の先端部に付着されている超砥粒の層は,穿孔手段220により形成された穿孔の内壁面に生じる欠けやひび割れ等を防止するため,単層または2層からなる薄層に形成される。なお,この穿孔手段220の詳細については後述する。
移動機構230は,例えば,電動モータ等によって,穿孔ユニット20を垂直方向(z軸方向)に移動させることができる。この移動機構230によって,穿孔手段220をチャック手段10に対して昇降させることができる。これにより,穿孔時には,下降させた穿孔手段300を,チャックテーブル102上に保持されたガラス板5に押圧することができる。
このような構成の穿孔ユニット20は,上記チャック手段10に保持されているガラス板5に対して,上記穿孔手段220を回転させながら押圧することにより,ガラス板5に穿孔を形成することができる。
次に,図2に基づいて,本実施形態に係る穿孔手段220について詳細に説明する。なお,図2は,本実施形態に係る穿孔手段220の構成を示す斜視図である。
穿孔手段220は,例えば,支持部222と,加工部224と,電着砥石226と,を備える。
支持部222は,後述する加工部224を支持する,例えば略円柱状の部材である。この支持部222の上端部は,マウント328(図1を参照)を介して,スピンドル210の先端部に装着されている。一方,支持部222の先端部には,加工部224が取り付けられ,これを支持している。
加工部224は,支持部222の先端部に取り付けられ,例えば,支持部222よりも小径の略円柱状の部材である。ただし,加工部224の形状は略円柱状に限られず,均一な直径を有する複数の細孔を形成できるものであれば,加工部の断面形状は,例えば,四角形,三角形,六角形,楕円形等であってもよい。
また,加工部224の先端部には,ダイヤモンドやCBNなどの砥粒が電着ボンドを用いて付着されており,この砥粒の層が単層または2層からなる薄層形態の電着砥石226が形成される。このように,電着砥石226を,薄層形態の砥粒の層として形成することにより,穿孔手段220により穿孔を形成したときに,その穿孔の内壁面に生じる欠けやひび割れ等を防止することができる。
次に,上述したような電着砥石226の製造方法について説明する。本実施形態に係る電着砥石226は,砥粒の表面の全部又は一部を金属で被覆した金属被覆砥粒の表面に形成された酸化膜を除去し,次いで,酸化膜が除去された金属被覆砥粒を基台に電着させることにより製造される。このように,本実施形態に係る電着砥石の製造方法では,砥粒表面を金属で被覆した金属被覆砥粒の表面に形成された酸化膜を除去することにより,電着を行ったときに砥粒の共析量を向上させることができる。したがって,これにより,電着砥石の切削力の向上や長寿命化を図ることができる。
ここで,砥粒は,その種類が限定されるものではなく,砥粒に金属膜が被覆してあるものであれば,砥粒の共析量を向上させることができる効果があるものと考えられる。ただし,穿孔能力を向上させるという観点からは,砥粒は,ダイヤモンド,CBNおよびSiCなどの超砥粒であることが好ましい。また,砥粒表面を被覆する金属は,特に限定はされないが,ニッケル,銅,チタン,コバルトなどを被覆すると,砥粒を基台表面の砥粒層生成面に付着し易くすることができるため,好ましい。この場合に,超砥粒の表面にシランカップリング処理を施した後に金属膜を被覆した超砥粒を使用すると,結合材に対する保持力を増加させることができるので,砥石をドリルなどの穿孔手段に使用する場合には特に好ましい。
また,酸化膜を除去する手段としては,どのようなものであっても良いが,例えば,塩酸,硝酸,フッ化水素酸,ホウフッ化水素酸,硫酸などの無機酸を使用して酸化膜を除去すると,最も効率的に,かつ,金属層にほとんど影響を与えることなく酸化膜を除去できると考えられる。
なお,本実施形態においては,金属層で被覆された砥粒の表面に形成された酸化膜を除去するのであって,単に砥粒の表面に直接形成された酸化膜を除去することまでは含まれない。これは,通常の砥粒は,元々その表面の濡れ性が悪いため,たとえ酸化膜を除去したとしても,その表面の濡れ性の悪さのために,電着を行ったときに砥粒の共析量を著しく向上させることができないためである。
以上,本件発明の効果が最も顕著に利用できるドリルのような穿孔手段に使用される砥石を例に挙げて,本実施形態に係る電着砥石について説明したが,これに限られるものでない。本発明に係る電着砥石は,例えばダイシング装置などの切削装置に使用される切削ブレードにも適用することができる。すなわち,共析量によって集中度をコントロールできるようになり,用途に合った切削ブレードを製造できるため,本発明に係る電着砥石は,切削ブレードにも好適に適用することができる。
かかる理由から,ここでは電着砥石を切削ブレードに適用した場合の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが,本発明は下記実施例にのみ限定されるものではない。
本実施例では,金属被覆砥粒に対して,酸化膜を除去しなかったものと酸化膜を除去したものとで,砥粒の共析量を比較した実験を行ったので,以下,この実験例について説明する。
金属被覆砥粒としては,SiC粒子の表面にNi金属が被覆されたものを使用し,これをそのままめっき浴に浸漬させたもの(A)と,60℃の5vol%HNO溶液中で5分間撹拌することにより,金属被覆砥粒の表面に形成された酸化膜を取り除いたもの(B)と,を用いた。なお,酸化膜を取り除いた金属被覆砥粒(B)は,めっき浴に浸漬する前に,十分に洗浄およびろ過し,めっき浴のpHに対して影響しないようにした。
次に,それぞれの金属被覆砥粒(A)および(B)に対し,めっき浴中で電気めっきを行った。めっき浴としてはワット浴を用いた。具体的には,以下のようにして行った。
まず,純水1Lに対してNiSO・6HO 200gと,NiCl・6HO 45gと,HBO 30gとを混合してめっき液を作成した。このように作成されためっき液は,図3に示したように,所定の大きさのめっき槽51内に収容するとともに,そのめっき浴52 1Lに対して,粒径♯2000(4〜6μm)の金属被覆砥粒を約30g混合した。そして,めっき浴52中にニッケル板54を略垂直状態に浸漬するとともに,脱脂を行った銅基台(被めっき材)55を水平に浸漬した。この銅基台55は,ニッケルめっき層を成長させる外周部分を残して他の部分はすべてマスキング56が施され,ニッケルめっき層を成長させる外周部分を上向きにして水平に浸漬した。
次いで,めっき槽51の外部に設けた電源57から,ニッケル板54にはプラスの電極を接続してニッケル板を陽極とし,銅基台55にはマイナスの電極を接続して銅基台を陰極とした。そして,めっき浴2の温度を40℃とし,撹拌手段58により撹拌速度300min−1でめっき浴2を撹拌しながら,電源57から0.6A/dm2の電流密度で直流電流を印加し,銅基台55のマスキング56が施されていない外周部分に金属被覆砥粒を少しずつ堆積させた。さらに,ニッケルめっきで固定しながらめっき厚が8μmとなるように,ニッケルめっき層59を電鋳成長させた。
ニッケルめっき層59の成長が終了した後に,めっき槽51から銅基台55を取り出し,図4に示したように,マスキング56を除去し,銅基台55の外周をエッチングすることにより,外周に成長したニッケルめっき層59の一部を突出させ,図5に示すようなハブブレードを製造した。なお,上記電気めっきの条件を下記表1および表2に示した。
Figure 2007203443
Figure 2007203443
上述のようにして金属を被覆させたニッケル金属被覆層の厚みに応じた,電着砥石中に含まれる金属被覆砥粒の共析量(wt%)を測定した。なお,共析量はアルキメデス法によって測定した。
その結果を図6に示した。なお,図6は,SiCの共析量(wt%)と砥粒に被覆したNi金属被覆層の厚みとの関係を示すグラフであり,横軸は,砥粒に被覆したNi金属被覆層の厚みを示し,縦軸は,電着砥石に含まれるSiCの共析量(wt%)を示している。
図6に示すように,酸化膜を除去したもの(硝酸処理したもの)と,酸化膜を除去しなかったもの(未処理のもの)の双方とも,砥粒に被覆したNi金属被覆層の厚みが厚くなるに従い,共析量が増加する傾向にあった。しかし,その増加の程度は,硝酸処理したもの,すなわち,金属被覆砥粒の表面に形成された酸化膜を除去したものの方が,未処理のものよりも共析量の増加の程度がはるかに大きく,硝酸処理したものの方が,未処理のものよりも平均して約3倍程度共析量が多い,ということがわかった。
また,下記表3に,共析量と集中度との関係を示した。集中度は,共析量から計算により求められるものであり,共析量と集中度との間には比例関係がある。したがって,下記表3から,共析量と同様に,硝酸処理したものの方が未処理のものよりも,平均して約3倍程度高い集中度が得られるということがわかった。
Figure 2007203443
以上の実験結果より,砥粒の表面に被覆された金属被覆層の表面の酸化膜を除去することにより,従来よりも格段に高い集中度の電着砥石を得ることができる,ということが示唆された。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は,電着砥石の製造方法及びこの方法により製造される電着砥石に適用可能であり,特に,金属被覆砥粒が付着する共析量を向上させることが可能な電着砥石の製造方法及びこの方法により製造される電着砥石に適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る孔開け装置1の全体構成を示す斜視図である。 同実施形態に係る穿孔ユニットの構成を示す斜視図である。 本発明の一実施例に係る金属被覆砥粒を使用した電着砥石の製造方法を説明するための説明図である。 同実施例に係る電着砥石の製造方法によってめっき層を形成した後の被めっき物である銅基台を示す側面図である。 図9に示した銅基台の外周をエッチングしてめっき層の一部を突出させて製造したハブブレードを示す斜視図である。 本発明の一実施例に係るSiCの共析量(wt%)と砥粒に被覆したNi金属被覆層の厚みとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 孔開け装置
5 ガラス板
10 搬送ユニット
20 チャック手段
30 穿孔ユニット
202 チャックテーブル
310 スピンドル
312 スピンドルハウジング
320 穿孔手段
322 支持部
324 加工部
326 砥石部

Claims (5)

  1. 砥粒の表面の全部又は一部を金属で被覆した金属被覆砥粒の表面に形成された酸化膜を除去し,
    酸化膜が除去された前記金属被覆砥粒を基台に電着させることを特徴とする,電着砥石の製造方法。
  2. 前記酸化膜の除去は,無機酸を使用して行われることを特徴とする,請求項1に記載の電着砥石の製造方法。
  3. 前記無機酸は,塩酸,硝酸,フッ化水素酸,ホウフッ化水素酸及び硫酸からなる群から選択される少なくとも1つの酸であることを特徴とする,請求項2に記載の電着砥石の製造方法。
  4. 前記金属被覆砥粒の表面に金属を被覆する前に,前記砥粒の表面に対し,シランカップリング処理が行われることを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載の電着砥石の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法により製造されることを特徴とする,電着砥石。

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