JP2007196833A - 車両用操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 応答性やステアリング剛性が良好な車両用操舵制御装置を提供すること。
【解決手段】 ステアリングホイールの操舵角に対して回転角を加減算し、操向輪の転舵角との関係を表す伝達比を変更可能な伝達比可変アクチュエータに対し、所望の伝達比となるように指令値を出力するとき、操作力の方向と前記伝達比可変アクチュエータの回転方向との関係に基づいて前記指令値を補正し、実伝達比を補正前の指令値に追従させることとした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、操向輪に所望の車両特性を達成可能な補助舵角を付与する車両用操舵制御装置の技術分野に属する。
従来、運転者のステアリングホイールの操舵角に対し、電動モータにより作動する伝達比可変アクチュエータを介して補助舵角を付与し、ステアリングホイールの操舵角と操向輪転舵角の間の伝達比(転舵角/操舵角)を変更する技術として、例えば特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報に記載の技術では、目標転舵状態と実転舵状態との差である制御偏差に応じた制御量を求める際、制御偏差,車速,又は操舵速度に応じて制御ゲインを変更している。これにより、ステアリング系の発振を抑制しつつ、ステアリング剛性感を確保している。
特開2000−351382号公報
しかしながら、制御ゲインを小さくすると、操舵初期の微少操舵角領域で伝達比可変アクチュエータの追従遅れ(定常偏差)が発生し、応答遅れ感の発生や、反力不足を招くという問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、応答性やステアリング剛性感が良好な車両用操舵制御装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明び車両用操舵制御装置では、ステアリングホイールの操舵角に対して回転角を加減算し、操向輪の転舵角との関係を表す伝達比を変更可能な伝達比可変アクチュエータと、ステアリングホイールの操作状態に応じて所望の伝達比となるように指令値を設定し、前記伝達比可変アクチュエータを制御する伝達比可変制御手段と、操作力の方向と前記伝達比可変アクチュエータの回転方向との関係に基づいて、前記指令値を補正する指令値補正手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の車両用操舵制御装置にあっては、操作力の方向と伝達比可変アクチュエータの回転方向との関係に基づいて指令値を補正するため、応答性及びステアリング剛性を高めることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて説明する。
[車両用操舵制御装置のシステム構成]
図1は実施例1の操舵制御装置のシステム構成図である。運転者が操舵するステアリングホイール1には、車体側に回転可能に支持されるとともにステアリングホイール1に接続されたステアリングシャフト2が接続されている。
ステアリングシャフト2には、ステアリング操舵角Θを検出する操舵角センサ8が設けられ、操舵角Θをコントロールユニット100へ出力する。また、操舵角センサ8よりも操向輪20側には、伝達比(前輪転舵角に対するステアリング操舵角Θの比)を変更する伝達比可変アクチュエータ3が設けられている。この伝達比可変アクチュエータ3には、前輪モータ3aが設けられ、前輪モータ3aの回転角θmfを操舵角Θに対し加減算することで伝達比を変更する。
前輪モータ3aにはエンコーダ10が設けられ、前輪モータ3aの回転角θmfがコントロールユニット100へ出力される。伝達比可変アクチュエータ3の操向輪20側には、ピニオン4が設けられ、所謂ラック&ピニオン機構によってラック軸5を軸方向左右に移動させ、操向輪20を転舵する。また、車速センサ7が設けられ、検出された車速VSPがコントロールユニット100へ出力される。
[コントロールユニットの制御構成]
図2はコントロールユニット100の構成を表すブロック図である。コントロールユニット100は、回転角目標値演算部110と、回転角目標値補正部120と、舵角サーボ制御部130から構成されている。
回転角目標値演算部110内には、操舵角センサ8及び車速センサ7の検出値Θ及びVSPに基づいて目標ヨーレイトを生成する目標値生成部と、目標ヨーレイトに基づいて目標前輪舵角θ*を演算し、この目標前輪舵角θ*に応じた前輪モータ3aの回転角目標値θmf*を出力する目標出力値生成部から構成され、回転角目標値補正部120に目標前輪舵角θ*に相当するモータ3aの回転角目標値θmf*を出力する。
回転角目標値補正部120は、回転角目標値演算部110から出力された回転角目標値θmf*を操舵角センサ8及び車速センサ7の検出値Θ及びVSPに基づいて補正し、補正後回転角目標値θmfh*を舵角サーボ制御部130に出力する。
舵角サーボ制御部130は、回転角目標値補正部120から出力された補正後回転角目標値θmfh*に基づいて伝達比可変アクチュエータ3の前輪モータ3aに電流指令値を出力し、前輪モータ3aとの間でサーボ制御を実行する。具体的には、補正後回転角目標値θmfh*と、実回転角θmfとの偏差eは下記式により算出される。
Figure 2007196833
よって、前輪モータ3aに出力される指令電流値Iθは、偏差eと、比例ゲインPと、微分ゲインDと、積分ゲインIとから下記式により算出される。
Figure 2007196833
尚、各ゲインはチューニング定数である。
次に、目標値生成部及び目標出力値生成部の演算内容について説明する。
[車両モデル演算]
車両モデル演算部111で実行される車両パラメータ演算について説明する。
一般に、2輪モデルを仮定すると、車両のヨーレイトは、下記の式(1)で表せる。
Figure 2007196833
ここで、
Figure 2007196833
Figure 2007196833
である。
状態方程式より前輪操舵に対するヨーレートの伝達関数を求めると、下記の式(3)となる。
Figure 2007196833
但し、
Figure 2007196833
となる。
ヨーレイト伝達関数は、(3)より、
Figure 2007196833
である。
ここで、
Figure 2007196833
以上から、車両パラメータ
Figure 2007196833
が求められる。
[目標値演算]
車速、車両パラメータから、目標ヨーレートを求める。目標ヨーレイトと目標ヨー角加速度は、下記式(6)により表される。
Figure 2007196833
ここで、目標ヨーレイトのパラメータは、下記の式(7)で表される。
Figure 2007196833
ただし、yrate_gain_map,yrate_omegn_map,yrate_zeta_map,yrate_zero_mapは前輪操舵用チューニングパラメータである。
〔目標前輪転舵角演算〕
目標ヨーレイトから目標前輪舵角θ*を算出すると、下記式(8)より求められる。
Figure 2007196833
よって、目標前輪舵角θ*を下記式(9)により算出する。
Figure 2007196833
以上により目標前輪舵角θ*が算出されると、この目標前輪舵角θ*に応じた伝達比可変アクチュエータ3(前輪モータ3a)の回転角目標値θmf*が算出される。尚、上記した演算により、低車速領域では操舵角Θに制御舵角を加算する制御が行われ、高車速領域では操舵角Θに制御舵角を減算する制御が行われる。特に車両停止に近い極低車速領域(車庫入れ等の作業時)には、最も多くの制御舵角が加算されることとなる。また、実施例1ではヨーレイト制御としたが、横速度制御としてもよいし、予めゲイン等が設定されたマップに基づいて目標前輪舵角を演算しても良く、特に限定しない。
〔回転角目標値補正部について〕
次に、回転角目標値補正部120の制御内容について図3のフローチャートに基づいて説明する。
〔操舵角・車速の読み込み処理〕
ステップS1では、操舵角センサ8及び車速センサ7より、運転者の操舵角Θ及び車速VSPを読み込む。
〔回転角目標値の演算処理〕
ステップS2では、回転角目標値演算部110により演算された回転角目標値θmf*を読み込む。
ステップS2'では、操舵角Θの絶対値が第1閾値よりも小さいかどうかを判断し、小さいときはステップS3に進み、それ以外のときはステップS14(舵角サーボ制御処理)に進む。第1閾値は、具体的には微少操舵角域(例:±10°)を表す。このように、微少操舵角領域にて補正を行うことで、直進から操舵初期のアクチュエータ追従遅れに起因する応答遅れ感、初期の反力の立ち上がりが小さいことによるステアリング剛性感の低下といった問題を抑制する。また、他の領域では補正しないようにできるため、例えば、大きくステアリングホイール1を切った後の切り返しによって補正方向が切り換わるようなときでも変動を生じないようにする。
〔操舵力の推定処理〕
ステップS3では、操舵角Θと車速VSPから、運転者の操舵トルクを推定する。尚、運転者の操舵トルクの推定に際しては、例えば、車両モデルから前輪20に発生する前輪スリップ角等が推定でき、このスリップ角に応じた路面反力を推定し、これら推定ロジックに基づいて運転者がどの程度の操舵トルクを発生しているかを推定する。尚、この推定方法については、操舵角速度や車両の挙動(ヨーレイト、横加速度)や4輪車輪速を用いてもよい。また、トルクセンサを備えている場合には、トルクセンサ信号を検出してもよく、特に限定しない。
〔正効率・逆効率の判定処理〕
ステップS4では、推定した操舵トルクと、伝達比可変アクチュエータ3(前輪モータ3a)の実回転角の方向(角速度の符号)から、伝達比可変アクチュエータ3(前輪モータ3a)が反力に対向して動く方向(=正効率)か、反力から回される方向に動く方向(=逆効率)かを判定する。図4は前輪モータ3aに流れるアクチュエータ電流に対する出力トルクの関係を表す効率図である。アクチュエータ電流に対して出力トルクが高い場合は逆効率であり、効率が良いことを表す。一方、アクチュエータ電流に対して出力トルクが低い場合は正効率であり、効率が悪いことを表す。よって、正効率では伝達比可変アクチュエータ3(前輪モータ3a)の回転角目標値θmf*に対する実回転角θmfの偏差が生じやすく、逆効率ではその偏差はより小さい。
〔切り増し・切り戻し制御の判定処理〕
ステップS5及びステップS8では、推定した操舵トルクと、伝達比可変アクチュエータ3(前輪モータ3a)の回転角目標値θmf*の方向(回転角速度の符号)から、伝達比可変アクチュエータ3(前輪モータ3a)が切り増す方向に制御されるか、切り戻す方向に制御されるかを判定する。
尚、切り増す方向とは、運転者の操舵角Θに対して加算する側であるため、所謂クイック制御であり、ステアリングホイール1を切り増すと、伝達比可変アクチュエータ3(前輪モータ3a)も切り増す方向に制御され、ステアリングホイール1を切り戻すと、伝達比可変アクチュエータ3(前輪モータ3a)も切り戻す方向に制御される。一方、切り戻す方向とは、運転者の操舵角Θに対して減算する側であるため、所謂スロー制御であり、ステアリングホイール1を切り増すと、伝達比可変アクチュエータ3(前輪モータ3a)は切り戻す方向に制御され、ステアリングホイール1を切り戻すと、伝達比可変アクチュエータ3(前輪モータ3a)は切り増す方向に制御される。
ここで、切り増し・切り戻し制御と効率の関係について説明する。正効率や逆効率を考慮することなく与えられた回転角目標値に対して制御を実行した場合を例にとって説明する。
切り増し制御の場合、伝達比可変アクチュエータ3(前輪モータ3a)の定常偏差は回転角目標値θmf*の絶対値で見て実回転角θmfが小さくなる方向となる。図7は、効率を考慮していないクイック制御時のアクチュエータ追従性を表す図である。操舵角が増大するときには、クイック制御時には正効率となり、追従性が悪いため実回転角θmfの絶対値は回転角目標値θmf*よりも小さめとなる。一方、操舵角が減少するときには、クイック制御時には逆効率となり、追従性が良好なため実回転角θmfは回転角目標値θmf*に追従する。
逆に、切り戻し制御の場合、定常偏差は回転角目標値θmf*の絶対値で見て実回転角θmfが大きくなる方向となる。この特性を考慮して、目標値の補正方向を嵩上げにするか、又は嵩下げにするかの判断を行う。図8は効率を考慮していないスロー制御時のアクチュエータ追従性を表す図である。操舵角が増大するときには、スロー制御時には逆効率となり、追従性が良好なため実回転角θmfは回転角目標値θmf*に追従する。一方、操舵角が減少するときは、スロー制御時には正効率となり、追従性が悪いため実回転角θmfの絶対値は回転角目標値θmf*よりも大きめとなる。よって、効率に応じて目標値を補正する。
〔目標値補正量の算出処理〕
ステップS6,ステップS7,ステップS9及びステップS10では、ステップS4,S5で判定した正効率/逆効率、及び切り増し/切り戻しの判定結果と、伝達比可変アクチュエータ3(前輪モータ3a)の回転角目標値θmf*から目標値補正量Δθを算出する。補正量Δθは、図4に示す効率図から予めマップで設定する。補正量Δθのマップは全部で4つあり、正効率か逆効率かで補正量の絶対値が異なり、更に切り増しか切り戻しかで嵩上げするのか、嵩下げするのかが異なる。選択されたマップに対し、回転角目標値θmf*の大きさに応じて補正量Δθを算出する。
図5は回転角目標値θmf*に対し嵩上げする際の正効率及び逆効率マップである。正効率時には、嵩上げ量を大きく設定し、逆効率時には、嵩上げ量を小さく設定する。図6は回転角目標値θmf*に対し嵩下げする際の正効率及び逆効率マップである。正効率時には、嵩下げ量を大きく設定し、逆効率時には、嵩下げ量を小さく設定する。尚、図5及び図6に示すように、それぞれ目標値の嵩上げ量・嵩下げ量には第2閾値が設定されている。この第2閾値は、中立位置で保舵しているときに動く程度(±3°程度)の値である。操舵角Θもしくは回転角目標値θmf*の絶対値が第2閾値よりも小さい0点付近では、制御ハンチングを防止するため、滑らかに変化させる。
〔目標値補正量の変化率制限処理〕
ステップS11及びステップS12では、算出した補正量Δθを回転角目標値θmf*に加える際に、操舵条件及び走行条件が変化すると補正量が変化する。具体的には、ステアリングホイール1の切り返しにより、正効率と逆効率との間を行き来したりすることで補正量Δθが急変する場合や、低車速時においてクイック制御を実行してる状態から車速の増大によりスロー制御を実行する状態に変化した場合などが考えられる。
このときの補正量の急変を防止するため、補正量変化率の制限値を設定し、前回の補正量と今回算出した補正量を比較する。そして、補正量変化率が予め設定された閾値を越えた場合は、制限値でリミットされた補正量に変更し、それ以外の時は、今回算出した補正量をそのまま出力する。
〔補正後回転角目標値の演算〕
ステップS13では、演算された回転角目標値θmf*に補正量を加算し、補正後回転角目標値θmfh*を演算する。そして、ステップS14では、演算された補正後回転角目標値θmfh*となるように、舵角サーボ制御を実行する。
(目標値補正制御処理による作用)
図9は効率に応じて回転角目標値を補正した場合のクイック制御時のアクチュエータ追従性を表す図である。クイック制御時には、正効率側では目標値の嵩上げ量を大きくし、逆効率側では目標値の嵩上げ量を小さくすることで、実回転角θmfが補正前の回転角目標値θmf*に良好に追従していることが分かる。
図10は効率に応じて回転角目標値を補正した場合のスロー制御時のアクチュエータ追従性を表す図である。スロー制御時には、逆効率側での目標値嵩下げ量を小さくし、正効率側では目標値の嵩下げ量を大きくすることで、実回転角θmfが補正前の回転角目標値θmf*に良好に追従していることが分かる。
以下、本実施例の作用効果について列挙する。
(1)ステアリングホイール1の操舵角Θに対して回転角θmfを加減算し、操向輪20の転舵角との関係を表す伝達比を変更可能な伝達比可変アクチュエータ3と、ステアリングホイールの操作状態に応じて所望の伝達比となるように指令値である回転角目標値θmf*を設定し、伝達比可変アクチュエータ3を制御するコントロールユニット100(伝達比可変制御手段)と、操作力の方向と伝達比可変アクチュエータ3の回転方向との関係に基づいて、回転角目標値θmf*を補正する回転角目標値補正部120(指令値補正手段)とを設けた。よって、操作力の方向と伝達比可変アクチュエータの回転方向との関係に基づいて指令値を補正するため、応答性及びステアリング剛性感を高めることができる。特に、微少操舵のように回転角目標値が小さい時のアクチュエータ追従性を向上させることが可能となり、応答の遅れ感や、反力の立ち上がりの不足、といった問題を抑制することができる。
尚、上記各構成は、操作力の方向と伝達比可変アクチュエータ3の回転方向との関係に基づいて、回転角目標値θmf*を補正し、実伝達比を補正前の回転角目標値θmf*に追従させることと同義である。
(2)伝達比可変アクチュエータ3が回転角を加算しているときは、回転角目標値θmf*を増加補正することとした。よって、切り増し制御時(クイック制御時)のアクチュエータ追従性を向上することができる。
(3)伝達比可変アクチュエータ3が回転角を減算しているときは、回転角目標値θmf*を減少補正することとした。よって、切り戻し制御時(スロー制御時)のアクチュエータ追従性を向上することができる。特に、上記(2)及び(3)を併用することで、クイック制御及びスロー制御にかかわらず良好なアクチュエータ追従性を確保できる。
(4)操作力の方向と伝達比可変アクチュエータ3の回転方向との関係が同方向のときは、逆方向のときよりも補正量を大きくすることとした。すなわち、正効率側は制御入力(電流)に対して出力特性の効率が悪く、回転角目標値θmf*に対する実回転角θmfの偏差が生じやすい。このため、伝達比可変アクチュエータ3の追従性が悪化する。このとき、目標値を増加補正することで、追従性を向上することができる。一方、逆効率側は制御入力(電流)に対して出力特性の効率が高いのでそれほど追従性は悪くなく、正効率側と同程度で目標値を補正すると、逆に目標値に対する追従性を悪化させる。このため、逆効率側になった場合には補正量を小さく設定することで、全領域において好ましい追従性を確保することができる。
(5)操舵角Θが第1閾値以下のときに回転角目標値θmf*を補正することとした。よって、直進から操舵初期のアクチュエータ追従遅れに起因する応答遅れ感、初期の反力の立ち上がりが小さいといった問題を抑制することができる。また、他の領域では補正しないようにできるため、例えば、大きくステアリングホイール1を切った後の切り返しによる補正方向の切り換えでの変動を生じないようにできる。
(6)操舵角Θもしくは回転角目標値θmf*が第2閾値以下のときは、回転角目標値θmf*が小さいほど補正量Δθを小さくすることとした。よって、伝達比可変アクチュエータ3の正効率側と逆効率側とが変化した場合であっても、補正量を徐々に変更することが可能となり、レーンチェンジなどで切り返しを行った場合も良好な追従性を確保することができる。
次に実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図11は車速VSPとヨーレイトゲインとの関係を表す特性図である。ヨーレイトゲインとは、操舵角(転舵角)に対する車両のヨーレイトの比率である。図11に示すように、一般的に車両のヨーレイトゲイン特性は、100km/h付近をピークとした特性となる。すなわち、停止状態から100km/h付近に車速が上昇する過程では、操舵角(転舵角)に対して発生するヨーレイトが大きくなっていく傾向を示す。一方、100km/h付近から更に車速が上昇する過程では、操舵角(転舵角)に対して発生するヨーレイトが小さくなっていく傾向を示す。
つまり、車両のヨーレイトゲインが高い領域では、アクチュエータ追従遅れによる影響も大きく車両挙動に表れると言える。
そこで、このヨーレイトゲイン特性を考慮して補正量Δθを設定すべく、ステップS6,S7,S9,S10において嵩上げ量もしくは嵩下げ量を設定する際、車速に応じて設定される補正ゲインを作用させる(Δθ×k)こととした。
図12は車速に対する補正ゲインkの関係を表す図である。ヨーレイトゲインが小さい車速領域では、車両特性としては応答性の低い領域であるために補正ゲインkを小さく設定し、ヨーレイトゲインが大きい車速領域では、車両特性としては応答性の高い領域であるため補正ゲインkを大きく設定することとした。言い換えると、ヨーレイトゲインが大きいときは、ヨーレイトゲインが小さいときよりも補正量Δθを大きく設定することとした。
これにより、車速による車両のヨー応答性の変化に合わせた補正量Δθを設定することができる。
(他の実施例)
以上、実施例1,2について説明したが、上記実施例に限らず下記に示す構成を取ってもよい。実施例1では、補正量Δθの嵩上げ量・嵩下げ量を算出する際、回転角目標値に対して設定していたが、操舵角Θに対して設定してもよい。
また、図5,6に示すマップに限らず、操舵角Θに対する目標前輪舵角θ*のゲインを変更してもよいし、目標前輪舵角θ*の演算の基礎となる操舵角Θ自体を補正してもよい。
また、ステップS11,S12において補正量の変化率を制限したが、補正量自体にヒステリシス特性を持たせてもよい。
実施例1の操舵制御装置を示す全体システム図である。 実施例1のコントローラの制御ブロック図である。 実施例1の回転角目標値補正部の制御内容を表すフローチャートである。 実施例1の前輪モータに流れるアクチュエータ電流に対する出力トルクの関係を表す効率図である。 実施例1の回転角目標値に対し嵩上げする際の正効率及び逆効率マップである。 実施例1の回転角目標値に対し嵩下げする際の正効率及び逆効率マップである。 効率を考慮していないクイック制御時のアクチュエータ追従性を表す図である。 効率を考慮していないスロー制御時のアクチュエータ追従性を表す図である。 実施例1の効率に応じて回転角目標値を補正した場合のクイック制御時のアクチュエータ追従性を表す図である。 実施例1の効率に応じて回転角目標値を補正した場合のスロー制御時のアクチュエータ追従性を表す図である。 車速とヨーレイトゲインとの関係を表す特性図である。 実施例2の車速に対する補正ゲインkの関係を表す図である。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3a 前輪モータ
3 伝達比可変アクチュエータ
7 車速センサ
8 操舵角センサ
20 操向輪
100 コントロールユニット
110 回転角目標値演算部
120 回転角目標値補正部

Claims (9)

  1. ステアリングホイールの操舵角に対して回転角を加減算し、操向輪の転舵角との関係を表す伝達比を変更可能な伝達比可変アクチュエータと、
    ステアリングホイールの操作状態に応じて所望の伝達比となるように指令値を設定し、前記伝達比可変アクチュエータを制御する伝達比可変制御手段と、
    操作力の方向と前記伝達比可変アクチュエータの回転方向との関係に基づいて、前記指令値を補正する指令値補正手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用操舵制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記指令値補正手段は、前記伝達比可変アクチュエータが回転角を加算しているときは、前記指令値を増加補正することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用操舵制御装置において、
    前記指令値補正手段は、前記伝達比可変アクチュエータが回転角を減算しているときは、前記指令値を減少補正することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか1つに記載の車両用操舵制御装置において、
    前記指令値補正手段は、操作力の方向と前記伝達比可変アクチュエータの回転方向との関係が同方向のときは、逆方向のときよりも補正量を大きくすることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか1つに記載の車両用操舵制御装置において、
    前記指令値補正手段は、操舵角が第1閾値以下のときに実行する手段であることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか1つに記載の車両用操舵制御装置において、
    前記指令値補正手段は、前記操舵角もしくは前記指令値が第2閾値以下のときは、前記回転角が小さいほど補正量を小さくする手段であることを特徴とする車両用操舵制御装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか1つに記載の車両用操舵制御装置において、
    前記指令値補正手段は、車速に基づいて補正量を設定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  8. 請求項1ないし6いずれか1つに記載の車両用操舵制御装置において、
    前記指令値補正手段は、操舵角に対するヨーレイトを表すヨーレイトゲインが小さいときは、ヨーレイトゲインが大きいときよりも補正量を小さく設定することを特徴とする車両用操舵制御装置。
  9. ステアリングホイールの操舵角に対して回転角を加減算し、操向輪の転舵角との関係を表す伝達比を変更可能な伝達比可変アクチュエータに対し、所望の伝達比となるように指令値を出力するとき、
    操作力の方向と前記伝達比可変アクチュエータの回転方向との関係に基づいて前記指令値を補正し、実伝達比を補正前の指令値に追従させることを特徴とする車両用操舵制御装置。
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