JP2007188903A - メタルハライドランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本管部5a及び当該本管部5aの両端それぞれに設けられた細管部5b、5cからなるセラミック製の発光管5と、前記本体部内に配置される一対の電極と、一端部に前記電極が接続され、かつ、他端部が前記細管部5b、5cから延出されている給電体4a、4bと、前記給電体4aに接続しており、発光管5に近接又は接触している始動用導線7とを有するメタルハライドランプであって、始動用導線7には、限流素子6が挿入されている。
【選択図】図1
Description
外管102の他端部には、電極に電流を供給するための2本のステム線103a、bを支持するガラス製のステム101が融着されている。
発光管105は、本管部とこの本管部の両端部に設けられた細管部とを有していると共に、その内部に発光物質としての金属ハロゲン化物、緩衝ガスとしての水銀、始動ガスとしての希ガスがそれぞれ所定量封入されている。
この電極の端部は、それぞれ細管部内にガラスフリットにより封着された給電体104a、bの一端部に電気的に接続されている。
給電体104a、bの他端部は、細管部の外部から導出され、各ステム線に電気的に接続されている。
始動時において、イグナイタは、定常時において印加される正弦波電圧に、さらに、高電圧のパルスを重畳し、始動用導線107と電極114の近傍に微放電を発生させ、この微放電による初期電子をきっかけとして、図5(a)に示すように、低い始動電圧で発光管105内の対をなす電極間にアーク放電を発生させる。
即ち、発光管105の内壁は、放電時において、高温、高圧となり、長時間使用されると、熱疲労などにより、図5(b)に示すように、発光管105の容器が破損する場合がある。
このとき、イグナイタは、ランプ電圧が高くなったことを検知して、始動時と判断し、正弦波電圧に高電圧のパルスを重畳させる。
これにより、電極間距離(ra)よりも短い距離(rb)で、一方の電極と対峙する始動用導線107の間で絶縁破壊が生じ、さらに、アーク放電、即ち、異常放電へと移行する。
始動用導線107は、線径の細いモリブデン線などで構成されるので、上述の異常放電により、図5(b)に示すように、放電の起点となっているC部が溶断することとなるが、溶断されたC部よりも上の導線部分は、電極113と繋がっているため、異常放電は継続する。
放電距離が距離(rc)に達すると、異常放電を継続するために必要な電圧を供給することができなくなるため異常放電が停止する。
ここまでに至る過程において、異常放電に伴う大電流のため、安定器などが破損することが多く、又、異常放電により外管102は、高温となり、クラック及び破損が生じる可能性もある。
また、前記限流素子は、前記異常放電が生じないように電流を制限する抵抗体からなるとしてもよい。
これにより、前記限流素子に流れる電流の量が制限されるため、前記異常放電が抑止される。
これにより、始動電圧の上昇を伴わない範囲で前記限流素子に流れる電流の量が制限されるため、始動性を維持しつつ、前記異常放電が抑止される。
また、前記限流素子は、コンデンサからなるとしてもよい。
これにより、交流駆動の場合において、前記限流素子に流れる電流の量が制限されるため、前記異常放電が抑止される。
これにより、前記限流素子の両端子間で異常放電が発生することが抑止される。
また、前記発光管は、外管内に収納されており、当該外管と前記発光管との間に少なくとも前記本体部を囲むスリーブと、前記スリーブを保持するために前記スリーブの両端部に配置された第1支持部材及び第2支持部材とを備え、前記限流素子は、前記第1支持部材と第2支持部材とで挟まれた空間以外の空間に位置しているとしてもよい。
つまり、前記限流素子の熱による劣化が軽減される。
また、前記始動用導線の一端は、前記発光管が破損した場合であっても、形状変化を伴い難い前記発光管部分に巻きつけられているとしてもよい。
つまり、放電距離は、異常放電の放電状態に影響を及ぼすため、前記異常放電を抑止する上で考慮された設計パラメータと現実のパラメータとのずれを小さくすることができ、より確実に前記異常放電が抑止される。
図1(a)及び図1(b)は、本発明の実施の形態におけるメタルハライドランプ20の概略図である。
図1(a)に示すように、メタルハライドランプ20は、定格電力が150Wの高輝度放電ランプであって、ステム1と、外管2と、ステム線3a及び3bと、給電体4a及び4bと、発光管5と、限流素子6と、始動用導線7と、プレート8と、プレート9と、スリーブ10と、絶縁体11と、口金12とを有する。
外管2は、硬質ガラスなどからなり、内部には、窒素などの不活性ガスが、例えば、点灯時(約300℃)において100Paの圧力となるように封入されている。
口金12は、照明器具用のソケットに接続するための2極端子である。
ステム線3aは、一端が口金12内部の一方の電極端子(図外)に接続されており、ステム1を貫通して他端が給電体4aに溶接されている。
発光管5は、アルミナ(熱膨張係数8.1×10-6)などの透光性を有するセラミック材からなり、円筒状の本管部5aと、この本管部5aの両端部に設けられ、径が小さな円筒状の細管部5b及び5cとからなる。
電極13及び電極14は、それぞれ給電体4a及び4bと接続された状態で、上述の各細管部内部に挿入されシール部材で封止されている。
プレート8及び9は、ステンレス製の薄板からなり、スリーブ10を発光管5から決められた間隔をおいて支持するためのものである。
また、プレート8及び9は、それぞれ給電体4a及び4bが貫通し、外周には外管2の内壁に近接する複数の爪部8a及び9aを有している。
また、プレート8及び9により、外管2の内側は、3つの領域に仕切られている。
これにより、点灯時においては、上記2つの領域における温度は、発光管5を含む領域に比べて低くなる。
また、プレート8aには、図1(b)に示すように、始動用導線7が貫通する穴8bが設けられている。
始動用導線7は、線径が0.2mmのモリブデン線であり、一端が限流素子6に溶接され、細管部5bに巻き付けられ、中央が本管部5aの外周に接するように配置され、さらに、他端が電極14の近傍の細管部5cに巻きつけられている。
限流素子6は、抵抗値(RG)が20kΩの炭素皮膜抵抗器であり、一端が給電体4aに、他端が始動用導線7に溶接されている。
即ち、始動用導線7と電極14との間で絶縁破壊が生じた場合、限流素子6のキャップ端子6a及び6b間にも大きな電位差が生じるが、限流素子6を抵抗として正常に機能させようとすれば、この電位差によりキャップ端子6a及び6b間に絶縁破壊を生じさせないことが前提となる。
また、発明者らは、メタルハライドランプ20(定格電力150W)を含む、定格電力が50W以上400W以下のメタルハライドランプにおいて、上述の絶縁距離(rd)が4.5mmであることを確認した。
メタルハライドランプ20を駆動する駆動回路として、電力を供給する電源回路(図外)と、ランプ電圧及びランプ電流を調節するための安定器(図外)と、始動時において高電圧のパルスを印加するためのイグナイタ(図外)とが設けられている。
イグナイタは、ランプ電圧が高いことを検知して作動する回路であって、図2(b)に示すように、上述の正弦波のピーク点付近において高電圧のパルスを重畳してピーク電圧を4500V(+V0、−V0)に高める。
<動作>
図3(a)は、正常時における、メタルハライドランプ20の動作状況を示す図である。
一方、高電圧のパルス(+V0、−V0)が、始動用導線7と電極14との間に印加されると、セラミック製の細管部5cにより空間的に隔絶されているものの、始動用導線7の端部と電極14との間の電位傾度が極めて大きくなるため、電極14の近傍で微放電が生じる。
厳密には、限流素子6は、20kΩの抵抗値を有するため電圧降下を生じるが、電流の値が極めて小さいことにより、この電圧降下の値は極めて小さい。
したがって、始動用導線7の前記端部に印加される電圧(+Va0、−Va0)は、上述の高電圧のパルス(+V0、−V0)と殆ど変わらない。
これにより、限流素子6の有無に関わらず、始動時において、イグナイタにより重畳された4500Vの高電圧のパルス(+V0、−V0)によって、電極14及び始動用導線7間で微放電が発生し、この微放電がアーク放電のきっかけとなる初期電子となって、電極13及び電極14間でアーク放電が発生する。
上述の限流素子6の抵抗値は、始動電圧の上昇が起こらない範囲において、実験的に求められた値であり、厳密には、上述の20kΩの値に限るものではなく、始動性評価において、基準をクリアできる最も大きな抵抗値(R2)以下、即ち、1MΩ以下の範囲にあればよいことが確認されている。
<本管部5a破損時>
続いて、本管部5aが破損した場合について説明する。
本管部5aは、点灯時においては内部が高温高圧となる小さな圧力容器となり、熱疲労によって本管部5aにクラックが生じることなどにより破損する場合がある。
この破損に伴い、外管2の内部には、発光管5から金属ハロゲン化物、水銀、ネオン及びアルゴンなどの希ガスが、外管2内に流出する。
このとき、本管部5aの破損により電極13及び電極14間のアーク放電は消滅し、ランプ電圧が上昇するが、ランプ電圧の上昇を検知したイグナイタは、正弦波電圧に高電圧パルス(+V0、−V0)を重畳する。
この結果、始動用導線7のうち、最も電極14と距離的に近いC部と電極14の間において、絶縁破壊が生じる。
このとき、高電圧パルスが印加された瞬間のみに放電(以下、「パルス放電」という。)が起こる状態となっている。
一方、パルス放電状態においても、高電圧パルスの印加は、停止されないため、より大きな電流が流れるアーク放電へと移行しようとする。
しかしながら、限流素子6により、始動用導線7を流れる電流は、アーク放電に必要な電流値以下に制限されるため、アーク放電は生じない。
したがって、本管部5aが破損した場合、異常放電を防止し、かつ、始動性を現状レベルに維持するために必要な限流素子6の抵抗値の範囲は、1kΩから1MΩまでの範囲となる。
なお、本実施の形態では、メタルハライドランプ20は、定格電力が150Wとしたが、これに限らず、50W以上400W以下の範囲のいずれかの値を定格電力としてもよい。
また、限流素子6は、炭素皮膜抵抗器としたが、これに限らず、チップ抵抗など、他の種類の抵抗器であってもよい。
また、メタルハライドランプ20に、交流電圧が印加されている場合は、限流素子6の炭素皮膜抵抗器に代えて、コンデンサを用いてもよい。
つまり、交流駆動においては、コンデンサも抵抗と同様にインピーダンスを有するのものであるから、抵抗と同様、本管部5aの破損時において、始動用導線7を流れる電流の値を制限することができる。
また、電極と給電体の構成は、上記実施の形態と異なっていてもよく、例えば、電極と給電体が単一の部材であってもよい。
2 外管
3a、3b ステム線
4a、4b 給電体
5 発光管
5a 本管部
5b、5c 細管部
6 限流素子
7 始動用導線
8、9 プレート
8b 穴
8a、9a 爪部
10 スリーブ
11 絶縁体
12 口金
13、14 電極
20 メタルハライドランプ
Claims (4)
- 本体部及び当該本体部の両端それぞれに設けられた細管部からなるセラミック製の発光管と、前記本体部内に配置される一対の電極と、一端部に前記電極が接続され、かつ、他端部が前記細管部から延出されている給電体と、前記給電体の一方に接続しており、前記発光管に近接又は接触している始動用導線とを有し、内部に始動用イグナイタを含む駆動回路を有さず、外部に設けられた始動用イグナイタを含む駆動回路により始動されるメタルハライドランプであって、
前記始動用導線には、抵抗値が1kΩ以上、1MΩ以下である抵抗体が挿入されていることを特徴とするメタルハライドランプ。 - 定格電力が50W以上400W以下であって、
前記抵抗体の2箇所にある端子同士の間隔は、4.5mm以上となっていることを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。 - 前記発光管は、外管内に収納されており、
当該外管と前記発光管との間に少なくとも前記本体部を囲むスリーブと、
前記スリーブを保持するために前記スリーブの両端部に配置された第1支持部材及び第2支持部材とを備え、
前記抵抗体は、前記第1支持部材と第2支持部材とで挟まれた空間以外の空間に位置していることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載のメタルハライドランプ。 - 前記始動用導線の一端は、前記発光管が破損した場合であっても、形状変化を伴い難い前記発光管部分に巻きつけられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のメタルハライドランプ。
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