JP2007169818A - 経糸糊付装置のストレッチ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2つのロールを、所定の周速比(ストレッチ比率)に従って回転駆動させることにより経糸を伸張させる経糸糊付装置で、検出された経糸張力に基づくストレッチ比率の補正機能の優位性を維持しつつ、運転条件の調整を行うに際し経糸張力変動が極力発生しないようにする。
【解決手段】巻取運転中に、経糸走行方向に互いに離間して設けられる2つのロールを駆動する駆動部と、経糸張力を検出する張力検出部と、設定ストレッチ値ならびに目標張力値を入力しつつ検出された経糸張力値を表示する設定器と、ストレッチ制御部とを有する経糸糊付装置のストレッチ制御装置。前記ストレッチ制御部は、設定ストレッチ値に対し目標張力値に対する張力偏差を解消する方向に補正した補正結果を出力する第1の機能と、設定ストレッチ値を出力する第2の機能とを有し、ストレッチ制御部は、手動操作器からの切換信号によりいずれか機能を実行する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、糸走行方向に離間して配置される2つのロールを、巻取運転中、予め設定された所定の周速比(ストレッチ比率)に従って回転駆動させることにより経糸を伸張させる、経糸糊付装置のストレッチ制御装置に関するものであり、より詳しくは、設定されるストレッチ比率を経糸張力偏差に基づき補正する機能を備えた上記ストレッチ制御装置に対し、運転条件の調整に好適な装置に関する。
繊維工業における経糸糊付装置等は、複数段の積極フィード機構を接続し、それに後続して巻取ビームを配置するものである。図4を参照するに、経糸糊付装置1は、給糸クリールAから巻きほどかれる多数の糸Y1,Y1…は、筬C1によって整列された上、第1のフィードロールF1によって合体されて糸シートYを形成し、次いで、糊付ロールF2上で糊付けされた上、筬C2を経て、シリンダ乾燥機F3に導かれる。
糸シートYは、シリンダ乾燥機F3,F3…上に巻掛けられて、所定の水分率に仕上げ乾燥され,クーリング装置CL、第2のフィードロールF4を経て、巻取ビームB上に巻取られるものである。なお、シリンダ乾燥機F3,F3…とクーリング装置CLとの間には、筬C3とワキシング装置Wとが配置され、また第2のフィードロールF4の前後には、筬C4,C5が配置されるほか、各装置にはガイドロールが付設されている。
ここで、第1のフィードロールF1、糊付ロールF2,シリンダ乾燥機F3,F3…、第2のフィードロールF4は、個別に設けられる可変速モータM1,M2,M3,M4によってそれぞれ積極駆動されるため、これら部材は、縦続配置された複数段の積極フィード機構を形成するものである。なお、複数のシリンダ乾燥機F3,F3…は、可変速モータM3に連結される図示しない同時駆動機構を介して同時に駆動され、また巻取ビーム(経糸ビーム)Bは、他の可変速モータMBによって、糸シートYを一定張力で巻取るようになっている。
経糸糊付装置においては、巻取ビームBにおける巻取張力のみならず、積極フィード機構の各段間における糸シートYの張力も、厳密に、所定の値を維持する必要があり、その値は、糸シートYの糊付ロールF2における浸潤による伸びや、シリンダ乾燥機F3,F3…における乾燥による縮み等を考慮して、各段間ごとに、糸シートYの品質、使用する糊材の種類や量等に起因する最適値が存在する。そこで、上記各可変速モータM1,M2,M3,M4により、各段の駆動周速(速度比率)を変更すれば、積極フィード機構の各段間における糸シートYの張力を調節することができる。そして互いに隣接する1組の積極フィード機構の周速比をストレッチと定義し、この値を用いて隣接する可変速モータの速度比率を変更することにより、経糸張力を任意に設定することができる。
このような経糸糊付装置に対し、より好適な装置として特許文献1に示される装置が知られている。この装置には、ストレッチ駆動が行われる第1のフィードロール〜糊付ロール、および糊付ロール〜シリンダ乾燥機の各周速比(速度比率)を、これらロールの間で検出される経糸張力に基づいて補正する機能を有している。このような実際の経糸張力に基づく周速比率(設定ストレッチ値)に対する補正機能により、巻取運転中の経糸張力を目標張力値に安定的に維持することが可能になり、図4の装置に比べ良質の経糸ビームを供給することができる。
特開平7−229055号(図2、段落番号[0020]を参照。)
これら経糸糊付装置では、新たな糸種ロットの生産を開始するに際し、上記周速(速度比率)としての設定ストレッチ値、糊付ロールのスクイズ圧、糸の走行速度やシリンダ乾燥機における温度などの運転条件を設定し、さらに調整運転を行って、経糸張力状態や糸の乾燥度合いを確認しつつ運転条件を再調整し、その後連続運転することになる。
糸種などの状況により経糸糊付装置の運転条件は当然異なるが、これら運転条件の中には、設定値を少し変えるだけで経糸張力が大きく変化するものも存在する。しかし特許文献1の装置では、調整運転を行うと、設定ストレッチ値に対して検出された経糸張力に基づく補正機能が働くため、仮に設定値の変更により張力が急変したとき、上記補正機能による張力ハンチングが比較的長い期間にわたって発生することがあり、この結果作業者は、経糸張力が安定されて収束されるまで、運転条件の設定値を再調整することができない。この結果、調整運転期間が長くなる傾向にあり、しかも張力不安定な状況下では、経糸品質が大きく損なわれることになるため、次工程の製織工程における織布の生産性(織機の稼働率)が長期間大きく損なわれるという問題がある。
そこで本発明の目的は、走行方向に離間して配置され積極駆動される2つのロールを、予め設定された所定の周速比(ストレッチ比率)に従って回転駆動させることにより経糸を伸張させる経糸糊付装置で、検出された経糸張力に基づくストレッチ比率の補正機能の優位性を維持しつつ、しかも運転条件の調整を行うに際し、経糸張力変動を極力発生しないようにすることにある。
課題を解決するための手段、発明の効果
そこで、本発明の経糸糊付装置のストレッチ制御装置は、その前提として、巻取運転中に、経糸走行方向の上流側および下流側に互いに離間して設けられる2つのロールをストレッチ操作値に対応する周速比で駆動する駆動部と、前記2つのロールの間の位置における経糸張力を検出する張力検出部と、設定ストレッチ値ならびに目標張力値を入力する機能と前記検出された経糸張力値を表示する機能とを有する設定器と、前記設定器に接続されるストレッチ制御部とを有する。そして本発明では、前記ストレッチ制御部は、前記設定ストレッチ値に対し前記検出張力の目標張力値に対する張力偏差を解消する方向に補正した補正結果を前記ストレッチ操作値として出力する第1の機能と、前記設定ストレッチ値を前記ストレッチ操作値として出力する第2の機能とを有し、前記ストレッチ制御部は、手動操作器からの切換信号により、前記いずれか機能を選択して実行することを、その要旨とする。
上記要旨によれば、調整運転を行うに際し、作業者は手動操作器を切換操作することにより、ストレッチ制御部は、第2の機能を実行して設定ストレッチ値を前記ストレッチ操作値として出力する結果、検出された経糸張力に依存せず設定ストレッチ値に基づくストレッチ制御を実行する。これにより、従来、運転条件の設定値を調整するたびに経糸張力が変化し、そのように発生された張力偏差に基づく補正動作が実行されることに起因する張力変動が発生しないため、作業者は運転条件の設定値の調整作業をより効率的に行うことができ、調整作業に要する時間を短縮できるとともに、このような調整運転期間、換言すれば経糸張力が不安定で品質的に不安定な状態で巻取られる経糸長さを必要最小限に抑えることができるため、次工程である製織工程において廃棄される経糸が少なくて済み、経糸の歩留まりが向上する。
好ましい経糸糊付装置では、作業者の操作ボタンにより、経糸走行速度が2段階以上に切換可能に構成され、設定ストレッチ値も経糸走行速度毎に設定可能になっている。このため、ストレッチ制御部は、複数段の経糸走行速度のうち1以上に対し、手動操作器からの切換信号により、上記2つの機能を切換可能に構成される。具体的には、糸切れ修復時の低速駆動と連続運転時の高速駆動の2つの経糸走行速度(糸速度)を切換可能な装置の場合、ストレッチ制御部は、ストレッチ操作値を上記切換出力する機能を、低速駆動時および高速駆動時のうちいずれか一方または双方に対し切換可能に構成することができる。
後者についてより詳しくは、前記設定器には、経糸走行速度毎に設定ストレッチ値が設定可能にされるとともに、前記ストレッチ制御部は、手動操作器からの切換信号により前記いずれか機能を選択するとともに、巻取運転中、前記ストレッチ操作値を経糸走行速度の切換りに対応される設定ストレッチ値に基づいて出力するようにされる。
手動操作器の具体的な操作時期について、例えば連続運転に先立って行われる調整運転、あるいは運転中に何らかの問題が発生して張力に基づかないストレッチ動作を希望したときとすることもできる。しかしこれに限らず、作業者が判断する時期に適宜切り換え操作することも可能であり、例えば、経糸の糸種により、検出された経糸張力に依存しないストレッチ制御の方が望ましい場合には、手動操作器を常時切り換えた状態にすることも可能である。
作業者は、連続運転に先立って調整運転を行うに際し、上記第2の機能を選択して、予め設定された運転条件による実際の経糸張力状況を把握し、必要に応じて設定ストレッチ値を含む運転条件の調整を行った後に、連続運転に開始すべく上記第1の機能を選択することができ、これを実現するには、前記設定器には、前記検出された経糸張力値を表示する機能を有していればよい。この場合、作業者は、経糸糊付装置の連続運転に先立ち、先ず手動操作器を操作して前記ストレッチ制御部に前記第2の機能を選択させる一方、調整運転を実行し設定器に表示される経糸張力値を確認する。これにより、作業者は、設定ストレッチ値を、設定器に表示される経糸張力値を見ながら調節することができるから、調整に要する時間を短縮できる。なお、実際の経糸張力を確認する手法について、設定器に表示させる形態に限らず、作業者はその都度テンションメータを用いて実測することも考えられる。
本発明を実施するための具体的な形態について、図面を用いて説明する。図1には、スパン糸用の経糸糊付装置1を一例として示しており、経糸糊付装置1に設けられる第1のフィードロールF1、糊付ロールF2、シリンダ乾燥機F3および第2のフィードロールF4に対し、個別に設けられる駆動する可変速モータM1,M2,M3およびM4の駆動部を含むストレッチ制御装置10のブロック図を示している。
図1に示される機械的な部材の配置について、その大半は、図4と同じであるが、ストレッチ動作に関係する部分をより詳細に示しており、より具体的には、経糸張力を検出するためのテンションロールR1,R2、R3が設けられる。より具体的には、テンションロールR1は、第1のフィードロールF1と糊付ロールF2との間の位置であって糊付ロールF2の近傍の位置に、またテンションロールR2は、糊付ロールF2と再前段のシリンダ乾燥機F3との間の位置に、またテンションロールR3は、最終段のシリンダ乾燥機F3とクーリング装置CLとの間の位置に、それぞれたて糸シートに巻掛けられるように配置されている。各テンションロールR1〜R3は、張力センサとして機能されるロードセルLD1〜LD3を介して、糸走行方向に沿って伸びる一対のフレームに受けられており、ロードセルLD1〜LD3は、対応されるテンションロールR1〜R3に作用される作用力、換言すれば糸シートの張力を経糸張力信号T1〜T3として電気信号の形で出力する。これ以外の機械的な部材構成について、図4とほぼ同じであるため、図4と同じ符号を付してその説明を省略する。
図1を参照するに、ストレッチ制御装置10は、大まかに言えば、可変速モータM1,M2,M3およびM4のそれぞれに対応して設けられる駆動回路21,22,23および24と、ライン速度信号発生部30と、設定器32と、ストレッチ制御部40とを有してなる。
駆動回路21、駆動回路22および駆動回路23は、その内部に、ともに縦続接続される演算器25、加算点26および電力発生器27とをそれぞれ有するのに対し、駆動回路24は、前記演算器25が省略されている点で相違する。演算器25は、入力される2つの電気信号から所定の演算を行って速度指令値を求めそれに対応する信号を出力するものであり、入力される速度指令のもとになる信号の値と、後述されるストレッチ操作値信号SR01、SR02,およびSR03の各値との所定の演算結果(具体的には乗算結果)を、後段の各加算点26に信号の形で出力する。各駆動回路における加算点26には、速度指令信号が入力される+端子と−端子が設けられ、2つの信号の加算結果に対応する信号を速度指令信号として電力発生器27に出力し、また電力発生器27は、速度指令信号に対応する電力を、接続される可変速モータM1〜M4にそれぞれ出力することにより、各モータを回転駆動する。一方、各可変速モータM1〜M4には、その回転速度を検出するための速度検出器TG1〜TG4が設けられ、検出された回転速度信号sg1〜sg4は、該当する駆動回路21〜24の各加算点26〜26に負帰還入力されることにより、加算点26に入力される速度指令信号に対する速度マイナーループを構成する。
なお、可変速モータM1〜M4について、例えば三相誘導電動機として構成する場合、駆動回路21〜24は、速度指令に対応する周波数、電圧の交流電力を出力する公知の可変周波数可変電圧インバータ装置(いわゆるVVVFインバータ)で構成される。この場合、演算器25,加算点26および速度フィードバック回路について、インバータ装置が有する機能を利用してもよい。また、速度検出器TG1〜TG4について、回転量に対応するパルス信号を発生する例えばインクリメンタルエンコーダなどのパルス発生器で構成し、パルス信号の発生周期をもとに回転速度を換算するように回路構成することも可能であり、そのような形態におけるインバータ装置は、例えば内蔵されるマイクロプロセッサ及びソフトウエアにより制御されるものであって、上記回転量に対応されるパルス信号により、速度制御や実際のモータの角度に対応して出力電力の制御等を行う装置として構成してもよい。あるいはインバータ装置を専ら電力発生器27として機能させ、残りの部分である演算器25,加算点26および速度フィードバック回路をインバータ装置とは別回路で構成することもできる。
各駆動回路21〜24には、接続される各モータM1〜M4に対する速度指令信号あるいはそれのもとになる信号が入力される。より具体的には、第2のフィードロールF4に連結される可変速モータM4用の駆動回路24には、ライン速度信号発生部30から出力されるライン速度指令信号SLが入力されるのに対し、シリンダ乾燥機F3に連結される可変速モータM3用の駆動回路23、糊付ロールF2に連結される可変速モータM2用の駆動回路22、第1のフィードロールF1に連結される可変速モータM1用の駆動回路21には、速度指令信号のもとになる信号として、これより下流側に隣接される可変速モータM4、M3、M2における各回転速度信号sg4,sg3、sg2が、それぞれ入力されている。また駆動回路21、駆動回路22ならびに駆動回路23には、ストレッチ制御部40からのストレッチ操作値信号SR01、ストレッチ操作値信号SR02、およびストレッチ操作値信号SR03がそれぞれ入力されている。
ストレッチ制御部40には、各ロードセルLD1〜LD3からの信号T1〜T3が入力されるとともに、切換スイッチSW1が接続されている。なお、この切換スイッチSW1は、ストレッチ制御態様を切り換える際の手動操作器として機能し、また信号T1〜T3は、検出張力に基づいてストレッチ操作値を補正する際に用いられるが、その詳細については後述する。
ライン速度信号発生部30およびストレッチ制御部40には、設定器32がデータバスbsを通じて双方向に情報送信可能に接続される。設定器32は、例えば数値入力機能や数値情報や文字情報などの表示機能を備えた、いわゆるタッチパネルで構成されており、設定器32には、運転条件の1つとして、2段階の糸速度としての高速運転時の糸速設定値VH(具体的には数十〜数百メートル/毎分)および低速運転時の糸速設定値VL(具体的には数メートル/毎分)、2段階の上記各糸速度毎にそれぞれ設定される、隣接される各段のロールの駆動周速比である2つの設定ストレッチ値VSL1〜VSL3、VSH1〜VSH3(具体的には+数%〜−数%の範囲)のほか、各段における目標経糸張力値TS、糊付ロールF2におけるスクイズ圧、シリンダ乾燥機F3の設定温度などの複数の設定値が予め設定される。そして設定器32は、これら設定値情報を該当する制御器であるライン速度信号発生部30、ストレッチ制御部40、および上記糊付ロールF2のスクイズ圧やシリンダ乾燥機F3の温度などを図示しないアクチュエータを介して制御するメインコントローラ34に、データバスbsを通じて送り込み、また経糸張力信号T1〜T3の値をストレッチ制御部40およびデータバスbsを通じて読み出して設定器の画面上に並べて表示したり、これ以外の制御情報や、停台原因、トラブル情報、あるいは現在の経糸巻取長などの経糸ビーム生産に関する情報等を、データバスbsを通じてメインコントローラ34や図示しないコントローラから読み出して表示する機能を有する。
ライン速度信号発生部30およびストレッチ制御部40には、メインコントローラ34からの速度選択信号S2、および運転信号S3が入力されている。メインコントローラ34には、符号を付さない種々の操作ボタン、具体的には糸切れ修復の際に操作される低速運転ボタン、経糸糊付装置1を連続運転する際に操作される高速運転ボタン、および停止ボタン等の操作ボタンのほか、各種センサからの糸切れ信号が入力されており、メインコントローラ34は、糸切れ信号や停止ボタン操作信号の入力等により運転信号S3をオフ出力してこれをライン速度信号発生部30等に対して出力し、また低速運転ボタンおよび高速運転ボタンからの操作信号入力により、選択速度に対応される速度選択信号S2をライン速度信号発生部30およびストレッチ制御部40に出力することができる。なお、速度選択信号S2は、詳細は後述するが運転速度が高速のときにオン出力される信号であり、運転信号S3は、経糸糊付装置1を運転する際、つまり高速運転および低速運転を問わず運転期間中も含めてオン出力される信号であり、また経糸糊付装置1を停止時停止期間中も含めてオフ出力される信号である。
そこで、経糸糊付装置1を始動させるに際し、作業者は低速運転ボタンを操作すると、メインコントローラ34は、既に速度選択信号S2をライン速度信号発生部30およびストレッチ制御部40にオフ出力しているとともに、運転信号S3をライン速度信号発生部30にオン出力する。このため、ライン速度信号発生部30は、速度選択信号S2がオフ入力された状態での運転信号S3が入力されていることにより低速運転が指令されたものと判定し、設定器32を介し予め設定された低速運転用の糸速設定値VLに対応するライン速度指令信号SLを出力する結果、可変速モータM4は始動されてライン速度指令信号SLの値VLに対応する速度で回転される。
一方、可変速モータM3を駆動する駆動回路23には、可変速モータM4に連結された速度検出器TG4からの回転速度信号sg4が速度指令信号のもとになる信号として入力される。このため、駆動回路23の演算器25では、入力される回転速度信号sg4から実際のライン速度である糸速値を逆算して求め、求めたライン速度指令値に対し入力される各ストレッチ操作値信号SR03の値のほか、所定の減速比等にもとづく所定の演算を行って速度指令値を算出し、これにもとづいて可変速モータM3を回転駆動する。これにより、可変速モータM3を、可変速モータM4の回転速度に対しストレッチ操作値信号SR03の値が加味された速度比率で、換言すれば第2のフィードロールF4の周速に対し、シリンダ乾燥機F3を対応する周速で回転駆動する。
同様に、可変速モータM2を駆動する駆動回路22には、可変速モータM3に連結された速度検出器TG3からの回転速度信号sg3が速度指令信号のもとになる信号として入力される。このため、駆動回路22の演算器25では、入力される回転速度信号sg3から実際のライン速度である糸速値を逆算して求め、求めたライン速度指令値に対し入力される各ストレッチ操作値信号SR02の値のほか、所定の減速比等にもとづく所定の演算を行って速度指令値を算出し、これにもとづいて可変速モータM2を回転駆動する。これにより、可変速モータM2を、可変速モータM3の回転速度に対しストレッチ操作値信号SR02の値が加味された速度比率で、換言すればシリンダ乾燥機F3の周速に対し、糊付ロールF2を対応する周速で回転駆動する。
同様に、可変速モータM1を駆動する駆動回路21には、可変速モータM2に連結された速度検出器TG2からの回転速度信号sg2が速度指令信号のもとになる信号として入力される。このため駆動回路21の演算器25では、入力される回転速度信号sg2から実際のライン速度である糸速値を逆算して求め、この求めたライン速度値に対し入力されるストレッチ操作値信号SR01のほか、図示しない機械的な減速機構等の減速比などを考慮した所定演算を行って速度指令値を算出し、これにもとづいて可変速モータM1を回転駆動する。これにより、可変速モータM1を、可変速モータM2の回転速度に対しストレッチ操作値信号SR01が加味された速度比率で、換言すれば糊付ロールF2の周速に対し第1のフィードロールF1を対応する周速で回転駆動する。
このように、低速運転において第2のフィードロールF4を、低速運転用の糸速設定値VLに相当する周速で回転させるとともに、これ以外のロールについても同様に、つまりシリンダ乾燥機F3、糊付ロールF2、および第1のフィードロールF1を、各ストレッチ操作値信号SR03,SR02、およびSR01に対応される周速(速度比率)で、それぞれ低速駆動することができる。
このようなストレッチ操作値信号SR01、SR02、およびSR03を出力するストレッチ制御部40について、図2に示す内部ブロック図を用いて、以下具体的に説明する。ストレッチ制御部40は、大まかに言えば、ストレッチ制御を行う区間である各段に対してストレッチ操作値信号SR01,SR02およびSR03をそれぞれ出力する、第1のストレッチ制御部42,第2のストレッチ制御部44および第3のストレッチ制御部46と、設定器32との通信ラインであるデータバスbsに接続される信号変換器48とを有してなる。また、第1のストレッチ制御部42〜第3のストレッチ制御部46には、選択される2つの糸速度に対応される2つのストレッチ制御部である、低速ストレッチ操作部50ならびに高速ストレッチ操作部52と、これらを選択する切換器58とをそれぞれ有している。図2の例では、シリンダ乾燥機F3〜第2のフィードロールF4間のストレッチ値であるストレッチ操作値信号SR03を出力する第3のストレッチ制御部46の内部ブロック図を、一つの例として詳説する。他のストレッチ制御部42,44についても図示しないが、これと同様に構成される。
低速ストレッチ操作部50ならびに高速ストレッチ操作部52は、補正量演算器53と、加算器54と、切換器56とをそれぞれ有してなる。第3のストレッチ制御部46における低速ストレッチ操作部50について、より詳しくは、補正量演算器53の一方の入力端子には、ロードセルLD3からの張力信号T3が入力され、他方の入力端子には、信号変換器48からの目標経糸張力値信号TS3が入力されている。補正量演算器53は、2つの入力信号の偏差ΔTをもとに、所定の時間周期あるいは所定の糸走行長毎に求めた平均経糸張力に基づく偏差ΔTをもとにPID演算等を行って補正量ΔSLを後段の加算器54の一方の入力端子に出力する。また、信号変換器48からの低速運転時用の設定ストレッチ値信号SRL31が、加算器54の他の入力端子に入力される一方、後段の切換器56の一方の入力端子に分岐入力されている。そして加算器54では、入力される2つの信号を加算して加算結果に対応する信号を出力するものであり、具体的には低速運転用の設定ストレッチ値VSL3と上記補正量ΔSLとの加算結果(すなわちVSL3+ΔSLの値)を、信号SRL32として切換器56の他方の入力端子に出力している。そして切換器56には、切換スイッチSW1からの切換信号S1が入力されており、切換器56からの出力信号SRL33は、切換器58の一方の入力端子に入力されている。
高速ストレッチ操作部52について、上記低速ストレッチ操作部50とほぼ同様の構成であるが、高速ストレッチ操作部52における加算器54ならびに切換器56に入力される設定ストレッチ値信号が、信号変換器48から出力される高速運転用の設定ストレッチ値信号SRH31である点で相違する。また高速ストレッチ操作部52における切換器56からの出力信号は、信号SRH33として切換器58の他方の入力端子に入力される点でも相違する。
高速ストレッチ操作部52からの出力信号SRH33、ならびに低速ストレッチ操作部50からの出力信号SRL33が入力される切換器58には、さらに切換信号としてメインコントローラ34からの速度選択信号S2が分岐入力されるとともに、その出力は、ストレッチ操作値信号SR03として、対応される駆動回路23の演算器25に入力されている。
なお、信号変換器48は、設定器32からデータバスbsを通じて送られるディジタル信号を解読し、解読結果に対応されるアナログ信号に変換しストレッチ制御部40の内部回路に供給する機能と、入力されるアナログ信号を設定器32からの要求に応じてディジタル信号に変換してデータバスbsに送出する機能とを有しており、設定器32との間のいわゆる通信ポートとして機能する。より詳しくは、信号変換器48は、設定器32から送られる値に対応されるアナログ信号であって、目標経糸張力値TS3に対応される目標張力信号TS3,低速運転用の設定ストレッチ値信号SRL31および高速運転用の設定ストレッチ値信号SRH31をそれぞれ出力する。また、信号変換器48は、アナログ信号として入力される張力信号T3を受け、設定器32側からの要求により、実際の経糸張力値をデータバスbsを介し設定器32に送ることができる。
さて、予め運転条件が最適な状態に設定された状態であって連続運転される状況下では、切換スイッチSW1は、オン側に切り換えられて信号S1がオン出力となっている。従ってこの信号が入力される切換器56は、2つの入力信号のうち加算器54からの入力信号を選択して出力する。このため、上記したように、作業者が低速運転ボタンを操作したことによる低速運転状態では、加算器54は、運転開始当初において、低速運転用の設定ストレッチ値VSL3に対応する値を出力する。しかし、その後の運転で実際の経糸張力値T3が目標張力値TS3に対し偏差ΔTが発生し、補正量演算器53が所定のPID演算等を行って補正量ΔSLが入力されることにより、加算器54は設定ストレッチ値VSL3に補正量ΔSLを加算補正した補正ストレッチ値(すなわちVSL3+ΔSL)の値に対応する信号SRL32を出力し、切換器56を経由してさらに下段の切換器58に送る。なお、補正量演算器53が出力する補正量ΔSLは、経糸張力偏差を解消する方向の補正量を算出するものであり、例えば経糸張力T3が目標張力値TS3よりも大きくなったとき、マイナス方向に減少される補正量ΔSLを出力し、逆に目標張力値TS3よりも小さくなったときには、プラス方向に増大される補正量ΔSLを出力する。
一方、切換器58には、メインコントローラ34からの速度選択信号S2がオフ状態に入力されているため、切換器58は入力信号である信号SRL33、信号SRH33のうち低速ストレッチ操作部50からの信号を選択してストレッチ操作値信号SR03として後段の駆動回路23に出力する。
この場合、ストレッチ制御部40は、上記したように切換スイッチSW1がオン側に切り換えた状態では、検出した経糸張力に基づき設定ストレッチ値を補正する制御モードが有効となり、さらに低速運転にあるため、切換器58側の信号SRL33が有効となるため、低速運転用の設定ストレッチ値VSL3に対しテンションロールR3で検出した経糸張力T3に基づく張力偏差を解消する方向に補正するストレッチ操作値信号SR03が出力されて、設定ストレッチ値に対し検出張力にともなって補正されたストレッチ値に基づく駆動が実行される。このようにして、駆動回路23では、ライン速度指令信号SLに対し、上記張力偏差を解消するように補正されたストレッチ操作値信号SR03の値に基づく速度比率で可変速モータM3ひいてはシリンダ乾燥機F3を駆動するため、仮に経糸張力T3が変化しても、上記ストレッチ操作値の補正により、経糸張力値T3が目標張力値TS3を長期的に維持されるシリンダ乾燥機F3〜第2のフィードロールF4間のストレッチ制御が実現される。
その後作業者は、高速運転ボタンを操作することにより、メインコントローラ34は、速度選択信号S2をオン出力する。このため、ライン速度信号発生部30は、速度選択信号S2がオン入力状態でかつ運転信号S3が入力されることにより、高速運転が指令されたものと判定し、設定器32を介して予め設定された高速運転用の糸速設定値VHに向けて徐々に加速し最終的に設定値VH対応するライン速度指令信号SLを出力する。これにより可変速モータM4は、糸速設定値VHに対応する速度に向けて加速されていき、最終的に設定値VH対応する高い速度で回転されることになる。
一方、メインコントローラ34からの速度選択信号S2がオン状態に切り換わることにより、切換器58は、高速ストレッチ操作部52からの信号に切り換えてストレッチ操作値信号SR03として出力する。また上記したように信号S1がオン出力となっているため、高速ストレッチ操作部52の設定器56は、2つの入力信号のうち加算器54からの入力される信号を選択して出力する。高速ストレッチ操作部52では、運転開始当初において、高速運転用設定ストレッチ値VSH3に対応する値を出力する。しかし、その後の運転で実際の経糸張力値T3が目標張力値TS3に対し偏差ΔTが発生すると、補正量演算器53は、所定のPID演算等を行って補正量ΔSHを出力することにより、加算器54は設定ストレッチ値VSH3に補正量ΔSHを加算補正した補正ストレッチ値(すなわちVSH3+ΔSH)の値に対応する信号SRH32を出力し、切換器56を経由してさらに下段の切換器58に出力する。なお、補正量演算器53が出力する補正量ΔSHについても前記補正量ΔSLの場合と同様、経糸張力偏差を解消する方向の補正量を算出するものであり、例えば経糸張力T3が目標張力値TS3よりも大きくなったとき、マイナス方向に減少される補正量ΔSHを出力し、逆に目標張力値TS3よりも小さくなったときには、プラス方向に増大される補正量ΔSHを出力する。
切換器58は、メインコントローラ34からの速度選択信号S2がオン状態に切り換わることにより、高速ストレッチ操作部52からの信号SRH33を選択しストレッチ操作値信号SR03として後段の駆動回路23に出力する。この場合、ストレッチ制御部40は、高速運転用の設定ストレッチ値VSH3に対しテンションロールR3で検出した経糸張力T3に基づく張力偏差を解消する方向に補正するストレッチ操作値信号SR03を出力する。
他方、上記可変速モータM4は、糸速設定値VHに対応される速度に向けて加速され、またそのように加速される可変速モータM4の回転速度信号sg4を受ける駆動回路23には、さらに上記ストレッチ操作値信号SR03が上記入力される。このため、駆動回路23は、経時的に増大される速度指令に対しストレッチ操作値が加味された速度指令値に基づいて可変速モータM3が次第に加速され、最終的に糸速設定値VHに対しストレッチ操作値信号SR03の値が加味された速度指令値の高い速度で回転されることになる。また、そのような高速運転中に経糸張力偏差が発生したとき、張力偏差を解消可能に出力されるストレッチ操作値により、可変速モータM3の駆動速度が変更され、この結果、高速運転用の設定ストレッチ値VSH3に対し、検出される経糸張力値T3が目標張力値TS3を常に維持されるようにストレッチ操作値を補正するストレッチ制御が実行される。これにより、シリンダ乾燥機F3から第2のフィードロールF4間の経糸張力が常に安定的に維持された状況で高速運転される。
なお、この実施例では、シリンダ乾燥機F3から第2のフィードロールF4間で検出された経糸張力に基づくストレッチ制御に関し詳説したが、ストレッチ制御が実行される他の区間、すなわち糊付ロールF2〜シリンダ乾燥機F3間、あるいは第1のフィードロールF1〜糊付ロールF2間のストレッチ制御についても、同様である。
そのような経糸糊付装置1の高速運転によって、そのロットの経糸ビームの生産がやがて終了される。そして、新たな品種の経糸ビームを生産する際に、上記した設定ストレッチ値、糊付ロールのスクイズ圧、糸の走行速度やシリンダ乾燥機の温度などの運転条件を、今回生産するロットに対応するものに設定し、さらに調整運転を行って経糸張力状態や糸の乾燥度合いを確認しつつ運転条件を再調整する。そのうえで、経糸糊付装置を連続運転することになる。このような新たな品種の経糸ビームを生産する際の一連の処理手順について、図3を用いて説明する。
そこで、これまでの経験等から作成された指図書に従って新たな運転条件を設定する過程で、作業者は、先ず各設定ストレッチ値を設定ストレッチ値として設定器32に入力するとともに、ストレッチ制御を切り換えるための切換スイッチSW1をオフ側に切り換える(ST001)。次いで作業者は、運転ボタンとしての低速運転ボタンを操作し経糸糊付装置1を低速運転させる(ST002)。
ここで図2に戻り、切換器56には、オフ出力された信号S1が入力されるため、切換器56は、出力信号として設定ストレッチ値信号SRL31に切り換えて後段の切換器58に出力することになる。結果として予め設定された低速運転用の設定ストレッチ値VSL3に対応されるストレッチ操作値信号SR03が出力され、選択された糸速度に対し設定ストレッチ値そのものに基づく周速比で可変速モータM3を駆動することになる。なお、この点について、ストレッチ制御される他の可変速モータM1〜M2についても同様である。
そこで、低速運転状況において設定器に表示される経糸張力値の状況から表示される各経糸張力値T1〜T3から、作業者は、ストレッチ制御が行われる各段毎に、経糸張力状態(経糸張力値)が適切か否かを判定し(ST003)、作業者はその判定結果が「NO」と判定したとき、設定器32を介して、経糸張力に関連性の強い運転条件である、糊付ロールのスクイズ圧、糸の走行速度,シリンダ乾燥機の温度のほか、設定ストレッチ値、さらにはこれ以外の設定値の調整を行い(ST004)、再度経糸張力の判定処理ステップである(ST003)に戻って、調整を続けることになる。なお、設定器32では、各経糸張力値をデータバスbsを通じて信号変換器48から読み出すとともに、各運転条件の設定値とともに同一画面上に並べて表示するため、作業者は設定値の変更、経糸張力値の確認等の一連の調整作業を円滑に進めることができる。
そのような調整により経糸張力値が適切な状況になったとき、つまり判定処理ステップST003で作業者の判定結果が「YES」となって、次ステップに進み、調整運転を終了するか否かを判断することになる(ST005)。この場合高速運転における調整が未完であるから、作業者は「NO」と判断して、処理ステップST002に戻り、今度は高速運転ボタンを押下して、これまで低速運転状態で行ってきた張力判定(ST003)から運転条件の調整(ST004)を繰り返して実行し最終的に処理ステップST005に戻る。このような一連の調整、判定が終了することにより最終的に処理ステップST005における判定が「YES」となって次ステップに進むことになる。そして、作業者は、その後の連続運転に備えて設定器32の表示画面に表示されている実際の各経糸張力値T1〜T3を目標張力値TS1〜TS3としてそれぞれ設定する(ST006)。その後、作業者は切換スイッチSW1オン側に切り換えて(ST007)、経糸糊付装置1をそのまま連続運転を開始させ、一連の調整に係る処理フローを終了する。
このような連続運転に先立って調整運転を行うに際し、先ず前記調整ステップを実行することにより、ストレッチ制御部に検出張力による補正を伴わない第2の機能を実行させて調整運転が行われるから、作業者は、従来のような張力に基づく設定ストレッチ値の補正によって経糸張力が安定されるまで待つことなく、設定した運転条件と表示される実際の経糸張力との関係を容易に得ることができる。仮に経糸張力に対する影響度合いの大きい運転条件であっても、それら運転条件を、設定器に表示される経糸張力値を見ながら所望の経糸張力が得られるように容易に調整することができるから、調整運転に要する時間を従来よりも大幅に短縮することができる。そして、先のステップにおける運転条件の調整がなされ得られた実際の経糸張力に基づく値を、その後連続運転する際に用いられる目標張力値として設定する。その後、ストレッチ制御部に前記第1の機能を選択実行させて連続運転を開始させることにより、連続運転以降も経糸張力が安定的に目標張力値に維持されるため、品質的に良好な経糸ビームを確実に生産できる。
先の処理ステップST006では、目標経糸張力値TS1〜TS3を手動で入力しているが、設定器32にその旨の操作を行うことにより、実測された経糸張力値T1〜T3に基づく各値(例えば経糸張力の平均値など)を自動的に設定するようにしてもよい。
上記した実施例について、以下変形することができる。第2の機構を実行する際に使用される目標経糸張力値TS1〜TS3について、図2に示される回路では、低速運転および高速運転とで同じ値を用いるように構成されているが、互いに異なる経糸張力を設定することも可能である。
図1の装置では、可変速モータM4の回転速度信号により可変速モータM3を、同様に可変速モータM3、M2の回転速度信号により可変速モータM2、M1をそれぞれ駆動するようにして、一方のロールに対しストレッチ制御される他方のロールを駆動するようにしている。このように可変速モータの速度指令について、実際の回転速度信号をもとにする代わりに、ライン速度信号発生部30からのライン速度指令信号SLおよび、各段のストレッチ操作値信号が加味された速度指令値に基づいてストレッチ制御するようにしてもよい。(例えば、特開平2−80658号第1図を参照。)
2つの糸速度毎に設定される設定ストレッチ値について、糸速により異なる値を設定してもよいし、同じ値を設定することも可能である。なお、低速運転時には、経糸ビームに巻取られるまで長い時間を要することになり、また糊付された経糸がこれを乾燥させるための乾燥部に長い期間留まることになって縮み量が大きくなる結果、経糸張力が高速運転時に比べて高くなる。この経糸縮み度合いについて、糸種にもよるが、高速運転時に比べて大きくなる傾向にあるため、実際には、低速運転時の設定ストレッチ値は、高速運転時に比べて小さな値に定められる場合が多い。
また上記した実施例は、連続運転中、検出した経糸張力に基づく設定ストレッチ値に対する補正動作について、高速運転および低速運転の双方で行うようにしているが、いずれか一方のみで行う形態にも適用可能である。
経糸糊付装置1における糸速について、低速運転、高速運転の2つとされているが、3段階以上の糸速を有するように構成しても良く、そのような場合には、糸速毎に設定ストレッチ値が設定されるものにも、本発明を適用可能である。
ストレッチ制御装置10を構成するライン速度信号発生部30,ストレッチ制御部40について、図1〜図2に示す例では、複数の回路で実現しているが、1つの回路で構成するようにしても良く、メインコントローラ34や図示しないコントローラの各機能を集約させた1つのコントローラで実現するようにしてもよい。そのようなコントローラについて、ハードウエアのみによる処理に限らず、マイコン+ソフトウエア処理により実現可能である。
経糸糊付装置1の構成について、上記図1(図4)は、主にスパン糸に用いられる経糸糊付装置であるが、フィラメント糸対応の経糸糊付装置に適用可能であることは言うまでもない。フィラメント糸対応装置の場合、スパン糸対応装置に比べ、例えば糊付ロールF2とシリンダ乾燥機F3との間に熱風乾燥装置が新たに設けられるなど、その構成が追加・変更される等考えられるが、積極駆動されるロールやシリンダ乾燥機の配置が変更されたり、糸速設定値により駆動されるロールが、上記第2のフィードロールF4以外のロールに変更されることにより(例えば、第2のフィードロールが省略される構成のため、シリンダ乾燥機F3に変更されることにより)、ストレッチ制御装置10の内部構成が変更される形態も考えられる。しかし上記した実施例(発明)と同様、巻取運転中に、2つのロール間で検出された経糸張力に基づいてストレッチ値を補正する制御が行われるものであれば、いずれのものにも適用可能である。
本発明である経糸糊付装置のストレッチ制御装置を示す図である。 本発明の主要部を構成するストレッチ制御部の内部ブロック図である。 新たな糸種ロットの経糸ビームを生産開始する際、調整運転から連続運転を開始されるまでの間における処理フローを示す図である。 一般的な経糸糊付装置の全体構成図である。
符号の説明
1 経糸糊付装置
10 ストレッチ制御装置
21〜24 駆動回路
25 演算器
26 加算点
27 電力発生器
30 ライン速度信号発生部
32 設定器
34 メインコントローラ
40 ストレッチ制御部
42 第1のストレッチ制御部
44 第2のストレッチ制御部
46 第3のストレッチ制御部
48 信号変換器
50 低速ストレッチ操作部
52 高速ストレッチ操作部
53 補正量演算器
54 加算器
56,58 切換器
ΔSH,ΔSL 補正量
ΔT 偏差
A 給糸クリール
B 巻取ビーム(経糸ビーム)
C1〜C5 筬
CL クーリング装置
F1 第1のフィードロール
F2 糊付ロール
F3 シリンダ乾燥機
F4 第2のフィードロール
LD1〜LD3 ロードセル
M1〜M4,MB 可変速モータ
R1〜R3 テンションロール
S1 切換信号
S2 速度選択信号
S3 運転信号
SL ライン速度指令信号
SR01〜SR03 ストレッチ操作値信号
SRH31〜SRH33,SRL31〜SRL33 信号
SW1 切換スイッチ
T1〜T3 経糸張力信号(検出経糸張力値)
TG1〜TG4 速度検出器
TS1〜TS3 目標張力信号(目標張力値)
VH、VL 糸速設定値
VSL1〜VSL3,VSH1〜VSH3 設定ストレッチ値
W ワキシング装置
Y 糸シート
Y1 糸
bs データバス
sg1〜sg4 回転速度信号

Claims (3)

  1. 巻取運転中に、経糸走行方向の上流側および下流側に互いに離間して設けられる2つのロールをストレッチ操作値に対応する周速比で駆動する駆動部と、
    前記2つのロールの間の位置における経糸張力を検出する張力検出部と、
    設定ストレッチ値ならびに目標張力値を入力する機能と前記検出された経糸張力値を表示する機能とを有する設定器と、
    前記設定器に接続されるストレッチ制御部とを有し、
    前記ストレッチ制御部は、前記設定ストレッチ値に対し前記検出張力の目標張力値に対する張力偏差を解消する方向に補正した補正結果を前記ストレッチ操作値として出力する第1の機能と、前記設定ストレッチ値を前記ストレッチ操作値として出力する第2の機能とを有し、
    前記ストレッチ制御部は、手動操作器からの切換信号により、前記いずれか機能を選択して実行することを特徴とする、経糸糊付装置のストレッチ制御装置。
  2. 前記設定器には、経糸走行速度毎に設定ストレッチ値が設定可能にされるとともに、
    前記ストレッチ制御部は、手動操作器からの切換信号により前記いずれか機能を選択するとともに、巻取運転中、前記ストレッチ操作値を経糸走行速度の切換りに対応される設定ストレッチ値に基づいて出力することを特徴とする、請求項1に記載の経糸糊付装置のストレッチ制御装置。
  3. 前記設定器には、前記検出された経糸張力値を表示する機能を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の経糸糊付装置のストレッチ制御装置。
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