JP2007169560A - 組成物及びそれを用いた部材の仮固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光部材加工時の仮固定方法とそれに好適な組成物を提供する。
【解決手段】(A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、(C)光照射により着色する化合物、(D)光重合開始剤を含有することを特徴する組成物であることを特徴とする前記組成物であり、更に好ましくは、(A)及び(B)がいずれも疎水性を有し、(C)がロイコ染料であることを特徴とする前記組成物である。又、前記組成物を用いて部材を接着仮固定し、該仮固定された部材を加工後、該加工された部材を90℃以下の温水に浸漬して、前記組成物の硬化体を取り外すことを特徴とする部材の仮固定方法。
【選択図】なし
【解決手段】(A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、(C)光照射により着色する化合物、(D)光重合開始剤を含有することを特徴する組成物であることを特徴とする前記組成物であり、更に好ましくは、(A)及び(B)がいずれも疎水性を有し、(C)がロイコ染料であることを特徴とする前記組成物である。又、前記組成物を用いて部材を接着仮固定し、該仮固定された部材を加工後、該加工された部材を90℃以下の温水に浸漬して、前記組成物の硬化体を取り外すことを特徴とする部材の仮固定方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、いろいろな部材を加工するに際しての仮固定方法であり、またそれに好適な組成物と接着剤に関し、より詳細には、光学用部材を加工するに際して当該部材を仮固定する方法と、当該用途に好適な光硬化性接着剤に関する。
光学レンズ、プリズム、アレイ、シリコンウエハ、半導体実装部品等の仮固定用接着剤としては、両面テープやホットメルト系接着剤が使用されており、これらの接着剤にて接合または積層した部材を、所定の形状に切削加工後、接着剤を除去し、加工部材を製造することが行われる。
実装部品等については、これらの部品を両面テープにて基材に固定した後、所望の部品に切削加工を行い、更に両面テープに紫外線を照射することで部品からの剥離を行う。また、ホットメルト系接着剤の場合には、部材を接合後、加熱により部材と基材との間隙に接着剤を浸透させた後、所望の部品に切削加工を行い、有機溶剤中で接着剤の剥離を行う。
しかし、両面テープの場合には、厚み精度を出すのが困難であったり、接着強度が弱いために部品加工時にチッピング性が劣ったり、100℃以上の熱をかけないと剥離できなかったり、紫外線照射により剥離させる場合には、被着体の透過性が乏しいと剥離できない問題があった。
ホットメルト系接着剤の場合には、接着時に100℃以上の熱をかけなければ貼ることができず、使用できる部材や基材に制約があった。また、剥離時に有機溶剤を使用する必要があり、アルカリ溶剤やハロゲン系有機溶剤の洗浄処理工程が煩雑である他、作業環境的にも問題となっていた。
これらの欠点を解決するために、水溶性ビニルモノマー等の水溶性化合物を含有する仮固定用の光硬化型もしくは加熱型接着剤が提案され、これらの接着性組成物では、水中での剥離性は解決されるのに対し、部品固定時の接着強度が低く、切削加工後の部材の寸法精度に乏しい課題があった。
また、特定の親水性の高い(メタ)アクリレートの使用により接着性を向上させるとともに、膨潤や一部溶解によって剥離性をも向上させた仮固定用接着剤も提案しているが、切削加工時には、部品とブレードやダイヤモンドカッター等の切削治具との摩擦熱を発生するので大量の水で冷却させて行うため、前記の親水性の高い組成物では、切削時に硬化物が膨潤し柔軟になるため、より高い寸法精度に到達できない。また、剥離した部材に一部溶解した硬化物が糊残りするため、外観上問題となる。さらに、剥離後に接着剤硬化物が部品に残存した場合、部品との見分けがつかず取り除くのが難しかったりいに乏しいター2分を10〜60を温水に浸漬して、膨以上で、(特許文献1、2、3参照)。
特開平06−116534号公報。
特開平11−071553号公報。
特開2001−226641号公報。
切削加工後の部材の寸法精度を向上させるために、疎水性で高接着強度であり、かつ水中での剥離性に優れ、剥離後部材に糊残りが少なく、また仮に糊残りが生じた場合にあっては、容易に接着剤硬化物を取り除くことができる、部品との見分けがつくような環境的にも作業性に優れた光硬化型接着剤が強く望まれている。
本発明者は、これら従来技術の問題点を解決するためにいろいろ検討した結果、特定の疎水性(メタ)アクリルモノマーを用い、これを組み合わせるとともに光照射により着色する化合物を添加した組成物が、高接着強度でかつ温水中での剥離性が良好であるだけでなく、部材に残存した硬化物を着色させることができるので、当該硬化物が容易に取り除くことができるし、仮に糊残り現象を発生した場合にも容易に見いだすことができ部材の次工程渡し前に容易に検出できる、との知見を得て、発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、(C)光照射により着色する化合物、(D)光重合開始剤を含有することを特徴する組成物である。
また、本発明は、(C)がロイコ染料であること特徴とする前記組成物である。
さらに、本発明は、その好ましい実施態様において、(A)を1〜50質量部、(B)を5〜95質量部、(C)を0.0001〜20質量部、(D)を0.1〜20質量部含有することを特徴とする前記組成物であり、前記組成物からなる接着剤である。
加えて、本発明は、前記組成物を用いて部材を接着仮固定し、該仮固定された部材を加工後、該加工された部材を90℃以下の温水に浸漬して、前記組成物の硬化体を取り外すことを特徴とする部材の仮固定方法である。
本発明の組成物は、その組成故に光硬化性を有し、可視光または紫外線によって硬化するとともに、着色された硬化体を生成する。このために、従来のホットメルト接着剤に比べ、部品を固定する際に、省力化、省エネルギー化、作業短縮の面で著しい効果が得られる。また、その硬化体は、加工時に用いる切削水などに影響せずに高い接着強度を発現できるので、部材の加工時にずれを生じ難く、寸法精度面で優れた部材が容易に得られるという効果が得られるし、仮に糊残り現象を発生した場合にも容易に見いだすことができ部材の次工程渡し前に容易に検出でき次工程での工程不良の発生防止、不良製品の流失防止に寄与できる。
更に、当該硬化体は、特に90℃以下の温水に接触することで接着強度を低下させ部材間の或いは部材と治具との接合力を低下するので容易に部材の回収ができる特徴があり、従来の接着剤の場合に比べ、高価で、発火性の強い、或いは人体に有害なガスを発生する有機溶媒を用いる必要がないという格段の効果が得られる。
更に、特定の好ましい組成範囲の樹脂組成物においては、硬化体が90℃以下の温水と接触して膨潤し、フィルム状に部材から回収できるので、作業性に優れるという効果が得られる。加えて、本発明の組成物は部材に硬化物が残存した場合にあっても硬化体が着色しているので、容易に部材と見分けがつき、それ故簡単に取り除くことができるという効果をも得ることができる。
本発明の部材の仮固定方法は、前述した通りに、90℃以下の温水に接触することで接着強度を低下させる組成物を用いているので、温水に接触させるのみで容易に部材の回収ができる特徴があり、従来の接着剤の場合に比べ、高価で、発火性の強い、或いは人体に有害なガスを発生する有機溶媒を用いる必要がないという格段の効果が得られる。
本発明で使用する(A)多官能(メタ)アクリレートとしては、オリゴマー/ポリマー末端又は側鎖に2個以上(メタ)アクロイル化された多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーや2個以上の(メタ)アクロイル基を有するモノマーを使用することができる。例えば、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーとしては1,2-ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本曹達社製TE−2000、TEA−1000)、前記水素添加物(例えば、日本曹達社製TEAI−1000)、1,4−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、大阪有機化学社製BAC−45)、ポリイソプレン末端(メタ)アクリレート、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリート、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ビスA型エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、大阪有機化学社製ビスコート#540、昭和高分子社製ビスコートVR−77)などが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとして、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリストールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン等が挙げられ、3官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、トメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイキシエチル]イソシアヌレート等が挙げられ、4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる
(A)多官能(メタ)アクリレートは、疎水性のものがより好ましい。然るに、水溶性の場合には、切削加工時に樹脂組成物の硬化体が膨潤することにより位置ずれを起こし加工精度が劣る恐れがあるため好ましくない。親水性であっても、その組成物の硬化体が水によって大きく膨潤もしくは一部溶解することがなければ、使用しても差し支えない。
(A)多官能(メタ)アクリレートの添加量は、(A)及び(B)の合計量100質量部中、1〜50質量部が好ましい。1質量部以上であれば、組成物の硬化体を温水に浸漬した時に被着物より当該硬化体が剥離する性質(以下、単に「剥離性」という)が充分に助長されるし、組成物の硬化体がフィルム状に剥離することが確保できる。また、50質量部以下であれば、初期の接着性が低下する恐れもない。
(B)単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エトキシカルボニルメチル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド2モル変性)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド8モル変性)アクリレート、ノニルフェノール(プロピレンオキサイド2.5モル変性)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、エチレンオキシド変性フタル酸(メタ)アクリレ−ト、エチレンオキシド変性コハク酸(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、β−(メタ)アクロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、n−(メタ)アクリロイルオキシアルキルヘキサヒドロフタルイミド等が挙げられる。
(B)単官能(メタ)アクリレートは、(A)同様に疎水性のものがより好ましく、水溶性の場合には、切削加工時に樹脂組成物の硬化体が膨潤することにより位置ずれを起こし加工精度が劣る恐れがあるため好ましくない。また、親水性であっても、その樹脂組成物の硬化体が水によって膨潤もしくは一部溶解することがなければ、使用しても差し支えない。
(B)単官能(メタ)アクリレートの添加量は、(A)及び(B)の合計量100質量部中、5〜95質量部が好ましい。5質量部以上であれば初期の接着性が低下する恐れもなく、95質量部以下であれば、剥離性が確保でき、組成物の硬化体がフィルム状に剥離する。
また、前記(A)及び(B)の配合組成物に、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、ジブチル2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、ジオクチル2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジフェニル2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチルポリエチレングリコールアシッドフォスフェート等のビニル基又は(メタ)アクリル基を有するリン酸エステルを併用することで、金属面への密着性をさらに向上させることができる。
本発明で用いられる(C)光照射により着色する化合物は、後述する(D)光重合開始剤が動作するのと同じ可視光線や紫外線等の活性光線によって、着色する化合物である。この化合物の好ましい具体例としてはロイコ染料が挙げられ、これは一般的には、光の照射前には無色または淡色であるが光の照射により褐色に着色する挙動を示す。
ロイコ染料としては、慣用のトリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オ−ラミン系、スピロピラン系のものが好ましく用いられる。具体的には3−[N−(p−トリルアミノ)]−7−アニリノフルオラン、3−[N−(p−トリル)−N−メチルアミノ]−7−アニリノフルオラン、3−[N−(p−トリル)−N−エチルアミノ]−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、クリスタルバイオレットラクトン、4,4’,4”−トリスジメチルアミノトリフェニルメタノ−ル、4,4’,4”−トリスジメチルアミノ]トリフェニルメタンなどが挙げられる。
これらロイコ染料とともに好ましく用いられる顕色剤としては、フェノールホルマリン樹脂の初期重合体、芳香族カルボン酸誘導体、活性白土などの電子受容体が挙げられ、さらに、色調を変化させる場合は種々公知の発色剤を組合せて用いることもできる。
(C)光照射により着色する化合物は、(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.0001〜20質量部が好ましい。0.0001質量部以上であれば硬化物を明瞭に着色することができるし、20質量部以下であれば初期の接着性が劣ることもないし、フィルム状に確実に剥離する。着色性と初期の接着性および剥離性の観点から、0.0005〜15質量部が好ましく、0.001〜10質量部がより一層好ましい。
(D)光重合開始剤としては、可視光線や紫外線等の活性光線により増感させて組成物の光硬化を促進するために配合するものであり、公知の各種光重合開始剤が使用可能である。
具体的には、ベンゾフェノン及びその誘導体、ベンジル及びその誘導体、エントラキノン及びその誘導体、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン誘導体、ジエトキシアセトフェノン、4−t−ブチルトリクロロアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、p−ジメチルアミノエチルベンゾエート、ジフェニルジスルフィド、チオキサントン及びその誘導体、カンファーキノン、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−ブロモエチルエステル、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−メチルエステル、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸クロライド等のカンファーキノン誘導体、2−メチル−1−[4-(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のα−アミノアルキルフェノン誘導体、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシポスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジエトキシフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体等が挙げられる。光重合開始剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤の添加量は、(A)及び(B)の合計100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましい。より好ましくは3〜20質量部が好ましい。0.1質量部以上であれば、硬化促進の効果が確実に得られるし、20質量部以下で充分な硬化速度を得ることができる。より好ましい形態として、(D)成分を3質量部以上添加することで、光照射量に依存なく硬化可能となり、さらに組成物の硬化体の架橋度が高くなり、切削加工時に位置ずれ等を起こさなくなる点や剥離性が向上する点でより好ましい。
本発明の組成物は、その貯蔵安定性向上のため少量の重合禁止剤を使用することができる。例えば重合禁止剤としては、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノターシャリーブチルハイドロキノン、2,5−ジターシャリーブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジターシャリーブチル−p−ベンゾキノン、ピクリン酸、クエン酸、フェノチアジン、ターシャリーブチルカテコール、2−ブチル−4−ヒドロキシアニソール及び2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール等が挙げられる。
これらの重合禁止剤の使用量は、(A)及び(B)の合計100質量部に対し、0.001〜3質量部が好ましく、0.01〜2質量部がより好ましい。0.001質量部以上で貯蔵安定性が確保されるし、3質量部以下で良好な接着性が得られ、未硬化になることもない。
本発明においては、極性有機溶媒を共に用いても良い。極性有機溶媒を共に用いることにより、硬化後の組成物が温水と接触して容易に膨潤したりして接着強度が低下する現象を確実に発現することができる。
極性有機溶媒に関しては、その沸点が50℃以上200℃以下であることが好ましい。沸点が前記範囲内の極性有機溶媒を選択する時には、硬化後の組成物が温水と接触して接着強度が低下する現象をより一層確実に発現することができるので好ましい。また、このような極性有機溶媒としては、例えば、アルコール、ケトン、エステル等が挙げられるが、発明者の検討結果に拠れば、このうちアルコールが好ましく選択される。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、2−エチルブチルアルコール等が挙げられる。さらに、前記アルコールの中でも、好ましくは沸点が120℃以下であるメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノールが好ましく、その中でもメタノ−ル、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノールが一層好ましい。
極性有機溶媒の添加量は、(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましい。0.5質量部以上であれば剥離性が確保でき、10質量部以下であれば、初期の接着性が低下する恐れもなく、組成物の硬化体がフィルム状に剥離する。
本発明に於いては、(A)〜(D)に溶解しない粒状物質を、共に用いても良い。これにより、硬化後の組成物が一定の厚みを保持できるため、加工精度が向上するとともに、温水と接触して容易に膨潤したりして接着強度が低下する現象を確実に発現することができる。
(A)〜(D)に溶解しない粒状物質としては、一般的に使用される有機、無機粒子いずれでもかまわない。具体的には、有機粒子としては、ポリエチレン粒子、ポリポリプロピレン粒子、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子など挙げられ、無機粒子としてはガラス、シリカ、アルミナ、チタンなどセラミック粒子が挙げられる。
(A)〜(D)に溶解しない粒状物質は、加工精度の向上、つまり接着剤の膜厚の制御の観点から球状であることが好ましい。具体的に、有機粒子としては、メタクリル酸メチルモノマー、スチレンモノマーと架橋性モノマーとの公知の乳化重合法により単分散粒子として得られる架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子や無機粒子としては球状シリカが、粒子の変形が少なく、粒径のバラツキによる硬化後の組成物の膜厚が均一になるため好ましく、その中でもさらに粒子の沈降等の貯蔵安定性や組成物の反応性の観点から、架橋ポリメタクリル酸メチル粒子、架橋ポリスチレン粒子がより一層好ましい。
(A)〜(D)に溶解しない粒状物質の添加量は、(A)及び(B)の合計量100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、特に0.1〜10質量部が好ましい。0.1質量部以上であれば硬化後の組成物の膜厚がほぼ一定であり、20質量部以下であれば、初期の接着性が低下する恐れもない。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、一般に使用されているアクリルゴム、ウレタンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴムなどの各種エラストマー、無機フィラー、溶剤、増量材、補強材、可塑剤、増粘剤、染料、顔料、難燃剤、シランカップリング剤及び界面活性剤等の添加剤を使用してもよい。
次に、本発明は、90℃以下の温水と接触して接着強度を低下させる樹脂組成物を用いて部材を接着し、組成物を硬化して、仮固定し、該仮固定された部材を加工後、該加工された部材を温水に浸漬して硬化した接着剤を取り外す部材の仮固定方法であり、これにより、有機溶剤を用いることなく、光学用部材などのいろいろな部材を加工精度高く加工することができる。
また、本発明の好ましい実施態様によれば、組成物の硬化体を取り外すときに、硬化体が90℃以下の温水と接触して膨潤し、フィルム状に部材から回収できるようにすることで、作業性に優れるという効果が得られる。
さらに、部材に残存した接着剤硬化物が着色し容易に部材と見分けがつくため該接着剤硬化物を簡単に取り除くことができるという効果が得られる。
本発明の仮固定方法において、前記本発明の組成物からなる接着剤を用いると、前記発明の効果が確実に得られる。
本発明に於いて、適度に加熱した温水、具体的には90℃以下の温水を用いる時、水中での剥離性が短時間に達成でき、生産性の面から好ましい。前記温水の温度に関しては、30℃〜90℃、好ましくは40〜90℃、の温水を用いると短時間で接着剤の硬化物が膨潤するとともに、組成物が硬化した際に生じる残留歪み応力が解放されるために接着強度が低下し部材と樹脂組成物の硬化体との剥離力と働き、被着体のフィルム状に接着剤硬化体を取り外すことができるので好ましい。尚、硬化体と水との接触の方法については、水中に接合体ごと浸漬する方法が簡便であることから推奨される。
本発明において、仮固定する際に用いられる部材並びに基材の材質に特に制限はなく、紫外線硬化型接着剤として用いる場合には、紫外線を透過できる材料からなる部材、基材が好ましい。このような材質として、例えば、水晶部材、ガラス部材、プラスチック部材が挙げられるので、本発明の仮固定方法は、水晶振動子、ガラスレンズ、プラスチックレンズ及び光ディスクの加工における仮固定に適用可能である。
仮固定方法において、接着剤の使用方法に関しては、接着剤として光硬化性接着剤を用いる場合を想定すると、例えば、固定する一方の部材又は支持基板の接着面に接着剤を適量塗布し、続いてもう一方の部材を重ね合わせるという方法や、予め仮固定する部材を多数積層しておき、接着剤を隙間に浸透させて塗布させる方法等で接着剤を塗布した後に、該部材を可視光または紫外線を照射して、光硬化性接着剤を硬化させ部材同士を仮固定する方法等が例示される。
その後、仮固定された部材を所望の形状に切断、研削、研磨、孔開け等の加工を施した後、該部材を水好ましくは温水に浸漬することにより、接着剤の硬化物を部材から剥離することができるし、部材に残存した接着剤硬化物は着色し容易に部材と見分けがつくため該接着剤硬化物を簡単に取り除くことができる。
(実施例1)
(A)多官能(メタ)アクリレートとして、日本曹達社製TE-2000(1,2-ポリブタジエン末端ウレタンメタクリレート、以下「TE−2000」と略す。)35質量部、ジシクロテンタニルジアクリレート(日本化薬社製KAYARAD R−684、以下「R−684」と略す。)15質量部、(B)単官能(メタ)アクリレートとして、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチルアクリレート(東亜合成社製アロニックスM−140、以下「M−140」と略す。)20質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートQM−657(ローム&ハース社製、以下「QM」と略す。)30質量部、(C)光照射により着色する化合物として、4,4’,4”−トリスジメチルアミノ]トリフェニルメタン(保土ヶ谷化学工業社製A−DMA、以下「A−DMA」と略す。)0.0002質量部、(D)光重合開始剤として、I−907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製IRGACURE907、以下「IRGACURE907」と略す。)6質量部、重合禁止剤として、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)(以下「MDP」と略す。)0.1質量部、極性有機溶媒としてイソプロピルアルコール(以下「IPA」と略す。)2質量部、(A)〜(D)に溶解しない粒状物質として、平均粒子径50μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(根上工業社製アートパールGR−200、以下「GR−200」と略す。)0.6質量部を配合して組成物を作成した。得られた組成物を使用して、以下に示す評価方法にて引張せん断接着強さの測定、剥離試験および色差測定を行った。それらの結果を表1に示す。
(A)多官能(メタ)アクリレートとして、日本曹達社製TE-2000(1,2-ポリブタジエン末端ウレタンメタクリレート、以下「TE−2000」と略す。)35質量部、ジシクロテンタニルジアクリレート(日本化薬社製KAYARAD R−684、以下「R−684」と略す。)15質量部、(B)単官能(メタ)アクリレートとして、2−(1,2−シクロヘキサカルボキシイミド)エチルアクリレート(東亜合成社製アロニックスM−140、以下「M−140」と略す。)20質量部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレートQM−657(ローム&ハース社製、以下「QM」と略す。)30質量部、(C)光照射により着色する化合物として、4,4’,4”−トリスジメチルアミノ]トリフェニルメタン(保土ヶ谷化学工業社製A−DMA、以下「A−DMA」と略す。)0.0002質量部、(D)光重合開始剤として、I−907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製IRGACURE907、以下「IRGACURE907」と略す。)6質量部、重合禁止剤として、2,2−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)(以下「MDP」と略す。)0.1質量部、極性有機溶媒としてイソプロピルアルコール(以下「IPA」と略す。)2質量部、(A)〜(D)に溶解しない粒状物質として、平均粒子径50μmの架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(根上工業社製アートパールGR−200、以下「GR−200」と略す。)0.6質量部を配合して組成物を作成した。得られた組成物を使用して、以下に示す評価方法にて引張せん断接着強さの測定、剥離試験および色差測定を行った。それらの結果を表1に示す。
(評価方法)
引張せん断接着強さ:JIS K 6850に従い測定した。具体的には被着材として耐熱パイレックス(登録商標)ガラス(25mm×25mm×2.0mm)を用いて、接着部位を直径8mmとして、作成した組成物にて、2枚の耐熱パイレックス(登録商標)ガラスを貼り合わせ、無電極放電ランプを使用したフュージョン社製硬化装置により、365nmの波長の積算光量2000mJ/cm2の条件にて硬化させ、引張せん断接着強さ試験片を 作製した。作成した試験片は、万能試験機を使用して、温度23℃、湿度50%の環境下、引張速度10mm/minで引張せん断接着強さを測定した。
引張せん断接着強さ:JIS K 6850に従い測定した。具体的には被着材として耐熱パイレックス(登録商標)ガラス(25mm×25mm×2.0mm)を用いて、接着部位を直径8mmとして、作成した組成物にて、2枚の耐熱パイレックス(登録商標)ガラスを貼り合わせ、無電極放電ランプを使用したフュージョン社製硬化装置により、365nmの波長の積算光量2000mJ/cm2の条件にて硬化させ、引張せん断接着強さ試験片を 作製した。作成した試験片は、万能試験機を使用して、温度23℃、湿度50%の環境下、引張速度10mm/minで引張せん断接着強さを測定した。
剥離試験:上記耐熱パイレックス(登録商標)ガラスに組成物を塗布し、支持体として青板ガラス(150mm×150mm×厚さ1.7mm)に貼り合わせたこと以外は、上記と同様な条件で作成した組成物を硬化させ、剥離試験体を作製した。得られた試験体を、温水(80℃)に浸漬し、耐熱パイレックス(登録商標)ガラスが剥離する時間を測定し、また剥離状態も観察した。
色差:白板ガラス(750mm×250mm×厚さ1.0mm)の向かい合う2辺に100μmのテープ(3mm幅)を貼り、白板ガラスに組成物を塗布し支持体として白板ガラス(750mm×250mm×厚さ1.0mm)に貼り合わせ、無電極放電ランプを使用したフュージョン社製硬化装置により、365nmの波長の積算光量2000mJ/cm2の条件にて硬化させ、試験片を作製し色差計(日本電色工業株式会社製 MODEL Z−1001DP)により色差ΔEを測定した。
(実施例2〜14、比較例1〜9)
表1、表2に示す種類の原材料を表1、表2に示す組成で使用したこと以外は実施例1と同様にしていろいろな組成物を作成した。得られた組成物について、実施例1と同様に引張せん断接着強さの測定及び剥離試験を行った。それらの結果を表1、表2に示す。
表1、表2に示す種類の原材料を表1、表2に示す組成で使用したこと以外は実施例1と同様にしていろいろな組成物を作成した。得られた組成物について、実施例1と同様に引張せん断接着強さの測定及び剥離試験を行った。それらの結果を表1、表2に示す。
(使用材料)
BDK:ベンジルジメチルケタール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製IRGACURE651)
M101A:フェノールエチレンオキサイド2モル変成アクリレート(東亜合成社製アロニックスM−101A)
BZ:ベンジルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルBZ)
IBX:イソボルニルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルIB−X)
プロピレンカーボネート(シグマ−アルドリッチ社製)
ジメチルカーボネート(シグマ−アルドリッチ社製)
2−HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
MTEGMA:メトシキテトラエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学社製NKエステルM−90G)
MCB:マクロレックスブルー(バイエルジャパン社製プラスチック用着色剤)
R−5B:マクロレックスレッド5B(バイエルジャパン社製プラスチック用着色剤)
GG:マクロレックスグリーンG(バイエルジャパン社製プラスチック用着色剤)
BDK:ベンジルジメチルケタール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製IRGACURE651)
M101A:フェノールエチレンオキサイド2モル変成アクリレート(東亜合成社製アロニックスM−101A)
BZ:ベンジルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルBZ)
IBX:イソボルニルメタクリレート(共栄社化学社製ライトエステルIB−X)
プロピレンカーボネート(シグマ−アルドリッチ社製)
ジメチルカーボネート(シグマ−アルドリッチ社製)
2−HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
MTEGMA:メトシキテトラエチレングリコールモノメタクリレート(新中村化学社製NKエステルM−90G)
MCB:マクロレックスブルー(バイエルジャパン社製プラスチック用着色剤)
R−5B:マクロレックスレッド5B(バイエルジャパン社製プラスチック用着色剤)
GG:マクロレックスグリーンG(バイエルジャパン社製プラスチック用着色剤)
(実施例15、16)
実施例2及び6の組成物を使用し、実施例1と同様に剥離試験体を作成し、温水の温度40℃、50℃、60、70℃を変えて剥離試験を行った。その結果を表3に示す。その結果、いずれの温度でも剥離性を有する。
実施例2及び6の組成物を使用し、実施例1と同様に剥離試験体を作成し、温水の温度40℃、50℃、60、70℃を変えて剥離試験を行った。その結果を表3に示す。その結果、いずれの温度でも剥離性を有する。
(実施例17)
実施例2の樹脂組成物を用いて150mm×150mm×2mmの耐熱パイレックス(登録商標)ガラスと実施例1で用いた青板ガラスをダミーガラスとして実施例1と同様に接着硬化させた。この接着試験体の耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分のみをダイシング装置を使用して10mm角に切断した。切断中に耐熱パイレックス(登録商標)ガラスの脱落は発生せず、良好な加工性を示した。耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分のみを切断した接着試験体を80℃の温水に浸漬したところ、60分ですべて剥離した。また、その剥離した切断試験片を無作為に10個取り出し、その切断試験片の裏面(樹脂組成物で仮固定した面)の各片を光学顕微鏡を用いて観察し、ガラスが欠けている箇所の最大幅を測定し、その平均値と標準偏差を求めた。その結果を、表4に示す。
実施例2の樹脂組成物を用いて150mm×150mm×2mmの耐熱パイレックス(登録商標)ガラスと実施例1で用いた青板ガラスをダミーガラスとして実施例1と同様に接着硬化させた。この接着試験体の耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分のみをダイシング装置を使用して10mm角に切断した。切断中に耐熱パイレックス(登録商標)ガラスの脱落は発生せず、良好な加工性を示した。耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分のみを切断した接着試験体を80℃の温水に浸漬したところ、60分ですべて剥離した。また、その剥離した切断試験片を無作為に10個取り出し、その切断試験片の裏面(樹脂組成物で仮固定した面)の各片を光学顕微鏡を用いて観察し、ガラスが欠けている箇所の最大幅を測定し、その平均値と標準偏差を求めた。その結果を、表4に示す。
(比較例10)
ホットメルト型接着剤(日化精工社製アドフィックスA)を90℃に加熱し溶解させて、150mm×150mm×2mmの耐熱パイレックス(登録商標)ガラスと実施例1で用いた青板ガラスを接着させた。この接着試験体の耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分のみをダイシング装置を使用して10mm角に切断した。切断中に耐熱パイレックス(登録商標)ガラスの脱落は発生せず、良好な加工性を示した。その試験片をN−メチルピドリロン溶液に1日浸漬し、切断試験片を回収し、実施例17と同様に剥離した切断試験片を任意に10個取り出し、その切断試験片の裏面(ホットメルト型接着剤で仮固定した面)の各片を光学顕微鏡を用いて観察し、ガラスが欠けている箇所の最大幅を測定し、その平均値と標準偏差を求めた。その結果を、表4に示す。
ホットメルト型接着剤(日化精工社製アドフィックスA)を90℃に加熱し溶解させて、150mm×150mm×2mmの耐熱パイレックス(登録商標)ガラスと実施例1で用いた青板ガラスを接着させた。この接着試験体の耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分のみをダイシング装置を使用して10mm角に切断した。切断中に耐熱パイレックス(登録商標)ガラスの脱落は発生せず、良好な加工性を示した。その試験片をN−メチルピドリロン溶液に1日浸漬し、切断試験片を回収し、実施例17と同様に剥離した切断試験片を任意に10個取り出し、その切断試験片の裏面(ホットメルト型接着剤で仮固定した面)の各片を光学顕微鏡を用いて観察し、ガラスが欠けている箇所の最大幅を測定し、その平均値と標準偏差を求めた。その結果を、表4に示す。
(比較例11)
UV硬化型PET粘着テープを使用して150mm×150mm×2mmの耐熱パイレックス(登録商標)ガラスを接着させた。この接着試験体の耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分のみをダイシング装置を使用して10mm角に切断した。その試験片の粘着テープ部分に紫外線を照射させることにより粘着力を低下させ、その切断試験片を回収した。その切断試験片を実施例17と同様に剥離した切断試験片を任意に10個取り出し、その切断試験片の裏面(粘着テープで仮固定した面)の各片を光学顕微鏡を用いて観察し、ガラスが欠けている箇所の最大幅を測定し、その平均値と標準偏差を求めた。その結果を、表4に示す。
UV硬化型PET粘着テープを使用して150mm×150mm×2mmの耐熱パイレックス(登録商標)ガラスを接着させた。この接着試験体の耐熱パイレックス(登録商標)ガラス部分のみをダイシング装置を使用して10mm角に切断した。その試験片の粘着テープ部分に紫外線を照射させることにより粘着力を低下させ、その切断試験片を回収した。その切断試験片を実施例17と同様に剥離した切断試験片を任意に10個取り出し、その切断試験片の裏面(粘着テープで仮固定した面)の各片を光学顕微鏡を用いて観察し、ガラスが欠けている箇所の最大幅を測定し、その平均値と標準偏差を求めた。その結果を、表4に示す。
本発明の組成物は、その組成故に光硬化性を有し、可視光や紫外線等の活性光線によって硬化し、その硬化体は切削水などに影響されずに、高い接着強度を発現できるので、部材の加工時にずれを生じ難く、寸法精度面で優れた部材が容易に得られるという効果が得られる。更に、温水に接触することで接着強度を低下させ、部材間の或いは部材と治具との接合力を低下するので、容易に部材の回収ができる特徴があるので、光学レンズ、プリズム、アレイ、シリコンウエハ、半導体実装部品等の仮固定用接着剤として、産業上有用である。
本発明の部材の仮固定方法は、前記特徴ある樹脂組成物を用いているので、従来技術に於いて必要であった有機溶媒を用いる必要がなく、またフィルム状に部材から回収できるだけでなく、接着剤硬化物が部材に残存しても該接着剤硬化物が着色し容易に部材と見分けがつくため簡単に取り除くことができることから作業性に優れるという特徴があるので、産業上非常に有用である。
Claims (6)
- (A)多官能(メタ)アクリレート、(B)単官能(メタ)アクリレート、(C)光照射により着色する化合物、(D)光重合開始剤を含有することを特徴する組成物。
- (C)がロイコ染料であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
- (A)及び(B)がいずれも疎水性であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の組成物。
- (A)を1〜50質量部、(B)を5〜95質量部、(A)と(B)との合計量100質量部に対して(C)を0.0001〜20質量部、(D)を0.1〜20質量部含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の組成物。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の組成物からなることを特徴とする接着剤。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の組成物を用いて、部材を接着仮固定し、該仮固定された部材を加工後、該加工された部材を90℃以下の温水に浸漬して、前記組成物の硬化体を取り外すことを特徴とする部材の仮固定方法。
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-
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