JP2007137115A - ドアウエスト部構造 - Google Patents

Abstract

【課題】アウタウエストレインフォースをインナウエストレインフォースを介在させることなくドアインナパネルに結合して、ドアアウタパネル上部とドアインナパネル上部の対向方向の位置精度を高めることができるドアウエスト部構造の提供を図る。
【解決手段】アウタウエストレインフォース１０の後方の端末部１０ａを、ドアインナパネル３の後方の端壁３ｃとインナウエストレインフォース２０の後方の端末部２０ａとの間でドアインナパネル３に結合することにより、アウタウエストレインフォース１０は剛性低下要因となるインナウエストレインフォース２０を介在することなくドアインナパネル３に結合して、ドアアウタパネル２上端部とドアインナパネル３上端部の対向方向の位置精度を高め、ひいては、ドアガラス昇降用の開口部周縁部分の成形精度を高めることができる。
【選択図】図３

Description

本発明は、ドアアウタパネルとドアインナパネルの上端部間にドアガラスが昇降する開口部が設けられたドアウエスト部構造に関する。

ドアウエスト部は、ドアアウタパネルとドアインナパネルの上端の前後方向略全幅に亘ってドアガラスを昇降する開口部が設けられるため、ドアアウタパネルとドアインナパネルの対向方向の剛性が低下して、開口部周縁に設けたウエストウエザーストリップとドアガラスとの間の密閉性やガラス保持性が低下することから、該ドアウエスト部の剛性を高める必要がある。

そこで、従来では、ドアアウタパネルおよびドアインナパネルのそれぞれの上部内面に、アウタウエストレインフォースおよびインナウエストレインフォースを取り付けて補強し、更に、これらアウタウエストレインフォースとインナウエストレインフォースの端末部同士をサポート部材を介して連結したドアウエスト部構造が提案されている（例えば、特許文献１参照）。
特開２００２−１５４３２２号公報（第３頁、図３）

かかる従来のドアウエスト部構造では、アウタウエストレインフォースとインナウエストレインフォースの端末部同士がサポート部材を介して連結されるので、ドアアウタパネル上部とドアインナパネル上部の対向方向の剛性を高めることができるのであるが、前記サポート部材はインナウエストレインフォースを介してドアインナパネルに結合されることになる。

つまり、サポート部材とドアインナパネルとの間にはインナウエストレインフォースが介在することになり、該インナウエストレインフォース自体の成形誤差やドアインナパネルに対する組付け誤差等が加味されるため、ドアアウタパネル上部とドアインナパネル上部の対向方向の位置精度、つまり、ドアガラスを昇降する開口部周縁部分の成形精度を高く保持することが難しく、ひいては、ウエストウエザーストリップとドアガラスとの間に高い密閉性やガラス保持性を確保し辛くなってしまう。

そこで、本発明はアウタウエストレインフォースをインナウエストレインフォースを介在させることなくドアインナパネルに結合して、ドアアウタパネル上部とドアインナパネル上部の対向方向の位置精度を高めることができるドアウエスト部構造を提供するものである。

本発明は、ドアアウタパネルとドアインナパネルの上端部間にドアガラスが昇降する開口部が設けられるとともに、ドアアウタパネルおよびドアインナパネルのそれぞれの上部内面がアウタウエストレインフォースおよびインナウエストレインフォースによって補強されたドアウエスト部構造において、アウタウエストレインフォースの長手方向端末部を、ドアインナパネルの左右方向の端壁と前記インナウエストレインフォースの長手方向端末部との間でドアインナパネルに結合したことを最も主要な特徴とする。

本発明によれば、ドアアウタパネルを補強するアウタウエストレインフォースの端末部がインナウエストレインフォースの存在しない部分でドアインナパネルに結合することができるため、前記アウタウエストレインフォースは組付け精度の低下要因となるインナウエストレインフォースを介在することなくドアインナパネルに結合できる。

このため、ドアアウタパネル上端部とドアインナパネル上端部の対向方向の位置精度を高めることができ、ひいては、ドアガラス昇降用の開口部周縁部分の成形精度を高めることができる。

このように開口部周縁部分の成形精度が高められることにより、該開口部周縁部に取り付けたウエストウエザーストリップとドアガラスとの間の密閉性やガラス保持性を確保することができる。

以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。

図１〜図４は本発明にかかるドアウエスト部構造の第１実施形態を示し、図１はドアアウタパネルを取り外したドアウエスト部後部の要部側面図、図２は図１中Ａ−Ａ線に対応する位置から断面としたドアウエスト部の断面図、図３はドアアウタパネルを取り外したドアウエスト部後部を斜め上方から見た斜視図、図４は図１中Ｂ−Ｂ線に沿った断面図である。

本実施形態のドアウエスト部構造は、図１，図２に示すように車両のフロントドアやリアドアなどの車両側方に設けられるドア１をはじめ、ウインドウガラスが昇降可能なバックドアに適用され、ドアアウタパネル２とドアインナパネル３のそれぞれの上端部間にドアガラス４が昇降する開口部５が設けられており、ドアインナパネル３の車室内側（図２中左側面）はドアトリム６によって覆われる。

ドアアウタパネル２およびドアインナパネル３のそれぞれの上部内面（対向面）２ａ，３ａには、これらドアアウタパネル２およびドアインナパネル３の左右方向、即ち、本実施形態ではサイドドアを例示しているため、これらの前後方向の略全長に亘って延在する長尺状のアウタウエストレインフォース１０およびインナウエストレインフォース２０が取付けられて補強される。

アウタウエストレインフォース１０は、下端部に設けた下方フランジ部１１からドア内方に略水平に棚部１２を折曲し、該棚部１２から上方に立ち上げ壁１３を立設してその上端部に上方フランジ部１４を設けて、全体として略Ｌ字状断面に形成してあり、前記下方フランジ部１１（図１，図３中梨地状部分）をマスチック材を介してドアアウタパネル２に接着するとともに、上方フランジ部１４にドアアウタパネル２の上端部を加締めてヘミング結合Ｋしてある。

インナウエストレインフォース２０は、下端部に下方フランジ部２１と上端部に上方フランジ部２２を設け、これら下方・上方フランジ部２１，２２間の中間部分２３をドア内方に膨出させて、全体としてハット形断面に形成してあり、下方フランジ部２１および上方フランジ部２２を、上方フランジ部２２がドアインナパネル３の上端部に位置するようにしてドアインナパネル３にスポット溶接してある。尚、図１〜図４中の×印はスポット溶接箇所を示す。

また、前記ドアトリム６の上端部は、前記インナウエストレインフォース２０の上方フランジ部２２に沿って前記開口部４内に入り込む折曲部６ａとなり、その折曲部６ａにウエストウエザーストリップ７のインナ部材７ａが取り付けられるとともに、ドアアウタパネル２の上端部のヘミング結合Ｋ部にウエストウエザーストリップ７のアウタ部材７ｂが取り付けられ、これらインナ部材７ａとアウタ部材７ｂとの間でドアガラス４の両面を挟圧的に保持する。

前記ドアインナパネル３のインナウエストレインフォース２０を取り付けた部分には、車室内方（ドアトリム６方向）に膨出するエンボス部３ｂが前後方向に延設して形成され、該エンボス部３ｂとドアトリム６との間に衝撃吸収材を配設して、ドアトリム６に入力される車両外方への荷重を高剛性となるエンボス部３ｂで受けるようになっている。

また、図１，図３に示すようにドアインナパネル３の前後方向端部には、車外方向に折曲してドアアウタパネル２の後縁部に結合される端壁３ｃが形成され、この端壁３ｃの上端部内面からドアサッシュ８が立設するとともに、ドアインナパネル３の前記端壁３ｃ近傍の内面３ａにドアサッシュ８のベース部８ａが接合される。

ここで、本実施形態ではアウタウエストレインフォース１０の後方の端末部１０ａを、ドアインナパネル３の後方の端壁３ｃとインナウエストレインフォース２０の後方の端末部２０ａとの間でドアインナパネル３に結合してある。

本実施形態では前記アウタウエストレインフォース１０の端末部１０ａを結合する部分は、前記ベース部８ａによってドアインナパネル３が補強された部分となり、前記端末部１０ａはそのベース部８ａに結合されることになる。

このとき、前記アウタウエストレインフォース１０のドアインナパネル３に結合する端末部１０ａは、アウタウエストレインフォース１０とは別体のブラケット１５を介してドアインナパネル３に結合してある。

前記ブラケット１５は、図３に示すようにアウタウエストレインフォース１０の結合部（端末部）１０ａを結合する中間部１５ａと、該中間部１５ａの上下方向両側をドアインナパネル３方向に折曲した両脚部１５ｂ，１５ｂと、これら両脚部１５ｂ，１５ｂの先端部分を拡開方向に折曲したドアインナパネルへの取付けフランジ部１５ｃ，１５ｃと、によってハット形断面に形成してある。

また、アウタウエストレインフォース１０のドアインナパネル３に結合する端末部１０ａは、ドアインナパネル３に形成した図１中破線で示す前記エンボス部３ｂの近傍に結合してある。

即ち、図２に示すように前記エンボス部３ｂはドアインナパネル３の上部で、車室内方に膨出する溝状の断面形状をもって前後方向に延在しており、図４に示すように前記ハット形断面のブラケット１５の取付けフランジ部１５ｃ，１５ｃをエンボス部３ｂの上下両側縁部に跨って接合してある。

以上の構成により本実施形態のドアウエスト部構造によれば、アウタウエストレインフォース１０の端末部１０ａを、ドアインナパネル３の端壁３ｃとインナウエストレインフォース２０の端末部２０ａとの間でドアインナパネル３に結合したので、前記端末部１０ａをインナウエストレインフォース２０の存在しない部分でドアインナパネル３に結合することができるため、アウタウエストレインフォース１０は組付け精度の低下要因となるインナウエストレインフォース２０を介在することなくドアインナパネル３に結合できる。

このため、ドアアウタパネル２の上端部とドアインナパネル３の上端部の対向方向の位置精度を高めることができ、ひいては、ドアガラス４の昇降用の開口部５周縁部分の成形精度を高めることができ、その開口部５周縁部に取り付けたウエストウエザーストリップ７とドアガラス４との間の密閉性やガラス保持性を確保することができる。

また、アウタウエストレインフォース１０のドアインナパネル３に結合する端末部１０ａを、ドアインナパネル３に形成したエンボス部３ｂの近傍に結合したので、そのエンボス部３ｂが剛性が高い部分であるため、アウタウエストレインフォース１０のドアインナパネル３への結合剛性がより向上し、ひいては、前記開口部５周縁部の剛性を更に高めることができる。

更に、アウタウエストレインフォース１０のドアインナパネル３に結合する端末部１０ａは、これとは別体のブラケット１５を介してドアインナパネル３に結合したので、別体に形成したブラケット１５は各種車両のドアへの汎用性があるため、ドア１に対応したアウタウエストレインフォース１０の本体部分のみを形成することにより、各車種に共通のブラケット１５を用いることができるためコスト低下を図ることができる。

更にまた、前記ブラケット１５は、中間部１５ａと両脚部１５ｂ，１５ｂとフランジ部１５ｃ，１５ｃとによってハット形断面に形成したので、構造を簡素化して安価なブラケット１５を提供できる。

また、本実施形態では、図１に示すようにアウタウエストレインフォース１０の上方フランジ部１４とドアアウタパネル２の上端部とのヘミング結合Ｋ部分の端末部と、ブラケット１５のドアインナパネル３へのスポット溶接部分とが前後方向で近接するため、ドアアウタパネル２への荷重入力に対してアウタウエストレインフォース１０の変形を効果的に抑制できるようになり、開口部５の剛性を更に高めることができる。

図５は本発明の第２実施形態を示し、前記第１実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図５はドアアウタパネルを取り外したドアウエスト部後部を斜め上方から見た斜視図である。

本実施形態のドアウエスト部構造は基本的に第１実施形態と同様の構成となり、ドアアウタパネル２およびドアインナパネル３のそれぞれの上部内面２ａ，３ａは、長尺状のアウタウエストレインフォース１０およびインナウエストレインフォース２０が取付けられて補強され、アウタウエストレインフォース１０の後方の端末部１０ａを、ドアインナパネル３の後方の端壁３ｃとインナウエストレインフォース２０の後方の端末部２０ａとの間でドアインナパネル３に結合するようになっている。

ここで、本実施形態のドアウエスト構造が第１実施形態と特に異なる点は、アウタウエストレインフォース１０の端末部１０ａに、第１実施形態に示すブラケット１５に相当するドアインナパネル３への取付部１６を一体に形成したことにある。

前記取付部１６は、前記ブラケット１５と同様に端末部１０ａと、その端末部１０ａの上下方向両側をドアインナパネル３方向に折曲した両脚部１６ａ，１６ａと、これら両脚部１６ａ，１６ａの先端部分を拡開方向に折曲したドアインナパネル３への取付けフランジ部１６ｂ，１６ｂと、によってハット形断面に形成してある。

この場合にあっても、取付けフランジ部１６ｂ，１６ｂを前記エンボス部３ｂの上下両側縁部に跨って接合することが好ましい。

従って、本実施形態のドアウエスト部構造によれば、第１実施形態と同様にアウタウエストレインフォース１０をインナウエストレインフォース２０の存在しない部分でドアインナパネル３に結合して、ドアガラス４の昇降用の開口部５周縁部分の成形精度を高めることができ、特に本実施形態では取付部１６をアウタウエストレインフォース１０から一体に形成したので、部品点数を削減して組み付け工数を減少することができる。

ところで、前記第１・第２実施形態ではドア１の後方部分に例をとって示した関係上、アウタウエストレインフォース１０の後方の端末部１０ａをドアインナパネル３に結合する構造を示すが、図示省略したドア１の前方部分に配置されるアウタウエストレインフォース１０の前方の端末部にあっても本発明を適用することができ、その前方の端末部をドアインナパネル３の前方の端壁とインナウエストレインフォース２０の前方の端末部との間でドアインナパネル３に結合することが好ましい。

勿論、アウタウエストレインフォース１０の後方の端末部１０ａまたは前方の端末部のいずれか一方に本発明を適用してもよく、その適用した部分で開口部５の剛性を高めることができる。

本発明の第１実施形態におけるドアアウタパネルを取り外したドアウエスト部後部の要部側面図。 図１中Ａ−Ａ線に対応する位置から断面としたドアウエスト部の断面図。 本発明の第１実施形態におけるドアアウタパネルを取り外したドアウエスト部後部を斜め上方から見た斜視図。 図１中Ｂ−Ｂ線に沿った断面図。 本発明の第２実施形態におけるドアアウタパネルを取り外したドアウエスト部後部を斜め上方から見た斜視図。

符号の説明

１ ドア
２ ドアアウタパネル
２ａ ドアアウタパネルの上部内面
３ ドアインナパネル
３ａ ドアインナパネルの上部内面
３ｂ エンボス部
３ｃ ドアインナパネルの端壁
４ ドアガラス
５ 開口部
６ ドアトリム
１０ アウタウエストレインフォース
１０ａ アウタウエストレインフォースの端末部
１５ ブラケット
２０ インナウエストレインフォース
２０ａ インナウエストレインフォースの端末部

Claims (5)

1. ドアアウタパネルとドアインナパネルの上端部間にドアガラスが昇降する開口部が設けられるとともに、ドアアウタパネルおよびドアインナパネルのそれぞれの上部内面がアウタウエストレインフォースおよびインナウエストレインフォースによって補強されたドアウエスト部構造において、
   アウタウエストレインフォースの長手方向端末部を、ドアインナパネルの左右方向の端壁と前記インナウエストレインフォースの長手方向端末部との間でドアインナパネルに結合したことを特徴とするドアウエスト部構造。
2. アウタウエストレインフォースのドアインナパネルに結合する端末部は、ドアインナパネルにドアトリムを支持するために形成したエンボス部の近傍に結合されることを特徴とする請求項１に記載のドアウエスト部構造。
3. アウタウエストレインフォースのドアインナパネルに結合する端部は、前記エンボス部を跨いで結合されることを特徴とする請求項２に記載のドアウエスト部構造。
4. アウタウエストレインフォースのドアインナパネルに結合する端末部は、アウタウエストレインフォースとは別体のブラケットを介してドアインナパネルに結合したことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載のドアウエスト部構造。
5. ブラケットは、アウタウエストレインフォースの結合部を結合する中間部と、該中間部の上下方向両側をドアインナパネル方向に折曲した両脚部と、これら両脚部の先端部分を拡開方向に折曲したドアインナパネルへの取付フランジ部と、によってハット形断面に形成したことを特徴とする請求項４に記載のドアウエスト部構造。
   

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