以下、本発明のインターホンシステムを適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例によるインターホンシステムの構成を示すシステム説明図である。
図1に示すインターホンシステムは、住戸外側の玄関に設置される玄関子機1と、玄関において住戸外および住戸内の間を人物、例えば、居住者や来訪者が出入りするために開閉される玄関ドア2と、住戸外側の玄関に設置され、玄関ドア2の後述する電気錠200を住戸外側から解錠させるために所定の解錠操作(詳述せず。)が行われる外部解錠装置3と、住戸内の所定の位置、例えば、共用部に設置され、電気錠ラインL1を経由して接続された玄関ドア2の電気錠200、解錠装置ラインL2を経由して接続された外部解錠装置3をそれぞれ制御するための電気錠コントローラ4と、住戸内外の窓やドアの開成、住戸内の人の動きを検知して防犯検知信号を出力するための少なくとも1つの防犯センサ、ここでは、2つの防犯センサ5a、5bと、住戸内に設置され、子機ラインL3を経由して接続された玄関子機1、コントローララインL4を経由して接続された電気錠コントローラ4、各センサラインL5a、L5bを経由して接続された2つの防犯センサ5a、5bをそれぞれ制御するための居室親機6とを備えている。
また、玄関子機1には、呼出ボタン100、カメラ101、マイク(以下、子機マイクという。)102およびスピーカ(以下、子機スピーカという。)103が設けられている。
この玄関子機1において、呼出ボタン100は、住戸外側の玄関に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼び出すために操作するものである。
カメラ101は、呼出操作を行った来訪者の映像や玄関先の周囲近傍の映像(監視映像を含む。)を撮像するためのものである。このカメラ101としては、CCD(Charge Coupled Devices)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の各種撮像素子が好適とされる。
子機マイク102および子機スピーカ103は、来訪者が居住者との間で通話を成立させるにあたり、音声(送話音声、受話音声)を入出力するためのものである。なお、子機スピーカ103は、来訪者から居住者への呼び出しが正常に行われた旨の確認音や音声メッセージ等、2つの防犯センサ5a、5bのうち少なくとも何れか1つの当該防犯センサが作動して検知されたセキュリティ異常の内容を示す警報音や音声メッセージ等をそれぞれ放音/鳴動する機能も有している。
また、玄関ドア2には、当該玄関ドアを電気的に施解錠するための電気錠200が設けられている。この電気錠200には、玄関ドア2を手動にて施解錠するためのサムターン200aと、サムターン200aが施錠状態で維持されるように動作してロックするためのロック機構200bとを備えることができる。
また、外部解錠装置3には、キー入力部300およびスピーカ(以下、解錠装置スピーカという。)301が設けられている。
この外部解錠装置3において、キー入力部300は、玄関ドア2の電気錠200を電気的に解錠させるにあたり、例えば、外出先から住戸内に帰宅しようとしている居住者が所定の入力操作(詳述せず。)を行うためのものである。このキー入力部300としては、5キー、10キー等のキーボタンが好適とされる。
解錠装置スピーカ301は、キー入力部300にて行われた解錠操作が正常な操作であるか否かを示す確認音や音声メッセージ等、玄関ドア2の電気錠200が解錠された旨の確認音や音声メッセージ等、2つの防犯センサ5a、5bのうち少なくとも何れか1つの当該防犯センサが作動して検知されたセキュリティ異常の内容を示す警報音や音声メッセージ等をそれぞれ放音/鳴動する機能を有している。
また、電気錠コントローラ4には、電気錠解錠ボタン(以下、コントローラ電気錠解錠ボタンという。)400およびスピーカ(以下、コントローラスピーカという。)401が設けられている。
この電気錠コントローラ4において、コントローラ電気錠解錠ボタン400は、玄関ドア2の電気錠200を電気的に解錠させるにあたり、居住者が解錠操作を行うためのものである。
コントローラスピーカ401は、玄関ドア2の電気錠200が解錠された旨の確認音や音声メッセージ等、2つの防犯センサ5a、5bのうち少なくとも何れか1つの当該防犯センサが作動して検知されたセキュリティ異常の内容を示す警報音や音声メッセージ等をそれぞれ放音/鳴動するためのものである。
さらに、居室親機6は、スピーカ(以下、親機スピーカという。)600、マイク(以下、親機マイクという。)601、通話ボタン602、電気錠解錠ボタン(以下、親機電気錠解錠ボタンという。)603、防犯設定ボタン604およびモニタ605が設けられている。
この居室親機6において、親機スピーカ600は、住戸外側の玄関に居る来訪者からの呼び出しを報知するための呼出音や音声メッセージ等、玄関ドア2の電気錠200が解錠された旨の確認音や音声メッセージ等、2つの防犯センサ5a、5bのうち少なくとも何れか1つの当該防犯センサが作動して検知されたセキュリティ異常の内容を示す警報音や音声メッセージ等をそれぞれ放音/鳴動するためのものである。また、親機スピーカ600は、来訪者からの呼び出しに応答した居住者が通話を成立させるにあたり、音声(受話音声)を出力するための機能も有している。
親機マイク601は、来訪者からの呼び出しに応答した居住者が通話を成立させるにあたり、音声(送話音声)を入力するためのものである。
通話ボタン602は、親機スピーカ600および親機マイク601を使用した通話を成立させるにあたり、居住者が応答操作を行うためのものである。
親機電気錠解錠ボタン603は、玄関ドア2の電気錠200を電気的に解錠させるにあたり、居住者が解錠操作を行うためのものである。
防犯設定ボタン604は、2つの防犯センサ5a、5bをそれぞれ監視状態に移行させるにあたり、居住者が設定操作を行うためのものである。
モニタ605は、住戸外側の玄関に居る来訪者からの呼び出しがある旨の文字メッセージや絵データ等、玄関ドア2の電気錠200が解錠された旨の文字メッセージや絵データ等、2つの防犯センサ5a、5bのうち少なくとも何れか1つの当該防犯センサが作動して検知されたセキュリティ異常の内容を示す文字メッセージや絵データ等をそれぞれ表示するためのものである。また、モニタ605は、玄関子機1のカメラ101にて撮像された映像を出画する機能も有している。このモニタ605としては、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の各種ディスプレイが好適とされる。
なお、居室親機6において、通話ボタン602、親機電気錠解錠ボタン603および防犯設定ボタン604は、それぞれが独立した個別のボタンとして設けたが、この態様に限定されるものではない。例えば、モニタ605の前面(表示面)にタッチパネルを設け、このタッチパネルに前述の各ボタン602、603、604の操作機能を備えることもできる。
また、居室親機6において、居住者が来訪者との間で通話を成立させるための構成各部/回路は、親機スピーカ600および親機マイク601を使用して拡声による通話を成立させる態様を適用しているが、この態様に限定されるものではない。例えば、別途、ハンドセットを設けて当該ハンドセットによる通話を成立させる、若しくは拡声による通話機能およびハンドセットによる通話機能を双方備え、居住者が任意に何れか1つの当該通話手段を選択することもできる。
図2は、本発明の実施例によるインターホンシステムにおいて、電気錠コントローラ4および居室親機6の具体的な構成を示すブロック図である。
図2に示す電気錠コントローラ4には、前述のコントローラ電気錠解錠ボタン400およびコントローラスピーカ401と、3つのインターフェース(以下、電気錠側コントローラI/F、解錠装置側コントローラI/F、親機側コントローラI/Fという。)402、403、404と、制御部(以下、コントローラ制御部という。)405とが備えられている。
この電気錠コントローラ4において、電気錠側コントローラI/F402は、コントローラ制御部405および電気錠ラインL1の間の信号/データ伝送路を形成するための通信回路である。
解錠装置側コントローラI/F403は、コントローラ制御部405および解錠装置ラインL2の間の信号/データ伝送路を形成するための通信回路である。
親機側コントローラI/F404は、コントローラ制御部405およびコントローララインL4の間の信号/データ伝送路を形成するための通信回路である。
コントローラ制御部405は、当該電気錠コントローラの構成各部/回路をそれぞれ制御するためのものである。
また、図2に示す居室親機6には、前述の親機スピーカ600、親機マイク601、通話ボタン602、親機電気錠解錠ボタン603、防犯設定ボタン604およびモニタ605と、音声合成回路606と、通話回路607と、時間設定回路608と、タイマ609と、3つのインターフェース(以下、子機側親機I/F、コントローラ側親機I/F、センサ側親機I/Fという。)610、611、612と、制御部(以下、親機制御部という。)613とが備えられている。
この居室親機6において、音声合成回路606は、住戸外側の玄関に居る来訪者からの呼び出しを報知するための呼出音や音声メッセージ等、玄関ドア2の電気錠200が解錠された旨の確認音や音声メッセージ等、2つの防犯センサ5a、5bのうち少なくとも何れか1つの当該防犯センサが作動して検知されたセキュリティ異常の内容を示す警報音や音声メッセージ等をそれぞれ生成するためのものである。
通話回路607は、親機マイク601および親機スピーカ600を使用して入出力される音声信号(送話音声信号、受話音声信号)の信号処理、例えば、4線/2線変換、2線/4線変換、増幅等を行い、信号/データ伝送路を形成、すなわち、通話路を形成するためのものである。
時間設定回路608は、音声合成回路606にて生成された警報音や音声メッセージ等を親機スピーカ600から鳴動させるにあたり、その鳴動のタイミングを遅延させる所定の時間(以下、遅延時間という。)を設定するためのものである。この時間設定回路608としては、DIPスイッチ等が好適とされる。
タイマ609は、時間設定回路608にて予め設定された遅延時間を計時するためのものである。
子機側親機I/F610は、親機制御部613および子機ラインL3の間の信号/データ伝送路を形成するための通信回路である。
コントローラ側親機I/F611は、親機制御部613およびコントローララインL4の間の信号/データ伝送路を形成するための通信回路である。
センサ側親機I/F612は、親機制御部613および各センサラインL5a、L5bの間の信号/データ伝送路をそれぞれ形成するための通信回路である。
親機制御部613は、当該居室親機の構成各部/回路をそれぞれ制御するためのものである。
このように構成された本発明の実施例によるインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
なお、本発明の実施例において、住戸外側の玄関に居る来訪者が玄関子機1の呼出ボタン100を操作して住戸内に在室中の居住者を呼び出す動作と、この呼び出しを居室親機6の親機スピーカ600から放音される呼出音や音声メッセージ等およびカメラ101にて撮像され、モニタ605に出画される映像を使用して呼出報知する動作と、この呼出報知を確認した居住者が通話ボタン602を操作して応答することにより、居住者が使用する親機スピーカ600および親機マイク601と来訪者が使用する子機マイク102および子機スピーカ103との間で音声(音声信号)を送受信させる通話の動作とは、その他のインターホンシステム等にて開示されている該当動作と同様であり公知の動作であるため、説明は省略するものとする。
次に、外出等で住戸を不在とする前において、住戸内に在室中の居住者が防犯設定(以下、外出防犯設定という。)を行うためには、図1および図2に示す居室親機6の防犯設定ボタン604にて所定の操作(詳述せず。)を行う。この操作を検出した親機制御部613は、センサ側親機I/F612、各センサラインL5a、L5bを経由して接続された2つの防犯センサ5a、5bをそれぞれ監視状態に移行させることができる。
前述のような外出防犯設定が行われた監視状態時において、居住者が玄関ドア2を開けて住戸外に出るにあたっては、下述する第1、第2の各ドア操作のうち何れか1つの当該操作を行う。
第1のドア操作として、玄関ドア2の電気錠200にサムターン200aが設けられている場合、このサムターン200aを回転させた後に玄関ドア2を住戸内側から開けると、予め施錠されている電気錠200が解錠されるため、居住者は住戸外に出ることができる。また、居住者が玄関ドア2を住戸外側から閉めると、電気錠200が施錠状態に復旧されるため、これを確認した居住者は外出先に向かうことができる。
一方、第2のドア操作として、玄関ドア2の電気錠200にサムターン200aが設けられていない場合、この玄関ドア2を住戸内側から開けると、予め施錠されている電気錠200が解錠されるため、居住者は住戸外に出ることができる。また、居住者が玄関ドア2を住戸外側から閉めると、電気錠200が施錠状態に復旧されるため、これを確認した居住者は外出先に向かうことができる。
また、前述のような外出防犯設定が行われた監視状態時において、外出により居住者が不在である住戸内に設置された2つの防犯センサ5a、5bのうち、少なくとも何れか1つの当該防犯センサ、ここでは、防犯センサ5aが設置された窓やドアをこじ開けて泥棒等の不審者が住戸内に侵入すると、防犯センサ5aが作動してセキュリティ異常を検知する。この防犯センサ5aは、検知されたセキュリティ異常の内容を示す防犯検知信号(以下、第1の防犯検知信号という。)を生成し、センサラインL5a、居室親機6のセンサ側親機I/F612を経由して親機制御部613に出力することができる。
居室親機6の親機制御部613は、防犯センサ5aからの第1の防犯検知信号を検出すると、タイマ609の計時機能が能動となるように制御し、時間設定回路608にて予め設定された遅延時間の計時を開始させるとともに、音声合成回路606を制御して生成させた警報音や音声メッセージ等を親機スピーカ600から鳴動させることができる。すなわち、警報の発報を行うことができる。なお、警報の発報としては、親機スピーカ600の使用による聴覚を通じた報知のみならず、モニタ605に文字メッセージや絵データ等を表示させて視覚を通じて報知することもできる。また、居室親機6に公衆回線(一般回線)網や特別な通信回線網を経由して警備会社(のコンピュータやサーバ)や外出先の居住者により携行された携帯通信端末等が接続されている場合、親機制御部613は、この警備会社や携帯通信端末等に対して、防犯センサ5aが設置された窓やドアをこじ開けて泥棒等の不審者が住戸内に侵入した内容を移報することもできる。すなわち、警報の移報を行うことができる。
また、居室親機6の親機制御部613は、防犯センサ5aからの第1の防犯検知信号を検出すると、玄関ドア2の電気錠200を解錠させるにあたり、電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405にて生成される解錠信号を無効にするための制御信号(以下、第1の制御信号という。)を生成する。この第1の制御信号は、親機制御部613からコントローラ側親機I/F611、コントローララインL4、電気錠コントローラ4の親機側コントローラI/F404を経由してコントローラ制御部405に伝送される。
さらに、居室親機6の親機制御部613は、防犯センサ5aからの第1の防犯検知信号を検出すると、玄関ドア2の電気錠200にサムターン200aが設けられている場合、このサムターン200aが施錠状態で維持されるようにロック機構200bを制御するための制御信号(以下、第2の制御信号という。)を生成する。この第2の制御信号は、前述の第1の制御信号と同一のデータ/信号伝送路を経由して電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405に伝送される。
電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405は、居室親機6からの第1の制御信号を検出すると、以後に行われる居室親機6の親機電気錠解錠ボタン603および/またはコントローラ電気錠解錠ボタン400の操作を無効な操作として判断することができる。
また、電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405は、居室親機6からの第2の制御信号を検出すると、玄関ドア2の電気錠200に設けられているサムターン200aを施錠状態で維持させるための制御信号(以下、第3の制御信号という。)を生成する。この第3の制御信号は、コントローラ制御部405から電気錠側コントローラI/F403、電気錠ラインL1を経由して玄関ドア2の電気錠200に伝送され、当該電気錠に設けられたロック機構200bをロック動作させることにより、サムターン200aの回転が防止されて(当該電気錠の)施錠状態を維持することができる。
また、前述までの動作において、居室親機6の音声合成回路606にて生成された警報音や音声メッセージ等は、親機スピーカ600のみならず、親機制御部613、子機側親機I/F610、子機ラインL3を経由して玄関子機1に伝送され、子機スピーカ103から鳴動させることができるばかりでなく、親機制御部613、コントローラ側親機I/F611、コントローララインL4、電気錠コントローラ4の親機側コントローラI/F404を経由してコントローラ制御部405および/または当該コントローラ制御部、外部装置側コントローラI/F403、解錠装置ラインL2を経由して外部解錠装置3に伝送され、このコントローラ制御部405および/または当該外部解錠装置の制御により、コントローラスピーカ401および/または解錠装置スピーカ301から鳴動させることができる。すなわち、警報の移報を行うことができる。
なお、居室親機6の親機スピーカ600、玄関子機1の子機スピーカ103、電気錠コントローラ4のコントローラスピーカ401および外部解錠装置3の解錠装置スピーカ301のうち、少なくとも何れか1つの当該スピーカから警報音や音声メッセージ等を鳴動させるタイミングとしては、親機制御部613が防犯センサ5aからの第1の防犯検知信号を検出したタイミングのみならず、タイマ609にて計時中の遅延時間が経過後のタイミングで行うこともできる。このタイミング制御によって、防犯センサ5aが作動しても、タイマ609にて計時中の遅延時間内は警報の発報が行われないため、住戸内に侵入している泥棒等の不審者による速やかな逃亡を防ぐことができる。
次に、住戸内に侵入している泥棒等の不審者は、その心理として、侵入元とは異なる場所から逃亡する傾向が高く、住戸外への逃亡が容易な玄関ドア2を開けることが多い。そこで、泥棒等の不審者は、例えば、前述の警報の発報を確認した後、玄関ドア2の電気錠200を解錠させるにあたり、下述する第1、第2の各解錠操作のうち何れか1つの当該操作を行う。
第1の解錠操作として、住戸内に侵入している泥棒等の不審者により居室親機6の親機電気錠解錠ボタン603が操作されると、この操作を検出した親機制御部613は、親機解錠起動信号を生成し、前述の第1、第2の各制御信号と同一のデータ/信号伝送路を経由して電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405に出力することができる。
ここで、電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405は、居室親機6からの親機解錠起動信号を無効であると判断し、玄関ドア2の電気錠200を解錠せずに施錠状態を維持することができるばかりでなく、電気錠200にサムターン200aが設けられている場合、ロック機構200bをロック動作させ、サムターン200aの回転を防止することができる。したがって、電気錠200の施錠状態が維持されることになる。このロック制御によって、住戸内に侵入している泥棒等の不審者は、玄関ドア2を開けて住戸外へと逃亡できず、若しくは逃亡が遅延されるため、前述の警報の移報を確認した人物、例えば、警備会社等の警備員が警報発報元の住戸に駆け付けるまでの十分な時間を確保することができる。
一方、第2の解錠操作として、住戸内に侵入している泥棒等の不審者により電気錠コントローラ4のコントローラ電気錠解錠ボタン400が操作されると、コントローラ制御部405は、第2の解錠操作が無効であると判断し、前述の第1の解錠操作時と同様、電気錠200を解錠せずに施錠状態を維持することができるばかりでなく、電気錠200にサムターン200aが設けられている場合、ロック機構200bをロック動作させ、サムターン200aの回転を防止することができる。したがって、電気錠200の施錠状態が維持されることになる。このロック制御によって、住戸内に侵入している泥棒等の不審者は、玄関ドア2を開けて住戸外へと逃亡できず、若しくは逃亡が遅延されるため、前述の警報の移報を確認した人物、例えば、警備会社等の警備員が警報発報元の住戸に駆け付けるまでの十分な時間を確保することができる。
次に、前述の警報の移報を確認した人物、例えば、警備会社等の警備員が警報発報元の住戸へと駆け付けた後、外部解錠装置3のキー入力部300を使用して、玄関ドア2の電気錠200を電気的に解錠させるための所定の入力操作(詳述せず。)を行うと、外部解錠信号が生成される。この外部解錠信号は、外部解錠装置3から解錠装置ラインL2、電気錠コントローラ4の解錠装置側コントローラI/F403、コントローラ制御部405、親機側コントローラI/F404、コントローララインL4、居室親機6のコントローラ側親機I/F611を経由して居室親機制御部613に伝送される。
居室親機6の居室親機制御部613は、外部解錠装置3からの外部解錠信号を検出すると、外部解錠装置3にて行われた解錠操作が有効であると判断して、音声合成回路606を制御して生成させた確認音や音声メッセージ等を、前述の外部解錠信号のデータ/信号伝送路と逆の順路で外部解錠装置3に伝送させ、解錠装置スピーカ301から放音することができるとともに、玄関ドア2の電気錠200を解錠させるための制御信号(以下、第4の制御信号という。)を生成する。この第4の制御信号は、前述の第1乃至第3の各制御信号と同一のデータ/信号伝送路を経由して電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405に伝送される。
電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405は、居室親機6からの第4の制御信号を検出すると、玄関ドア2の電気錠200を解錠させるための解錠信号を生成する。この解錠信号は、コントローラ制御部405から電気錠側コントローラI/F403、電気錠ラインL1を経由して玄関ドア2の電気錠200に伝送され、施錠されている電気錠200を解錠させることができる。この解錠制御によって、警報発報元の住戸へと駆け付けた警備会社の警備員等は、玄関ドア2を開けて住戸内に入り、泥棒等の不審者の身柄を必要に応じて容易に確保(拘束)することができる。
なお、前述までの説明では、玄関ドア2の電気錠200を解錠させるにあたり電気錠コントローラ4の電気錠コントローラ制御部405にて生成される解錠信号を無効にするための第1の制御信号と、玄関ドア2の電気錠200にサムターン200aが設けられている場合、このサムターン200aの回転を防止して電気錠200が施錠状態で維持されるようにロック機構200bを制御するための第2の制御信号とをそれぞれ生成する当該制御部として、防犯センサ5aからの第1の防犯検知信号を検出した居室親機6の親機制御部613を適用したが、これに限定されるものではない。例えば、防犯センサ5aからの第1の防犯検知信号を検出した電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405にて同様な信号をそれぞれ生成させることもできる。
また、前述までの説明では、居室親機6からの第4の制御信号を検出したタイミングで、電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405の制御により、玄関ドア2の電気錠200を解錠するための解錠信号を生成させたが、この態様に限定されるものではない。例えば、居室親機6の親機制御部613にて同様な信号を生成させることもできる。
次に、夜間帯、例えば、深夜帯のような就寝前において、住戸内に在室中の居住者が防犯設定(以下、在室防犯設定という。)を行うためには、居室親機6の防犯設定ボタン604にて所定の操作(詳述せず。)を行う。この操作を検出した親機制御部613は、前述の外出防犯設定と同様、センサ側親機I/F612、各センサラインL5a、L5bを経由して接続された2つの防犯センサ5a、5bをそれぞれ監視状態に移行させることができる。
前述のような在室防犯設定が行われた監視状態時において、居住者が在室中の住戸内に設置された2つの防犯センサ5a、5bのうち、少なくとも何れか1つの当該防犯センサ、ここでは、防犯センサ5bが設置された窓やドアをこじ開けて泥棒等の不審者が住戸内に侵入すると、防犯センサ5bが作動してセキュリティ異常を検知する。この防犯センサ5bは、検知されたセキュリティ異常の内容を示す防犯検知信号(以下、第2の防犯検知信号という。)を生成し、センサラインL5b、居室親機6のセンサ側親機I/F612を経由して親機制御部613に出力することができる。
居室親機6の親機制御部613は、防犯センサ5bからの第2の防犯検知信号を検出すると、前述の防犯センサ5aからの第1の防犯検知信号を検出したときと同様、タイマ609の計時機能が能動となるように制御し、時間設定回路609にて予め設定された遅延時間の計時を開始させるとともに、音声合成回路606を制御して生成させた警報音や音声メッセージ等を親機スピーカ600から鳴動させることができる。すなわち、警報の発報を行うことができる。なお、警報の発報としては、親機スピーカ600の使用による聴覚を通じた報知のみならず、モニタ605に文字メッセージや絵データを表示させて視覚を通じて報知することもできる。また、居室親機6に公衆回線(一般回線)網や特別な通信回線網を経由して警備会社(のコンピュータやサーバ)や外出先の居住者により携行された携帯通信端末等が接続されている場合、親機制御部613は、この警備会社や携帯通信端末等に対して、防犯センサ5bが設置された窓やドアをこじ開けて泥棒等の不審者が住戸内に侵入した内容を移報することもできる。すなわち、警報の移報を行うことができる。
また、居室親機6の親機制御部613は、防犯センサ5bからの第2の防犯検知信号を検出すると、タイマ609が有する計時機能を利用して、玄関ドア2の電気錠200を所定の時間、解錠させるための制御信号(以下、第5の制御信号という。)を生成する。この第5の制御信号は、前述の第1乃至第4の各制御信号と同一のデータ/信号伝送路を経由して電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405に伝送される。
電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405は、居室親機6からの第5の制御信号を検出すると、タイマ609にて計時されている所定の時間のみ、玄関ドア2の電気錠200を解錠させるための解錠信号(以下、時間内解錠信号という。)を生成する。この時間内解錠信号は、前述の解錠信号と同一のデータ/信号伝送路を経由して玄関ドア2の電気錠200に伝送され、施錠されている電気錠200を所定の時間、解錠させることができる。
なお、居室親機6の音声合成回路606にて生成された警報音や音声メッセージ等は、前述の防犯センサ5aが作動したときと同様、親機スピーカ600、玄関子機1の子機スピーカ103、外部解錠装置3の解錠装置スピーカ301および電気錠コントローラ4のコントローラスピーカ402のうち、少なくとも何れか1つの当該スピーカから鳴動させることができる。この鳴動させるタイミングとしては、居住者が住戸内に在室中であるため、親機制御部613が防犯センサ5bからの第2の防犯検知信号を検出したタイミングで行うのが好ましい。
また、住戸内に侵入している泥棒等の不審者は、その心理として、侵入元とは異なる場所から逃亡する傾向が高く、住戸外への逃亡が容易な玄関ドア2を開けることが多い。そこで、泥棒等の不審者は、例えば、前述の警報の発報を確認した後、電気錠200が所定の時間、解錠されている玄関ドア2を開成させて住戸外に逃亡することができるため、住戸内に在室中の居住者に危害が及ぶ可能性を低く抑えられる。
なお、前述までの説明では、居室親機6からの第5の制御信号を検出したタイミングで、電気錠コントローラ4のコントローラ制御部405の制御により、玄関ドア2の電気錠200を所定の時間、解錠するための時間内解錠信号を生成させたが、この態様に限定されるものではない。例えば、居室親機6の親機制御部613にて同様な信号を生成させることもできる。
また、本発明の実施例によれば、居室親機6の音声合成回路606にて生成された警報音や音声メッセージ等を親機スピーカ600から鳴動させるにあたり、その鳴動のタイミングを遅延させる遅延時間を設定する時間設定回路608と、時間設定回路608にて予め設定された遅延時間を計時するためのタイマ609とを当該居室親機に備えた場合について説明したが、この態様に限定されるものではない。例えば、時間設定回路608およびタイマ609を電気錠コントローラ4に備えることもできる。
本発明のインターホン装置においては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成、例えば、マンション等の集合住宅に設置されるインターホンシステムであっても採用できるということはいうまでもないことである。