JP2007073242A - アルカリ電池 - Google Patents

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【課題】重負荷放電特性及び軽負荷放電特性の双方に優れ、かつ貯蔵時の自己放電による放電容量の低下が抑制されたアルカリ電池を提供する。
【解決手段】オキシ水酸化ニッケル1molに対してZn及びCoが、それぞれ、2×10-3〜6×10-3mol、2×10-3〜2×10-2mol固溶しているオキシ水酸化ニッケル粒子と、40〜60質量%の二酸化マンガンとから構成された正極活物質を含む正極合剤4と、亜鉛を含有するゲル状負極6とを具備することを特徴とするアルカリ電池。
【選択図】 図1

Description

本発明は、亜鉛アルカリ電池のようなアルカリ電池に関するものである。
たとえば携帯形のラジオやカセットレコーダーなどの携帯形電子機器類の電源として、密閉形のマンガンアルカリ亜鉛一次電池などが使用されている。また、この種の密閉形アルカリ一次電池、たとえばアルカリ亜鉛一次電池の構成においては、電池要素(起電部)をインサイドアウト形構造とすることにより、低コスト化を図ることも知られている。
すなわち、中空筒状に成型された正極合剤を正極とし、その中空内に有底筒状のセパレータを配置し、この有底筒状セパレータ内に負極を配置するインサイドアウト形構造を採用することにより、シート状の正極、セパレータおよび負極の積層体を捲回するスパイラル形構造を採る場合に比して、生産性の向上などが図られ、結果的に、低コストで高容量のアルカリ亜鉛一次電池を提供できる。
上記のようなインサイドアウト形構造を有する一次電池は、生産性や低コスト化の点で有利であるが、スパイラル形構造の場合に比較して正極と負極との対向面積が小さいため、一般的に、高率放電特性が劣るという問題がある。
そこで、インサイドアウト形構造を有するアルカリ亜鉛一次電池の正極活物質として、オキシ水酸化ニッケル粒子にコバルト化合物などを添加あるいは表面被覆を施した正極活物質を用いることにより、高率放電容量(重負荷放電特性)を改善することが試みられている。しかしながら、このオキシ水酸化ニッケル化合物は、アルカリマンガン一次電池の正極活物質であるマンガン酸化物と比較して、還元性が強く、保存時に自己放電を生起し、放電容量が低下するという問題があった。
特許文献1には、オキシ水酸化ニッケル1モル当り0.7×10-2〜7.4×10-2モルの亜鉛を固溶させることにより、アルカリ亜鉛一次電池の自己放電を抑制することが開示されている。また、特許文献1には、オキシ水酸化ニッケル1モル当りの亜鉛固溶量を0.7×10-2モル未満にすると、自己放電を抑制する効果が得られないことも記載されている。
しかしながら、オキシ水酸化ニッケル1モル当りの亜鉛固溶量を特許文献1のように0.7×10-2〜7.4×10-2モルと多くすると、理論容量の不足から重負荷放電特性や軽負荷放電特性などの放電特性が十分でないという問題点がある。
特開2002−75354号公報
本発明は、重負荷放電特性及び軽負荷放電特性の双方に優れ、かつ貯蔵時の自己放電による放電容量の低下が抑制されたアルカリ電池を提供することを目的とする。
本発明に係るアルカリ電池は、オキシ水酸化ニッケル1molに対してZn及びCoが、それぞれ、2×10-3〜6×10-3mol、2×10-3〜2×10-2mol固溶しているオキシ水酸化ニッケル粒子と、40〜60質量%の二酸化マンガンとから構成された正極活物質を含む正極合剤と、
亜鉛を含有するゲル状負極と
を具備することを特徴とする。
本発明によれば、重負荷放電特性及び軽負荷放電特性の双方に優れ、かつ貯蔵時の自己放電による放電容量の低下が抑制されたアルカリ電池を提供することができる。
本発明者らは、亜鉛を含有するゲル状負極を備えたアルカリ電池において、以下の知見を得た。
すなわち、オキシ水酸化ニッケル1molに対してZn及びCoが、それぞれ、2×10-3〜6×10-3mol、2×10-3〜2×10-2mol固溶しているオキシ水酸化ニッケル粒子と、40〜60質量%の二酸化マンガンとから正極活物質を構成することにより、重負荷放電特性を損なうことなく、自己放電の抑制が可能であることを見出したのである。また、上記構成によると、亜鉛及びコバルト固溶量が上記範囲と少なく、また、オキシ水酸化ニッケル粒子表面へのコバルト高次酸化物の形成が不要であるため、理論容量を向上することができ、軽負荷放電特性を改善することができる。
上述した構成により自己放電が抑制されるのは、正極の自己放電によって消費される電解液の量、および負極から正極へ移動する電解液の量を低減することができ、これにより負極に含有される電解液量の減少を抑制することができるため、貯蔵による放電容量の低下が防止されて放電容量維持率の改善が達成されるからである。
オキシ水酸化ニッケルは、NiOOHで表される化合物であり、その平均粒径としては8〜12μmのものが最も優れた電池特性を有するため好ましい。オキシ水酸化ニッケルの放電反応は以下の反応式で表される。
NiOOH+H2O+e→Ni(OH)2+OH
亜鉛固溶量について説明する。オキシ水酸化ニッケル1molに対して2×10-3mol未満であると自己放電が大きくなったり、合剤成形時の摩擦が大きくなったりする。また、6×10-3molを超えると、自己放電抑制効果が少なくなり、逆に放電容量が低下する。好ましい亜鉛固溶量はオキシ水酸化ニッケル1molに対して3×10-3mol以上、5×10-3mol以下である。
コバルト固溶量について説明する。オキシ水酸化ニッケル1molに対して2×10-3mol未満であると自己放電が大きくなったり、オキシ水酸化ニッケルの粒径、形状が変化するため望ましくない。また、2×10-2molを超えると、放電容量が低下するという問題がある。好ましいコバルト固溶量はオキシ水酸化ニッケル1molに対して4×10-3mol以上、1.5×10-2mol以下である。
亜鉛、コバルトの定量方法を説明する。アルカリ電池より正極合剤を取出し、水を加えて30分間煮沸することにより、電解液を除去する。その後、酸に溶解させ、ICP発光分光法によりニッケル、コバルト及び亜鉛を定量し、コバルト量、亜鉛量それぞれをオキシ水酸化ニッケル1mol当たりのmol比に換算する。
二酸化マンガンの添加割合は正極活物質に対して40〜60質量%とすることが望ましい。添加割合が40質量%未満になるとオキシ水酸化ニッケルの自己放電による容量低下が大きく、60質量%を超えると重負荷特性が大きく低下するからである。より好ましい添加割合は45〜55質量%である。これにより、重負荷特性を損なうことなく自己放電を抑制できる。
二酸化マンガンは電解二酸化マンガンが望ましく、平均粒径としては20〜40μmの一般的にアルカリマンガン電池に用いられているものを用いることができる。
亜鉛及びコバルトの固溶量と二酸化マンガンの添加割合を上記範囲内にすることにより、オキシ水酸化ニッケル粒子の表面にコバルト高次酸化物を被覆することなく、自己放電を抑制することができる。コバルト高次酸化物を被覆しないことで理論容量を増加でき、軽負荷特性の向上に貢献することができるので、汎用性用途に好適なアルカリ電池を提供することができる。
また、前記正極合剤に酸化エルビウムを添加すると、正極の酸素過電圧が上がり、オキシ水酸化ニッケルの還元性を弱め、すなわち、電解液中の水の分解である酸素ガス発生反応を低下させることで、自己放電を抑制し、放電容量を維持する効果がある。また、酸化エルビウムの添加量は、正極活物質に対して0.3〜1質量%であることが望ましい。酸化エルビウムの添加量を0.3質量%未満にすると、貯蔵時に放電容量を維持する効果を十分に得られない恐れがある。また、酸化エルビウムの添加量が1質量%を超えると、正極合剤の電気抵抗が上昇して初度放電容量が低下する恐れがある。
アルカリ電池の形態は特に限定されるものではないが、本発明では、インサイドアウト形構造を有するアルカリ電池の重負荷放電特性と軽負荷放電特性とを飛躍的に改善することができるため、インサイドアウト形構造を有するアルカリ電池が特に好ましい。また、インサイドアウト型構造を採用することにより、アルカリ電池の生産性も向上することができる。
インサイドアウト形構造を有するアルカリ電池としては、例えば、外装缶と、外装缶内に収納された円筒形状の正極合剤と、前記正極合剤の内周面で囲まれた空間内(円筒の中空部内)に配置され、亜鉛を含有するゲル状負極と、前記正極合剤と前記負極との間に配置されたセパレータとを具備するものを挙げることができる。
このアルカリ電池の一例を図1に示す。
正極缶(外装缶)1は、有底円筒状で、底面が外側に凸状に張り出しており、この凸部は正極端子2として機能する。また、正極缶1の開口端付近には、内方に突出した段差3(ビード部)が設けられている。正極缶1は、例えば、表面にニッケルメッキもしくはニッケル合金メッキが施された鋼板から形成されている。
円筒形状の正極合剤4は、正極缶1内に収納され、その外周面が正極缶1の内周面と電気的に接している。有底円筒状のセパレータ5は、正極合剤4の内周面で囲まれた空間内に配置され、正極合剤4の内周面と接している。セパレータ5には、ポリビニルアルコール繊維等の親水性繊維から形成された不織布等を使用することができる。亜鉛を含む負極作用物質と電解液とを含有するゲル状負極6は、セパレータ5内に充填されている。
正極缶1の開口部には二重環状構造のポリアミド樹脂からなるパッキング7が配置されている。例えば黄銅製の負極集電棒8は、パッキング7の内側環状部に挿入され、先端部がゲル状負極6と接している。金属製ワッシャー9は、パッキング7を正極缶1の内周面に押し付けるようにしてパッキング7の内側環状部と外側環状部の間に配置されている。金属製で帽子形をなす負極端子板10は、負極集電棒8の頭部と電気的に接するように金属製ワッシャー9上に配置され、正極缶1の開口部上端を内方に屈曲させることにより正極缶1にかしめ固定されている。
以下、正極合剤、ゲル状負極及び電解液について説明する。
1)正極合剤
正極合剤は、前述の正極活物質と、正極活物質の電気伝導性を向上させるための炭素粒子などの導電材と、これらの成分を成形した成形体の保形性を改善するためのバインダーと、電解液とを含む。
正極合剤は、例えば、以下に説明する方法により作製される。
(第1工程) 正極合剤成分の混合
正極活物質、及び、正極合剤添加物である導電材とバインダーと潤滑剤と電解液などを混合する。この正極合剤の成分である導電材は、正極合剤中の内部電気抵抗を低減するために用いるものであり、一般にグラファイトが用いられる。また、バインダーは、正極合剤を成形する際の保形性を高め、成形作業中および電池内で保形性を維持するために用いられる。バインダーとしては、例えば、ポリオレフィン系樹脂が挙げられる。また、潤滑剤は、正極合剤を成形する際に使用する金型と、正極合剤成形体との滑りを向上させ、製造歩留まりを改善するために用いられる。この潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、エチレンビスステアラマイドなどが用いられる。また、電解液は、正極合剤中のイオン導電性を高めるためと、成形性を高めるために用いられる。この電解液は、電池の正極と負極の間のイオン導電を維持するために用いられる電解液と同じものを用いることが好ましい。好ましい電解液は40%KOH水溶液である。
これらの正極合剤成分の配合比率は、質量比でオキシ水酸化ニッケル:二酸化マンガン:導電剤:バインダ:潤滑剤:電解液:酸化エルビウムとして、72〜48:48〜72:4〜8:0.05〜0.5:0.05〜0.30:4〜7:0.36〜1.2の配合比が好ましい。ただし、正極活物質であるオキシ水酸化ニッケルと二酸化マンガンの合計が120となるように配合する。
なお、これらの成分は、ロータリーミキサー、ヘンシェルミキサーなどの攪拌装置で混合される。
(第2工程) ローラコンパクション処理
上記工程において配合された正極合剤は、次いで、ローラコンパクタによって圧縮加圧され、造粒のために充填密度を高められる。このローラコンパクタは、双ロール間に正極合剤を供給し、加圧して充填密度を高めるものであり、圧縮応力は、印加力をローラ幅で割った0.5×104〜5×104N/cmの範囲のものが好ましく、1.5×104〜3.5×104N/cmの範囲がより好ましい。このローラコンパクタは、半径の2乗およびロール幅に比例して処理量を向上させることができる。
(第3工程) グラニュレーション処理
ローラコンパクション処理された正極合剤は、圧縮塊状となっている。これを用いて成形体を作製するためには一旦粒状に造粒する必要がある。そのためにロール表面に互いに嵌合する突起を有する双ロールを用いたグラニュレータによるグラニュレーション処理を行う。圧縮塊状に成形された正極合剤はこのグラニュレータに通すことによって、粒状に破砕される。得られる粒子の径は、10数μm〜1mm程度のものである。
(第4工程) 分級処理
上記工程で得られる正極合剤粒子はそのサイズによって分級される。200〜850μmの範囲の粒子とすることによって、充填密度の高い正極合剤成形体とすることができる。200μm未満の造粒粉は、金型成形する際、造粒粉の計量に時間が掛かり不適である。また、850μmを越える造粒粉は、金型成形する際、成形体の重量がばらつくため不適である。この分級処理によって篩分された径が大きな粒子は再度グラニュレータ処理に供給して再利用され、また、形の小さな粒子は、ローラコンパクタ処理工程に供給され再利用されるといった造粒システムが、量産設備の中で構築可能である。
(第5工程)成形
上記工程で造粒された正極合剤粒子は、次いで、金型を用いて正極成形体に成形される。インサイドアウト型の正極合剤は、中空円筒状をしているため、中央にマンドレルを有し、所要の体積を有する円筒形状の金型中に上記正極合剤粒子を充填して、雄型を圧入することにより成形が行われる。このときの成形圧力は、0.5×108〜9.8×108Paの圧力が好ましい。成形圧力が上記範囲を下回った場合、必要な正極合剤の充填密度が得られず、また、粒子同士の接触も確保しにくくなるので、電池とした場合、所定の放電容量が得られない。一方、成形圧力が上記範囲を上回った場合、正極合剤中に電解液が浸透しにくくなり、その利用率を下げてしまう。
2)ゲル状負極
ゲル状負極は、亜鉛を含む負極作用物質を主成分とし、亜鉛を含む負極作用物質には亜鉛合金を使用することができる。ゲル状負極には、公知の二酸化マンガン−亜鉛一次電池で使用されている亜鉛ゲルを用いることができる。この負極材料は、ゲル状であるために取り扱いの点が容易である。負極をゲル状とするためには、電解液と増粘剤から作製されるゲル状電解液に負極作用物質の亜鉛合金を分散させることにより容易にゲル状物にすることができる。
亜鉛合金は、無汞化亜鉛合金として知られている水銀及び鉛を含まない亜鉛合金を用いることができる。具体的には、インジウム0.06質量%、ビスマス0.014質量%、アルミニウム0.0035質量%を含む亜鉛合金が、水素ガス発生の抑制効果があり望ましい。特にインジウム、ビスマスは放電性能を向上させるため望ましい。負極作用物質として純亜鉛ではなく亜鉛合金を用いることにより、アルカリ性電解液中での自己溶解速度を遅くし、密閉系の電池製品とした場合の電池内部での水素ガス発生を抑制して、漏液などによる事故を防止することができる。
また、亜鉛合金の形状は、表面積を大きくして大電流放電に対応できるように粉末状とすることが望ましい。本発明において好ましい亜鉛合金の平均粒径は、75〜150μmの範囲が好ましい。亜鉛合金の平均粒径が上記範囲を上回った場合、表面積が比較的小さくなり大電流放電に対応することが困難になる可能性がある。また、平均粒径が上記範囲を下回った場合、電池組み立て時の取り扱いが難しく、電解液及びゲル化剤と均一に混合することが困難になるばかりでなく、表面が活性であることから酸化されやすく安定性に欠ける。
また、増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、CMC、アルギン酸などを用いることができる。特に、ポリアクリル酸ナトリウムが、強アルカリ水溶液に対する吸水倍率に優れているため好ましい。
3)電解液
アルカリ電解液は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ塩を溶質として用いた水溶液が好ましく、特に、水酸化カリウムを用いることが、好ましい。また、電解液中に亜鉛化合物を添加することが望ましい。かかる亜鉛化合物としては、酸化亜鉛、水酸化亜鉛などの化合物が挙げられるが、特に酸化亜鉛が好ましい。
電解液として少なくとも亜鉛化合物を含有するアルカリ性水溶液を用いると、アルカリ性水溶液中での亜鉛合金の自己溶解が酸性系の電解液と比較して格段に少なくなり、更には亜鉛合金のアルカリ性電解液中での自己溶解を亜鉛化合物、例えば酸化亜鉛を溶解して亜鉛イオンを予め存在させておくことにより更に抑制される。
[実施例]
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
(実施例1)
オキシ水酸化ニッケル1molに対してZn、Coがそれぞれ2×10-3mol固溶したオキシ水酸化ニッケル粒子を作製した。こうして得られた平均粒径10μmのオキシ水酸化ニッケル粒子72質量部に、電解二酸化マンガンを48質量部と、導電剤の黒鉛7質量部とを加え、平均粒径が5μmのポリエチレンを正極活物質に対して1000ppm加え、乾式攪拌を10分間、回転数300rpmで行った後、練液である40質量%の水酸化カリウム水溶液6.2質量部を加え、湿式攪拌を回転数600rpmで10分間行って攪拌合剤とした。続いてこの攪拌合剤を圧縮強度200kg/mm2で圧粉を行い、薄片状態のものを作製した。さらに、分級機を用いて薄片状態のものを破砕することにより顆粒合剤を製作した。
その後、一定重量、一定寸法の正極合剤を成形し、正極缶内部に挿入した。続いて、正極合剤と正極缶との密着を図るために再加圧を施した。正極活物質(オキシ水酸化ニッケル+二酸化マンガン)中の二酸化マンガンの添加割合(質量%)を下記表1に示す。なお、二酸化マンガン添加割合は、下記式により算出した。
二酸化マンガン添加割合={WMn/(WNi+WMn)}×100
Mnは二酸化マンガンの質量で、WNiはオキシ水酸化ニッケルの質量であり、(WNi+WMn)の値を120質量部として算出した。
また、ゲル状負極を以下に説明する方法で作製した。
インジウム0.06質量%、ビスマス0.014質量%及びアルミニウム0.0035質量%を含む亜鉛合金粉末を300質量部と、40%KOH水溶液に酸化亜鉛を飽和溶解させた電解液を190質量部と、ポリアクリル酸ナトリウムからなる増粘剤を5質量部とを混合することによりゲル状負極を調製した。
得られた正極合剤とゲル状負極を使用することにより、前述した図1に示す構造を有するJIS規格LR6形(単3形)のアルカリ電池を組立てた。
(実施例2〜13及び比較例1〜20)
Zn固溶量、Co固溶量、高次コバルト酸化物での被覆の有無、二酸化マンガン添加割合を下記表1〜3に示すものにすること以外は実施例1と同様にしてJIS規格LR6形(単3形)のアルカリ電池を組立てた。
(実施例14)
オキシ水酸化ニッケル1molに対してZn、Coがそれぞれ2×10-3mol固溶したオキシ水酸化ニッケル粒子を作製した。こうして得られた平均粒径10μmのオキシ水酸化ニッケル粒子72質量部に、電解二酸化マンガンを48質量部と、導電剤の黒鉛7質量部とを加え、平均粒径が5μmのポリエチレンを正極活物質に対して1000ppm加え、酸化エルビウム0.36質量部を加えてから乾式攪拌を10分間、回転数300rpmで行った後、練液である40質量%の水酸化カリウム水溶液6.2質量部を加え、湿式攪拌を回転数600rpmで10分間行って攪拌合剤とした。続いてこの攪拌合剤を圧縮強度200kg/mm2で圧粉を行い、薄片状態のものを作製した。さらに、分級機を用いて薄片状態のものを破砕することにより顆粒合剤を製作した。
その後、一定重量、一定寸法の正極合剤を成形し、正極缶内部に挿入した。続いて、正極合剤と正極缶との密着を図るために再加圧を施した。正極活物質(オキシ水酸化ニッケル+二酸化マンガン)中の二酸化マンガンの添加割合(質量%)と、正極活物質に対する酸化エルビウム添加割合(質量%)とを下記表4に示す。二酸化マンガンの添加割合は前述した式により算出した。なお、酸化エルビウム添加割合は、正極活物質の総量を120質量部とした際の酸化エルビウム添加量(例えば0.36質量部)を用いて算出した。
得られた正極合剤を使用すること以外は、前述した実施例1と同様にしてJIS規格LR6形(単3形)のアルカリ電池を組立てた。
(実施例15〜41)
Zn固溶量、Co固溶量、高次コバルト酸化物での被覆の有無、二酸化マンガン添加割合、酸化エルビウム添加割合を下記表4〜5に示すものにすること以外は実施例14と同様にしてJIS規格LR6形(単3形)のアルカリ電池を組立てた。
以上のようにして組立てたLR6形アルカリ電池について、初度1000mW/1.0Vcut放電、60℃20日間貯蔵後1000mW/1.0Vcut放電、初度150mA/0.8Vcut放電試験をn=6で実施した。その結果を表1〜5に示す。
Figure 2007073242
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表1〜3から明らかなように、オキシ水酸化ニッケル1molに対するCo固溶量が2×10-3molより少ないか、2×10-2molより多い比較例1〜4の電池は、初度重負荷放電特性及び高温貯蔵後放電維持率が実施例1〜13の電池に比較して低かった。この結果から、オキシ水酸化ニッケル1molに対するCo固溶量は2×10-3〜2×10-2molの範囲内にすることが望ましい。
オキシ水酸化ニッケル1molに対するZn固溶量が2×10-3molより少ないか、6×10-3molより多い比較例5〜8の電池は、高温貯蔵後放電維持率が実施例1〜13の電池に比して劣っていた。この結果から、オキシ水酸化ニッケル1molに対するZn固溶量は2×10-3〜6×10-3molの範囲内にすることが望ましい。
二酸化マンガンの添加割合が40質量%未満の比較例9〜13,19の電池は、高温貯蔵後放電維持率が実施例1〜13に比して小さく、一方、二酸化マンガンの添加割合が60質量%を超えている比較例14〜18の電池は、初度重負荷放電特性が実施例1〜13に比して劣っていた。よって、二酸化マンガンの添加割合は40〜60質量%の範囲にすることが望ましい。
Zn固溶量及びCo固溶量が実施例13と等しいオキシ水酸化コバルト粒子の表面を高次コバルト酸化物で被覆している比較例20の電池は、初度軽負荷放電特性が実施例1〜13に比較して低かった。
これらの結果から、オキシ水酸化ニッケル1molに対するZn固溶量が2×10-3〜6×10-3molで、Co固溶量が2×10-3〜2×10-2molで、コバルト高次酸化物を被覆していないオキシ水酸化ニッケルを用い、添加する二酸化マンガンの添加割合を正極活物質に対して40〜60質量%とすることで、初度重負荷放電特性、高温貯蔵後放電維持率、初度軽負荷放電特性が良好な汎用性のある電池を実現できることが理解できる。
また、表4,5から、正極合剤中に酸化エルビウムを正極活物質に対して0.3〜1質量%含有させた実施例14〜39の電池は、酸化エルビウム添加量が1質量%を超える実施例40の電池に比して優れた初度重負荷放電特性と初度軽負荷放電特性を有し、かつ酸化エルビウム添加量が0.3質量%未満の実施例40の電池に比較して高温貯蔵後放電維持率に優れることが分った。
以上説明したとおり、本発明によれば、重負荷放電特性を損なわず、高温貯蔵後の放電維持率及び軽負荷放電特性を向上でき、製品品質上、信頼性の高いアルカリ電池を提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明のアルカリ電池の一実施形態を示す模式的な断面図。
符号の説明
1…正極缶、2…正極端子、3…ビード部、4…正極合剤、5…セパレータ、6…ゲル状負極、7…パッキング、8…負極集電棒、9…金属ワッシャー、10…負極端子板。

Claims (4)

  1. オキシ水酸化ニッケル1molに対してZn及びCoが、それぞれ、2×10-3〜6×10-3mol、2×10-3〜2×10-2mol固溶しているオキシ水酸化ニッケル粒子と、40〜60質量%の二酸化マンガンとから構成された正極活物質を含む正極合剤と、
    亜鉛を含有するゲル状負極と
    を具備することを特徴とするアルカリ電池。
  2. 前記正極合剤は酸化エルビウムをさらに含有することを特徴とする請求項1記載のアルカリ電池。
  3. 酸化エルビウムの量は前記正極活物質に対して0.3〜1質量%であることを特徴とする請求項2記載のアルカリ電池。
  4. 前記正極合剤は円筒形状を有し、その内周面で囲まれた空間内に前記ゲル状負極がセパレータを介して配置されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のアルカリ電池。
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