JP2007056786A - 排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタへの排気ガスの流れを切替弁にて制限してフィルタを再生する方式の排気浄化装置において、フィルタの再生処理を行う際に、フィルタ内部の過度の温度上昇を抑制する。
【解決手段】排気通路の一部を形成する筒状のハウジング10内が仕切板にて2つの流路1a,1bに区画され、その各流路のそれぞれに排気ガス中の排気微粒子を捕集するフィルタ(DPF2a,2b)が配設されており、フィルタ再生処理時に切替弁4によって2つの流路のいずれか一方の流路を選択的に閉鎖する排気浄化装置において、ヒータ3a,3bをフィルタ(DPF2a,2b)の外周部を昇温するように配設することで、フィルタ内部と外周部との温度差を少なくして、フィルタ内部の温度が過度に上昇することを抑制する。
【選択図】図2
【解決手段】排気通路の一部を形成する筒状のハウジング10内が仕切板にて2つの流路1a,1bに区画され、その各流路のそれぞれに排気ガス中の排気微粒子を捕集するフィルタ(DPF2a,2b)が配設されており、フィルタ再生処理時に切替弁4によって2つの流路のいずれか一方の流路を選択的に閉鎖する排気浄化装置において、ヒータ3a,3bをフィルタ(DPF2a,2b)の外周部を昇温するように配設することで、フィルタ内部と外周部との温度差を少なくして、フィルタ内部の温度が過度に上昇することを抑制する。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の排気を浄化する装置に関し、さらに詳しくは、ディーゼルエンジンの排気をパティキュレートフィルタを用いて浄化する排気浄化装置に関する。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関を駆動したときに排出される排気ガス中には、そのまま大気に排出することが好ましくない物質が含まれている。特に、ディーゼルエンジンの排気ガス中には、カーボンを主成分とするパティキュレート(以下、PM(Particulate Matter)という)、SOOT(煤)、SOF(可溶性有機成分:Soluble Organic Fraction)などが含まれており、大気汚染の原因になる。
排気ガス中に含まれるPMを浄化する装置としては、パティキュレートフィルタをディーゼルエンジンの排気通路に設け、排気通路を通過する排気ガス中に含まれるPMを捕集することによって、大気中に放出されるエミッションの量を低減する排気浄化装置が知られている。パティキュレートフィルタとしては、例えばDPF(Diesel Particulate Filter)や、DPNR(Diesel Particulate−NOx Reduction system)触媒が用いられている。
ところで、パティキュレートフィルタを用いてPMの捕集を行う場合、捕集したPMの堆積量が多くなるとパティキュレートフィルタの詰まりが生じる。このようなフィルタの詰まりが生じると、パティキュレートフィルタを通過する排気ガスの圧力損失が増大し、これに伴うエンジンの排気背圧増大によってエンジン出力低下や燃費の低下が発生する。このため、パティキュレートフィルタを再生処理する必要がある。
パティキュレートフィルタの再生処理としては、パティキュレートフィルタに捕集されたPMの捕集量(堆積量)を検出し、捕集量がある程度の量に到達したときに、排気系への燃料添加や吸入空気量の制限により排気温度を上昇させてパティキュレートフィルタ上のPMの酸化(燃焼)を促進する方法が主流である。
しかしながら、パティキュレートフィルタにおいて、PMの酸化を促進するために、排気系に燃料を添加したり、吸入空気を絞って空燃比を下げることにより排気温度を上げる方法では、以下の問題がある。
(1)排気系への燃料添加や吸入空気量の制限を行うと、実質的な圧縮比が低下して、ディーゼルエンジンの利点である燃焼効率も低下し、燃費が著しく悪化する。また、リッチ燃焼に伴って燃焼速度も低下する。さらに、圧縮比低下に伴って有効仕事も低下する。
(2)低外気温や高地低圧下では、エンジン運転負荷領域によっては失火が伴い、排気系への燃料添加や吸入空気量の制限による排気温アップを適用できない状況が発生する。このような状況が長く続くと、パティキュレートフィルタに多量のPMが堆積し、次に再生するときに異常燃焼を誘発し、パティキュレートフィルタが損傷する危険性が高まる。また、低温・低圧下では圧縮端の温度自体が低下し、圧縮着火自体が不安定になったり、未燃ガスの増加を生じ、正味熱効率の悪化を生じる。
(3)フィルタ再生効率について言及すると、燃料添加と吸気絞りに依存した再生条件下では、温度上昇に過剰な酸素が消費され、PMを効率的に酸化するには十分な酸素量が
供給されない状況になる。PM酸化効率は、雰囲気温度と酸化濃度に比例するため、昇温に消費される酸素量が多くなると、PMの酸化速度も低下する。
供給されない状況になる。PM酸化効率は、雰囲気温度と酸化濃度に比例するため、昇温に消費される酸素量が多くなると、PMの酸化速度も低下する。
(4)フィルタ再生時のエンジンからの排出エミッションについて言及すると、通常、排気系に燃料添加する場合、多くのハイドロカーボン(HC)の発生を伴い、それを酸化するためにも酸素が消費されてしまうのでPMの酸化効率が低下する。
以上のような問題を考慮して、パティキュレートフィルタに捕集したPMをヒータを用いて処理する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の排気ガス処理装置は、ケーシング内を仕切板で2つの処理室に分割し、その各処理室にそれぞれ多孔質セラミックスのフィルタを積層状態で配設するとともに、各処理室の積層フィルタ間にヒータを設けている。そして、切替弁の切替操作により上記2つの処理室の一方を開放して排気ガス中のPMを捕集し、他方の処理室を閉鎖して僅かな排気ガスを流した状態で、ヒータによってフィルタを加熱することにより、捕集したPMを処理する構造となっている。
特開平6−221135号公報
ところで、特許文献1に記載の排気ガス処理装置によれば、各処理室に積層したフィルタの全体を加熱する構成であるため、PMの酸化熱等がこもり易いフィルタ内部(中央部)の温度がフィルタ外周部に対して高くなり、フィルタ内部と外周部との間においてPMの酸化速度に差が生じてPMの酸化が不均一となる。さらに、熱がこもり易いフィルタ内部の温度が過度に上昇する可能性があり、場合によってはフィルタが焼損するおそれがある。
本発明は、そのような実情を考慮してなされたもので、フィルタへの排気ガスの流れを切替弁にて制限した状態でヒータ加熱によりフィルタを再生する方式の排気浄化装置において、パティキュレートフィルタに蓄積されたPMを効率的に酸化することができ、しかも、フィルタの再生処理時におけるフィルタの過度の温度上昇を抑制することを目的とする。
本発明は、排気通路に配設され、排気ガス中の排気微粒子を捕集するフィルタと、前記フィルタの上流側に配設されたヒータとを備えた排気浄化装置において、前記フィルタの上流側に、当該フィルタへの排気ガスの流れを制限する切替弁が配設されているとともに、前記ヒータは前記フィルタの外周部を昇温するように配設されていることを特徴としている。
本発明の具体的な構成として、排気通路の一部を形成する筒状のハウジング内を仕切板にて2つの流路に区画し、その各流路のそれぞれに排気ガス中の排気微粒子を捕集するフィルタを配設するとともに、前記フィルタの上流側に、前記2つの流路のいずれか一方の流路を選択的に閉鎖する切替弁とヒータとを設け、前記ヒータを前記フィルタの外周部を昇温するように配設する、という構成を挙げることができる。
本発明によれば、フィルタの上流側に切替弁を配設しているので、その切替弁の切替操作により、例えば、排気通路に配設した2つのフィルタ(DPF)のいずれか一方のフィルタへの排気ガスの流れを制限(遮断)し、その排気ガス流れの制限を行っている側のフィルタをヒータにて加熱することにより、捕集されたPMを迅速かつ効率的に酸化するこ
とができる。また、他方のフィルタについても、同様に切替弁の切替操作とヒータ加熱により、捕集されたPMを迅速かつ効率的に酸化することができる。
とができる。また、他方のフィルタについても、同様に切替弁の切替操作とヒータ加熱により、捕集されたPMを迅速かつ効率的に酸化することができる。
しかも、本発明では、フィルタの各部位のうち、伝熱により冷却され易いフィルタ外周部を昇温するようにヒータを配設しているので、切替弁にて排気ガス流れの制限を行っている側のフィルタの再生処理時において、フィルタ内部と外周部との温度差を少なくすることができ、PMの酸化を均一にすることができる。さらに、ヒータにてフィルタ外周部を優先的に加熱することにより、フィルタ内部にはヒータからの熱が直接作用することが少なくなり、PM酸化熱等によりフィルタ内部の温度が緩やかに昇温するので、フィルタ内部の過度の温度上昇を抑制することができる。
本発明において、切替弁に通気孔を設け、当該切替弁にて排気ガスの流れを制限している状態のときに、前記通気孔がフィルタの外周部に配設されるように構成してもよい。このような通気孔を設けておけば、フィルタの再生処理時において、フィルタ外周部に排気ガスを集中させることができるので、フィルタ外周部をより効率的に昇温することができる。さらに、フィルタ内部への排気ガス流れを制限することができ、フィルタ内部の過度の温度上昇をより効果的に抑制することができる。
本発明において、切替弁にて排気ガスの流れを制限している状態のときに、通気孔がヒータの上流側正面に配設されるように構成すれば、通気孔を通過した排気ガスを迅速かつ効率的に加熱することができる。
本発明において、切替弁にて排気ガスの流れを制限している状態のときに、フィルタの内部側への排気ガスの流れを制限する遮蔽部を切替弁に設けておけば、フィルタ内部の過度の温度上昇を更に効果的に抑制することができる。
本発明によれば、フィルタへの排気ガスの流れを切替弁にて制限した状態でヒータ加熱によりフィルタを再生する方式の排気浄化装置において、フィルタ外周部を優先して昇温するようにヒータを配設しているので、パティキュレートフィルタに蓄積されたPMを効率的に酸化することができる。しかも、フィルタの再生処理時にフィルタ内部の温度が過度に上昇することを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の排気浄化装置をディーゼルエンジンに適用した例を模式的に示す構成図である。
−エンジン−
まず、ディーゼルエンジンの概略構成を図1を参照しながら説明する。
まず、ディーゼルエンジンの概略構成を図1を参照しながら説明する。
この例のディーゼルエンジン100(以下、「エンジン100」という)は、例えば4気筒直噴エンジンである。
エンジン100には、インテークマニホールド101とエキゾーストマニホールド102とが接続されている。インテークマニホールド101には吸気管110が接続されており、エキゾーストマニホールド102には排気管120が接続されている。排気管120には、本発明の実施形態である排気浄化装置1が設けられている。
エンジン100には、排気圧を利用して吸入空気を過給するターボチャージャ103が設けられている。ターボチャージャ103は、排気管120に配設されたタービン131と、吸気管110に配設されたコンプレッサ132によって構成されており、排気管120に設置のタービン131が排気のエネルギによって回転し、これに伴って吸気管110に設置のコンプレッサ132が回転する。そして、コンプレッサ132の回転により吸入空気が過給され、エンジン100の各気筒に過給空気が強制的に送り込まれる。なお、吸気管110には、コンプレッサ132にて圧縮されて高温となった吸入空気を冷却するためのインタークーラ104が設けられている。
さらに、エンジン100には、エンジン出力や減速時の車輪の回転を利用して発電を行う発電機105が設けられており、この発電機105からの電力供給によってバッテリ106の充電が行われる。発電機105とバッテリ106との間には、発電電流を検知する電流計107(図4参照)が接続されている。
−排気浄化装置−
次に、排気浄化装置1について図1〜図3を参照しながら説明する。
次に、排気浄化装置1について図1〜図3を参照しながら説明する。
この例の排気浄化装置1は、エンジン100の排気管120に接続され、排気通路の一部を形成するハウジング10を備えている。ハウジング10内には、当該ハウジング10の長手方向(排気ガスの流れ方向)に沿って延びる仕切板1cが設けられており、この仕切板1cによってハウジング10の内部が2段に区画され、ハウジング10内に第1の流路1aと第2の流路1bの2つの流路が形成されている。これら2つの流路1a,1b内にはそれぞれ半円筒形状のDPF2a,2bが配設されている。DPF2a,2bは、多孔質のセラミック構造体からなるフィルタであり、排気ガス中のPMは多孔質の壁を通過する際に捕集される。
第1の流路1a及び第2の流路1bにはそれぞれヒータ3a,3bが設けられている。これらヒータ3a,3bはそれぞれDPF2a,2bの上流側端面に配設されている。さらに、各ヒータ3a,3bは、DPF2a,2bの外周部を集中して加熱することができるように円弧状に配設されている。
第1の流路1a及び第2の流路1bの上流側には排気ガスの流れを制御する切替弁4が配設されている。切替弁4は、図2に示すように、半円板形状の弁体41と、この弁体41を支持する回転軸42を備えている。回転軸42は仕切板1cの上流側端部に設けられている。回転軸42にはモータ等のアクチュエータ43が連結されており、そのアクチュエータ43の駆動により、弁体41を、図1及び図3(A)に示す第1の流路1aを閉鎖する位置、図1の2点鎖線で示す中立位置(弁体41が排気ガスの流れ方向と平行となる位置)、または、図3(B)に示す第2の流路1bを閉鎖する位置のいずかの位置に選択的に配置することができる。このような切替弁4の位置調整つまりアクチュエータ43の駆動はECU(電子制御ユニット)200によって制御される。
切替弁4の弁体41には、図2及び図3に示すように、複数の通気孔41a・・41aが設けられている。通気孔41a・・41aは、弁体41の外周部に沿って円弧状に配設されており、これら通気孔41a・・41aの内側に円弧状の遮壁41b,41bが設けられている。遮壁41bは弁体41の両面のそれぞれに設けられている。
以上の通気孔41a及び遮壁41bの位置関係について説明すると、図2(A)及び図3(A)に示すように、弁体41を第1の流路1aを閉鎖する位置に配置した状態で、通気孔41a・・41aがDPF2aの外周部に位置するとともに、通気孔41a・・41aがヒータ3aの上流側正面となる位置に配設される。さらに、弁体41の遮壁41bの
先端が、第1の流路1aのDPF2aの上流側端面に接触する。また、図2(B)及び図3(B)に示すように、弁体41を第2の流路1bを閉鎖する位置に配置した状態で、通気孔41a・・41aがDPF2bの外周部に位置するとともに、通気孔41a・・41aがヒータ3bの上流側正面となる位置に配設される。さらに、弁体41の遮壁41bの先端が、第2の流路1bのDPF2bの上流側端面に接触する。
先端が、第1の流路1aのDPF2aの上流側端面に接触する。また、図2(B)及び図3(B)に示すように、弁体41を第2の流路1bを閉鎖する位置に配置した状態で、通気孔41a・・41aがDPF2bの外周部に位置するとともに、通気孔41a・・41aがヒータ3bの上流側正面となる位置に配設される。さらに、弁体41の遮壁41bの先端が、第2の流路1bのDPF2bの上流側端面に接触する。
一方、排気浄化装置1には、図1に示すように、第1の流路1a内に配設されたDPF2aの外周面とハウジング10の内周面との間に、3つの熱抵抗体51a,52a,53aからなる温度検知センサ5aが埋設されている。これらの熱抵抗体51a,52a,53aは、排気ガスの流れ方向の上流部・中央部・下流部に設置されている。
また、同様に、第2の流路1b内に配設されたDPF2bの外周面とハウジング10の内周面との間に、3つの熱抵抗体51b,52b,53bからなる温度検知センサ5bが埋設されている。これらの熱抵抗体51b,52b,53bは、排気ガスの流れ方向の上流部・中央部・下流部に設置されている。
−ヒータの制御系−
排気浄化装置1に設置したヒータ3a,3bの制御系の構成について図4を参照しながら説明する。
排気浄化装置1に設置したヒータ3a,3bの制御系の構成について図4を参照しながら説明する。
まず、第1の流路1aに設置のヒータ3aの一方の端子と、第2の流路1bに設置のヒータ3bの一方の端子とは共通の端子となっており、これらヒータ3a,3bの共通端子はバッテリ106のプラス端子に接続されている。ヒータ3a,3bの共通端子には、電流検出部6及び各ヒータ3a,3bへの通電を強制的に遮断する電源遮断回路74が接続されている。
第1の流路1aに設置のヒータ3aの他方の端子はトランジスタ71aのエミッタに接続されており、このトランジスタ71aのベースに入力される制御電流に応じて第1の流路1aに設置のヒータ3aへの通電量が制御される。同様に、第2の流路1bに設置のヒータ3bの他方の端子はトランジスタ71bのエミッタに接続されており、このトランジスタ71bのベースに入力される制御電流に応じて第2の流路1bに設置のヒータ3bへの通電量が制御される。
第1の流路1aに設置の温度検知センサ5aを構成する3つの熱抵抗体51a,52a,53aは直列に接続されており、これら3つの熱抵抗体51a,52a,53aの各抵抗値の合計と温度検知センサ5aの合成抵抗値とは等しくなっている。このように各熱抵抗体を直列に接続することにより、並列に接続する場合と比較して配線系統を簡素化できる。そして、温度検知センサ5aの一方の端子には所定の電圧V1が印加されており、他方の端子はトランジスタ71aのベースに接続されている。さらに、温度検知センサ5aの他方の端子には、ヒータ3aへの通電・非通電を切り替えるための切替回路72a及びプルダウン抵抗器73aが接続されている。
同様に、第2の流路1bに設置の温度検知センサ5bを構成する3つの熱抵抗体51b,52b,53bは直列に接続されており、これら3つの熱抵抗体51b,52b,53bの各抵抗値の合計と温度検知センサ5bの合成抵抗値とは等しくなっている。このように各熱抵抗体を直列に接続することにより、並列に接続する場合と比較して配線系統を簡素化できる。そして、温度検知センサ5bの一方の端子には所定の電圧V1が印加されており、他方の端子はトランジスタ71bのベースに接続されている。さらに、温度検知センサ5bの他方の端子には、ヒータ3bへの通電・非通電を切り替えるための切替回路72b及びプルダウン抵抗器73bが接続されている。
以上の2つのトランジスタ71a,71b、2つの切替回路72a,72b、2つのプルダウン抵抗器73a,73b、及び、電源遮断回路74によってヒータ制御回路7が構成されており、このヒータ制御回路7の切替回路72a,72b及び電源遮断回路74の各動作はECU200によって制御される。
−ECU−
ECU200は、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMなどを備えている。ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、エンジン100の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU200は、CPU、ROM、RAM及びバックアップRAMなどを備えている。ROMは、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMは、エンジン100の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
そして、ECU200は、エンジン100に配置された各種センサの検出信号に基づいて、エンジン100の各種制御を実行する。
また、ECU200は、電流検出部6からの信号による各ヒータ3a,3bの消費電流の検知、電流計107からの信号による発電機105の発電量の検知、発電機105による発電量の制御などを実行する。例えば、ECU200は、車両の減速時等において発電機105を作動させることにより、車輪の回転力を電気エネルギに変換してバッテリ106に回収する。また、各ヒータ3a,3bへの通電によって消費される電力と発電機105によって発電される電力との収支を算出し、バッテリ106の充電量が不足する場合には、エンジン出力等を利用して発電機105を作動させることにより、各ヒータ3a,3bに十分な量の電力を供給できるように制御する。
さらに、ECU200は、排気浄化装置1の切替弁4の駆動制御、DPF2a,2bに捕集されたPMの堆積量の推定処理、並びに、DPF2a,2bの再生処理(ヒータ通電制御も含む)などを実行する。その詳細を以下に説明する。
−DPFの再生処理−
まず、ECU200は、DPF2a,2bの再生処理を行わないときには、通常、切替弁4の弁体41を中立位置に配置しており、排気浄化装置1の2つのDPF2a,2bにそれぞれ排気ガスを流して排気ガス中のPMを捕集するようになっている。このようなPM捕集中にECU200は、DPF2a,2bへのPMの堆積量を推定している。
まず、ECU200は、DPF2a,2bの再生処理を行わないときには、通常、切替弁4の弁体41を中立位置に配置しており、排気浄化装置1の2つのDPF2a,2bにそれぞれ排気ガスを流して排気ガス中のPMを捕集するようになっている。このようなPM捕集中にECU200は、DPF2a,2bへのPMの堆積量を推定している。
PM堆積量の推定する方法としては、例えば、エンジン100の運転状態(例えば排気温度、燃料噴射量、エンジン回転数等)に応じたPM付着量を予め実験等により求めてマップ化しておき、このマップにより求められるPM付着量を積算してPMの堆積量とする方法や、車両走行距離もしくは走行時間に応じてPMの堆積量を推定する方法、あるいは排気浄化装置1にDPF2a,2bの上流側圧力と下流側圧力との差圧を検出する差圧センサを設け、そのセンサ出力に基づいてDPF2a,2bに捕集されたPMの堆積量を推定する方法などが挙げられる。
そして、ECU200は、PM推定量が所定の基準値(限界堆積量)以上となったときにDPF2a,2bの再生時期であると判定して、DPF2a,2bの再生処理を開始する。
再生処理を開始すると、ECU200は、排気浄化装置1の切替弁4を駆動して弁体41を第1の流路1aを閉鎖する位置に配置するとともに、ヒータ制御回路7の切替回路7
2a,72bを制御して第1の流路1a側のヒータ3aに所定時間だけ通電を行う。
2a,72bを制御して第1の流路1a側のヒータ3aに所定時間だけ通電を行う。
このように、切替弁4で第1の流路1aを閉鎖した状態では、図2(A)及び図3(A)に示すように、弁体41の通気孔41a・・41aがDPF3aの外周部に配設されるとともに、各通気孔41a・・41aがヒータ3aの上流側正面に位置する。さらに、弁体41の円弧状の遮壁41bの先端がDPF3aの上流側端面に接触する。従って、第1の流路1aを切替弁4にて閉鎖した状態では、第1の流路1aに向かう排気ガスは、通気孔41a・・41aを通過した後、ヒータ3aにて加熱された状態でDPF2aの外周部を通過するようになるので、DPF2aの外周部を効率良く昇温することができる。その結果として、DPF2aの全体を全体を均一に加熱すること可能となり、PMの酸化を均一にすることができる。しかも、DPF2aの内部(中央部)への排気ガス流れは遮壁41bにて遮断されるので、DPF2aの内部の温度が過度に上昇することを抑制することができる。さらに、DPF2aへの排気ガスの流量を通気孔41a・・41aによって制限した上で、排気ガスをヒータ3aにて加熱しているので、排気ガスを効率良く加熱することができ、再生処理に要する電力量を低減することが可能になる。
なお、再生処理中のヒータ3aへの通電時間は、PM堆積量の基準値(限界堆積量)などに基づいて、DPF2aに捕集されたPMを十分に減少させるのに必要な時間が設定されている。
そして、以上のようにして、第1の流路1aのDPF1aの再生が終了すると、ECU200は、排気浄化装置1の切替弁4を駆動して弁体41を第2の流路1bを閉鎖する位置に配置するとともに、ヒータ制御回路7の切替回路72a,72bを制御して第2の流路1b側のヒータ3bに所定時間だけ通電を行う。
このように、切替弁4で第2の流路1bを閉鎖した状態では、図2(B)及び図3(B)に示すように、弁体41の通気孔41a・・41aがDPF3bの外周部に配設されるとともに、各通気孔41a・・41aがヒータ3bの上流側正面に位置する。さらに、弁体41の円弧状の遮壁41bの先端がDPF3bの上流側端面に接触する。従って、第2の流路1bを切替弁4にて閉鎖した状態では、第2の流路1bに向かう排気ガスは、通気孔41a・・41aを通過した後、ヒータ3bにて加熱された状態でDPF2bの外周部を通過し、DPF2bの中央部への排気ガス流れは遮壁41bによって遮断される。その結果として、上記した第1の流路1aのDPF1aの場合と同じ効果を達成することができる。
なお、再生処理中のヒータ3bへの通電時間やヒータ3bの通電制御については、第1の流路1aのDPF1aの場合と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
−ヒータ通電制御−
まず、排気浄化装置1の各DPF1a,1bの再生処理中において、DPF2a,2bの温度は、ヒータ3a,3bによる加熱とPMの酸化熱とによって上昇する。このとき、例えば、推定されたPM捕集量よりも実際のPM捕集量の方が多い場合、多量のPMが酸化されてしまうため、上記したヒータ3a,3bをDPF2a,2bの外周部に配設するという構成を採用していても、DPF2a,2bの温度が過度に上昇する可能性がある。これを回避するため、この例では、温度検知センサ5a、5bの出力に基づいて各ヒータ3a,3bの通電制御(または遮断)を実施している。
まず、排気浄化装置1の各DPF1a,1bの再生処理中において、DPF2a,2bの温度は、ヒータ3a,3bによる加熱とPMの酸化熱とによって上昇する。このとき、例えば、推定されたPM捕集量よりも実際のPM捕集量の方が多い場合、多量のPMが酸化されてしまうため、上記したヒータ3a,3bをDPF2a,2bの外周部に配設するという構成を採用していても、DPF2a,2bの温度が過度に上昇する可能性がある。これを回避するため、この例では、温度検知センサ5a、5bの出力に基づいて各ヒータ3a,3bの通電制御(または遮断)を実施している。
そのヒータ制御について以下に説明する。なお、第1の流路1aのDPF1aの再生処理中のヒータ制御と、第2の流路1bのDPF2bの再生処理中のヒータ制御とは同じであるので、以下、第1の流路1aのDPF1aのヒータ制御を例に挙げて説明する。
第1の流路1aのDPF1aの再生処理中において、温度検知センサ5aを構成する3つの熱抵抗体51a,52a,53aのうち、少なくとも1つ熱抵抗体の周囲温度(DPF2aの局部的な温度)が予め規定された温度よりも高くなると、その熱抵抗体(例えば熱抵抗体51a)の抵抗値が急激に増大し、これに伴って温度検知センサ5aの合成抵抗値も急激に増大する。このような状況になると、トランジスタ71aのベースに入力される制御電流が変化してヒータ3aへの通電量が制限される。これによってヒータ3aによる加熱分が抑えられてDPF2aの過度の温度上昇が抑制される。
さらに、この例では、DPF2aの再生処理中においてECU200は、電流検出部6からの信号に基づいてヒータ3aの消費電流の検知しており、その消費電流が規定値以上となったときには、ヒータ制御回路7の電源遮断回路74を駆動して、ヒータ3aへの通電を強制的に遮断することによりヒータ3aを保護している。
−他の実施形態−
以上の例では、切替弁4の弁体41に通気孔41aを設けているが、これに替えて通気用の切欠きを設けてもよい。
以上の例では、切替弁4の弁体41に通気孔41aを設けているが、これに替えて通気用の切欠きを設けてもよい。
以上の例では、切替弁4の弁体41に円弧状の遮壁41bを設けているが、これに替えて、例えば図5に示すように弁体141に半円形状の遮蔽凸部141bを設けてもよい。
以上の例では、パティキュレートフィルタとしてDPFを用いているが、本発明はこれに限られることなく、DPNR触媒を用いた排気浄化装置にも適用することができる。
以上の例では、本発明の排気浄化装置を筒内直噴4気筒ディーゼルエンジンに適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、例えば筒内直噴6気筒ディーゼルエンジンなど他の任意の気筒数のディーゼルエンジンにも適用できる。また、筒内直噴ディーゼルエンジンに限られることなく、他のタイプのディーゼルエンジンにも本発明を適用することは可能である。
1 排気浄化装置
10 ハウジング
1a 第1の流路
1b 第2の流路
1c 仕切板
2a,2b DPF
3a,3b ヒータ
4 切替弁
41 弁体
41a 通気孔
41b 遮壁
42 回転軸
43 アクチュエータ
100 エンジン(ディーゼルエンジン)
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1a 第1の流路
1b 第2の流路
1c 仕切板
2a,2b DPF
3a,3b ヒータ
4 切替弁
41 弁体
41a 通気孔
41b 遮壁
42 回転軸
43 アクチュエータ
100 エンジン(ディーゼルエンジン)
Claims (4)
- 排気通路に配設され、排気ガス中の排気微粒子を捕集するフィルタと、前記フィルタの上流側に配設されたヒータとを備えた排気浄化装置において、
前記フィルタの上流側に、当該フィルタへの排気ガスの流れを制限する切替弁が配設されているとともに、前記ヒータは前記フィルタの外周部を昇温するように配設されていることを特徴とする排気浄化装置。 - 請求項1記載の排気浄化装置において、
前記切替弁に通気孔が設けられており、当該切替弁にて排気ガスの流れを制限している状態のときに、前記通気孔が前記フィルタの外周部に配設されることを特徴とする排気浄化装置。 - 請求項2記載の排気浄化装置において、
前記切替弁にて排気ガスの流れを制限している状態のときに、前記通気孔が前記ヒータの上流側正面に配設されることを特徴とする排気浄化装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の排気浄化装置において、
前記切替弁には、前記通気孔の内側に遮蔽部が設けられており、当該切替弁にて排気ガスの流れを制限している状態のときに、前記遮蔽部により前記フィルタの内部側への排気ガスの流れを制限するように構成されていることを特徴とする排気浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005243695A JP2007056786A (ja) | 2005-08-25 | 2005-08-25 | 排気浄化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005243695A JP2007056786A (ja) | 2005-08-25 | 2005-08-25 | 排気浄化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007056786A true JP2007056786A (ja) | 2007-03-08 |
Family
ID=37920476
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007056786A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012111381A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Daimler Ag | ハイブリッド電気自動車の制御装置 |
KR101456850B1 (ko) * | 2013-07-19 | 2014-10-31 | 삼성중공업 주식회사 | 배기가스 처리장치 |
CN104234789A (zh) * | 2013-06-17 | 2014-12-24 | 福特环球技术公司 | 用于内燃发动机中可移动的排气后处理装置的***和方法 |
EP2113644A3 (de) * | 2008-04-28 | 2016-04-06 | Robert Bosch Gmbh | Optimierung und Aufrechterhaltung der katalytischen Aktivität insbesondere bei niedrigen Abgastemperaturen |
-
2005
- 2005-08-25 JP JP2005243695A patent/JP2007056786A/ja active Pending
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JP2012111381A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Daimler Ag | ハイブリッド電気自動車の制御装置 |
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