JP2007012514A - シールド導電体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 搬送時におけるスペース効率の向上を図る。
【解決手段】 シールドパイプ10には、筒状を保ちつつ軸線の曲率を増減するように塑性変形させることが可能な変形可能部(第1屈曲部12a,第4屈曲部12d,第6屈曲部12f)が設けられている。シールド導電体Aを搬送する際には、シールド導電体Aを包囲する直方形の寸法が小さくなるように変形可能部12a,12d,12fを変形させれば、搬送空間中のデッドスペースを小さくすることができる。搬送後は、変形可能部12a,12d,12fを変形させてシールド導電体Aを所定の配索経路に沿った形状にすればよく、シールド導電体Aは、変形可能部12a,12d,12fの剛性により所定の配索路経路に保たれる。
【選択図】 図5
Description
ところが、シールド導電路が三次元的に屈曲した細長い形状であって、搬送空間はも長さ方向、幅方向及び高さ方向の全てにおいて大きな寸法を有するため、搬送空間のうちシールド導電体が占める容積は僅かであり、搬送空間の大部分はデッドスペースとなる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、搬送時におけるスペース効率の向上を図ることを目的とする。
シールド導電体を搬送する際には、シールド導電体を包囲する直方形の寸法が小さくなるように変形可能部を変形させれば、搬送空間中のデッドスペースを小さくすることができる。また、搬送後は、変形可能部を変形させることにより、シールド導電体を所定の配索経路に沿った形状にすればよく、シールド導電体は、変形可能部の剛性によって所定の配索路経路に保たれる。
変形可能部を変形させるときには、一方の波形のピッチが狭まるように変形するのに伴って、それとは反対側の波形のピッチが広がるように変形するので、シールドパイプの肉厚が極端に変化することがない。したがって、曲げ可能部が曲げ変形によって破壊する虞はない。
変形可能部がシールドパイプと一体に形成されているので、別体部品として成形した変形可能部をシールドパイプに固着するものに比べて、部品数が少なくて済む。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1〜図7を参照して説明する。本実施形態のシールド導電体Aは、一括シールド機能と電線保護機能を兼ね備えるシールドパイプ10と、複数本(本実施形態では3本)のノンシールドタイプの電線20とを備えて構成されている。
シールドパイプ10は、アルミニウム合金製であり、その長さ方向(軸線方向)と直角な横断面形状は真円形をなしている。
電線20は、アルミニウム合金製の単芯線や銅製の撚り線等からなる導体(図示せず)の外周を合成樹脂製の絶縁被覆で包囲した周知の形態のものであり、導体と絶縁被覆はいずれも可撓性を有しているので、電線20は自在に曲げ変形することができる。複数本の電線20はシールドパイプ10内に挿通され、このシールドパイプ10で包囲されることにより一括してシールドされている。尚、電線20の両端部はシールドパイプ10の両端の開口から外部へ所定長さだけ導出されている。
尚、第2屈曲部12bと第3屈曲部12cと第5屈曲部12eは、直線部11a〜11gと同様、軸線方向において径寸法が一定のままであるため、容易に変形させることができないようになっている。
即ち、搬送する際には、図5に実線で示すように、第4屈曲部12dを変形させつつ(第4屈曲部12dを略支点として)第5直線部11eを第3直線部11cと平行をなすように水平面上で右方へ旋回させるように変位させる。この第5直線部11eの水平変位に伴い、第6直線部11fと第7直線部11gが、第5直線部11eと一体となって右方へ水平移動するとともに、第6屈曲部12fが、左右方向において第3直線部11c(第2屈曲部12b及び第3屈曲部12c)とほぼ同じ位置に達する。これにより、図5に実線で示すように、シールド導電体Aの左右寸法Wyは、第2直線部11b及び第4直線部11dの長さとほぼ同じ寸法となり、搬送空間として必要な左右方向の寸法が、変形前の寸法Wxに比べて小さく抑えられる。
また、搬送後は、変形可能部(第1屈曲部12a、第4屈曲部12d、第6屈曲部12f)を元の向き及び元の曲率に復元するように変形させ、シールド導電体Aを所定の配索経路に沿った形状にすればよい。復元後は、シールド導電体Aは、変形可能部(第1屈曲部12a、第4屈曲部12d、第6屈曲部12f)の剛性によって所定の配索路経路に保たれる。
尚、シールド導電体Aの製造時に、変形可能部(第1屈曲部12a、第4屈曲部12d及び第6屈曲部12f)は、直線状のままにしておき、その状態から搬送に好適な配索形状に曲げ変形させてもよい。
また、変形可能部(第1屈曲部12a、第4屈曲部12d及び第6屈曲部12f)が、シールドパイプ10と一体に形成されているので、別体部品として成形した変形可能部をシールドパイプ10に固着するものに比べて、部品数が少なくて済んでいる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では変形可能部が軸線方向に沿って径が交互に増減する波形に形成されているが、本発明によれば、波形以外の形態としてもよい。
(2)上記実施形態では変形可能部を螺旋状としたが、本発明によれば、独立した周方向の突部と独立した周方向の溝が交互に連続する蛇腹状の形態としてもよい。
(3)上記実施形態では変形可能部をシールドパイプに一体に形成したが、本発明によれば、変形可能部をシールドパイプとは別体の部品として成形し、成形済みの変形可能部をシールドパイプに固着してもよい。
(4)上記実施形態ではシールドパイプにおける変形可能部以外の部分に屈曲部を形成した場合について説明したが、本発明によれば、変形可能部以外の部分には屈曲部が形成されない形態としてもよい。
(5)上記実施形態では正規の配索経路において屈曲される部分のみを変形可能部としたが、本発明によれば、正規の配索経路において真っ直ぐの部分を変形可能部とし、真っ直ぐの部分を搬送時に屈曲させてもよい。
(6)上記実施形態では正規の配索経路における屈曲部に変形可能部を形成し、搬送時にも変形可能部を屈曲状に変形させたが、本発明によれば、搬送時に変形可能部を真っ直ぐに変形させてもよい。
(7)上記実施形態ではシールドパイプ及び変形可能部の材質をアルミニウム合金製としたが、本発明によれば、シールドパイプと変形可能部の材質はステンレス合金や銅合金等の他の金属材料としてもよい。
(8)上記実施形態では1本のシールドパイプに設ける変形可能部の数を3つとしたが、本発明によれば、変形可能部の数は2つ以下、または4つ以上としてもよい。
(9)上記実施形態では1本のシールドパイプに3本の電線を挿通したが、本発明によれば、1本のシールドパイプに挿通する電線の本数は、2本以下または4本以上としてもよい。
(10)上記実施形態ではシールドパイプの形状を円形としたが、本発明によれば、シールドパイプの断面形状は非円形(楕円形、長円形等)でもよい。この場合、変形可能部も、シールドパイプと相似形の筒状となる。
12a…第1屈曲部(変形可能部)
12d…第4屈曲部(変形可能部)
12f…第6屈曲部(変形可能部)
20…電線
Claims (4)
- 電線を金属製のシールドパイプで包囲したものであって、
前記シールドパイプには、筒状を保ちつつ軸線の曲率を増減するように塑性変形させることが可能な変形可能部が設けられていることを特徴とするシールド導電体。 - 前記変形可能部は、軸線方向に沿って径が交互に増減する形態の波形に形成されていることを特徴とする請求項1記載のシールド導電体。
- 前記変形可能部が、外周及び内周に螺旋形のネジ山が形成された形態とされていることを特徴とする請求項2記載のシールド導電体。
- 前記変形可能部が、前記シールドパイプと一体に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシールド導電体。
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