JP2006310067A - シールド導電路及びシールド導電路の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電線を端末処理する際の作業効率の向上を図る。
【解決手段】 シールド導電路は、電線10a,10bをシールドパイプ20に挿通し、シールドパイプ20から導出した電線10a,10bの両端部に端末処理部材を取り付けた形態である。電線10a,10bをシールドパイプ20に挿通した後でシールドパイプ20を動かしながら行う端末処理は、作業効率が悪いのであるが、電線10a,10bの挿通前に一方の端部11a,11bにおける端末処理を済ませておき、電線10a,10bの挿通後の端末処理は、電線10a,10bの他方の端部12a,12bに対してのみ行うようにしたので、両方の端部に対して挿通後に端末処理を行う場合に比べると、シールドパイプ20の移動を伴う処理工程が少なく、端末処理全体として作業効率がよい。
【選択図】 図1
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、電線を端末処理する際の作業効率の向上を図ることを目的とする。
電線をシールドパイプに挿通した後でシールドパイプを動かしながら行う端末処理は、作業効率が悪いのであるが、本発明では、電線の挿通前に一方の端部における端末処理を済ませておき、電線の挿通後の端末処理は、電線の他方の端部に対してのみ行うようにしたので、両方の端部に対して挿通後に端末処理を行う場合に比べると、シールドパイプの移動を伴う処理工程が少なくすることができ、端末処理全体として作業効率がよい。
電線をシールドパイプに挿通した後に行う端末処理は、端末処理部品の数が少ないので、作業性がよい。
電線をシールドパイプに挿通した後に行う非分岐側の端末処理は、挿通前に行われる分岐側の端末処理に比べて工数が少なくなる傾向にあるので、作業性の向上が期待できる。
シールドパイプを曲げる際には、電線に対し曲げ部に向かう引張り力が作用するのであるが、本発明では、突出長さが規定されている側の端部に最も近い屈曲部を最初に曲げ加工し、この最初の曲げ工程で形成した屈曲部において電線の長さ方向への変位を規制している。これにより、第2回目以降の曲げ工程で電線に引張力が作用しても、電線における突出長さが規定されている側の端部は移動せず、曲げ加工後も規定の突出長さが保たれる。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図5を参照して説明する。本実施形態のシールド導電路は、6本の電線10a,10bをシールドパイプ20に挿通し、電線10a,10bにおけるシールドパイプ20から外部へ導出された両端部11a,11b,12a,12bに、端末処理部品を取り付けた形態である。
シールドパイプ20は、シールド機能と電線10a,10bの保護機能とを兼ね備えたものであって、金属製(例えば、アルミ合金製)であり、肉厚が一定の真円筒状をなす。シールド導電路の製造前の段階では、シールドパイプ20は一直線状をなしている。また、シールドパイプ20の長さは、電線10a,10bの全長よりも短い寸法とされている。
3本の第1電線10aを束ねて第1ハーネスHaを構成し、この第1ハーネスHaの先処理端部11a(後端部)に端末処理を施して複数の端末処理部品を取り付ける。この先処理端部11aの端末処理に際しては、予めグロメットユニットGuとシールドユニットSuとハーネスユニットHuを製造する。
グロメットユニットGuの製造は、分岐グロメット31(本発明の構成要件である端末処理部品)の後方に延びる第2分岐部31bに第2コルゲートチューブ32b(本発明の構成要件である端末処理部品)の前端部を固着し、第2コルゲートチューブ32bの後端部に第2ゴムブーツ33b(本発明の構成要件である端末処理部品)を固着する工程で行われる。
まず、ハーネスユニットHuを、第2電線10bの後処理端部12b(前端部)を先に向けて後方からグロメットユニットGuの第2ゴムブーツ33b内に挿入し、第2可撓性シールド部材35bを第2コルゲートチューブ32b内に収容するとともに、第2可撓性シールド部材35bの前端部を分岐グロメット31内に収容し、第2電線10bを分岐グロメット31から前方へ導出させ、第2コネクタハウジング36bを第2ゴムブーツ33bの後端部に固着する。
次に、第1ハーネスHaを、前方からグロメットユニットGuに挿入し、第1分岐部31aから後方へ導出させ、この導出部分をシールドユニットSuの第1可撓性シールド部材35a内に挿通し、先処理端部11a(後端部)を第1シールドシェル34aから後方へ導出させ、各第1電線10aの先処理端部11aに図示しない端子金具(本発明の構成要件である端末処理部品)を固着し、この端子金具を第1コネクタハウジング36a(本発明の構成要件である端末処理部品)に収容するとともに、この第1コネクタハウジング36aに第1シールドシェル34aを収容し、第1コネクタハウジング36aを第1ゴムブーツ33aの後端部に固着する。
以上により、シールド導電路の製造が完了する。
電線10a,10bをシールドパイプ20に挿通した後でシールドパイプ20を動かしながら行う端末処理は、作業し難いのであるが、本実施形態では、電線10a,10bの挿通前に後端部(先処理端部11a,11b)における端末処理を済ませておき、電線10a,10bの挿通後の端末処理は、電線10a,10bの前端部(後処理端部12a,12b)に対してのみ行うようにした。したがって、両方の端部に対して挿通後に端末処理を行う場合に比べると、シールドパイプ20の移動を伴う処理工程が少なくすることができ、端末処理全体として作業効率に優れている。
しかし、本実施形態では、電線10a,10bを、突出長さが規定された前端部12a,12bを先に向けてシールドパイプ20に挿通し、シールドパイプ20に対し、電線10a,10bの前端部12a,12bに最も近い屈曲部21aを最初に曲げ加工し、この最初の曲げ加工で形成される屈曲部21aにおいて、電線10a,10bを、シールドパイプ20の内周との摩擦抵抗により長さ方向への移動を規制する状態に保持しているので、第2回目以降の曲げ工程で電線10a,10bに引張力が作用しても、電線10a,10bにおける突出長さが規定されている側の前端部12a,12bは移動せず、曲げ加工後も規定の突出長さが保たれる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態ではシールドパイプに挿通される電線の本数を6本としたが、本発明によれば、シールドパイプに挿通される電線の本数は5本以下でも、7本以上でもよい。
(2)上記実施形態では電線の一方の端部が分岐する形態としたが、本発明は、いずれの端部においても電線が分岐しない形態のシールド導電路や、両方の端部がいずれも分岐している形態のシールド導電路にも適用できる。
(3)上記実施形態では電線が2つに分岐する形態としたが、本発明は、3つ以上に分岐する形態のシールド導電路にも適用できる。
(4)上記実施形態では電線の一方の端部における端末処理部品の数が他方の端部よりも多い形態としたが、本発明は、両方の端部における端末処理部品の数が同じであるシールド導電路にも適用できる。
(5)上記実施形態ではシールドパイプが複数箇所で曲げ加工された形態としたが、本発明は、シールドパイプが曲げ加工されない形態のシールド導電路にもて起用できる。
(6)上記実施形態ではシールドパイプを曲げ加工するに際して、突出長さが規定された側の端部に最も近い屈曲部を最初に形成したが、本発明によれば、突出長さが規定された側の端部に最も近い屈曲部を、2回目以降の曲げ加工で形成してもよい。
(7)上記実施形態では電線を挿通した後でシールドパイプを電線と一緒に曲げ加工したが、本発明によれば、シールドパイプを曲げ加工した後で電線を挿通してもよい。
10b…第2電線
20…シールドパイプ
21a…屈曲部
21b…屈曲部
31…分岐グロメット(端末処理部品)
32a…第1コルゲートチューブ(端末処理部品)
32b…第2コルゲートチューブ(端末処理部品)
33a…第1ゴムブーツ(端末処理部品)
33b…第2ゴムブーツ(端末処理部品)
34a…第1シールドシェル(端末処理部品)
35a…第1可撓性シールド部材(端末処理部品)
35b…第2可撓性シールド部材(端末処理部品)
36a…第1コネクタハウジング(端末処理部品)
36b…第2コネクタハウジング(端末処理部品)
39a…第1端子金具(端末処理部品)
39b…第2端子金具(端末処理部品)
Claims (8)
- 電線がシールドパイプに挿通され、前記シールドパイプから導出した前記電線の両端部に端末処理部品が取り付けられた形態のシールド導電路を製造する方法であって、
前記電線の一方の端部のみに前記端末処理部品を取り付け、
前記電線における前記端末処理部品が取り付けられていない側の未処理端部を先に向けて、前記電線を前記シールドパイプに挿通し、
前記電線の前記未処理端部に、端末処理部品を取り付けることを特徴とするシールド導電路の製造方法。 - 前記電線の一方の端部における前記端末処理部品の数が、前記電線の他方の端部よりも多いシールド導電路を製造する方法であって、
前記端末処理部品の数が多い側の端末処理を、前記シールドパイプへの挿通前に行い、
前記端末処理部品の数が少ない側の端末処理を、前記シールドパイプへの挿通後に行うことを特徴とする請求項1記載のシールド導電路の製造方法。 - 前記電線がその一方の端部において複数に分岐されているとともに、分岐した各端部に対して端末処理部品が取り付けられた形態のシールド導電路を製造する方法であって、
分岐する側の端部の端末処理を、前記シールドパイプへの挿通前に行い、
分岐しない側の端部の端末処理を、前記シールドパイプへの挿通後に行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシールド導電路の製造方法。 - 前記シールドパイプが複数箇所において屈曲され、前記電線の一方の端部は前記シールドパイプからの突出長さが所定寸法に規定された形態のシールド導電路を製造する方法であって、
前記電線を、突出長さが規定された側の端部を先に向けて前記シールドパイプに挿通し、
前記シールドパイプに対し、前記電線の突出長さが規定された側の端部に最も近い屈曲部を最初に曲げ加工し、
最初の曲げ加工で形成される前記屈曲部において、前記電線を、前記シールドパイプの内周との摩擦抵抗により長さ方向への移動を規制する状態に保持することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のシールド導電路の製造方法。 - 電線がシールドパイプに挿通され、前記シールドパイプから導出した前記電線の両端部に端末処理部品が取り付けられた形態のシールド導電路であって、
前記電線の一方の端部には、前記シールドパイプへの挿通前に前記端末処理部品が取り付けられ、
前記電線の他方の端部には、前記シールドパイプに挿通された後で前記端末処理部品が取り付けられていることを特徴とするシールド導電路。 - 前記電線の一方の端部における前記端末処理部品の数が、前記電線の他方の端部よりも多いシールド導電路であって、
前記端末処理部品の数が多い側の端末処理が、前記シールドパイプへの挿通前に行われ、
前記端末処理部品の数が少ない側の端末処理が、前記シールドパイプへの挿通後に行われていることを特徴とする請求項5記載のシールド導電路。 - 前記電線がその一方の端部において複数に分岐されているとともに、分岐した各端部に対して端末処理部品が取り付けられた形態のシールド導電路であって、
分岐する側の端部の端末処理が、前記シールドパイプへの挿通前に行われ、
分岐しない側の端部の端末処理が、前記シールドパイプへの挿通後に行われていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のシールド導電路。 - 前記シールドパイプが複数箇所において屈曲され、前記電線の一方の端部は前記シールドパイプからの突出長さが所定寸法に規定された形態のシールド導電路であって、
前記電線が、突出長さが規定された側の端部を先に向けて前記シールドパイプに挿通され、
前記シールドパイプに対し、前記電線の突出長さが規定された側の端部に最も近い屈曲部が最初に曲げ加工され、
最初の曲げ加工で形成される前記屈曲部においては、前記電線が、前記シールドパイプの内周との摩擦抵抗により長さ方向への移動を規制された状態に保持されていることを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記載のシールド導電路。
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