JP2007009364A - 透明な柔軟仕上げ剤組成物 - Google Patents
透明な柔軟仕上げ剤組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007009364A JP2007009364A JP2005191437A JP2005191437A JP2007009364A JP 2007009364 A JP2007009364 A JP 2007009364A JP 2005191437 A JP2005191437 A JP 2005191437A JP 2005191437 A JP2005191437 A JP 2005191437A JP 2007009364 A JP2007009364 A JP 2007009364A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- transparent
- carbon atoms
- group
- general formula
- quaternary ammonium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Abstract
【課題】優れた柔軟化作用を有すると同時に、原液の状態だけでなく希釈した状態でも透明な柔軟仕上げ剤。
【解決手段】一般式(I)で表わされる第四級アンモニウム塩と、
R1R2R3R4N+X− (I)
(ここで、R1は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基で、R2、R3及びR4は各々独立にメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基の何れかであり、かつその少なくとも一つはヒドロキシエチル基で、X−はアニオン。)次の一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤とを含有し、
R5−(O)nSO3−M (II)
(ここで、R5は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、Mはアルカリ金属又はアンモニウム基であり、nは0または1の数である。)R1とR5の炭素数の合計が22〜32であり、かつ一般式(I)と(II)の化合物の比率がモル比で(I)/(II)=65/35〜90/10である透明な柔軟仕上げ剤組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、繊維製品や衣類の柔軟仕上げのための柔軟仕上げ剤に関する。特に、実際の使用濃度に希釈した場合にも透明性を維持し、かつ繊維製品や衣類に対して良好な柔軟性を付与することのできる透明な柔軟仕上げ剤組成物に関する。
繊維製品や衣類の柔軟仕上げ剤としては、ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩のような長鎖アルキル基を2本有するカチオン性の第四級アンモニウム塩を基剤としたものが従来から広く使用されている。しかし、このような柔軟仕上げ剤は、優れた柔軟化作用を有するが、基剤成分のジ長鎖アルキルジメチルアンモニウム塩の水に対する溶解度が低く、固形分の析出した乳濁状またはスラリー状の液体状態で使用されていた。近年になって、使用する基剤成分や配合を工夫して外観が透明または半透明の種々の柔軟仕上げ剤が提案され、より魅力的な製品として好評を得ている。例えば、1本の長鎖疎水性基を有する特定のアミンまたは第四級アンモニウム化合物とアニオン界面活性剤と特定の有機溶剤とを一定比率で組み合わせて透明な柔軟剤組成物としたもの(例えば、特許文献1参照)や、エステルまたはアミド結合を含む疎水性部分と分岐または不飽和疎水基とを有する布帛柔軟活性剤を使用した透明水性布帛柔軟剤などが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このような従来の外観が透明な柔軟仕上げ剤は、カチオン成分に、例えば疎水性基として一つの長鎖アルキル基若しくはエステルまたはアミド結合を含む疎水性基を有する特定のアミンまたは第四級アンモニウム化合物を使用するものである。このような化合物は、その水に対する溶解性が向上するため、これ単独でも或いは溶剤等を使用することによって透明な外観の溶液とすることができるが、それ自身が十分な柔軟化作用有していない。そのため、このようなカチオン性化合物に特定のアニオン性化合物を組み合わせて配合し、両者のコンプレックスを形成させて、配合した原液で透明でありながら同時に良好な柔軟化作用を有する柔軟仕上げ剤を得ていた。
繊維製品や衣類の柔軟仕上げ剤は、一般的にその原液を水で固形分濃度として0.001〜0.02%程度の濃度に希釈して使用する。そして、従来の柔軟仕上げ剤は、それが原液では透明なものであっても、使用濃度まで希釈した場合には白濁した状態となる。これは特に家庭で使用する場合には、その使用条件においては柔軟基剤の濃度が著しく低いために、効率的に繊維や布帛へ柔軟基剤を吸着させるためにはそれがカチオン性であるとともに、水に対する溶解性を低くして繊維や布帛の表面に柔軟基剤を吸着しやすくさせることが一つの重要な条件になっていたためである。
しかしながら、折角柔軟仕上げ剤として透明または半透明の外観の製品とすることができても、使用状態に希釈したときに白濁するものであっては、その特徴が半減した中途半端な製品であると言わざるを得ない。そこで、優れた柔軟化作用を有すると同時に、製品原液でも、使用状態に希釈したときにも濁ることなく透明または半透明な状態となる柔軟仕上げ剤とすることができれば、より魅力的な特徴を有する商品とすることができるため、このような柔軟仕上げ剤が求められていた。
特開2002−371469号公報
特表平11−507095号公報
本発明は、以上のような従来の柔軟仕上げ剤についての問題点を解決し、優れた柔軟化作用を有すると同時に、原液の状態だけでなく使用条件にまで希釈した状態においても透明な状態となる特徴を有する柔軟仕上げ剤を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造の第四級アンモニウム化合物と特定のアニオン性界面活性剤とを一定比率で配合することによって、原液だけでなく、水で希釈した使用状態の濃度においても全く濁りを生ずることなく、透明な状態となることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の内容をその要旨とするものである。
(1)次の一般式(I)で表わされる第四級アンモニウム塩と、
(1)次の一般式(I)で表わされる第四級アンモニウム塩と、
(ここで、R1は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R2、R3およびR4はそれぞれ独立にメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基のいずれかであり、かつその少なくとも一つはヒドロキシエチル基であり、X−はハロゲンイオン、炭素数1〜2のアルキル硫酸エステルイオンのいずれかである。)
次の一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤とを含有し、
(ここで、R5は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、Mはアルカリ金属またはアンモニウム基であり、nは0または1の数である。)
R1とR5の炭素数の合計が22〜32の範囲内にあり、かつ一般式(I)と(II)の化合物の比率がモル比で(I)/(II)=65/35〜90/10の範囲内であることを特徴とする透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(2)一般式(I)と(II)の化合物の比率が、モル比で(I)/(II)=70/30〜90/10の範囲内であることを特徴とする、前記(1)記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(3)R1とR5の炭素数の合計が24〜28の範囲内であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(4)一般式(I)と(II)の化合物の合計の配合量が3〜20質量%であることを特徴とする、前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(5)更に次の一般式(III)で表わされる非イオン性界面活性剤
(ここで、R6は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、mは6〜100の数である。)
を含有することを特徴とする、前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(6)一般式(III)で表わされる非イオン性界面活性剤の配合量が0.2〜5質量%であることを特徴とする、前記(5)に記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(7)更に、炭素数2〜6を有し、かつ少なくとも一つのヒドロキシ基を有する有機溶剤を含有することを特徴とする、前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(8)前記有機溶剤の配合量が1〜10質量%であることを特徴とする、前記(7)に記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
次の一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤とを含有し、
R1とR5の炭素数の合計が22〜32の範囲内にあり、かつ一般式(I)と(II)の化合物の比率がモル比で(I)/(II)=65/35〜90/10の範囲内であることを特徴とする透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(2)一般式(I)と(II)の化合物の比率が、モル比で(I)/(II)=70/30〜90/10の範囲内であることを特徴とする、前記(1)記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(3)R1とR5の炭素数の合計が24〜28の範囲内であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(4)一般式(I)と(II)の化合物の合計の配合量が3〜20質量%であることを特徴とする、前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(5)更に次の一般式(III)で表わされる非イオン性界面活性剤
を含有することを特徴とする、前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(6)一般式(III)で表わされる非イオン性界面活性剤の配合量が0.2〜5質量%であることを特徴とする、前記(5)に記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(7)更に、炭素数2〜6を有し、かつ少なくとも一つのヒドロキシ基を有する有機溶剤を含有することを特徴とする、前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
(8)前記有機溶剤の配合量が1〜10質量%であることを特徴とする、前記(7)に記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
本発明の柔軟仕上げ剤組成物では、従来広く利用されている衣料用柔軟剤と異なり、ある特定の第四級アンモニウム化合物と特定のアニオン性界面活性剤とを組み合わせて配合することによって、製品として配合した柔軟剤組成物自体の外観を優れた透明性を有したものとすることができるだけでなく、これを実際に繊維製品や衣類の柔軟処理を行なう濃度にまで水で希釈した場合にも全く濁りを生ずることなく、優れた透明な状態を維持することができる。従来、この希釈状態で衣類等に柔軟化成分を付着させるためには、これを固形分の析出した濁った状態とすることが好ましいと考えられていたが、本発明の柔軟仕上げ剤組成物ではこのような常識に反して、希釈状態で透明に溶解しているものであるにもかかわらず、従来のものと同程度の優れた柔軟化作用を発揮するものである。更に、本発明の柔軟仕上げ剤組成物は、これで処理した衣類等への悪臭の吸着を抑制するという、従来の柔軟仕上げ剤には見られなかったいわゆる防臭作用という特有の効果を有する。
以下、本発明について詳細に説明する。
既に述べたように、その原液状態で外観を透明にした衣類の柔軟仕上げ剤組成物は既に公知であり、特に前記の特許文献1には、特定のアミンまたは第四級アンモニウム化合物とアニオン性界面活性剤と特定の有機溶剤とを含有する透明な柔軟仕上げ剤を開示している。この発明では、柔軟化効果とともに処理した衣類が油っぽい風合いとなることを防止し、かつ柔軟剤組成物が透明となる組成物を提供するものである。
既に述べたように、その原液状態で外観を透明にした衣類の柔軟仕上げ剤組成物は既に公知であり、特に前記の特許文献1には、特定のアミンまたは第四級アンモニウム化合物とアニオン性界面活性剤と特定の有機溶剤とを含有する透明な柔軟仕上げ剤を開示している。この発明では、柔軟化効果とともに処理した衣類が油っぽい風合いとなることを防止し、かつ柔軟剤組成物が透明となる組成物を提供するものである。
これに対して、本発明の柔軟仕上げ剤組成物は、前記特許文献1などには具体的に開示していないある特定の構造の第四級アンモニウム化合物である前記一般式(I)で表わされる化合物を選択し、これと硫酸基またはスルフォン酸基を有する前記一般式(II)で表わされる特定のアニオン性界面活性剤とを組み合わせて配合することによって、製品として配合した原液状態の柔軟剤組成物においてその外観が優れた透明性を有したものとなるだけでなく、意外にもこれを実際に繊維製品や衣類の柔軟処理をおこなう濃度である、固形分濃度として0.001〜0.02%程度の濃度に水で希釈した場合にも全く濁りを生ずることなく、透明な状態を維持することができたものである。
まず、本発明の柔軟仕上げ剤組成物は、その柔軟化成分として前記一般式(I)で表わされる第四級アンモニウム化合物を使用する。これは長鎖炭化水素基として炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を一つ有し、更に必ずヒドロキシエチル基を少なくとも一つ有する構造の第四級アンモニウム化合物である。長鎖炭化水素基のR1は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、特に炭素数12または14のアルキル基が好ましい。R2、R3およびR4はそれぞれ独立にメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基のいずれかであるが、少なくとも一つはヒドロキシエチル基である。ヒドロキシエチル基は一つのものが好ましく、残りの置換基は両方ともメチル基のものが好ましい。X−はカチオン性窒素原子の対イオンであり、ハロゲンイオン、炭素数1〜2のアルキル硫酸エステルイオンのものが使用できるが、ハロゲンイオン、特に塩素イオンが好ましい。このような第四級アンモニウム化合物としては、例えば、塩化ドデシルジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウム、塩化テトラデシルジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウム、塩化デシルジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウム、塩化オレイルジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ドデシルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、塩化オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム等があげられる。
本発明の柔軟仕上げ剤組成物は、上記の第四級アンモニウム化合物とともに、前記一般式(II)で表わされる−SO3M基又は−OSO3M基を有するアニオン性界面活性剤を使用する。疎水基R5は炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、併用する第四級アンモニウム化合物の種類にもよるが、特に炭素数12または14のアルキル基が好ましい。
ここで、この第四級アンモニウム化合物とアニオン性界面活性剤の疎水基であるR1とR5の炭素数の合計が22〜32の範囲内にあることが必要であり、24〜28の範囲内にあることがより好ましい。例えば、第四級アンモニウム化合物のR1が炭素数12のものである場合にはアニオン性界面活性剤のR5は炭素数10以上のアルキル基又はアルケニル基であり、炭素数12〜16のアルキル基のものが好ましい。第四級アンモニウム化合物のR1が炭素数14のものである場合にはアニオン性界面活性剤のR5は炭素数8以上のアルキル基又はアルケニル基であるが、炭素数10〜12のアルキル基のものが好ましい。
この炭素数の範囲を外れる場合、即ちR1とR5の炭素数の合計が32を超える場合には柔軟仕上げ剤組成物としてまたはその希釈した状態で十分な透明なものとならず、特に希釈液で白濁した状態となる。またR1とR5の炭素数の合計が22未満の場合には衣類に十分な柔軟性を付与することができない。
この炭素数の範囲を外れる場合、即ちR1とR5の炭素数の合計が32を超える場合には柔軟仕上げ剤組成物としてまたはその希釈した状態で十分な透明なものとならず、特に希釈液で白濁した状態となる。またR1とR5の炭素数の合計が22未満の場合には衣類に十分な柔軟性を付与することができない。
また、本発明の柔軟仕上げ剤組成物では、上述の特定の第四級アンモニウム化合物と特定のアニオン性界面活性剤を一定の範囲の比率で組み合わせて配合する。即ち、一般式(I)の第四級アンモニウム化合物と一般式(II)のアニオン性界面活性剤とを、上述したR1とR5の炭素数の合計が22〜32の範囲内になる条件で、モル比で65/35〜90/10の範囲内になるように任意の比率で配合すればよい。使用する第四級アンモニウム化合物とアニオン性界面活性剤の種類にもよるが、この比率が70/30〜90/10の範囲が組成物の原液とともに希釈した液に濁りがなく優れた透明性を有し、同時に衣類の優れた柔軟性を付与する柔軟化作用を示すのでより好ましい。更に、第四級アンモニウム化合物とアニオン性界面活性剤とをR1とR5の炭素数の合計が24〜28の範囲内となるように選択して、その比率がモル比で70/30〜90/10の範囲とすることがより好ましい。
柔軟仕上げ剤組成物の上記の第四級アンモニウム化合物とアニオン性界面活性剤の使用量は、この二つ成分の合計が組成物中の3〜20質量%であり、好ましくは4〜15質量%である。第四級アンモニウム化合物とアニオン性界面活性剤の比率は、この範囲内で上述のように適宜その比率を変えて使用することができる。
本発明の柔軟仕上げ剤組成物においては、カチオン性の化合物である一般式(I)の第四級アンモニウム化合物を一般式(II)のアニオン性界面活性剤に対してモル比で過剰に配合した組成系とする。このようにカチオン性化合物の疎水基の炭素数とアニオン性界面活性剤の疎水基の炭素数を一定の範囲内にしつつ、カチオン性化合物が過剰の状態で配合したものであるため、カチオンとアニオンの安定なコンプレックスが形成されて、その溶解性が向上し、ひいては組成物の原液だけでなく、水で希釈した希釈水溶液でも完全に溶解し透明な状態となると思われる。
これに対して、例えば特許文献1に記載される柔軟剤では、溶剤等を配合することにより組成物の原液としてはある程度の透明性を示すが、水で使用条件まで希釈した希釈溶液では白濁してしまい、透明な状態にならない。
また、カチオン性化合物として本発明と同一の第四級アンモニウム化合物を使用しても、これを単独で使用した場合には透明な組成物は得られるが、ほとんど衣類の柔軟化作用を示さないものとなる。また、本発明と同一の第四級アンモニウム化合物とアニオン性界面活性剤を一緒に使用しても、その配合比率が本発明の範囲外の場合、例えば両者をアニオン性界面活性剤が過剰となるような等モル以下で配合したような場合には、コンプレックスが不安定となり原液状態でも希釈状態でも濁った状態となり、透明な外観を有するものは得られず、また十分な柔軟性も示さない。
また、カチオン性化合物として本発明と同一の第四級アンモニウム化合物を使用しても、これを単独で使用した場合には透明な組成物は得られるが、ほとんど衣類の柔軟化作用を示さないものとなる。また、本発明と同一の第四級アンモニウム化合物とアニオン性界面活性剤を一緒に使用しても、その配合比率が本発明の範囲外の場合、例えば両者をアニオン性界面活性剤が過剰となるような等モル以下で配合したような場合には、コンプレックスが不安定となり原液状態でも希釈状態でも濁った状態となり、透明な外観を有するものは得られず、また十分な柔軟性も示さない。
更に、本発明においては、一般式(I)に示すようなカチオン性窒素原子に一つ以上のヒドロキシエチル基を有する第四級アンモニウム化合物を使用することが必要である。このようなヒドロキシエチル基を有する第四級アンモニウム化合物を使用することにより、水に対する溶解性が改善し、使用条件まで希釈した状態でも濁りを生ずることなく、透明なものが得られる。これに対して、カチオン性窒素原子の置換基にヒドロキシエチル基を有しない第四級アンモニウム化合物、例えば塩化テトラデシルトリメチルアンモニウムを使用した場合には、その他は同様の配合組成であっても原液では透明状態を維持しているが、希釈状態では白濁した状態となってしまう。
本発明においては、前記一般式(I)の第四級アンモニウム化合物と一般式(II)のアニオン性界面活性剤とを必須成分として使用し、更に好ましくは、前記一般式(III)で表わされる非イオン性界面活性剤及び/又は炭素数2〜6を有しかつ少なくとも一つのヒドロキシ基を有する有機溶剤を使用する。
一般式(III)で表わされる非イオン性界面活性剤は、柔軟仕上げ剤組成物の溶液安定性を改善し、組成物の原液や希釈液での成分の溶解性を向上させるとともに、組成物が低温で凍結した場合にその成分の分離を防止し、再び溶解した場合に良好な溶解状態と溶液の透明性を回復するという凍結回復性に優れたものとなる。このような非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレン(m=8)ドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(m=20)オクタデシルエーテル、ポリオキシエチレン(m=40)テトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(m=75)オレイルエーテル等が挙げられる。この非イオン性界面活性剤の配合量は、組成物全体に対して0.2〜5質量%である。
本発明の柔軟仕上げ剤組成物は、更に炭素数2〜6を有しかつ少なくとも一つのヒドロキシ基を有する有機溶剤を使用することが好ましい。このような有機溶剤としては、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、へキサンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、メチルプロピレングリコール等が挙げられる。これらの有機溶剤も柔軟仕上げ剤の成分の溶解性と溶液の安定性を向上させ、ひいては組成物の原液と希釈した溶液の透明性の向上にも有効である。この有機溶剤の配合量は、組成物全体に対して1〜10質量%である。
これ以外の他の成分についても、衣類の柔軟性の付与と組成物の原液および希釈液での透明性という本発明の効果を損ねない範囲で、必要に応じて種々の成分を添加することができる。このようなその他の成分としては、例えば、前記一般式(II)および(III)以外の、例えば、炭素数10〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸塩、炭素数10〜18の飽和又は不飽和のアルキル基を有するポリオキシエチレン(m=1〜5)アルキルエーテル硫酸エステル塩、炭素数10〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸ポリエチレングリコール(m=6〜100)等の種々の界面活性剤、エチレンジアミン四酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩、クエン酸等の金属イオン封鎖剤、防腐剤、香料、着色剤等が挙げられる。
本発明の柔軟仕上げ剤組成物の製造方法としては、特に限定されないが、常法により調製することができる。例えば、所定量の水または必要に応じて温水を用い、これに所定量の前記一般式(I)の第四級アンモニウム化合物を加え、これをよく攪拌して溶解させる。次いで、この水溶液に、攪拌しながら所定量の一般式(II)のアニオン性界面活性剤を加えて均一に攪拌する。さらに、必要に応じて、一般式(III)の非イオン性界面活性剤と有機溶剤、更に必要に応じてその他の添加成分を加えて、均一に攪拌して最終的な柔軟仕上げ剤組成物とする。
この柔軟仕上げ剤組成物は、使用に際しては固形分濃度が0.001〜0.02質量%程度になるまで水で希釈し、この水溶液に繊維製品や衣類を浸漬して柔軟化処理を行なう。
この柔軟仕上げ剤組成物は、使用に際しては固形分濃度が0.001〜0.02質量%程度になるまで水で希釈し、この水溶液に繊維製品や衣類を浸漬して柔軟化処理を行なう。
本発明の柔軟仕上げ剤組成物は、以上述べたように優れた柔軟化作用を示し、その原液だけでなく希釈液も透明な外観となるものであるが、さらにこのような組成物で繊維製品や衣類を処理とすることによって、タバコの匂いなどの臭気成分の繊維への吸着を抑制する、防臭効果がある。従って、本発明の柔軟仕上げ剤組成物で衣類を処理すれば、衣類がソフトになるだけでなく、タバコの匂いなどの悪臭が付くのを防ぐことができる。
次に、本発明を実施例によって更に詳しく説明する。以下の実施例において、特に注記しない限り「%」および「部」は質量基準である。
以下の実施例において、その評価項目の内容と評価方法は以下に記載の方法によった。
(1) 透明性:
・柔軟仕上げ剤組成物(原液)
柔軟仕上げ剤組成物の原液300mLを直径80mmの透明ガラス容器にいれ、25℃の状態でその透明性を肉眼で観察し、次のように評価した。
○:完全に溶解し、透明な状態。
△:ほぼ透明な状態。
×:白濁した状態。
・希釈溶液:
5度ドイツ硬度の水30Lに対し、柔軟仕上げ剤組成物(原液)10mLの割合で希釈した水溶液(有効分濃度0.033%)の300mLを直径80mmの透明ガラス容器にいれ、25℃の状態でその透明性を肉眼で観察し、原液の場合と同様の基準で評価した。
(1) 透明性:
・柔軟仕上げ剤組成物(原液)
柔軟仕上げ剤組成物の原液300mLを直径80mmの透明ガラス容器にいれ、25℃の状態でその透明性を肉眼で観察し、次のように評価した。
○:完全に溶解し、透明な状態。
△:ほぼ透明な状態。
×:白濁した状態。
・希釈溶液:
5度ドイツ硬度の水30Lに対し、柔軟仕上げ剤組成物(原液)10mLの割合で希釈した水溶液(有効分濃度0.033%)の300mLを直径80mmの透明ガラス容器にいれ、25℃の状態でその透明性を肉眼で観察し、原液の場合と同様の基準で評価した。
(2) 曇点:
柔軟仕上げ剤組成物の原液または希釈溶液と温度計を試験管に入れ、水/氷/塩で作成した水浴中に浸し、温度が均一になるように軽く攪拌しながら徐々に冷却し、試料が白濁する温度を肉眼にて観察し、これを曇点とした。
柔軟仕上げ剤組成物の原液または希釈溶液と温度計を試験管に入れ、水/氷/塩で作成した水浴中に浸し、温度が均一になるように軽く攪拌しながら徐々に冷却し、試料が白濁する温度を肉眼にて観察し、これを曇点とした。
(3) 透明点:
上記の曇点の測定で白濁した試料を水または温水の水浴中に浸し、温度が均一になるように軽く攪拌しながら徐々に昇温し、試料の白濁がなくなり透明になる温度を肉眼にて観察し、これを透明点とした。
上記の曇点の測定で白濁した試料を水または温水の水浴中に浸し、温度が均一になるように軽く攪拌しながら徐々に昇温し、試料の白濁がなくなり透明になる温度を肉眼にて観察し、これを透明点とした。
(4) 凍結回復性:
柔軟仕上げ剤組成物の原液または希釈溶液を−20℃の恒温槽に16時間保存して凍結させたのち、5℃の恒温槽に8時間放置し、8時間後の柔軟仕上げ剤組成物の原液または希釈溶液の状態を肉眼にて観察し、次の基準で評価した。
○:完全に溶解し、透明な状態となる。
△:ほぼ透明な状態となる。
×:白濁した状態(透明に回復しない)。
柔軟仕上げ剤組成物の原液または希釈溶液を−20℃の恒温槽に16時間保存して凍結させたのち、5℃の恒温槽に8時間放置し、8時間後の柔軟仕上げ剤組成物の原液または希釈溶液の状態を肉眼にて観察し、次の基準で評価した。
○:完全に溶解し、透明な状態となる。
△:ほぼ透明な状態となる。
×:白濁した状態(透明に回復しない)。
(5) 柔軟性:
木綿100%のタオル16枚(約1kg)を市販の弱アルカリ性粉末洗剤を用いて、市販の洗濯機にて洗濯した(洗剤濃度0.067%、水道水30L、水温約20℃)。その後洗浄液を排出し、3分間脱水後、30Lの水道水を注水して5分間すすぎを行い、排水後3分間脱水した。その後再度30Lの水道水を注水した後、試料の柔軟仕上げ剤組成物の原液10mLを添加し、5分間攪拌した。その後排水し3分間脱水した後タオルを自然乾燥し、このタオルの柔軟性を次の方法によって評価した。
即ち、10人の女性パネラーにより下記の基準によって16枚のタオルの柔軟性をそれぞれ判定し、次の基準でその平均点を求めた。
非常に柔らかく仕上がった・・・・ 3
柔らかく仕上がった ・・・・ 2
やや柔らかく仕上がった ・・・・ 1
柔らかに仕上がらない ・・・・ 0
その結果を、平均点が2以上のものを「○」、2未満1以上のものを「△」、1未満のものを「×」として表示した。
木綿100%のタオル16枚(約1kg)を市販の弱アルカリ性粉末洗剤を用いて、市販の洗濯機にて洗濯した(洗剤濃度0.067%、水道水30L、水温約20℃)。その後洗浄液を排出し、3分間脱水後、30Lの水道水を注水して5分間すすぎを行い、排水後3分間脱水した。その後再度30Lの水道水を注水した後、試料の柔軟仕上げ剤組成物の原液10mLを添加し、5分間攪拌した。その後排水し3分間脱水した後タオルを自然乾燥し、このタオルの柔軟性を次の方法によって評価した。
即ち、10人の女性パネラーにより下記の基準によって16枚のタオルの柔軟性をそれぞれ判定し、次の基準でその平均点を求めた。
非常に柔らかく仕上がった・・・・ 3
柔らかく仕上がった ・・・・ 2
やや柔らかく仕上がった ・・・・ 1
柔らかに仕上がらない ・・・・ 0
その結果を、平均点が2以上のものを「○」、2未満1以上のものを「△」、1未満のものを「×」として表示した。
(6) 防臭効果:
上記柔軟性の評価の場合と同様に柔軟剤処理した縦横90cmの綿35/ポリエステル65の布帛(ブロード)を、タバコの煙を充満させたドラフト中にハンガーで吊るし1時間放置した。1時間放置後にドラフトから取り出し、取り出した直後及び室内に1時間放置した後の布帛のタバコの臭いの有無を10人の女性パネラーにより次の基準で判定し、その平均点を求めた。
タバコ臭が強い ・・・・ 4
タバコ臭がする ・・・・ 3
ややタバコ臭がする ・・・・ 2
あまりタバコ臭がしない・・・・ 1
タバコ臭がしない ・・・・ 0
その結果を、平均点が1.5未満のものを「○」、1.5以上2.5未満のものを「△」、2.5以上のものを「×」として表示した。
上記柔軟性の評価の場合と同様に柔軟剤処理した縦横90cmの綿35/ポリエステル65の布帛(ブロード)を、タバコの煙を充満させたドラフト中にハンガーで吊るし1時間放置した。1時間放置後にドラフトから取り出し、取り出した直後及び室内に1時間放置した後の布帛のタバコの臭いの有無を10人の女性パネラーにより次の基準で判定し、その平均点を求めた。
タバコ臭が強い ・・・・ 4
タバコ臭がする ・・・・ 3
ややタバコ臭がする ・・・・ 2
あまりタバコ臭がしない・・・・ 1
タバコ臭がしない ・・・・ 0
その結果を、平均点が1.5未満のものを「○」、1.5以上2.5未満のものを「△」、2.5以上のものを「×」として表示した。
(i)透明性、柔軟性の評価試験
次に示す第四級アンモニウム化合物(「成分C」という)とアニオン性界面活性剤(「成分A」という)を用い、これらを種々の割合で水に溶解して固形分(成分C+成分A)の濃度が14.00質量%の一定となるように水溶液を調製した。尚、成分Cと成分Aの種類とその配合比率(モル比)は表1に示すとおりである。
第四級アンモニウム化合物(成分C):
・塩化デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(「C10」と表示する)
・塩化ドデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(「C12」と表示する)
・塩化テトラデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(「C14」と表示する)
・塩化オクタデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(「C18」と表示する)
・塩化ドデシルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム
(「C12-2EO」と表示する)
・塩化オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム
(「C18F1-2EO」と表示する)
・塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(「DTAC」と表示する)
アニオン性界面活性剤(成分A):
・ドデシル硫酸エステルナトリウム(「C12」と表示する)
・テトラデシル硫酸エステルナトリウム(「C14」と表示する)
・硬化牛脂アルキル硫酸エステルナトリウム(「C16-18」と表示する)
これらの種々の成分Cと成分Aの組み合わせで配合した組成物について、それらの組成物の透明性、曇点、透明点および柔軟性を、上述した方法によって評価した。その結果を表1及び表2に示す。
次に示す第四級アンモニウム化合物(「成分C」という)とアニオン性界面活性剤(「成分A」という)を用い、これらを種々の割合で水に溶解して固形分(成分C+成分A)の濃度が14.00質量%の一定となるように水溶液を調製した。尚、成分Cと成分Aの種類とその配合比率(モル比)は表1に示すとおりである。
第四級アンモニウム化合物(成分C):
・塩化デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(「C10」と表示する)
・塩化ドデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(「C12」と表示する)
・塩化テトラデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(「C14」と表示する)
・塩化オクタデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(「C18」と表示する)
・塩化ドデシルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム
(「C12-2EO」と表示する)
・塩化オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム
(「C18F1-2EO」と表示する)
・塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(「DTAC」と表示する)
アニオン性界面活性剤(成分A):
・ドデシル硫酸エステルナトリウム(「C12」と表示する)
・テトラデシル硫酸エステルナトリウム(「C14」と表示する)
・硬化牛脂アルキル硫酸エステルナトリウム(「C16-18」と表示する)
これらの種々の成分Cと成分Aの組み合わせで配合した組成物について、それらの組成物の透明性、曇点、透明点および柔軟性を、上述した方法によって評価した。その結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2に示す結果からわかるように、一般式(I)の第四級アンモニウム化合物である成分Cが単独では、その長鎖アルキル基の炭素数が10〜18のいずれの場合でも、原液と希釈液のいずれでも透明性を有するが、柔軟化作用をほとんど示さない。
しかし、これらの成分Cに対して、アニオン界面活性剤である成分Aを、成分Cの長鎖アルキル基(R1)と成分Aの長鎖アルキル基(R5)の炭素数の合計(R1+R5)が22〜32の範囲内になる条件で、モル比で成分C/成分Aが65/35〜90/10の範囲となるようにアニオン界面活性剤である成分Aを加えることによって、原液と希釈液が良好な透明性を維持しながら、同時に優れた柔軟化作用を有するものとなることがわかる。この柔軟化作用は、成分Cと成分Aの組み合わせとそのモル比によってより好ましい範囲があり、成分Cと成分Aのアルキル基の炭素数の合計(R1+R5)が24〜28の範囲内であるものがより好ましく、また、そのモル比が70/30〜90/10の範囲がより好ましい。また、成分Cの長鎖アルキル基(R1)の炭素数が10〜12と比較的小さい場合には、アニオン界面活性剤の長鎖アルキル基(R5)の炭素数が14〜18であって、上記モル比が70/30〜90/10の範囲がより良好な柔軟性を示し、R1が14〜18と比較的大きい場合には、R5が12〜16であって、モル比が80/20〜90/10の範囲がより良好な柔軟性を示すという傾向がある。
しかし、これらの成分Cに対して、アニオン界面活性剤である成分Aを、成分Cの長鎖アルキル基(R1)と成分Aの長鎖アルキル基(R5)の炭素数の合計(R1+R5)が22〜32の範囲内になる条件で、モル比で成分C/成分Aが65/35〜90/10の範囲となるようにアニオン界面活性剤である成分Aを加えることによって、原液と希釈液が良好な透明性を維持しながら、同時に優れた柔軟化作用を有するものとなることがわかる。この柔軟化作用は、成分Cと成分Aの組み合わせとそのモル比によってより好ましい範囲があり、成分Cと成分Aのアルキル基の炭素数の合計(R1+R5)が24〜28の範囲内であるものがより好ましく、また、そのモル比が70/30〜90/10の範囲がより好ましい。また、成分Cの長鎖アルキル基(R1)の炭素数が10〜12と比較的小さい場合には、アニオン界面活性剤の長鎖アルキル基(R5)の炭素数が14〜18であって、上記モル比が70/30〜90/10の範囲がより良好な柔軟性を示し、R1が14〜18と比較的大きい場合には、R5が12〜16であって、モル比が80/20〜90/10の範囲がより良好な柔軟性を示すという傾向がある。
このモル比が65/35未満となると、原液と希釈液のいずれにおいても透明性がなくなり、白濁した状態となり、ほとんど柔軟化作用を有さない。また、成分CのR1と成分AのR5の炭素数の合計が32を超えると、原液だけでなく希釈液でも透明性がなくなり、白濁した状態となる。
また、表2に示すように、成分Cとして窒素原子の置換基にヒドロキシエチル基を2本有する第四級アンモニウム化合物を用いた場合でも、同様に原液と希釈液のいずれも良好な透明性を有し、かつ柔軟化作用も示す。これに対して、窒素原子の置換基にヒドロキシエチル基を持たないDTACを使用した場合(対照)には、たとえアニオン界面活性剤である成分Aと混合しても、原液と希釈液の透明性が若干悪くなるとともに、いずれの場合にもほとんど柔軟化作用を示さない。
また、表2に示すように、成分Cとして窒素原子の置換基にヒドロキシエチル基を2本有する第四級アンモニウム化合物を用いた場合でも、同様に原液と希釈液のいずれも良好な透明性を有し、かつ柔軟化作用も示す。これに対して、窒素原子の置換基にヒドロキシエチル基を持たないDTACを使用した場合(対照)には、たとえアニオン界面活性剤である成分Aと混合しても、原液と希釈液の透明性が若干悪くなるとともに、いずれの場合にもほとんど柔軟化作用を示さない。
表3に示す成分と組成からなる種々の柔軟仕上げ剤組成物を作製し、この組成物の原液と希釈液の透明性を実施例1と同様にして評価した。その結果を、表3に併せて示す。
表3において、本発明例である成分Cとして塩化ドデシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムまたは塩化アルキル(C16−18)ビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムを用いた場合には、成分Aの種々のアニオン界面活性剤とともに非イオン界面活性剤および溶剤を配合して柔軟仕上げ剤としたものが、その原液とともに希釈液においても良好な透明性を示す。これに対して、比較例1に示すように、成分CとしてR1の炭素数が18でかつヒドロキシエチル基を持たない塩化オクタデシルトリメチルアンモニウムを用いた場合には、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテルのような非イオン界面活性剤やエチレングリコールのような溶剤を用いることによって原液は透明にすることはできるが、希釈液では白濁し、透明にすることができない。また、比較例2に示すように、成分Cとして、従来から広く使用されている伝統的な柔軟仕上げ剤である長鎖アルキル基を2本有する塩化ジ(硬化牛脂)ジメチルアンモニウムを用いた場合には、原液自体が白濁したものとなり、透明な製品は得られない。また、比較例3に示すように、成分Cとして特許文献1で開示されているような塩化N−ステアロイルアミノプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムを用いた場合もジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのような特殊な溶剤を多量に用いることによって原液は透明にすることはできるが、希釈液では白濁し、透明にすることができない。
表4に示す成分と組成からなる種々の柔軟仕上げ剤組成物を作製し、この組成物の原液の曇点と透明点を測定し、既に述べた方法で凍結回復性を評価した。その結果を、表4に示す。
表4の結果からわかるように、成分Cの第四級アンモニウム化合物と成分Aのアニオン界面活性剤を配合し本発明の柔軟仕上げ剤が得られるが(No.1-1)、これにさらに非イオン界面活性剤(No.1-2)や溶剤(No.1-3)を加えると曇点や透明点が低下するとともに、凍結した後に溶解した際に白濁することなく透明な溶液となり、凍結回復性が向上する。非イオン界面活性剤と溶剤を併用するとその効果がさらに顕著である(No.1-4)。非イオン界面活性剤と溶剤を用いず、成分Cの第四級アンモニウム化合物と成分Aのアニオン界面活性剤を配合した凍結回復性の悪い組成物(No.2-1、3-1)であっても、非イオン界面活性剤と溶剤を配合することによって凍結回復性も改善された組成物とすることができる。
表5に示す成分と組成からなる種々の柔軟仕上げ剤組成物を作製し、この組成物の防臭効果を既に述べた方法で評価した。その結果を、表5に示す。
表5の結果からわかるように、成分Cの塩化アルキル(C12−14)ジメチル2−ヒドロキシエチルアンモニウムのみでは防臭効果は認められないが(No.4-1)、これをアルキル硫酸エステルナトリウムなどの成分Aのアニオン界面活性剤と併用して配合した本発明の柔軟仕上げ剤の配合とすると防臭効果が認められる(No.4-2、4-3)。しかし、第四級アンモニウム化合物がヒドロキシエチル基を有しない塩化アルキル(C12−14)トリメチルアンモニウムの場合には、これ単独では勿論(No.5-1)、アルキル硫酸エステルナトリウムと併用して配合しても(No.5-2)防臭効果は認められなかった。また、従来から使用されている長鎖アルキル基を2本有する第四級アンモニウム化合物を使用した場合には(No.5-3)、防臭効果は認められなかった。
本発明は特定の第四級アンモニウム化合物と特定のアニオン界面活性剤をある一定の範囲で組み合わせて配合した柔軟仕上げ剤であり、従来の柔軟仕上げ剤と同等の優れた柔軟性を有すると同時に、その原液だけでなくこれを使用濃度まで水で希釈しても濁らず透明性を有し、さらに悪臭の衣類への吸着を抑える防臭効果を有する。従って、このような特徴を生かした従来のものにない衣類等の柔軟仕上げ剤として有用である。
Claims (8)
- 次の一般式(I)で表わされる第四級アンモニウム塩と、
次の一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤とを含有し、
R1とR5の炭素数の合計が22〜32の範囲内にあり、かつ一般式(I)と(II)の化合物の比率がモル比で(I)/(II)=65/35〜90/10の範囲内であることを特徴とする透明な柔軟仕上げ剤組成物。 - 一般式(I)と(II)の化合物の比率が、モル比で(I)/(II)=70/30〜90/10の範囲内であることを特徴とする、請求項1記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
- R1とR5の炭素数の合計が24〜28の範囲内であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
- 一般式(I)と(II)の化合物の合計の配合量が3〜20質量%であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
- 一般式(III)で表わされる非イオン性界面活性剤の配合量が0.2〜5質量%であることを特徴とする、請求項5に記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
- 更に、炭素数2〜6を有し、かつ少なくとも一つのヒドロキシ基を有する有機溶剤を含有することを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
- 前記有機溶剤の配合量が1〜10質量%であることを特徴とする、請求項7に記載の透明な柔軟仕上げ剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005191437A JP2007009364A (ja) | 2005-06-30 | 2005-06-30 | 透明な柔軟仕上げ剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005191437A JP2007009364A (ja) | 2005-06-30 | 2005-06-30 | 透明な柔軟仕上げ剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007009364A true JP2007009364A (ja) | 2007-01-18 |
Family
ID=37748229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005191437A Withdrawn JP2007009364A (ja) | 2005-06-30 | 2005-06-30 | 透明な柔軟仕上げ剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007009364A (ja) |
-
2005
- 2005-06-30 JP JP2005191437A patent/JP2007009364A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DE60204549T2 (de) | Weichspülmittelzusammensetzung für die anwendung in anwesenheit von waschmittelrückständen | |
US5490944A (en) | Liquid fabric softener compositions | |
JPH0370032B2 (ja) | ||
WO2015107155A1 (en) | Method for stabilizing a softening composition | |
JPH02269874A (ja) | 織物柔軟化組成物 | |
WO2019070838A1 (en) | LIQUID COMPOSITIONS OF SOFTQUAT FREE SOFTWATER | |
JPH026662A (ja) | 布地コンディショニング組成物 | |
NO830423L (no) | Flytende toeymykningsmiddel med lav viskositet. | |
JP2716691B2 (ja) | 濃縮型衣類用柔軟剤組成物 | |
DE69534903T2 (de) | Verwendung von Allylalkohol als ein Mittel zur Verminderung von schlechten Gerüchen | |
JP3556806B2 (ja) | 洗浄剤組成物 | |
EP0125031A1 (en) | Liquid fabric-softening composition | |
JP2006200116A (ja) | 液体柔軟剤組成物 | |
JP2757892B2 (ja) | 液体繊維製品柔軟化用組成物 | |
AU679483B2 (en) | Fabric softener composition | |
JPH06313193A (ja) | 液体洗浄剤組成物 | |
JP4368785B2 (ja) | 液体柔軟剤組成物 | |
JP2007009364A (ja) | 透明な柔軟仕上げ剤組成物 | |
JP2009506223A (ja) | 織物柔軟用組成物 | |
JPH03128999A (ja) | ビルダー配合液状洗剤組成物 | |
JPH07268773A (ja) | 繊維製品柔軟仕上剤組成物及びその調製方法 | |
JP2008163514A (ja) | 透明な柔軟仕上げ剤 | |
JPH073649A (ja) | 繊維製品柔軟仕上剤組成物及びそれを用いた繊維製品処理方法 | |
EP3327106A1 (en) | Easy ironing/anti-wrinkle/less crease benefit by use of cationic polymers and its derivatives | |
JP2016006172A (ja) | 液体洗浄剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080902 |