JP2006512912A - トリペプチドvppおよび/またはippを含む発酵乳製品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、145μM以上のIPP当量濃度[IPPeq]として表されるトリペプチドVPPおよび/またはIPPの量を含み、かつ40〜600mmol/kgのK+、および/または30〜400mmol/kgのCa2+、および/または6〜50mmol/kgのMg2+を含む、発酵乳製品に関する。

Description

本発明は、トリペプチドVPPおよび/またはIPPを含む発酵乳製品に関する。さらに本発明は、そのような発酵乳製品の製造方法と、その発酵乳製品を用いて製造される食品に関する。
高血圧症または高血圧は、心臓血管疾患(CVD)の主要な危険因子の1つであると考えられている。血圧を制御する機序の1つは、レニン-アンジオテンシン系である。これは、アンジオテンシンIIの形成を誘導する反応のカスケードであって、強い血管収縮作用と、それによる血圧上昇作用を有する。このカスケードにおけるキーとなる1つの酵素:アンジオテンシンI転換酵素(ACE)の阻害により、アンジオテンシンIIの形成を低下させ、その結果、血圧低下作用をもたらすことができる。長期にわたるヒト関与の研究によると、少量のACE阻害剤を規則的に摂取した場合、CVDが25%まで低減することが明らかになった(Gersteinら、(2000)、The Lancet 355、253〜259)。
「血圧が高めの人に適している」ことを謳っている市販の発酵乳製品はカルピスサワーミルクである。これは、カルピス食品工業(日本)によって製造されている、ラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lactobacillus helveticus)、およびサッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cervisiae)による発酵製品である。
別の市販発酵乳製品はValio社(フィンランド)製造のEvolusである。これは、「血圧低下を促進するヨーロッパで初の機能性食品」であることを謳っている。
両方の発酵乳製品は、ラクトバチルス・ヘルヴェティクス(Lb. helveticus)株を用いて発酵させている。これらの製品は、カゼインのタンパク質分解によって得られる、in vitroでのACE阻害に関与する生理活性ペプチドを含有している。他の乳酸菌と比較した場合、Lb. helveticusは、最も優れたタンパク分解性ラクトバチルス種の1種である。
乳酸菌のタンパク分解系によるカゼインの分解は、3段階に分けることができる。最初に、細胞外プロテイナーゼによりカゼインの分解が行なわれ、次の段階では、特定の取り込み機序により、ジペプチド/トリペプチドおよびオリゴペプチド(4〜12個のアミノ酸残基)の取り込みが行なわれる。最終段階では、細胞内ペプチダーゼによりペプチドがさらに分解され、その結果、細菌が増殖するための小さなペプチドおよびアミノ酸が生じる。乳酸菌のこの複雑なタンパク分解系については、Kunjiら、(1996)、Molecular Microbiology 27、1107〜1118に記載されている。細胞内ペプチダーゼ系についての概説は、Christensenら、(1999)、Molecular Microbiology 76、217〜246で確認することができる。
EP-A-0737690には、アミノ酸配列Lys Val Leu Pro Val Pro Gln、および/またはTyr lys Val Pro Gln Leuを含有する有効量のペプチドを含む抗高血圧剤と、乳酸菌によって製造されるプロテイナーゼを用いたそのような薬剤の製造方法が記載されている。3ページには、標的プロテイナーゼの収率を高めるためには、pHが中性の範囲になければならないこと(pH5〜8の範囲にあること)が説明されている。
EP-A-1016709によれば、発酵乳中に生成される乳酸の含有量と比べて高含有量のラクトトリペプチドを含む発酵乳の製造が望まれている。ここでは、発酵中に、DL-乳酸0.01g当たり、30〜50μgのトリペプチドVal-Pro-Pro (VPP)とIle-Pro-Pro (IPP)が得られるラクトバチルス・ヘルヴェティクス株CM4が提供されている。EP-A-1016709の表2には、この株が38.5μg/ml乳漿のVPPと23.5μg/ml乳漿のIPPを生産したことが開示されているが、これは140μMのIPPeq値(下記に定義されているとおりである)に相当する。
Gersteinら、(2000)、The Lancet 355、253〜259 Kunjiら、(1996)、Molecular Microbiology 27、1107〜1118 Christensenら、(1999)、Molecular Microbiology 76、217〜246 EP-A-0737690 EP-A-1016709 Kohmura, M.ら、(1990)、Agricultural and Biochemical Chemistry、54、835-836 Nakamura, Y.ら、(1995)、J. Dairy Sci. 78、1253-1257 Araujo M.C.ら、Biochemistry 39、8519〜8525、(2000) Adler-Nissen J. in Agric. Food Chem. 27、1256〜1262 (1979) Adler-Nissen J. Enzymatic hydrolysis of food proteins. New York: Elsevier Applied Science Publishers p. 110〜169
本発明の目的は、高含有量のトリペプチドVPPおよび/またはIPPを含む発酵乳製品を提供することである。本発明の別の目的は、食品に使用した場合に、良好な味を有する発酵乳製品を提供することである。さらに本発明の別の目的は、改善された血圧効果作用を示す発酵乳製品を提供することである。
これらの目的の1つまたは複数は、発酵乳製品の製造方法を提供するという本発明により達成され、この方法においては、発酵の本質的な間のpHが4.3〜5.9であるような量で塩基を添加することによって発酵を調節する。
さらに本発明は、40〜600mmol/kgのK+、および/または30〜400mmol/kgのCa2+、および/または6〜50mmol/kgのMg2+を含み、本発明の方法によって取得可能な、145μM以上のIPP当量濃度[IPPeq]として表されるトリペプチドVPPおよび/またはIPPの量を含む発酵乳製品に関する。
特段の記載のない限り、記載されている量は、食品または発酵乳製品の全重量に対して表されているものである。
本明細書では、ラクトバチルス(Lactobacillus)はLb.と略記する。
ペプチドのVal-Pro-ProはVPPと略記し、ペプチドのIle-Pro-ProはIPPと略記する。
本明細書に定義されるトリペプチドVPPおよび/またはIPPには、VPP、IPP、および配列VPPおよび/またはIPPを含む3〜25個のアミノ酸残基を含有するペプチド、ならびにこれらのペプチドの混合物が含まれる。本明細書では、混合物中のトリペプチドVPPおよび/またはIPPの全モル量は、混合物中へのトリペプチドの添加モル量によって算出される。
本発明による発酵は、異なる活性を有する、活性トリペプチドVPPおよびIPPを生産する。IC50(ACE活性の50%阻害をもたらす濃度)は、IPPでは5μM、VPPでは9μMである(Kohmura, M.ら、(1990)、Agricultural and Biochemical Chemistry、54、835-836、およびNakamura, Y.ら、(1995)、J. Dairy Sci. 78、1253-1257)。1つの図式でこれらの活性ペプチドの全濃度を示すために、IPP当量濃度(本明細書では[IPPeq]として使用している)は、次式:
[IPPeq] = [IPP] + 5/9* [VPP] (1)
のように定義され、好ましくはμMで表される。
本発明による食品は、ヒトの消費において好適な食品であって、本発明による発酵乳製品が、顕著なACE阻害作用が得られるような有効量で成分として用いられた食品として定義される。
出発乳原料は、それがアミノ酸配列VPPおよび/またはIPPを含むタンパク質を含有している限り、いかなる乳であってもよい。牛乳、山羊乳、ラクダ乳、馬乳等の畜乳を出発乳原料として用いることができる。脱脂粉乳を用いてもよい。出発乳原料中の固形物の含量は特に限定されないが、通常5から20wt%である。出発乳原料は、水成分と乳成分との混合により調製される再構成乳、例えば(脱脂)粉乳であってよい。この出発乳原料は、発酵を妨げない限り、炭水化物等の添加剤を含有していてもよい。
出発乳原料の発酵は、慣用の発酵槽中で実施することができるが、この場合、培地としての出発乳原料にLb. helveticusを接種する。
Lb.helveticusは、いかなるLb.helveticus株であってよい。好ましいLb.helveticus株は、多量のトリペプチドVPPおよび/またはIPPを生産するものである。最も好ましい株は、ラクトバチルス・ヘルヴェティクス株CNRZ 244であるが、この株は、Jouy-en-Josas(フランス)のCentre National de Recherches Zootechniquesに寄託されている。
本発明の目的が達成される限り、場合によっては、他の微生物を発酵培地に添加してもよい。例えば、生産される発酵乳製品の風味および嗜好性を改善するために、さらに酵母を用いることができる。
酵母の株は特に限定されるものでなく、例えば、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)などのサッカロマイセス属の酵母を用いるのが好ましい。酵母の量は、所望する成果に応じて、適切に選択することができる。
培地に接種されるLb.ヘルヴェティクスの量については特に限定されない。接種量は、通常、約107から109の細胞のLb.ヘルヴェティクス細菌である。
Lb.ヘルヴェティクスは、好ましくは、十分な活性を有する前培養スターターの形態で発酵に添加することができる。スターターの最初の細胞数は、約107から109細胞/mlであるのが好ましい。
Lb.ヘルヴェティクス接種原料および出発乳原料を含む発酵槽中の原料は、均質の発酵培地を得るために慣用の方法で混合することができる。
発酵は、有利には、6から100時間、好ましくは15から50時間、25から50℃、好ましくは30から45℃で実施することができる。発酵温度は38から42℃であるのが好ましい。その理由は、この温度範囲において、最も多量のトリペプチドVPPおよび/またはIPPが形成されるからである。
本発明者らは、発酵中のpHが、形成されるトリペプチドVPPおよび/またはIPPの量に関して重要であることを見出した。従って、発酵の本質的部分の期間のpHが4.3〜5.9であるような量で塩基を添加することによって発酵を調節するのが好ましい。発酵の本質的間のpHは4.3〜4.9、より好ましくは4.4〜4.8、最も好ましくは4.5〜4.7である。本明細書において、発酵の本質的部分とは、発酵時間の少なくとも1時間以上を意味する。発酵中のpHは、3時間以上、より好ましくは5時間以上の発酵時間の間に調節されるのが好ましい。
pHは、発酵培地へ塩基(またはバッファー)を添加することによって調節することができる。塩基は、食品の製造における使用に好適ないかなる塩基であってもよい。本明細書では、このような調節された発酵は、pH調節発酵と称する。本明細書では、pH調節が無い場合は、無調節酸性化発酵と称する。
塩基はK+イオンを有しており、発酵の本質的部分の間のpHは4.9〜5.5であるのが好ましい。あるいは、好ましい実施形態では、塩基はCa2+イオンを有しており、発酵の本質的部分の間のpHは4.3〜4.9である。特に、K+、Ca2+および/またはMg2+イオンを含有する塩基の組み合わせが好ましい。
発酵中、Lb.ヘルヴェティクスは特に乳酸を生産する。乳酸(HLaまたはLaH)は、プロトン、H+、および乳酸アニオン、La-(本明細書では、通常、塩基またはバッファー塩由来の他のカチオン源が存在する場合に、溶解乳酸塩として呼称する場合がある)に解離する。解離の量は、溶液のpHと乳酸のpKaに関係する。25℃における乳酸のpKaは3.86である(50℃では、pKaは約3.89である)。下記の方程式(2)は、pH、pKa、および乳酸の解離度がどのように関連しているかについて説明するものである。
pH = pKa + log ([La-] / [LaH]) (2)
方程式(2)は、pHが酸のpKaと等しい場合、酸の半分が解離していることを示している。pHが高いと、大部分の乳酸は乳酸アニオン形態である。発酵培養液が3.0〜4.5の間のpHを有していれば、未解離形態の乳酸が顕著な量で存在する。実際には、25℃での乳酸イオンに対する遊離乳酸(未解離)のモル比は、pH3.0では約7.0であり;pH約4.5では、25℃での比は約0.23である。
pH調節発酵の好ましいプロトコルは以下のように実施する。接種後、(1)所望のpH(4.3〜4.9の範囲)に到達するまでの無調節酸性化発酵、続いて、(2)pH調節発酵、および場合により、(3)引き続き、終了までの第2の無調節酸性化発酵、例えば、pH3.5〜4.0。このプロトコルの結果、発酵乳製品中の塩類を比較的低濃度に維持しながら、多量のIPP当量を生産することができる。
塩基は金属塩であるのが好ましいが、その金属は食品において一般的であるが、血圧を上昇させないものである。好ましくは、塩基は水酸化物である。従って、水酸化ナトリウムなどのナトリウムを含有する塩基は除くのが好ましい。さらに好ましくは、塩基は、カルシウム塩、カリウム塩、および/またはマグネシウム塩からなる群から選択される塩である。そのような塩基のK+、Ca2+および/またはMg2+金属イオンは、pH調節発酵の結果、発酵乳製品の一部になるが、ヒトにおいて血圧を低下させ得る。
発酵中の溶存酸素(dO2)の濃度は、5%以下であるのが好ましい。溶存酸素濃度が低い場合、トリペプチドVPPおよび/またはIPPの生産は、酸素濃度が高い場合に比べて高まる。低溶存酸素濃度を達成するために、窒素などの不活性ガスを用いて、発酵槽に噴霧してもよく、かつ/または発酵槽のヘッドスペースをフラッシングしてもよい。
有利には、発酵終了後、追加の生産工程をいくつか実施することができる。例えば、固体状の乳酸カルシウムおよび/または乳酸マグネシウムは、例えばこれらの乳酸塩が沈殿するように発酵乳製品を冷却することによって、発酵乳から分離させることができる。発酵乳製品は、そのような製品として使用され得るか、あるいは希釈され得るか、濃縮され得るか、精製され得るか、または乾燥、好ましくは、スプレー乾燥もしくは凍結乾燥され得る。
本発明によれば、比較的多くの数のVPP分子および/またはIPP分子が、カゼインを含有する出発原料(基質)に由来する。好ましくは、その基質に対するVPPのモル収率は15%以上、好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上である。VPPのモル収率は、発酵中に生産されたVPPのモル量を、発酵開始前の出発乳原料中に存在するカゼインの全質量中のVPP断片のモル量で割ったものと定義する。同様の計算によりIPPのモル収率が得られる。IPPのモル収率は、好ましくは8%以上、さらに好ましくは10%以上、最も好ましくは25%以上である。
本発明の方法により、145μM以上のIPP当量濃度[IPPeq]として表されるトリペプチドVPPおよび/またはIPPの量を含む、発酵乳を得ることができる。
本発酵乳製品は、40〜600mmol/kgのK+、および/または30〜400mmol/kgのCa2+、および/または6〜50mmol/kgのMg2+、好ましくは、50〜600mmol/kgのK+、および/または40〜400mmol/kgのCa2+、および/または8〜50mmol/kgのMg2+、さらに好ましくは、100〜150mmol/kgのK+、および/または40〜100mmol/kgのCa2+、および/または10〜25mmol/kgのMg2+、最も好ましくは、110〜135mmol/kgのK+、および/または40〜60mmol/kgのCa2+、および/または13〜20mmol/kgのMg2+を含む。本明細書では、これらのイオン濃度は、K、Ca、およびMgとして(すなわち、イオン電荷に関係なく)測定される。好ましくは、本発酵乳製品は、上で説明したK+、Ca2+、およびMg2+イオンの2種類以上を上述した量で含み、さらに好ましくは、これらのイオンの3種類すべてを上述した量で含む。
発酵乳製品またはそれから得られる製品は、その製品自体がヒトによって消費され得る。またこれらは、食品原料成分として食品中で用いることもできる。そのような場合、IPP当量濃度、ならびに食品のK+、Ca2+およびMg2+の濃度は、本発酵乳製品について本明細書で定義した範囲内にあるのが好ましい。
本発明による発酵乳製品、またはそれから得られる食品は、低温殺菌または滅菌することができる。
本発明による食品は、いかなる食品のタイプであってもよい。これらの食品は、適当な量で、発酵乳製品に加えて、一般的な食品成分、例えば、香味料、糖、フルーツ、ミネラル、ビタミン、安定剤、増粘剤等を含んでいてもよい。好ましくは、本食品は、乳製品または凍結菓子製品である。これらの好ましい食品の種類は、下記の一部の詳細、および実施例に記載されている。
(乳製品)
本発明による乳製品の例としては、乳、ディリースプレッド、クリームチーズ、乳タイプ飲料、およびヨーグルトであり、この場合、乳固形物は、部分的にまたは完全にLb.ヘルヴェティクス発酵乳由来の固形物からなっている。
ヨーグルトタイプの製品の組成物の例は、約50〜80重量%の水、3〜12重量%のLb.ヘルヴェティクス発酵乳固形物、0〜15重量%の粉末ホエー、0〜15重量%の糖(例えば、ショ糖)、0.01〜1重量%のヨーグルト培養物、0〜15重量%のフルーツ、0.05〜5重量%のビタミンおよびミネラル、0〜2重量%の香味料、0〜5重量%の安定剤(増粘剤またはゲル化剤)である。
ヨーグルトタイプの製品の典型的な一人分の分量は、50〜250g、一般に80〜200gであり得る。
(凍結菓子製品)
本発明の目的において、凍結菓子製品という用語には、アイスクリーム、フローズンヨーグルト、シャーベット、ソルベ、アイスミルクおよびフローズンカスタード、ウォーターアイス、グラニタ、ならびに凍結フルーツピューレなどの乳含有の凍結糖菓が含まれる。
好ましくは、凍結糖菓中の固形物(例えば、糖、脂肪、香味料など)の濃度は、3重量%以上、さらに好ましくは10〜70重量%、例えば40〜70重量%である。
一般には、アイスクリームは、脂肪0〜20重量%、発酵乳固形物2〜20重量%、甘味料、無脂肪乳成分0〜10重量%、および任意の成分、例えば、乳化剤、安定剤、保存剤、香味成分、ビタミン、ミネラル等を含み、バランスは水である。典型的には、アイスクリームは、例えば、20〜400%、より詳しくは40〜200%の超過量まで炭酸ガスを満たし、-2〜-200℃、さらに詳しくは-10〜-30℃の温度に凍結させる。アイスクリームは、通常、約0.1wt%濃度のカルシウムを含む。
本発明による他の食品は、通常の一般知識に基づいて、当業者により好適な量の成分として発酵乳または発酵乳由来製品を使用して製造することができる。そのような食品の例としては、ベーカリー製品、乳製品、スナック、飲料などが挙げられる。
有利には、本食品は、油および水を含有するエマルジョン、例えばスプレッドである。本明細書では、油および水のエマルジョンは、油と水を含むエマルジョンとして定義され、水中油型(O/W)エマルジョン、および油中水型(W/O)エマルジョン、ならびに高次複合エマルジョン、例えば、水中油中水型(W/O/W/O/W)エマルジョンを含む。本明細書では、油には脂肪が含まれるものと定義する。
好ましくは、本食品は、飲料、特に乳飲料、スプレッド、凍結糖菓、またはソースである。
本発明によるスプレッドは、30〜90重量%の植物油を含むのが好ましい。有利には、スプレッドは、4.2〜6.0のpHを有する。
(IPP量およびVPP量の測定)
VPPおよびIPPの定量は、ESIポジティブモードでHPLC-MRM-MSを用いて実施した。試料は、Quattro-II三連四重極質量分析計(Micromass製(英国))と組み合わせたHP1100(Agilent製)HPLC系を用いて分析した。GL SciencesのプレパックVarian 150×2.1mm Inertsil ODS-3カラムに試料をインジェクトした。流速は0.2ml/分であり、溶離液のグラジエントは、リニアグラジエント(46分間で、0.1%のトリフルオロ酸(TFA)を含有する100%水から0.1%のTFAを含有する100%アセトニトリル)とした。MSのイオン源は、ポジティブ-エレクトロスプレーモードで作動させた。娘イオンm/z 213.1は、VPPおよびIPPのそれぞれの親イオンm/z 12.2およびm/z 326.2のMRMでモニターした。両化合物について、コーン電圧は19V、衝突エネルギーは18eVであった。使用した衝突ガスはアルゴンで、衝突ガス圧力は2.3×10-3mbarであった。定量は、両化合物についての個別の外部検量線を用いて実施した。
(ACE阻害活性の測定)
ACE阻害活性は、以下に記載したアッセイ技術を用いて測定した。このin vitroアッセイでは、Araujo M.C.ら、Biochemistry 39、8519〜8525、(2000)によって記載されている、内部消光蛍光基質Abz-FRK(Dnp)P-OHを用いる。
ACEが蛍光基質のR-K結合を切断した場合、蛍光基(Abz)に関してクエンチャー(Dnp)の距離が拡大し、その結果、蛍光シグナルが発生する。このシグナルはACE活性と直接的な関係があり、蛍光測定器で測定される。
試料は以下のようにして調製した。発酵乳を遠心分離管に移した。pHは、6MのHClを数μl添加することにより4.0±0.1に調節し、室温(RT)にて4.000×gで5〜10分間遠心分離にかけた。上清を試験管に移し、数μlの6M NaOHを添加することによりpHを7.0±0.1に調節した。pH調整済み試料をエッペンドルフ試験管に移し、RTにて14.000rpmで10分間遠心分離にかけた。上清を試験管に移し、ACE阻害活性アッセイの準備を行なった。試料をすぐに処理しない場合には、それを-20℃にて保存した。
アッセイバッファー(=100mMトリス緩衝液(100mM NaClを含む)pH7.0)中の150μl 3.75μM Abz-FRK(Dnp)P-OH+アッセイバッファー中の20μl 0.00625U/ml ACE+40μl試料/アッセイバッファーをマイクロプレートに1ウェル当たり加え、次いで、蛍光を用いて直接的にACE活性を調べた(λex:320nm λem:420nm)。スロープ/秒は、ACE活性に関する単位である。
基準として、カプトプリル(最終濃度1nM)またはIPP(最終濃度5μM)を用いた。両濃度によって、ACE活性の約30%阻害が得られた。
ACE阻害(ACEI)は便宜的な単位(a.u.)として表されるが、これは以下のように定義される。
ACE阻害(a.u.) = ACEI (%) * 希釈 (3)
ACEI(%) = (1-(A-B) / (C-B)) * 100 (4)
A = 試料の値
B = ブランクの値、ACE無し、阻害剤も無し
C = コントロールの値、ACE有り、阻害剤無し。
(タンパク分解活性)
乳酸菌のタンパク分解活性(タンパク質分解性)を評価するには、発酵乳試料中の(遊離アミノ酸としての)アミノ基、ペプチドおよびタンパク質の全量の存在を使用する。Adler-Nissen、J. in Agric. Food Chem. 27、1256〜1262 (1979)によって記載されている、食品タンパク質水解物の加水分解度を測定する方法を用いた。
5μLの試料、ロイシンスタンダード(0.25〜2.5mM)、または蒸留水を、40μLの0.21Mリン酸緩衝液pH8.2および40μLの0.1wt% TNBS溶液に添加し、次いで、50℃にて60分間、暗所にてインキュベーションを行なった。80μLの0.1M HClを添加することによって反応を止めた。340nmで吸光度を測定した(Adler-Nissen J. Enzymatic hydrolysis of food proteins. New York: Elsevier Applied Science Publishers p. 110〜169)。
乳中に存在するアミノ基の総量は、mMのロイシン当量として表した。
CaとMgの金属濃度は、誘導結合プラズマ(ICP)-プラズマ発光分析を用いて測定し、NaとKの金属濃度は、フレーム原子吸光分析(FAAS)を用いて測定した。
(比較例A〜I)
前培養物-1の調製:
滅菌脱脂粉乳(Yopper、Campina製(オランダ))に、表1に示すラクトバチルス・ヘルヴェティクス株の培養物(最終濃度が6%グリセロールになるまで滅菌10%グリセロールで希釈した、上述の脱脂粉乳中における完全増殖培養物として-80℃で保存しておいた培養物)の2〜4%を37℃にて24時間接種した。得られた生成物は前培養物-1と称する。
比較例A〜Iについては、滅菌脱脂粉乳(Yopper、Campina製(オランダ))を、前培養調製で記載した異なる各株について調製した前培養物-1の2wt%を用いて発酵させた。9種類の異なるラクトバチルス・ヘルヴェティクス株を用いた発酵は撹拌を行い、40℃にて無気的条件下、pH調節なしで実施した。発酵のACE阻害(ACEI)、IPPおよびVPP形成、ならびにタンパク分解活性(タンパク質分解)の結果(2回繰り返し)を表1に示す(平均データ)。
Figure 2006512912
比較例A〜Iは、スクリーニングされたLb.ヘルヴェティクスのものを示し、CNRZ244株がVPPとIPPを最も多く形成することが明らかである。
さらに、これらの結果からは、他のLb.ヘルヴェティクス株と比べると、Lb.ヘルヴェティクスCNRZ244は、優れたACE阻害能力を有し、タンパク分解活性が高いことが明らかである。
(実施例1〜8)
滅菌脱脂粉乳(Yopper、Campina製(オランダ))を用い、前培養物-1のラクトバチルス・ヘルヴェティクスCNRZ 244を接種して接種前培養物(前培養物-2)を調製した。この前培養物は撹拌せずに、37℃で24時間インキュベートした。発酵は、3リットル容量の底部駆動(Ruston発酵槽)を備えた6枚羽根インペラーを装備した撹拌槽型反応器(STR)中、前培養物-2を用いて滅菌脱脂粉乳(Yopper)に接種することによって実施した。発酵中、スターラー速度は150rpmに保持し、酸素を溶解させ(dO2)、pHをモニターした。
嫌気条件(5%未満のdO2)は、窒素ガスによるヘッドスペースフラッシュを用いて保持した。pH調節発酵は、無調節酸性化段階を実施し、その後、pHを調節した。発酵中、pHは、そのpH整定値が到達するまで低下させた。その後、水酸化カルシウムの10wt%懸濁液を用いてpHを調節した。24時間の発酵後、カルシウム濃度は、発酵乳の0.4〜0.6wt%まで達した。これらの結果を表2および図1に示す。
Figure 2006512912
(実施例9〜13)
実施例9〜13は、ここでは、発酵時間を24時間の代わりに42〜46時間とすることを除いて、実施例1〜8と同様に実施した。発酵乳中のカルシウムの最終濃度は、0.8wt% (200mmol/kg)まで達した。表3に結果を示す。
Figure 2006512912
実施例1〜13によると、発酵中に4.3〜4.9の範囲にpHを調節することによって、発酵中に乳カゼインから遊離される活性トリペプチドVPPおよびIPPの形成が高まることが明らかである。
(実施例14)
実施例14は、前培養と発酵中のpH調節について異なるプロトコルで、実施例1〜8に記載されている条件を用いることにより、15リットルのRushton発酵槽で実施した。
滅菌脱脂粉乳(Yopper、Campina製(オランダ))を用い、前培養物-1のラクトバチルス・ヘルヴェティクスCNRZ 244の2wt%を接種して前培養物(前培養物-3)を調製した。前培養-3は、ヘッドスペース窒素ガスフラッシュを用いた嫌気条件下、24時間、40℃にて撹拌しながらインキュベートした。
脱脂粉乳は、水道水中に9wt%の脱脂粉乳(Promex、Coberco製(オランダ))を混合することにより再構成し、滅菌した。
滅菌した再構成乳は、嫌気条件下、40℃にて2wt%の前培養物-3を用いて発酵させた。
pHは、以下のようにして、塩基として、3.9wt%の水酸化カルシウムおよび1.25Mの水酸化カリウムを含有する水酸化物の混合物を使用して一定時間調節した。(発酵プロトコルA)。
発酵中、乳のpHは、9〜11時間の間に、pH6.5またはpH6.3からpH4.6まで低下させた。pH4.6で、水酸化カルシウムと水酸化カリウムの塩基混合物を用いて、5〜7時間pHを調節した(3.9wt%の水酸化カルシウムと1.25Mの水酸化カリウムを含有する300ml容量を7.5リットルの発酵乳に用いた)。このpH調節段階の後、再びpHを4.0まで低下させた。発酵乳中のカルシウムおよびカリウムの最終濃度は、それぞれ、0.2wt%(50mmol/kg)と0.29wt%(74mmol/kg)であった。本実施例14におけるような調節発酵の典型的なpH曲線を図2に示す。
これらの結果は表4に示す。
(比較例J)
比較例Jは、pHを調節しなかったこと以外、実施例14と同様に実施した(発酵プロトコルB)。
pH調節を行なわない発酵プロトコル(無調節酸性化):pH調節を行なわない以外、前培養物-3、殺菌再構成乳および条件は実施例14と同様。発酵後、カルシウムとカリウムを乳酸塩として添加した。
結果を表4に示す。
Figure 2006512912
表4からは、水酸化カルシウムおよび水酸化カリウムの混合物を用いてpH=4.6にpHを調節すると、活性ペプチドのVPPおよびIPPの生産が高まることが明らかである。
(実施例15)
(発酵乳飲料の製造)
実施例14および比較例Jに従って得られた発酵乳を用いて、発酵乳飲料を製造した。
この発酵乳飲料は、90wt%の原料発酵乳と、以下の成分、すなわち、5.5wt%ショ糖(CSM製、オランダ)、1.5wt%フルクトースシロップ(Sensus製、オランダ)、2wt%マルチフルーツフルーツパルプ(Wild製、オランダ)、0.1wt%ヨーグルトフレーバーD-49492(Quest製、オランダ)、0.03wt%フルーツフレーバー037-00330-11(Givaudan製、スイス)、0.1wt%クリームフレーバーU33162(Danisco製、デンマーク)、および0.8重量%GenuペクチンYM-115-H(CPKelco製、デンマーク)を含有していた。
これらの成分が混合された後、150barで発酵乳飲料を均質化し、75℃にて15秒間低温殺菌した。
この乳飲料の味は良好であった。
(実施例16および実施例17)
実施例16および実施例17は、前培養については同一のプロトコルで、実施例1〜8に記載されている条件を用いてRushton発酵槽内で実施し、発酵中のpH調節のために、水酸化カルシウムの代わりに水酸化カリウムを用いて実施した。
pHは、pH整定値5.2(実施例16)および5.9(実施例17)で調節した。
カリウムの最終濃度は、発酵乳の1.6wt%(平均410mmol/kg K+)まで達した。
(実施例18)
実施例18は、発酵を無調節酸性化発酵として開始させた以外は、実施例14と同様に実施し、pH4.6に到達したら、pHは、残りの発酵時間中、塩基混合物を添加することによってこのpHで維持した。
pHの関数として、実施例1〜8によるVPP、IPP、および算出IPPeq(μM)の濃度を示す図である。▲はIPPデータを示し、●はVPPデータを示し、◆はIPPeqデータを示す。 代表的なpHプロファイルを示す。pHは、発酵時間(時間)の関数としてプロットされている。短い曲線は、10〜15時間におけるpH調節段階を含む、24時間の無調節酸性化発酵を示し、長い曲線は、pH調節を行なわなかった48時間の発酵を示す。 発酵時間(時間)の関数としてμMで表した、ACE形成阻害ペプチドVPPおよびIPPの濃度を示す。●はVPPデータを示し、▲はIPPデータを示す。実施例16に関するデータは実線によって結んでおり、実施例17に関するデータは点線によって結んでいる。

Claims (17)

  1. トリペプチドVPPおよび/またはIPPを含む発酵乳製品であって、IPP当量濃度[IPPeq]として表される量で145μM以上のトリペプチドVPPおよび/またはIPPを含み、40〜600mmol/kgのK+、および/または30〜400mmol/kgのCa2+、および/または6〜50mmol/kgのMg2+を含むことを特徴とする製品。
  2. 50〜600mmol/kgのK+、および/または40〜400mmol/kgのCa2+、および/または8〜50mmol/kgのMg2+を含む、請求項1に記載の発酵乳製品。
  3. 100〜150mmol/kgのK+、および/または40〜100mmol/kgのCa2+、および/または10〜25mmol/kgのMg2+を含む、請求項2に記載の発酵乳製品。
  4. 110〜135mmol/kgのK+、および/または40〜60mmol/kgのCa2+、および/または13〜20mmol/kgのMg2+を含む、請求項3に記載の発酵乳製品。
  5. 発酵の本質的部分の間のpHが4.3〜5.9であるような量で塩基を添加することによって発酵を調節する、発酵乳製品の調製方法。
  6. 前記塩基がK+イオンを有し、発酵の本質的部分の間の前記pHが4.9〜5.5である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記塩基がCa2+イオンを有し、発酵の本質的部分の間の前記pHが4.3〜4.9である、請求項5に記載の方法。
  8. 前記塩基がK+、Ca2+および/またはMg2+を含む、請求項5に記載の方法。
  9. 発酵中の温度が38〜42℃である、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 発酵中の溶存酸素(dO2)の濃度が5%以下である、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記塩基が、カルシウム塩、カリウム塩および/またはマグネシウム塩からなる群から選択される塩である、請求項6から9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記塩が水酸化物である、請求項10に記載の方法。
  13. 発酵終了後、乳酸カルシウムの固体を発酵乳から分離する、請求項10または11に記載の方法。
  14. 水含有発酵生成物を乾燥させる、請求項6から12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 水含有発酵生成物をスプレー乾燥または凍結乾燥させる、請求項13に記載の方法。
  16. VPPのその基質に対するモル収率が15%以上である、請求項6から14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 145μM以上の[IPPeq]を含有する発酵乳製品を製造するための、Centre National de Recherches Zootechniques(Jouy-en-Josas(フランス))に寄託されている、ラクトバチルス・ヘルヴェティクス株CNRZ 244の使用。
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