JP2006342215A - 減衰性付与剤及び減衰性材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 減衰性能を容易に発揮させることができる減衰性付与剤及び減衰性材料を提供する。
【解決手段】 減衰性付与剤は、p,p′−ジオクチルジフェニルアミン、トリフェニルホスフェート、及び2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンから選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有する。この減衰性付与剤は、樹脂材料と混合して使用される。この減衰性付与剤は樹脂材料中において、振動エネルギー、衝撃エネルギー、音のエネルギー等のエネルギーを熱エネルギーに変換する機能を発現する。減衰性材料は、減衰性付与剤の有効成分を減衰性付与成分として含有するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂材料に減衰性を付与する減衰性付与剤及び減衰性を発揮する減衰性材料に関するものである。
従来、樹脂材料に制振性等の減衰性を付与する減衰性付与成分としては、ベンゾトリアゾール基を有する化合物等が知られている(特許文献1参照)。この種の減衰性付与成分は、樹脂材料と混合して使用され、樹脂材料に対して例えば振動エネルギーを熱エネルギーに変換することによって、振動エネルギーを減衰する性能、すなわち減衰性を付与する成分である。
国際公開第97/42844号パンフレット
従来の減衰性付与成分は、樹脂材料との混合における混合条件や樹脂材料の成形加工における成形条件によっては、熱分解し易い傾向にある。従って、例えば減衰性付与成分と樹脂材料との混合を重視すると、減衰性付与成分の熱分解が促進されることになる。また、例えば樹脂材料との混合時において、熱に対する減衰性付与成分の安定性を重視すると、減衰性付与成分と樹脂材料との混合が不十分となり易くなる。このように、混合条件や成形条件によっては、減衰性能を発揮させることが困難となる。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、減衰性能を容易に発揮させることができる減衰性付与剤及び減衰性材料を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の減衰性付与剤は、樹脂材料と混合して使用され、前記樹脂材料に減衰性を付与する減衰性付与剤であって、p,p′−ジオクチルジフェニルアミン、トリフェニルホスフェート、及び2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンから選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有してなることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の減衰性付与剤において、前記樹脂材料及び前記有効成分の合計質量に対して、前記有効成分が5〜15質量%の質量割合となるように、前記樹脂材料に配合されることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の減衰性付与剤において、前記樹脂材料がポリアミドであることを要旨とする。
請求項4に記載の発明の減衰性材料は、樹脂材料と、その樹脂材料に減衰性を付与する減衰性付与成分と、を含有する減衰性材料であって、前記減衰性付与成分はp,p′−ジオクチルジフェニルアミン、トリフェニルホスフェート、及び2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンから選ばれる少なくとも一種であることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の減衰性材料において、前記樹脂材料及び前記減衰性付与成分の合計質量に対して、前記減衰性付与成分が5〜15質量%含有されることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の減衰性材料において、前記樹脂材料がポリアミドであることを要旨とする。
本発明によれば、減衰性能を容易に発揮させることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
減衰性付与剤は樹脂材料と混合して使用され、その樹脂材料に減衰性を付与するものである。この減衰性付与剤は樹脂材料中において、振動エネルギー、衝撃エネルギー、音のエネルギー等のエネルギー(但し、光エネルギー及び電気エネルギーを除く)を熱エネルギーに変換する機能を発現する。すなわち、この減衰性付与剤は、外部から伝播する振動エネルギー、衝撃エネルギー、音のエネルギー等のエネルギーを減衰する減衰性を樹脂材料に付与するものである。
減衰性付与剤は、p,p′−ジオクチルジフェニルアミン、トリフェニルホスフェート、及び2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンから選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有してなる。
この減衰性付与剤の有効成分であるp,p′−ジオクチルジフェニルアミンとしては、樹脂用添加剤の市販品であるノクラック(商品名)AD−F(大内新興化学工業(株)製)等を使用することができる。この減衰性付与剤の有効成分であるトリフェニルホスフェートとしては、樹脂用添加剤の市販品であるTPP(大八化学(株)製)等を使用することができる。この減衰性付与剤の有効成分である2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンとしては、樹脂用添加剤の市販品であるケミソーブ(商品名)111(ケミプロ化成(株)製)等を使用することができる。
この減衰性付与剤には、有効成分以外の成分として充填剤、難燃剤、腐食防止剤、着色剤、制電剤、湿潤剤等を必要に応じて含有させることもできる。
樹脂材料に対する減衰性付与剤の配合量は、樹脂材料及び有効成分の合計質量に対する有効成分の質量割合で、好ましくは5〜15質量%、より好ましくは7〜13質量%、さらに好ましくは8〜12質量%である。この質量割合が5〜15質量%であると、減衰性材料の外観を良好に維持しつつ、減衰性能を発揮させることができる。また、この質量割合が5質量%未満であると、優れた減衰性能が付与されにくくなる。一方、15質量%を超えて配合しても、それ以上の減衰性能が発揮されにくくなる。
樹脂材料としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられ、これらの樹脂は一般に汎用プラスチック及びエンジニアリングプラスチックに分類される。
汎用プラスチックとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂共重合体等が挙げられる。エチレン/アクリル酸エステル共重合体としては、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。エチレン/メタクリル酸エステル共重合体としては、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。
エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、各種液晶ポリマー等が挙げられる。ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミドエラストマー等が挙げられる。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステルエラストマー等が挙げられる。ポリアセタール(ポリオキシメチレン)としては、ホモポリマーの他、オキシメチレンとオキシエチレンとのコポリマー等が挙げられる。
本実施形態の減衰性付与剤が適用される樹脂材料は特に限定されず、樹脂材料は単独種を使用してもよいし、複数種の樹脂材料をブレンドして使用してもよい。本実施形態の減衰性付与剤は、溶融温度が高温である樹脂材料、すなわちエンジニアリングプラスチックと混合して使用されることにより、その作用効果が顕著に得られる。すなわち、前記有効成分は、減衰性を付与する作用に加え、優れた耐熱性を有するため、そうした高温条件下にて成形されるエンジニアリングプラスチックに対して配合しても、有効成分の熱分解が抑制されることになる。
ここで、エンジニアリングプラスチックの一種であるポリアミドは、溶融温度が高いことに加え、室温付近において減衰性能が発揮されにくい樹脂材料である。こうしたポリアミドに対して、本実施形態の減衰性付与剤を適用することにより、ポリアミドの室温付近(例えば23℃付近)における減衰性能が向上されるようになる。本実施形態の減衰性付与剤は、特にポリアミド6の室温付近における減衰性能を向上させる効果に優れる。そのポリアミド6に対して、p,p′−ジオクチルジフェニルアミンを有効成分とする減衰性付与剤を適用する場合、この減衰性付与剤の配合量は、ポリアミド6とp,p′−ジオクチルジフェニルアミンとの合計質量に対するp,p′−ジオクチルジフェニルアミンの質量割合で、好ましくは7〜13質量%である。また、ポリアミド6に対して、トリフェニルホスフェートを有効成分とする減衰性付与剤を適用する場合、この減衰性付与剤の配合量は、ポリアミド6とトリフェニルホスフェートとの合計質量に対するトリフェニルホスフェートの質量割合で、好ましくは5〜15質量%である。さらに、ポリアミド6に対して、2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンを有効成分とする減衰性付与剤を適用する場合、この減衰性付与剤の配合量は、ポリアミド6と2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンとの合計質量に対する2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンの質量割合で、好ましくは5〜15質量%である。なお、汎用プラスチックにおいても、溶融温度や混練時における摩擦熱を要因として減衰性能を付与することが困難である場合には、そうした汎用プラスチックに対して本実施形態の減衰性付与剤を適用することは有効である。樹脂材料と減衰性付与剤との混合には、ディゾルバー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー、グレンミル、ニーダー等の公知の混合機を使用することが可能である。
本実施形態の減衰性材料は、樹脂材料と減衰性付与成分とを含有する。この減衰性材料における樹脂材料は、前記減衰性付与剤が混合される樹脂材料である。減衰性付与成分は、前記有効成分として記載したp,p′−ジオクチルジフェニルアミン、トリフェニルホスフェート、及び2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンから選ばれる少なくとも一種である。また、減衰性材料中における減衰性付与成分の含有量は、樹脂材料及び減衰性付与成分の合計質量に対する減衰性付与成分の質量割合で、好ましくは5〜15質量%、より好ましくは7〜13質量%、さらに好ましくは8〜12質量%である。この減衰性材料は、樹脂材料と減衰性付与成分とを混合して得られる。なお、この減衰性材料には、減衰性付与成分以外の成分として充填剤、難燃剤、腐食防止剤、着色剤、制電剤、湿潤剤等を必要に応じて含有させることもできる。
減衰性材料は、振動エネルギーを吸収する制振材料として、例えば自動車用部品、内装材、建材、家電製品、電子機器部品、産業機械部品等に適用することができる。この減衰性材料を制振材料として利用する場合、減衰性材料をシート状に成形することにより、非拘束型制振シートとして利用することができる。この非拘束型制振シートは、適用箇所に貼り合わせることによって、制振シートの一側面が拘束されていない状態で使用される。
また、この減衰性材料を制振材料として利用する場合、減衰性材料をシート状に成形することにより得られる制振シートを制振層とし、同制振層の表面に制振層を拘束するための拘束層を貼り合わせることによって拘束型制振シートを得ることができる。拘束層としては、アルミニウム、鉛等の金属箔、ポリエチレン、ポリエステル等の合成樹脂から形成されるフィルム、不織布等が挙げられる。この拘束型制振シートは、制振層側を適用箇所に貼り合わせることによって制振層の両面が拘束されている状態で使用される。
この減衰性材料は、衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収材料として、例えば靴、グローブ、各種防具、グリップ、ヘッドギア等のスポーツ用品、ギプス、マット、サポーター等の医療用品、壁材、床材、フェンス等の建材、各種緩衝材、各種内装材等に適用することができる。また、この減衰性材料を衝撃吸収材料として利用する場合、減衰性材料をシート状に成形することにより、衝撃吸収シートとして利用することができる。この衝撃吸収シートは、適用箇所に貼り合わせる等して使用される。
次に、上記のように構成された減衰性付与剤及び減衰性材料の作用を説明する。
樹脂材料と混合して使用される減衰性付与剤は、p,p′−ジオクチルジフェニルアミン、トリフェニルホスフェート、及び2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンから選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有している。こうした有効成分(減衰性付与成分)と樹脂材料とを混合するに際し、有効成分は樹脂材料の溶融等に伴う熱によって加熱されることになる。本実施形態の減衰性付与剤では、そうした加熱による有効成分の熱分解が抑制される。従って、有効成分と樹脂材料とを十分に混合することができるようになる。その結果、有効成分の分散性が良好な減衰性材料が得られることになる。さらに、有効成分と樹脂材料と混合するに際し、有効成分の熱分解は抑制されているため、その熱分解を要因とする臭気の発生を抑制することができる。
得られた減衰性材料は、樹脂材料の分子鎖と、有効成分の分子との摩擦によって、振動エネルギー等を熱エネルギーに変換することができると推測される。この減衰性材料では、有効成分が十分に分散され、その減衰性材料を成形加工するに際しても、有効成分の熱分解は抑制されるため、そうしたエネルギーを変換する機能が十分に発揮されるようになる。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) この実施形態の減衰性付与剤は、p,p′−ジオクチルジフェニルアミン、トリフェニルホスフェート、及び2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンから選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有している。そのため、樹脂材料との混合時における有効成分の熱分解が抑制されることで、樹脂材料中に有効成分を十分に分散させることができるようになる。その結果、減衰性能を容易に発揮させることができる。さらに、減衰性付与剤と樹脂材料との混合時において、有効成分の熱分解に起因する臭気を抑制することができる。
(2) 減衰性付与剤は、樹脂材料及び有効成分の合計質量に対して、有効成分が5〜15質量%の質量割合となるように、樹脂材料に混合されることが好ましい。この場合、得られる減衰性材料、ひいては減衰性材料を成形して得られる成形品の外観や機械的物性を良好に維持しつつ、減衰性能を発揮させることができる。
(3) 減衰性付与剤は、ポリアミドと混合して使用されることで、ポリアミドの室温付近における減衰性能を向上させることができる。
(4) この実施形態の減衰性材料は、樹脂材料と、減衰性付与成分としてp,p′−ジオクチルジフェニルアミン、トリフェニルホスフェート、及び2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンから選ばれる少なくとも一種とを含有している。この構成によれば、減衰性材料の成形加工に伴って減衰性付与成分が熱分解することを抑制することができるようになるため、減衰性能を容易に発揮させることができる。さらに、減衰性材料の成形加工時において、減衰性付与成分の熱分解に起因する臭気を抑制することができる。
(5) 樹脂材料及び減衰性付与成分の合計質量に対して、前記減衰性付与成分が5〜15質量%含有されることによって、上記(2)に記載の作用効果と同じ作用効果が得られる。
(6) 樹脂材料としてポリアミドを採用することにより、上記(3)に記載の作用効果と同じ作用効果を得ることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
表1に示すように、p,p′−ジオクチルジフェニルアミン(成分A、ノクラック(商品名)AD−F、大内新興化学工業(株)製)からなる減衰性付与剤と、樹脂材料としてのポリアミド6(PA6、Zytel(商品名)21A NC010、デュポン(株)製)とを混合することにより、減衰性材料を調製した。減衰性付与剤と樹脂材料との混合は、ニーダー(MS加圧型ニーダー、森山製作所製)を用いて、加熱温度220℃、15分の条件で樹脂材料を溶融混練することによって行った。減衰性付与剤及び樹脂材料の配合量(質量%)を表1に示す。
(比較例1)
表1に示すように、比較例1は減衰性付与剤を含有しない樹脂材料である。
(実施例2〜4)
表1に示すように、実施例2〜4は、トリフェニルホスフェート(成分B、TPP、大八化学(株)製)からなる減衰性付与剤を用いた以外は、実施例1と同様にして減衰性材料を調製した。減衰性付与剤及び樹脂材料の配合量(質量%)を表1に示す。
(実施例5)
表1に示すように、実施例5は、2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(成分C、ケミソーブ(商品名)111、ケミプロ化成(株)製)からなる減衰性付与剤を用いた以外は、実施例1と同様にして減衰性材料を調製した。減衰性付与剤及び樹脂材料の配合量(質量%)を表1に示す。
<動的粘弾性の測定>
各実施例で得られた減衰性材料及び比較例1の樹脂材料をシート状に成形することによって、厚さ1mmのシート材を得た。各シート材を35mm×5mmの寸法に切断し、動的粘弾性測定用の試験片とした。動的粘弾性測定装置(RSA−II:レオメトリック社製)を用いて各試験片を加振しながら連続的に昇温した際の損失正接(tanδ)を測定した。測定条件は、加振の周波数10Hz、測定温度範囲−20℃〜+160℃、昇温速度5℃/分とした。各例の23℃における損失正接を表1に併記する。また、図1は実施例1及び比較例1における温度と損失正接の関係を示すグラフであり、図2は実施例2〜4及び比較例1における温度と損失正接の関係を示すグラフである。さらに、図3は実施例5及び比較例1における温度と損失正接の関係を示すグラフである。
Figure 2006342215
表1に示す結果から明らかなように、各実施例の損失正接の値(23℃)は、比較例1の損失正接の値(23℃)よりも高い値を示していることから、各実施例では、減衰性が付与されていることがわかる。また、各実施例では減衰性付与剤と樹脂材料とを混合する際、及び減衰性材料をシート状に成形する際における臭気はほとんど感じられなかった。このことから、有効成分(減衰性付与成分)の熱分解が抑制されていることがわかる。すなわち、各実施例では樹脂材料中に有効成分(減衰性付与成分)を十分に分散させることが可能となるため、減衰性能を容易に発揮させることができることがわかる。さらに、図1〜図3に示す結果から、上記の減衰性付与剤は、PA6が有する損失正接のピークを低温側にシフトさせる作用を奏することがわかる。各実施例の減衰性材料では、そうした減衰性付与剤の作用によって室温付近における損失正接が高まる結果、各実施例の減衰性材料は室温付近(23℃付近)における減衰性が付与されることがわかる。加えて、各実施例の試験片には、割れや白化が確認されなかったため、各実施例の減衰性材料の成形性やその減衰性材料から得られる成形体の外観も良好であることが認められる。
実施例1及び比較例1の動的粘弾性測定おける温度と損失正接の関係を示すグラフ。 実施例2〜4及び比較例1の動的粘弾性測定における温度と損失正接の関係を示すグラフ。 実施例5及び比較例1の動的粘弾性測定における温度と損失正接の関係を示すグラフ。

Claims (6)

  1. 樹脂材料と混合して使用され、前記樹脂材料に減衰性を付与する減衰性付与剤であって、p,p′−ジオクチルジフェニルアミン、トリフェニルホスフェート、及び2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンから選ばれる少なくとも一種を有効成分として含有してなることを特徴とする減衰性付与剤。
  2. 前記樹脂材料及び前記有効成分の合計質量に対して、前記有効成分が5〜15質量%の質量割合となるように、前記樹脂材料に配合される請求項1に記載の減衰性付与剤。
  3. 前記樹脂材料がポリアミドである請求項1又は請求項2に記載の減衰性付与剤。
  4. 樹脂材料と、その樹脂材料に減衰性を付与する減衰性付与成分と、を含有する減衰性材料であって、前記減衰性付与成分はp,p′−ジオクチルジフェニルアミン、トリフェニルホスフェート、及び2,2′−ジハイドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする減衰性材料。
  5. 前記樹脂材料及び前記減衰性付与成分の合計質量に対して、前記減衰性付与成分が5〜15質量%含有される請求項4に記載の減衰性材料。
  6. 前記樹脂材料がポリアミドである請求項4又は請求項5に記載の減衰性材料。
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