JP4796385B2 - 減衰性付与剤 - Google Patents

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本発明は、樹脂材料に減衰性を付与する減衰性付与剤に関するものである。
従来、樹脂材料に制振性等の減衰性を付与する減衰性付与成分としては、ベンゾトリアゾール基を有する化合物等が知られている(特許文献1参照)。この種の減衰性付与成分は、溶融状態の樹脂材料と混合して使用される。この減衰性付与成分は、樹脂材料に対して、例えば振動エネルギーを熱エネルギーに変換することによって、振動エネルギーを減衰する性能、すなわち減衰性を付与する成分である。
国際公開第97/42844号パンフレット
上記背景技術に記載の減衰性付与成分は、樹脂材料の溶融温度や混練時における摩擦熱によっては、熱分解することがある。このように減衰性付与成分が熱分解することにより、例えば減衰性材料から得られた成形品では、減衰性付与成分の配合量に応じた減衰性が発揮されにくくなるといった不具合が生じることになる。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐熱性を有することで、減衰性能を十分に発揮させることのできる減衰性付与剤を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の減衰性付与剤は、樹脂材料と混合して使用されることによって、前記樹脂材料に対して、減衰性を付与する減衰性付与剤であって、前記樹脂材料がポリアミドであり、メルカプト−s−トリアジン化合物のアルカリ金属塩を有効成分として含有することを要旨とする。
求項に記載の発明は、請求項1に記載の減衰性付与剤において、前記樹脂材料及び前記有効成分の合計質量に対して、前記有効成分が1〜30質量%の質量割合となるように、前記樹脂材料に混合されることを要旨とする。
本発明によれば、耐熱性を有することで、減衰性能を十分に発揮させることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
減衰性付与剤は、樹脂材料と混合して使用され、その樹脂材料に減衰性を付与するものである。この減衰性付与剤は樹脂材料中において、振動エネルギー、衝撃エネルギー、音のエネルギー等のエネルギー(但し、光エネルギー及び電気エネルギーを除く)を熱エネルギーに変換する機能を発現する。すなわち、この減衰性付与剤によって、樹脂材料には外部から伝播したエネルギーを減衰する減衰性が付与される。
この減衰性付与剤は、トリアジン系化合物を有効成分として含有している。トリアジン系化合物としては、例えば2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−[(オクチル)オキシ]−フェノール、2−〔4−{(2−ヒドロキシ−3−n−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−{(2−ヒドロキシ−3−n−トリドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2’−ヒドロキシフェニル)−6−アリール−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、及びメルカプト−s−トリアジン化合物のアルカリ金属塩が挙げられる。
メルカプト−s−トリアジン化合物は、s−トリアジン(すなわち、1,3,5−トリアジン)における2位、4位、及び6位の少なくとも一つの炭素原子に、メルカプト基が結合している化合物である。そして、メルカプト−s−トリアジン化合物のアルカリ金属塩は、s−トリアジンの炭素原子に結合したメルカプト基がアルカリ金属塩を形成して構成される。なお、s−トリアジンにおける2位、4位、及び6位から選ばれる少なくとも二つの炭素原子に、それぞれメルカプト基が結合している場合には、複数のメルカプト基のうち、少なくとも一つのメルカプト基がアルカリ金属塩を形成していればよい。
メルカプト−s−トリアジン化合物としては、例えば2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、又は2,4−ジメルカプト−s−トリアジンが挙げられる。メルカプト基とアルカリ金属塩を構成するアルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。このメルカプト−s−トリアジン化合物のアルカリ金属塩は、単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。なお、メルカプト−s−トリアジン化合物のアルカリ金属塩は、無水物として配合してもよいし、水和物として配合してもよい。
トリアジン系化合物としては、好ましくはメルカプト−s−トリアジン化合物のアルカリ金属塩、より好ましくは2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンのナトリウム塩、さらに好ましくは2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンのモノナトリウム塩である。なお、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンのモノナトリウム塩としては、例えば市販品であるサンチオール(登録商標)N−1(三協化成(株)製)等を使用することができる。また、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンのトリナトリウム塩としては、例えば市販品であるサンチオール(登録商標)N−W(三協化成(株)製)等を使用することができる。
この減衰性付与剤には、有効成分以外の成分として充填剤、難燃剤、腐食防止剤、着色剤、制電剤、湿潤剤等を必要に応じて含有させることもできる。
減衰性付与剤中における有効成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、最も好ましくは全量を有効成分とした減衰性付与剤である。この有効成分の含有量が50質量%以上の場合、樹脂材料に対する減衰性付与剤の配合量を削減することができるため、減衰性付与剤の取り扱い性が良好になる。
樹脂材料に対する減衰性付与剤の配合量は、樹脂材料及び有効成分の合計質量に対する有効成分の質量割合で、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは1.5〜20質量%、さらに好ましくは2〜10質量%である。この質量割合が1質量%未満であると、優れた減衰性能が得られにくくなる。一方、30質量%を超えると、成形性や機械的特性が十分に得られないおそれがある。
この減衰性付与剤が配合される樹脂材料としては特に限定されず、周知の汎用プラスチック及びエンジニアリングプラスチックを使用することができる。汎用プラスチックとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂共重合体等が挙げられる。エチレン/アクリル酸エステル共重合体としては、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。エチレン/メタクリル酸エステル共重合体としては、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体、エチレン/メタクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリエステルエラストマー、各種液晶ポリマー等が挙げられる。樹脂材料は、単独種を使用してもよいし、複数種をブレンドして使用してもよい。これらの樹脂材料の中でも、一般的に汎用樹脂よりも溶融温度が高いエンジニアリングプラスチックを採用した場合において上記減衰性付与剤の効果が十分に得られる。特に、この減衰性付与剤は、ポリアミドに混合して使用されることで、減衰性付与剤の効果が顕著に得られる。
ポリアミドは、結晶性ポリアミド及び非晶性ポリアミドに分類される。結晶性ポリアミドの具体例としては、例えばポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド1010、ポリアミド1012、ポリアミド612、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド6T66、ポリアミドMXD6、結晶性半芳香族ポリアミド等のポリアミド、同ポリアミドの共重合体等が挙げられる。結晶性半芳香族ポリアミドは、芳香族カルボン酸から誘導される部分と、脂肪族ジアミンから誘導される部分とからなる繰り返し単位を有するポリアミドを示す。非晶性ポリアミドの具体例としては、例えば芳香族カルボン酸から誘導される部分と、脂肪族ジアミンから誘導される部分とからなる繰り返し単位を有するポリアミドが挙げられる。芳香族カルボン酸としては、例えばテレフタル酸及びその誘導体、イソフタル酸及びその誘導体等が挙げられる。脂肪族ジアミンとしては、例えばヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。これらのポリアミドは、単独種を使用してもよいし、複数種をブレンドして使用してもよい。
減衰性材料は、母材となる樹脂材料と、その樹脂材料に減衰性を付与する減衰性付与成分とを含有する。この減衰性付与成分は、上述のトリアジン系化合物である。樹脂材料としては、上述の樹脂材料が使用される。樹脂材料に対する減衰性付与成分の配合量は、樹脂材料及び減衰性付与成分の合計質量に対する減衰性付与成分の質量割合で、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは1.5〜20質量%、さらに好ましくは2〜10質量%である。
この減衰性材料には、減衰性付与成分以外の成分として充填剤、難燃剤、腐食防止剤、着色剤、制電剤、湿潤剤等を必要に応じて含有させることもできる。
この減衰性材料の減衰性能は、動的粘弾性測定による損失正接(tanδ)のよって確認される。すなわち、損失正接の値が高ければ高いほど、より優れた減衰性能が発揮される。なお、この損失正接の値は温度に依存し、損失正接には所定の温度(ピーク温度)におけるピーク値が存在する。樹脂材料としてのポリアミドと、減衰性付与成分とを含有する減衰性材料では、室温付近(例えば0℃〜40℃)において損失正接のピークが発現される。このため、室温付近で使用される成形品の材料として、ポリアミドを母材とする減衰性材料を適用すれば、減衰性能を十分に発揮させることができる。特に、ポリアミド6と、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンのナトリウム塩とを含有する減衰性材料は、室温付近の使用に対して好適である。
この減衰性材料は、樹脂材料が熱可塑性樹脂の場合、溶融状態の樹脂材料に減衰性付与剤(減衰性付与成分)を混合することによって得られる。また、この減衰性材料は、樹脂材料が熱硬化性樹脂の場合、硬化前の樹脂材料に減衰性付与剤(減衰性付与成分)を混合することによって得られる。樹脂材料と減衰性付与剤(減衰性付与成分)との混合には、ディゾルバー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー、グレンミル、ニーダー等の公知の混合機を使用することが可能である。この減衰性材料に外部から、例えば振動エネルギーが伝播すると、樹脂材料の分子鎖と、トリアジン系化合物の分子との摩擦によって、その振動エネルギーは熱エネルギーに変換されると推測される。このようにして、減衰性材料中においてエネルギーが変換されることにより、減衰性材料は減衰性を発揮する。
この減衰性材料は、減衰性を発揮する成形品として、例えば自動車、内装材、建材、家電製品、電子機器、産業機械部品等の分野において使用することができる。また、この減衰性材料は、衝撃エネルギーを吸収する成形品として、例えば靴、グローブ、各種防具、グリップ、ヘッドギア等のスポーツ用品、ギプス、マット、サポーター等の医療用品、壁材、床材、フェンス等の建材、各種緩衝材、各種内装材等に適用することができる。
この減衰性材料を制振材料として利用する場合、減衰性材料をシート状に成形することにより、非拘束型制振シートとして利用することができる。この非拘束型制振シートは、適用箇所に貼り合わせることによって、制振シートの一側面が拘束されていない状態で使用される。また、この減衰性材料を制振材料として利用する場合、減衰性材料をシート状に成形することにより得られる制振シートを制振層とし、同制振層の表面に制振層を拘束するための拘束層を貼り合わせることによって拘束型制振シートを得ることができる。拘束層としては、アルミニウム、鉛等の金属箔、ポリエチレン、ポリエステル等の合成樹脂から形成されるフィルム、不織布等が挙げられる。この拘束型制振シートは、適用箇所に貼り合わせることによって、制振層の両面が拘束されている状態で使用される。
本実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) 減衰性付与剤は、トリアジン系化合物のアルカリ金属塩を有効成分として含有している。この有効成分は、樹脂材料中において振動エネルギー等のエネルギーを熱エネルギーに変換する機能を十分に発現する。従って、この減衰性付与剤は、樹脂材料に対して減衰性を付与することができる。例えば、樹脂材料として熱可塑性樹脂を採用した場合には、減衰性付与剤が配合された樹脂材料を溶融混練した後に成形すれば、減衰性の付与された成形品が得られることになる。また例えば、樹脂材料として熱硬化性樹脂を採用した場合、硬化前の樹脂材料に減衰性付与剤を混合した後に、その樹脂材料を硬化することにより、減衰性の付与された成形品が得られることになる。
さらに、この減衰性付与剤の有効成分は耐熱性に優れているため、樹脂材料と減衰性付与剤とを混合したり、減衰性付与剤が配合された樹脂材料を成形したりするに際して、有効成分の熱分解が抑制されることになる。すなわち、減衰性付与剤の配合量に応じた減衰性が発揮され易くなる結果、減衰性能を十分に発揮させることができる。
(2) 減衰性付与剤は、ポリアミドと混合して使用されることにより、得られる減衰性材料では、室温付近(例えば0℃〜40℃)において損失正接のピークが発現される。このため、ポリアミドを母材とするとともに室温付近で使用される成形品に対して、この減衰性付与剤を適用すれば、減衰性能を十分に発揮させることができる。特に、メルカプト−s−トリアジン化合物のアルカリ金属塩、好ましくは2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンのナトリウム塩、さらに好ましくはモノナトリウム塩を有効成分とする減衰性付与剤は、ポリアミド6と混合して使用されることにより、室温付近の使用に対して好適な減衰性材料を得ることができる。
(3) 減衰性付与剤は、樹脂材料及び有効成分の合計質量に対して、有効成分が1〜30質量%となるように配合されることで、樹脂材料自体の成形性や機械的特性を維持しつつ、減衰性を発揮させることができる。
特に、メルカプト−s−トリアジン化合物のアルカリ金属塩、好ましくは2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンのナトリウム塩、さらに好ましくはモノナトリウム塩を有効成分とする減衰性付与剤は、ポリアミド6と混合して使用されることにより、上記合計質量に対する有効成分が10質量%以下であっても、減衰性を十分に付与することができる。この結果、ポリアミド6単体の成形性や機械的特性と、減衰性とをバランスよく発揮させることができる。
(4) 減衰性材料は、母材となる樹脂材料と、減衰性付与成分としてのトリアジン系化合物とを含有している。この減衰性付与成分は、樹脂材料中において振動エネルギー等のエネルギーを熱エネルギーに変換する機能を十分に発現する結果、この減衰性材料では減衰性が発揮される。
さらに、この減衰性付与成分は耐熱性に優れているため、樹脂材料と減衰性付与成分とを混合したり、減衰性付与剤が配合された樹脂材料を成形したりするに際して、有効成分の熱分解が抑制されることになる。すなわち、減衰性付与剤の配合量に応じた減衰性が発揮され易くなる結果、減衰性能を十分に発揮することができる。
(5) 減衰性材料は、ポリアミドとトリアジン系化合物とを含有することにより、室温付近(例えば0℃〜40℃)において損失正接のピークが発現される。このため、室温付近で使用される成形品に対して、この減衰性材料を適用すれば、減衰性能を十分に発揮させることができる。特に、ポリアミド6と2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンのナトリウム塩、好ましくはモノナトリウム塩とを含有する減衰性材料は、室温付近の使用に対して好適である。
(6) 樹脂材料及び減衰性付与成分の合計質量に対して、減衰性付与成分が1〜30質量%含有されることで、樹脂材料自体の成形性や機械的特性を維持しつつ、減衰性を発揮させることができる。特に、メルカプト−s−トリアジン化合物のアルカリ金属塩、好ましくは2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンのナトリウム塩、さらに好ましくはモノナトリウム塩を減衰性付与成分とするとともに、ポリアミド6を樹脂材料とした場合、上記合計質量に対する減衰性付与成分が10質量%以下であっても、減衰性を十分に付与することができる。この結果、ポリアミド6単体の成形性や機械的特性と、減衰性とをバランスよく発揮させることができる。
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 減衰性材料を製造するに際して、樹脂材料に減衰性付与剤(減衰性付与成分)を配合したマスターバッチを製造した後に、そのマスターバッチをさらに樹脂材料で希釈してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
樹脂材料としてのポリアミド6(PA6、Zytel(登録商標)21A NC010、デュポン(株)製)97質量部に対し、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジンのモノナトリウム塩(サンチオール(登録商標)N−1、三協化成(株)製)のみからなる減衰性付与剤を3質量部配合することにより、減衰性材料を調製した。PA6と減衰性付与剤との混合は、MS加圧型ニーダー(DS1−3型、(株)森山製作所製)を用いて、加熱温度220℃、15分の条件でPA6を溶融混練することによって行った。
(実施例2)
ポリアミド6を95質量部、及び減衰性付与剤を5質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして減衰性材料を調製した。
(比較例1)
減衰性付与剤を配合していないポリアミド6単体を比較例1とした。
<動的粘弾性の測定>
各例で得られた減衰性材料をシート状に成形することによって、厚さ1mmのシート材を得た。各シート材を35mm×5mmの寸法に切断し、動的粘弾性測定用の試験片とした。動的粘弾性測定装置(RSA−II:レオメトリック社製)を用いて各試験片を加振しながら連続的に昇温した際の損失正接(tanδ)を測定した。測定条件は、加振の周波数10Hz、測定温度範囲−20℃〜+160℃、昇温速度5℃/分とした。この測定によって得られたチャートを図1に示す。
<結果>
各実施例では、樹脂材料の溶融混練時において、減衰性付与成分の熱分解による異臭や白煙が発生することなく、樹脂材料に減衰性付与剤を混合することができた。また、図1の結果から明らかなように、実施例1及び実施例2における損失正接のピーク値は、比較例1における損失正接のピーク値よりも高いことから、各実施例では減衰性が付与されていることがわかる。なお、実施例1における損失正接のピーク温度は23.0℃、ピーク値は0.189であり、実施例2における損失正接のピーク温度は22.7℃、ピーク値は0.212である。このように各実施例では、室温付近で減衰性が発揮されることがわかる。
動的粘弾性測定おける温度と損失正接の関係を示すグラフ。

Claims (2)

  1. 樹脂材料と混合して使用されることによって、前記樹脂材料に対して、減衰性を付与する減衰性付与剤であって、
    前記樹脂材料がポリアミドであり、
    メルカプト−s−トリアジン化合物のアルカリ金属塩を有効成分として含有することを特徴とする減衰性付与剤。
  2. 前記樹脂材料及び前記有効成分の合計質量に対して、前記有効成分が1〜30質量%の質量割合となるように、前記樹脂材料に混合される請求項1に記載の減衰性付与剤。
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