JP2006339594A - 半導体用研磨剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】分散安定性及び研磨速度に優れ、特に、多段プロセスからなるCMPに適用する際に、アルカリ性研磨剤と接触した場合であっても影響を受けにくく、安定した研磨特性を有する半導体用研磨剤の提供。
【解決手段】半導体集積回路装置の製造において被研磨面を研磨するための化学的機械的研磨用研磨剤であって、当該研磨剤が酸化セリウム砥粒、水及び式1で表される2価カルボン酸(式1中、nは1〜4の整数である。)を含んでなり、25℃における当該研磨剤のpHが3.5〜6の範囲にある研磨剤。
HOOC(CHCOOH ・・・式1。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体集積回路装置製造工程における化学的機械的研磨用の半導体用研磨剤に関し、特に、シャロートレンチ分離や層間絶縁膜、ポリシリコンの平坦化に適した酸化セリウムを含む半導体用研磨剤に関する。
近年、半導体集積回路装置の高集積化・高機能化にともない、微細化・高密度化のための微細加工技術の開発が求められている。特に、化学的機械的研磨法(Chemical Mechanical Polishing:以下CMPという)による平坦化技術の重要性が高まっている。
例えば、半導体集積回路装置の微細化や配線の多層化が進むにつれ、製造工程における各層での表面の凹凸(段差)が大きくなりやすいが、この段差がフォトリソグラフィの焦点深度を越え、十分な解像度が得られなくなるという問題を防ぐために、CMPは不可欠の技術となっている。CMPは、具体的には、層間絶縁膜(ILD膜:Inter−Level Dielectrics)の平坦化、シャロートレンチ分離(STI:Shallow Trench Isolation)、タングステンプラグ形成、銅と低誘電率膜とからなる多層配線形成工程などで用いられている。
図1を用いてSTI工程について説明する。図1(a)は、素子領域を窒化ケイ素膜3等でマスクして、シリコン基板1にトレンチ溝10を形成した後、トレンチ溝10を埋め込むように二酸化ケイ素膜2などの絶縁膜を堆積した状態である。この状態において、CMPによって、凸部である窒化ケイ素膜3上の余分な二酸化ケイ素膜2を研磨除去し、凹部であるトレンチ溝10内の絶縁膜を残すことにより、トレンチ内に絶縁膜を埋め込んだ素子分離構造が得られる。CMPの際、二酸化ケイ素膜の研磨速度と窒化ケイ素膜の研磨速度に選択比を持たせ、図1(b)のように窒化ケイ素膜3が露出した時点で研磨が終了するように、窒化ケイ素膜3をストッパーとして使用することが一般的である。
ここで、研磨が過剰であると、図1(c)に示すようにトレンチ溝部10に埋め込まれた二酸化ケイ素膜が研磨されて窪み、ディッシングと呼ばれる窪み20のような構造的欠陥が発生し、平坦化が不十分になったり、電気的な性能が劣化する場合がある。ディッシングの程度はトレンチ溝の幅に依存し、特に幅の広いトレンチ溝ではディッシングが大きくなる傾向がある。
従来より、CMPに用いられる研磨砥粒としてはシリカ砥粒が一般的であったが、二酸化ケイ素膜の研磨速度と窒化ケイ素膜の研磨速度の選択比が小さいため、STI工程においてはこれらに対する研磨選択性に優れた酸化セリウム砥粒が用いられるようになってきている。酸化セリウム研磨剤は、層表面でのSiOとの化学反応により、高い研磨速度を持ち、半導体装置の製造工程において、スループット向上が期待されており、この酸化セリウム研磨剤に、界面活性剤や水溶性ポリマー、水溶性低分子等を添加し、酸化セリウム研磨剤の分散性向上と被研磨面の平坦性を向上させる技術が開発されつつある。
例えば特許文献1には、酸化セリウム砥粒と、添加剤としてカルボキシル基又はカルボキシル基の塩からなる親水基を含む有機化合物を含む研磨剤により、凹部に対し凸部を優先的に研磨し平坦化する技術が開示されている。ここでいう添加剤はディッシングのトレンチ溝幅依存性を改善するものであり、広いトレンチ溝でもディッシングを低減するためには、上述の添加剤濃度が高い必要がある。しかし添加剤濃度を高めると、酸化セリウム砥粒の凝集を促進するため、砥粒の沈殿が起こり研磨剤の分散安定性が低下する。また、砥粒の凝集が起こるとスクラッチが増加し、集積回路装置が不良になるという問題もある。
例えば、特許文献1では、純水に砥粒として研磨液全質量の1%の酸化セリウムと、添加剤として6.0%のポリカルボン酸アンモニウム塩を含む研磨液の実施例が開示されている。しかし添加剤が高濃度であるため砥粒の凝集が著しく、研磨液を静置した場合、酸化セリウム砥粒は数分以内に完全に沈降する。CMPの研磨工程では、研磨を行わない待機時間があるため、研磨剤が常に撹拌や流動されていない部分で砥粒の沈降が発生し、配管部品の閉塞の原因になることがある。
これを防ぐため、研磨パッド直前の配管内や研磨パッド上で研磨剤に添加剤を混合する方法もあるが、混合が不十分となったり濃度が不均一になりやすく、研磨特性が不安定になりやすい。また、パッド上に砥粒が凝集、付着しやすくなるため、スクラッチが増加するという問題もあった。
また、酸化セリウム砥粒は、従来のシリカ砥粒に比べ研磨特性は優れるものの、比重が大きいため沈降しやすい。さらに研磨特性の改善のため添加剤を過剰に添加すると凝集が促進され、凝集沈降が著しいという大きな問題がある。
特許文献2には、STI工程に適用可能な研磨剤として、酸化セリウム粒子、水、陰イオン性界面活性剤を含む研磨剤であって、そのpH及び粘度(mPa・s)を、それぞれpHをx、粘度をyとする(x,y)座標で表すと、A点(5.5,0.9)、B点(5.5,3.0)、C点(10.0,3.0)、D点(9.0,0.9)の4点で囲まれた領域範囲内にある研磨剤が好ましいものとして開示されている。そして、グローバルな平坦化を実現するためには、パターン凹部の研磨速度が凸部の研磨速度に比べて十分小さい研磨特性が得られる範囲に界面活性剤の添加量及びpHを調整する必要があり、研磨剤の粘度は、1.0〜2.5mPa・s、特に1.0〜1.4mPa・sが好ましいと記載されている。
また、界面活性剤の添加量とともに粘度が増加するので、粘度を1.0〜1.4mPa・sの範囲内にしてパターン依存性の少ない平坦化特性を実現するためには、界面活性剤を添加した後の研磨剤のpHは5.5〜9、特に6〜8.5が好ましく、このpH範囲では二酸化ケイ素膜の研磨速度と窒化ケイ素膜の研磨速度の選択比を大きくできると記載されている。また、砥粒に対しあらかじめ微量の分散剤を添加することを例示している。
しかし、特許文献2の実施例に基づいて研磨剤を作製すると、砥粒を分散させた液に界面活性剤を添加することにより、平均粒径が砥粒分散液の平均粒径の2〜3倍に凝集する。そのため、研磨剤中の砥粒の分散性が悪く、数分以内に砥粒が沈降し、使用が困難であり、研磨速度も不十分であった。また、界面活性剤の濃度が高い場合はディッシングのバラツキが小さく平坦化特性に優れているが、界面活性剤の濃度が低めの実施例に基づく研磨剤では、ディッシングのバラツキが大きく平坦化特性がよくなかった。
さらに、界面活性剤の濃度が高くなると、スクラッチ数が急激に増加する。これは、界面活性剤の濃度が高いと酸化セリウム砥粒の凝集、沈降が促進され、研磨パッド上に蓄積されるためと考えられる。すなわち、研磨砥粒中にスクラッチの原因となる粗大粒子が僅かでも存在すると、砥粒が凝集することにより研磨パッド上に蓄積し、スクラッチの増加の原因となっていると考えられる。また、凝集により巨大化した研磨砥粒凝集体そのものもスクラッチの原因になる場合もあると考えられる。
このように、従来技術においては、研磨剤の分散安定性及び優れたスクラッチ特性と、優れた研磨の平坦化特性との両方を備える研磨剤は得られておらず、十分な特性の半導体集積回路装置を得ることが難しかった。一方、特許文献3には、可溶性セリウムと、pH緩衝剤と、砥粒とを含み、pHが3〜11の研磨剤が提案されており、この研磨剤を用いれば二酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜の研磨速度の選択比を大きくできるが、この方法では研磨剤中に含まれるセリウムイオンが基板に残留し、集積回路装置に悪影響を及ぼすおそれがあるという問題があった。
上記の問題を解決するために、我々は特許文献4において、酸化セリウム砥粒と、水と、水溶性有機高分子及びアニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の添加剤とを含み、pHが3.5〜6の研磨剤を提案している。この研磨剤をSTI工程に採用すれば、ディッシングのバラツキが少ない優れた研磨の平坦化特性が得られ、また、パターンウエハの研磨時間を短縮でき、スクラッチの低減も可能であるという利点を有する。しかしながら、特許文献4の研磨剤と、別のアルカリ性の研磨剤(スラリー)とを組み合わせた多段プロセスによりCMPを行う場合に、アルカリ性の研磨剤の影響でpHが変化し、研磨特性に影響を及ぼすおそれがあった。特に、特許文献4では硝酸によりpHを3.5〜6の範囲に調整しているが、例えば、アルカリ性の研磨剤から揮発したアンモニアが特許文献4の研磨剤に吸収されたり、前段プロセスで使用されたアルカリ性研磨剤がウエハの表面に残留して特許文献4の研磨剤中に混入するなどしてpHが変化し、研磨特性に影響を及ぼすおそれがあった。
特許第3278532号公報(特許請求の範囲) 特開2001−160137号公報(実施例) 特表2001−507739号公報(特許請求の範囲、実施例) 国際公開第04/010487号パンフレット
そこで本発明は、上述の課題を解決し、分散安定性及び研磨速度に優れ、かつ、多段プロセスからなるCMPに適用する際に、アルカリ性研磨剤と接触した場合であっても影響を受けにくく、安定した研磨特性を有する半導体用研磨剤を提供することを目的とする。
本発明は、半導体集積回路装置の製造において被研磨面を研磨するための化学的機械的研磨用研磨剤であって、当該研磨剤が酸化セリウム砥粒、水及び式1で表される2価カルボン酸(式1中、nは1〜4の整数である。)を含んでなり、25℃における当該研磨剤のpHが3.5〜6の範囲にある研磨剤を提供する。
HOOC(CHCOOH ・・・式1。
本発明の半導体用研磨剤は分散安定性及び研磨速度に優れているとともに、多段プロセスにおいてアルカリ性の研磨剤、特にアルカリ性の研磨剤から揮発したアンモニアと接触した場合であっても影響を受けにくく、安定した研磨特性を発現できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、研磨砥粒として酸化セリウムを用いるが、従来より、二酸化ケイ素膜を初めとするガラス系の材料の研磨において、酸化セリウム砥粒が特異的に速い研磨速度を示すことが知られている。これは、酸化セリウムと被研磨面中の酸化ケイ素が接触することにより、両者の間に化学的な結合が生じ、単なる機械的作用以上の研削力を生ずるためである。したがって、酸化セリウムを用いた研磨においては、砥粒と被研磨面の接触の制御が重要である。なお、本発明において、「被研磨面」とは、半導体デバイスを製造する過程で現れる中間段階の表面を意味する。
STI工程や層間絶縁膜のCMP工程では、表面に凹凸のある二酸化ケイ素膜等の被研磨面を効率的に平坦化することが求められる。すなわち、凸部を選択的に研磨することが望ましい。これを実現するために、酸化セリウム砥粒の表面に吸着して二酸化ケイ素膜等の被研磨面との直接の接触を妨げ、研磨を抑制する添加剤を研磨剤中に含有させることが望ましい。このような添加剤を加えることにより、高い圧力が加わると酸化セリウム砥粒の表面に吸着した添加剤が剥れ、被研磨面との接触が生じ、研磨が進むことになる。
被研磨面を研磨パッド等に押しつけ相対運動させる一般的な研磨方法においては、被研磨面の表面に加わる圧力は、その表面形状によって局所的に異なる。凸部は凹部に比べ、加わる圧力が高いため、凸部では酸化セリウム砥粒の表面に吸着した添加剤が剥れやすく、被研磨面との接触が生じて研磨が進みやすくなり、凸部を凹部に対して選択的に研磨することが可能となる。
水系分散媒中の酸化セリウム表面は、中性から酸性においては正に帯電しているため、添加剤としては水溶性有機高分子や陰イオン性の界面活性剤が好ましい。水溶性有機高分子としてはカルボン酸基又はカルボン酸アンモニウム塩基(−COONH)等を有するポリマーが好ましい。
また、STI工程では、通常、二酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜の研磨速度に選択性を持たせ、窒化ケイ素膜をストッパーとして使用する。水系分散媒中で中性から酸性(pH3程度)の範囲においては、二酸化ケイ素膜の表面は負に帯電しており、窒化ケイ素膜の表面は正に帯電しているため、上記の陰イオン性の添加剤は窒化ケイ素膜の表面に選択的に吸着する。そのため、酸化セリウム砥粒と窒化ケイ素膜の接触が妨げられることになり、二酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜の研磨速度に選択性を発現させることができる。
従来知られている半導体用研磨剤では、上述のように、凸部を選択的に研磨し、二酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜の研磨速度に選択性を発現させるには、上述の添加剤濃度が2〜3%の範囲で、かつ研磨剤のpHが7〜8程度すなわち中性付近であることが望ましいと考えられてきた。しかし、この条件では添加剤による砥粒の凝集が著しく、研磨による平坦化特性は優れていても砥粒の分散安定性が不十分であった。
本発明の発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、研磨剤のpHの範囲を選択することにより、研磨剤中の添加剤の量を少なくしても、研磨による平坦化特性を高めることができ、さらに研磨剤中の砥粒の分散安定性も高められることがわかり、本発明に至った。本発明の半導体用研磨剤では添加剤の濃度が研磨剤全質量の0.01〜0.5%(質量比)であると好ましいが、従来は、この濃度範囲では添加剤濃度が低すぎて、必要とされる研磨特性を発現させるには不十分であると考えられていた。しかし研磨剤のpHが3〜7の範囲であれば、従来より低い添加剤濃度で十分な研磨特性が発現できる。さらには添加剤濃度が減少すると添加剤による砥粒の凝集が発生し難くなるため、分散安定性も改善され、研磨による平坦化特性と砥粒の分散安定性を両立できる。
本発明におけるpH範囲では、中性付近に比べて、酸化セリウム表面の正の電位が高まるため、添加剤が酸化セリウム表面に吸着しやすくなる。また、添加剤の負電荷が多い場合には、添加剤同士の電気的反発により添加剤が酸化セリウム表面に多重に吸着するのが難しい。しかし、このpH領域では、添加剤自体の解離度は小さくなり負の電荷が少なくなるので、多重に吸着が可能である。また、添加剤として例えばカルボン酸基を有する水溶性有機高分子を使用する場合は、該水溶性有機高分子が未解離であると、水素結合により水溶性有機高分子同士が、酸化セリウム表面上で絡み合い多重に吸着しやすくなる。このため、本発明におけるpH領域では、添加剤濃度が低くても、酸化セリウム砥粒の表面に添加剤が十分吸着するため、研磨の平坦化特性を発現できる。
本発明の研磨剤のpHは3.5〜6であるが、特にpH4〜6が好ましい。pHが3.5未満では平坦化特性発現に必要な、窒化ケイ素膜表面に吸着する添加剤の量が極端に少なくなるため、窒化ケイ素膜の表面保護が不十分になる。また、添加剤の電荷が小さくなるため、添加剤の酸化セリウム砥粒に対する吸着力も弱まる。さらに、酸化セリウム表面に吸着した添加剤の電荷も小さくなるため、電気的な反発が減り研磨剤の分散安定性が悪くなる傾向がある。また逆に、pHが6を超えると、平坦化特性を発現するためには多量の添加剤が必要となるため、酸化セリウム砥粒の分散性が悪くなり、研磨剤は凝集、沈降が進みやすい。
本発明における酸化セリウム砥粒は特に限定されないが、例えば特開平11−12561号公報又は特開2001−35818号公報に開示される酸化セリウム砥粒が好ましく使用できる。すなわち、硝酸セリウム(IV)アンモニウム水溶液にアルカリを加えて水酸化セリウムゲルを作製し、濾過、洗浄、焼成して得た酸化セリウム粉末が好ましく使用できる。また、高純度の炭酸セリウムを粉砕後焼成し、さらに粉砕、分級して得られる酸化セリウム砥粒も好ましく使用できる。
酸化セリウム砥粒の平均粒径は0.05〜0.5μm、特に0.1〜0.3μm、さらには0.1〜0.2μmが好ましい。平均粒径が大きすぎると、半導体基板表面にスクラッチなどの研磨キズが発生しやすくなるおそれがある。また平均粒径が小さすぎると、研磨速度が低くなるおそれがある。また、単位体積あたりの表面積の割合が大きいため、表面状態の影響を受けやすく、pHや添加剤濃度等の条件によっては研磨剤が凝集しやすくなる場合がある。
平均粒径の測定には、レーザー回折・散乱式、動的光散乱式、光子相関式などの粒度分布計を使用することができる。粒子径がある程度大きく沈降しやすいような場合には、レーザー回折・散乱式の粒度分布計が好ましく、上述の範囲はレーザー回折・散乱式の粒度分布計を用いて測定した場合の好ましい範囲である。
本発明における添加剤は、水溶性有機高分子及び陰イオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上であると好ましい。水溶性有機高分子としてはカルボン酸基又はカルボン酸塩基を有するものが好ましく、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のカルボン酸基を有するモノマーの単独重合体や、当該重合体のカルボン酸基の部分がアンモニウム塩等の塩となっている単独重合体が挙げられる。また、カルボン酸基を有するモノマーと、カルボン酸塩基を有するモノマーや、カルボン酸塩基を有するモノマーとカルボン酸のアルキルエステル等の誘導体との共重合体も好ましい。さらにポリビニルアルコール等の水溶性有機高分子類、オレイン酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等の陰イオン性界面活性剤も好適に使用できる。
特に、カルボン酸基又はその塩を有するポリマーが好ましい。具体的には、ポリアクリル酸、又はポリアクリル酸のカルボン酸基の少なくとも一部がカルボン酸アンモニウム塩基に置換されたポリマー(以下、ポリアクリル酸アンモニウムと称する)等が挙げられる。
ここで、ポリアクリル酸アンモニウム等の水溶性有機高分子を添加剤として使用する場合には、その分子量は1000〜50000、特に2000〜30000が好ましい。
本発明の発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、研磨剤のpH調整剤として、式1で表される2価カルボン酸を使用することにより、従来pH調整剤として使用されてきた無機酸や無機酸塩を含む研磨剤と比較して、特にアルカリ性の研磨剤から揮発したアンモニアや、ウエハの表面に残留した前段プロセス用アルカリ性研磨剤との接触による影響を受けにくく、安定した研磨特性を発現可能な研磨剤にできることが判明し、本発明に至った。この理由は当該カルボン酸のpKaが5付近にあり、充分なpH緩衝能を発現しているためであると考えられる。なかでも、式1で表される2価カルボン酸のうち、マロン酸(n=1)、コハク酸(n=2)及びアジピン酸(n=4)からなる群より選ばれる1種以上を用いると、研磨特性の安定化効果を高くでき好ましい。
HOOC(CHCOOH ・・・式1。
ここで、式1で表される2価カルボン酸のpKa(酸解離定数)と、研磨剤のpHとの差の絶対値が1.0以下であると、pH緩衝効果が高く、安定した研磨特性を有する研磨剤が得られるため好ましい。よりpH緩衝効果を高めるには、上記の差の絶対値を0.5以下とすると好ましい。ここで、マロン酸のpKa=5.28、コハク酸のpKa=5.24、グルタル酸(n=3)のpKa=5.01、アジピン酸のpKa=5.03であるから、式1のなかから2価カルボン酸の種類を適宜選択することで、所望の研磨特性を得ることが可能となる。
本発明の研磨剤は、研磨剤の長期保存安定性や研磨諸特性の安定性の点に鑑み、酸化セリウム砥粒と水を含む第1液と、添加剤と水を含む第2液とを作製し、研磨の前に第1液と第2液を混合して半導体用研磨剤を得る方法を採用して作製すると好ましい。第1液と第2液の混合方法としては、研磨パッド直前の配管内や研磨パッド上で混合する方法もあるが、本発明の半導体用研磨剤は混合後もほとんど凝集が進まず、実用的に十分な期間安定であるため、あらかじめ混合しておいてもよい。すなわち、第1液と第2液を研磨剤保管タンクに入れ、プロペラ撹拌機などで撹拌混合したり、循環ラインにより研磨剤を絶えず流動させたりする、一般に用いられる半導体用研磨剤供給装置を利用できる。さらには本発明の半導体用研磨剤の製造工場において、あらかじめ第1液と第2液を混合してなる研磨剤を用いることもできる。このとき、撹拌せずに放置する保管期間によっては重力により砥粒が沈降する場合があるので、よく撹拌して沈降した砥粒を再分散させて用いることが好ましい。
本発明においては、酸化セリウム砥粒と添加剤とが十分混合し、砥粒表面への添加剤の吸着状態を安定化させるために、酸化セリウム砥粒と水を含む第1液と添加剤と水とを含む第2液とをあらかじめ混合、撹拌した後に研磨剤を使用することが好ましい。研磨剤は第1液と第2液の混合直後でも使用可能であるが、数分間以上の混合後に使用することが好ましい。特に混合後15分以上経過してから研磨剤を使用することが好ましい。混合されてできた半導体用研磨剤をポンプを介して研磨装置に供給することにより安定的にCMP研磨が可能である。供給ラインには、半導体用研磨剤の均一化のため循環ラインを設けてもよい。
第1液の作製では、純水や脱イオン水に酸化セリウム砥粒を分散させる方法が好ましく、分散の際には超音波のエネルギーにより凝集体をほぐして砥粒を水中に分散させる超音波分散機や、ホモジナイザーや、砥粒同士を衝突させ衝突の運動エネルギーにより凝集体をほぐして砥粒を水中に分散させるアルティマイザー(商品名、スギノマシン社製)、ナノマイザー(商品名、吉田機械興業社製)等を用いることが好ましい。また、その際に分散剤を同時に添加することが好ましい。ここで分散剤とは、研磨砥粒を純水等の分散媒中に安定的に分散させるために添加するものであるが、分散剤には上述の添加剤と同様のものが使用できる。すなわち、本発明における添加剤は、第2液だけでなく第1液にも分散剤の機能を有するものとして添加できる。
第1液に添加剤を添加する場合、その濃度としては、酸化セリウム砥粒の質量に対して質量比で0.1〜1.0%、さらには0.3〜0.7%の範囲が好ましい。この濃度範囲より分散剤の濃度が低いと砥粒の分散性が不十分となりやすく、この範囲より分散剤の濃度が高いと砥粒の凝集が徐々に進む傾向が見られる。
第2液の作製では、純水や脱イオン水に上述の添加剤を溶解させる方法を例示できる。また、第2液に式1で表される2価カルボン酸を含有させ、あらかじめpH調整を行うことにより、第1液と第2液を混合して作製される半導体用研磨剤のpHを所定の値にすることもできる。また、混合後の半導体用研磨剤のpHを所定の値にする方法としては、上記添加剤のpHを制御する方法も採用できる。例えば、添加剤としてカルボン酸とカルボン酸の塩とからなる共重合体を使用する場合、カルボン酸とカルボン酸の塩との重合比率を制御することによりpH調整する方法も採用できる。
HOOC(CHCOOH ・・・式1。
第1液及び第2液の濃度は、例えば研磨使用時の濃度の2倍とし、第1液と第2液を質量比で1:1で混合することにより、所定の濃度とすることができる。また、保管や輸送の利便性のため、例えば第1液及び第2液の濃度は、砥粒や添加剤等の成分の濃度を研磨使用時の濃度の10倍程度とし、使用時に2倍濃度に希釈し、さらに第1液と第2液を質量比で1:1に混合することにより、所定の濃度になるようにしてもよい。また、10倍濃度の第1液、第2液及び脱イオン水を、質量比で1:1:8となるように混合することにより所定の濃度になるようにすることもできるが、濃度調整方法はこれらに限定されない。
なお、本発明の研磨剤の作製方法は上記したような、第1液と第2液とに分け混合する方法に限定されるものではない。例えば、水に酸化セリウム砥粒、式1で表される2価カルボン酸及び必要に応じて添加剤を加え、混合して研磨剤としてもよい。
HOOC(CHCOOH ・・・式1。
本発明の半導体用研磨剤で研磨する半導体基板としては、前述のシャロートレンチ分離用のSTI基板が好ましい例として挙げられる。上述のとおり、本発明の半導体用研磨剤は、二酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜に対する研磨速度選択性が高く、かつ二酸化ケイ素膜に対して高研磨速度でディッシングの少ない研磨が可能である。したがって、本発明の研磨剤は、シリコン基板1上に二酸化ケイ素膜2と窒化ケイ素膜3が形成された半導体基板を研磨する際に有効である。さらに応用として、多層配線間の層間絶縁膜の平坦化やポリシリコンの平坦化のための研磨にも本発明の研磨剤は有効である。
二酸化ケイ素膜2としては、テトラエトキシシランを原料にプラズマCVD法で成膜したいわゆるPE−TEOS膜が挙げられる。また、高密度プラズマCVD法で成膜されたいわゆるHDP膜も挙げられる。窒化ケイ素膜3としては、シラン又はジクロロシランとアンモニアを原料として、低圧CVD法やプラズマCVD法で成膜したものが例示できる。また、二酸化ケイ素膜のかわりとして、SiOF膜、BPSG(Boro−Phospho−Silicate Glass)膜、PSG(Phospho−Silicate Glass)膜等も使用できる。また、窒化ケイ素膜のかわりとしてSiON膜、SiCN膜等が使用できる。
本発明の研磨剤を用いて半導体基板を研磨する場合には、研磨剤を研磨パッドに供給し、半導体デバイスの被研磨面と研磨パッドとを接触させて、両者間の相対運動により、二酸化ケイ素系材料層の被研磨面を研磨する。なお、二酸化ケイ素系材料についての条件は、本発明に係る研磨剤に関連して説明したのと同様である。
研磨装置としては、一般的な研磨装置を使用できる。例えば図2は、本発明の研磨方法に適用可能な研磨装置の一例を示す図である。研磨剤供給配管35から研磨剤36を供給しながら、研磨ヘッド32に半導体デバイス31を保持し、研磨定盤33表面に貼り付けた研磨パッド34に接触させ、かつ研磨ヘッド32と研磨定盤33を回転させ相対運動させる方式である。ただし、本発明に係る研磨装置はこれに限定されない。
研磨ヘッド32は回転だけでなく直線運動をしてもよい。研磨定盤33及び研磨パッド34が半導体デバイス31と同程度又はそれ以下の大きさであってもよい。その場合は研磨ヘッド32と研磨定盤33とを相対的に移動させることにより、半導体デバイスの全面を研磨できるようにすることが好ましい。また研磨定盤33及び研磨パッド34は回転式でなくてもよく、例えばベルト式で一方向に移動するものでもよい。
研磨装置の研磨条件には特に制限はないが、研磨ヘッド32に荷重をかけ研磨パッド34に押しつけることにより研磨速度を向上できる。このときの研磨圧力は、0.5〜50kPa程度が好ましく、研磨速度の半導体デバイス内均一性、平坦性、スクラッチ等の研磨欠陥防止の観点から、3〜40kPa程度が特に好ましい。また研磨定盤、研磨ヘッドの回転数は、50〜500rpm程度が好ましいが、これらに限定されない。
研磨パッドとしては一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質樹脂、非多孔質樹脂等からなるものが使用できる。また、研磨パッドの表面に、研磨剤の供給を促進させたり、研磨剤が一定量溜まるようにするために、格子状、同心円状、らせん状などの溝加工がなされていてもよい。
以下、本発明に係る例を説明する。例1〜3が実施例、例4、5が比較例である。実施例において「%」は、特に断らない限り質量%を意味する。特性値は下記の方法により評価した。
(pH)
横河電機社製のpH81−11で測定した。
(砥粒の平均粒径)
レーザー散乱・回折装置(堀場製作所製、商品名:LA−920)を使用して求めた。
(研磨剤の分散安定性)
実施例における「凝集沈殿時間」は、直径18mmのガラス製試験管に研磨剤を20mL入れて10日間静置し、二層に分離し上澄み液ができるまでの時間として求めた。
(研磨特性)
(1)研磨条件
研磨は以下の装置及び条件で行った。
研磨機:全自動CMP装置MIRRA(APPLIED MATERIALS社製)
研磨剤供給速度:200ミリリットル/分
研磨パッド:2層パッドIC−1400のK−groove又は単層パッドIC−1000のK−groove(Rodel社製)
研磨パッドのコンディショニング:MEC100−PH3.5L(三菱マテリアル社製)
研磨定盤の回転数:77rpm
研磨ヘッドの回転数:73rpm
研磨圧:27.5kPa。
(2)被研磨物
アドバンスマテリアルズテクノロジー社製のHDP二酸化ケイ素膜付きブランケットウェハを被研磨物とした。ブランケットウエハの模式的側断面図を図3に示す。
(3)特性評価方法
上記ブランケットウエハを60秒研磨し、研磨前後の膜厚差を研磨速度とした。膜厚の測定には光干渉式全自動膜厚測定装置UV−1280SE(KLA−Tencor社製)を使用した。
[例1]
酸化セリウム砥粒と、添加剤としての分子量5000のポリアクリル酸アンモニウムとを質量比で100:0.7となるようにして脱イオン水中で撹拌しながら混合し、超音波分散、フィルタリングを施して、砥粒の濃度が10%、添加剤濃度が0.07%の混合物を作製した。この混合物を脱イオン水で5倍に希釈し、砥粒濃度2%、添加剤濃度0.014%の砥粒混合液Aを作製した。砥粒混合液AのpHは7.6であり、砥粒の平均粒径は0.18μmであった。
次に脱イオン水中に、分子量5000のポリアクリル酸アンモニウムを溶解させ、マロン酸(pKa=5.28)を添加してpHが4.7〜5.0となるようにpH調整を行い、ポリアクリル酸アンモニウム濃度0.289%、マロン酸濃度0.166%の添加剤液Bを作製した。
この添加剤液Bと砥粒混合液Aとを、質量比1:1で、撹拌しながら混合することにより、砥粒濃度が1%、砥粒混合液Aへの添加剤として加えられたポリアクリル酸アンモニウムの濃度0.007%、添加剤液Bから加えられたポリアクリル酸アンモニウムの濃度0.145%、添加剤として加えられたポリアクリル酸アンモニウムの合計濃度が0.152%、マロン酸濃度が0.083%、pHが5.06の研磨剤を作製した。
[例2]
マロン酸に代えてアジピン酸(pKa=5.03)を用い、アジピン酸の濃度を0.272%になるようにした以外は例1の添加剤液Bの作製と同様にして添加剤液Cを作製した。この添加剤液Cと、例1と同様にして作製した砥粒混合液Aとを、質量比1:1で撹拌しながら混合することにより、砥粒濃度が1%、アジピン酸濃度が0.136%、pHが4.90の研磨剤を作製した。
[例3]
マロン酸に代えてコハク酸(pKa=5.24)を用い、コハク酸の濃度を0.198%になるようにした以外は例1の添加剤液Bの作製と同様にして添加剤液Dを作製した。この添加剤液Dと、例1と同様にして作製した砥粒混合液Aとを、質量比1:1で、撹拌しながら混合することにより、砥粒濃度が1%、コハク酸濃度が0.099%、pHが5.06の研磨剤を作製した。
[例4(比較例)]
マロン酸に代えて酒石酸(pKa=4.37)を用い、酒石酸の濃度を0.100%に、ポリアクリル酸アンモニウムの濃度を0.17%にそれぞれ変更した以外は例1の添加剤液Bの作製と同様にして添加剤液Eを作製した。この添加剤液Eと、例1と同様にして作製した砥粒混合液Aとを、質量比1:1で、撹拌しながら混合することにより、砥粒濃度が1%、酒石酸濃度が0.050%、pHが5.03の研磨剤を作製した。
[例5(比較例)]
マロン酸に代えて硝酸を用い、硝酸の濃度を0.082%に、ポリアクリル酸アンモニウムの濃度を0.17%にそれぞれ変更した以外は例1の添加剤液Bの作製と同様にして添加剤液Fを作製した。このこの添加剤液Fと、例1と同様にして作製した砥粒混合液Aとを、質量比1:1で、撹拌しながら混合することにより、砥粒濃度が1%、硝酸濃度が0.041%、pHが5.03の研磨剤を作製した。
上記各例について、研磨剤の組成、pH、砥粒の平均粒径[μm]及び研磨剤の凝集沈殿時間を表1に示す。例1〜5のいずれにおいても、最終の研磨剤の平均粒径は、砥粒混合液Aと同様0.19μmであった。すなわち、添加剤液B〜Fとの混合により、砥粒の凝集が進むことはなかった。これらの研磨剤を静置して分散安定性を評価したところ、10日間以上経過しても凝集沈殿が生ぜず、分散が維持された。これらの分散状態は添加剤を加えていない砥粒混合液Aと同程度であり、上記の分散安定性評価法により10日間静置しても上澄み層が現れず、分散性は非常に良好であった。
Figure 2006339594
次に、例1〜5の各研磨剤を用いた研磨特性の評価結果を表2に示す。ここで、例1〜5の各研磨剤に対し、1.0%アンモニア水を徐々に加えてゆき、アンモニア濃度が10[ppm]、20[ppm]となったときの研磨特性を評価した結果を表2に合わせて示す。
Figure 2006339594
さらに、例1〜5の各研磨剤中のアンモニア濃度[ppm]と、研磨速度との相関関係を図4に示す。
表2及び図4の結果より、本発明の実施例である例1〜3の研磨剤は、例4、5の研磨剤と同程度の分散安定性及び研磨速度を有し、かつ、アンモニア存在下であっても安定した研磨特性を発現することがわかる。
本発明の半導体用研磨剤は分散安定性及び研磨速度に優れているとともに、アンモニア存在下であっても安定した研磨特性が得られるため、特に多段プロセスからなるSTI工程に有効である。
STI工程において、半導体用研磨剤により半導体デバイス基板を研磨する際の工程を示す模式的な断面図である。 本発明の研磨方法に適用可能な研磨装置の一例を示す図である。 ブランケットウエハの模式的側断面図である。 本発明の例1〜5の研磨剤中に添加したアンモニア濃度と、研磨速度との相関関係を示すグラフである。
符号の説明
1:シリコン基板
2:二酸化ケイ素膜
3:窒化ケイ素膜
10:トレンチ溝
20:ディッシング
31:半導体デバイス
32:研磨ヘッド
33:研磨定盤
34:研磨パッド
35:研磨剤供給配管

Claims (8)

  1. 半導体集積回路装置の製造において被研磨面を研磨するための化学的機械的研磨用の研磨剤であって、
    当該研磨剤が酸化セリウム砥粒、水及び式1で表される2価カルボン酸(式1中、nは1〜4の整数である。)を含んでなり、
    25℃における当該研磨剤のpHが3.5〜6の範囲にある
    半導体用研磨剤。
    HOOC(CHCOOH ・・・式1。
  2. 前記pHが4〜6の範囲にある請求項1に記載の半導体用研磨剤。
  3. 前記2価カルボン酸のpKa値と、前記pHとの差の絶対値が1.0以下である請求項1又は2に記載の半導体用研磨剤。
  4. 前記2価カルボン酸がマロン酸、コハク酸及びアジピン酸からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の半導体用研磨剤。
  5. 前記2価カルボン酸の濃度が0.01〜0.5質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の半導体用研磨剤。
  6. 被研磨面が二酸化ケイ素からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体用研磨剤。
  7. 水溶性有機高分子及び陰イオン性界面活性剤からなる群から選ばれる1種以上の添加剤を含む請求項1〜6のいずれかに記載の半導体用研磨剤。
  8. 前記水溶性有機高分子は、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸アンモニウムである請求項7に記載の半導体用研磨剤。
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