JP2006324794A - 電圧駆動型半導体素子の駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 IGBT1の駆動装置10であって、該IGBTのエミッタ電極Eに接続されるコンデンサC1と、該IGBTのエミッタ電極に接続される放電用抵抗R2と、該IGBTのエミッタ電極に前記コンデンサを介して接続されるコンデンサ側ノードN1の接続先を、IGBTのゲート電極Gに接続される接続ノードN2、およびIGBTのエミッタ電極に前記放電用抵抗を介して接続される放電側ノードN3に切り換える切換スイッチSW1とを備え、該切換スイッチは、IGBTのターンオン開始時には、前記コンデンサ側ノードを接続ノードに接続しており、ターンオン開始から終了までの途中の過程で、前記コンデンサ側ノードの接続先を放電側ノードに切り換える。
【選択図】 図1
Description
このときのゲート電圧VGEのピーク値が、IGBT101の閾値電圧Vrefを超えてしまい、該IGBT101がオンして上下アームに短絡電流が流れてしまう場合がある。このような問題を解消するために、マイナス電源を用いて逆バイアス電圧(−VGE)を印加することが行われている(図9参照)。
逆に、IGBT3のターンオン損失を低減するためには、ゲート抵抗4を小さくして、該IGBT3を高速でターンオンさせればよい。しかし、ターンオン損失を小さくすると、IGBT3およびダイオードに加わるリカバリーサージ電圧が増加してしまうという問題が出てくる。
つまり、従来は、ターンオン損失の削減とリカバリーサージ電圧の減少とを両立させることが困難であった。
即ち、請求項1記載のごとく、電圧駆動型半導体素子の駆動装置であって、該電圧駆動型半導体素子のゲート−エミッタ間に設けられるコンデンサと、該コンデンサの電荷を放電する放電手段とを備え、電圧駆動型半導体素子のゲート−エミッタ間には、前記コンデンサがターンオン開始時に接続されるとともに、ターンオンの途中で切り離され、前記放電手段により、ターンオフまでに前記コンデンサの電荷が放電される。
これにより、ターンオン開始時における電圧駆動型半導体素子のコレクタ電流が、電圧駆動型半導体素子のゲート−エミッタ間にコンデンサが接続されなかった場合に比べて、緩やかに立ち上がることとなる。
このように、電圧駆動型半導体素子のコレクタ電流が緩やかに立ち上がることにより、対抗アーム位置の電圧駆動型半導体素子等に加わるリカバリーサージ電圧を抑えることができ、対抗アーム位置の電圧駆動型半導体素子等が破壊されたり、このサージ電圧に起因して生じたノイズにより誤動作が引き起こされたりすることを防止できる。
また、ターンオンの途中で、ゲート−エミッタ間に接続されているコンデンサを切り離すことで、コレクタ電流が定常値となってから、コレクタ電圧が飽和電圧に達してゲート電圧が上昇し始めるまでの時間を、従来のようにコンデンサを設けなかった場合と同等にすることができ、コレクタ電圧のターンオン時間を、コンデンサを設けなかった場合に対して、さほど長くならない程度に抑えることが可能となっている。従って、コンデンサを設けない従来の場合に対するターンオン損失の増加を、僅かな増加に抑えることができる。
これにより、電圧駆動型半導体素子のコレクタ電流が、電圧駆動型半導体素子のゲート−エミッタ間にコンデンサが接続されなかった場合に比べて、緩やかに立ち上がることとなる。
このように、電圧駆動型半導体素子のコレクタ電流が緩やかに立ち上がることにより、対抗アーム位置の電圧駆動型半導体素子等に加わるリカバリーサージ電圧を抑えることができ、対抗アーム位置の電圧駆動型半導体素子等が破壊されたり、このサージ電圧に起因して生じたノイズにより誤動作が引き起こされたりすることを防止できる。
また、ターンオン開始から終了までの途中の過程で、ゲート−エミッタ間に接続されているコンデンサを切り離すことで、コレクタ電流が定常値となってから、コレクタ電圧が飽和電圧に達してゲート電圧が上昇し始めるまでの時間を、従来のようにコンデンサを設けなかった場合と同等にすることができ、コレクタ電圧のターンオン時間を、コンデンサを設けなかった場合に対して、さほど長くならない程度に抑えることが可能となっている。従って、コンデンサを設けない従来の場合に対するターンオン損失の増加を、僅かな増加に抑えることができる。
さらに、ゲート−エミッタ間にコンデンサを設けることで、電圧駆動型半導体素子の入力容量を増加させることができ、対抗アーム側の電圧駆動型半導体素子のターンオン時におけるコレクタ電圧の時間変化率の増大による、当該電圧駆動型半導体素子のゲート電圧の上昇を抑えることができる。これにより、電圧駆動型半導体素子のゲート電圧のピークが閾値電圧を超えて、該電圧駆動型半導体素子が誤動作することを防止することができる。
また、電圧駆動型半導体素子のゲート−エミット間に設けるコンデンサは、小型で大容量(例えばμFオーダー)のものが多数流通しているので、駆動装置の小型化および低コスト化を図ることができる。
これにより、次回にコンデンサ側ノードと接続ノードとを接続したときに、電荷が残った状態のコンデンサにより電圧駆動型半導体素子が充電されて誤ってオンしてしまうことを防止できる。
これにより、例えば、電圧駆動型半導体素子のターンオン特性に変化があった場合でも、切換手段の切り換えをタイマー等を用いて画一的に行った場合に比べて、確実にターンオンすることが可能となる。
また、駆動装置の小型化および低コスト化を図ることができる。
例えば、3相モータを駆動するインバータは、電圧駆動型半導体素子であるIGBT、ダイオード、および本発明にかかるIGBTの駆動装置からなる組を6組備えている。
図1には、これら6組のうちの、2組を示している。つまり、IGBT1、ダイオードD1、およびIGBT1の駆動装置10からなる組と、該IGBT1の対抗アーム側に直列接続されるIGBT2、ダイオードD2、およびIGBT2の駆動装置10からなる組とを示している。
また、IGBT1にはダイオードD1が並列接続されている。
また、前記切換スイッチSW1は、IGBT1のエミッタ電極Eに前記コンデンサC1を介して接続されるコンデンサ側ノードN1の接続先を、IGBT1のゲート電極Gに接続される接続ノードN2、およびIGBT1のエミッタ電極Eに前記放電用抵抗R2を介して接続される放電側ノードN3に切り換えるものである。
具体的には、比較回路5によりゲート電圧Vgeを検出して閾値電圧Vref1との比較を行い、該比較回路5からゲート電圧Vgeが閾値電圧Vref1よりも小さい旨の比較結果が出力されると、切換スイッチSW1を前記ノードN1とノードN2とが接続される側へ切り換えて、ゲート電圧Vgeが閾値電圧Vref1以上である旨の比較結果が出力されると、切換スイッチSW1を前記ノードN1とノードN3とが接続される側へ切り換えるように切換制御が行われる。
さらに、IGBT1にはダイオードD2が並列接続されている。
図2に示すように、まず、IGBT1のターンオン開始時には、制御回路4に対して外部から駆動信号が入力され、該制御回路4によりスイッチング素子Q1がオンされる。
このIGBT1のターンオン開始時には、前記切換スイッチSW1は制御回路4によりノードN1とノードN2とが接続される側に切り換えられており、IGBT1のゲート−エミッタ間にコンデンサC1が接続された状態となっている。
このように、IGBT1のコレクタ電流Iceが緩やかに立ち上がることにより、IGBT2およびダイオードD2に加わるリカバリーサージ電圧を抑えることができ、該IGBT2およびダイオードD2が破壊されたり、このサージ電圧に起因して生じたノイズにより誤動作が引き起こされたりすることを防止できる。
これにより、例えば、IGBT1のターンオン特性に変化があった場合でも、該切換スイッチSW1の切り換えをタイマー等を用いて画一的に行った場合に比べて、確実にターンオンすることが可能となっている。
つまり、ゲート電圧Vgeが閾値電圧Vref1よりも高くなる期間では、ノードN1とノードN3とが接続されて、コンデンサC1の電荷がコンデンサ放電用抵抗R2を通じて放電される。
また、エミッタ電極Eとゲート電極Gとの間にコンデンサC1が存在しなくなり、IGBT1の入力容量が、該IGBT1が本来有している値と同じになる。
また、この期間にコンデンサC1を放電用抵抗R2と接続して放電させることで、次のターンオン時に備えることができる。
図3においては、IGBT1のゲート−エミッタ間にコンデンサC1を接続した場合の各電圧および電流が実線で示されており、IGBT1のゲート−エミッタ間にコンデンサ1を接続していない場合の各電圧および電流が2点鎖線で示されている。
そして、このゲート電圧VGEの上昇により、該ゲート電圧VGEのピークがIGBT1の閾値電圧を超えてしまうと、IGBT1がオンして上下アームに短絡電流が流れてしまうこととなる。
これにより、IGBT1のゲート電圧Vgeのピークが閾値電圧を超えて、該IGBT1が誤動作することを防止することができる。
これにより、ノードN1とノードN2とを接続したときに、電荷が残った状態のコンデンサC1によりIGBT1が充電されて誤ってオンしてしまうことを防止できる。
図4にはIGBT1のゲート−エミッタ間にコンデンサC1を接続しなかった従来の場合の波形を示している。図4においては、IGBT1の対抗アーム側に配置されるIGBT2のターンオン時t1に、オフ状態のIGBT1のゲート電圧Vgeが、そのピーク電圧がVge1となるまで+方向へ持ち上がっている。このピーク電圧Vge1はIGBT1の閾値電圧を大きく超えているため、該IGBT1のコレクタ電流Iceが流れている。
このコレクタ電流Iceは、IGBT1とIGBT2とを流れる上下アーム短絡電流となるため、IGBT1・2等で構成されるインバータ装置の信頼性を低下させる原因となりかねない。
図5では、IGBT1の対抗アーム側に配置されるIGBT2のターンオン時t1に、オフ状態のIGBT1のゲート電圧Vgeのピーク値はVge2(Vge2<Vge1)となっており、IGBT1の閾値電圧を僅かに超える程度に抑えられている。従って、図5においてIGBT1に流れるコレクタ電流Iceの電流値Ice2は、図4におけるIce1よりも大幅に少なくなっている。
なお、図5の検証結果では、コレクタ電流Iceが若干流れた状態となっているが、駆動装置10の回路定数を適宜設定することにより、コレクタ電流Iceが流れない状態とすることもできる。
図6にはIGBT1のゲート−エミッタ間にコンデンサC1を接続しなかった従来の場合の波形を示している。
また、図7にはIGBT1のゲート−エミッタ間にコンデンサC1を接続した本発明にかかる駆動装置10の場合の波形を示しており、時刻t2にて前記切換スイッチSW1が、ノードN1とノードN2とが接続される側から分断される側へと切り換えられている。
リカバリーサージ電圧は、インバータ装置の放射ノイズ源や、IGBT1およびダイオードD1の破損原因になり得るため、このリカバリーサージ電圧を低減させることで、インバータ装置の信頼性向上を図ることが可能となっている。
そして、ターンオン損失を低減することで、インバータ装置の冷却系の小型化や簡素化を図ることができる。
4 制御回路
5 比較回路
10 制御装置
C1 コンデンサ
R1 ゲート抵抗
R2 放電用抵抗
SW1 切換スイッチ
N1 コンデンサ側ノード
N2 接続ノード
N3 放電側ノード
Claims (4)
- 電圧駆動型半導体素子の駆動装置であって、
該電圧駆動型半導体素子のゲート−エミッタ間に設けられるコンデンサと、
該コンデンサの電荷を放電する放電手段とを備え、
電圧駆動型半導体素子のゲート−エミッタ間には、前記コンデンサがターンオン開始時に接続されるとともに、ターンオンの途中で切り離され、
前記放電手段により、ターンオフまでに前記コンデンサの電荷が放電される、
ことを特徴とする電圧駆動型半導体素子の駆動装置。 - 電圧駆動型半導体素子の駆動装置であって、
該電圧駆動型半導体素子のエミッタ電極に接続されるコンデンサと、
該電圧駆動型半導体素子のエミッタ電極に接続される放電用抵抗と、
該電圧駆動型半導体素子のエミッタ電極に前記コンデンサを介して接続されるコンデンサ側ノードの接続先を、電圧駆動型半導体素子のゲート電極に接続される接続ノード、および電圧駆動型半導体素子のエミッタ電極に前記放電用抵抗を介して接続される放電側ノードに切り換える切換手段とを備え、
該切換手段は、電圧駆動型半導体素子のターンオン開始時には、前記コンデンサ側ノードを接続ノードに接続しており、ターンオンの開始から終了までの途中の過程で、前記コンデンサ側ノードの接続を、接続ノードから切り離し、少なくとも次のターンオフまでに前記コンデンサ側ノードを放電側ノードに接続することを特徴とする電圧駆動型半導体素子の駆動装置。 - 前記切換手段は、電圧駆動型半導体素子のオフ時には、コンデンサ側ノードと接続ノードとが接続される側に切り換えられることを特徴とする請求項2に記載の電圧駆動型半導体素子の駆動装置。
- 前記切換手段は、電圧駆動型半導体素子のゲート電圧検出手段を備え、
該ゲート電圧検出手段の検出結果に基づいて、コンデンサ側ノードの接続先を切り換えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電圧駆動型半導体素子の駆動装置。
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