JP2017163681A - 電圧駆動形半導体スイッチ素子の駆動回路 - Google Patents
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Abstract
Description
図6において、直流電源1の両極間には、例えばMOSFET等のスイッチ素子3a〜3fからなる三相のインバータ主回路3が接続され、インバータ主回路3の交流出力端子には電動機等の負荷5が接続されている。なお、直流電源1の代わりに、交流電源の整流電圧を電解コンデンサにより平滑して直流電源を構成する場合もある。
図7において、制御信号6aはフォトカプラ等の絶縁回路21により制御信号6a’に変換される。この絶縁回路21の両端には、順バイアス電源22と逆バイアス電源23とが直列に接続されている。
ここで、ゲート抵抗27は、スイッチ素子3aがターンオンする際のゲート電流を制限し、ゲート抵抗28は、スイッチ素子3aがターンオフする際のゲート電流を制限するように機能する。
更に、順バイアス電源22と逆バイアス電源23との接続点は、スイッチ素子3aのソースSに接続されている。なお、Dはスイッチ素子3aのドレインを示す。
制御信号6a’が「High」レベルになると、トランジスタ25がオンする。これにより、スイッチ素子3aのゲートGに電流が流れ込み、ゲート・ソース間電圧VGSがしきい値電圧Vthを超えるとスイッチ素子3aがオンする。
なお、ベース抵抗24、ゲート抵抗27,28の抵抗値は、スイッチ素子3aのスイッチングに伴って発生するサージ電圧等を抑制するために所定の値に設定されている。
これに対し、例えば小容量のシステムでは、図8に示すように、逆バイアス電源を持たずに順バイアス電源22のみを備えたゲート駆動回路2a’が使用される場合がある。なお、図8では、図7と同一機能を有する部分に同一符号を付してある。
これにより、スイッチ素子3aの帰還容量C(容量値自体もCとする)を介して、数式1に示す電流iがゲート側に流れる。
[数式1]
i=C・dv/dt
ここで、図10(a),(b)はスイッチ素子3aのターンオフ時の電圧・電流波形であり、図10(a)はゲート抵抗28が低い場合、図10(b)はゲート抵抗28が高い場合を示している。これらの図において、iDはドレイン電流、VDSはドレイン・ソース間電圧、Edは順バイアス電源の電圧、ΔV1,ΔV2はドレイン・ソース間電圧VDSの電圧Edからの変化分、toff1,toff2はターンオフ開始時点からドレイン電流iDがゼロになるまでの時間を示す。
また、高耐圧のスイッチ素子を使用すれば、ターンオフサージ電圧の問題は解消可能であるが、装置の大型化やコストの上昇を招くという問題がある。
制御信号により相補的にオン・オフして前記主回路スイッチ素子を駆動する第1のスイッチ素子及び第2のスイッチ素子の直列回路と、前記主回路スイッチ素子をオンさせる時に前記第1のスイッチ素子を介して前記主回路スイッチ素子の制御端子と出力端子との間に順バイアス電圧を印加する順バイアス電源と、前記主回路スイッチ素子をオフさせる時に前記第2のスイッチ素子を介して前記主回路スイッチ素子の制御端子と出力端子との間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス電源と、を備えた駆動回路において、
対向アームの前記主回路スイッチ素子がオフである時に、自アームの前記主回路スイッチ素子の制御端子と出力端子との間に印加される電圧を、ゼロ電圧と逆バイアス電圧とに切り替えるバイアス切替手段を備えたものである。
前記バイアス切替手段は、自アームの前記主回路スイッチ素子がターンオフした後に、前記主回路スイッチ素子の制御端子と出力端子との間に印加される電圧をゼロ電圧から逆バイアス電圧に切り替えるものである。
前記制御信号として前記主回路スイッチ素子に対するターンオフ指令が入力された後に、前記バイアス切替手段は、前記主回路スイッチ素子のターンオフ終了後であって前記上下アームの短絡防止用のデッドタイムが終了する時刻よりも短い期間にわたり、前記主回路スイッチ素子の制御端子と出力端子との間に印加される電圧をゼロにするものである。
これにより、システムの信頼性が向上すると共に、高耐圧素子を不要にして電力変換装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
図1は、本実施形態に係るゲート駆動回路200の構成図である。このゲート駆動回路200は、図6に示したインバータ主回路3の上アームのスイッチ素子3aを駆動するゲート駆動回路2aに相当しており、他のスイッチ素子3b〜3fについても全て同一構成のゲート駆動回路200が設けられている。ここで、インバータ主回路3のスイッチ素子3a〜3fは、請求項における主回路スイッチ素子に相当する。
ゲート抵抗207は、スイッチ素子3aのターンオン時のゲート電流を制限し、ゲート抵抗208は、同じくターンオフ時のゲート電流を制限するように機能する。
ここで、抵抗209及びコンデンサ211からなる遅延回路(時定数回路)は、後述するMOSFET212のオフ動作を遅延させる遅延手段として作用する。
また、MOSFET212のドレインはベース抵抗213を介してトランジスタ214のベースに接続され、そのコレクタは電圧阻止用のダイオード215を介してスイッチ素子3aのソースに接続されると共に、トランジスタ214のエミッタは逆バイアス電源202の負極に接続されている。
上記構成において、抵抗209、コンデンサ211、MOSFET212、ベース抵抗213及びトランジスタ214等は、請求項におけるバイアス切替手段を構成している。
そこで、上アームのスイッチ素子3aに対するゲート駆動回路200内のトランジスタ205と、下アームのスイッチ素子3bに対するゲート駆動回路200内のトランジスタ205、MOSFET212及びトランジスタ214の動作について、図5のタイムチャートを参照しつつ考察する。
いま、図2に示したゲート駆動回路200により下アームのスイッチ素子3bを駆動する場合を考えると、図2はスイッチ素子3bがオンしているモードであるため、図5における時刻t2〜t3の期間に相当する。
この場合、制御信号6a’は「Low」レベルとなり、トランジスタ205はオフ、トランジスタ206はオンとなる。しかし、ターンオフ指令の入力直後は、抵抗209及びコンデンサ211からなる遅延回路の動作により、MOSFET212はオン状態のままとなり、トランジスタ214はオフ状態のままとなる。
上記のように、時刻t3〜t5の期間はスイッチ素子3bのゲート・ソース間に印加する電圧をゼロにすることにより、ドレイン・ソース間の耐圧低下に起因したターンオフサージ電圧によるスイッチ素子3bの破壊を防止することができる。
この時、制御信号6a’は「Low」レベルであり、トランジスタ205はオフ、トランジスタ206はオンである。また、制御信号6a’が「Low」レベルになってからある程度の時間(抵抗209及びコンデンサ211による時定数によって決まる遅延時間)が経過するとMOSFET212はオフとなり、トランジスタ214がオンする。
ここで、図4に示したゲート駆動回路200により下アームのスイッチ素子3bを駆動する場合を考えると、図4のモードは図5における時刻t5〜t4の期間に相当する。
図5の時刻t3において、下アームのスイッチ素子3b側のトランジスタ205がオフ(トランジスタ206がオン)することにより、スイッチ素子3bがターンオフする。この時、スイッチ素子3bを流れていた電流は寄生ダイオード側に転流する。
また、バイアス切替手段を構成するトランジスタ214は、他の電気的スイッチ素子や電気的・機械的スイッチ部品に置き換えても良く、いずれにしてもオン・オフ動作可能なスイッチ手段であれば良い。更に、遅延手段としては、抵抗209及びコンデンサ211からなる遅延回路に代えて、IC等を用いた遅延回路を使用しても良い。
2a,2b:ゲート駆動回路
3:インバータ主回路
3a〜3f:半導体スイッチ素子(主回路スイッチ素子)
4:制御回路
5:負荷
6a,6a’,6b:制御信号
200:ゲート駆動回路
201:順バイアス電源
202:逆バイアス電源
203:絶縁回路
204:ゲート抵抗
205,206:トランジスタ(第1,第2のスイッチ素子)
207,208:ゲート抵抗
209:抵抗
210,215:ダイオード
211:コンデンサ
212:MOSFET
213:ベース抵抗
214:トランジスタ
Claims (5)
- 電力変換装置の主回路の上アーム及び下アームに設けられる電圧駆動形半導体スイッチ素子としての主回路スイッチ素子を駆動するための駆動回路であって、
制御信号により相補的にオン・オフして前記主回路スイッチ素子を駆動する第1のスイッチ素子及び第2のスイッチ素子の直列回路と、前記主回路スイッチ素子をオンさせる時に前記第1のスイッチ素子を介して前記主回路スイッチ素子の制御端子と出力端子との間に順バイアス電圧を印加する順バイアス電源と、前記主回路スイッチ素子をオフさせる時に前記第2のスイッチ素子を介して前記主回路スイッチ素子の制御端子と出力端子との間に逆バイアス電圧を印加する逆バイアス電源と、
を備えた駆動回路において、
対向アームの前記主回路スイッチ素子がオフである時に、自アームの前記主回路スイッチ素子の制御端子と出力端子との間に印加される電圧を、ゼロ電圧と逆バイアス電圧とに切り替えるバイアス切替手段を備えたことを特徴とする電圧駆動形半導体スイッチ素子の駆動回路。 - 請求項1に記載した電圧駆動形半導体スイッチ素子の駆動回路において、
前記バイアス切替手段を、前記逆バイアス電源の負電位側に接続したことを特徴とする電圧駆動形半導体スイッチ素子の駆動回路。 - 請求項1または2に記載した電圧駆動形半導体スイッチ素子の駆動回路において、
前記バイアス切替手段は、
自アームの前記主回路スイッチ素子がターンオフした後に、前記主回路スイッチ素子の制御端子と出力端子との間に印加される電圧をゼロ電圧から逆バイアス電圧に切り替えることを特徴とする電圧駆動形半導体スイッチ素子の駆動回路。 - 請求項3に記載した電圧駆動形半導体スイッチ素子の駆動回路において、
前記制御信号として前記主回路スイッチ素子に対するターンオフ指令が入力された後に、
前記バイアス切替手段は、
前記主回路スイッチ素子のターンオフ終了後であって前記上下アームの短絡防止用のデッドタイムが終了する時刻よりも短い期間にわたり、前記主回路スイッチ素子の制御端子と出力端子との間に印加される電圧をゼロにすることを特徴とする電圧駆動形半導体スイッチ素子の駆動回路。 - 請求項1〜4の何れか1項に記載した電圧駆動形半導体スイッチ素子の駆動回路において、
前記バイアス切替手段は、前記制御信号が入力される遅延手段を介して接続されるスイッチ手段を含み、当該スイッチ手段のオンにより、前記第2のスイッチ素子を介して、自アームの前記主回路スイッチ素子の制御端子と出力端子との間に逆バイアス電圧が印加されることを特徴とする電圧駆動形半導体スイッチ素子の駆動回路。
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