JP2006318886A - 照明装置およびこれに使用する光制御部材並びにこれらを用いた表示装置 - Google Patents

照明装置およびこれに使用する光制御部材並びにこれらを用いた表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の課題は、大型照明装置や液晶テレビなどのディスプレイ用途に用いることができる、高品位で光利用効率のよい光源直下方式の照明装置、およびこれを用いた画像表示装置を提供することである。
【解決手段】
上記課題は、矩形状の出射面を持ち、反射板と、複数の光源と、板状の光制御部材とを備え、該光制御部材の出射面は表面に凸部を周期的に複数形成しており、該光制御部材が反射部配置面を備え、該反射部配置面が反射部と開口部とからなり、該開口部の面積割合が反射部配置面の20%〜80%であって、反射部配置面に位置する反射部の全光線反射率が80%以上であることを特徴とする照明装置により解決される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、少なくとも、複数の光源と、反射板と、前記反射板からの光の方向を制御して出する光制御部材とからなる照明装置およびこれを用いる表示装置に関するものであり、特に大型で高い輝度と面内の均一性が要求される照明看板装置、液晶ディスプレイ装置に好適に用いられる照明装置および表示装置に関するものである。
液晶テレビなどの表示装置に用いる照明装置としては、導光板の側端部に光源を備え導光板で光を正面方向に誘導し、拡散シートで均一化するエッジライト方式と、照明面の裏側に光源を配し、光を光拡散板で均一化する光源直下方式とがある。
携帯電話やモバイルパソコンなどといった薄さを要求される用途の照明装置においては、光源を導光板側端部に配置するエッジライト方式が主流である。近年、テレビやパソコンモニターなどの市場を中心に、ディスプレイの大型化の要求が高まってきた。しかし、エッジライト方式の照明装置においては、大型化に伴い表示面積に対する導光板側端部の割合が減少するため充分な輝度を得ることができないか、充分な輝度を得るために導光板の厚さを大きくして導光板の重量が増加するなどの課題があるため、大型照明装置の用途にエッジライト方式の照明装置は不向きである。
そこで大型ディスプレイ用照明装置の方式として、光源を照明面の裏側に配置した光源直下方式が注目されている。この方式は、照明面の裏側に直接光源を配するもので、さらに光源の後方に反射板を配した方式が一般的であり、光源から出射した光を反射板で反射させることにより、エネルギーの利用効率を高めている。また光源直下方式では、エッジライト方式では必須な導光板が不要であるため、軽量化を図ることができる。図1(a)および図1(b)に光源直下方式の照明装置の構成例を示す。
また他の用途の照明装置として、例えば照明看板などでは、構成が単純で輝度向上フィルムなどを用いることなく容易に高輝度が得られることから、光源直下方式が主流である。しかしながら、光源直下方式では表示面の直下に光源が存在するため、ランプイメージの解消が課題となる。光源直下方式で見られるランプイメージはエッジライト方式の場合よりもはるかに顕著な輝度ムラとして顕れるため、従来エッジライト方式の照明装置で輝度ムラ改善のために用いられてきた、フィルム表面に光拡散材を塗布した拡散フィルムなどの手段では解消が困難である。そこで、この目的では透明基材に拡散材微粒子を配合した光拡散板が広く用いられている。良好な光拡散効率と光利用効率を得るために、メタアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等の基材樹脂に、無機微粒子や架橋有機微粒子を光拡散材として配合した微粒子配合型の光拡散板が用いられている(例えば特許文献1参照)。しかしこれらの光拡散材を用いる方法は、光拡散材への吸収や、特許文献2第4図に示されるように不要な方向への光の拡散などが生じるために、光利用効率の観点から望ましくない。
微粒子配合型の光拡散板の光指向性を改善するため、プリズムシートを併用することが提案されている。プリズムシートを併用した場合の輝度角度分布は特許文献2第1図に示される。プリズムシートを併用することにより、正面方向の輝度を向上することができる。また、2枚のプリズムシートを併用することにより、正面方向の輝度を向上することができる。しかしながら、プリズムシートの併用は、部品点数の増加、プリズムの鋭角部分の傷つきや変形による性能低下などの点で望ましくない(例えば非特許文献1参照)。
ランプイメージ解消の手段として、光源を近接して多数配置することが考えられるが、部品点数の増加、消費電力の増加などの点から望ましくない。また、ランプイメージ解消の別の手段として反射板形状を工夫したものも提案されているが、その方法では反射板形状と光源の位置合わせが必要であり、そのため、仕様ごとに設計の変更が必要となる、生産上も不利である、などの課題があり望ましくない(例えば特許文献3参照)。
さらにランプイメージ解消の別の手段として、フレネルレンズに代表される光線方向変換素子を光源に対向させて配置する方法は、各光源と光線方向変換素子との位置合わせが必要で、仕様変更に伴う設計変更が必要となる問題や生産性低下の問題がある(例えば特許文献4、特許文献5参照)。
また、高反射物質よりなるストライプ状の薄膜層と、ストライプ状レンチキュラーレンズを形成した部材を線状光源の出射側に設けた装置も提案されている(特許文献6参照)。この方法によれば、ランプイメージの解消は比較的容易にでき、またレンズの形状によって出射する光の多くを望ましい方向に向けることができるが、一部の望ましくない方向への出光を抑制することは困難である。またレンズアレイと薄膜層の隙間にあるピンホールを1対1で対応させ、更にレンズの焦点をピンホールよりも外に形成することも提案されている(特許文献7参照)。これは望ましい輝度角度分布に光を制御する上では更に有利である。またピンホールの広さを限定することも提案されている(特許文献8参照)。これによってランプイメージの解消が一層容易になる。しかしこれらの方法によっても、光源直下方式の照明装置に関する最良の構成が不明確なため、高輝度で良好な輝度ムラ解消を実現することは非常に困難であった。さらに、輝度角度分布の高度な制御はなお困難であり、輝度ムラの発生や一部の望ましくない方向への出光を充分抑制するための条件が示されているとはいえない。
一方、色再現性がよく、高速スイッチングによる動画特性が改善された、点状光源直下方式の表示装置として、LED光源を用いた表示装置が提供されている。LED光源としては、白色LEDと、3原色から成るRGB色LEDが知られているが、色再現性、消費電力、発光効率の面からRGB色LEDが有利である。しかし、RGB色LEDは、色ムラを解消することが必須であり、従来、そのために厳密な光学設計が必要であった(例えば非特許文献2参照)。
特開昭54−155244号公報 特開平2−257188公報 特許2852424号 特開2000−338895号公報 特開2002−352611号公報 特開平8−122774号公報 特開平9−167513号公報 特開10−241434号公報 東レリサーチセンター LCDフロント・バックライトの新展開 p.114〜116 日経BP社刊flat-panel display 2004 実務編 p.170〜174
そこで本発明は、大型照明装置や液晶テレビなどのディスプレイ用途に用いることができる光源直下方式の照明装置において、ランプイメージや輝度ムラ、ならびにRGB色LED光源の色ムラを解消し、また、プリズムシートを用いることなく、正面輝度が高く、望ましい輝度角度分布を得ることができ、さらに大型化やランプ配置などの仕様変更に容易に対応可能で、高品位で光利用効率の高い照明装置、およびこれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
本課題を解決するための手段として本発明で我々が提供する照明装置は、少なくとも、複数の光源と、反射板と、光制御部材とを、出射側に向かって、反射板、光源、光制御部材の順に配置した光源直下方式の照明装置である。
請求項1に記載の照明装置は、X軸と、X軸に垂直なY軸とに平行な辺からなる矩形状の出射面を持ち、反射板と、複数の光源と、板状の光制御部材とを備え、
前記反射板は前記X軸およびY軸に平行なXY平面と平行に配置しており、
前記XY平面に垂直なZ軸の出射側を正面方向としたとき、
前記光源は前記反射板の正面方向側の前記XY平面に平行な1つの仮想平面内に配置しており、
前記光制御部材は前記配列した光源の正面方向側に配置し、
かつ、該光制御部材の主面は光源が配列している前記仮想平面と平行であり、
該光制御部材の主面は、光源に対向し該光源からの光を受光する入射面と前記入射面に受光した光を出射する出射面とからなり、前記入射面に一致するまたは光制御部材内部に該入射面と平行に位置する反射部配置面を備え、
前記出射面は表面に凸部を周期的に複数形成している照明装置であって、
前記反射部配置面が反射部と開口部とからなり、該開口部の面積割合が反射部配置面の20%〜80%であり、
該開口部は該凸部と対向しており、
反射部配置面に位置する反射部の全光線反射率が80%以上であることを特徴とする照明装置である。
請求項2に記載の照明装置は、X軸と、X軸に垂直なY軸とに平行な辺からなる矩形状の出射面を持ち、反射板と、複数の光源と、板状の光制御部材とを備え、
前記反射板は前記X軸およびY軸に平行なXY平面と平行に配置しており、
前記XY平面に垂直なZ軸の出射側を正面方向としたとき、
前記光源は線状光源であり、該線状光源は前記反射板の正面方向側の前記XY平面に平行な1つの仮想平面内に配置しており、
かつ、該線状光源は長手方向がY軸に平行に配置しており、
かつ、X軸に沿って等間隔に配列しており、
前記光制御部材は前記配列した線状光源の正面方向側に配置し、
かつ、該光制御部材の主面は線状光源が配列している前記仮想平面と平行であり、
該光制御部材の主面は、線状光源に対向し該線状光源からの光を受光する入射面と前記入射面に受光した光を出射する出射面とからなり、前記入射面に一致するまたは光制御部材内部に該入射面と平行に位置する反射部配置面を備え、
前記出射面は表面に畝状の凸部を複数形成しており、
該凸部は頂部にあたる畝状の稜線がY軸に平行に形成されており、かつ、X軸に沿って配列している照明装置であって、
前記反射部配置面が反射部と開口部とからなり、該開口部の面積割合が反射部配置面の20%〜80%であり、
該開口部は該凸部と対向しており、
反射部配置面に位置する反射部の全光線反射率が80%以上であることを特徴とする照明装置である。
請求項3に記載の照明装置は、請求項2に記載の照明装置であって、前記光制御部材の屈折率をnとし、X軸とZ軸とに平行なXZ平面に切った切り口である断面内における、前記凸部の輪郭線の変曲点である両端をそれぞれA,A’とし、∠ABB’および∠AB’Bがπ/2+Sin−1(1/n)の角度を成す前記反射部配置面上の点をそれぞれ点B,B’としたとき、線分ABと線分A’B’とが交点を持たず、線分BB’の長さをb、線分BB’間を開口部が占める長さの総計をeとすると、比e/bが0.8≦e/b≦1であることを特徴とする照明装置である。
請求項4に記載の照明装置は、請求項2または3に記載の照明装置であって、前記XZ平面と平行な断面内で、前記点A,点A’を接点とする凸部輪郭線の接線と反射部配置面とがなす鋭角をそれぞれσ、σ’、該断面内の反射部配置面と∠ACC’=(π/2+σ−Sin−1((1/n)×sinσ))、A’C’C=(π/2+σ’−Sin−1((1/n)×sinσ))の角度を成す反射部配置面上の点をそれぞれ点C,点C’としたとき、直線ACと直線A’C’との交点Oが反射部配置面の光源側に位置し、該断面の凸部頂部をQ、線分OQと前記反射部配置面との交点を点Fとしたとき、線分OFの長さtと線分OQの長さTの比t/Tが0<t/T<0.65であることを特徴とする照明装置である。
請求項5に記載の照明装置は、請求項2〜4のいずれかに記載の照明装置であって、前記光制御部材の屈折率をnとし、Y軸とZ軸とに平行なXZ平面と平行に切った切り口である断面内における、前記凸部の輪郭線の変曲点である両端をそれぞれA,A’とし、∠ABB’および∠AB’Bがπ/2+Sin−1(1/n)の角度を成す前記反射部配置面上の点をそれぞれ点B,B’としたとき、線分ABと線分A’B’とが交点を持たず、該断面内の開口部の長さの総計をd、線分BB’間を開口部が占める長さの総計をeとすると、比e/dが0.5以上であることを特徴とする照明装置である。
請求項6に記載の照明装置は、請求項2〜5のいずれかに記載の照明装置であって、前記XZ平面と平行な断面内で、前記点A,点A’を接点とする凸部輪郭線の接線と反射部配置面とがなす鋭角をそれぞれσ、σ’、該断面内の反射部配置面と∠ACC’=(π/2+σ−Sin−1((1/n)×sinσ))、∠A’C’C=(π/2+σ’−Sin−1((1/n)×sinσ))の角度を成す反射部配置面上の点をそれぞれ点C,点C’とし、直線ACと直線A’C’との交点Oが反射部配置面の光源側に位置するとき、線分CC’の長さをc、線分CC’間を開口部が占める長さの総計をfとすると、比f/cが0.3≦f/c≦0.9の範囲であり、開口部が線分CC’の中央部付近に位置することを特徴とする照明装置である。
請求項7に記載の照明装置は、請求項2〜6のいずれかに記載の照明装置であって、前記点A,点A’を接点とする凸部輪郭線の接線と反射部配置面とがなす鋭角をそれぞれσ、σ’、該断面内の反射部配置面と∠ACC’=(π/2+σ−Sin−1((1/n)×sinσ))、∠A’C’C=(π/2+σ’−Sin−1((1/n)×sinσ))の角度を成す反射部配置面上の点をそれぞれ点C,点C’とし、直線ACと直線A’C’との交点Oが反射部配置面の光源側に位置するとき、線分CC’間の長さcと線分AA’間の長さaの比c/aが、0.6以下であることを特徴とする照明装置である。
請求項8に記載の照明装置は、請求項2〜7のいずれかに記載の照明装置であって、隣接する前記線状光源の中心間の距離をD、任意の前記線状光源の中心と前記光制御部材との距離をH、該線状光源から光制御部材に入光した光の、X軸方向の位置座標X(光源位置をX=0とする)における出射面の法線方向への出光強度を表した関数をf(X)とし、
g(X)=f(X−D)+f(X)+f(X+D) (1)
としたとき、
−D/2≦X≦D/2の範囲で、
g(X)の最小値であるg(X)minと最大値であるg(X)maxの比g(X)min/g(X)maxが0.6以上であり、
Xの最小値Xminが−3.0D≦Xmin≦−0.5Dの範囲であり、最大値Xmaxが0.5D≦Xmax≦3.0Dの範囲であり(XminおよびXmaxは、f(X)の値がX=0である線状光源付近を中心に減衰していき、実質0になるときの両端の座標)、
X軸とZ軸とに平行なXZ平面と平行に切った任意の凸部の断面形状が、下記の式で表される(2N+1)個の傾きの異なる領域−N〜Nからなることを特徴とする照明装置である。
δ=(Xmax−Xmin)/(2N+1) (2)
i=i×δ (3)
αi=Tan-1(Xi/H) (4)
βi=Sin−1((1/n)sinαi) (5)
γi=Sin−1((1/n2)sinαi) (6)
i∝f(Xi+T・tanγi)・cosΦi・cosβi/cosαi/cos(Φi−βi) (7)
Φi=Tan−1((n・sinβi)/(n・cosβi−1)) (8)
N:自然数
i:−NからNの整数
n:光制御部材の凸部の屈折率
2:光制御部材の基材の屈折率
i:領域iのX軸方向の幅
Φi:領域iの出射面に対する斜面の傾き
T:光制御部材の入射面から凸部の底部までの厚み
ここで、α、β、γ、Φなどの角度はいずれも絶対値が90°未満で、基準線に対して右回りに成す角度を正、左回りに成す角度を負とする。
まず、図17を用いて式(7)について説明する。
min、Xmaxは、f(X)の値がX=0である線状光源付近を中心に減衰していき、実質0になるときの両端の座標である。Xmin〜Xmaxの間を等分に(2N+1)分割すると、分割した各要素の幅δは式(2)で示される。このとき任意の要素の中心座標Xiは、式(3)で示される。X=0の位置にある線状光源3から座標Xの光制御部材4の入射面10への入射角度は法線方向に対して式(4)で示される角度αiとなる。
ここで光は屈折して法線方向に対して、式(4)で示される角度γiで光制御部材内部を進む。凸部6の底部に達すると再び屈折し、式(5)で示される角度βiで光制御部材内部を進み、凸部6に入射する。ここで、光制御部材4の凸部6と凸部が設けられている基材の屈折率が同じであってもよく、この場合凸部の底部では屈折せず、βi=γiとなる。
そのうち、式(8)で示される出射面に対する傾きΦiの斜面に到達した光のみ正面方向に向かう。
ここで、角度Φiの斜面が占める領域iの斜面の長さをqiとし、領域iの斜面から光制御部材の凸部内部での光線方向に垂直な方向への射影の長さをriとすると、X方向と光制御部材の主面の法線方向に平行な断面内における領域iの斜面の角度が、光制御部材の凸部内部での光線方向と垂直な角度に対して成す角度ξiは(Φi−βi)となるので、
i=qi・cos(Φi−βi) (9)
となる。
またここで、角度Φiの斜面が占める領域iの入射面と平行な面への射影の長さ、すなわち領域iのX方向の幅をpiとすると、
i=pi/cosΦi (10)
である。
式(9)、式(10)から
i=pi/cosΦi・cos(Φi−βi) (11)
となる。
ここで、図17に示すように凸部6のX方向の幅、すなわちpiの総和をPとすると、角度αiで光制御部材4に入射して光制御部材内部を通過して凸部6に向かう光9のうち領域iに向かう光の割合はri/(P・cosβi)である。
一方、角度αiで光制御部材に入射する単位面積あたりの光の強度、すなわち照度は、後で述べるようにcos2αiに比例する。
また、図20に示すように、座標Xiの点における線状光源3の長手方向と垂直な断面の直径を見込む角度Δαiはcosαiに比例する。従って、座標Xiに入射する単位面積単位角度あたりの光の強度は、cos2αi/Δαiに比例し、このことからcos2αi/cosαi、つまりcosαiに比例する。つまり線状光源3からの光がX=0の点で単位凸部6に入射する光の単位角度あたりの強度に対し、座標X=Xiの点で単位凸部6に入射する光の単位角度あたりの強度の割合はcosαiである。従って、正面に出光する光はcosαi・ri/(P・cosβi)であり、式(11)よりpi/cosΦi・cos(Φi−βi)・cosαi/(P・cosβi)である。
座標Xiに入射した光は光制御部材4の厚さがTであるとき、座標(Xi+T・tanγi)に出射するため、そのときの正面方向への出光強度はf(Xi+T・tanγi)である。
さらに、正面方向への出光強度は、線状光源の発光強度と正面方向への出射割合とに比例するため、
f(Xi+T・tanγi)∝pi/cosΦi・cos(Φi−βi)・cosαi/(P・cosβi) (12)
に従って、
i∝P・f(Xi+T・tanγi)・cosΦi・cosβi/cosαi/cos(Φi−βi) (13)
となる。ここで、凸部6の幅をPとすると、piの総和は凸部の幅Pとなるので、
となる。
Pは凸部幅であり定数となるため、
i∝f(Xi+T・tanγi)・cosΦi・cosβi/cosαi/cos(Φi−βi) (7)
凸部は(式7)の関係を満足するような幅piの領域iからなる形状である。周知の通り比例縮小光学系は、ほぼ同一の指向特性を示すので自由に凸部のピッチを選定することができる。
ここで、図18を用いて光制御部材への入射角度と入射強度の関係を説明する。
線状光源から光制御部材への入射角αを中心に、微小角度Δαを考慮すると、Δαが十分小さい場合には次の式(15)、式(16)および式(17)が成り立つ。
U=H’・Δα (15)
H’=H/cosα (16)
V=U/cosα (17)
従って
V=H・Δα/cos2α (18)
つまり、Vはcos2αに反比例するので、線状光源からのΔθ内の出射光の強度がθによらず一定な場合には、光制御部材への単位面積当たり入射光の強度、すなわち照度はcos2θに比例する。
次に、式(8)について説明する。
図19に本発明の照明装置で光を正面に向ける原理を示す。
線状光源3から、屈折率nの光制御部材4にαの角度で入光する入射光12は該光制御部材の入射面10で屈折し、光制御部材内部を通過し、さらにこの光は出射面側の凸部6で屈折し観察面側に出射するが、このとき出射光13が正面方向に出光するのは凸部6において、傾きが望ましい角度Φである場合である。本発明では配置に基づくαの分布と入射光12の強度を考慮し、正面方向への出光強度が一定となるよう角度Φの割合を調節することで正面方向への出光強度を調節できる。
入射光12を正面に向けるための出射面の凸部6の傾きΦは、光制御部材4の屈折率と光制御部材4への光の入射角度によって決まる。入射面10の法線に対する、入射面10への光の入射する角度をα,入射面10で屈折し光制御部材内部の凸部6部分を通過する光が入射面10の法線に対して成す角度をβ、光制御部材内部を進む光が出射側の斜面の法線に対して成す角度をε、光が出射側斜面で屈折し観察面側に出射する光の斜面の法線に対して成す角度をωとし、また、光制御部材の屈折率をnとする。このとき、出射面を出た光が入射面の法線方向である正面方向に進むような、凸部の斜面の角度をΦとする。
このとき次のような関係が成立する。
β=Sin-1(1/n・sinα) (5)’
Φ=β−ε (19)
−n・sinε=−sinω=sinΦ (ω=−Φ) (20)
式(19)および式(20)より、
−n・sin(β−Φ)=sinΦ (21)
−n・{sinΦ・cosβ−cosΦ・sinβ}=sinΦ (21)’
式(21)’の両辺をcosΦで除すると(sinΦ/cosΦ=tanΦなので)
−n{tanΦ・cosβ−sinβ}=tanΦ (21)”
これよりΦは次のように表すことができる。
Φ=Tan-1(n・sinβ)/(n・cosβ−1)) (21)'''
式(5)’、式(21)'''より
Φ=Tan-1(sinα/(n・cos(Sin−1((1/n)sinα))−1))(21)''''
α、n、Φはこのような関係になり、光制御部材4の屈折率nと、凸部6の傾きΦによって、所望の入射角αの光を正面方向に出射することができる。式(21)'''によって、凸部の各領域の傾きΦは式(8)を満足することで、角度αで入射面に入射した光を凸部の領域iから正面方向に出射することができることが説明できる。
以上のように、望ましい正面方向への出光強度の分布f(X)における、凸部の形状を決める重要な要素である凸部の領域iの傾きΦとこれが占めるX方向の幅pは、線状光源の配置や光制御部材の屈折率などの構成に基づいて選定される。
請求項9に記載の照明装置は、請求項2〜8のいずれかに記載の照明装置であって、隣接する前記線状光源の中心間の距離をD、任意の前記線状光源の中心と前記光制御部材との距離をHとしたとき、
前記入射面上の任意の点に前記XZ平面に平行かつ該入射面の法線方向に対してψ=Tan−1{(D/2)/H}の角度で入射した光の全光線透過率が、前記入射面上の点に法線から光が入射した場合の光の全光線透過率の、0.9倍〜3倍であることを特徴とする照明装置である。
請求項10に記載の照明装置は、請求項1〜9のいずれかに記載の照明装置であって、前記光制御部材は前記光源からの光の方向を変換するための光線方向変換部を備え、該光線方向変換部は入射面に法線方向から入射した光の80%乃至10%の光の方向を変換させるとともに、前記光源から前記開口部に入射した光の80%以上が前記光線方向変換部を通過して、前記出射面に形成した凸部に到達することを特徴とする照明装置である。
請求項11に記載の照明装置は、請求項1〜10のいずれかに記載の照明装置であって、前記光制御部材の凸部が屈折率が1.58以上の材料からなることを特徴とする照明装置である。
請求項12に記載の照明装置は、請求項1〜11のいずれかに記載の照明装置であって、受光した光を屈折させて光のY軸方向の分散を集光して出射面に透過させる、集光手段を備えることを特徴とする照明装置である。
請求項13に記載の照明装置は、請求項1〜12のいずれかに記載の照明装置であって、前記反射板には前記光制御部材と接して光制御部材を保持する突起が配置されており、前記突起が光透過性材料からなり、突起の水平断面が円形形状であって、光制御部材と接する突起先端部の直径が1mm以下であることを特徴とする照明装置である。
請求項14に記載の照明装置は、請求項1〜13のいずれかに記載の照明装置であって、反射部配置面に位置する反射部の全光線反射率が90%以上であることを特徴とする照明装置である。
請求項15に記載の照明装置は、請求項1〜14のいずれかに記載の照明装置が備える光制御部材である。
請求項16に記載の照明装置は、請求項1〜14のいずれかに記載の照明装置上に透過型表示素子を設けた表示装置である。
本発明では、少なくとも複数の光源と、反射板と、光制御部材とを、出射側に向かって、反射板、光源、光制御部材の順に配置した光源直下方式の照明装置であり、光源より出射した光が光制御部材と光源の後方に配置された反射板との間で反射を繰り返し拡散した光が、光制御部材の反射部配置面に配置された開口部より入射するため、ランプイメージを解消し、さらに、板厚と反射部配置面上の開口部の割合を検討することにより、不要な方向への出光を抑制し、プリズムシートを用いることなく、正面輝度が高く、望ましい輝度角度分布を得ることができる。光源としてRGB色LEDを使用する場合、同様に光制御部材の反射部と後方反射板との間で反射を繰り返すことにより、色ムラを解消することができる。また、光制御部材の出射面に配置した凸部を面内一様にすることにより、ランプ配置などの仕様の変更に伴う設計変更が不要なことから、生産性の点からも有利である。
本発明で我々が提供する照明装置は、光源1より出射した光が本発明の光制御部材4と光源1の後方に配置された反射板5との間で反射を繰り返し、拡散した光が本光制御部材4の反射部配置面9に配置された開口部8より入射するため、ランプイメージを解消し、さらに該光制御部材4の板厚および反射部配置面9に位置する開口部8の割合および開口部8の存在する位置を好適に選択することで、不要な方向への出光を抑制し、望ましい輝度角度分布を与えることができる。さらに、光制御部材4の出射面側に凸部6を備え、該凸部6の形状と板厚および開口部8の大きさ、位置の関係を好適に選択することで、多くの照明装置として好適な正面方向への出光割合を高め、正面輝度を高めることができる。
この構成は、大型照明装置や液晶テレビなどのディスプレイ用途に用いることができる。また少なくとも一つの光源1の観察面側に前記光制御部材4を置き、光源の周囲を反射板5で囲った照明装置に用いることができる。さらに、光源1の両面に前記光制御部材4を配置した両面式の照明装置、照明看板などに使用できる。
図1(a)に、本発明の照明装置を用いた光源直下方式の照明装置の、点状光源2を用いた構成を示す。また、図1(b)に、光源が線状光源3である場合の構成を示す。
図2に本発明の照明装置の、一実施態様を示す。本発明の照明装置は、X軸と、X軸に垂直なY軸とに平行な辺からなる矩形状の出射面を持ち、反射板5と、複数の光源1と、板状の光制御部材4とを備え、前記反射板5は前記X軸およびY軸に平行なXY平面と平行に配置している。前記XY平面に垂直なZ軸の出射側を正面方向としたとき、前記光源1は前記反射板5の正面方向側の前記XY平面に平行な1つの仮想平面内に配置しており、前記光制御部材4は前記配列した光源1の正面方向側に配置し、かつ、該光制御部材4の主面は光源1が配列している前記仮想平面と平行である。該光制御部材4の主面は、光源1に対向し該光源1からの光を受光する入射面と前記入射面に受光した光を出射する出射面とからなり、前記入射面に一致するまたは光制御部材内部に該入射面と平行に位置する反射部配置面9を備え、前記出射面は表面に凸部6を周期的に複数形成している。前記反射部配置面9が反射部7と開口部8とからなり、該開口部8の面積割合が反射部配置面9の20%〜80%であり、該開口部8は該凸部6と対向している。すなわち各凸部6に対して開口部8が設けてられており、該開口部8の正面方向に凸部6の中心付近があることで、照明装置の正面方向への出光が効率よく行われる。任意の凸部6と対向する開口部8は連続していなくてもよく、例えば凸部6に対向する位置に複数設けられていても良い。1つの凸部6に対して1つの開口部8を設けると照明装置の正面方向への出光が効率よく行う上では有利であるが、複数の開口部8を設けると散乱性が高まり、また開口部8と反射部7のコンストラストが発生しにくいため均一性は高まる。反射部配置面9に位置する反射部7の全光線反射率が80%以上であり、エネルギー損失を小さく抑えている。反射部7の全光線反射率は高いほどエネルギー損失が小さくなるため望ましく、したがって90%以上だとより望ましく、95%以上だとさらに望ましい。
開口部8の割合が20%より小さいと直接出射する光の割合が減り反射を繰り返す光が増えるため光利用効率が落ちる。逆に開口部8の割合が80%よりも大きいと、直接出射する光の割合が増え、反射部7のみによりランプイメージを解消することが困難になる。開口部8の割合が50%以下である場合に、より優れて輝度ムラを解消することができるため、望ましい。また、エネルギー効率の観点から30%以上であることが望ましい。また、開口部8が凸部6と対向していることで、開口部8より入射した光のうち多くの光は正面方向に向かう。このため、正面輝度を高めることができる。
図3(a)は、本発明の光制御部材4に光線が入射したときの光線の挙動を示す図である。ここでは図2の照明装置の光制御部材4をX軸およびZ軸に平行なXZ平面で切ったときの断面を示している。光源1より放射された光のうち、光制御部材4の反射部配置面9の開口部8にあたった光の多くは、入射面で屈折し光制御部材内部に入射し凸部6に向かう。一方、反射部配置面9の反射部7にあたった光の多くは、反射部7で反射し光源側に戻り、反射板5で再び光制御部材4側に反射し再利用される。反射部7と反射板5との間で反射を繰り返すと、光は拡散光となる。
図3(b)に反射部配置面9を光制御部材4の内側に設けた場合の本発明の照明装置に光線が入射したときの図を示す。入射面10より入射した光は、屈折し支持板11内部を進み、反射部配置面9の開口部8に到達した光はそのまま進み凸部6に向かうが、反射部7にあたった光は反射部7で反射し、光源側に戻り、同様に再利用される。反射部配置面9を光制御部材4の内側に設けるには作製した図3(a)に示した光制御部材4と同様な構成の光学シートの反射部配置面上に透明材料からなる支持板11を配置する方法が容易である。支持板11は反射部配置面9に接着してもよいし、しなくてもよいが、接着すると照明装置の組み立てが容易になるだけでなく、特にこのような構成では前記光学シートが薄い場合の皺発生が抑制できる。この場合、接着剤は透明性が高いものを用いることが好ましい。3(b)の構成では前記の理由により光学シートを薄くすることができるため、押し出し成形などで光学シートの凸部を形成する場合、賦形が容易なだけでなく、凸部6の集光性と、開口部8の広さを両立することが容易になる。その結果、光利用効率が高く、正面輝度が一層高い光制御部材4を構成することが容易となる。
反射部7の材料としては、金属膜、金属粒子あるいは金属参加物粒子などが挙げられる。反射部7における光の吸収は光のロスのつながることから望ましくない。この観点から反射部7の反射率はより高いことが望ましいが、上記反射部材の材料の価格や入手性とのバランスから反射部7の全光線反射率が90%以上であることが望ましい。望ましい材料として、銀、アルミニウム等の各種金属およびその酸化物の蒸着膜、各種樹脂にチタン白、リトポン、亜鉛華、鉛白、硫化亜鉛等の白色顔料を分散させたものなどが上げられるが、これに限定されるものではない。
図4として光源上と光源間での光源1からの光制御部材4への入射エネルギーの違いを示す。光源直下方式の照明装置では、図に示すように、光源直上部分とそれ以外の部分では光制御部材4への入射エネルギーに差がある。光源1の直上部分では光源1との距離が短いために光の入射エネルギーが大きく、それ以外の部分では入射エネルギーは小さい。本発明の光制御部材4は光源1を1つのみ用いた照明装置にも好適に用いることができるが、光源直上への出射エネルギーが相対的に高いことは同様である。
図5として、例えば図2で示した構成に代表される光源直下方式の照明装置に、本発明の照明装置を用いた場合に、光源1から反射部7に照射された光が、光源の後方に配した反射板5との間で反射を繰り返したのちに開口部8を通過し出光した場合の、光源1の位置と出射エネルギーの関係を示す。
本発明の照明装置で用いている光制御部材4は光源1の両面に該光制御部材4を配置した両面式の照明装置、照明看板など反射板5を用いない用途でも用いることができるが、例えば前記両面式の照明装置、照明看板においては、前記光源1から反射部7に照射された光は、光源1を挟んで対向する位置にある光制御部材4の反射部7との間で同様に反射を繰り返すことで拡散光となることから、光源1の位置と出射エネルギーの関係は図5と同様である。
一方、図6として光源1から開口部8に照射されて、出射面から出射した光の出射エネルギーと、光源位置の関係を示す。開口部8に照射された光は、非拡散光として出射面から出光する。このときの出射エネルギーは、光制御部材4の反射部配置面9上の開口部8の割合に応じて減じるため、全入射エネルギーよりも低い値となるが、入射エネルギー同様、光源1の直上で相対的に高い値を示す。
図7として前記拡散光と非拡散光を足し合わせた全出射光の出射エネルギーと光源位置の関係を示す。出射光の全出射エネルギーは、拡散光と非拡散光のエネルギーを足し合わせたものであり、光源上と光源間でほとんど差がないため、ランプイメージを解消することができる。本発明の光制御部材4を用いることができる光源1を1つのみ用いる照明装置や両面式の照明装置など、図示していない構成においても、同様に、ランプイメージを解消することができる。
さらに本発明によれば光制御部材4の開口部8の割合と配置を好適な範囲にすることで効率良く光を利用しつつ、ランプイメージを解消することができる。
従来から知られている無機微粒子や架橋有機微粒子を光拡散材として配合した微粒子配合型の照明装置を使用すると、ランプイメージを解消し、均一な光を得ることができるが、出射光の輝度角度分布は広がった形状となり、効率よく光を利用することができない(特許文献2第4図参照)。
光源が線状光源であるとき、線状光源の長手方向と垂直な方向で最も輝度ムラが顕著である。この場合、反射部配置面の開口部を該光源の長手方向と垂直なストライプ状に設けることは輝度ムラの解消上、好ましくない。ストライプ状の開口部を線状光源と平行に配置することで効果的に輝度ムラとして顕れるランプイメージを解消できる。また開口部をドット状に設けることも同様に効果的である。
次に線状光源を備える図2に示す本発明の照明装置に用いる光制御部材の好適な構成について説明する。
光制御部材4の屈折率をnとしたときに、開口部8は以下の条件を満たすことが望ましい。ここで、光制御部材4が異なる屈折率を持つ複数の材料から成る場合、nは通常、光制御部材の主たる材料の屈折率で近似できる。
図8は、凸部6と点B,点B’の関係を説明する図である。X軸方向およびZ軸方向とに平行な断面内の、該凸部両端の点をそれぞれ点A、点A’とし、∠ABB’及び∠A’B’Bがπ/2+Sin−1(1/n)の角度を成す反射部配置面9上の点を、点B、点B’とする。前記反射部配置面9が反射部7と開口部8とからなる断面内の、開口部8の長さの総計をd、線分BB’間の長さをb、開口部8を占める部分の長さの総計をeとすると、e/bは0.8≦e/b≦1である。つまり、線分BB’に存在する開口部8の割合は80%〜100%であることが望ましい。また、開口部8が線分BB’間に存在する割合である比e/dは0.5以上であることが望ましい。つまり、全開口部のうち、線分BB’間に存在する開口部割合は、該断面方向の長さ割合として50%以上であることが望ましい。これは、次のような理由に基づく。
X軸方向およびZ軸方向とに平行な断面は、凸部の光制御する性質が最も顕著な方向の断面である。言い換えれば凸部の形状は出射面で変換したい方向に合わせた形状とすることが望ましい。
大型液晶テレビなどの用途では望ましい輝度角度分布を得るために垂直方向の視野角をより絞ることが求められる場合が多く、この場合、凸部の形状は垂直方向の断面で輪郭線の変曲点である両端を結ぶ線分の距離が最短となる形状が望ましい。例として長手方向が水平に配置された畝状の凸部が挙げられる。
またパソコンモニターなどの用途において照明装置は、垂直方向、水平方向の視野角を絞ることを求められる場合が多く、この場合、凸部は全方向の断面で輪郭線が曲面で、例えば輪郭線の変曲点である両端を結ぶ線分の長さが全方向で同じであれば、全方向でほぼ均等に光を絞ることができる。例として半球状の凸部が挙げられる。
本発明の照明装置に用いられる光制御部材4の光学特性は仕様変更や生産性に有利なように一様であって、これを実現するためには、すべての凸部6が同様の光制御をすることが望ましい。すなわち通常同じ形状からなることが設計上および製造上簡便である。また、光制御部材4は観測面内の任意の点で同じ輝度角度分布を持つことが求められることからも、光制御部材4が一様な光学特性を持つことは重要である。したがって凸部6の光制御する性質が最も顕著な方向は全て同一であり、該角度に平行な頂部を含む断面は、全ての凸部で平行であることが望ましい。同様に該断面内の反射部配置面上の線分BB’や線分CC’の長さもそれぞれ等しいことが望ましい。
また開口部8の形状は凸部6の形状に応じて設定することが光利用効率を高める上で最も望ましい。例えば凸部が平行な畝状である場合には、反射部配置面9上の開口部8の形状は、凸部6の長手方向と平行にストライプが配置された形状とすることが、望ましい。また、凸部6が半球状である場合には、反射部配置面9上の開口部8の形状は円形であることが望ましい。
X軸方向およびY軸方向に平行な断面内の該両端の点A、点A’と同じ断面内の反射部配置面9上の点B、点B’が∠ABB’及び∠A’B’Bがπ/2+Sin−1(1/n)となるような位置にあるとき、点B、点B’に入射した光は、基材の屈折率nに応じて、入射面垂直方向に対して−Sin−1(1/n)〜Sin−1(1/n)の範囲に絞られ、点Aと点A’の間、すなわち対向する凸部内に向かうことになる。例えば図8中の太い矢印は、入射面とほとんど平行に点Bに入射した光が点Aに向かうことを示している。
線分ABと線分A’B’が交差しない場合、線分BB’の間に入射した光は、同様に対向する凸部内に向かう。この場合、凸部6によって光は望ましい輝度角度分布で出射される。望ましい輝度角度分布とは、通常正面付近を中心とした山形の分布であるが、凸部6の形状を調整することで自由に決めることができる。一方、線分BB’間以外の領域の開口部8に入射した光は、一部が対向した凸部とは別の凸部に向かう。これら開口部8に対向しない凸部6に当たった光は、全反射するかもしくは望ましくない角度に出射してしまう。全反射する光は反射回数増加のため光エネルギー損失が増加し望ましくない。
図9に、BB’のみに開口部8が存在する場合と、BB’以外にも開口部8が存在する場合の、輝度角度分布を示す。図9(a)は全体の開口率40%であり、前記断面内の反射部配置面上の平行な断面内の線分BB’間の全領域が開口部8のみからなり該断面内の反射部配置面9上の線分BB’間以外の領域には開口部8が存在しない場合、つまり比e/b=1かつ比e/d=1の場合の、出射光の該断面と平行な面内における輝度角度分布の例である。この例では正面付近にピークを持ち不要な方向への出光がない望ましい輝度角度分布を示している。
また、図9(b)は同じ開口率40%で、前記断面内の反射部配置面9上の平行な断面内の線分BB’間の全領域が開口部8のみからなり、さらに線分BB’の長さの和が断面上の反射部配置面9全体の10%であるときの輝度角度分布の例を示している。このとき該断面内の反射部配置面9上のいずれの線分BB’間にも含まれない領域中の開口部8の割合は反射部配置面9全体の30%であり、比e/b=1かつ比e/d=0.25ある。このとき正面方向から大きく外れた角度(図中斜線部の領域にあたる)で顕著な出光が見られ、この例では輝度角度分布が望ましい範囲に制御されていない。
このように開口部8を主として前記線分BB’間に配置することで、光の利用効率が高めることができ、輝度ムラも抑制することができる。すなわち断面内の開口部8の長さの総計dと線分BB’間の開口部8を占める部分の長さの総計eとの比e/dを0.5以上とすることで前記目的を達成できる。言い換えると、本発明で提供する照明装置では全開口部のうち、線分BB’間に存在する開口部8の割合は50%以上であることが望ましい。また、70%以上であることがより望ましい。さらに、90%以上であることがより望ましい。さらに開口部8は線分BB’間にのみ存在し、線分BB’間以外に存在しないことが最も望ましい。また、このとき開口部8の割合d/aは20%〜80%であるが、輝度ムラ解消の目的には、20%〜60%であることがより望ましく、20%〜50%であることがさらに望ましい。
また、前記反射部配置面9におけるいずれの線分BB’間にも含まれない領域における反射部7の割合は、70%〜100%であることが望ましい。また、85%〜100%であることがより望ましい。さらに100%であることが最も望ましい。
一方、線分BB’間に開口部8でない領域が存在すると、光のロスが大きくなり望ましくない。また、開口部8より入射した光が凸部より出射する領域が限られてしまい、光が出射する領域と光が出射しない領域が存在することになるため輝度ムラの原因となる。したがって、線分BB’間に含まれる領域内の開口部8が該領域の80%〜100%であることが望ましく、また、90%〜100%であることがより望ましく、さらに100%であるのが最も望ましい。
凸部6と反射部7の位置関係が好適な一態様の断面図を図10に示す。X軸方向およびY軸方向に平行な断面内で、該点A,点A’を接点とする凸部輪郭線の接線と反射部配置面9とが成す鋭角の広さをそれぞれ、σ、σ’、該断面の反射部配置面部分と∠ACC’=[π/2+σ−Sin-1{(1/n)×sinσ}]、∠A’C’C=[π/2+σ−Sin-1{(1/n)×sinσ’}]の角度をなす反射部配置面9上の点を点C、点C’とする。また、直線ACと直線A’C’との交点を点Oとする。凸部6の頂部をQとしたとき、線分OQと前記反射部配置面との交点をFとしたとき、線分OFの長さtと線分OQの長さTの比(t/T)は、0<t/T<0.65の関係にある。
また、図10中に線分CC’およびT,tを示す。角度σおよびσ’は、一次方向に対称な輝度角度分布を示す通常好んで用いられる照明装置においては同じ値であることが好ましい。また既に述べたように望ましい出光特性を得るために好ましい各凸部の光制御を同じくするべく各凸部6を同様の形状とした場合、互いの角度σ、σ’も等しくなる。角度σおよびσ’は、凸部6の形状に関係しており、大きくなるにしたがって集光性が高まり、正面輝度を高める上で有利となる。しかしながら大きすぎると成形が困難となる場合があり、また出射面内部で光が全反射してロスの原因となる場合がある。小さすぎると集光効果が低すぎて、正面輝度を高める上で充分な効果が得られないので、通常角度σ、σ’は40°〜85°であることが好ましく、50°〜75°であることが更に好ましく、60〜70°であることが加えて更に好ましい。
図10中に、直線ACと直線AC’の交点Oが反射部配置面9よりも光源側にあるときの、線分a,線分cを示す。線分CC’の長さをcとしたとき前記aに対する前記cの割合c/aは、凸部6の形状と板厚に関係しており、板厚が一定なとき、比c/aが高くなるにしたがって正面輝度が低下し、広い角度で光が出光する。ここで反射部配置面9よりも光源側とは、反射部配置面9を挟んで出射面と反対側であることを意味し、反射部配置面9と入射面が一致する場合は前記光制御部材4の入射面側の外部であり、反射部配置面9と入射面が一致しない場合は入射面側を意味する。
また、長さTは凸部6の焦点距離に相当し、点Oの位置と長さTの値は凸部6の集光性を決める重要な因子であり、該集光性が出射光の輝度角度分布を決める重要な因子である。点Oは反射部配置面9より光源側にあることが望ましい。比t/Tは、0<t/T<0.65の範囲であることが望ましく、0.05<t/T<0.4の範囲であることがより望ましい。さらに、0.1<t/T<0.2の範囲が最も望ましい。
図13(a)に比c/a=0.83(比t/T=0.79)と比c/aが高い場合の、斜め方向から開口部8に入射した光線が進む様子を示す。この場合には、光は斜め方向に出射して、広い角度へ出光する。
出射側レンズの焦点Oが反射部配置面9より出射側、すなわち光制御部材4の内部にある場合にも、凸部6の集光作用が強くなりすぎて望ましい輝度角度分布を得ることができない。点Oが出射面と反射部配置面9との間に位置する場合の例を図11に示す。このとき点Oは線分ACと線分AC’の間に位置する。図13(b)に、この場合の斜め方向から開口部8に入射した光線が進む様子を示す。この例では、線分C’Cの長さをc’とすると、比c’/a=0.1であり、t/Tは負の値をとる。このように、点Oが光制御部材9の内部にある場合は集光作用が強くなりすぎるだけでなく、全反射する光が増え、光利用効率が低下する。
図13(c)に比c/aが範囲にある例として、比c/a=0.28(t/T=0.14)の場合の、斜め方向から開口部8に入射した光線が進む様子を示す。この場合は、正面方向に出光しており、好ましい輝度角度分布を得ることができる。比c/aを適当な値に選ぶことにより、望ましい輝度角度分布を得ることができる。
図14に、比c/aの値が高い範囲にある比c/a=0.83(t/T=0.79)の場合と、低い範囲にある比c/a=0.28(t/T=0.14)の場合との輝度角度分布の比較を示す。比c/aの好適な範囲は、0.1≦c/a≦0.75であるが、より高い正面輝度を要求される用途に望ましい範囲は、0.1≦c/a≦0.6であり、更に望ましい範囲は0.1≦c/a≦0.3である。またより広い視野角を要求される用途に望ましい範囲は、0.3以上であり、更に望ましい範囲は0.5≦c/a≦0.75である。
また、線分CC’間の開口部8を占める部分の長さの総計をfとしたとき、比f/cの値を0.3≦f/c≦0.9の範囲とし、さらに開口部8を線分CC’の中央部付近に設けることにより、正面付近への出光割合を高めることができる。
以下、この理由を説明する。
出射面が平坦な場合、エネルギー損失を考慮しなければ開口部8の割合によらず正面方向への出光強度はほぼ一定である。しかし、開口部8の中心に対向する位置に頂部を持つ凸部6が存在する場合にはそうはならない。該凸部は、レンズ形状であるとき集光性の制御がしやすく、また、効率良く光を望ましい方向に制御することができることから、該凸部6はレンズ形状であるのが望ましい。出射面に配置した凸部6がレンズ形状の場合、直線ACと直線A’C’の交点、すなわち点Oはレンズの焦点となる。したがって、点Oを通過し、線分CC’間を通過した光は、必ず正面方向に出射し、また、これらの光のみが正面方向に出射する。つまり、線分CC’間にのみ開口部8を配置することで、正面方向への出光強度割合を高めることができる。言い換えれば、線分CC’以外に開口部8が存在する場合、正面方向への出光強度割合は低下する。
ところが線分CC’間のみに開口部8が存在する場合において、エネルギー損失を考慮しないとしても、正面方向への出光強度は開口部8の割合によって変化する。ここで開口部8を線分CC’の中央部付近にとることにより、正面付近への出光割合が高めることができる理由を説明する。
ここで線分CC’の中央部付近に開口部8が存在するとは、線分CC’の中点を中心とする長さfの範囲内の開口部8の割合をyとしたとき、線分CC’間の開口部8の割合を(f/c)との比y/(f/c)が1より大きい範囲であるように開口部8が存在することをいう。
さらに、点Oを通過して線分CC’間に入射し、正面に出光する光は、線分CC’の中心に近いほど、より密度が高い。図12はこのことを示す図である。図12中の∠COC’の大きさを4μとし、∠COC’を等角μに分ける3本の線と線分CC’の交点を図に示すように点E、点F、点E’とすると、中心付近である線分EFおよび、線分E’Fの長さはともに線分OFのtanμ倍である。これに対して、周辺付近である線分CEと線分CE’の長さはともに線分DFの(tan2μ−tanμ)倍である。
ここでtan2μ=2tanμ/(1−tanμ)であることが知られているので、
(tan2μ−tanμ)/tanμ=(1+tanμ)/(1−tanμ)
tanμ>0なので、(tan2μ−tanμ)/tanμ>1
すなわち中心付近である線分EFおよび、線分E’Fの長さは、周辺付近である線分CEと線分CE’の長さよりも短い。すなわち同じ角度範囲の光でも中心付近に開口部8を設けたほうが狭い範囲を通ることが分かる。なお、(tan2μ−tanμ)/tanμは線分CEおよび線分C’E’内の正面方向への光束密度と線分EFおよび線分E’F内の正面方向への光束密度の比の逆数に相当する。したがって開口部8を線分CC’間の中心付近にとる方が、正面方向への出光強度が高まる。またこのときエネルギー損失を考慮しなければ、線分CC’間の開口部8の割合f/cは小さいほど正面輝度が高まる。角度σ、σ’が大きいほど凸部6の集光性が強くなり、前記μも大きくなるため、光束密度の比の逆数である(tan2μ−tanμ)/tanμも大きくなることから、この傾向は強くなる。
しかしながら、前記の比f/cが小さくなることに伴い、反射部7や照明装置内に設置された反射板5などの反射率に応じて、光のロスが増え実際の輝度が低下する。さらに十分な輝度が得られる角度範囲は狭くなるため、照明装置や表示装置としての視野角が狭く適当でない場合がある。
以上のことから、適度な開口部8を線分CC’の中心付近にとり、比f/cを適当な範囲にすることで、正面の輝度角度分布の割合が高まり、例えばパソコンモニターなどの高い正面輝度が要求される照明装置に用いたときに、望ましい輝度角度分布を得ることができる。前記反射部7等の反射率が高い場合は望ましい比f/cの値は小さくなり、逆に反射率が低い場合は大きくなる。つまり、反射率が高い場合は、エネルギー損失が小さいため、開口部8を小さくした方がより正面方向に向かう光が多くなる。逆に、反射率が低い場合は、開口部8を大きくとり線分CC’間を広く開口部8にした場合に、正面に向かう光が多くなる。反射部7の反射率が0%であると想定すると、線分CC’間すべてが開口部8であるとき、すなわちf/c=1であるとき、正面輝度が最も高くなる。
また角度σ、σ’が大きい場合には線分CC’の中心付近とそれ以外での正面方向への光束密度の差が大きいので、比f/cは比較的小さくとることが好ましい。逆に角度σ、σ’が0に近づくにしたがって、正面輝度が最も高くなる比f/cの値は1に近づく。
たとえば、本発明の照明装置の入射面側に線状光源3を配置し、その背後に反射板5を配置した照明装置において、光制御部材4の反射部7の反射率が90%、反射板5の反射率が95%であるとき、σ=28°のときf/c=1.0付近で正面輝度は最も高くなり、σ=77°においてはf/c=0.7付近で正面輝度が最も高くなる。
反射部7等の反射率が好ましい範囲、例えば90%以上の範囲から選択され、かつ、前記角度σ、σ’の好ましい範囲においては、正面輝度を高める上で好適な比f/cの範囲は0.3≦f/c≦0.9であり、さらに好ましくは、0.5≦f/c≦0.8である。
さらに開口部8は線分CC’よりも大きくしても正面方向への光量は変わらないので、正面輝度を上げるためには線分CC’より大きくして効果が得られない。
以上、述べたような条件の中で最適な開口部8の割合を決める必要がある。上記0.3≦f/c≦0.9を満足する範囲で、望ましい輝度角度分布を得ることができる開口部8の割合を選択するのがよい。上記0.3≦f/c≦0.9を満足する範囲で、輝度ムラ解消および正面輝度向上の観点から、20%〜60%がより望ましく、20%〜50%がさらに望ましい。
本発明の照明装置にあっては、任意の点で同じ光学特性が得られるため、光源1との位置合わせは不要であり、生産性が向上する。ここでいう点とは例えば一つの凸部6の一斜面のみにあたるような微小領域ではなく、照明装置の特徴を光制御に反映するため、少なくとも任意の線分AA’の長さよりも大きな半径を持つ範囲をいう。
また凸部6のピッチに相当し、両端間の長さである線分AA’の長さaは10μm〜3mmの範囲であることが望ましく、50μm〜300μmの範囲であることがより望ましい。これよりもピッチが長いと、表示装置として使用したとき、表面形状が目立ち表示品位を落とすことがある。また、凸部6自体の影ができ、照明装置として望ましくないことがある。逆にこれよりも凸部6のピッチが短いと、光の干渉により着色する現象が起こり、画像品位を低下させることがある。
上記条件を満たす照明装置は、ランプイメージを解消し、正面方向の望ましい範囲に光を出射することができる。さらに、照明装置の上に透過型の表示素子を設けることで、面内均一な明るさに優れた表示装置を得ることができる。
本発明の照明装置は光制御部材4の凸部6の形状により、光線方向を制御でき輝度ムラの解消や正面輝度向上などが調節できる。以下に、図2の照明装置を例に凸部の好適な形状について説明する。
まず、正面方向の輝度分布を均一化し輝度ムラのない照明装置とするための凸部6の形状について説明する。
隣接する前記線状光源3の中心間の距離をD、任意の前記線状光源3の中心と前記光制御部材4との距離をHとする。該線状光源3から光制御部材4に入光した光の、X軸方向の位置座標X(光源位置をX=0とする)における出射面の法線方向への出光強度を表した関数をf(X)とし、
g(X)=f(X−D)+f(X)+f(X+D) (1)
としたとき、
−D/2≦X≦D/2の範囲で、
g(X)の最小値であるg(X)minと最大値であるg(X)maxの比g(X)min/g(X)maxが0.6以上である。また、Xの最小値Xminが−3.0D≦Xmin≦−0.5Dの範囲であり、最大値Xmaxが0.5D≦Xmax≦3.0Dの範囲であり(XminおよびXmaxは、f(X)の値がX=0である線状光源3付近を中心に減衰していき、実質0になるときの両端の座標)、X軸とZ軸とに平行なXZ平面と平行に切った任意の凸部の断面形状が、下記の式で表される(2N+1)個の傾きの異なる領域−N〜Nからなる。
δ=(Xmax−Xmin)/(2N+1) (2)
i=i×δ (3)
αi=Tan-1(Xi/H) (4)
βi=Sin−1((1/n)sinαi) (5)
γi=Sin−1((1/n2)sinαi) (6)
i∝f(Xi+T・tanγi)・cosΦi・cosβi/cosαi/cos(Φi−βi) (7)
Φi=Tan−1((n・sinβi)/(n・cosβi−1)) (8)
N:自然数
i:−NからNの整数
n:光制御部材4の凸部6の屈折率
2:光制御部材4の基材の屈折率
i:領域iのX軸方向の幅
Φi:領域iの出射面に対する斜面の傾き
T:光制御部材4の入射面から凸部6の底部までの厚み
図15(a)に、D=30mmとして線状光源3を配列した本発明の照明装置の任意の1本の線状光源3からの光による正面方向への出光強度のX方向の分布の1例を示す。1本の線状光源3からの光による正面方向への出光は、Xmin〜Xmaxの範囲となる。図15(a)に示すような緩やかな減衰を示す場合は、例えばf(X)の値が最大値の1/100となるときのXの値で代用することもできる。Xmin、Xmaxを定めるためのf(X)の値は、それぞれ同じであることが望ましく、最大値の1/20以下であれば問題なく、1/100以下であることがさらに望ましい。図15(a)7ではXmin=−3D、Xmax=3Dであり、f(Xmin)=f(Xmax)でf(X)の1/100以下である。このような形状では正面方向への出光強度は厳密には隣接する3本のみの総和では決まらないので、g(X)は一定であるよりも、X=0である中心付近のg(X)が周辺に比べて少し高いことが望ましい。
図15(b)に、図15(a)の場合と同じくD=30mmとして線状光源3を配列し、別の光制御部材4を用いた本発明の照明装置における任意の1本の線状光源3からの光による正面方向への出光強度のX方向の分布の1例を示す。この例ではXmin=−D、Xmax=Dである。凸部6の形状によっては、ある入射角度以上の光が正面に進まないので、このように線状光源3からある程度離れた部分で急激に出光強度が低下する分布となる。このような形状では正面方向への出光強度は隣接する3本のみの総和で決まるので、g(X)が一定であることが最も望ましい。このとき、Xmin〜Xmaxの範囲で光は正面方向へ出光し、その分布はf(X)となる。図15(a)に示すXmin=−3D,Xmax=3Dである場合と、図15(b)に示すXmin=−D,Xmax=Dである場合とを比較すると、凸部幅は限られているので、斜面の傾きの角度Φの配分により正面方向への出光強度の分布が決定する。凸部6の形状が図15(a)に示すように遠方より斜め方向に入射するエネルギーの弱い光を正面方向に向けるような斜面角度を持つより、図15(b)に示すように遠方からの光を正面に向ける角度Φはもたずに、−D<X<Dの範囲に入射した光のみ正面に向ける角度Φで構成される凸部形状の方が、正面輝度は向上する。このようにXmax〜Xminの幅を小さくすることは、より強い光を効率的に正面に向けることによって正面方向への出光割合を高める効果を持つ。
一方、Xmax〜Xminの幅を大きくすることは、遠くの線状光源3の光を正面に向けることによって正面方向への出光割合を高める効果を持つ。したがって正面輝度を高めるにはXmax〜Xminの幅が適切な範囲にあることが望ましい。望ましいXmax〜Xminの幅はf(X)によって異なるが、例えば出光強度が最大値の1/2以上となるXの範囲を目安とできる。この範囲が大きい場合はXmax〜Xminの幅を比較的大きめに取ることが望ましく、小さい場合小さめに取ることが望ましい。このようにXmax〜Xminの幅を好適に定めることで正面輝度を高めることができる。
図16(a)および(b)は、図15(a)および(b)でf(X)について示した照明装置のg(X)を示す。既に示したように、g(X)が線状光源3の1周期分である−D/2≦X≦D/2の範囲で一定であれば、正面方向の輝度ムラは解消され、また、Xmin、Xmaxが最適である場合には、線状光源3の近傍のエネルギーが高い光を正面に向けるため、より正面方向の輝度は高くなる。
領域−N〜Nの配列順序がX軸に必ずしも沿っている必要はない。しかしそうしなかった場合には、各領域の並び方により、凸部には変曲点が存在し、角度αiで入射した光を正面に向ける角度Φiの凸部の斜面に到達する前に別の角度の斜面に到達し屈折あるいは反射によって光線方向が変わり、角度Φiの斜面に到達しなかったり、望ましくない角度で角度Φiの斜面に到達したりすることで、光の出射方向の制御が困難となり、性能が不充分となる場合がある。−N〜Nの領域がX軸の位置座標の順に並んでいる場合、通常は凸部6の形状は変曲点をもたない形状となり、凸部全体が略凸状を成す。このような形状の場合、通常、光が所望の凸部上の領域に到達する前に別の凸部上の領域に到達して反射や屈折によって光線の方向が変化することがなく、光線方向の制御が容易となり有利である。
また凸部6の各領域のX方向の幅piがf(Xi+T・tanβi)・cosΦi・cosβi/cosαi/cos(Φi−βi) に比例することが本発明の照明装置の特徴であるが、凸部6の底部から表面までの高さの影響によって、好ましい幅が少しずれる場合があるが、大きな影響はない。
また、Nは2以上であることが望ましい。Nが大きい場合凸部6は多くの傾きからなる複雑な形状である。傾きの数が多いと、正面方向への出光の制御を効率的に精度よく行うことができ、正面方向への出光強度の分布の均一性が高い。精度の面ではNは大きい方が良いが、大きすぎると形状が複雑になり作製が困難となる。作製の容易さの観点からNが100以下であることが望ましく、10以下であることが、さらに望ましい。
凸部6を形成する領域のうち少なくとも一組の隣接する領域の形状を曲線で近似してもよい。また二組以上の隣接する領域の形状を曲線で近似してもよい。さらに3つ以上の隣接する領域の形状を曲線で近似してもよく、凸部全体の形状を曲線で近似しても良い。多くの領域の形状を曲線で近似すると、正面方向への出光強度の分布や出光角度の分布をなめらかにする、賦形しやすい、破損しにくい、などの、隣接する領域の形状を曲線で近似することの効果がより高まり、望ましい。曲線への近似法としては特に制限はなく、通常よく知られている最小二乗法、スプライン補間法、ラグランジュ補間法などを用いることができる。近似に用いる点は、近似する領域から少なくとも1点を選ぶ。通常近似する領域の数より多くとる。例えば、連続する複数の領域の両端と各領域の接点を選ぶことができる。また加えて、各領域の中点を近似に用いることもできる。
次に出光エネルギーの分布を均一化して輝度ムラのない照明装置とするための凸部6の形状について説明する。
複数の線状光源を用いる光源直下方式の照明装置では、出射する光のエネルギーは、各線状光源直上では大きく、線状光源間では小さい。そこで、線状光源直上から出光する光を、光制御部材4での適度な反射によって弱めると共に、反射光を反射板5で拡散光として、再び光制御部材4に戻して出射させる。
これにより、光の利用効率を大きく低下させることなく、線状光源直上とそれ以外の位置から出射する光のエネルギーとがほぼ等しくなり、すなわち各点の照度がほぼ等しくなることでランプイメージが解消される。線状光源直上と、線状光源間での位置での、全光線透過率の比を適当な範囲に制御することで、上記目的を達成することができる。線状光源中心間の距離をD、任意の前記線状光源3の中心と前記光制御部材4との距離をHとしたとき、前記入射面上の任意の点に該入射面の法線方向に対してψ=Tan−1{(D/2)/H}の角度で入射した光の全光線透過率が、前記入射面上の点に法線から光が入射した場合の光の全光線透過率の、0.9倍〜3倍である場合に、前記目的が達成され、ランプイメージが解消される。またこの全光線透過率の比の更に好適な範囲は距離Dや距離Hなどの構成によっても異なるが、出射光の品位と光源の強度、照明装置のサイズ、省エネルギーなどを鑑みて多くの用途で現実的な構成を種々検討した結果見出した更に好適な範囲は0.95〜1.4である。
以下、図を用いて説明する。図21に示すように、任意の線状光源3と、該線状光源3に対し最近傍に位置する別の線状光源3との距離をD、該線状光源3と光制御部材4との距離をHとした場合、光制御部材4の入射面上の任意の点に前記XZ軸に平行かつ該入射面の法線方向に対してα=Tan−1{(D/2)/H}の角度で光が入射した場合の該光の全光線透過率R1は、該入射面に対して垂直方向に光が入射した場合の該光の全光線透過率R2の1.05倍〜3.00倍である場合に、線状光源直上のエネルギーと、線状光源間のエネルギーが等しくなり、ランプイメージが解消される。また、該全光線透過率の割合R1/R2は1.025〜2.00倍であることが、光利用効率の観点からより好ましい。
図21に示す様に、前記角度αは、任意の線状光源3から発した光が、該線状光源3とそれと隣接する線状光源3との中間点の直上位置の光制御部材4に入射した場合の光線の入射角度に相当する。全光線透過率については、光制御部材4に対し垂直方向から入射した時の光の全光線透過率R2よりも、光制御部材4に対し斜め方向から入射角α(≠0)で入射した時の光の全光線透過率R1の方が高い。このため、各線状光源3の真上の部分と、線状光源3と線状光源3の間の部分において、光制御部材4の出射光エネルギーを全体として均一化することができる。
ここで、前述の全光線透過率の測定に際し、測定対象物への平行光の光束の幅は、光制御部材4の表面に凸部6を形成している場合において、例えば、凸部6の一斜面のみといった微小領域に入射する程度のものではなく、該凸部6の特徴を全光線透過率に反映するために、少なくとも凸部6のピッチ以上の広い領域に入射する程度のものである必要がある。
図44に、平坦な入射面を有する測定対象物へ入射角αで入射した平行光における全光線透過率の測定方法を示す。同図に示すように、積分球の開口部の下側にこれを閉鎖するように測定対象物を設置し、レーザー光もしくはレンズでコリメートした平行光を、測定対象物の法線方向に対しαの角度で入射させる。
以下、光制御部材4に対して光が垂直方向および斜め方向から入射した時における全光線透過率の調整の具体的手段の例について説明する。先ず、該具体的手段の第1の例としては、凸部6がストライプ状に形成された好適な断面形状の例を図24に示す。
該凸部6の断面形状は、光制御部材4の出射面に直交し、凸部6の頂部を含む少なくとも所定の一方向に沿って断面した場合の輪郭線から成る。該輪郭線は、延長線が交差する角度θが鋭角である2つの略直線(部)と、該2つの略直線(部)の各一端同士を結ぶ曲線(部)とから構成され、かつ、輪郭線の頂部が凸状6の曲線である。
ここで、前記所定の一方向とは、線状光源3の配列方向に平行な方向を意味する。また、輪郭線の頂部を構成する曲線の曲率半径は、無限大、すなわち直線であってもよい。
また凸部頂部は出射面に対する傾きの絶対値θ2がSin−1(1/n)未満である領域を持っていることが望ましい。領域の傾きθ2は複数の値を取る事ができる。曲線部であることで連続的にθ2が変化することで、分散方向を連続的に変化させることができ、より高い輝度均一性が得られる。また望ましくは凸部頂部の任意の点の傾きは凸部裾部の出射面に対する傾きの絶対値以下である。これは成形の容易性、光の方向制御の容易性から望ましい。
図24に示す様に、前記凸部6の形状を、鋭角θをなす2つの略斜面部(断面略直線に相当)と曲面部(断面曲線に相当)とによって構成することにより、図25に示す様に、光制御部材4の入射面に斜めに入射した斜め入射光は、断面略直線の部分において屈折作用により、光制御部材4の出射面側から略垂直方向(入射面の略垂直方向と同方向)に出射させることができる。
また、図26に示す様に、光制御部材4に垂直に入射した光は、前記凸部6の曲面部において出射方向を分散すると同時に、凸部6の表面に当たった光の一部は、全反射を起こし出射しないため、該光の全光線透過率を抑えることが可能となる。光制御部材4に垂直に入射した垂直光の全光線透過率が小さくなることによって、輝度均一性が高く、かつ、高輝度な照明装置を容易に得ることができる。
前記光制御部材4の凸部6の投影面積Pに対する曲線部の投影面積Aの割合S/Pについては、40〜80%であることが望ましい。ここでPを凸部のピッチ、Sを凸部のうち曲線部の占めるピッチ方向の長さを示す。面積割合A/Pが40%未満であると、光の分散効果が小さくなり、輝度均一性が低下する。また、面積割合A/Pが80%を越えると、略直線部の面積が減少することにより、斜め入射光のうち正面方向へ出射する光の割合が減少するため、上記と同様に、出射面内の輝度均一性が低下する。
図23に、本発明で実施可能な凸部6の別の形状を示す。この場合、凸部6の形状は略楕円形状を示し、斜面部分全てが曲線部であることで連続的に斜面角度が変化する。そのため、分散方向を連続的に変化させることができ、より高い輝度均一性が得られる。
また、図22に本発明で実施可能な凸部6の別の形状を示す。この場合、凸部6の谷部分に断面曲線部を設けている。この断面曲線部により光の出射方向が多方向に分散され、輝度均一性の高い照明装置を得ることができる。
また、光源が線状光源3である場合には、出射面側の複数の凸部6を平行に配列したストライプ状レンズに形成し、そのレンズの長手方向を線状光源3の長手方向と平行にすることができる。これにより、光制御部材4の出射面における出射光の角度分布調整が一層容易となる。
以上、説明した線状光源3を用いた照明装置では、線状光源3の長手方向がY軸に平行に配置されており、かつ、畝状凸部6の長手方向がY軸に平行に配置している。線状光源3の長手方向がY軸に平行に配置されているため、線状光源3の輝度ムラがX軸に沿って顕れる。これに対して畝状凸部6の長手方向がY軸に平行に配置しているのは、輝度ムラを解消するために最も効果的だからである。すなわち畝状凸部の光線方向制御機能はX軸に最も顕著に作用する。またその機能を決める重要な要素はXZ平面に平行な断面の形状である。
この考え方は光源が点状光源2である場合も同様である。
点状光源2を狭い間隔で直線状に配置し、擬似線状光源とすると配線上有利である。この場合、該擬似線状光源の長手方向がY軸に平行になるように配置し、X軸に沿って複数配列すれば、前記線状光源3を用いた照明装置と同様の光制御部材4を同様に配置することが好ましい。すなわち、凸部6の形状、開口部8の位置、形状、割合、および凸部6、開口部8、擬似線状光源の構成などについて同様に選択できる。
これ以外の点状光源2の配置方法としては、例えば点状光源2の配置の構成周期が4つの点状光源2からなる正方形状であるもの、3つの点状光源2からなる正三角形状であるものなどが挙げられる。この場合も同様に輝度ムラを解消するため、最も顕著に輝度ムラが顕れる方向に合わせて、光線方向制御機能が高い断面形状を形成することが好ましい。例えば点状光源2の配置の構成周期がX軸とY軸に平行な正方形状である場合、輝度ムラはX軸、Y軸の双方に等しく最も顕著に顕れる。そこで凸部6のXZ平面とYZ平面の断面形状は同様とすることが望ましく、該断面形状、開口部8の位置、形状、割合、および凸部6、開口部8、点状光源2の構成などについて、既に述べた線状光源3を用いた照明装置と同様に選択することが望ましい。線状光源3を用いた照明装置のXZ平面に平行に切った断面内について詳しく説明した、e/b、t/T、e/d、f/c、c/a、g(X)min/g(X)maxの範囲、傾きの異なる領域からなる断面形状、入射角度による全光線透過率の比などについても同様に、好適な範囲を点状光源2が用いられた場合に適用して決定できる。
次に、光制御部材4における凸部6を構成する材料の屈折率による効果の違いについて説明する。光制御部材4の主面に対する凸部6の谷部傾斜角度が大きい場合には、溝頂部をなす角度が小さくなりすぎる。そのため、バイトを用いたメス型の切削時に溝頂部の倒れが問題となる。さらに、押出し成型、射出成型、2P成型の樹脂成型工程において、樹脂の剥離性が低下するため、量産性の低下や型の耐久性が問題となる。これらの課題に対して、本発明においては、光制御部材4の凸部6を構成する樹脂の屈折率を1.58以上にするのが好ましい。これによって、光制御部材4の主面に対する凸部6の谷部のなす角度を小さくすることができ、上記のような樹脂の剥離性の低下や量産性の低下等の課題を解決することができる。
ここで、高屈折材料を使用することにより、主面に対する凸部6の谷部の角度を小さくすることができる理由について述べる。
図27(a)に一般的な屈折率材料で作製した光制御部材4に光が入射し、正面方向に出射する様子を示す。図27(b)に高屈折率材料で作製した光制御部材4に、図27(a)と同じ角度から光が入射し、正面方向に出射する様子を示す。このとき、図27(a)の凸部6の谷部の角度と比較し、図27(b)の凸部6の谷部の角度が小さいことがわかる。高屈折材料を用いることにより、光をより屈折させることができるため、凸部谷部の角度が小さくても、光を正面に向けることが可能となる。このために、高屈折材料を使うことが、凸部6の成形性の点で有利となる。
このような屈折率が1.58以上となる高屈折率の材料としては、例えばメタアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、メタアクリル−スチレン共重合樹脂、シクロオレフィン−アルケン共重合樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
また本発明において好適な1.58以上の屈折率を確保するため、基材の原料として種々のモノマーを選択することができる。例えばメタアクリル樹脂やメタアクリル−スチレン共重合樹脂のようなメタクリレートモノマー共重合体としてはα−ナフチルメタクリレートのような芳香族メタクリレート、p−ブロモフェニルメタクリレート、ペンタクロロフェニルメタクリレートのようなハロゲン化芳香族メタクリレートモノマーなどを好適に用いることができる。
またポリスチレン樹脂やメタアクリル−スチレン共重合樹脂のようなスチレン系モノマー共重合体としては、スチレンのほかに、o−クロロスチレンのようなハロゲン化スチレン、p−メチルスチレンのようなアルキル化スチレンなどが使用できるモノマーとして挙げられる。ポリエステル樹脂としてはフルオレン基などの嵩高い官能基を有するジオールを共重合モノマーとして用いることができる。これらモノマーは単独もしくは共重合して用いることができる。
また、本発明の光制御部材4に様々な機能を持たせることにより、より輝度ムラがなく、より高輝度な照明装置を提供することができる。付加する機能としては、光線方向変換部や、集光手段16などが挙げられる。まず、光線方向変換部について説明する。線状光源3からの入射光のうち、望ましい割合の光の光線方向を変更することで、輝度の均一性を更に高めることができる。前記光線方向を変換する割合について好適な範囲を見出すとともに、光線方向の変換と輝度ムラ解消の2つの機能を1つの部材で達成するための好適な構成をも見出した。
光線方向変換部によって入射面に法線方向から入射した光の80%乃至10%の光の方向を変換することで、好適な割合の光線方向を変化させることができるので、輝度の均一性を更に高めることができる。
前記線状光源3から前記開口部8に入射した光の80%以上が前記光線方向変換部を通過して、前記出光制御部に到達することで、光の有効利用率が高く、多くの光の出光を制御できるので、輝度が高く、かつ、好ましい出光制御が可能である。
光線方向変換部として少量の光線方向変換材を内部に分散したり、表面に塗布したりすることができる。光線方向変換材の使用によって出射光の拡散性を高め、輝度均一性を高めることができる。光線方向変換材と同じ材料を、出射面側に塗布してもよいが、この場合には別途、出光制御部よりも線状光源側に光線方向変換部を設ける必要がある。光線方向変換材としては従来光拡散板や拡散シートに用いられる無機微粒子や架橋有機微粒子を用いることができる。使用量は従来の一般的な光拡散板に比べてごく少量で同等以上の拡散性が得られるとともに、透過性も非常に高い。また光線方向変換材が分散している場合、本発明では使用量が極めて少量である。
本発明の光制御部材4で用いられる光線方向変換材は、該光制御部材4を構成する基材部100質量部に対し、光線方向変換材を0.01〜1質量部、好ましくは0.05〜0.7質量部、さらに好ましくは0.1〜0.5質量部含有することである。その含有量が、基材部100質量部に対して0.01質量部未満であると、光拡散性が十分でなく(輝度ムラの解消効果が十分でない点を記載したく)、また、1質量部を超えると、十分な全光線透過率が得ることができなくなり、該光制御部材4を照明装置等の用途に用いた際、十分な明るさを得ることができず好ましくない。
また、光線方向変換材の粒子径は、その平均粒子径が1〜50μmの範囲であり、好ましくは、2〜30μmの範囲である。光線方向変換材の平均粒子径が1μmより小さい場合には、これを基材部に分散させて得られる光制御部材4は、短波長の光を選択的に散乱するため、透過光が黄色を帯びやすく好ましくない。一方、光線方向変換材の平均粒子径が50μmを超えると、基材部に分散させて得られる光制御部材4は、光拡散性(輝度ムラの解消効果が十分でない点を記載したく)が低下したり、光が樹脂を透過したときに光拡散剤が異物として目視されやすくなったりする場合があり好ましくない。光線方向変換材の形状としては、楕円球状ないし球状にわたる形態であることが好ましく、球状であることがより好ましい。
なお、本明細書でいう平均粒子径とは、後述するように電子顕微鏡観察により得られた写真を用いた実測によって得られる平均粒子径を意味する。
光線方向変換材としては、通常、基材の透明性樹脂と屈折率の異なる無機系および/または有機系の透明微粒子が用いられる。光線方向変換材の屈折率と基材の屈折率との差については、その絶対値が、0.005乃至0.08であり、0.01乃至0.07でありことが好ましく、0.02乃至0.06でありことがより好ましい。その屈折率差が、0.005未満であると、光拡散性が十分でなく(輝度ムラの解消効果が十分でない点を記載したく)、また、0.08を超えると、十分な全光線透過率が得ることができなくなり、該光制御部材4を照明装置等の用途に用いた際、十分な明るさを得ることができず好ましくない。なお、本発明においては、上記のように光線方向変換材と基材との屈折率差により、いわゆる内部拡散性を付与することができるが、光線方向変換材を基材表面に浮き出させて表面凹凸を形成させることにより、いわゆる外部拡散性を付与することもできる。
また、本発明で使用される光線方向変換材は、基材樹脂の屈折率よりも低い屈折率を有するものであることが好ましい。光線方向変換材の屈折率が基材の屈折率よりも大きい場合には、光拡散性は高くなるものの、基材樹脂と光線方向変換材とのアッベ数の差が大きくなり、拡散光が見る角度によって色の差が生じやすくなり好ましくない。このため、基材と光制御部材との屈折率の差は、通常小さ過ぎたり、大きすぎたりしないものが好ましい。
無機系の光線方向変換材としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラス、タルク、マイカ、ホワイトカーボン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられ、これらは脂肪酸等で表面処理が施されたものであっても良い。また、有機系光線方向変換材としては、例えば、スチレン系重合体粒子、アクリル系重合体粒子、シロキサン系重合体粒子、フッ素系重合体粒子等が挙げられ、空気中での3質量%減少温度が250℃以上である高耐熱光拡散剤や、アセトンに溶解させたときのゲル分率が10%以上の架橋重合体粒子が好適に用いられる。これらの光線方向変換材の内、シリカ、ガラス、アクリル系重合体粒子、シロキサン系重合体粒子を用いることが好ましく、アクリル系重合体粒子、シロキサン系重合体粒子を用いることがより好ましい。また、これらの光線方向変換材は、必要に応じてその2種類以上を用いることができる。
本発明の光制御部材4で用いられる基材と光線方向変換材とを混合する方法としては、特に限定されず、例えば、基材ペレットに予め光線方向変換材を混合してこれを押出成形または射出成形してペレットなどの形態で光制御部材4とする方法;基材を押出成形または射出成形する際に光線方向変換材を添加し成形してペレットなどの形態で光制御部材4とする方法;一度基材と光線方向変換材とをマスターバッチ化した後に再度所望の配合量とするべく基材とマスターバッチ品とを押出成形または射出成形してペレットなどの形態で光制御部材4とする方法を採用することができる。
さらに、光線方向変換部としては、光制御部材4の入射面に平行光を複数の角度に偏向させる手段を用いてもよい。具体的には、光制御部材4の入射面に、ランダムまたは周期性を有する凹凸構造を形成することが挙げられる。このとき該凹凸構造のある入射面の好適な表面状態は、全光線透過率、ヘイズ、算術表面粗さを目安にすることができる。凹凸の程度は算術平均粗さRaが3μm以下であることが望ましい。これより大きくなると、拡散効果が大きくなりすぎるために、正面輝度が低下する。
光線方向変換部が入射面に法線方向から入射した光の方向を変換する割合は、次のようにして測定する。測定する光制御部材4に出光制御部を設けない構成からなる光線変換能測定用部材を別途用意する。出光制御部が光制御部材4の出射面上に形成した凸部である場合は、光線変換能測定用部材の出射面は入射面と平行な平滑面である。該光線変換能測定用部材の入射面に法線方向から平行光を照射し、ヘイズメーターで出光方向が変化した光の割合を測定する。また通常、出光制御部の光線方向制御は通常計算で予測でき、この場合、光制御部材4の輝度角度分布を直接測定することで光線方向変換部が入射面に法線方向から入射した光の方向を変換する割合を計算することもできる。
前記光源1から前記入射面に入射した光が前記光線方向変換部を通過して前記出光制御部に到達する割合についても、前記光線変換能測定用部材の全光線透過率を測定して、この値とでき、出光制御部の光線方向制御を予測できる場合、光制御部材4の全光線透過率を直接測定して、計算することもできる。
次に、集光手段16について説明する。本発明の光制御部材4に集光手段16をもたせることで、Y方向の視野角を絞り出射エネルギーを正面方向に集中させることができ、高輝度化、特に多くの用途で有用な正面輝度の向上を達成することができる。集光手段16は、X軸方向に伸びる複数の畝状の凸部によって実現できる。この凸部のYZ平面に平行な断面の形状によってY軸方向の光を集光し正面方向に向けることができる。この凸部は、光制御部材4と一体に形成しても良く、別の部材上に形成してもよい。部材は、フィルム状であっても板状であっても良い。別の部材に形成する場合は、光制御部材4または集光手段16のどちらかは、板状であることが望ましい。集光手段16である凸部は、光制御部材4を含むこれら部材の光源1側または出射面側に設けられる。また、光制御部材4の凸部6の形成されている面より光源側に位置することもあり、出射面側に位置することもある。また、同一の面内に位置することもある。集光手段16である凸部のYZ平面に平行な断面の形状は、レンズ形状、あるいはプリズム形状などが挙げられる。
図28に、本発明の一形態の例を示す。集光手段16が光制御部材4の出射面側に位置し、集光手段16である凸部がX軸に平行な複数の畝状凸部からなる場合の構成例である。本構成では集光手段16は板上もしくはフィルム上に形成されていればよい。また、図29は上記の例において、集光手段16が拡散性微粒子を含有する態様を示している。
図36(a)を用いて、集光手段16が出射面側にある場合の、集光手段16の作用を説明する。YZ平面で切った断面内での光の伝搬を考える。
集光手段16を構成する板状構造物の線状光源3側の面から入射した光は光が入射する面での屈折、出射面側に設けた凸部斜面の屈折によって、入射角度よりも、その絶対値が小さい角度で出射する光が生じる。つまり出射角度分布を狭くすることが可能である。凸部の形状によっては凸部斜面での全反射により光は再度線状光源3側に反射される場合も発生する。反射された光は線状光源3裏面に設けられた反射板5により反射され、再度集光手段16に入射し上述の現象が繰り返される。
凸部斜面の最大傾斜角度は30°〜60°にあることが好ましい。30°以下であると、正面方向へ屈折する光が減少し集光機能が低下し、60°以上であると斜め方向への出射光が増加するため同様に集光機能が低下する。
図36(b)を用いて、集光手段16が入射面側にある場合の、集光手段16の作用を説明する。前記板状構造物のYZ平面に平行な面内での光の進行を考える。ここで説明の便宜上、Y方向の一方をプラス、他方をマイナスとする。図36(b)においては右方向がプラス、左方向がマイナスを示している。また凸部の頂部を堺にプラス方向の領域をs、マイナス方向の領域をhとする。
YZ平面で切った断面内で、主面の法線方向に対しプラスの方向で入射した場合、領域sに入射すると光が入射する面での屈折作用により入射角度よりもより法線方向に近い角度で出射する。一方領域hに入射するとより法線方向から離れる角度で出射する。
集光手段16を通過する光の角度分布の調整はY軸方向に配列した凸部の形状を調整することで可能である。つまり好適な形状を選択することで、出射光の角度分布を狭くすることが可能である。また、板状構造物の光が入射する面側への入射角度が大きくなると、出射面での全反射により、光は再度線状光源3側に反射される。反射された光は線状光源3裏面に設けられた、反射板5により再度出射面X軸方向に配列した凸部に入射し上述の現象が繰り返される。
従って、反射部配置面9より入射面側に、長手方向がX軸方向と平行な畝状の集光手段16である凸部を形成することにより、Y軸方向の出射光角度分布を狭くし、正面方向の輝度を高めることができる。集光手段16である凸部の高さが高くなるとX方向に斜めから観察した場合の領域sの割合が小さくなり、逆に領域hの割合が大きくなる。つまり集光手段としての凸部の高さが高くなりすぎると光は集光せず、より広がりをもった出射光分布となり、逆に正面方向の輝度は低下する。
集光手段16である凸部の斜面の最大傾斜角度は10°〜40°にあることが好ましい。さらに20°から30°がより好ましい。また凸部のY軸方向の断面形状の頂部は曲面からなることが望ましい。断面形状の頂部が直線で形成されていると、欠けや崩れが発生しやすくなり、これに伴う輝点や黒点により外観品位の低下を招くからである。
さらに集光手段16である凸部をYZ断面で切った形状は頂部を主面の法線を中心とした線対称形であることが望ましい。これによりX方向の出射光角度分布を0°方向を中心にプラスおよびマイナス方向で対称形にすることができるので、プラス方向とマイナス方向でバランスの取れた視野角特性を得ることができる。
光制御部材4もしくは集光手段16である凸部が配置している部材の何れかは板状構造物にあることが望ましく、さらに線状光源3側に配置されている部材が板状構造物であることがより好ましい。線状光源3側の部材が板状構造物であることで、機械的強度を増し、反りによる光学特性の低下を防ぐことができる。
また図30に集光手段16が板状構造物にあり、かつ集光手段16が板状構造物の出射面側の面のX軸に平行な複数の畝状凸部からなる場合の構成例を示す。この場合、光制御部材4は集光手段16よりも観察側に配置されている。本構成では光制御部材4は板状もしくはフィルム状である。
図31に集光手段16が板状構造物にあり、かつ集光手段16が板状構造物の光が入射する面側の面のX軸に平行な複数の畝状凸部からなる場合の構成例を示す。この場合も、光制御部材4は集光手段16よりも観察面側に配置されている。本構成では光制御部材4は板状もしくはフィルムである。
図32に光制御部材4が板状であり、かつ集光手段16が板状構造物の光が入射する面側の面のX軸に平行な複数の畝状凸部からなる場合の構成例を示す。この場合、光制御部材4は集光手段16よりも線状光源3側に配置されている。本構成では集光手段16は板状もしくはフィルム上に形成されていればよい。
さらに集光手段16が凸部であり、該凸部を有する構造物が板状である場合、該板状構造物の光が入射する面の表面積と光が出射する面の表面積が異なる。吸水により板状構造物が膨張、もしくは脱水により板状構造物が収縮する場合、上記表面積の差により光が入射する面と光が出射する面の膨張率または収縮率が異なり、板状構造物に反りが発生する。前記板状構造物が温度60℃、湿度80%の雰囲気下において吸水率が0.5%以下の透明な熱可塑性樹脂からなることで、この反りを軽減することができる。吸水率が同条件下で0.5%を超えると、反りの量が過大となり、外観の品位低下を招く。
また集光手段16として凸部が板状構造物の光が入射する面にY軸方向に配列して形成され、同じ板状構造物の光が出射する面にX軸方向に配列した凸部が形成される場合、光が入射する面の表面積と光が出射する面の表面積差が小さくなるため、反りに対して有利である。また集光手段16としての凸部のなす方向と凸部のなす方向とが直行する場合、板状構造物の剛性を増すため反りに対してより有利である。
図33に示す様に、集光手段16が板状構造物の光が入射する面に形成された凸部である場合、光制御部材4と同一の構造物にあることが好ましい。光制御部材4と集光手段16が分離されている場合に比べ空気との界面を2つなくすことができ出射光の効率を向上させることができる。この場合、反射部配置面9は部材内部に位置する。つまり、反射部配置面9は入射面と出射面の間に位置し、さらに入射面と出射面の両方に平行に位置することが望ましい。
Y軸方向の集光手段16が光制御部材4にある場合は、先ず、光制御部材4を作製した後、その平坦面側に前記手法により反射部7を作成し、その後、光制御部材4の平坦面に集光手段16である凸部を2P成形などにより形成することで得ることができる。
さらには、X軸方向に配列した凸部の雌型、Y軸方向に配列した凸部の雌型を用意し射出成形などにより同時に成形することも可能である。
図34には、集光手段16である凸部および光制御部材4が同一の板状構造物の光が出射する面に形成された凸部である場合の例を示す。前記集光手段16は、凸部の表面の法線方向がX方向と垂直であり、Y方向と垂直ではない部分であり、光線のY方向の方向制御をする。光制御部材4の凸部6の表面の法線方向がY方向と垂直であり、X方向と垂直ではない部分であり、光線のX方向の方向制御をする。この様な構成の場合は、先ず、集光手段16である凸部および光制御部材4の凸部6の両者を有する雌型を作製した後、板状部材の表面に2P成形などにより形成することで得ることができる。
さらには、雌型を用意し射出成形などにより成形することも可能である。図34に示す光制御部材4のY座標に垂直な断面の形状はY座標により異なる。正面方向のランプイメージの解消原理は、光制御部材4の凸部6における斜面の傾きの占める割合によるので、該断面形状の傾きの分布を平均した平均傾き分布が、望ましい傾き分布になっていれば良い。望ましい傾き分布とはすなわち光制御部材4の凸部6が集光手段16である凸部と同一の面にない場合と同じであることを指し、例えば上記の請求項8や9で示される形状であることが望ましい。
また、集光手段16として反射板5の形状を用いる態様が挙げられる。図35に反射板形状の一例を示す。この構成によれば、反射板5の主面の出光側表面略全面がX軸に平行であり、Y軸に沿った、凹状および/または凸状のストライプ形状であることから、反射板5が受けた光のY軸方向の出光方向の出光角度分布を制御できる。
凹状および/または凸状のストライプ形状の傾きが大きいほど浅い角度の光を正面方向に向けることができるが、一般に浅い角度の光は光線距離が長いため、あまり影響は大きくない。また傾きを大きくすると、反射光がさらに反射板5の別の位置にぶつかって反射回数が増えすぎる場合があり、結果として光のロスにつながる。またy方向の両方向から反射板全面が光を受けることで均一性を高めやすくなるが、傾きが大きすぎると一方向の光が入射しづらくなるため望ましくない。
反射板5の材料としては、反射性を有するアルミ、銀、ステンレスなどの金属、白色塗装、また反射率を高めるため、微細発泡させた樹脂などが挙げられる。樹脂などの基板の表面に金属を蒸着させるなど、反射性部材を表層にのみ設けてもよい。これは軽量化や原料価格の上で有利となる場合がある。反射板5は反射率が高いものが光利用効率を高める上で望ましい。この観点からは、銀、発泡PET樹脂などが望ましい。また光を拡散反射するものが出射光の均一性を高める上で望ましい。この観点からは発泡PET樹脂などが望ましい。
前記反射板5の主面の出光側表面の凹状および/または凸状のストライプ形状の例としては、略全面が1つまたは複数の凹状になっている形状、略全面が1つまたは複数の凸状になっている形状、1つまたは複数のプリズム状などが挙げられる。1つの形状であれば比較的製造が容易であり、複数の場合は装置を薄型にするのに有効である。規則的に配列する必要があり、同じ大きさ、形状であることが光の出光方向制御を容易にする、生産性を高めるなどの点で望ましい。
凹状および/または凸状のストライプ形状の傾きが大きいほど浅い角度の光を正面方向に向けることができるが、一般に浅い角度の光は光線距離が長いため、あまり影響は大きくない。また傾きを大きくすると、反射光がさらに反射板の別の位置にぶつかって反射回数が増えすぎる場合があり、結果として光のロスにつながる。またy方向の両方向から反射板全面が光を受けることで均一性を高めやすくなるが、傾きが大きすぎると一方向の光が入射しづらくなるため望ましくない。
凹状および/または凸状のストライプ形状がプリズム形状である場合、線状光源に対向しているプリズムの頂部のyz断面の頂角は70〜130度であることが望ましく、90〜120度であることがさらに望ましく、100〜110度であることがさらに望ましい。また隣接するストライプ形状の間に平坦部を設けることで、反射回数を調整することができ、光を膳方向から受けやすくなるので望ましい。
凹部および/または凸部のサイズはy方向の幅が0.1mm〜50mmであることが望ましい。0.1mm以下だと正確な形状形成が困難となる。より望ましく0.5mm以上である。また50mm以上だと装置が厚くなるため望ましくない。より望ましくは20mm以下である。
また反射板5の厚みは0.5mm〜50mmであることが望ましい。0.5mm以下だと温度による変形が起こりやすく、光線方向の制御に好ましくない影響を与える。より望ましくは1mm以上である。また50mm以上だと装置が厚くなるため望ましくない。より望ましくは20mm以下である。
凹部および/または凸部は表面を賦形した樹脂シートを重ね合わせるなどの手段で実現できる。反射板全体が表面の凹部および/または凸部に沿った形状であってもよく、これによって板の片面に凹凸を形成する場合よりも軽量化が可能で、金属板を変形させるといった簡便な方法で製作できる。また板の片面に凹凸を形成する方法で作製することは、熱可塑性樹脂の押し出し成形やプレス成形、紫外線硬化樹脂による凹凸賦形などで作成する際便利である。金属板を変形させるといった方法よりも、より微細な形状を容易に作製でき、装置の薄型化に有利である。
光制御部材4は、光源1の出射側に位置しているが、このとき光制御部材4を保持する必要がある。一般的には、反射板5の出射面側に突起17を設け、光制御部材4を支える手段をとる。このとき、光制御部材4の観察面側から突起17の影が見えるという問題がある。本発明においては、突起17の材料を光透過性とすることにより、この問題を解決した。
図37に、前記突起17が光透過性材料からなる場合の構成の一例を示す。また、突起17の水平断面が円形形状とし、光制御部材4と接する突起先端部の直径が1mm以下であるため、高い光透過性を有する光制御部材4を採用した場合でも突起の陰影が見えにくく、輝度が高く明るい照明装置を提供することが可能となる。この場合従来と同様、突起17により光制御部材4のたわみを保持できるため、光制御部材4の反りやたわみを抑えることが可能である。
まず、突起17によって光制御部材4に影が出る原因について説明する。前記光制御部材4の出射面側は表面に畝状の凸部6を複数形成しており、該凸部6は頂部にあたる畝状の稜線がY方向に平行に形成されており、かつ、X方向に沿って配列している光制御部材4では、不透明材料からなる突起17により光源1からの光線が遮蔽されると、図38に示すようにこの光線は光制御部材4に到達することができず、その結果、光制御部材4の出光面から見ると前記突起17の影が見えることになる。特に、本発明における出射面側に畝状の凸部6を形成する光制御部材4を使用した場合は、不透明材料からなる突起17の影が2重に見えるといった問題が発生する場合がある。
一方、従来の光制御部材4の代わりに使用されていた光拡散性微粒子を多量に含む光拡散板では、光散乱作用が強いため、光拡散板の入射面に突起部による光遮蔽部があった場合でも、他の光入光部からの散乱光により、光拡散板出射面において突起17の影を認識されることはほとんどなかった。突起17の影を認識可能となる光散乱作用の度合いは、光拡散性微粒子の特性にも影響されるが、おおよそ光拡散性微粒子の濃度に依存し、1質量部未満の光拡散性微粒子を含む光拡散板である場合に突起17の影が認識されることとなる。
このため、本発明の照明装置に用いる突起17は、光拡散性微粒子の含有量が1質量部未満である光制御部材4に対してもその影を投影しない形状または材質であることが必要である。具体的に好ましい突起17の形状・材質などについて以下に説明する。
突起17の水平断面形状としては、円形であることが重要であるが、厳密な意味での円形である必要はなくほぼ円形である場合も含まれる。例えば、長軸の長さに対する短軸の長さの比が0.8以上の楕円や正16角形以上の正多角形も本発明における円形とみなすことができるがそれらの形状に限られないことはいうまでもない。本発明の一態様である照明装置では、光源1から光制御部材4に入射した光は一部は光制御部材4で屈折しつつ出射面を透過し、一部は出射面で光制御部材4内部に反射する。このため、突起17の水平断面が四角形等の所謂エッジを有する形状の場合、エッジの両側で光線の進む方向が急激に変化するため、光制御部材4の出射面で突起17の影が発生し易くなる。一方、突起17の水平断面が比較的扁平な楕円形状の場合、光源1からの突起を通過した光の広がり状態が楕円の長軸方向と短軸方向で大きく異なるため、この場合にも観察する方向により突起17の影が発生し易くなる。つまり、突起17の水平断面形状をほぼ円形とすることにより、あらゆる方向から観察した場合であっても、突起の影を認識しがたくなり好ましい。
また、本発明の照明装置に用いる突起17は光透過性材料で形成されていることが重要である。突起17を形成する材料としては、透明材で形成するのが好ましく、いわゆる透明であれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでも好ましく用いられる。その具体例としては、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルスチレン系共重合樹脂、スチレン系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル系共重合樹脂、塩化ビニル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。突起が、不透明な材料から形成されている場合には、光拡散板に影を投影してしまい、好ましくない。なお、影を発生させない光透過性材料の光透過率は60%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
そして、本発明の照明装置に用いる突起17の形状としては、断面がほぼ円形で、光制御部材を保持するべく、直径1〜10mm程度、好ましくは直径1〜6mm程度のものが採用されるが、光制御部材4と接する突起先端部の直径は1mm以下であることが重要であり、0.1〜0.8mmの範囲であることが好ましく、0.1〜0.5mmの範囲であることがより好ましい。前記光制御部材4の入射面側に凸凹部が形成される場合には、前記凸凹部のピッチの倍以上であることが光制御部材4を保持する上で好ましく、先端部の直径は0.1〜1mmの範囲であることが好ましく、0.1〜0.8mmの範囲であることがより好ましく、0.1〜0.5mmの範囲であることがさらに好ましい。光源1からの光は一般に拡散光であるため、影となる光線の光路を考えた時、拡散光の作用により突起の影は薄くなる。しかし、光制御部材4と突起17が接している点では、光の拡散作用がほとんどないため、突起の影がそのまま見えることになる。従って、突起と光制御部材4の接する点は、通常小さければ小さいほど好ましいといえる。
図39(a)に、水平断面形状が円形の径3mm、先端径1mmφの突起17を、また、図39(b)に、水平断面の形状が円形で先端径3mmφの突起を示す。(a)の形状は、観察面より突起の影が見えにくいが、(b)の形状は突起17の影が見えやすい。また、突起17の先端部は平面である場合に限らず、前記光制御部材4の入射面側に形成される凹凸部と突起17先端部の接触に支障のない範囲で緩やかな凹凸を有していてもよい。
突起17の配置形態としては、反射板上に配置した形態の他、光制御部材4上に影となって投影されないものであれば他の形状または構造であっても構わない。例えば、反射板5に埋め込む形にしてもよいし、また、光源1と光制御部材4とを一つの突起17で双方を支える形にしても良い。また、光制御部材4の入射側に集光手段4が配置されている場合には、突起17の先端は集光手段4と接していればよいことは当然である。
背面にX方向とY方向に平行に配置した反射板5の反射率は95%以上であることが望ましい。光源1から背面に向かう光や、光制御部材4で反射して背面に向かう光をさらに出射側に反射することで、光を有効に利用できるため光利用効率が高くなる。反射板5の材質としては、アルミ、銀、ステンレスなどの金属泊、白色塗装、発泡PET樹脂などが挙げられる。反射板5は反射率が高いものが光利用効率を高める上で望ましい。この観点からは、銀、発泡PET樹脂などが望ましい。また光を拡散反射するものが出射光の均一性を高める上で望ましい。この観点からは発泡PET樹脂などが望ましい。
光制御部材4の基材の材料としては、少なくとも可視光に透明な物質であれば特に限定されるものではなく、ガラス、各種プラスチック材料が望ましく使用される。該プラスチック材料としては、ポリエステル系樹脂、メタアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂およびこれらの混合物等を用いることができるが、これらに限定されるものではなく、屈折率などの光学特性などを考慮して適宜選択する。凸状曲面が非常に微細である場合、紫外線硬化樹脂も好ましく用いられる。
光源1としては冷陰極管などの線状光源3、LEDなどの点状光源2を用いることができる。光源1と光制御部材4との距離は、特に限定はないが、近いとランプイメージが強くなり遠いとランプイメージが弱くなる傾向がある一方、薄型化の要求もあるため5〜30mmが好ましく10〜20mmがより好ましい。光源間隔は、短いとランプイメージが弱くなり、長いと強くなるが、5mm以下では、光源数の増加とそれに伴う消費電力の増加などの問題が生じる場合があり、200mm以上では光源直上と光源間での明暗差が強くなりランプイメージの解消が困難になる場合がある。したがって光源間隔は5〜200mmが望好ましく、10〜100mmがより好ましい。光源1の配置については、例えば画像表示装置などの用途では観測面内の輝度がほぼ均一であることが求められることから、同じ機能を持つ光源1を出射面と平行な配置面内に平均的に配置するのが簡便であり、例えば等間隔に配置することで実現できる。
光制御部材4の作製方法は、金型による製造、フォトリソグラフィー法およびその応用による製造などが挙げられるが、生産性等の点から金型による製造が最も望ましく、量産性に優れた押し出し成形法が最も望ましい。さらに、光制御部材4上に反射部7を作製する方法は、反射部配置面9上の反射部配置位置に上記材料を印刷する方法がある。または、光制御部材4に溝を配し、残りの部分に反射部材を塗布または含浸することにより反射部7を設置し、溝部を開口部8として使用する方法もある。
また、出射面の凸部6がレンズ形状で、レンズごとに前記線分CC’間の中点を略中心とする1つの開口部8を設けた光制御部材4を作製する場合、レンズの集光性を利用して反射部配置面9上の開口部8を望ましい前記線分CC’間の中点を略中心とする位置に合わせることができる。その方法について以下、説明する。
金型を用いた溶融成形などの手段で、片方の主面に同じ形状のレンズが複数配列した片面レンズ透明板を作製した後、該レンズ側から板の法線方向から平行光を照射することで前記線分CC’間に相当する箇所を光が通過する。このことを利用して望ましい位置に開口部を形成できる。前記片面レンズ透明板の対向する平滑面に光硬化性樹脂を塗り、該レンズ面側の法線方向から平行光を照射することで、前記線分CC’間に相当する箇所を硬化させることができる。線分CC’間に相当する箇所の中心に近いほど光線強度は強いので、光照射時間などを調整すれば、線分CC’の中心付近に相当する箇所を望ましい幅fで硬化させることができる。また充分な光照射時間をかければ、線分CC’間にほぼ一致する位置を硬化することができる。このようにして一部が硬化した光硬化性樹脂塗布面に、反射部7を光硬化性樹脂の接着性を利用して形成することで所望の幅fの開口部8を持つ反射部配置面9を形成することができる。ここで形成する反射部7は薄くて一様な厚みであることが望ましい。これは例えば銀箔のような反射部材となる箔を前記光硬化樹脂塗布面に被せて接着し、光硬化樹脂が硬化している部分の箔を剥がすといった簡便な手段で実現できる。
また該片面レンズ透明版の平滑面に一様な厚みで反射層を形成した後、レンズ面側の法線方向からレーザー等の平行光を照射し、前記遮光性および反射層の光が照射された部分を溶融、昇華、燃焼、削摩もしくは、爆融により除去して、残った反射層を反射部7とする方法も同様に用いることができる。この場合も前記光硬化性樹脂を用いる方法と同様に光照射時間などを調整することで線分CC’の中心付近に相当する箇所に望ましい幅fの開口部8を構成することができる。
また開口部8の幅と線分CC’の長さの関係を簡便に制御する手段として、2種類の片面レンズ透明板を用いる方法がある。前記2種類の片面レンズ透明板は、レンズ形状の焦点距離とこれに関連するレンズの厚みのみが異なり、板の形状やサイズ、レンズピッチなどはすべて等しく、2枚の片面レンズ透明板の主面を正確に重ねると、透明板の各レンズの軸は、対応するもう一枚の透明板上のレンズの軸と一致する。1枚を製造用レンズ板、もう1枚を部材用レンズ板とする。別途用意した少なくとも主面の形状、サイズが前記片面レンズ透明板と等しい両方の主面が平滑な平滑透明板に、前記製造用レンズ板の平滑な主面を、正確に重ねた後、先に述べた方法と同様に、レンズ側からの平行光の照射を利用して、平滑な透明板の片面に反射部7と開口部8を形成する。ここで先述の方法と異なるのは反射部7と開口部8を形成するのが、片面レンズ透明板の平滑面ではなく、これと重ね合わせた平滑な透明板の片面であることである。次に製造用レンズ板をレンズの焦点距離が異なる部材用レンズ板に載せ替えて、貼り合わせることで、容易に開口部の幅と線分CC’の長さの関係を変更することができる。製造用レンズ板は繰り返し使用することができる。
製造用レンズ板上のレンズの焦点距離が、部材用レンズ板上のレンズの焦点距離よりも短ければ線分CC’間にのみ開口部を作製することに適しており、逆に部材用レンズ板のレンズの焦点距離よりも長ければ線分CC’間以外の部分を含む開口部8を設けることができる。正面方向への出光強度割合を高めるためには前者の方が望ましい。
この2種類の片面レンズ透明板を用いる方法では、前記の片面レンズ透明板1枚から光制御部材4を作製する方法で線分CC’間に望ましい幅の開口部8を設ける際に必要な、光照射時間などを調整する必要が実質なく簡便に再現性よく開口部8の幅を制御できる。更に線分CC’間以外に開口部8を設けることもできることから、正面方向への出光強度割合を調整することもできる。しかしながら、板同士の位置合わせが必要なこと、2種類の片面レンズ透明板が必要なこと、更に通常正面方向への出光強度を高める要求から線分CC’間のみに開口部8を設けることから、片面レンズ透明板1枚から光制御部材4を作製する方法の方が優れている面もあり、適宜選択して用いる。
本発明の照明装置の別の構成例を図40に示す。片側に凸状曲面を持つフィルムの対向する平坦部に反射部7を施し、均一な厚みを持つ透明な支持板11を反射部側に設置することで光制御部材とすることができる。これは、凸状曲面の形成が容易なフィルムを使うことで生産が容易であり、支持板は該フィルムのたわみを防ぐ役割を果たす。
本発明の光制御部材4を用いた照明装置の構成例を図41に示す。1つの点状光源2上の観察面側に、本発明の光制御部材4を配し、点状光源2の周囲を反射板5で囲った構成である。凸状曲面と開口部8の形状は、図に示すように観察面側から見ると、同心円状の形状である。また、図に示すように、断面は凸状曲面が配列した形状で、反射部配置面には凸状曲面に対向する開口部8を有す。
さらに、別の構成例を図42に示す。光源1の両面に、本発明の光制御部材4を配した、両面式の照明装置である。
また、本発明の表示装置上に透過型表示素子を設けることで画像表示装置を得ることができる。透過型表示素子の代表例として液晶パネルが挙げられる。画像表示装置とは照明装置と表示装置を組み合わせた表示モジュール、さらにはこの表示モジュールを用いたテレビ、パソコンモニターなどの少なくとも画像表示機能を有する機器のことをいう。
本発明の実施例の形態を以下に示す。
本実施例の照明装置の構成は図2の略図で示される。
まず、X方向の長さ458mm、Y方向の長さ730mm、X方向とY方向に垂直な厚さ方向の長さ35mmで、出射側にX方向の長さ698mm、Y方向の長さ416mmの矩形の開口部を持つ直方体状の白色のABS樹脂製のハウジングを用意する。
次に前記ハウジングの出射側の開口部に対向する位置にある底部を覆うように、発泡ペット樹脂からなる反射率95%の反射板5を配置する。
実施例および比較例では、溝状の平行な凹部を設けた金型を用いて、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体を射出成形して得られる、片面に凸部を有する主面サイズが695mm×412mmで厚さ2mmの樹脂板の凸部の表面に接着剤を薄く塗布し、厚さ0.5mmの発泡ペット樹脂を乗せて、加圧して貼り合わせることで、反射板5とする。凸部の形状は、幅1mm、頂角40度のプリズム状である。該反射板は凸部の長手方向がX軸に平行になるようにハウジングの底部に配置する。これによって該反射板5は集光手段16として機能する。この構成は図35の略図で示される。
次に前記反射板5の出射側に2mmの間隔をおいて、該反射板5と平行に線状光源3を配置する。線状光源3としては直径3mm、長さ700mmの複数の冷陰極管16本を22mmずつの間隔をおいてX方向に沿ってY方向に平行に配置する。
次に光制御部材4を前記線状光源3の出射側に14mmの間隔をおいて、該反射板5と主面が平行になるよう配置する。該光制御部材4のサイズはY方向の長さ707mm、X方向の長さ436mmで、X方向とY方向に垂直な厚さ方向の凸部6の高さを含まない厚み、すなわち該光制御部材4の入射面から出射面に形成した凸部6の底部までの厚みTは2mmである。
線状光源3の中心から光制御部材4までのHは15.5mm、隣接する線状光源3の中心同士の距離Dは25.0mmである。
光制御部材4は出射面側にストライプ状の凸状曲面からなる凸部6を複数有し、入射面側に前記ストライプ状の凸部6と平行なストライプ状の反射部7を複数有している。該光制御部材4は以下の製法Aまたは製法Bで作成する。
<製法A>
厚さuの透明な屈折率1.6のPETフィルム(商品名 0300E(ダイヤホイルヘキスト(株))の片面に屈折率1.55の紫外線硬化樹脂組成物(B−5H(日本化薬製))を塗布し、ピッチaで配列した略楕円弧状の溝が形成してある金型ロールの型面に塗布面を押し付け、その状態でPETフィルム側から紫外線を照射して硬化を行わせ、凸状曲面層をPETフィルムの片側に有する凸状曲面シートを得る。
該凸状曲面シートの凸状曲面がない方の面に、光硬化性の粘着材を均一に塗布し、平行光を凸状曲面側よりフィルム面に垂直に照射する。平行光の照射時間を制御することで、開口部8の広さを制御することができる。その後、粘着面に銀箔シートを貼り合わせた後、シートをはがすと、反射部7と開口部8ができる。前記光硬化した部分が開口部8になり、光硬化しなかった部分が反射部7になる。こうして、片面が凸状曲面でもう一方の面にストライプ状の反射部をもつ光制御部材4ができあがる。反射部7の全光線反射率は95%である。なお、この方法はCC’間のみに開口部8が存在する場合に適している。
<製法B>
形状の異なる2種類のロール金型を用いて押し出し成形を行い、両面に賦形された板状成形物を成形する。該ロール金型は断面がピッチaの略楕円弧形状配列の溝がロールの長手方向と垂直に複数配列する形状をもつものと、断面が略長方形状の溝が一定間隔でロールの長手方向と垂直に複数配列する形状をもつものであり、それぞれ切削加工により作製する。該板状成形物の材料(基材樹脂)としてはメタアクリル−スチレン共重合体を用いる。押し出し成形に際しては該板状成形物の両表面形状の位置関係を合わせるためロール金型の位置合わせを行い、ロール間隔は所望の板厚uに調整する。該板状成形物の両表面の形状と位置関係は、断面が楕円弧形状の平行な畝が複数配列する凸状曲面配列側と、断面が長方形状の凸部と凹部が平行なストライプ状に複数配列した平坦ストライプ配列側が表裏をなしており、板面を挟んで前記凸状曲面と前記凹部が1対1で対応して板状成形物の厚み方向と平行な位置関係で対向している。
さらに、該平坦ストライプ配列側の凸部に酸化チタン系白色顔料(石原産業株式会社製、タイペーク)をスクリーン印刷法で塗布し、乾燥することで、全光線反射率95%のストライプ状の反射部7を形成し、光制御部材4ができ上がる。図43として、製法Bによる実施例および比較例の光制御部材4の形状を示す。
光制御部材4の出射面側の凸部6の凸状曲面は該凸部6の長手方向と垂直な断面形状は、実施例6を除いてすべて、楕円である。
このうち実施例1、7、8、10〜13、比較例1〜3は同一の断面形状である。
また、実施例2〜5は同一の断面形状である。
実施例6については、金型の溝部の形状は、N=50、f(X)=cos2α、Xmin=−D、Xmax=Dとで定められる傾きΦとX方向の幅piとを持ち、各領域−N〜Nが昇順に並ぶような形状であり、全領域を、最小二乗法で曲線に近似している。近似に用いる点としては、凸部の両端部2点及び各領域の全ての接点(2N)点を用いる。
実施例8については、前記光制御部材4の製法Bの押し出し成形時に基材樹脂に光線方向変換材であるメタクリル酸メチル系重合体粒子(MBXR−8N:積水化成品工業(株)社製、数平均粒子径8μm、CV値25%)0.25質量%を混練してから押し出し成形する。法線方向より入射した光の43%が方向を変換する。また、開口部8より入射した光の89%が出射面に形成された凸部に到達する。
実施例9については、前記光制御部材4の製法Bの基材樹脂として屈折率1.58のメタアクリル−スチレン共重合体を用いる。他の製法Bで作成する実施例の基材樹脂は屈折率1.55のメタアクリル−スチレン共重合体を用いる。
本実施例および比較例においては、凸状曲面、開口部8および反射部7はすべてストライプ状で、すべて略平行である。さらに凸状曲面の断面形状は対称形であり、開口部8は断面内の線分CC’の中点Fを挟んで略対称形である。
上記AまたはBの製法で作製できる光制御部材7を707mm×436mmの寸法に切断し用いる。反射板5の2mm上に冷陰極管16本を25mm間隔で平行に配列し、さらにその14mm上に該光制御部材4を凸状曲面を上に向けて配置してなる光源直下方式の照明装置を評価する。すべての実施例および比較例において、光制御部材4の反射部7の反射率は90%である。
また、実施例10の照明装置は、集光手段16として、以下の方法にて作製したフィルムを備える。切削加工によって幅0.1mmの溝状の凹部を平行に連続して作製した金型を用いて形成する。屈折率1.55の紫外線硬化樹脂を前記金型の切削面に塗布し、その上にメタクリル酸メチル−スチレン共重合体である屈折率1.549の縦436mm、横707mm、厚さ0.1mmの透明樹脂フィルムを重ね、該透明樹脂フィルムの上から紫外線を照射して前記紫外線硬化樹脂を硬化させる。このフィルムを、実施例1の光制御部材4の上に、畝状凸部がX軸と平行になるように配置する。
比較例3は反射部7として、銀色塗料をスクリーン印刷して、全光線反射率60%の反射部7を配置した。
以下に、実施例および比較例の構成と、その評価結果を示す。
表中の評価は次の基準で示している。
輝度ムラについては、1)出射面上各点の出射光の正面方向の均一性、2)出射エネルギーの均一性、3)微細ムラの有無から下記に従って判断している。
1):正面輝度の均一性は正面輝度の最小値と最大値との比率で判断する。この比が95%以上の均一性が非常に高いものを3点、また90%〜95%の高いものを2点、それ以外を0点とする。
2):出射エネルギーの均一性は隣接する光源の中間点に対応する位置の出射面上の照度と、光源に対応する位置の出射面上の照度との比で判断する。該照度比が99%以上101%以下のものを2点、98以上99%未満または101%以上102%未満のものを1点、それ以外を0点とする。
3):微細ムラとは輝度の差が比較的少なく光源の配列とは相関しない細かいムラの有無を観察して判断する。微細ムラの無いものを1点、有るものを0点とする。
輝度ムラの評価は、これら3種の合計点が5点以上となるものを○、3点または4点のものを△、それ以外を×とする。通常、品位についての要求が特に高い用途、例えばテレビやモニターなどの画像表示用途においては輝度ムラが○のものがより好ましい。照明看板などの用途では△のものも好適に用いることができる。
角度ムラについては、観察角度の違いによって生じる輝度変化が正面を中心として漸減するのでなく、図9(b)に示すように中心から離れた角度で高い輝度を示す分布のものは×とし、それ以外を○とする。角度ムラは光の利用効率の観点から○であることが好ましいが、×であってもPCモニターや交通標識などほぼ正面方向からのみ観察する用途には用いることができるが、これらの用途では当然ながら正面輝度が高いことが特に要求される。
光利用効率は反射部および反射板の反射率、開口率から算定する。比較例1の構成は輝度ムラが激しく、照明装置として好ましくない。一方、比較例2の構成は輝度ムラがやや高く角度ムラもあり、かつ正面輝度も比較的低いため用途が非常に限定され、好ましくない。さらに、比較例1および3は光利用効率が低いため、好ましくない。
光源直下方式の照明装置の一実施態様の概略図である。 本発明の照明装置の一実施態様の概略図である。 本発明における光制御部材の作用を示す図である。 光源上と光源間での光源からの光のエネルギーの比較を示す概略図である。 光制御部材の反射部により反射した光が均一化して出射した光のエネルギー分布を示す概略図である。 光制御部材透過後の反射せずに直接出射した光のエネルギー分布を示す概略図である。 直接出射光と反射により拡散した光を足し合わせた全出射光のエネルギー分布を示す概略図である。 本発明の光制御部材の一態様を示す断面図において、点B、点B’を説明する概略図である。 (a)は全開口率40%で線分BB’間のみに開口部8が存在する場合の輝度角度分布であり、(b)は全開口率40%で線分BB’間以外の領域の33%が開口部8である場合の輝度角度分布である。 本発明の光制御部材の一態様を示す断面図において、点C、点C’を説明する概略図である。 点Oが反射部配置面の出射側にある場合の一態様を示す断面図である。 線分CC’の中央部付近を説明する図である。 (a)はt/Tが大きい場合の光線の進む様子であり、(b)はt/Tが小さい場合(t/T=0)の場合の光線の進む様子であり、(c)はt/Tが条件を満たしている場合の光線の進む様子である。 t/Tが大きい場合(t/T=0.85)と適当な場合(t/T=0.25)の輝度角度分布の比較である。 1本の線状光源からの光による正面方向への出光強度のX方向の分布の例を示す図である。 それぞれ、図15で示した照明装置のf(X)とそれに対応するg(X)を示す図である。 線状光源からの光の入射角度αと、凸部の領域iの斜面の傾きの角度Φiと領域iのX方向の幅aiとの関係を示す図である。 光制御部材への入射角度と入射強度の関係を説明する図である。 本発明の照明装置で光を正面に向ける原理を示す図である。 座標Xiの点における光源の直径を見込む角度Δαiを示す図である。 本発明に係る複数の光源間に位置する光制御部材に入射する光線の入射角度を説明する概略構成図である。 本発明に用いることのできる光制御部材の断面形状の一例を示す説明図である。 凸部の全領域の形状を曲線で近似した場合の光制御部材のX方向の断面形状の例を示す図である。 本発明に用いることのできる光制御部材の出射面における凸部の断面形状を説明する概略構成図である。 本発明に係る光制御部材に対し斜め方向に光が入射した場合の光線の進行状態を説明する概略構成図である。 本発明に係る光制御部材に対し垂直方向に光が入射した場合の光線の進行状態を説明する概略構成図である。 (a)は一般的な屈折率材料で作製した光制御部材に光が入射し、正面方向に出射する様子を示すずであり、。(b)は高屈折率材料で作製した光制御部材に、(a)と同じ角度から光が入射し、正面方向に出射する様子を示す図である。 集光手段を出射面側に配置した構造物を、光制御部材の出射面側に配置した場合の構成図である。 図28において、集光手段が出射側表面がランダムな凹凸を有する構造物である場合の構成図である。 集光手段を出射面側に配置した板状構造物を、光制御部材の入射面側に配置した場合の構成図である。 集光手段を入射面側に配置した板状構造物を、光制御部材の入射面側に配置した場合の構成図である。 集光手段を入射面側に配置した構造物を、光制御部材の出射面側に配置した場合の構成図である。 集光手段と光制御部材の凸部とを同じ板状構造物の入射面と出射面にそれぞれ形成した場合の構成図である。 集光手段と光制御部材の凸部とを同じ板状構造物の出射面に形成した場合の構成図である。 反射板に凹凸を設ける態様による本発明の構成例を示す図である。 集光手段が出射面側または入射面側にある場合の、集光手段の作用をそれぞれ説明する図である。 反射板に突起を備えた本発明の照明装置の好適な例の概略図である。 線状光源と光制御部材との間に突起を設けた場合の光線の進行方向を説明する模式図である。 実施例及び比較例に係る突起の形状を示す図である。 本発明の照明装置の別の実施態様を示す概略図である。 本発明の光制御部材を用いた照明装置の構成例である。 本発明の光制御部材を用いた照明装置の別の構成例である。 実施例1の光制御部材の形状を示す概略図である。 本発明に係る光制御部材の全光線透過率の角度依存性を測定する装置の概略構成図である。
符号の説明
1 光源、2 点状光源、3 線状光源、4 光制御部材、5 反射板
6 凸部、7 反射部、8 開口部、9 反射部配置面、10 入射面、11 支持板
12 入射光、13 出射光、14 反射光
15 曲面部、16 集光手段、17 突起

Claims (16)

  1. X軸と、X軸に垂直なY軸とに平行な辺からなる矩形状の出射面を持ち、反射板と、複数の光源と、板状の光制御部材とを備え、
    前記反射板は前記X軸およびY軸に平行なXY平面と平行に配置しており、
    前記XY平面に垂直なZ軸の出射側を正面方向としたとき、
    前記光源は前記反射板の正面方向側の前記XY平面に平行な1つの仮想平面内に配置しており、
    前記光制御部材は前記配列した光源の正面方向側に配置し、
    かつ、該光制御部材の主面は光源が配列している前記仮想平面と平行であり、
    該光制御部材の主面は、光源に対向し該光源からの光を受光する入射面と前記入射面に受光した光を出射する出射面とからなり、前記入射面に一致するまたは光制御部材内部に該入射面と平行に位置する反射部配置面を備え、
    前記出射面は表面に凸部を周期的に複数形成している照明装置であって、
    前記反射部配置面が反射部と開口部とからなり、該開口部の面積割合が反射部配置面の20%〜80%であり、
    該開口部は該凸部と対向しており、
    反射部配置面に位置する反射部の全光線反射率が80%以上であることを特徴とする照明装置。
  2. X軸と、X軸に垂直なY軸とに平行な辺からなる矩形状の出射面を持ち、反射板と、複数の光源と、板状の光制御部材とを備え、
    前記反射板は前記X軸およびY軸に平行なXY平面と平行に配置しており、
    前記XY平面に垂直なZ軸の出射側を正面方向としたとき、
    前記光源は線状光源であり、該線状光源は前記反射板の正面方向側の前記XY平面に平行な1つの仮想平面内に配置しており、
    かつ、該線状光源は長手方向がY軸に平行に配置しており、
    かつ、X軸に沿って等間隔に配列しており、
    前記光制御部材は前記配列した線状光源の正面方向側に配置し、
    かつ、該光制御部材の主面は線状光源が配列している前記仮想平面と平行であり、
    該光制御部材の主面は、線状光源に対向し該線状光源からの光を受光する入射面と前記入射面に受光した光を出射する出射面とからなり、前記入射面に一致するまたは光制御部材内部に該入射面と平行に位置する反射部配置面を備え、
    前記出射面は表面に畝状の凸部を複数形成しており、
    該凸部は頂部にあたる畝状の稜線がY軸に平行に形成されており、かつ、X軸に沿って配列している照明装置であって、
    前記反射部配置面が反射部と開口部とからなり、該開口部の面積割合が反射部配置面の20%〜80%であり、
    該開口部は該凸部と対向しており、
    反射部配置面に位置する反射部の全光線反射率が80%以上であることを特徴とする照明装置。
  3. 請求項2に記載の照明装置であって、前記光制御部材の屈折率をnとし、X軸とZ軸とに平行なXZ平面に切った切り口である断面内における、前記凸部の輪郭線の変曲点である両端をそれぞれA,A’とし、∠ABB’および∠AB’Bがπ/2+Sin−1(1/n)の角度を成す前記反射部配置面上の点をそれぞれ点B,B’としたとき、線分ABと線分A’B’とが交点を持たず、線分BB’の長さをb、線分BB’間を開口部が占める長さの総計をeとすると、比e/bが0.8≦e/b≦1であることを特徴とする照明装置。
  4. 請求項2または3に記載の照明装置であって、前記XZ平面と平行な断面内で、前記点A,点A’を接点とする凸部輪郭線の接線と反射部配置面とがなす鋭角をそれぞれσ、σ’、該断面内の反射部配置面と∠ACC’=(π/2+σ−Sin−1((1/n)×sinσ))、A’C’C=(π/2+σ’−Sin−1((1/n)×sinσ))の角度を成す反射部配置面上の点をそれぞれ点C,点C’としたとき、直線ACと直線A’C’との交点Oが反射部配置面の光源側に位置し、該断面の凸部頂部をE、線分OEと前記反射部配置面との交点を点Fとしたとき、線分OFの長さtと線分OEの長さTの比t/Tが0<t/T<0.65であることを特徴とする照明装置。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の照明装置であって、前記光制御部材の屈折率をnとし、Y軸とZ軸とに平行なXZ平面と平行に切った切り口である断面内における、前記凸部の輪郭線の変曲点である両端をそれぞれA,A’とし、∠ABB’および∠AB’Bがπ/2+Sin−1(1/n)の角度を成す前記反射部配置面上の点をそれぞれ点B,B’としたとき、線分ABと線分A’B’とが交点を持たず、該断面内の開口部の長さの総計をd、線分BB’間を開口部が占める長さの総計をeとすると、比e/dが0.5以上であることを特徴とする照明装置。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の照明装置であって、前記XZ平面と平行な断面内で、前記点A,点A’を接点とする凸部輪郭線の接線と反射部配置面とがなす鋭角をそれぞれσ、σ’、該断面内の反射部配置面と∠ACC’=(π/2+σ−Sin−1((1/n)×sinσ))、∠A’C’C=(π/2+σ’−Sin−1((1/n)×sinσ))の角度を成す反射部配置面上の点をそれぞれ点C,点C’とし、直線ACと直線A’C’との交点Oが反射部配置面の光源側に位置するとき、線分CC’の長さをc、線分CC’間を開口部が占める長さの総計をfとすると、比f/cが0.3≦f/c≦0.9の範囲であり、開口部が線分CC’の中央部付近に位置することを特徴とする照明装置。
  7. 請求項2〜6のいずれかに記載の照明装置であって、前記点A,点A’を接点とする凸部輪郭線の接線と反射部配置面とがなす鋭角をそれぞれσ、σ’、該断面内の反射部配置面と∠ACC’=(π/2+σ−Sin−1((1/n)×sinσ))、∠A’C’C=(π/2+σ’−Sin−1((1/n)×sinσ))の角度を成す反射部配置面上の点をそれぞれ点C,点C’とし、直線ACと直線A’C’との交点Oが反射部配置面の光源側に位置するとき、線分CC’間の長さcと線分AA’間の長さaの比c/aが、0.6以下であることを特徴とする照明装置。
  8. 請求項2〜7のいずれかに記載の照明装置であって、隣接する前記線状光源の中心間の距離をD、任意の前記線状光源の中心と前記光制御部材との距離をH、該線状光源から光制御部材に入光した光の、X軸方向の位置座標X(光源位置をX=0とする)における出射面の法線方向への出光強度を表した関数をf(X)とし、
    g(X)=f(X−D)+f(X)+f(X+D) (1)
    としたとき、
    −D/2≦X≦D/2の範囲で、
    g(X)の最小値であるg(X)minと最大値であるg(X)maxの比g(X)min/g(X)maxが0.6以上であり、
    Xの最小値Xminが−3.0D≦Xmin≦−0.5Dの範囲であり、最大値Xmaxが0.5D≦Xmax≦3.0Dの範囲であり(XminおよびXmaxは、f(X)の値がX=0である線状光源付近を中心に減衰していき、実質0になるときの両端の座標)、
    X軸とZ軸とに平行なXZ平面と平行に切った任意の凸部の断面形状が、下記の式で表される(2N+1)個の傾きの異なる領域−N〜Nからなることを特徴とする照明装置。
    δ=(Xmax−Xmin)/(2N+1) (2)
    i=i×δ (3)
    αi=Tan-1(Xi/H) (4)
    βi=Sin−1((1/n)sinαi) (5)
    γi=Sin−1((1/n2)sinαi) (6)
    i∝f(Xi+T・tanγi)・cosΦi・cosβi/cosαi/cos(Φi−βi) (7)
    Φi=Tan−1((n・sinβi)/(n・cosβi−1)) (8)
    N:自然数
    i:−NからNの整数
    n:光制御部材の凸部の屈折率
    2:光制御部材の基材の屈折率
    i:領域iのX軸方向の幅
    Φi:領域iの出射面に対する斜面の傾き
    T:光制御部材の入射面から凸部の底部までの厚み
  9. 請求項2〜8のいずれかに記載の照明装置であって、隣接する前記線状光源の中心間の距離をD、任意の前記線状光源の中心と前記光制御部材との距離をHとしたとき、
    前記入射面上の任意の点に前記XZ平面に平行かつ該入射面の法線方向に対してψ=Tan−1{(D/2)/H}の角度で入射した光の全光線透過率が、前記入射面上の点に法線から光が入射した場合の光の全光線透過率の、0.9倍〜3倍であることを特徴とする照明装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の照明装置であって、前記光制御部材は前記光源からの光の方向を変換するための光線方向変換部を備え、該光線方向変換部は入射面に法線方向から入射した光の80%乃至10%の光の方向を変換させるとともに、前記光源から前記開口部に入射した光の80%以上が前記光線方向変換部を通過して、前記出射面に形成した凸部に到達することを特徴とする照明装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の照明装置であって、前記光制御部材の凸部が屈折率が1.58以上の材料からなることを特徴とする照明装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の照明装置であって、受光した光を屈折させて光のY軸方向の分散を集光して出射面に透過させる、光線方向制御手段を備えることを特徴とする照明装置。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の照明装置であって、前記反射板には前記光制御部材と接して光制御部材を保持する突起が配置されており、前記突起が光透過性材料からなり、突起の水平断面が円形形状であって、光制御部材と接する突起先端部の直径が1mm以下であることを特徴とする照明装置。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の照明装置であって、反射部配置面に位置する反射部の全光線反射率が90%以上であることを特徴とする照明装置。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の照明装置が備える光制御部材。
  16. 請求項1〜14のいずれかに記載の照明装置上に透過型表示素子を設けた表示装置。
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