以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係るテレビゲーム装置の概観を示す正面図である。図2は、同テレビゲーム装置の概観を示す右側面図である。
テレビゲーム装置1は、携帯型ビデオゲーム機であり、ゲームプログラム及びゲームデータが記録された専用の可搬型記録メディア(以下、「ゲームメディア」という。)から当該ゲームプログラム及びゲームデータを装置内のメモリ(RAM)に読み込み、CPU(Central Processing Unit)によってゲームプログラムを実行させることにより遊技者がゲーム内容を楽しむことができるものである。
本実施形態は、携帯型ビデオゲーム機であるが、本発明は家庭用のテレビゲーム機やアーケードゲーム機などの他の種類のゲーム機にも適用することができる。なお、以下の説明では、ゲーム内容として対戦型ゲーム(メインキャラクタと敵キャラクタとが格闘したり、戦闘したりするゲーム)を例に説明する。
テレビゲーム装置1は、横長長方形の薄型直方体からなる下側本体2と、この下側本体2の上面の上辺部に一対のヒンジ2a,2bにより開閉可能に取り付けられた上側本体3とで構成された折畳み可能な携帯型テレビゲーム装置である。上側本体3は接続部2cにより下側本体2と電気的に接続されている。
下側本体2の上面の中央には第1のディスプレイ4が設けられている。このディスプレイ4の左側には電源ボタン8と十字キー7とが上下に配置されている。また、ディスプレイ4の右側には2個のボタンからなる操作ボタン11と4個のボタンからなる操作ボタン10とが上下に配置されている。また、下側本体2の下側縁の適所(図1では、第1のディスプレイ4の右下に位置する箇所)には電源のオン/オフ状態を示すための表示灯9が配置されている。さらに下側本体2の上側の長辺に沿う側面に記録メディアを装着するためのメディア装着部13が設けられている。
一方、上側本体3の下面(閉じた状態で下側本体2の上面に対向する面)の中央には第2のディスプレイ5が設けられ、このディスプレイ5の両側にそれぞれスピーカ12A,12Bが配置されている。2つのスピーカ12A,12Bは効果音をステレオ出力するためのものである。
電源ボタン8は、テレビゲーム装置1内の回路に電源を供給してテレビゲーム装置1を起動させる操作ボタンで、電源がオンになると、表示灯9が点灯する。十字キー7は、例えばゲーム開始前若しくはゲーム進行中にメニュー画面や選択画面が表示された場合に項目を選択したり、ゲーム進行中に遊技者の操作対象となるメインキャラクタに移動動作を指令したりするための操作キーとして使用されるものである。
操作ボタン10は、主としてゲーム進行中に敵キャラクタに対してメインキャラクタに攻撃動作をさせる、敵キャラクタからの攻撃に対して防御動作をさせる、アイテムの探索動作をさせるなどの種々の動作指令をするための操作部材として使用されるものである。また、操作ボタン11は、ゲームの開始を指令したり、メニュー画面や選択画面の表示を指令したりするための操作部材として使用されるものである。
第1のディスプレイ4及び第2のディスプレイ5は、ゲームのタイトル画像、メニュー画像、ゲームの進行画像などの各種の画像を表示するものである。第1,第2のディスプレイ4,5は、例えば半透過型カラー液晶ディスプレイで構成され、略同一の表示サイズを有している。
本実施形態に係るテレビゲーム装置1は、後述するようにゲームの進行画像としてメインキャラクタをその後方の所定の視点から透視投影して得られる二次元画像からなる3D画像を生成する機能を有しており、第1のディスプレイ4と第2のディスプレイ5にはそれぞれ視点の異なる3D画像が表示されるようになっている。
すなわち、図3に示すように、メインキャラクタAに対して後方の所定の位置P1(メインキャラクタAから距離D1だけ後方で高さH1の位置)に第1の仮想カメラC1を配置し、この仮想カメラC1でメインキャラクタA側を撮影して得られる二次元画像GA(図4(a)参照)が三次元アニメーションの各コマの画像として生成され、第1のディスプレイ4に表示される。また、所定の位置P1と異なる位置P2(本実施形態ではP1よりも前側の位置で、メインキャラクタAから距離D2(<D1)だけ後方で高さH2(<H1)の位置)に第2の仮想カメラC2を配置し、この仮想カメラC2でメインキャラクタA側を撮影して得られる二次元画像GB(図4(b)参照)が三次元アニメーションの各コマの画像として生成され、第2のディスプレイ5に表示される。
図4に示すように、第1のディスプレイ4(以下、必要に応じて「下側画面4」という。)に表示される画像を標準的な視野の画像とすると、第2のディスプレイ5(以下、必要に応じて「上側画面5」という。)には下側画面4よりもメインキャラクタAに近接し、メインキャラクタAと対戦相手の物体B(以下、「敵キャラクタ」という。)との対戦状況を大きくした画像(ズームアップした画像)が表示される。
なお、図4に示す画像GA,GBは、実際に仮想カメラC1,C2でメインキャラクタA側を撮影したときに得られる撮影画像をシミュレーションしたものではなく、仮想カメラC1,C2の位置からメインキャラクタA側に視線を伸ばし、その視線が仮想カメラC1,C2とメインキャラクタAとの間に仮想的に配置されたスクリーンSと交差する位置にメインキャラクタAや敵キャラクタBやビルE1,E2や背景の山Mなどの他の物体を描画したもの(透視投影法による二次元画像)である。
また、以下に例示する対戦型ゲームの表示画像は、図3や図4に示すような奥行きの深い3D画像ではなく、舞台の背面に背景画を描いて前面で役者が芝居を行うような奥行きの浅い3D画像である。すわなち、第1,第2のディスプレイ4,5の表示画面には、立体的に見える背景画に対して前側にメインキャラクタと敵キャラクタを横並びに配置し、これらのキャラクタを透視投影法によって作成した3D画像が表示される。そして、遊技者はメインキャラクタAを奥行き方向には移動させることはできず、メインキャラクタAを左右方向及び上下方向に移動させてゲームを進行させるようになっている。
従って、遊技者は下側画面4を見ながら、必要に応じて上側画面5を見ることにより状況を適宜判断し、その判断結果に基づいて操作ボタン10によりメインキャラクタAの動作を制御することよりゲームを進行させることができるようになっている。
第1のディスプレイ4の表示画面には透明のタッチパネル6が設けられている。このタッチパネル6は、パネル面に多数の微小コンデンサ若しくは微小抵抗が格子状に配置されたもので、パネル面を直接手で触れたり、専用のタッチペンで触れたりして接触位置の微小コンデンサ若しくは微小抵抗を変化させ、その変化情報から第1のディスプレイ4の表示画面上のタッチ位置を検出してCPUに入力するための入力装置である。
十字キー7及び操作ボタン10は、主として遊技者が仮想空間内のゲーム環境に存在するメインキャラクタAの動作を制御するための操作部材として使用されるのに対し、タッチパネル6は、以下に説明するように、ゲーム進行中にメインキャラクタAを支援するために遊技者が対戦場の状況を変化させるための操作部材として使用される。
遊技者が操作ボタン10を操作してメインキャラクタAの動作を制御しながらゲームを進行させる遊び方は、基本的に仮想空間内に設けられた対戦場に主人公である第1の物体(メインキャラクタA)と対戦相手となる第2の物体(敵キャラクタB)とを配置し、遊技者がメインキャラクタAの動作を遠隔制御するとともに、コンピュータ(2人プレイタイプでは他の遊技者)が敵キャラクタBの動作を遠隔制御することによって対戦状況を進行させるものである。
この場合の対戦当事者はあくまでも対戦場に存在するメインキャラクタAと敵キャラクタBであり、両キャラクタA,Bの対戦状況は対戦場に仮想的に設けられた障害物(対戦場が市街地であれば、市街地を構成するビルや草木などの物体)や仮想的に設定された条件(例えば両キャラクタA,Bの移動を強制的に規制したり、所定のアイテムを所得することによりメインキャラクタAの移動を許可したりするなどのゲームルール)によって制約を受けるものであり、遊技者は下側画面4と上側画面5とによってゲームの進行状況を観察してはいるものの遊技者が直接対戦状況に関与することはない。
すなわち、遊技者は十字キー7又は操作ボタン10を操作している限り、メインキャラクタAを介して仮想空間における対戦場で敵キャラクタBとの対戦を疑似的に体験するだけであり、下側画面4と上側画面5は遊技者がその疑似体験を視覚的に体験するために仮想空間における対戦状況を覗くための窓に過ぎないといえる。
タッチパネル6は、このようなゲーム進行に対して、仮想的に設定された条件を遊技者自身により変更可能にするものであり、これにより敵キャラクタBとの対戦において、遊技者が操作するメインキャラクタAを支援するものである。より具体的には、後述するように、遊技者はタッチパネル6を所定の方向に触れることによって下側画面4を上下若しくは左右に分割したり、下側画面4の表示画像と上側画面5の表示画像とを入れ替えたりすることができる。
さらに、下側画面4を分割したり、下側画面4の表示画像と上側画面5の表示画像とを入れ替えたりするだけでは単に対戦状況を覗く窓の形状や窓の配置を変更したに過ぎないものとなるが、本実施形態に係るテレビゲーム装置1は、例えば下側画面4を縦分割した状態ではメインキャラクタAの敵キャラクタBに対する攻撃力などのゲーム効果を、下側画面4を分割していない状態のゲーム効果よりも増大するように変化させたり、例えば下側画面4を横分割した状態では分割により対戦場を構成する物体(例えば水道管やガス管など)が分断されたときにその分断の効果をゲーム効果に反映したりすることができるようになっている。
また、下側画面4の表示画像と上側画面5の表示画像とを入れ替えた状態では、例えば、入れ替え後に下側画面4に表示されている対戦場を構成する特定のオブジェクト、例えば水道管のハンドルの画像に対して遊技者がタッチパネル6を回転するように触れると、その回転操作をゲーム進行に反映させ、下側画面4において水道管から水を噴出させることができるようになっている。
すなわち、タッチパネル6は、遊技者自身がゲーム進行に参加するための操作部材となっており、特に下側画面4に表示される画像(分割画像若しくは上下入替画像)が特定の条件を満足する画像になると、その画像に対応する所定の特殊なゲーム効果(以下、「特殊効果」という。)を発生させる操作部材となっている点で本実施形態に係るテレビゲーム装置1の特徴的な構成となっている。なお、タッチパネル6の操作とその操作に基づく特殊効果の詳細は後述する。
図5は、本発明に係るテレビゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
テレビゲーム装置1は、CPU21、描画データ生成プロセッサ22、RAM(Random Access Memory)23、ROM(Read Only Memory)24、描画処理プロセッサ25、VRAM(Video-RAM)26、D/A(Digital-Analog)コンバータ27、表示部28、表示部29、音声処理プロセッサ30、アンプ31、スピーカ32、入力信号処理部33、タッチ操作部34、操作部35、ドライバ36及びバス37を含んでいる。
なお、表示部28は図1の第1のディスプレイ4に対応し、表示部29は図1の第2のディスプレイ5に対応し、スピーカ32は図1のスピーカ12A,12Bに対応している。また、タッチ操作部34は図1のタッチパネル6に対応し、操作部35は図1の十字キー7、電源ボタン8及び操作ボタン10,11に対応している。
テレビゲーム装置1では、ゲームプログラム及びゲームデータ(キャラクタや背景の画像データ、ステータスなどの情報表示用の画像データ、効果音やBGMなどの音声データ、文字や記号によるメッセージデータなど)が記録されたゲームメディア38をメディア装着部13に装着し、ドライバ36によってゲームメディア38内のゲームプログラム及びゲームデータをRAM23に読み込み、CPU21によってゲームプログラムを実行することによりゲーム内容を楽しむことができる。
遊技者は本体2のタッチパネル6、十字キー7及び操作ボタン10の操作部材を操作することによりゲームを進行させることができる。
CPU21、描画データ生成プロセッサ22、RAM23、ROM24、描画処理プロセッサ25、音声処理プロセッサ30及びドライバ36はバス37によって相互にデータ伝送可能に接続されている。
CPU21は、上記のようにドライバ36によってゲームメディア38からRAM23に読み込まれるゲームプログラムを実行することより、ゲーム進行を統括的に制御する。より具体的には、タッチ操作部34や操作部35から遊技者の操作信号が入力されると、CPU21は、ゲームプログラムに従ってその操作信号に対する所定のゲーム進行処理を行い、その処理結果を表示部28と表示部29に3D画像によって表示するとともに、スピーカ32から効果音によって出力する。
表示部28,29に表示するための3D画像の描画処理は、主として描画処理プロセッサ25によって行われる。CPU21は、タッチ操作部34及び操作部35からの遊技者の操作信号に基づき、表示部28,29に表示すべき3D画像の内容を決定し、その内容に対して必要な描画データを描画データ生成プロセッサ22に生成させ、その描画データを描画処理プロセッサ25に転送して描画処理を行わせる。
また、CPU21は、スピーカ32から出力すべき効果音若しくはBGMの音響内容を決定し、音声処理プロセッサ30にその音響内容に対した音声データを生成させ、その音声データをスピーカ32から出力させる。
描画データ生成プロセッサ22は、描画処理に必要な各種の演算処理を行うものである。CPU21は、表示部28,29に表示すべき画像を決定し、その画像の描画に必要な画像データ(背景、メインキャラクタ及び敵キャラクタのポリゴンデータ、テクスチャデータ、光源データなど)をRAM23から読み出して描画データ生成プロセッサ22に供給する。また、CPU21は、タッチ操作部34又は操作部35から入力される操作情報を描画データ生成プロセッサ22に供給する。
描画データ生成プロセッサ22は、CPU21から供給される画像データと操作情報に基づいて、描画に必要なデータ(透視投影における仮想カメラ、メインキャラクタ、敵キャラクタ及び背景の位置関係、スクリーン画面(モニタの画面に相当)上におけるメインキャラクタ、敵キャラクタ及び背景を構成するポリゴンの座標、各ポリゴンに対応するテクスチャ、各ポリゴンの反射特性などのデータ)を演算し、その演算結果を描画処理プロセッサ25に供給する。
RAM23は、ドライバ36によってゲームメディア38から読み込まれたゲームプログラム及びゲームデータを格納するエリアと、CPU21がゲームプログラムを処理するためのワークエリアを提供するものである。RAM23には、ゲームの進行に応じて必要なゲームプログラムとゲームデータとがゲームメディア38から読み込まれて記憶される。
ゲームプログラムには、CPU21に実行させるための処理手順や各種命令等が記述されており、その中には、タッチ操作部34又は操作部35からの操作信号に応じてゲーム画面や音声等を制御するための内容が含まれている。ゲームデータには、例えばメインキャラクタ、敵キャラクタ、その他のオブジェクト及び背景を構成するポリゴンデータとテクスチャデータが含まれ、BGMや各種の効果音として用いられる音声データも含まれている。
本実施形態では、ゲームメディア38に記憶されたゲームプログラムは、例えば遊技者がタッチ操作部34又は操作部35を操作することによって動作が制御されるメインキャラクタと他の遊技者若しくはコンピュータによって動作が制御される複数の敵キャラクタとを対戦させるアクションゲームである。より具体的には、このアクションゲームは、例えば市街地などのシチュエーションを対戦場とし、メインキャラクタが敵キャラクタを直接打撃したり、対戦場を構成する水道管、ガス管、電線、梯子、照明灯などの各種のオブジェトを壊すことにより間接的に敵キャラクタを攻撃したりして複数の敵キャラクタと対戦し、より強い敵キャラクタを倒していくことを目的としたものである。
ROM24には、ディスクローディング機能などのテレビゲーム装置1の基本的機能やゲームメディア38に記憶されたゲームプログラム及びゲームデータを読み出す手順などを示す基本プログラムが記憶されている。CPU21は、メディア装着部13にゲームメディア38が装着されると、ROM24の基本プログラムグラムに従ってドライバ36を動作させ、ゲームメディア38からゲームプログラム及びゲームデータをRAM23に読み込み、ゲーム開始状態に設定する。
描画処理プロセッサ25は、3D画像の各コマの画像(透視投影法による二次元画像)を生成し、表示部28及び表示部29に表示させるものである。描画処理プロセッサ25は、CPU21からの描画指令に基づき、描画データ生成プロセッサ22から供給されるデータを用いて表示部28及び表示部29に表示させる各コマの二次元画像を作成する。描画処理プロセッサ25には各コマの二次元画像の作成作業をするためのVRAM26が接続されている。
VRAM26には、表示部28,29に表示される各コマの二次元画像のデータを格納するためのバッファ領域(以下、「スクリーンバッファ」という。)が2個設けられている。スクリーンバッファ26A,26Bは同一のメモリ構造及びメモリ容量を有している。また、図示はしていないが、VRAM26はスクリーンバッファ26A,26Bに表示用の画像を作成するための作業領域を有している。
VRAM26に2個のスクリーンバッファ26A,26Bを設けるのは、1個のディスプレイ、例えば第1のディスプレイ4に3D画像を表示させるような通常の描画処理の場合、一方のスクリーンバッファ26Aを用いて第1のディスプレイ4への表示処理を行っている間に、作業領域を用いて他方のスクリーンバッファ26Bに次のコマの画像データを生成し、この処理をスクリーンバッファ26Aとスクリーンバッファ26Bとの間で交互に行うことにより、第1のディスプレイ4への1/60秒毎の各コマの描画処理をスムーズに行うためである。
D/Aコンバータ27は、スクリーンバッファ26から出力される画像データをアナログ信号に変換して表示部28,29に出力するものである。D/Aコンバータ27にはスクリーンバッファ26Aからの画像データとスクリーンバッファ26Bからの画像データを切り換えるスイッチ回路が設けられ、このスイッチ回路の切り換えは描画処理プロセッサ25によって制御される。
すなわち、描画処理プロセッサ25は、メイン3D画像のみを、例えば表示部28(第1のディスプレイ4)のみに表示させる場合は、スクリーンバッファ26A又はスクリーンバッファ26Bのうち、表示部28に表示すべきメイン3D画像の各コマの二次元画像GAが作成されたスクリーンバッファが表示部28に接続されるように1/60秒毎にスイッチ回路内の接続を切り換える。例えばスクリーンバッファ26Aに現在のコマの二次元画像GAが既に作成され、スクリーンバッファ26Bに次のコマの二次元画像GAが作成中のときは、描画処理プロセッサ25は、D/Aコンバータ27のスイッチ回路をスクリーンバッファ26Aが表示部28に接続されるように切り換え、スクリーンバッファ26Bに次のコマの二次元画像GAが作成されると、D/Aコンバータ27のスイッチ回路をスクリーンバッファ26Bが表示部28に接続されるように切り換える。
本実施形態では、上述のように第1,第2のディスプレイ4,5(表示部28,29)を同時に用いてゲームの進行を表示させる。この場合は、第1のカメラ位置P1における透視投影法の二次元画像GAからなる3D画像(以下、「メイン3D(Dimension)画像」という。)と第2のカメラ位置P2における透視投影法の二次元画像GBからなる3D画像(以下、「サブ3D画像」という。)を同時にそれぞれ第1のディスプレイ4(表示部28)と第2のディスプレイ5(表示部29)とに表示させるため、スクリーンバッファ26Aを二次元画像GAの作成用に割り当て、スクリーンバッファ26Bを二次元画像GBの作成用に割り当てて二次元画像GAと二次元画像GBをそれぞれ1/30秒毎に作成するようにしている。
すなわち、描画処理プロセッサ25は、第1のカメラ位置P1における透視投影法の二次元画像GAのデータと第2のカメラ位置P2における透視投影法の二次元画像GBのデータとを1/60秒毎に交互に生成する。従って、スクリーンバッファ26Aには第1のカメラ位置P1から作成されるメイン3D画像の各コマの二次元画像GA(図4(a)参照)が1/30秒毎に作成され、スクリーンバッファ26Bには第2のカメラ位置P2から作成されるサブ3D画像の各コマの二次元画像GB(図4(b)参照)が1/30秒毎に作成される。
そして、描画処理プロセッサ25は、スクリーンバッファ26Aにメイン3D画像を構成する二次元画像GAが作成され、スクリーンバッファ26Bにサブ3D画像を構成する二次元画像GBが作成中のときは、D/Aコンバータ27のスイッチ回路をスクリーンバッファ26Aが表示部28に接続されるように切り換え、スクリーンバッファ26Bにサブ3D画像を構成する二次元画像GBが作成されると、D/Aコンバータ27のスイッチ回路をスクリーンバッファ26Bが表示部29に接続されるように切り換える。すなわち、描画処理プロセッサ25は、スクリーンバッファ26Aにメイン3D画像を構成する二次元画像GAが作成される毎にその二次元画像GAが表示部28に出力され、スクリーンバッファ26Bにサブ3D画像を構成する二次元画像GBが作成される毎にその二次元画像GBが表示部29に出力されるように、D/Aコンバータ27のスイッチ回路の接続を1/60秒毎に切り換える。
なお、表示部28(第1のディスプレイ4)の画面が分割され、画面内の一方の分割領域にメイン3D画像を表示させ、他方の分割領域にサブ3D画像を表示させる場合は、描画処理プロセッサ25は、上述のメイン3D画像のみを表示部28に表示させる場合と同様にスイッチ回路内の接続を切り換える。この場合、描画処理プロセッサ25は、メイン3D画像の各コマの二次元画像GAを、例えばスクリーンバッファ26A内の一方の分割領域に相当する一部領域に作成させ、サブ3D画像の各コマの二次元画像GBを、例えばスクリーンバッファ26B内の他方の分割領域に相当する一部領域に作成させる。
従って、表示部28には、例えば図6に示すように、メイン3D画像の各コマの二次元画像GAとサブ3D画像の各コマの二次元画像GBが1/60秒毎に交互に表示される。図6は、表示部28の画面を上下に分割し、下側領域にメイン3D画像の各コマの二次元画像GAを表示し、上側領域にサブ3D画像の各コマの二次元画像GBを表示する場合の例であるが、具体的には、描画処理プロセッサ25が作成するコマNo.(k−2),k,(k+2),…ではサブ3D画像の各コマの二次元画像GBがスクリーンバッファ26Bの上半分の領域に作成され、コマNo.(k−1),(k+1),…ではメイン3D画像の各コマの二次元画像GAがスクリーンバッファ26Aの下半分の領域に作成される様子を示している。
図6の例では、メイン3D画像の各コマの二次元画像GAとサブ3D画像の各コマの二次元画像GBが交互に表示部28に表示されることになるが、表示部28の上側領域では1/30秒の周期でサブ3D画像の各コマの二次元画像GBが表示され、下側領域では1/30秒の周期でメイン3D画像の各コマの二次元画像GAが表示されることになるので、表示部28は、図7に示すように、実質的に表示部28の上側領域にサブ3D画像が表示され、下側領域にメイン3D画像が表示されることになる。
表示部28の画面を左右に分割し、左側領域にメイン3D画像の各コマの二次元画像GAを表示し、右側領域にサブ3D画像の各コマの二次元画像GBを表示する場合も同様の描画処理が行われ、表示部28の左側領域にメイン3D画像が表示され、右側領域にサブ3D画像が表示される。
図5に戻り、音声処理プロセッサ30は、CPU21からの音声指令に基づき、RAM23から効果音もしくはBGMの音声データを読み出し、所要の加工処理とD/A変換処理をした後、アンプ31に出力する。アンプ31は、音声処理プロセッサ30から入力される音声信号を所定の増幅度で増幅した後、スピーカ32に出力する。
入力信号処理部33は、タッチ操作部34から入力されるタッチ情報(センサである抵抗やコンデンサの変化情報)に基づいてパネル面(第1のディスプレイ4の表示画面)におけるタッチ位置を算出し、その算出結果をCPU21に入力する。
パネル面には、図8(a)に示すように、左上隅を原点Oとして下方向にy軸、右方向にx軸が設定されており、パネル面に設けられた多数の微小抵抗又は微小コンデンサなどのセンサにはセンサ位置(x,y)が定義されている。例えば遊技者がタッチパネル6のP点の部分を指で触れた場合、同図(b)に示すように、接触領域には複数のセンサStが含まれ、これらのセンサStから接触があったことを示す信号が入力信号処理部33に入力される。
入力信号処理部33は、入力信号から接触のあったセンサStの各座標(x,y)を算出し、これらの座標から接触領域の中心位置を算出し、その算出結果を接触位置の情報としてCPU21に入力する。例えば接触あった領域のx軸方向の範囲がx(i)〜x(i+n)で、y軸方向の範囲がy(j)〜x(j+m)である場合、入力信号処理部33は、(x(i)+x(i+n))/n、(y(j)+y(j+m))/mを接触位置Pの座標としてCPU21に入力する。
次に、ゲーム進行におけるタッチパネル6の操作とその操作によるゲーム効果について図9〜図19を用いて説明する。
本実施形態に係るテレビゲーム装置1では、通常は第1のディスプレイ4にメイン3D画像を表示させ、第2のディスプレイ5にサブ3D画像を表示させた状態でゲームが進行される。遊技者は十字キー7又は操作ボタン10を操作することによりメインキャラクタAを移動させたり、敵キャラクタBに攻撃をしたり、敵キャラクタBからの攻撃を防御したりすることができる。遊技者がメインキャラクタAを移動させた場合は、仮想空間内の対戦場におけるメインキャラクタAの移動に応じてメイン3D画像の仮想カメラC1とサブ3D画像の仮想カメラC2もゲームプログラムによって自動的に移動し、メインキャラクタAを追跡するようなメイン3D画像とサブ3D画像がそれぞれ第1のディスプレイ4と第2のディスプレイ5に表示される。以下、このような表示態様におけるゲーム進行を「通常モード」という。
電源ボタン8をオンにしてゲームソフトを起動したときは、通常モードでゲームが開始される。遊技者は通常モードにおけるゲーム進行中にタッチパネル6の所定の領域を所定の方向にタッチ操作することにより、縦分割モード、横分割モード及びスライドモードのいずれかに切り換えることができる。
縦分割モードとは、図9(b)〜(d)に示すように、下側画面4を左右に二分割し、左側画面にメイン3D画像を表示させ、右側画面にサブ3D画像を表示させた状態で通常モードにはない特殊なゲーム効果(特殊効果)を発生させるモードである。一方、横分割モードとは、図12(a)〜(c)に示すように、下側画面4を上下に二分割し、下側画面にメイン3D画像を表示させ、上側画面にサブ3D画像を表示させた状態で特殊効果を発生させるモードである。
縦分割モード及び横分割モードは、通常モードでは生じない特殊なゲーム効果を生じさせるためのものであるから、通常モードから縦分割モード若しくは横分割モードに切り換えられても予め設定された所定の時間(例えば30秒間)が経過すると、自動的に通常モードに切り換えられるようになっている。従って、遊技者は、通常モードから縦分割モード若しくは横分割モードに切り換える操作しかできず、縦分割モード若しくは横分割モードに切り換えた後は、所定の時間内で特殊効果を発生させるようにしなければならない。
通常モードから縦分割モード若しくは横分割モードへのモード切換えは、タッチパネル6のスライドモード設定領域以外の領域を指若しくは専用のタッチペンで縦方向若しくは横方向に所定長以上触れることによって行われる。図10に示すように、タッチパネル6のパネル面の両端の帯状領域Asはスライドモードの設定/解除の操作を行うための領域(以下、「スライドモード設定領域」という。)とされ、帯状領域Asを除く領域Abは縦分割モード若しくは横分割モードの設定操作を行うための領域(以下、「分割モード設定領域」という。)とされている。
遊技者がタッチパネル6の分割モード設定領域Abを任意の方向に直線状の線を描くように指で触れると、その触れた線Lの長さが変化するのに応じて、CPU21は線Lのx軸方向の成分の長さLxとy軸方向の成分の長さLyを積算し、長さLxが長さLyより先に所定の閾値Lr(パネル面のサイズにもよるが、例えば数mm〜10mm程度)を超えると、横分割モードの設定操作と判断して横分割モードを設定し、長さLyが長さLxより先に所定の閾値Lrを超えると、縦分割モードの設定操作と判断して縦分割モードを設定する。
なお、理論上は同時に長さLxとLyが閾値Lrを超え、縦分割モードと横分割モードのいずれの操作か不明となる場合が考えられるが、遊技者のタッチ操作は通常微妙に揺らいでいるため、長さLxとLyが同時に閾値Lrを超えることは極めてまれであり、また、遊技者が縦分割モード若しくは横分割モードを設定する場合は、意図的に長さLx又は長さLyの一方が他方よりも長くなるようにタッチパネル6に触れることが通常であるから、上記の問題は実質的に生じないといえる。
ところで、遊技者は、専用のタッチペンによってタッチパネル6を操作することも可能であるが、メインキャラクタAの操作部材である十字キー7や操作ボタン10は通常指で操作されるから、ゲーム進行における操作部材としてタッチパネル6が操作される場合も一般に指で操作されるものと考えられる。従って、以下ではタッチパネル6は指で操作されるものとして説明する。
第1のディスプレイ4に、例えば図9(a)に示すメイン3D画像が表示されている状態で、遊技者がタッチパネル6のパネル面を縦方向にタッチすると、通常モードが縦分割モードに切り換えられて第1のディスプレイ4の画面が同図(b)のように変化する。
図9(a)の表示例は、メインキャラクタAが敵キャラクタBと対戦しようとしている状態を示したもので、背景として3つのビルE3〜E5と水道管F1が描かれている。縦分割モードに切り換えられると、同図(b)に示すように、画面中央に垂直の分割ラインLB1が表示され、左側の分割領域ALにメイン3D画像が表示され、右側の分割領域ARにサブ3D画像が表示される。
メイン3D画像は第1のディスプレイ4の画面全体に表示され、サブ3D画像は第2のディスプレイ5の画面全体に表示されているので、分割直後はそのメイン3D画像の左側部分のみが分割領域ALに表示され、そのサブ3D画像の右側部分のみが分割領域ARに表示される。図9(b)で左側分割領域ALの画像と右側分割領域ARの画像に若干のずれがあるのは、メイン3D画像とサブ3D画像の視点が異なることに基づくものである。
図9(b)の分割表示の状態で、遊技者が十字キー7の右側キーを操作すると、その操作に応じてメインキャラクタAを右側に移動させるとともに、そのメインキャラクタAを追跡するように仮想カメラC1を移動させてメイン3D画像が生成され、そのメイン3D画像が同図(c)に示すように左側分割領域ALに表示される。一方、サブ3D画像は、仮想カメラC2を固定した状態で当該仮想カメラC2の撮影範囲内に入ってくる被写体を撮影するような画像として生成され、右側分割領域ARに表示される。
従って、図9(b),(c)に示すように、左側分割領域ARに表示される画像では背景(ビルE3〜E5)とともにメインキャラクタAが移動するが、右側分割領域ALに表示される画像では背景は変化せず、メインキャラクタAがフレーム内に入ってきて移動すると、その様子が表示されるとともに、それに応じた敵キャラクタBの動作が表示される。なお、同図9(c)では、右側分割領域ARにメインキャラクタAがフレームインした状態を示している。
遊技者が、図9(c)の状態から更にメインキャラクタAを敵キャラクタBに近付け、敵キャラクタBを攻撃させると、同図(d)に示すように、左側分割領域ALと右側分割領域ARで略同じような攻撃状態を示す画像が表示され、両分割領域AR,ALにそれぞれ敵キャラクタBに与えたダメージ量、例えば「+10」が画面に表示される。このダメージ量「+10」は、通常モードで敵キャラクタBに同様の攻撃のダメージを与えた場合と同一であるが、通常モードでは第1のディスプレイ4の表示画面に「+10」が1つだけ表示されるのに対して、分割モードでは第1のディスプレイ4の表示画面に「+10」が2つ表示されることになるので、敵キャラクタBに与えたダメージ量は、通常モードでは+10×表示数(1)で演算され、分割モードでは+10×表示数(2)で演算される。従って、通常モードではダメージ量が+10であるが、分割モードではダメージ量が倍の+20になる。以下、この特殊なゲーム効果を「第1の特殊効果」という。
このように、縦分割モードで敵キャラクタBに与えたダメージ量を倍増させるのは、遊技者は通常モードの場合と同様の攻撃操作をしても縦分割モードでは第1のディスプレイ4の画面に敵キャラクタBがダメージを受ける状態が2つ表示され、視覚的に敵キャラクタBに倍のダメージを与えているように見えるので、そのような視覚的な効果を特殊なゲーム効果として発生させるものである。なお、同様の理由から、逆に縦分割モードでメインキャラクタAが敵キャラクタBからダメージを受けた場合もそのダメージ量は通常モードの場合よりも倍になる。
図11は、縦分割モードにおける他の特殊なゲーム効果の一例を示す図である。
図11(a)は、対戦場に例えば、扉(図略)を開くためのスイッチF2が設けられ、メインキャラクタAを当該スイッチF2の上に乗せて扉を開かせる仕掛けがある場合の例である。この仕掛けは、スイッチF2の上にメインキャラクタAが乗ると、当該メインキャラクタAの体重(仮想的に設定されたパラメータ)によってスイッチF2が降下し、扉が開くというものであるが、通常モードでは、メインキャラクタAの体重が不足し、同図(a)に示すように、遊戯者がメインキャラクタAをスイッチF2の上に移動させてもスイッチF2は降下しないようになっている。
しかし、この場合は、同図(b)に示すように、遊技者が通常モードを縦分割モードに切り換えると、上述した縦分割モードの特殊効果によってメインキャラクタAの仮想的な体重が倍になり、スイッチF2の上にメインキャラクタAを乗せると、当該スイッチF2が降下して、扉を開くことができるようになる。
この特殊なゲーム効果(以下、「第2の特殊効果」という。)は、メインキャラクタAの仮想的なパラメータである体重を増大させるという点では、敵キャラクタBへのダメージ量や敵キャラクタBからのダメージ量を増大させる第1の特殊効果と類似しているが、ゲーム展開においては相違している。すなわち、ダメージ量はメインキャラクタAの動作に対する直接的なゲーム効果のパラメータであるから、敵キャラクタBとの対戦自体に対する効果として有効に機能するものであり、対戦場内に用意された移動順路に従ってメインキャラクタAを移動させてゲームを進行させるためのパラメータとして機能するものではない。これに対して、仮想的な体重はメインキャラクタAを動作させて仕掛けを解くというゲーム効果のパラメータであるから、敵キャラクタBとの対戦自体に対する効果としては機能しないが、対戦場内に用意された移動順路に従ってメインキャラクタAを移動させてゲームを進行させるためには必須のパラメータとなる。
従って、第1の特殊効果は遊技者がメインキャラクタAを通して間接的に対戦を体験する上で有効なゲーム効果となるが、第2の特殊効果は遊技者自身がゲームの進行に設けられた種々の仕掛けの謎解きをする上で有効なゲーム効果となり、両者のゲーム効果の性質は相違する。従来にもゲーム内容に仕掛けを設け、謎解きをさせながらゲームを進行させるものは存在するが、それらは遊技者がメインキャラクタAを操作して各種の仕掛けの謎を解くものであり、上述のように分割画面に表れる画像内容に基づいて第2の特殊効果を発生させ、この第2の特殊効果を利用して仕掛けを解くものは存在しておらず、本実施形態に係るテレビゲーム装置1は縦分割モードにおける第2の特殊効果を設けることにより従来にはないゲーム展開やゲーム操作の面白さを演出することができる効果を奏するようになっている。
なお、縦分割モードの第1,第2の特殊効果の例として代表的な例をそれぞれ1つずつ挙げたが、第1,第2の特殊効果は上記のものに限定されるものではなく、ゲームの種類やゲームの内容によって適宜、設定することができる。例えばメインキャラクタAがゲーム進行においてポイントや特定のアイテムを取得する構成のゲームでは、第1の特殊効果として縦分割モードにおいてポイントなどの取得量を通常モードよりも増大させるゲーム効果を設定することができる。
また、メインキャラクタAがジャンプする機能を有するものでは、第2の特殊効果として縦分割モードにおいてそのジャンプ量を通常モードよりも増大させるゲーム効果を設定することができる。また、メインキャラクタAの攻撃/防御、移動などの各動作の速度を通常モードよりも増大させるゲーム効果を設定してもよい。
本実施形態では、縦分割モードの第1,第2の特殊効果としてメインキャラクタAに付随するパラメータ(攻撃力、防御力、体重などのパラメータ)を、各分割画面にメインキャラクタAが表示されることにより当該メインキャラクタAの動作状態の表示が分割数倍に増加するのに応じて変化させるようにしているが、必ずしも分割画面に基づくメインキャラクタAの動作状態の表示数に連動させる必要はない。例えば、第1のディスプレイ4に表示されている特定のアイテムの表示数が画面分割によって分割数倍に増加する場合、その特定のアイテムの表示数の増加に連動してメインキャラクタAに付随する攻撃力などのパラメータを増加させるようにしてもよい。
次に、横分割モードの特殊なゲーム効果について説明する。
第1のディスプレイ4に、例えば図9(a)に示すメイン3D画像が表示されている状態で、遊技者がタッチパネル6のパネル面を横方向にタッチすると、通常モードが横分割モードに切り換えられて第1のディスプレイ4の画面が図12(a)のように変化する。
横分割モードに切り換えられると、図12(a)に示すように、画面中央に水平の分割ラインLB2が表示され、下側の分割領域ADにメイン3D画像が表示され、上側の分割領域AUにサブ3D画像が表示される。より具体的には、分割直後は分割前のメイン3D画像の下側部分のみが下側の分割領域ADに表示される。一方、上側の分割領域AUには、分割直後にサブ3D画像を作成するための仮想カメラC2の位置がメイン3D画像を作成するための仮想カメラC1の位置に移動され、その位置から透視投影法により作成されたサブ3D画像の下側部分のみが表示される。
そして、横分割モードにおいて、遊技者が十字キー7によりメインキャラクタAを移動させる操作を行うと、この操作に応じてメインキャラクタAを仮想空間内で移動させるとともに、メインキャラクタAを追従するように仮想カメラC1を移動させてメイン3D画像が作成される。一方、横分割モードにおいて、遊技者が横分割ラインLB2上をタッチ操作すると、そのタッチ操作に応じて仮想カメラC2を水平方向に移動させてサブ3D画像が作成される。
従って、図12(a)の分割表示の状態で遊技者が十字キー7の右側キーを操作すると、同図(b)に示すように、下側分割領域ADにメインキャラクタAが敵キャラクタBに近付くように移動するメイン3D画像が表示される。
一方、上側分割領域AUにはサブ3D画像が表示されるが、十字キー7の操作では仮想カメラC2は移動せず、しかも図12の例では対戦場が地上であるからメインキャラクタAが仮想カメラC2のフレームの上側領域にフレームインすることはないので、同図(b)に示すように、実質的に静止状態の画像が表示される。
メインキャラクタAの移動に応じて下側分割領域ADのメイン3D画像は背景とともに全体的に変化するのに対して、上側分割画面AUはメインキャラクタAの移動に関係なく全体的に静止した状態にあるので、画面内の水道管F1の縦方向の管の部分F1’が横分割ラインLB2によって分断された状態となる。
そこで、本実施形態では、このように第1のディスプレイ4の画面内の画像が横分割ラインLB2によって分断されるような水道管F1などのオブジェクトに対して分断の効果を上側分領域AU又は下側分割領域ADに反映する特殊なゲーム効果(以下、「第3の特殊効果」という。)を発生させるようにしている。図12(b)の例では、下側分割領域ADの水道管F1の分断された位置に水F3を噴出させる画像を表示させるようにしている。図示はしていないが、この第3の特殊効果としては、画像上の効果だけではなく、水道管F1の分断された位置の下に敵キャラクタBが存在した場合は、その噴出した水F3が敵キャラクタBに当たり、ダメージを与える効果も生じるようになっている。
また、図12(b)は、遊技者がメインキャラクタAを移動させる操作をすることにより、上側分割領域AUの画像に対して下側分割領域ADの画像をずらせることにより第3の特殊効果を発生させるようにしているが、本実施形態では、横分割モードにおいて、遊技者が横分割ラインLB2上を横方向にタッチすると、そのタッチ方向及びタッチ量に基づいて仮想カメラC2が水平方向に移動したサブ3D画像が生成され、そのサブ3D画像が上側分割領域AUに表示されるようになっている。
従って、図12(c)に示すように、上側分割領域AUの画像全体が遊技者の横分割ラインLB2上のタッチ量に応じて左右に移動することになるので、これによっても縦方向の水道管F1’が横分割ラインLB2によって分断され、下側分割領域ADの水道管F1’の分断された位置に水F3を噴出させる画像が表示される。
すなわち、遊技者は、縦方向の水道管F1’に重なって敵キャラクタBが表示されている状態で横分割モードに切り換え、メインキャラクタAを移動させる操作を行うか、若しくは横分割ラインLB2上を横方向にタッチする操作を行うかによって、水道管F1’を分断させ、その分断位置から水F3を噴出させて敵キャラクタBにダメージを与える(間接的に攻撃を与える)ことができる。
なお、図12では、分断による特殊効果(第3の特殊効果)を発生させるオブジェクトとして水道管F1を例に説明したが、この第3の特殊効果はガス管、油送管、蒸気管などの他の液体若しくは流体を通す管のオブジェクトについても適用することができる。また、第3の特殊効果の他の態様としてはワイヤなどで吊るされたシャンデリヤなどのオブジェクトをワイヤの切断により落下させたり、窓を切断することにより窓枠にはめ込まれたガラスを落下させたりしてもよい。すなわち、ある物体を切断若しくは分断によって内容物や被保持部材が噴出したり、落下したり、流出したりする現実の現象に対応する内容を第3の特殊効果として採用することができる。
また、電線を分断することにより対戦場を構成する電飾器具や遊園地の乗り物などのオブジェクトへの通電が停止される状態を表示させるような特殊効果を第3の特殊効果として発生させるようにしてもよい。
横分割モードで、上側分割領域AUの画像をスクロールすることにより発生させる第3の特殊効果の他の例としては、例えば建物を上側画像のスクロールにより分断してメインキャラクタAを建物の中に入れるようにする、台の上に乗っている物体を上側画像のスクロールによりずらして下に落下させる、離れている足場を画像のスクロールにより引き寄せてメインキャラクタAの足場の移動を可能にする、などといったゲーム効果が考えられる。
図13は、横分割モードにおける他の特殊なゲーム効果の一例を示す図である。
図12に示した特殊効果は、第1のディスプレイ4の画面の横分割により対戦場を構成する水道管F1などのオブジェクトが分断された場合の効果であったが、図13に示す特殊効果(以下、「第4の特殊効果」という。)は、第1のディスプレイ4の画面が上下に分割された状態で遊技者がメインキャラクタAを横方向に移動させることにより下側分割領域ADの画像がスクロールして上下に分断された梯子F4などのオブジェクトが接続されたり、組み合わされたりした場合の効果である。
図13(a)は、通常モードにおいて、第1のディスプレイ4の画面の右上部に下半分の部分が切れた梯子F4を含む画像が表示された状態を示している。そして、この表示状態は、遊技者がメインキャラクタAを右側に移動させることにより背景画像を右から左にスクロールさせると、梯子F4に接続可能な上半分の部分が切れた梯子F4’が現れる内容(図13(b)参照)と関係している。
通常モードでは遊技者はメインキャラクタAを梯子F4の下までは移動させることができるが、梯子F4を登らせることはできないようになっている。一方、通常モードで遊技者がメインキャラクタAを右側に移動させると、第1のディスプレイ4の画面に表示される背景画像は、図13(a)の下半分の切れた梯子F4が表示された状態から上半分の切れた梯子F4’が表示される状態にスクロールさせることができるが、その表示状態では梯子F4’は上半分が切れているので、メインキャラクタAは梯子F4’を登ることはできるが、途中で登れなくなってしまう。
このような表示状態において、遊技者が通常モードを分割モードに切り換え、メインキャラクタAを右側に移動させると、上側分割領域AUの画像は静止した状態で、下側分割領域ADの背景画像のみが右から左にスクロールし、図13(c)に示すように、上側分割領域AUの梯子F3の部分に梯子F4’が接続する表示状態を作ることができる。
下側分割領域ADの背景画像が上側分割領域AUの梯子F4に梯子F4’が接続する状態までスクロールされると、下側分割領域ADの表示はスクロール表示からメインキャラクタAのみを移動させる表示に切り換えられる。すなわち、下側分割領域ADの表示されるメイン3D画像は、メインキャラクタAの移動とともに仮想カメラC1を移動させて作成される3D画像から仮想カメラC1を固定し、仮想カメラC1の画面内で移動するメインキャラクタAを撮影したような3D画像に切り換えられる。
そして、遊技者がメインキャラクタAを梯子F4’の位置まで移動させ、当該梯子F4’を登らせるように十字キー7を操作すると、図13(d)に示すよう、下側分割領域ADにはメインキャラクタAが梯子F4’を登るようなメイン3D画像が表示される。この場合、通常モードでは、メインキャラクタAは梯子F4’の下半分までしか登れないメイン3D画像が第1のディスプレイ4の画面全体に表示されるが、横分割モードでは、同図(d)に示すように、メインキャラクタAは梯子F4’の上端よりさらに上に登って行くようなメイン3D画像が下側分割領域ADに表示される。それと同時に上側分割領域AUにはメインキャラクタAが梯子F4の下端から上に登って来たようなサブ3D画像が表示される。
従って、横分割モードではメインキャラクタAは下側の梯子F4’と上側の梯子F4を接続した梯子を登って行く画像が表示され、遊技者は通常モードから横分割モードに切り換えた後、所定の時間内にメインキャラクタAを上側の梯子F4に移動させると、その後は通常モードに切り換えられてからも更にゲームを進行させることができる。すなわち、上述の横分割モードにおける第4の特殊効果を利用しなければメインキャラクタAを移動させることができない場所にメインキャラクタAを移動させることができるようになる。
なお、図13では、接続による特殊効果(第4の特殊効果)を発生させるオブジェクトとして梯子F4を例に説明したが、この第4の特殊効果も梯子F4以外のオブジェクト、例えば階段、ロープなどについて適用することができる。
また、図13では、メインキャラクタAの移動経路を構成するオブジェクトの分割画像における接続を条件とした特殊なゲーム効果について説明したが、第4の特殊効果はメインキャラクタAの移動経路を構成するオブジェクトに限定されるものではなく、メインキャラクタAに操作させるための操作部材などにも適用することができる。
例えば、仕掛けを解くための鐘のロープが通常モードでは分断されており、横分割モードでロープを接続することによりメインキャラクタAがロープを操作して鐘を鳴らす、すなわち、仕掛けの謎を解くことができるようにしてもよい。また、上下に分割された特定のオブジェクトの色を揃えたり、形を組み合わせて特定の形状を完成させたりするなどの仕掛けにも適用することができる。
図14は、横分割モードにおける他の特殊なゲーム効果の一例を示す図である。
図14に示す特殊なゲーム効果(以下、「第5の特殊効果」という。)は、横分割モードに切り換わった後に発生するものではなく、横分割モードの切り換え時に発生するものである。すなわち、同図(a)に示すように、通常モードで第1のディスプレイ4の画面の横分割ラインLB2が描かれる線上(同図では画面の縦方向の略中央の横線上)に風船F5などのオブジェクトが存在している状態で、遊技者がタッチパネル6により横分割モードに切り換える操作を行うと、同図(b)に示すように、第1のディスプレイ4に横分割ラインLB2が描かれ、この横分割ラインLB2が風船F5に当たって破裂させるというゲーム効果である。
この第5の特殊効果も適用対象となるオブジェクトは風船F3に限定されるものではなく、爆弾などの破裂するような任意のオブジェクトに適用することができる。また、オブジェクト自体を破裂させるなどして画面上から消滅させる効果だけでなく、例えば台の上に載っている物体に横分割ラインLB2を当てることによりその物体を台の上から落とすという効果を発生させるようにしてもよい。
図13に示した横分割モードにおける第4の特殊効果は、主として遊技者が操作するメインキャラクタAの仮想空間における移動を補助するものであるが、図12,図14に示した横分割モードにおける第3,第5の特殊効果は、遊戯者自身がメインキャラクタAの対戦場を構成する設備などを破壊し、対戦環境を変化させるものである点で第4の特殊効果とは相違している。また、第5の特殊効果は、横分割ラインLB2自体をゲーム進行のためのツールとして利用している点で第3,第4の特殊効果と相違し、横分割ラインLB2の表示に付随するものであるから、分割ラインを表示させない従来のゲームに対しては全く新しいゲーム効果といえる。
なお、本実施形態では、分割モードの切り換え時の第5の特殊効果として横分割モードの場合にだけに言及しているが、縦分割モードの切り換え時にも同様の特殊効果を生じさせるようにしてもよい。
次に、スライドモードについて説明する。
スライドモードとは、図15(a)〜(c)に示すように、第1のディスプレイ4(下側画面4)の画像と第2のディスプレイ5(上側画面5)の画像を入れ替え、上側画面5の画像を下側画面4に移動させて当該画像に対してタッチパネル6により各種の特殊なゲーム効果を生じさせることができるようにするモードである。
上述のように、通常モードでは下側画面4に、全体的な戦況が把握し易いようにメインキャラクタAを中心とした少し視野の広いメイン3D画像が表示され、上側画面5に、メインキャラクタAの周囲の状況が把握し易いように当該メインキャラクタAにズームアップしたサブ3D画像が表示される。
下側画面4にはタッチパネル6が設けられ、遊技者は当該下側画面4に表示された画像に対してタッチパネル6から何らかの操作を入力でき、その操作に対して特殊なゲーム効果を発生させることができるようになっている。例えば、図15(a)に示すように、下側画面4に表示された水道管F1のハンドルF6を回転させる操作をタッチパネル6から入力すると、水道管F1の排出口F1”から水を噴出させるような特殊なゲーム効果(以下、「第6の特殊効果」という。)を発生させることができる。
しかしながら、下側画面4に表示されるハンドルF6は遊技者が指で触れて回転させる操作をするには小さすぎるため、本実施形態では、上側画面5のズームアップされた画像と下側画面4の画像とを入れ替え、ズームアップされた画像のハンドルF6に対して遊技者が指で触れて回転させることができるようにしている。
すなわち、下側画面4に特殊効果の発生対象となるオブジェクトが表示されている状態で、遊技者がそのオブジェクトに対してタッチパネル6により所定のタッチ操作を入力するときは、遊技者は通常モードからスライドモード(下側画面4の画像と上側画面5の画像とを入れ替えたモード)に切り換えて上側画面5の画像に対して所定のタッチ操作を入力可能にしている。
通常モードからスライドモードへのモード切換えは、タッチパネル6のスライドモード設定領域Asを指若しくは専用のタッチペンで上下いずれかの方向(図15(a)のR方向)に所定長以上触れることによって行われる。本実施形態では、後述するように指のタッチ量に応じて下側画面4及び上側画面5の各画像をタッチ方向に移動させる表示を行い、各画像が各画面を縦方向のサイズの1/2以上移動すると、下側画面4及び上側画面5の画像を完全に入れ替える表示を行うようにしているので、所定長は実質的に各画面内の画像の移動量で決定されている。
タッチパネル6を所定長以上タッチする操作は、実質的に縦分割モードに切り換える場合と同様のタッチ操作である。但し、スライドモード設定領域Asは、幅の狭い帯状の領域であるため、タッチ操作中にスライドモード設定領域Asから分割領域Abにはみ出した場合は、はみ出した部分はタッチ量として積算されず、タッチ開始点から分割領域Abにはみ出した点までのタッチ量(図10の長さLy参照)によってスライドモードへの切換操作の有無が判断される。
また、通常モードで遊技者が下側画面4のスライドモード設定領域Asを上下いずれかの方向に指で触れると、上述した上下いずれかの方向のタッチ量に応じて上側画面5の画像は当該画面内で下方向に移動するとともに、上側画面4の画像は当該画面内で上方向に移動する。図15(b)は、同図(a)の状態から遊技者が下側画面4のスライドモード設定領域Asを上下いずれかの方向に指で触れて下側画面4及び上側画面5の画像をそれぞれ上側と下側とに画面の縦方向の長さの1/3程度スライドさせた状態を示したものである。
なお、図15(b)では、上側画面5の下部に下側画面4の画像が当該下側画面4の画面から上側にはみ出した部分が表示されているが、これは、下側画面4の画像と上側画面5の画像を前後に配置し、相互に上下に移動させて両画像の位置が入れ替わっている状態を表現するようにしたものである。図15(b)の表示態様に代えて、下側画面4の上部に上側画面5の画像が当該上側画面5の画面から下側にはみ出した部分が表示されるようしてもよい。
そして、本実施形態では、下側画面4及び上側画面5の画像がそれぞれ上側と下側とに画面の縦方向の長さの1/2以上スライドすると、スライドモード設定領域Asの下方向の指のタッチ量には関係なく、同図(c)に示すように、自動的に下側画面4の画像と上側画像5の画像とが入れ替えられる。
上述したように、通常モードでは、メイン3D画像が、例えばスクリーンバッファ26Aで作成されて第1のディスプレイ4に表示され、サブ3D画像が、例えばスクリーンバッファ26Bで作成されて第2のディスプレイ5に表示される。
遊技者が、通常モードからスライドモードに切り換える操作をしたときには、図16に示すように、VRAM26の作業領域にスクリーンバッファ26A,26Bにそれぞれ表示されているメイン3D画像のコマ画像GAとサブ3D画像のコマ画像GBがコピーされ、例えば、スライド量25%(画面の縦方向の長さに対して25%の長さに相当する量)のスライド状態では、同図(a)に示すように作業領域にコピーされたコマ画像GAの上側25%の部分の画像とコマ画像GBの上側50%の部分の画像とを組み合わせた画像がスクリーンバッファ26Bの下側75%の領域に作成されるとともに、作業領域にコピーされたコマ画像GAの下側75%の部分の画像がスクリーンバッファ26Aの上側75%の領域に作成される。
また、スライド量40%のスライド状態では、同図(b)に示すように作業領域にコピーされたコマ画像GAの上側40%の部分の画像とコマ画像GBの上側20%の部分の画像とを組み合わせた画像がスクリーンバッファ26Bの下側60%の領域に作成されるとともに、作業領域にコピーされたコマ画像GAの下側60%の部分の画像がスクリーンバッファ26Aの上側60%の領域に作成される。
これによりスクリーンバッファ26A,26Bにそれぞれ作成された画像は第1のディスプレイ4と第2のディスプレイ5とに表示され、第2のディスプレイ5では、第1のディスプレイ4に表示されていた画像が上側にスライドしている状態が表示されることになる。
そして、スライド量が50%を超えると、スクリーンバッファ26Aにサブ3D画像の各コマ画像が作成されるとともに、スクリーンバッファ26Bにメイン3D画像の各コマ画像が作成され、同図(c)に示すように実質的にスライド量100%、すなわち、上側画面5の画像と下側画面4の画像とが完全に入れ替わった状態が表示される。
なお、作業領域に、スクリーンバッファ26A,26Bの各画像をそれぞれコピーできるだけの十分なメモリ容量がない場合は、スクリーンバッファ26Aにメイン3D画像の画像内容が上側に移動し、スクリーンバッファ26Bにサブ3D画像の画像内容が下側に移動する状態だけを表示するようにしてもよい。この場合は、下側画面4又は上側画面5に両画面の画像が重複して移動している状態を表示させることはできないが、各画面4,5で表示内容が上下に移動している状態は表示されるので、遊技者にスライドモードに移行している状態を視覚的に認識させる効果を果たすことができる。
図15に戻り、同図(b)の状態で、遊技者が下側画面4のスライドモード設定領域Asを上下いずれかの方向に指で触れると、その指のタッチ量に応じて下側画面4及び上側画面5の画像はそれぞれ下側と上側とにスライドする。このように下側画面4及び上側画面5の画像がスライドモード設定領域Asの指のタッチ方向及びタッチ量に応じて上下にスライドする状態を設けているのは、遊技者の指の操作に連動して下側画面4及び上側画面5の画像を移動させることにより、遊技者が通常モードからスライドモードに切り換わっていることを視覚的に、感覚的に理解できるようにするためである。
なお、通常モードからスライドモードに切り換わった瞬間にメインキャラクタAを画面内でジャンプさせ、スライドモードに切り換わったことをメインキャラクタAの動作で表現するようにしてもよい。縦分割モード及び横分割モードへの切り換えは、縦分割ラインLB1及び横分割ラインLB2を表示させることにより、遊技者が通常モードから縦分割モード又は横分割モードに切り換わっていることを視覚的に、感覚的に理解できるようにしている。
図17は、スライドモードにおける特殊なゲーム効果の一例を示す図である。
図17は、通常モードからスライドモードに切り換えた後、下側画面4に対して遊技者が敵キャラクタBに触れた場合に発生させる特殊なゲーム効果を示す図で、(a)はスライドモードに切り換える前の下側画面4の画像を示し、(b)はスライドモードに切り換えた後の下側画面4の画像を示し、(c)は(b)の表示状態で遊技者がタッチパネル6により敵キャラクタBに触れたときに発生した特殊なゲーム効果を示す図である。
図17(a)は、通常モードにおいてメインキャラクタAに敵キャラクタBが襲いかかってきている状態を示した図で、遊技者は、通常モードでは操作ボタン10を操作してメインキャラクタAに敵キャラクタBを攻撃させたり、敵キャラクタBからの攻撃に対して防御させたりすることで、同図(a)の状態に対処することができる。
さらに遊技者は、下側画面4のスライドモード設定領域Asを上下いずれかの方向に所定長以上、指で触れて、図17(b)に示すように、下側画面4の画像と上側画面5の画像を入れ替え、特殊なゲーム効果(以下、「第6の特殊効果」という。)を発生させることができる。すなわち、図17(b)の表示状態でタッチパネル6により敵キャラクタBの画像に指で触れると、例えば、点線で示す領域b1を指で触れると、図17(c)に示すように、遊技者のタッチパネル6による操作が敵キャラクタBの動作に反映され、敵キャラクタBが遊技者のタッチパネル6による操作によって躓くように表示される。
すなわち、メインキャラクタAと敵キャラクタBとの対戦において、遊技者自身が敵キャラクタBの動作を妨害してメインキャラクタAを助けることができるような第6の特殊効果が発生される。
図18は、スライドモードにおける他の特殊なゲーム効果の一例を示す図である。
図18に示す特殊なゲーム効果(以下、「第7の特殊効果」という。)は、メインキャラクタAと敵キャラクタBとの対戦において、遊技者自身がメインキャラクタAを助ける点では図17に示す第6の特殊効果と共通している。図17の例では、スライドモードで遊技者自身が直接敵キャラクタBの画像を触れることで、当該敵キャラクタBを躓かせたり、敵キャラクタBのメインキャラクタAへの攻撃を妨害したりしたが、図18の例は、メインキャラクタAが操作することのできる対戦場に配置された各種の設備をメインキャラクタAに代わって遊技者が直接操作することで、当該敵キャラクタBにダメージを与えたり、敵キャラクタBのメインキャラクタAへの攻撃を妨害したりすることができるようにするものである。
図18(a)は、通常モードで下側画面4に敵キャラクタBが水道管F1の排水口F1”の下に位置した状態を示し、図18(b)は図18(a)の表示状態で遊技者が通常モードからスライドモードに切り換え、下側画面4に水道管F1のハンドルF6をアップにした画像を表示させた状態を示している。図18(b)の表示状態で遊技者がタッチパネル6のハンドルF6を中心とした領域b2を指で触れて反時計回りに回転させると、その回転操作が水道管F1を開栓する動作に反映され、水道管F1の排水口F1”から水F3が噴出するという特殊なゲーム効果が発生される。
図18(c)は、スライドモードによって入れ替わった上側画面5の画像に表示される特殊なゲーム効果を示したもので、水道管F1の排水口F1”から水F3が噴出したことによりその下にいた敵キャラクタBがダメージを受けている状態を示している。遊戯者はメインキャラクタAによってハンドルF6を回転させることも可能であるが、メインキャラクタAの動作によってハンドルF6を回転させるよりもタッチパネル6により遊技者が直接ハンドルF6を回転する方が容易であるときは、スライドモードにおける第7の特殊効果を利用することは有益であり、複数の操作を適宜選択できることによりゲームの面白みも増加する。
図18では、第7の特殊効果として、ハンドルF6を遊技者自身が回転操作する例を示したが、例えば遊技者のタッチパネル6の操作によりスイッチを押したり、特定のオブジェクトを摘んで移動させたりするような操作であってもよい。また、メインキャラクタAはハンドルF6を回転操作できないように構成してもよい。
図19は、スライドモードにおける他の特殊なゲーム効果の一例を示す図である。
図19に示す特殊なゲーム効果(以下、「第8の特殊効果」という。)も第7の特殊効果と同様に、メインキャラクタAと敵キャラクタBとの対戦において、遊技者自身がメインキャラクタAを助ける点では共通している。第7の特殊効果は、遊技者自身がメインキャラクタAの操作可能な対戦場に配置された各種の設備をメインキャラクタAに代わって直接操作することで発生させるものであったが、第8の特殊効果は、遊技者自身がタッチパネル6のパネル面をスクラッチ操作することにより第1のディスプレイ4の画面を揺らせ、その揺動効果を画面内の画像に反映してゲーム効果とするものである。
すなわち、図19(a)は、スライドモードに切り換えて下側画面4に上側画面5の照明装置F7を含む画像を表示させた状態を示したものであるが、この表示状態でタッチパネル6のスライドモード設定領域As以外の領域を遊技者がパネル面を微小に往復動するように指で触れると、例えば、同図(a)の領域b3,b4などを矢印S1で示すように指で触れると、そのタッチ操作が振動を与える操作(以下、「スクラッチ操作」という。)として入力され、同図(b)に示すように、表示画面に表示されている画像が全体的に揺れ、その揺れにより表示画面内の各種のオブジェクトの状態が変化するというゲーム効果が発生する。
図19(c)では、照明器具F7が落下し、敵キャラクタBに当たってダメージを与えるという特殊効果が発生している。
この第8の特殊効果は、遊技者のスクラッチ操作によって表示画面に表示されている画像全体を揺らし、より具体的には表示画面に表示されている範囲で対戦場に地震を発生させたような画像効果を発生し、その結果対戦場に設けられている照明器具F7などの設備を損傷させたり、敵キャラクタBの動作に影響を与えたりすることで、メインキャラクタAを有利な状態にさせるものである。
第8の特殊効果の具体例としては、上述の照明装置F7に限られず、現実世界で地震により種々のものが損壊する事例に対応させて各種のオブジェクトに適用することができる。例えば椰子の実やバナナなどの植物の果実を振動により落下させたり、テーブルなどに載っている物を振動で落下させたり、電柱や交通標識などの棒状の敷設物や木々を折損させたり、ビルなどの建物を損壊させたり、容器に入った液体を振動により容器から流出させたりする特殊効果を発生することができる。
また、第8の特殊効果として、上記の各種のオブジェクトの損壊等により敵キャラクタBがダメージを受けるだけでなく、敵キャラクタB自身が振動により動作が麻痺するような特殊効果を発生させるようにしてもよい。
次に、タッチパネル6の操作により通常モードから縦分割モード、横分割モード及びスライドモードに切り換える処理手順を、図20,図21のフローチャートに従って説明する。
入力信号処理部33は、所定の微小な周期tでタッチパネル34を構成する多数のセンサからの入力信号のレベル変化を監視している。図20,図21のフローチャートは、周期t毎の入力信号のレベル変化の有無に基づくモード切換の処理手順を示しており、以下の説明ではゲーム開始後の遊技者のタッチパネル6の操作によるモード切換について説明する。
まず、処理に必要なフラグやレジスタの初期化が行われる(S1)。フラグとしては、横分割モード、縦分割モード及びスライドモードの各設定を示すフラグFBH、FBV、FSが「0」に初期化される。従って、FBH=FBV=FS=「0」は通常モードであることを示す。また、タッチパネル6の指が触れた領域がスライドモード設定領域Asであるか否かを示すフラグFAが「0」に初期化される。FA=1はスライドモード説定領域Asを示し、FA=0は分割モード設定領域Abを示す。
レジスタとしては、タッチパネル6に指が触れると、最初に指が触れたときからその接触状態が継続している期間をカウントするカウンタi、各カウント時に検出されるタッチパネル6の接触位置の座標(x,y)を保存するレジスタTP(i)、最初に指が触れた位置の座標(x,y)を格納するレジスタTPS、最後に指が触れた位置の座標(x,y)を格納するレジスタTPEがそれぞれ「0」に初期化される。また、タッチパネル6を指で触れたy軸方向の長さを格納するレジスタSUMYとx軸方向の長さを格納するレジスタSUMXがそれぞれ「0」に初期化される。
続いて、所定の微小時間t毎のタッチの有無の監視を開始してタッチ有りが検出されると(S2,S3:YES)、タッチパネル6のパネル面におけるタッチ位置の座標(xi,yi)が演算され、TP(i)に格納される。最初のタッチ位置の場合は、TP(0)に座標(x0,y0)が格納される(S4)。続いて、座標(xi,yi)に基づいてタッチ位置がスライドモード設定領域Asであるか否かが判別され(S5)、スライドモード設定領域Asであれば(S5:YES)、フラグFAが「1」に設定され(S6)、分割モード設定領域Abであれば(S5:NO)、フラグFAが「0」に設定される(S7)。
続いて、最初のタッチであるか否かが判別され(S8)、最初のタッチであれば(S8:YES)、レジスタTP(0)の座標(x0,y0)がレジスタTPSとレジスタTPEとに格納され(S9)、カウンタiのカウント値が「1」だけインクリメントされた後(S10)、ステップS2に戻り、上述したステップS2〜S8のタッチの有無の監視が継続される。
微小時間tは極めて短く、通常遊技者がタッチパネル6のパネル面を触れた場合は、その状態がn×tの時間は継続するから、最初のタッチからステップS2に戻った場合は、i=nまではステップS8からステップS11に移行することになる。
ステップS11に移行すると、タッチ領域が前回のタッチ領域と同一であるか否かが判別され(S11)、同一領域内でなければ(S11:NO)、ステップS1に戻る。すなわち、タッチ量がスライドモード設定領域As内でスライドモードを設定するに足るタッチ量でないか、分割モード設定領域Ab内で縦分割モード若しくは横分割モードを設定するに足るタッチ量でないでため、モード設定のタッチ操作はなかったと判断してステップS1に戻る。
同一領域内であれば(S11:YES)、レジスタTP(i)の座標(xi,yi)がレジスタTPEに格納され(S12)、現在の時点での最初のタッチ位置TPS(x0,y0)と最後のタッチ位置TPE(xi,yi)との間のタッチ間隔のx成分LX=xi−x0(以下、「横方向のタッチ量LX」という。)とy成分LY=yi−y0(以下、「横方向のタッチ量LY」という。)が算出される(S13,S14)。
続いて、フラグFAからタッチ領域が判別され(S15)、スライドモード設定領域Asであれば(S15:YES)、ステップS21に移行し、分割モード設定領域Abであれば(S15:NO)、ステップS16に移行する。
ステップS15からステップS16に移行すると、横方向のタッチ量LXが所定の閾値Lr以上になっているか否かが判別され(S16)、横方向のタッチ量LXが所定の閾値Lr以上になっていれば(S16:YES)、フラグFBHが「1」に設定されて(横分割モードが設定されて)(S18)、モード設定処理は終了する。
横方向のタッチ量LXが所定の閾値Lrより小さければ(S16:NO)、さらに縦方向のタッチ量LYが所定の閾値Lr以上になっているか否かが判別され(S17)、縦方向のタッチ量LYが所定の閾値Lr以上になっていれば(S17:YES)、フラグFBVが「1」に設定されて(縦分割モードが設定されて)(S19)、モード設定処理は終了する。
一方、横方向及び縦方向のタッチ量LX,LYのいずれも所定の閾値Lrより小さければ(S17:NO)、ステップS2に戻り、モード設定処理が継続される。
ステップS15からステップS21に移行すると、縦方向のタッチ量LYが所定の閾値Kを超えているか否かが判別される(S21)。
LY>Kであれば(S21:YES)、第1のディスプレイ4(下側画面4)に表示されている画像と第2のディスプレイ5(上側画面5)に表示されている画像とを入れ替える表示処理が行われ(S22)、スラグFSが「1」に設定されて(スライドモードが設定されて)(S23)、モード設定処理は終了する。
一方、0≦LY≦Kであれば(S23:NO)、第2のディスプレイ5(上側画面5)に表示されている画像を画面内でLYだけ下方向に移動するとともに、第1のディスプレイ4(下側画面4)に表示されている画像を画面内でLYだけ上方向に移動する表示処理が行われ(S24)、カウンタiのカウント値が「1」だけインクリメントされた後(S25)、ステップS2に戻り、モード設定処理が継続される。
なお、本実施形態では、スライドモードの設定及び解除は遊技者のタッチパネル6のタッチ操作によって行われるようにしているが、縦分割モード及び横分割モードと同様にスライドモードも所定の時間が経過すると自動的に通常モードに復帰するようにしてもよい。
次に、縦分割モードにおけるタッチパネルの操作に基づく特殊効果の発生処理について、図22のフローチャートに従って説明する。
縦分割モードに切り換わると、まず、分割ライン上に特殊効果の対象となる風船などの特定のオブジェクトが存在するか否かが判別され(S31)、特定のオブジェクトが存在すると(S31:YES)、下側画面4に縦分割ラインLB1が表示されるとともに、そのオブジェクトに縦分割ラインLB1が接触若しくは当たって当該オブジェクトが破裂するなどの特殊効果(第5の特殊効果)を発生する表示処理が行われて(S32)、ステップS34に移行する。一方、特定のオブジェクトが存在しなければ(S31:NO)、特殊効果(第5の特殊効果)を発生させることなく下側画面4に画面を左右にニ分割する縦方向の縦分割ラインLB1が表示される(S33)。
続いて、下側画面4に表示されていたメイン3D画像の画像サイズが左側半分のサイズに変更されて下側画面4の左分割領域ALに表示されるとともに(S34)、上側画面5に表示されていたサブ3D画像の画像サイズが右側半分のサイズに変更されて下側画面4の右分割領域ARに表示される(S35)。また、メインキャラクタAの特殊効果(第1,第2の特殊効果)に関係する特定のパラメータが縦分割モードの特殊効果用の値に変更される(S36)。このパラメータは、上述したように、例えばメインキャラクタAの攻撃力(敵キャラクタに与えるダメージ量)、防御力(敵キャラクタから受けるダメージ量)、仮想的な体重などである。
続いて、縦分割モードを継続する時間をカウントするためのタイマーの計時が開始され(S37)、縦分割モードにおける特殊効果(第1,第2の特殊効果)の処理が開始される。すなわち、タイマーが縦分割モードを維持するための所定の時間を計時するまでの間、遊技者によりメインキャラクタAを動作させる操作の有無が判別され(S38)、何ら操作が行わなければ(S38,S49のループ)、下側画面4及び上側画面5の表示処理が通常モードの表示処理に切り換えられ(S50)、フラグFBVが「0」にリセットされて(縦分割モードが通常モードに切り換えられて)、縦分割モードの特殊効果発生処理を終了する。
タイマーが所定の時間を計時するまでの間に、遊技者によりメインキャラクタAを動作させる操作が行われると(S38:YES)、続いてその操作がメインキャラクタAの横移動操作、メインキャラクタAを敵キャラクタBに対して攻撃させる動作、移動でも攻撃でもない特殊効果の対象となる特定の動作、それら以外の動作のいずれであるかが判別され(S39,S43,S46)、横移動操作であれば(S39:YES)、下側画面4の左分割領域ALの画像を横方向にスクロールさせる(S40)。続いて、メインキャラクタAの横移動操作により当該メインキャラクタAの一部若しくは全部が右側分割領域ARの画面内に入るか否かが判別され(S41)、メインキャラクタAの一部若しくは全部が入る場合は(S41:YES)、メインキャラクタAの一部若しくは全部が含まれるサブ3D画像を生成して下側画面4の右側分割領域ARに表示される(S42)。一方、メインキャラクタAの一部若しくは全部が入らない場合は(S41:NO)、ステップS42はスキップされる。
また、遊技者による操作がメインキャラクタAを敵キャラクタBに対して攻撃させる動作であれば(S43:YES)、さらにその攻撃動作が敵キャラクタBにダメージを与えたか否かが判別され(S44)、ダメージを与えていれば(S44:YES)、通常モードにおけるダメージ量の倍のダメージ量で敵キャラクタBが攻撃を受けた内容の画像を下側画面4に表示させるとともに(図9参照)、取得した攻撃ポイントなどのステータス情報を特殊効果(第1の特殊効果)に基づいて更新する特殊効果処理が行われる(S45)。
また、遊技者による操作が攻撃動作とは異なる特殊効果(第2の特殊効果)の対象となる特定の動作であれば(S46:YES)、その特定の動作に対応した特殊効果(第2の特殊効果)を発生させた内容の画像を下側画面4に表示させる特殊効果処理(図11参照)が行われる(S47)。この特定の動作は、例えば上述したメインキャラクタAをスイッチF2の上に乗せてスイッチF2をオンにさせる動作などである。
また、遊技者による操作が特殊効果の対象とならない動作であれば(S46:NO)、上側画面5及び下側画面4ではその動作に対応した内容の通常の表示処理(特殊効果が発生しない表示処理)が行われる(S48)。
次に、横分割モードにおけるタッチパネル6の操作に基づく特殊効果の発生処理について、図23のフローチャートに従って説明する。
横分割モードに切り換わると、まず、分割ライン上に特殊効果の対象となる爆弾などの特定のオブジェクトが存在するか否かが判別され(S51)、特定のオブジェクトが存在すると(S51:YES)、下側画面4に横分割ラインLB2が表示されるとともに、そのオブジェクトに横分割ラインLB2が接触若しくは当たって当該オブジェクトが爆発するなどの特殊効果(第5の特殊効果)を発生する表示処理(図14参照)が行われて(S52)、ステップS54に移行する。一方、特定のオブジェクトが存在しなければ(S51:NO)、特殊効果(第5の特殊効果)を発生させることなく下側画面4に画面を上下にニ分割する横方向の横分割ラインLB2が表示される(S53)。
続いて、下側画面4に表示されていたメイン3D画像の画像サイズが下側半分のサイズに変更されて下側画面4の下側分割領域ADに表示されるとともに(S54)、上側画面5に表示されていたサブ3D画像の画像サイズが上側半分のサイズに変更されて下側画面4の上側分割領域AUに表示される(S55)。
続いて、横分割ラインLB2によって分断された特殊効果(第3の特殊効果)の対象となる特定のオブジェクト(水道管など)が存在するか否かが判別され(S56)、特定のオブジェクトが存在すると(S56:YES)、その特定のオブシェクトに対応した特殊効果(第3の特殊効果)を発生させた内容の画像を下側画面4の下側分割領域AD若しくは上側分割領域AUに表示させる特殊効果処理(図12参照)が行われる(S57)。特定のオブジェクトが存在しなければ(S56:NO)、ステップS57はスキップされてステップS58に移行する。
続いて、横分割モードを継続する時間をカウントするためのタイマーの計時が開始され(S58)、横分割モードにおける特殊効果(第3,第4の特殊効果)の処理が開始される。すなわち、タイマーが横分割モードを維持するための所定の時間を計時するまでの間、遊技者によりメインキャラクタAを移動させる操作の有無と横分割ラインLB2上でタッチパネル6のタッチ操作の有無とが判別され(S59,S63)、いずれの操作もなければ(S59,S67のループ又はS59,S63,S67のループ)、下側画面4及び上側画面5の表示処理が通常モードの表示処理に切り換えられ(S68)、フラグFBHが「0」にリセットされて(横分割モードが通常モードに切り換えられて)、横分割モードの特殊効果発生処理を終了する。
タイマーが所定の時間を計時するまでの間に、遊技者によりメインキャラクタAを移動させる操作が行われると(S59:YES)、下側画面4の下側分割領域ADの画像を横方向にスクロールさせる(S60)。続いて、下側分割領域ADの画像のスクロールにより特殊効果(第3の特殊効果)の対象となる特定のオブシェクト(水道管など)が上下に分断されたか否かが判断され(S61)、特定のオブジェクトが分断されると(S61:YES)、下側分割領域ADの上側分割領域AUの分断された特定のオブジェクトに対応する位置に、分断により発生させる特殊効果(第3の特殊効果)を含むメイン3D画像(図12参照)が生成されて表示される(S62)。
一方、特定のオブジェクトが分断されていなければ(S61:NO)、上下に分断されている特殊効果(第4の特殊効果)の対象となる特定のオブジェクトが下側分割領域ADの画像のスクロールにより接続もしくは組み合わされたか否かが判別され(S65)、特定のオブジェクトが上下に接続若しくは組み合わされると(S65:YES)、下側分割領域ADの画像のスクロール表示が背景画像を静止させ、メインキャラクタAのみを移動させる表示に切り換えられ、メインキャラクタAを上下に接続されたオブジェクトに沿って移動可能にするなどの特殊効果(第4の特殊効果、図13参照)を発生させる(S66)。特定のオブジェクトが上下に接続若しくは組み合わされなければ(S65:NO)、ステップS66をスキップしてステップS67に移行し、横分割モードの特殊効果発生処理に戻る。
次に、スライドモードにおけるタッチパネル6の操作に基づく特殊効果の発生処理について、図24のフローチャートに従って説明する。
スライドモードにおいて、遊技者によりタッチパネル6が操作されると(S71:YES)、そのタッチ操作がスライドモード設定領域Asの操作であるか否かが判別され(S72)、スライドモード設定領域Asであれば(S72:YES)、上側画面5の画像と下側画面4の画像とを入れ替えるスライド処理が行われる(S73)。すなわち、スライドモードから通常モードに切り換える処理が行われ、フラグFSが「0」にリセットされて(S74)、スライドモードにおける特殊効果処理を終了する。
タッチ操作がスライドモード設定領域Asの操作でなければ(S72:NO)、続いてそのタッチ操作が敵キャラクタBに対するタッチ操作、特殊効果(第7の特殊効果)の対象となる他の特定のオブジェクトを操作するタッチ操作及びスクラッチ操作のいずれのタッチ操作であるかが判別され(S75,S77,S79)、タッチ操作が敵キャラクタBに対するタッチ操作であれば(S75:YES)、下側画面4で敵キャラクタBを躓かせるなどのタッチ操作に応じた所定の特殊効果(第6の特殊効果)を発生させた表示処理(図17参照)が行われて(S76)、ステップS71に戻る。
また、タッチ操作が敵キャラクタB以外の他の特定のオブジェクト(水道管のハンドルなど)を操作するタッチ操作であれば(S77:YES)、下側画面4で特定のオブジェクトを操作したことにより生じる特殊効果(第7の特殊効果:水道管の排出口から水を噴出させるなどの効果)を発生させた表示処理(図18参照)が行われて(S78)、ステップS71に戻る。
また、タッチ操作がスクラッチ操作であれば(S79:YES)、対戦場を構成する特定のオブジェクト(例えば照明装置)が振動により落下したり、敵キャラクタBが振動により動作がマヒするなどの特殊効果(第8の特殊効果)を発生させた表示処理(図19参照)が行われて(S80)、ステップS71に戻る。
なお、上記実施形態では、縦分割モード及び横分割モードの一例として下側画面を二分割する場合の例を説明したが、画面分割による特殊効果の発生は二分割に限定されるものではなく、三分割以上に分割する場合に適用してもよい。また、本実施形態では、ゲームの進行状態を表示させるための表示画面を2個有している場合について説明したが、画面分割による特殊効果の発生のために必ずしも表示画面は2個必要ではなく、表示画面が1個の場合でも適用することができる。
また、本実施形態では、タッチパネル6を用いたスクラッチ操作による特殊効果(第8の特殊効果)や敵キャラクタBに対するタッチ操作による特殊効果(第6の特殊効果)や特定のオブジェクトに対するタッチ操作による特殊効果(第7の特殊効果)をスライドモードにおける特殊効果として説明したが、これらの特殊効果をスライドモードに限定しなくてもよい。すなわち、タッチパネル6を備えた表示装置が1個の場合にも適用することができ、テレビゲーム装置1が第2のディスプレイ5を有していない場合、十字キー7及び操作ボタン10をメインキャラクタAの操作部材とし、タッチパネル6を第1のディスプレイ4に表示された画像に対して遊技者が直接タッチして特殊効果を発生させるための操作部材としてもよい。
この場合でも縦分割モード又は横分割モードにおける特殊効果の発生と、通常モードにおけるタッチパネル6を用いた特殊効果の発生とを区別して発生させることができる。すなわち、タッチパネル6のパネル面の一部に分割モード設定領域を設けるか、或いは分割モードを設定するための操作部材の画像を表示させ、分割モード設定領域以外の領域若しくは分割モードを設定するための操作部材の画像の表示領域以外の領域において、例えばスクラッチ操作をした場合にそのスクラッチ操作に対して図19で説明した第8の特殊効果を発生させるようにすればよい。
また、上記実施形態では、タッチパネル6のパネル面にスライドモード設定領域Asと分割モード設定領域Abを設けるのみで、遊技者が視覚的にスライドモード設定領域Asと分割モード設定領域Abとを識別できない構成の例を説明したが、スライドモードを設定するための画像(例えば上下に移動するレバーの画像)を表示させたり、縦分割モード及び横分割モードを設定するための操作ボタンの画像を第1のディスプレイ4に表示させたりして、遊技者がレバーの画像を上下にタッチ操作することにより、或いは操作ボタンの画像を押すようなタッチ操作をすることにより、通常モードから各モードに切り換えさせるようにしてもよい。
また、本実施形態では、スライドモードを特殊なゲーム効果を発生させるためのモードとして説明したが、スライドモードは、2個の表示装置を備えたテレビゲーム装置において、両表示装置に表示されている画像を簡単な操作で入れ替え、遊技者が見たい画像を容易かつ迅速に視認することができるという効果を有しているので、かかる効果を目的としたモードとしてもよく、必ずしも上述した第6〜第8の特殊効果を発生させる必要はない。例えば、ロールプレイングゲームなどでは、表示画面にゲーム進行画像とともに、例えばマップ画像や取得アイテムのリスト画像などが表示されるが、2つの表示装置を備えた場合は、一方の表示画面にゲーム進行画像を表示し、他方の表示画面にマップ画像や取得アイテムのリスト画像などを表示させることができるので、このような表示態様が採用される場合は、遊技者が表示画面を適宜、入れ替えることにより所望の画像を容易に確認することができるようになる。
また、スライドモードを両表示装置の画像の入れ替えを目的とするものでは、スライドモードの設定部材として、特にタッチパネル6を用いることはなく、操作ボタン10などと同様に操作ボタンで構成してもよい。
また、縦分割モード及び横分割モードの設定するための操作部材としてタッチパネル6ではなく操作ボタン10のような操作ボタンで構成してもよい。家庭用のテレビジョンをモニタとして利用するテレビゲーム装置では、通常タッチパネルは具備しない構成となるから、このようなテレビゲーム装置では、例えば既存の操作コントローラの操作ボタン(例えばAボタン、Bボタン、Rボタン、Lボタンなどの操作ボタン)を縦分割モード及び横分割モードの設定するための操作部材として割り当てるようにしてもよい。
また、上記実施形態では対戦型ゲームを例に説明したが、本発明に係る特殊効果を発生するテレビゲーム装置は、対戦型ゲームに限定されるものではない。本発明に係る特殊効果は、画面に表示された画像をゲームの進行状態をモニタするだけの画像とするのではなく、分割画面に表示される画像の特定の表示状態をゲーム内容に反映したり、画面に表示された特定のオブジェトに対して遊技者自身が直接タッチ操作することより遊技者を仮想空間内のゲーム進行に参加させたりするものであるから、このような考え方に基づいて各種のジャンルのゲームに適用することができ、その特殊効果の内容もゲーム内容に応じて適宜、設定することができる。