JP2006290964A - ヒートシール性ポリプロピレン系フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

ヒートシール性ポリプロピレン系フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィルムの臭気が少なく、各種包装用の包装袋や包装容器に加工する折の加工の操業性が良好で、かつ得られる製品のシール特性の変動が小さく、外観が良好である食品や医療材料などの臭気が嫌われる包装材、容器等の分野において好適に使用できるヒートシール性ポリプロピレン系フィルムおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂よりなるヒートシール性フィルムであり、フィルムの幅方向の厚み斑が10%以内であり、フィルム中の揮発成分量が2000ppm以下であるヒートシール性ポリプロピレン系フィルム。また、樹脂中の揮発成分量が3000ppm以下であるポリプロピレン系樹脂をTスロット型ダイを用い、ダイス出口の樹脂温度が150〜200℃で製膜するヒートシール性ポリプロピレン系フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品や医療材料などの臭気が嫌われる包装材、容器等の分野において好適に使用される臭気が少ないヒートシール性ポリプロピレン系フィルムに関し、該フィルムの臭気が少ない上に、フィルムの厚み斑が小さく、かつフィッシュアイが少なく、該フィルムを用いて各種包装用の包装袋や包装容器に加工する折の加工の操業性が良好であり、得られる製品のシール特性の変動が少なく、かつ外観の良好な製品が得られるヒートシール性ポリプロピレン系フィルムおよびその製造方法に関するものである。
ポリプロピレン系フィルムは低温ヒートシール性、引裂強度、耐衝撃性、透明性等に優れており、食品や医療材料などの包装材や容器として広い分野において使用されている。近年、社会の成熟に伴い、上記の分野において、臭気に対する市場要求が極めて高度化してきており、該特性を改良した、いわゆる低臭気素材が強く嘱望されている。ポリプロピレン系樹脂はポリエステル樹脂等に比べ熱安定性等の安定性が劣り、これらを改善する目的で酸化防止剤等の各種安定剤が配合されている。該安定剤は目的とした効果を発現する点では有用であるが、該安定剤自体あるいはその劣化物が臭気や包装対象物の汚染原因になっており、これらの安定剤を配合しない樹脂を原料とした成型体が求められている。
上記市場要求に答えるものとして、例えば、牛乳、乳製品等の包装材料である紙容器や包装資材には、乳等省令告示52号等に適合する包装資材として、高圧法低密度ポリエチレンなどが用いられている。しかしながら、高圧法低密度ポリエチレンは、引裂強度、耐衝撃性、腰の強さ等が劣っているという問題を有している。また、低温シール性も不十分であり、これらの特性を満足することのできる線状低密度ポリエチレンによるクリーンな成型体の開発が嘱望されていた。ところが、線状低密度ポリエチレンは前記高圧法低密度ポリエチレンに比して成型温度が高いために、樹脂の劣化を防止するための酸化防止剤を添加する必要があり、また、触媒残渣として塩素等のハロゲン元素が存在するために、ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト等のハロゲン吸収剤(酸中和剤)等を添加する必要があるので、臭気や汚染物等の移行性において問題があった。
添加剤が配合されてなく、かつ前記ハロゲン化物量が低減され該添加剤が実質に被接触物に移行しない、密度、メルトフローレート、分子量分布および溶出分別特性等が最適化された線状低密度ポリエチレン樹脂を原料とした低臭気でかつ移行性の少ない成型体が開示されている(例えば、特許文献1、2、3、4参照)
特開2001−342306号公報 特開2002−52669号公報 特開2003−64191号公報 特開2003−341249号公報
また、近年、上記低臭気のヒートシール性ポリエチレン系フィルムについても、該フィルムを用いて各種包装用の包装袋や包装容器に加工する折の加工の操業性や該製品のシール特性の変動や外観等に対する品質要求も高度化が進んできている。
しかしながら、上記の方法はインフレーション法や押出しラミ法で製膜されておりフィルムの厚み斑が大きく、フィルムをロール状にして保存した場合に起こる巻き締まり現象により発生する張力が厚み斑によりフィルムの幅方向で変動しフィルムの部分たるみ等の変形が発生する。そのため、厚み斑の大きなフィルムの場合は、例えば、ラミネート素材として使用した場合はラミネート加工時にたるみ等の変形により皺の発生や空気の巻き込みが起こり加工操業性が低下し、かつ得られる製品の皺、透明斑等の外観不良やラミネート強度変動等に繋がるという課題を有している。また、フィッシュアイが多く、これらの点でも市場の要求を満たしていない。例えば、ポリマー編集委員会著、ポリマー辞典、大成社、平成12年、増刷6版、P337等に、フィッシュアイについての定義が書かれている。フィッシュアイとは、フィルムまたはシート状の製品中に生じる小さな球状の塊をいう。魚の眼のような透明性をもつものが多いことからこのような名前が付けられた。成形材料の混練不足から来る未溶融の塊り、原料の一部がゲル化したための塊り、成形中の材料の部分的劣化による塊り、異物を核としたものなどいろいろなものがある。ここでいうフィッシュアイとは、異物を核にしたものは除外する。異物とは、例えは、セルロース、塵、金属片、樹脂の炭化物、種類の異なるプラスチック、糸屑、紙切れ等がある。
例えば、該フィルムで包装した場合に該フィッシュアイが肉眼で見えるので包装体の商品イメージを低下させるので好ましくない。該フィッシュアイに関しては、近年、消費者の安全指向の強まり共に市場要求が厳しくなってきている。例えば、紙パックの内層材として用いられた場合のように消費者に通常状態では目に触れないものであっても、回収のために紙パックが切り引きさかれることにより消費者の目に触れて、安全性に対する不安を呼び起こす等の現象も出始めている。また、透明包装袋として使用した場合は、内容物の色や形態によりフィッシュアイが異物として目立つことがある。これらの市場要求により厳しい管理が必要となってきており市場要求が満たせなくなってきている。
インフレーション法ではバルーン形成の安定化のために高い押出し粘度が必要であり一般に低温で押出し成型がなされるので低臭気の成型体を得る点では有利であるがフィルムの厚み斑が大きくなるという課題を有している。一方、Tダイ法では低温での高溶融粘度押出しをすると流動斑が出やすくなり厚み斑が大きくなることに繋がるので上記のインフレーション法での製膜温度である150〜220℃に対して210〜260℃で押出す必要がある。高温押出し成型をすると原料樹脂の劣化が増大し臭気が悪化したりフィッシュアイが増大するといわれている。そのために、酸化防止剤の添加がTダイ法では必須とされてきた。
一方、特定密度およびメルトインデックスを有するエチレン系重合体または該エチレン系重合体を含有する樹脂組成物を210℃以下の温度で溶融押出し製膜する低臭気性のTダイキャストフィルムの製造法が開示されている(特許文献5参照)。しかしながら、該特許文献においては、Tダイキャストにおける低温押出しによるフィルムの厚み斑の増大およびその対策に関しては何ら言及がなされていないばかりか、フィルムの臭気等についいては定性的評価の記載はなく、酸化防止剤の影響についても詳細な記載はない。
特開平10−329195号公報
また、前記の特許文献で開示されている技術では臭気の測定は官能評価により実施されている。官能評価は検定者間で判定が異なったり、同一判定者でも体調等によりその判定が変化する等その判定の正確さに課題を有しておりその改善が強く嘱望されていた。
一方、ポリプロピレン樹脂中に含まれる炭素数9〜21までの炭化水素成分の総量が30重量ppm以下である臭気の改良されたポリプロピレン樹脂が開示されている(特許文献6参照)。しかしながら、該特許文献においては、ポリプロピレン樹脂に限定されており、該フィルムやシートの製造方法の具体的内容や特性に関しては何ら言及されていない。さらに、上記炭化水素含有量を上記範囲にする方法としては、ペレット化工程において、押出し機に脱気設備を設け、溶融押出しする時に減圧脱気する方法およびホッパードライヤーなどによりペレットを熱風下で乾燥する方法が開示されているが、樹脂を固体状態において減圧下で加熱処理する方法は言及されていない。
特開平5−194648号公報
本発明は従来技術の課題を背景としてなされたものであり、食品や医療材料などの臭気が嫌われる包装材、容器等の分野において好適に使用される臭気が少ないヒートシール性ポリプロピレン系フィルムに関し、該フィルムの臭気が少ない上に、フィルムの厚み斑が小さく、該フィルムを用いて各種包装用の包装袋や包装容器に加工する折の加工の操業性が良好で、得られる製品のシール特性の変動が小さく、かつフィッシュアイが少なく外観の良好な製品が得られるヒートシール性ポリプロピレン系フィルムおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリプロピレン系樹脂を成分とするヒートシール性フィルムであり、フィルムの幅方向の厚み斑が10%以内であり、かつ明細書中に記載したガスクロマトグラフィー質量分析法で定量される揮発性の炭素数が12から16のパラフィンおよびオレフィンの総量がフィルム質量に対してn−テトラデカン量換算値で2000ppm以下であることを特徴とするヒートシール性線状低密度ポリエチレン系フィルムである。
この場合において、前記フィルム中の最大直径が0.1mm以上のフィッシュアイが10個/0.1m2以下であることが好適である。
また、本発明は、明細書中に記載したガスクロマトグラフィー質量分析法で定量される揮発性の炭素数が12から16のパラフィンおよびオレフィンの総量が樹脂重量に対してn−テトラデカン量換算値で3000ppm以下であるポリプロピレン系樹脂をTスロット型ダイを用い、ダイス出口の樹脂温度が150〜200℃で製膜することを特徴とするヒートシール性線状低密度ポリエチレン系フィルムの製造方法である。
この場合において、Tスロット型ダイより押し出されたフィルムを冷却ロールに密着させるに際して、エアーノズル法、エアーチャンバー法あるいはエアーナイフ法および真空チャンバー法を同時に作用してなることが好適である。
また、この場合において、溶融押し出し工程で溶融された樹脂を濾過精度が100μm以下であるフィルターで濾過することが好適である。
さらにまた、この場合において、濾過を2段で行うことが好適である。
さらにまた、この場合において、前記ポリプロピレン系樹脂が減圧下、50℃以上で、軟化点未満の温度で加熱処理されてなることが好適である。
さらにまた、この場合において、前記減圧度が13hPa以下であることが好適である。
さらにまた、この場合において、前記加熱処理前のポリプロピレン系樹脂が明細書中に記載したガスクロマトグラフィー質量分析法で定量される揮発性の炭素数が12から16のパラフィンおよびオレフィンの総量が樹脂質量に対してn−テトラデカン量換算値で3000ppmを超えるものであることが好適である。
本発明のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムは、低温シール性や耐衝撃性等の線状低密度ポリエチレン系フィルムの特性を有したうえに、臭気が少なく、かつフィルムの厚み精度が良く、さらにフィッシュアイの混入が少ないので、該フィルムを用いて各種包装用の包装袋や包装容器に加工する折の加工の操業性が良好であり、得られる製品のシール特性の変動が少なく、かつ外観の良好な製品が得られるという利点を有するので、食品や医療材料などの臭気が嫌われる包装材、容器等の分野において好適に使用することができる。また、本発明の製造方法により、上記の高品質なヒートシール性ポリプロピレン系フィルムを安定して、かつ経済的に製造することができるという利点がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン構造を主構成成分としたものであれば限定はなく、ホモポリマー、共重合ポリマーおよびそれらの混合物のいずれであっても構わない。また、共重合ポリマーは、ランダム、ブロックおよびグラフトのいずれでも構わない。共重合ポリマーの場合の共重合成分も限定はなくエチレン、ブテン、ヘプテン、ヘキセン、オクテンおよびメチルペンテン等の低級α―オレフィン、ブタジエン、イソプレン等のジエン類等が挙げられる。共重合ポリマーの場合は該成分との二元系であっても、三元系以上の多元系であっても構わない。また、立体規則性に関しても限定はなくアイソタクチック、シンジオタクチック、アタクッチクのいずれでも構わない。市場の要求特性に合わせて適宜選択すれば良い。密度は870〜912kg/m3が好ましい。さらには、密度は、880〜905kg/m3が好ましい。密度が870kg/m3未満では剛性、耐熱性および耐ブロッキング性が低下するので好ましくない。逆に、密度が912kg/m3超えた場合は低温ヒートシール性が悪化するので好ましくない。また、メルトマスフローレート(以下、MFRと記す)は、1〜100g/10分(230℃)の範囲内のものを用いるのが好ましい。2〜80g/10分(230℃)の範囲のものがより好ましく、さらに好ましくは、2〜50g/10分(230℃)の範囲内である。MFRが1g/10分(230℃)未満では、フィルム成型において、溶融粘度が高くなり、押出し機のモーターにかかる負荷が大きくなると共に、フィルムの厚み精度が低下するので好ましくない。逆に、100g/10分(230℃)を超えと溶融粘度が低くなり過ぎ製膜が困難になる上、得られたフィルムの力学特性が悪化するので好ましくない。
ポリプロピレン系樹脂の製造方法は特に制限されるものでなく、例えば、チグラー・ナッタ系触媒やシクロペンタジエニル金属化合物等のいわゆるメタロセン系触媒や非メタロセン系錯体などの錯体系触媒を用いた、溶液重合法、スラリー重合法、塊状重合法、気相重合法などの方法で製造されたものが挙げられる。
本発明のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムは、上記組成のポリプロピレン系樹脂よりなり、かつフィルムの幅方向の厚み斑が10%以内であり、下記のガスクロマトグラフィー質量分析法で定量される揮発性の炭素数が12から16のパラフィンおよびオレフィンの総量がフィルム質量に対してn−テトラデカン量換算値で2000ppm以下であることが必要である。
[フィルム中の揮発性成分のガスクロマトグラフィー質量分析法]
(1)試料のセット
フィルム試料2〜3mgを精秤し、サーマル ディソープション コールドトラップ インジェクター(TCT)用サンプルチューブ(Chrompack社製、内径3mm)に入れ、TCT(GLサイエンス社製:CP−4020)のディソープションオーブンにセットする。
(2)試料の加熱と揮発成分のガスクロマトグラフィー質量分析計への導入
上記方法でサンプルチューブがセットされたディソープションオーブンを80℃で10分加熱しフィルム中の揮発成分を揮発させる。発生した揮発成分をキャリアーガス(He:流量14cc/分)によりー100℃に冷却されたコールドトラップに導入する。10分後にコールドトラップを一気に250℃に加熱し凝縮された揮発成分をガスクロマトグラフィー質量分析計へ導入する。
(3)ガスクロマトグラフィー質量分析
1)ガスクロ装置:HP−6890(Agilent社製)
2)質量分析装置:HP−5973(Agilent社製)
3)ガスクロカラム:キャピラリーカラムHP−1MS(直径0.25mm、長さ3
0m、ヂメチルポリシロキサン膜厚1.0μm)
4)導入口温度:120℃
5)ガスクロ条件:キャリアーガス流量0.5cc/分、カラム温度は50℃で2分
間保持し、250℃まで15℃/分で昇温、280℃で10分間保持
6)ガスクロピークの同定:質量分析により行う
(4)揮発性成分の定量
下記方法でn−テトラデカンの検量線を作成し、n−テトラカン換算量で表示する。該定量は全イオン検出モードで行う。
n−テトラデカン38.6mgをn−へキサン1000ccに溶解した溶液を標準溶液とする。該標準溶液10マイクロリッターをTenax吸着管[上記サンプルチューブにTenaxTA(20/35メッシュ:GLサイエンス社製)を0.1g充填したもの、充填の折にはTenaxTAの上下にガラスウールを充填した]にマイクロシリンジを用いて注入しTenaxに吸着させる。該Tenax吸着管を上記のディソープションオーブンにセットし、上記と同じ方法でガスクロマトグラフィー質量分析を行い検量線を作成する。
本発明者らは、従来より実施されてきている臭気の官能試験に替わる精度の良い評価法に関して鋭意検討し、上記方法で定量されるフィルム中に含まれる揮発成分である炭素数が12から16のパラフィンおよびオレフィンの総量で評価できることを見出して本発明を完成した。すなわち、フィルム中に含まれる揮発成分である炭素数が12から16のパラフィンおよびオレフィンの総量がフィルム質量に対してn−テトラデカン量換算値(以下、フィルム中の揮発成分量と称する)で2000ppm以下であることが好ましい。1800ppm以下がより好ましく、1500ppm以下がさらに好ましく、1000ppm以下が特に好ましい。2000ppmを超えた場合は、フィルムの臭気が強くなり、該フィルムを用いた包装袋や包装容器で包装をした場合に内容物に該臭気が移行し、内容物の商品価値を低下させるので好ましくない。なお、臭気との関連性が見出された揮発成分である炭素数が12から16のパラフィンおよびオレフィンはフィルムの主構成物質であるポリプロピレン系樹脂の劣化により生じたものと推察される。
本発明のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムは、上記臭気に関連した特性と共に、フィルムの幅方向の厚み斑が10%以内であることを同時に満足する必要がある。8%以内がより好ましく、6%以内がさらに好ましい。10%を超えた場合は、前述の課題発生に繋がる。尚、本発明における上記厚み斑は、フィルム幅400mm以上でフィルム長1000m以上のロールにおいて満たされるのが好ましい。
上記した臭気に関連した特性がよく、かつ厚み斑の少ないことを同時に具備することにより始めて食品や医療材料などの臭気の嫌われる包装材、容器等の分野において好適に用いることができる。
また、本発明のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムは、最大直径が0.1mm以上のフィッシュアイが10個/0.1m2以下であることが好ましい。8個/0.1m2以下がより好ましく、6個/0.1m2以下がさらに好ましい。該フィッシュアイが10個/0.1m2を超えた場合は、前述の課題に繋がり市場の高度な要求に答えることができない。
本発明のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムは、シール開始温度が80〜200℃であることが好ましい実施態様である。85〜180℃がより好ましく、90〜160℃がさらに好ましい。シール開始温度が80℃未満では耐ブロッキング性が低下し二次加工適性が低下するので好ましくない。一方、200℃を超えた場合は低温シール性が悪化し、高速ヒートシール加工におけるシール強度低下に繋がるので好ましくない。
また、本発明のヒートシール性線状低密度ポリエチレン系フィルムのフィルム厚みは、5〜300μmである。好ましくは、10〜200μmである。
本発明のヒートシール性線状低密度ポリエチレン系フィルムは、2層以上の層構成よりなる多層フィルムであっても構わない。
上記特性を有するヒートシール性ポリプロピレン系フィルムの製造方法は限定されないが、下記のガスクロマトグラフィー質量分析法で定量される揮発性の炭素数が12から16のパラフィンおよびオレフィンの総量が樹脂質量に対してn−テトラデカン量換算値で3000ppm以下(以下、樹脂中の揮発成分量と称する)であるエチレンと炭素数が3〜12のα―オレフィンの共重合体よりなる線状低密度ポリエチレン樹脂をTスロット型ダイを用い、ダイス出口の樹脂温度が150〜200℃で製膜することが好ましい実施態様である。
[樹脂中の揮発性成分のガスクロマトグラフィー質量分析法]
(1)サンプル樹脂の粉砕
樹脂1gを冷凍粉砕機(SPEC 6700 Freezer/Mill)を用いて
液体窒素で冷却し冷凍粉砕を行う。粉砕は強度MAXで10分間行う。
(2)試料のセット
上記粉砕試料約10mgを精秤し、サーマル ディソープション コールドトラップ インジェクター(TCT)用サンプルチューブ(Chrompack社製、内径3mm)に入れ、TCT(GLサイエンス社製:CP−4020)のディソープションオーブンにセットする。サンプルチューブへの試料の充填の折には試料の上下にガラスウールを充填した。
(3)試料の加熱と揮発成分のガスクロマトグラフィー質量分析計への導入、ガスクロマトグラフィー質量分析および揮発成分の定量
フィルム中の揮発性成分のガスクロマトグラフィー質量分析法と同様の方法で行う。
従来公知の技術、例えば、前記の特許文献で開示されている技術では、ポリプロピレン系フィルムの臭気は、酸化防止剤等の安定剤等の低分子量の有機性の添加剤の寄与が大きいと捉えられており、これらの種類や添加量により臭気の改善が試みられている。例えば、低臭フィルム用樹脂としてこれらの添加剤が含まれていない無添加銘柄の樹脂が市販されている。本発明者等は、前記特性を有した低臭性のヒートシール性線状低密度ポリエチレン系フィルムに関して検討した結果、無添加銘柄の樹脂を用いても必ずしも目的の特性のフィルムが得られないことを見出した。そこで、目的の特性のフィルムが安定して得られる製造方法の確立に関して鋭意検討した結果、フィルムの臭気に関しては、製膜工程における原料樹脂の押出し温度を低くし原料樹脂の劣化を抑えることに加えて、製膜直前の原料樹脂中の特定の揮発性成分量の寄与が大きくいことが重要であることを見出した。原料樹脂中の揮発成分量は前記フィルム中の揮発成分量の定量方法に準じ、上記方法を確立した。
樹脂中の揮発成分量は2900ppm以下がより好ましく、2800ppm以下がさらに好ましい。3000ppmを超えた場合は、原料樹脂の押出し温度を低くし原料樹脂の劣化を抑えても本発明のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムが具備すべき特性であるフィルム中の揮発成分量を2000ppm以下にすることが困難となる。
なお、該樹脂中揮発成分量の限界値の方が、フィルム中の揮発成分量の限界値より大きくなっているが、測定に供するサンプルの形状が異なり、その表面積に大きな差があるために揮発性成分の揮発量に差が生じたために引き起こされた現象であると推察している。すなわち、両測定値が等価ではないことに起因していると推察している。
このフィルムの臭気特性と原料樹脂の品質との関係は、従来公知の官能評価に替わる精度の高い上記の定量方法を確立することにより初めて成し得たことである。
本発明において、ポリプロピレン系樹脂中に含まれる揮発性成分量を前記範囲にする方法は限定されない。例えば、前述の特許文献6で開示されているペレット化工程において、押出し機に脱気設備を設け、溶融押出し時に減圧脱気する方法およびホッパードライヤーなどによりペレットを熱風下で乾燥する方法を利用することが開示されている。鋭意検討した結果、樹脂の軟化点以下の温度、すなわち樹脂を固相状態で、かつ減圧下で加熱処理することにより樹脂中の揮発性成分量を効率良く低減することができ、本発明に適合する樹脂が安定して生産できることを見出した。すなわち、ポリプロピレン系樹脂を50℃以上で、樹脂の軟化点未満の温度で加熱処理することが好ましい実施態様である。60℃以上で、樹脂の軟化点未満がより好ましく、80℃以上で、樹脂の軟化点未満がさらに好ましい。50℃未満では揮発性成分量の低減効果が激減するので好ましくない。逆に、軟化点を超えた温度、特に樹脂が溶融された状態になると樹脂分子の運動が活発になり、樹脂の分子鎖の劣化が促進され加熱処理による揮発性成分の生成が増大し、結果として樹脂中の揮発性成分の低減が少なくなり効率的な低減ができなくなるので好ましくない。特許文献6の方法では200℃以上の高温処理で、かつ減圧度もマイルドな条件で実施されている。また、本発明における揮発性成分量は特許文献6で開示されている方法における炭化水素成分量に比べ大きな数値になっているが、この点に対しても樹脂の種類が異なっていることと共に、測定方法の差異の寄与も大きいと推察される。すなわち、本発明は、樹脂中の揮発性成分量の定量方法改善および加熱減圧の工夫、製膜の工夫により初めて成しえたものであるといえる。
上記の加熱処理における減圧度は13hPa以下が好ましい。10hPa以下がより好ましく、8hPa以下がさらに好ましい。13hPaを超えた場合は、樹脂中の揮発性成分の低減効果が減少するので好ましくない。特許文献6において開示されている溶融押出し時に減圧脱気する方法では、溶融樹脂に含まれる添加剤や劣化物による発泡が起こるので、押出しの安定性を確保するために限定された減圧度で行う必要があるのに対して、本方法は樹脂を固相状態で処理するため、加熱処理装置のシール度の限界に近い減圧度でも実施ができるので、低温処理であり樹脂の劣化が抑制される効果との相乗効果により揮発性成分を極めて効率的に低減することができる。
上記の加熱処理時間は、処理前の揮発性成分量、目標の揮発性成分量および処理条件により適宜選択し設定すればよいが、例えば、2〜60時間が好ましい。
本発明においては、加熱処理前のポリプロピレン系樹脂として上記方法で定量される揮発性の炭素数が12から16のパラフィンおよびオレフィンの総量が樹脂質量に対してn−テトラデカン量換算値で3000ppmを超えるものを用いるのが好ましい実施態様である。このことにより、汎用の樹脂を原料とすることができるので経済的に有利となり、本発明の効果をより増大することができるので好ましい。勿論、3000ppm以下の樹脂を用いてより含有量の低い樹脂として使用することも排除されない。
本発明においては、線状低密度ポリエチレン系樹脂として前記方法で品質管理した樹脂を原料として用いるので臭気の抑制された本発明のヒートシール性線状低密度ポリエチレン系フィルムを安定して生産することができ、不良製品の発生が抑制されるので経済性の点でも有利である。
本発明においては、ポリプロピレン系樹脂は、上記特性を有しておれば必ずしも有機系の添加剤が含まれない無添加銘柄である必要はない。例えば、酸化防止剤はむしろ少量であれば添加した方が好ましい場合もある。この場合は樹脂に対して1000ppm以下が好ましい。800ppm以下が好ましい。酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートで代表されるフェノール系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等で代表されるホスファイト系安定剤等があげられる。フェノール系とホスファイト系の併用系あるいは一分子中にフェノール骨格とホスファイト骨格の両方を有したものの使用が好ましい。2種以上併用する場合は、全合計量で上記範囲であるのが好ましい。
有機性の添加剤は臭気の原因となりえるだけでなく、移行性を有するものもあり被接触物に移行し包装された内容物を汚染し味覚等に悪影響を及ぼすこともあるので無添加銘柄の使用は排除されるものでなく、好ましい実施態様の一つである。滑剤、中和剤、帯電防止剤、加工性改良剤、紫外線吸収剤、防曇剤等の比較的低分子量の有機物よりなる移行性の添加剤を配合されていないもの、もしくは、該添加剤が配合されたとしても、該配合された添加剤が実質的に内容物等の被接触物に移行し臭気や味覚に対して悪影響を及ぼさない量であることが好ましい。例えば、滑剤としては、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステルが挙げられる。触媒残渣の中和剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩及びハイドロタルサイト、帯電防止剤としては、炭素数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステル等に代表される。加工性改良剤として、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩等に代表される。紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシベンゾフェノン系、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、サリシレート系、シアノアクリレート系に代表される。防曇剤としては、グリセリン脂肪酸エステル系、ソルビタン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系に代表される。従って、外部に溶出してしまうような添加剤、例えば、内容物が液体の場合は、該液体に溶出されてしまうような添加剤あるいは時間とともにフィルム表面に偏在するような添加剤が樹脂中に含まれていないことにより、例えば食品の包装材や容器として用いた場合は、味覚の変化が少なく衛生的であり、また、医療や電子材料の包装材や容器として使用した場合は内容物を汚染しないクリーンフィルムが得られる。
本発明においては、実質的に被接触物に移行しない添加剤は本発明のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムの具備すべき特性を本質的に阻害しない範囲で添加しても構わない。例えば、無機フィラーや有機、無機および無機/有機のハイブリッドポリマーよりなるフィラー等が例示される。無機フィラーとしては、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム、マグネシア、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、マイカ、ガラスフレーク、ゼオライト、珪藻土、パーライト、フライアッシュ、ガラスビーズ等が挙げられる。有機ポリマーよりなるフィラーとしては、ポリメチルメタクリレート架橋樹脂、ポリエステル架橋樹脂、フェノール樹脂、その他の合成樹脂の粉末及び微小ビーズ等よりなるものが挙げられる。無機ポリマーよりなるフィラーとしてはシリコーン樹脂よりなるものが、また、有機/無機ハイブリッド系ポリマーよりなるフィラーとしてはシリコーンと有機ポリマーとの複合樹脂よりなるもの等が挙げられる。
上記のフィラーの配合によりフィルムの滑り性を向上させ得られたフィルムのロールとしての巻き特性や得られたフィルムを使用する際の加工性を向上させることができる。
また、本発明においては、超低密度ポリエチレン、高圧法のポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、オレフィン系エラストマー等よりなる樹脂を配合してブロッキング防止、滑り性付与、耐衝撃性あるいはヒートシール特性の改善をすることも好ましい実施態様として推奨される。当然であるが、該改質用樹脂も上記のポリプロピレン系樹脂と同様に揮発性成分量が前記特性を有したものを用いるのが好ましい。また、被接触物に移行する添加剤が含まれていないものを用いるのがより好ましい実施態様である。
また、滑り性向上やブロッキング防止性等を付与する目的でフィルム表面にエンボス加工を施す等の手段を取り入れることも好ましい実施態様である。
以上、上記のポリプロピレン系樹脂は無添加グレードとして市販されている樹脂および樹脂配合物を用いても良いし、本発明の効果をより大きく発現できるように特別に設計したものを用いても構わない。
さらに上記樹脂の溶融押し出しにおけるダイス出口の樹脂温度が150〜200℃で製膜するのが好ましい。
一方、フィルムの厚み斑に関しては、原料樹脂の劣化が抑制される低温での押出し製膜においても目的とした厚み斑のフィルムを得るには、Tスロットダイを用いることが重要であることを見出した。すなわち、臭気が少なく、かつ厚み斑の抑制されたヒートシール性線状低密度ポリエチレン系フィルムを安定して得るためには、原料樹脂中の揮発成分量を上記範囲にし、Tスロット型ダイを用い、ダイス出口の樹脂温度が150〜200℃で製膜することが重要であることを見出し本発明を完成した。
従来Tダイ法の製膜は200℃以上の温度で押出し成型されてきた。しかし、本発明ではフィルム中の揮発成分やフィッシュアイの生成を抑制する必要がある。この課題を解決する手段は限定されないが、ダイス出口の樹脂温度が150〜200℃で押出し成型することが重要である。150〜190℃がより好ましく、160〜190℃がさらに好ましい。150℃未満では原料樹脂の溶融粘度が高くなりすぎ流動特性が悪化し得られるフィルムの厚み斑が増加するので好ましくない。逆に、200℃を超えた場合は樹脂の熱劣化が増大し臭気に悪影響をおよぼす前記の揮発成分の発生やゲル生成が増大するので好ましくない。なお、本発明におけるダイス出口の樹脂温度は精度が±5℃以内の赤外線式温度計を用いて測定したものである。該赤外線式温度計としてはチノー社製ポリエチレンフィルム用IR−CAM型が例示される。
上記の押出し温度で成型するための達成手段として原料のポリプロピレン系樹脂のMFRを高くする方法が挙げられるが、得られるフィルムの機械特性が満足されなくなるので好ましくない。従って、MFRは、1〜100g/10min、好ましくは2〜80g/10min、さらに好ましくは2〜50g/10minのものを用いることが必要となる。該MFRのポリプロピレン系樹脂を用いて、上記、150〜200℃押出し温度で成型すれば、揮発成分やフィッシュアイの生成は低減出来るが、フィルムの厚み斑を幅1000mmにおいて10%以内にすることが困難となる。従って、得られるフィルムの特性を本発明の範囲にするためには、上記の押出し温度で押出しても厚み斑が大きくならないための改善が必須となる。そのためには製膜機、特にダイスの構造や製膜条件の最適化が必要である。該方策について言及する。
まず上記達成手段の一つにダイスの形状最適化がある。一般に今日のプラスチック工業で広く使用されているコートハンガーダイはクラムシェルの問題を抱えていた。このクラムシェル現象はダイ本体の中央部に力が多く掛かりダイ端部より大きく変形するというダイの変形のことである。この不均一な変形は粘度の変動や吐出量の変動から絶え間なく樹脂圧が変化する点から厚み斑が発生し易い。
一方、近年、上記のコートハンガーダイの課題を克服するための方策としてTスロット型ダイが注目されている。該Tスロット型ダイは、例えば、Gary D.Oliver、「最新の共押出技術と市場同行」、コンバーテック、1996年12月、第24巻、第12号、P14〜19や小山、「機能性多層フィルムの押出技術」、プラスチックエージ、2003年、6月、第49巻、第595号、P93〜97等に記載されているように、以下の特徴を有している。特徴1として、Tスリット型ダイのアスペクト比を大きくした直線状のマニホールドになっており、それにより、厚みの均一性を向上させることができる。さらに樹脂が流れる面に力が均一にかかるのでクラムシェルが発生しない。特徴2として、プレランドを2段階にしてその段差部分の形状を曲線状に作ることにより、ダイス全体でバランスの取れた均一の流れになるような設計がなされており、溶融樹脂の各種粘度に対応できるように改良されている。すなわち、図1に例示するごとく、Tスロットダイでは幅方向に直線状のマニホールド、2段の傾斜ランドとリップよりなる3段のスリット流路有する構造となっている。コートハンガーダイとは異なりプレランドが傾斜タイプの2段方式になっており、かつ樹脂流が供給される中央部の第一段目のプレランド部はコートハンガーダイとは逆に、中央部の方がランド長が短くなっており上記課題が改善されている。さらに、スリット流路幅が3段分割されており整流効果も向上しており、Tダイ全体の圧力斑や歪が低減できるように改善されており、厚み斑の低減に繋がる。
すなわち、コートハンガーダイは、図2に例示するごとく、Tダイの幅方向にハンガー状に傾斜するマニホールドと引き続く2段のスリット流路(プレランドとリップ)とよりなる。従って、マニホールドに溶融樹脂が流入すると、プレランド部に樹脂流が衝突し圧力が調整されるが、樹脂流が供給される最も圧力が高くなる中央部のプレランド長が分流により樹脂流が供給される端部のプレランド長より長くなっているため、このプレランド長さによる圧力上昇が加味されることにより、中央部と端部の圧力差がより増長され、Tダイ全体の圧力斑や歪の増大が起こり、このことが吐出時の厚み斑の増大に繋がる。さらに、スリット流路幅の分割が2段であるため、整流効果が充分でない。その結果、一般にWパターンと呼ばれダイ出口で早く流れる部分と遅くなる部分が発生し、均一な流れにならない問題に繋がる。それが厚み斑や熱履歴の違いによるフィッシュアイの原因になっていたこと考えられる。
Tスロトット型ダイ周りの空気の流れ方向がフィルムの厚み斑に影響を与えるので最適化することが好ましい実施態様である。該Tスロット型ダイから出てくる溶融樹脂シートに対して垂直な空気の流れである風を無くすことが重要である。これは溶融状態で垂直な風を受けると、溶融樹脂シートが振れて、その振れた部分の厚み変化や部分的な冷却斑が発生し厚み斑に繋がる。該対策の一つとしてダイス回りをシート、板、などで囲いを作り、囲いで囲みダイス出口に上記の好ましくない風が当たらないようすることが挙げられる。さらに、積極的にダイス出口の溶融樹脂シートの流れが乱れないような風の流れを作ることも好ましい実施態様である。
Tスロット型ダイ周りの温度斑も厚み斑に影響を及ぼすので、できるだけ温度斑を小さくすることも重要である。例えば、前記のダイス周りに囲いをすることは、当該現象の改善にも繋がるので、好ましい実施態様として推奨される。また、湿度を高めた状態でしかも加温した状態にすることは、温度斑が小さくなるので好ましい実施態様である。
Tスロット型ダイより押し出された溶融樹脂シートの冷却ロールへの密着方法の改善もフィルム厚み精度向上の重要な要因である。例えば、エアーで冷却ロールに密着させる方法として、エアーノズル法、エアーチャンバー法あるいはエアーナイフ法および真空チャンバー法が広く普及しているが、上記3方法を同時に作用させることが好ましい実施態様である。すなわち、溶融樹脂シートの冷却ロールへの密着に際して、エアーノズル法で両端を固定し、エアーチャンバー法あるいはエアーナイフ法により溶融樹脂シートの全幅の冷却ロールへの押さえつけを行い、同時に真空チャンバー法を作用させ溶融樹脂シートと冷却ロールの間への空気の巻き込みを防止することにより厚み斑が低減される。該方法においてもエアーナイフやエアーチャンバーの風を溶融樹脂シートに対して均一に、かつ流れの乱れが発生しないように当てる事および真空チャンバーの吸引力が幅および流れ方向において均一になるように装置構造、取り付け位置、エアーナイフやエアーチャンバーの空気の風量や方向、真空チャンバーの吸引度や吸引方向等を最適化することも大切である。このことにより、溶融樹脂シートの振れを小さくする事ができ、厚み精度向上に繋げられるので有効な手段の一として推奨される。
上記密着方法におけるエアーチャンバー法とエアーナイフ法の選択は該装置を設置する場所の空間容積や真空チャンバーの性能との関係で適宜選択すれば良い。
このような高精度のTスロット型ダイを使う事により、フィードブロックの簡略化が可能となる。従来技術、例えばコートハンガー型ダイでは、ダイスでの厚み調整、品質均一化が不十分だったので、フィードブロックで厚み調整、品質均一化の補助を行う必要があり複雑な形状になっていたが、上記のTスロット型ダイの場合はダイス内の溶融樹脂の流れが均一化されているので、フィードブロックが簡略化出来る。該簡略化によりデッドスペースが減少できるので、熱劣化のさらなる低減の効果がある。
また、ダイス内での樹脂流の均一化によりフィッシュアイの生成も抑制されるという新たな効果もあることがわかった。
上記のTスロット型ダイの使用はフィルムの厚み斑やフィッシュアイの低減対策として有効であるが、本発明においては、押出し温度が低いためダイスリップにおける溶融樹脂のせん断粘度が高くなるので、線状低密度ポリエチレン樹脂に添加された、例えば無機フィラー等の樹脂に溶解しない添加物がダイスリップで流動体の外にはじきだされリップ口の周辺に析出して通常「目やに」と称する汚れを形成しフィルムの厚み斑や異物混入に悪影響を及ぼす。従って、該課題解決のためにダイスのリップ開度を大きくすることが好ましい実施態様となる。
上記の押出し温度の温度範囲での製膜により、フィッシュアイの生成も抑制することはできるが、本発明においては、臭気や移行性成分を抑制するために原料樹脂中の酸化防止剤の配合量を極力低下させることが好ましいので上記の押出し温度の最適化に加え、原料樹脂の溶融押し出し工程で生成するフィッシュアイをフィルターで濾過して除去あるいは微小化する方法を加えることが好ましい実施態様として推奨される。
該溶融樹脂の濾過においては、用いるフィルターの選択が重要である。本発明においては、溶融押出し工程で溶融された樹脂を濾過精度が100μm以下であるフィルターで濾過することが好ましい実施態様である。ここで、濾過精度とは、JIS B8356:1976年で定義された方法に準じて評価された性能である。濾過精度は80μmがより好ましく、60μmがさらに好ましい。濾過精度が100μmを超えた場合はフィッシュアイを形成するゲル状異物の除去及び微小化が悪化するので好ましくない。濾過精度の下限はゲル状異物の除去及び微小化の点より小さければ小さい程好ましいが、小さくなるに比例して濾過圧力損失が大きくなるので濾過面積を大きくする必要が生ずる。従って、下限は30μmが好ましい。フィルターは金網フィルターが一般的に多く用いられており、平織り、綾織、平畳織、綾畳織など織りかたの形状の変化、それに使用する線の太さと積層構成により濾過能力や微小化効率が変ってくる。それらの金網フィルターと別に金属焼結フィルターというタイプがあり、粉末焼結したもの、不織布のように金属を織ることなく固めたものの大きく2種類がある。特に不織布のように金属を織ることなく固めたものは、ミクロンオーダーのステンレス鋼繊維を均一に積層焼結したもので、繊維相互の無数の接点が金属同士接合一体化しており、目開き抜け落ちの少なく高い濾過精度を有する上、他の金属濾過材より空隙率が大きい影響で、圧力損失が小さく、金網、金属粉末焼結フィルターに比べて、異物保持能力が高いので最近特に多く使われ始めているが、金網フィルターでも織り方、積層法を改良するとそれに同等以上の性能が出るものも有り、排除はしない。選定時ポイントは、特にオレフィンは溶融粘度が高いので圧力損失が低く、濾過能力の高いものを選ぶことが好ましい。該方策の採用はフィッシュアイ低減だけでなく厚み斑低減の効果をも併せて発現できる。厚み斑は、圧力損失が大きい場合に発生し易い。それはフィルターにより押出し機で溶融樹脂を押出した圧力がカットされ、Tダイ内の圧力が不足し、Tダイ内の溶融樹脂の流れが不安定になり、結果として厚み斑になることがある。先に述べたように圧力損失が低いフィルターを用いる事によりそれを抑制することが可能となる。
上記の濾過は、フィルターを2個以上直列に繋いだ多段濾過法で行うのがより好ましい実施態様である。該多段濾過法により、濾過や微小化効率が向上し、かつ前記の圧力損失の課題も改善される。該多段濾過法の場合は、同じ濾過精度のフィルターを用いても良いが、溶融樹脂の流れ方向に従って濾過精度の値を低くしていくのがさらに好ましい実施態様である。
本発明で使用する原料のポリプロピレン系樹脂ペレットは、乾燥するときに不活性ガス置換をして、乾燥したものを使用するのが好ましい。不活性ガス置換により脱酸素され押出し機に入り溶融する時の酸化分解が押さえられ、前記の揮発成分の発生抑制やフィッシュアイ低減に繋がる。また、製膜の為の押出し機のホッパーや原料を入れるサイロにも酸素が入らないように不活性ガスで置換し、原料が酸化しない状態にしておくのも好ましい実施態様である。該方法は原料樹脂と共に押出し機への酸素の混入が抑えられる効果もありゲル生成の抑制に繋がる。該方策の採用はゲル生成抑制だけでなく臭気や味覚に影響する分解物の生成を抑制効果をも併せて発現できる。使用する不活性ガスとして、希ガス類元素例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンの6元素が挙げられるが、高価であるので実際的ではない。安価で入手が容易な窒素ガスが好ましい。
近年は原料配合物の混練効果を向上する目的で2軸押出し機が用いられることが多くなってきているが、本発明では低温押出しが必要であり2軸押出し機では局部発熱による樹脂の劣化が起こることがあるので、単軸スクリューを用いた押出し機を用いることが好ましい実施態様として推奨される。単軸スクリューの欠点は、スクリュー回転の高速化に伴って、混合・混練不良が発生する上、樹脂温度の過度な上昇のため適正な操業に限界があることである。この問題を解決するために鋭意検討した結果、例えば、坂上、「ミキシングスクリュの実験的研究[2]I.単軸スクリュの実験研究(2)」、プラスチックエージ、2003年4月、第49巻、第593号、P146〜157において記載されている3ステージスクリュー構造の単軸押出し機を用いることが有効であることを見出した。すなわち、スクリューの中間部にミキシングエレメントを設け、その手前を第1ステージ、ミキシングエレメント部を第2ステージ、その後を第3ステージとする3ステージスクリュー構造をとるのが好ましい。中間部のミキシングエレメントにより混合・混練性能を高めると共に、先端の溝深さを深くして過度の発熱を抑制し、冷却能力を補強し、併せて押出し量をアップを図ることがより好ましい実施態様である。2軸タイプでもスクリュー設計を適切に調整することにより可能であり排除はされない。該対策はフィッシュアイの低減のみでなく前述のフィルム中の揮発性成分の生成抑制効果にも繋がるので重要である。
回収原料もフィッシュアイ抑制の重要な要素である。多くの場合、製品、切開屑等を再利用して原料に混ぜて使用している。それらを製品、切開屑などを溶融して樹脂ペレットにする方法。圧力により、それら製品、切開屑などを圧力により、ペレット状、板状にする方法。半溶融状態でペレット状にする方法が知られている。溶融し、ペレットにする方法は、熱により溶融しペレットにするので、樹脂内部で架橋反応が起こり、結果として、フィッシュアイが発生し易くなる。圧力によりペレットにする方法は、柔らかいフィルムには不向きで、ペレットにしても元のフィルムの形に戻ろうとする力が強く、時間の経過と共に形が変化していく場合があり、管理が難しい。半溶融状態でペレットにする方法は、そのような時間の経過と共に変化することなく均一であり、フィッシュアイが発生しにくいので好ましい。
回収する製品、切開屑についてくる塵、異物、細かなゴミなどの管理も重要あり、これらに塵、異物、細かなゴミなどが付着したまま回収原料にするとそれらが核となり、フィッシュアイが発生する。回収室内の空調管理が重要であるのはもちろんのこと、塵、異物、細かなゴミが付着したものを回収のラインに入れないように工夫する事が重要である。その方法としては、クリーンルーム内での回収作業が好ましい。また、フィルムに付いた塵、異物、細かなゴミを除去するために回収装置入口に静電気除去装置の取り付けを行なうことが好ましい。
次に実施例および比較例を用いて、本発明を具体的に説明する。なお、各実施例で得られたフィルム特性は以下の方法により測定、評価した。
1.フィルム中の揮発性成分のガスクロマトグラフィー質量分析法
(1)試料のセット
フィルム試料2〜3mgを精秤し、サーマル ディソープション コールドトラップ インジェクター(TCT)用サンプルチューブ(Chrompack社製、内径3mm)に入れ、TCT(GLサイエンス社製:CP−4020)のディソープションオーブンにセットした。
(2)試料の加熱と揮発成分のガスクロマトグラフィー質量分析計への導入
上記方法でサンプルチューブがセットされたディソープションオーブンを80℃で10分加熱しフィルム中の揮発成分を揮発させる。発生した揮発成分をキャリアーガス(He:流量14cc/分)によりー100℃に冷却されたコールドトラップに導入した。10分後にコールドトラップを一気に250℃に加熱し凝縮された揮発成分をガスクロマトグラフィー質量分析計へ導入した。
(3)ガスクロマトグラフィー質量分析
1)ガスクロ装置:HP−6890(Agilent社製)
2)質量分析装置:HP−5973(Agilent社製)
3)ガスクロカラム:キャピラリーカラムHP−1MS(直径0.25mm、
長さ30m、ヂメチルポリシロキサン膜厚1.0μm)
4)導入口温度:120℃
5)ガスクロ条件:キャリアーガス流量0.5cc/分、カラム温度は50℃で2分
間保持し、250℃まで15℃/分で昇温、280℃で10分間保持
6)ガスクロピークの同定:質量分析により行った
(4)揮発性成分の定量
下記方法でn−テトラデカンの検量線を作成し、n−テトラデカン換算量で表示した。該定量は全イオン検出モードで行った。
n−テトラデカン38.6mgをn−へキサン1000ccに溶解した溶液を標準溶液とした。該標準溶液10マイクロリッターをTenax吸着管[上記サンプルチューブにTenaxTA(20/35メッシュ:GLサイエンス社製)を0.1g充填したもの、充填の折にはTenaxTAの上下にガラスウールを充填した]にマイクロシリンジを用いて注入しTenaxに吸着させた。該Tenax吸着管を上記のディソープションオーブンにセットし、上記と同じ方法でガスクロマトグラフィー質量分析を行い検量線を作成した。
2.フィルムの臭気評価方法
フィルムを10cm4方の正方形に切り取り、これを100枚重ね、これを内容量1リットルの蓋つきガラス瓶に入れた。このガラス瓶を70℃に保った加熱オーブン中に2時間(放置し、これを取り出し直ちにパネラーにより官能評価を行った。
判定は以下の基準で行った。
良いもの:◎
やや良いもの:〇
やや悪いもの:△
悪いもの:×
3.フィルム中のフィッシュアイの測定方法
成型されたフィルムを流れ方向(以下、MD方向と記する)に33.3cm×流れ方向に対して横方向(以下、TD方向と記する)30cm、両端20cm外して、4ヶ所サンプルとして切り取る。フィルムの下から蛍光灯を照射した板の上に置き、透過光で目視により観察し、0.1mm以上のフィッシュアイを計測する。計測は切り取ったサンプル3枚の平均値でフィッシュアイ個数を求め、0.1m2当たりの個数に換算する。該サンプルが1枚でも0.1mm以上のフィッシュアイ個数が8個以上であれば、予備の1枚も計測し、フィルムサンプル4枚の平均値を求め、0.1m2当たりの個数に換算する。次に、カウントしたフィッシュアイを液体窒素中に浸して、硬くした状態で、剃刀で半分に切り、そのフィッシュアイの断面を光学顕微鏡で、50〜300倍の倍率で観察することにより、核となる物質が無ければ、例えば、セルロースなどを代表とする異物が無ければ、それは未溶融の塊り、原料の一部がゲル化したための塊り、成形中の材料の部分的劣化による塊り等のゲル起因のフィッシュアイと判定する。核がある場合は、異物起因のフィッシュアイと判定しカウントから除外する。
4.フィルムの厚み斑評価
JIS K7130:1999年に準じて評価する。一部方法が異なる部分は以下に詳細を説明する。測定する環境は、23℃×50%RH室内で行う。測定は、フィルムの両端5cmづつをカットし、該両端がカットされたサンプルを幅方向に40等分し測定位置
に印を付ける。該印の位置で印の部分を外した場所についてダイヤルゲージにて行う。計測はフィルムロールMD方向に15cm、TD方向に全巾、表層部からしわのない部分から2巻き剥いだ部分と巻き芯部からしわの無い部分から2巻きほど剥いだ部分の2ヶ所で、それぞれ3サンプルを取り、その6サンプルの平均値を求める。使用する計測器は、最小読み取り値が0.001mmとする。精度は、JIS B7503:1997年に規定してあるダイヤルゲージと同等以上のものとする。
厚み斑は下式で求める。
厚み斑(%)=(最大厚みー最小厚み)÷6サンプルの平均値×100
5.樹脂中の揮発性成分のガスクロマトグラフィー質量分析法
(1)サンプル樹脂の粉砕
樹脂1gを冷凍粉砕機(SPEC 6700 Freezer/Mill)を用いて
液体窒素で冷却し冷凍粉砕を行う。粉砕は強度MAXで10分間行う。
(2)試料のセット
上記粉砕試料約10mgを精秤し、サーマル ディソープション コールドトラップ インジェクター(TCT)用サンプルチューブ(Chrompack社製、内径3mm)に入れ、TCT(GLサイエンス社製:CP−4020)のディソープションオーブンにセットする。サンプルチューブへの試料の充填の折には試料の上下にガラスウールを充填した。
(3)試料の加熱と揮発成分のガスクロマトグラフィー質量分析計への導入、ガスクロマトグラフィー質量分析および揮発成分の定量
フィルム中の揮発性成分のガスクロマトグラフィー質量分析法と同様の方法で行った。
6.濾過精度
JIS B8356:1976年に準じて計測する。フィルターメディアを透過した最大グラスビーズ粒径を濾過精度(μm)とする。
7.ダイス出口の樹脂温度
本発明におけるダイス出口の樹脂温度は精度が±5℃以内の赤外線式温度計を用いて測定した。Tダイの幅方向等分した5箇所をn=3で計測し、その平均値を求める。チノー社製ポリエチレンフィルム用IR−CAM型を使用し、溶融樹脂から10〜15cmの位置で計測した。
8.MFR
JIS K 7210:1999年に準じて、評価条件は、2.16kg、190℃で原料樹脂の粘度を評価した。
9.樹脂密度
JIS K 7112:1999年に準じて、密度を評価した。
(実施例1)
分子中にフェノール骨格とホスファイト骨格を有した酸化防止剤700ppmが添加され、揮発成分量が5500ppmで、樹脂密度899kg/m3およびMFR3g/10minのプロピレンーエチレンブロック共重合体樹脂(EPR:13%)を減圧装置の付いた回転式の乾燥機に仕込み、13hPaの減圧下、105℃で48時間加熱処理して得た揮発成分量が240ppmに低減されたポリプロピレン系樹脂をスクリュー直径250mmの3ステージ型単軸押出し機を使用し、幅3000mmで、プレランドを2段階にし、かつ用溶融樹脂の流れが均一になるように段差部分の形状を曲線状としてダイス内の流れが均一になるように設計したTスロット型ダイを用いて、ダイス出口の樹脂温度160℃で押出した。リップギャップは0.8mmとした。溶融樹脂はステンレス鋼繊維を均一に積層焼結した形式の濾過精度100μmおよび50μmのフィルターを直列に連結した2段濾過法で濾過しダイスに供給した。ダイスからでてきた溶融樹脂シートを30℃の冷却ロールで冷却し、厚み30μmのポリプロピレン系フィルムを得た。原料の線状低密度ポリエチレン樹脂の乾燥は窒素ガス置換して行った。また、上記押出し機への供給用サイロやホッパーも窒素ガス置換をした。冷却ロールでの冷却に際しては、エアーノズルで冷却ロール上のフィルムの両端を固定し、エアーナイフで溶融樹脂シートの全幅の冷却ロールへの押さえつけを行い、同時に真空チャンバーを作用させ溶融樹脂シートと冷却ロールの間への空気の巻き込みを防止した。エアーノズルは、両端ともに2基ずつをフィルム進行方向に直列に設置した。また、エアーナイフの風向きは押出されたシートの進行方向に対して45度とした。また、真空チャンバーの吸引口の方向を押出されたシートの進行方向に合わせた。さらに、ダイス周りはシートで囲い、溶融樹脂シートに風が当たらないようした。製膜は100m/分の速度で実施した。得られた結果を表1に示す。
Figure 2006290964
(実施例2〜4)
実施例1の方法において、それぞれポリプロピレン系樹脂の減圧下での加熱時間を24、12および6時間に短縮して得た揮発成分量が1000、2100および2900ppmである樹脂を原料とするように変更する以外は、実施例1と同様にして実施例2〜4のフィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
(実施例5〜7)
実施例1〜3の方法において、ダイス出口の樹脂温度を180℃に変更する以外は、実施例1〜3と同様にしてそれぞれ実施例5〜7のフィルムを得た。得られた結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1の方法において、ダイス出口の樹脂温度を160℃、フィルム厚みを50μmに変更する以外は、実施例1と同様にして実施例8の線状低密度ポリエチレンフィルムを得た。得られた結果を表1に示す。本実施例で用いた減圧加熱処理後の原料樹脂中の揮発成分量は220ppmであった。
(実施例9)
通常のポリプロピレン系樹脂に添加されている酸化防止剤、中和剤、滑剤、帯電防止剤等の安定剤や滑り性向上等の機能性付与のための添加剤は全く添加されていない樹脂密度899kg/m3およびMFR3g/10minのポリプロピレン系樹脂を実施例1と同様に減圧下で加熱処理したプロピレンーエチレンブロック共重合体ポリプロピレン樹脂をスクリュー直径250mmの3ステージ型単軸押出し機を使用し、幅3000mmのTスロット型ダイを用いて、ダイス出口の樹脂温度180℃で押出した。溶融樹脂はステンレス鋼繊維を均一に積層焼結した形式の濾過精度100μmおよび50μmのフィルターを直列に連結した2段濾過法で濾過しダイスに供給した。ダイスからでてきた溶融樹脂シートを30℃の冷却ロールで冷却し、厚み30μmのポリプロピレン系フィルムを得た。原料の線状低密度ポリエチレン樹脂の乾燥は窒素ガス置換して行った。また、上記押出し機への供給用サイロやホッパーも窒素ガス置換をした。冷却ロールでの冷却に際しては、エアーノズルで冷却ロール上のフィルムの両端を固定し、エアーナイフで溶融樹脂シートの全幅の冷却ロールへの押さえつけを行い、同時に真空チャンバーを作用させ溶融樹脂シートと冷却ロールの間への空気の巻き込みを防止した。また、ダイス周りはシートで囲い、溶融樹脂シートに風が当たらないようした。製膜は100m/分の速度で実施した。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
(実施例10)
実施例9の方法において、樹脂密度を899kg/m3、押出し温度を170℃、フィルム厚みを50μmに変更する以外は、実施例1と同様にして実施例10の線状低密度ポリエチレンフィルムを得た。得られたフィルムの特性値を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の方法において、ポリプロピレン系樹脂の減圧下での加熱をすることなく、樹脂中の揮発成分量が5000ppmである市販の樹脂をそのまま原料として用いるように変更する以外は、実施例1と同様にして比較例1のフィルムを得た。得られた結果を表2に示す。
Figure 2006290964
(比較例2)
実施例1の方法において、ポリプロピレン系樹脂の減圧下での加熱処理を常圧下で行うように変更した。樹脂中の揮発成分量は3500ppmであった。該樹脂を原料を用いるように変更する以外は、実施例1と同様にして比較例2のフィルムを得た。得られた結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1で用いた揮発成分量が5500ppmであるポリプロピレン系樹脂を、ギアーポンプ式2軸押出機を用い以下の条件で溶融押出した。スクリュー径69mm、スクリュー全長L/D=14、ベント位置はホッパー側からL/D=11、スクリュー回転数400rpm、ギアーポンプ部樹脂温度180℃、押出し量340kg/hr、ベントの吸引圧120hPaで運転し、溶融物は水中カット法によりペレットとした。得られた樹脂中の揮発成分量は3000ppmであった。該樹脂を原料として用いるように変更する以外は、実施例6と同様にして比較例3のポリプロピレン系フィルムを得た。得られた結果を表2に示す。
(比較例4)
比較例1の方法において、ダイス出口の樹脂温度を180℃に変更する以外は、比較例1と同様の方法で比較例4のポリプロピレン系フィルムを得た。得られた結果を表2に示す。
(比較例5〜8)
実施例1〜3および比較例2の方法において、ダイス出口の樹脂温度を230℃に変更する以外は、実施例1〜3および比較例2と同様の方法で比較例5〜8のポリプロピレン系フィルムを得た。得られた結果を表2に示す。
(比較例9〜11)
実施例1、3および比較例2の方法において、ダイス出口の樹脂温度を250℃に変更する以外は、実施例1、3および比較例2と同様の方法で比較例9〜11のポリプロピレン系フィルムを得た。得られた結果を表3に示す。
Figure 2006290964
(比較例12)
実施例3の方法において、ダイス出口の樹脂温度を140℃に変更する以外は、実施例3と同様の方法で比較例12のポリプロピレン系フィルムを得た。得られた結果を表3に示す。
(比較例13〜15)
実施例7、比較例7および10の方法において、押出し機をシングルステージ型に、フィルター濾過精度を200μm1段濾過に、ダイスをコートハンガー型に、冷却ロールとの密着をエアーナイフのみに、ダイス周りの囲いを無くすように変更する以外は、実施例7、比較例7および10と同様にして比較例13〜15のポリプロピレン系フィルムを得た。得られた結果を表3に示す。
(比較例16)
空冷インフレーション方式、プラコー製押出し機(スクリュー直径55mm)、ダイス出口の樹脂温度160℃、フィルム幅300mm、ブロー比2.7で単層押出しし、フィルム成型した。使用樹脂は、MFRを2g/10minに変更する以外は実施例2と同じものを用いた。得られた結果を表3に示す。
実施例1〜8で得られたフィルムは、フィルム中の揮発成分量が低く低臭気である上に、厚み斑およびフィッシュアイが良好である。特に、実施例1〜3、5および6で得られたフィルムは臭気が著しく低かった。
一方、比較例1〜9、14および15で得られたフィルムは、フィルム中の揮発成分量が多く、臭気が強かった。また、比較例6〜11、14および15で得られたフィルムはフィルム中の揮発成分量が多く、臭気が強い上にフィッシュアイが多かった。また、比較例12、13および16で得られたフィルムはフィルムの厚み斑が大きかった。
図3に、実施例および比較例のデータを用いて樹脂中の揮発成分量とフィルム中の揮発成分との関係を、図4にダイス出口の樹脂温度とフィルムの厚み斑との関係を示す。図4に関しては、原料樹脂中の揮発成分量が本発明の範囲外である比較例1〜4の結果は図にプロットしなかった。これらの図より、本発明の限定範囲が臨界的な範囲であることが理解できる。
本発明のポリプロピレン系フィルムは、低温シール性や耐衝撃性等のポリプロピレン系フィルムの特性を有したうえに、臭気が少なく、かつフィルムの厚み精度が良く、さらにフィッシュアイの混入が少ないので、該フィルムを用いて各種包装用の包装袋や包装容器に加工する折の加工の操業性が良好であり、得られる製品のシール特性の変動が少なく、かつ外観の良好な製品が得られるという利点を有するので、食品や医療材料などの臭気が嫌われる包装材、容器等の分野において好適に使用することができる。また、本発明の製造方法により、上記の高品質ヒートシール性ポリプロピレン系フィルムを安定して、かつ経済的に製造することができるという利点があり、産業界に寄与する事が大である。
コートハンガーダイの構造図である。 Tスロットダイの構造図である。 樹脂中の揮発成分量とフィルム中の揮発成分との関係を示す模式図である。 ダイス出口の樹脂温度とフィルムの厚み斑との関係を示す模式図である。

Claims (9)

  1. ポリプロピレン系樹脂を構成成分とするヒートシール性フィルムであり、フィルムの幅方向の厚み斑が10%以内であり、かつ明細書中に記載したガスクロマトグラフィー質量分析法で定量される揮発性の炭素数が12から16のパラフィンおよびオレフィンの総量がフィルム質量に対してn−テトラデカン量換算値で2000ppm以下であることを特徴とするヒートシール性ポリプロピレン系フィルム。
  2. フィルム中の最大直径が0.1mm以上のフィッシュアイが10個/0.1m2以下であることを特徴とする請求項1に記載のヒートシール性ポリプロピレン系フィルム。
  3. 明細書中に記載したガスクロマトグラフィー質量分析法で定量される揮発性の炭素数が12から16のパラフィンおよびオレフィンの総量が樹脂重量に対してn−テトラデカン量換算値で3000ppm以下であるポリプロピレン系樹脂をTスロット型ダイを用い、ダイス出口の樹脂温度が150〜200℃で製膜することを特徴とするヒートシール性線状低密度ポリエチレン系フィルムの製造方法。
  4. Tスロット型ダイより押し出されたフィルムを冷却ロールに密着させるに際して、エアーノズル法、エアーチャンバー法あるいはエアーナイフ法および真空チャンバー法を同時に作用してなることを特徴とする請求項3に記載のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムの製造方法。
  5. 溶融押し出し工程で溶融された樹脂を濾過精度が100μm以下であるフィルターで濾過することを特徴とする請求項3または4に記載のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムの製造方法。
  6. 濾過を2段で行うことを特徴とする請求項5に記載のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムの製造方法。
  7. ポリプロピレン系樹脂を減圧下、50℃以上で、軟化点未満の温度で加熱処理してなることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムの製造方法。
  8. 減圧度が13hPa以下であることを特徴とする請求項7に記載のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムの製造方法。
  9. 加熱処理前のポリプロピレン系樹脂が明細書中に記載したガスクロマトグラフィー質量分析法で定量される揮発性の炭素数が12から16のパラフィンおよびオレフィンの総量が樹脂質量に対してn−テトラデカン量換算値で3000ppmを超えるものであることを特徴とする請求項7または8に記載のヒートシール性ポリプロピレン系フィルムの製造方法。
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