JPH05194648A - 臭気の改良されたポリプロピレン樹脂 - Google Patents

臭気の改良されたポリプロピレン樹脂

Info

Publication number
JPH05194648A
JPH05194648A JP3144392A JP3144392A JPH05194648A JP H05194648 A JPH05194648 A JP H05194648A JP 3144392 A JP3144392 A JP 3144392A JP 3144392 A JP3144392 A JP 3144392A JP H05194648 A JPH05194648 A JP H05194648A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypropylene resin
odor
propylene
titanium
ppm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3144392A
Other languages
English (en)
Inventor
Yumito Uehara
弓人 上原
Kenji Mitsuya
憲治 光谷
Hideya Shinagawa
英也 品川
Yoichi Kunito
庸一 国頭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kasei Corp filed Critical Mitsubishi Kasei Corp
Priority to JP3144392A priority Critical patent/JPH05194648A/ja
Publication of JPH05194648A publication Critical patent/JPH05194648A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリプロピレン樹脂中に含まれる炭素数9から
21までの炭化水素成分の総量を30重量ppm以下にす
ることにより、臭気の改良されたポリプロピレン樹脂を
えることができる。 【効果】特に食品用容器、食品包装用フイルム、シート
あるいは医療用容器などの用途に適する臭気の少ないポ
リプロピレン樹脂を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリプロピレン樹脂に関
し、詳しくは、特に食品用容器、食品包装用フイルム、
シートあるいは医療用容器などの用途に適する臭気の少
ないポリプロピレン樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン樹脂は、機械的性質、成
形性、外観などに優れており、それ自体単独で、又は他
の樹脂をブレンドした組成物として、射出成形品、押出
し成形品、フイルム、あるいは吹込み成形品として、広
く利用されている。しかしながら一般的にポリプロピレ
ン樹脂には特有の臭気があり、特に食品用容器、食品包
装用フイルム、シート、あるいは医療用容器などの分野
に用いるにはその臭気が問題となる。例えば、食品包装
用材料では、内容物の食品の香りに影響を及ぼし、その
食品の商品価値を下げたり、場合によっては、消費者の
食欲をも減退することもあり、臭気のないポリプロピレ
ン樹脂が求められる。このようなポリプロピレン樹脂の
臭気の原因については、種々のものが考えられる。すな
わち、ポリプロピレン樹脂の製造時に使用する溶媒成分
の残留物、触媒成分の残留物、酸化防止剤など各種の添
加剤、あるいはペレット化工程で発生する劣化物などが
それである。従来、このような臭気の改良方法として
は、ポリプロピレン樹脂の製造工程の中で、臭気の少な
い触媒成分(特に、立体規則性向上を目的に使用される
電子供与性化合物)の選択、残留溶媒の乾燥強化、添加
剤処方の工夫などによってなされてきたが、必ずしも満
足のできるものではなかった。また、近年、触媒性能の
向上などにより重合プロセスも、不活性炭化水素媒体中
で行うスラリー重合から、液化プロピレン中で行ういわ
ゆるバルク重合あるいは実質的に液相の存在しない気相
プロピレン中で行う気相重合が行われるようになってき
た。前者の場合は、生成プロピレン重合体と、炭化水素
媒体との分離工程があり、ここで、アタクティックポリ
プロピレンや、低重合物は、製品ポリプロピレン樹脂か
ら除去されていたが、後者のバルク重合や気相重合で
は、これらの成分が除去されることなく製品中に包含さ
れる。このような場合には、残留溶媒成分は少ないにも
かかわらず、臭いは必ずしも良好とはならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、臭気を少な
くしたポリプロピレン樹脂を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うなポリプロピレン樹脂の臭気について、種々検討した
結果、残留溶媒や触媒、共触媒や重合系に添加されるそ
の他の諸成分など重合プロセスに由来する成分も影響を
有するものの、特に本質的な臭気に関しては、特定の分
子量を有する炭化水素成分が関与していることを見い出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
ポリプロピレン樹脂中に含まれる炭素数9から21まで
の炭化水素成分の総量が30重量ppm以下であることを
特徴とする臭気の改良されたポリプロピレン樹脂を提供
するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるポリプロピレン樹脂は、プロピレンを主成分とす
る重合体であり、具体的にはプロピレンの単独重合体、
プロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3
−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなど
他のα−オレフィンとの二元あるいは三元以上のランダ
ム共重合体及びいわゆるブロック共重合体、並びにこれ
らの共重合体の変性物などを含むものである。本発明に
おけるポリプロピレン樹脂は、どのような形態のもので
も良く、粉末状あるいは造粒によりペレット状にしたポ
リプロピレン樹脂を始め、射出成形法、ブロー成形法、
インジェクションブロー成形法、T−ダイ法、インフレ
ーション法、一軸及び二軸延伸法、カレンダー法など各
種成形法によって得られる容器、フイルム、シートなど
の成形品、あるいはさらにこれらの成形品に加工を加え
た多層フイルム、シート、袋、容器などの成形品などの
種々の成形品に含まれるポリプロピレン樹脂をも含む。
【0006】本発明におけるポリプロピレン樹脂は、い
わゆるチーグラー・ナッタ触媒により製造できる。すな
わち、主としてチタンなどの遷移金属含有触媒成分と有
機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下に不活性
炭化水素を溶媒とするスラリー重合法、プロピレンモノ
マーを溶媒とするバルク重合法あるいは気相重合法など
公知の方法によって製造できる。本発明においては、特
にポリプロピレン樹脂が、チタン含有固体触媒成分、有
機アルミニウム化合物及び必要に応じ電子供与性化合物
の存在下に、液化プロピレン中あるいは実質的液相の存
在しない気相プロピレン中で重合されて製造されたもの
であるときには、臭気をより少なくすることができるの
で好ましい。
【0007】上記チタン含有固体触媒成分としては、固
体のマグネシウム化合物、チタン化合物成分及びハロゲ
ン成分等を含む公知の担体担持型触媒成分も使用可能で
あるが、本発明のポリプロピレン樹脂の臭気低減に効果
的であるのは三塩化チタンを主成分とするものである。
三塩化チタンを主成分とするものとしては、従来公知の
三塩化チタンが使用できる。例えば、ボールミル粉砕で
活性化処理を行った三塩化チタン:更にそれを溶媒抽出
した三塩化チタン:β型三塩化チタンをエーテル類等の
錯化剤で処理し、更に四塩化チタンで処理して、Al含
有量をTiに対する原子比で0.15以下にした三塩化
チタン:エーテル類又はチオエーテル類の存在下、四塩
化チオエーテルを有機アルミニウム化合物で処理して液
状物とし、これを更に加熱して150℃以下の温度で固
体として析出させ、Al含有量をTiに対する原子比で
0.15以下とした三塩化チタンなどが挙げられる。こ
れらの三塩化チタンのうち特に本発明に効果的であるの
は、アルミニウム含有量がチタンに対するアルミニウム
の原子比で0.15以下、好ましくは0.1以下、さらに
好ましくは0.02以下であり、かつエーテル類等の錯
化剤を含有するものである。これらの三塩化チタンの製
造方法の具体例としては、特公昭55−8452号、同
55−8451号、同55−8003号、同54−41
040号、同55−8931号、特開昭58−3692
8号、同59−12905号、同59−13630号等
が挙げられる。
【0008】上記チタン含有固体触媒成分に対し、共触
媒として使用される有機アルミニウム化合物は、一般式
AlR1 m3-m(式中、R1は炭素数1〜20の炭化水
素基、Xはハロゲンを表し、mは3≧m>1.5の数を
示す)で表される。チタン含有固体触媒成分が、固体の
マグネシウム化合物を含有する担体担持型触媒成分であ
る場合は、AlR1 3又はAlR1 3とAlR1 2Xとの混合
物を使用するのが好ましい。一方、チタン含有固体触媒
成分が、三塩化チタンを主成分とする場合は、AlR1 2
Xを使用するが、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ
ノルマルプロピルアルミニウムクロライド、ジヘキシル
アルミニウムクロライド、ジノルマルオクチルアルミニ
ウムクロライドを使用した場合が本発明に特に効果的で
ある。上に示したチタン含有固体触媒成分及び有機アル
ミニウム化合物は、通常有機アルミニウム化合物/チタ
ンのモル比が1〜300、好ましくは2〜150の範囲
で使用される。
【0009】上記の触媒をそのまま使用してもよいが、
本発明のポリプロピレン樹脂の臭気低減に効果的である
のは、前処理として、チタン含有固体触媒成分と有機ア
ルミニウム化合物から成る触媒に、予め少量のプロピレ
ンを予備的に重合させたものである。上記方法は、不活
性溶媒、例えばヘキサン、ヘプタン等にチタン含有固体
触媒成分及び有機アルミニウム化合物を添加し、これに
プロピレン又はプロピレンと他のオレフィンの混合物を
供給して重合すれば良い。この前処理は一般に予備重合
と称せられる手段であるが、その重合条件は、公知の条
件がそのまま採用できる。予備重合温度は、通常30〜
70℃である。予備重合率は、0.1〜100g/g−
TiCl3の範囲が好ましい。また、予備重合時に分子
量調節剤、例えば水素を添加しても良い。更に予備重合
は、回分式で均一に実施するのが好ましい。
【0010】なお、上記電子供与性化合物としては、酸
素、窒素、リン又はイオウを含有する有機化合物であ
り、その具体例としては、アミン類、アミド類、ケトン
類、ニトリル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、エ
ステル類、エーテル類、チオエーテル類、チオエステル
類、酸無水物類、酸ハライド類、酸アミド類、アルデヒ
ド類、有機酸類などが挙げられる。
【0011】本発明の臭気の改善されたポリプロピレン
樹脂においては、ポリプロピレン樹脂中に含まれる炭素
数9から21までの炭化水素成分の総量が30重量ppm
以下であることが必要であり、好ましくはその総量が1
0重量ppm以下である。ここで、炭素数9から21まで
の炭化水素成分とは、炭素数9から21までの脂肪族炭
化水素、脂環族炭化水素及び芳香族炭化水素などの飽和
炭化水素及び不飽和炭化水素をいう。ポリプロピレン樹
脂に含まれる炭化水素9から21までの炭化水素成分の
総量が30重量ppmを超えて多い場合は、臭いがはっき
り感じられ、さらに50重量ppmから100重量ppm以上
ではかなり強く臭う。
【0012】本発明における臭気の改善されたポリプロ
ピレン樹脂を得るには、前記の製造工程の中で、粉末の
乾燥を十分に行う方法、液化プロピレンや炭化水素溶媒
で洗浄する方法、ペレット化工程において、押出機に脱
気設備を設け、溶融時に減圧脱気する方法、また、該脱
気に際し、水を添加し、脱気効果を高める方法、さらに
またホッパードライヤーなどによりペレットを再度熱風
下に乾燥する方法などがあり、特に押出機での脱気や、
ホッパードライヤーでの熱風乾燥などが有効である。
【0013】押出機による溶融時の減圧脱気方法におい
て、水を添加する場合、その添加する水の量は、特に限
定されるものではないが、通常ポリプロピレン樹脂に対
して0.01〜10重量%の範囲で用いられ、好ましく
は0.1〜5重量%の範囲である。また、水を添加する
位置は、特に限定されないが、ホッパー側からL/Dが
0〜35の範囲が好ましく、特に3〜15の範囲が好ま
しい。押出機の運転条件は、特に限定されるものではな
いが、樹脂温度を通常180〜290℃の範囲、好まし
くは200〜250℃の範囲にし、ベントの位置をホッ
パー側からL/Dが通常3〜40の範囲、好ましくは5
〜20の範囲にし、ベントの吸引圧を通常750〜21
0mmHgの範囲、好ましくは750〜610mmHgの範囲に
すると良い。
【0014】また、ホッパードライヤーでの熱風乾燥方
法の運転条件は、特に限定されるものではないが、樹脂
温度を通常40〜150℃の範囲、好ましくは80〜1
20℃の範囲にし、熱風量を通常ポリプロピレン樹脂1
kgに対し0.05〜2m3/hrの範囲、好ましくは0.1
〜1m3/hrの範囲にし、熱風送通時間を通常0.3〜7
2時間、好ましくは1〜15時間の範囲にすると良い。
なお、ホッパードライヤーに入れる樹脂は、パウダー、
ペレットなど種々の形状のものを用いることができる
が、ペレットを用いる場合は、ペレットの平均粒径を通
常2〜10mmの範囲、好ましくは3〜8mmの範囲にし、
嵩密度を通常0.35〜0.6g/cm3の範囲、好ましく
は0.45〜0.55g/cm3の範囲にすると良い。
【0015】上記の各処理方法により臭気改善を行うに
際しては、炭素数9から21までの炭化水素成分の総量
(以下「C9〜21含量」という)を指標とし、C9〜21
量が30重量ppm以下になるように各処理方法の強度条
件を設定すれば、十分な臭気改善を達成することができ
る。このことにより指標もなく闇雲に臭気改善処理方法
を探索することを避けることができる。
【0016】本発明において、ポリプロピレン樹脂が含
有する炭素数9から21までの揮発成分量の測定方法の
1例はヘッドスペースガスクロマトグラフィーによる分
析方法である。すなわち、密閉容器内のポリプロピレン
樹脂を窒素雰囲気下150℃で3時間加熱後、気相部を
ガスクロマトグラフによる分析により得られる。なお、
本発明のポリプロピレン樹脂には、必要に応じ他の樹
脂、補強材、充填材などの他、染顔料、難燃剤、帯電防
止剤、酸化防止剤、紫外線防止剤などの各種添加剤を配
合することができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの例により何ら限定されるものではな
い。なお、本実施例で、ヘッドスペースガスクロマトグ
ラフの測定及び臭いの評価は、下記の方法により実施し
た。 ・ヘッドスペースガスクロマトグラフィーの測定 分析に供した試料はポリプロピレンペレットについては
ペレットを、また成形品については数mm角に小片に切断
し、以下の(1)〜(3)の測定条件により分析した。
【0018】(1)ヘッドスペース条件(試料の加熱条
件) ・試料量:2g(チッソ雰囲気下で精秤) ・試料ビン:ガラス製(容量28ml) ・加熱温度:150℃ ・加熱時間:3時間 (2)ガスクロマトグラフの条件 ・カラム:J&W社製DB−5(0.32mm径、長さ30
m)、膜厚0.25μm ・カラム温度:60℃(2分保持)→8℃/分→200
℃ なお、定量はn−ヘキサン換算で行った。 ・臭いの評価 80℃にコントロールされたオーブン中にペレット40
gを三角フラスコに入れ1時間加熱するその後1時間冷
却し、下記の基準で5人以上の検査員による判定を行っ
た。 0級:無臭 1級:やっと感じる 2級:感じられる 3級:かなり臭う 4級:強く臭う 5級:激しく臭う
【0019】実施例1 (A)固体/触媒成分の調製 室温において十分に窒素置換した容積10リットルのオ
ートクレーブに精製トルエン5.15リットルを入れ、
撹拌下、n−ブチルエーテル651g(5モル)、四塩
化チタン949g(5モル)、ジエチルアルミニウムク
ロリド286g(2.4モル)を添加し、褐色の均一溶
液を得た。次いで40℃に昇温し、30分経過した時点
から紫色の微粒状の固体の析出が認められたが、そのま
ま2時間40℃を保持した。次いで315gの四塩化チ
タンを添加し、98℃に昇温した。98℃で約1時間保
持した後、粒状紫色固体を分離しn−ヘキサンで洗浄し
て約800gの固体三塩化チタンを得た。この固体三塩
化チタンは、さらにプロピレンによる予備重合処理を行
い、重合に供した。すなわち、十分に窒素置換した10
リットルのオートクレーブに精製n−ヘキサン5リット
ルを入れ、ジエチルアルミニウムクロリド195リット
ル及び上記で得た固体三塩化チタンをTiCl3として25
0gを仕込んだ後、温度を40℃に保ち、撹拌下プロピ
レンガス250gを約60分間気相に吹き込んで接触処
理した。次いで固体成分を静置沈降させ、上澄液をデカ
ンテーションで除去し、n−ヘキサンで数回洗浄し、プ
ロピレン重合体含有固体三塩化チタンを得た。このプロ
ピレン重合体含有三塩化チタン中のプロピレン重合体の
含有割合は、49.4重量%であった。
【0020】(B)プロピレン単独重合体の製造 容量1m3の撹拌機付反応槽を用い、液化プロピレン中
でプロピレンの単独重合を連続的に行った。すなわち、
反応槽に液化プロピレン上記(A)で得られた接触成分
を三塩化チタンとして、3.8g/hr、共触媒ジエチル
アルミニウムクロリド9.5g/hr、メタクリル酸メチ
ル0.49g/hr、及び分子量調節剤として水素0.01
kg/hrを連続的に供給した。重合温度は70℃、平均滞
留時間は3.0時間であった。この重合槽から連続的に
抜き出されたスラリーは、未反応モノマーを分離した
後、プロピレンオキシドと水との混合蒸気で処理され、
粉末状重合体を50kg/hrの割合で得た。
【0021】(C)ベント型押出機によるペレット化 上記(B)で得られたプロピレン重合体100重量部に
対し、イルガノックス1010[チバガイギー(株)製]
0.1wt%、ステアリン酸カルシウム0.1wt%、2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール[吉富製薬
(株)製BHT]0.1wt%、ジミリスチルチオジプロピ
オネート[吉富製薬(株)製]0.1wt%、及び2,2−メ
チレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチ
ルフォスファイト[旭電化工業(株)製HP−10]0.
03wt%を配合し、ギアポンプ式2軸押出機を用い以下
のように押出した。ただしスクリュー径69mm、スクリ
ュー全長L/D=14、ベント位置はホッパー側からL
/D=11であった。スクリュー回転数400rpm、ギ
アポンプ部樹脂温235℃、押出量340kg/hr、ベン
トの吸引圧670mmHg(絶対圧90mmHg)で運転した。
またホッパー側からL/D=6.5にプランジャーポン
プを設け、ポリプロピレン樹脂に対し0.5wt%の蒸留
水を注入した。押出機、ギアポンプを押し出された溶融
物は水中ホットカット法系によりペレットとして得られ
た。
【0022】(D)ヘッドスペースガスクロマトグラフ
ィ−分析結果 上記ペレットの揮発成分量をヘッドスペースガスクロマ
トグラフィ−分析により測定した。結果を第1図に示
す。揮発成分量は、C9炭化水素=5.6重量ppm、C12
炭化水素=8.9重量ppm、C15炭化水素=5.8重量pp
m、C18炭化水素=0.3重量ppmであり、これらの総量
は22.4重量ppmであった。 (E)臭いの評価 同ペレットの臭いの評価を行った結果、臭気レベルは2
級(感じられる)であった。
【0023】比較例1 実施例1において、ペレット化にあたり、蒸留水を注入
せず、ベントの吸引を停止した以外は、実施例1と同様
にしてポリプロピレン樹脂のペレットを得た。このもの
のヘッドスペースガスクロマトグラフ分析結果を第2図
に示す。揮発成分は、C9炭化水素=18.8重量ppm、
12炭化水素=22.5重量ppm、C15炭化水素=10.
2重量ppm、C18炭化水素=3.0重量ppm、C21炭化水
素=0.5重量ppmであり、これらの総量は55重量ppm
であった。また、臭いの評価結果は、4.7級(強く臭
う〜激しく臭う)であった。
【0024】実施例2 実施例1の(B)で得られた重合体に、イルガノックス
1010[チバガイギー(株)製]0.75wt%、ステア
リン酸カルシウム0.075wt%、及び2,2−メチレン
ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォ
スファイト[旭電化工業(株)製HP−10]0.03wt
%を加え窒素雰囲気中で均一ブレンドし、40φ単軸押
出機レオメータ[大阪精機工作(株)社]にて樹脂温度2
20℃でペレット状樹脂にした。このペレットの平均粒
径は3mm、嵩密度0.52g/cm3、揮発分100重量pp
m、C9〜C21含量38重量ppmであった。このペレット
125kgを容量309リットルのホッパードライヤー
[松井製作所(株)]に投入し排気量を47m3/hrに調
整(SV=187hr)しペレット温度11.7℃で処理
した。充填ペレットの中央部からサンプリングし揮発分
などの測定を行った。結果を第1表に示す。
【0025】 第1表 処理時間(hr) 単位 12 9〜C21の総量 重量ppm 38 34 26 19 11 7 臭い 級 3.2 2.8 2.2 1.5 0.6 0.1 この結果から炭素数9から21までの炭化水素成分の総
量が30重量ppm以下ではじめて臭いが改善されること
が判る。
【0026】
【発明の効果】本発明は、ポリプロピレン樹脂中に含ま
れる炭素数9から21までの炭化水素成分をその総量が
30重量ppm以下になるように押さえることにより、臭
気を少なくすることができるという効果を有するもので
ある。そのため、本発明のポリプロピレン樹脂は、特に
食品用容器、食品包装用フイルム、シート及び医療用容
器などに適する。したがって、本発明のポリプロピレン
樹脂は、実用上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のポリプロピレン樹脂ペレット
の揮発成分量をヘッドスペースガスクロマトグラフィ−
分析により測定した結果を示すチャート図である。
【図2】図2は、比較例1のポリプロピレン樹脂ペレッ
トのヘッドスペースガスクロマトグラフィー分析結果を
示すチャート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 国頭 庸一 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化成 株式会社水島工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン樹脂中に含まれる炭素数9
    から21までの炭化水素成分の総量が30重量ppm以下
    であることを特徴とする臭気の改良されたポリプロピレ
    ン樹脂。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン樹脂が、チタン含有固体触
    媒成分、有機アルミニウム化合物及び必要に応じ電子供
    与性化合物の存在下に、液化プロピレン中、あるいは、
    実質的に液相の存在しない気相プロピレン中で重合され
    たものであることを特徴とする請求項1記載の方法。
JP3144392A 1992-01-22 1992-01-22 臭気の改良されたポリプロピレン樹脂 Pending JPH05194648A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3144392A JPH05194648A (ja) 1992-01-22 1992-01-22 臭気の改良されたポリプロピレン樹脂

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3144392A JPH05194648A (ja) 1992-01-22 1992-01-22 臭気の改良されたポリプロピレン樹脂

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05194648A true JPH05194648A (ja) 1993-08-03

Family

ID=12331394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3144392A Pending JPH05194648A (ja) 1992-01-22 1992-01-22 臭気の改良されたポリプロピレン樹脂

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05194648A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006069096A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Toyobo Co Ltd 低臭気性ポリエチレン系樹脂積層フィルムおよびその製造方法並びに低臭気性ポリエチレン系樹脂積層フィルムよりなる容器
JP2006290964A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Toyobo Co Ltd ヒートシール性ポリプロピレン系フィルムおよびその製造方法
JP2009545644A (ja) * 2006-08-03 2009-12-24 バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー ポリオレフィンの仕上げ処理方法
JP2015071661A (ja) * 2013-10-02 2015-04-16 日本ポリプロ株式会社 ポリマー粉体の乾燥方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006069096A (ja) * 2004-09-03 2006-03-16 Toyobo Co Ltd 低臭気性ポリエチレン系樹脂積層フィルムおよびその製造方法並びに低臭気性ポリエチレン系樹脂積層フィルムよりなる容器
JP2006290964A (ja) * 2005-04-07 2006-10-26 Toyobo Co Ltd ヒートシール性ポリプロピレン系フィルムおよびその製造方法
JP4687206B2 (ja) * 2005-04-07 2011-05-25 東洋紡績株式会社 ヒートシール性ポリプロピレン系フィルムおよびその製造方法
JP2009545644A (ja) * 2006-08-03 2009-12-24 バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー ポリオレフィンの仕上げ処理方法
JP2015071661A (ja) * 2013-10-02 2015-04-16 日本ポリプロ株式会社 ポリマー粉体の乾燥方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1860125B1 (en) A process to produce polyolefins with extra low impurity content
CA2059838C (en) Olefin polymerization and copolymerization process
US4061694A (en) Low temperature impact strength molding compositions
JPH04293913A (ja) オレフィンの重合および共重合触媒
EP3526265B1 (en) Polypropylene for use in bopp applications
EP2035467B1 (en) Process for desactivating polymerization catalyst using phosphoric- or phosphonic acid salts and a catalyst deactivator
CA1312173C (en) Process for the preparation of random copolymers
US4568659A (en) Preparation of a transition metal catalyst component for Ziegler catalyst systems
JPH09324022A (ja) ポリプロピレンブロック共重合体
JPS6121144A (ja) ポリプロピレンシ−ト
KR100323784B1 (ko) 프로필렌-에틸렌블럭공중합체의연속제조법
CA2177082C (en) Random copolymer compositions
JPH05194648A (ja) 臭気の改良されたポリプロピレン樹脂
EP2049588B1 (en) High-density polyethylene compositions, method of producing the same, articles made therefrom, and method of making such articles
EP0604401A2 (en) Production of a catalyst component for producing crystalline polymers
EP0039442B1 (en) Process for producing polyolefins
JPS6330950B2 (ja)
US4705835A (en) Preparation of homopolymers and copolymers of α-monolefins using a Ziegler catalyst system
US4864005A (en) Preparation of homopolymers and copolymers of α-monoolefins using a Ziegler catalyst system
JP2001329011A (ja) ポリプロピレン
JP2002363357A (ja) 射出成形容器
CA2132531A1 (en) Polyporpylene resins and process for the production thereof
JPH03153709A (ja) ポリプロピレンおよびその製造方法と成形品
JPH055842B2 (ja)
JPH0317846B2 (ja)