JP2006283001A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エチレン系樹脂の本来的特徴である好ましい物性を維持しながら、難燃性、機械物性および加工性を付与して、電線被覆や建材などの難燃性が求められる用途に好適に使用できる難燃性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 エチレン系樹脂100重量部に対して、粘度平均分子量が30,000以下で、密度が880〜980kg/mで、融点が60〜160℃であるオレフィン系ワックスを0.01〜10重量部、および無機難燃剤を50〜300重量部配合してなる難燃性樹脂組成物。
メタロセン系触媒で得られたエチレン系ワックスは、オレフィン系ワックスの好ましい態様である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、難燃性エチレン系樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、エチレン系樹脂の好ましい物性を維持しながら難燃性を改善し、機械物性および加工性を付与した難燃性エチレン系樹脂組成物に関する。
オレフィン系樹脂は、一般に電気的特性、機械的性質、加工性等が優れているところから、電気絶縁材料として広く使用されている。とくに電線、ケーブル等の用途には、強度、低温特性、耐擦傷性、硬度等のバランスが良好であるところから、エチレン・不飽和エステルランダム共重合体が広く使用されている。
このようなエチレン共重合体は、電線や通信線の被覆材、建材などの用途では難燃性が求められるために難燃化する必要がある。エチレン系樹脂の中でもとくにエチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体などのエチレン系重合体は、フィラーの充填性が良好であるため、従来からこれらの樹脂に難燃剤を添加して、難燃化が求められる用途に使用さてきた。難燃剤としては、古くはハロゲン系難燃剤を配合することにより対処してきた。しかしながらこのような配合物は燃焼時に有害ガスを発生するという問題があり、そのため近年では非ハロゲン系の難燃剤として、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物難燃剤を配合する処方が採用されるようになってきた。
上記のようなオレフィン系樹脂に無機水酸化物難燃剤を配合した系において、物性改良のために種々の重合体あるいは添加剤を配合する試みがなされている(例えば、特公昭63−225641号公報、特開平5−117452号公報)。ところが金属水酸化物難燃剤は、充分な難燃効果を発揮するためにはかなりの量を配合する必要があるため、エチレン共重合体の加工性、耐擦傷性、その他機械的特性を犠牲にすることがあった。とくに薄肉電線、薄肉建材シート、薄肉車両シート等の用途においては、薄肉における高度な難燃性と良好な成形性及び機械物性が求められており、これら性能を満たす難燃化処方の開発は容易でなかった。
特公昭63−225641号公報 特開平5−117452号公報
本発明者らは、上記状況に鑑み、エチレン系樹脂の本来的特徴である好ましい物性を維持しながら、難燃性、機械物性および加工性を付与して、電線被覆や建材などの難燃性が求められる用途に好適に使用できる難燃性樹脂組成物の開発を鋭意注力した結果本発明に到達した。
本発明は、エチレン系樹脂の好ましい物性を維持しながら難燃性を改善した難燃性エチレン系樹脂組成物を提供するものである。
本発明はさらに、エチレン系樹脂に難燃性を維持しながら、機械物性および流動性加工性を向上させた難燃性エチレン系樹脂組成物を提供するものである。
本発明は、エチレン系樹脂100重量部に対して、粘度平均分子量が30,000以下で、密度が880〜980kg/mで、融点が60〜160℃であるオレフィン系ワックスを0.01〜10重量部、および無機難燃剤を50〜300重量部配合してなる難燃性樹脂組成物を提供するものである。
前記オレフィン系ワックスが、メタロセン系触媒によって製造された粘度平均分子量が8,000以下で、密度が880〜980kg/mで、融点が60〜160℃である難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記オレフィン系ワックスが、粘度平均分子量が8,000以下で、密度が880〜980kg/mで、融点が60〜130℃であるエチレン系ワックスである前記した難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記オレフィン系ワックスが、エチレン系ワックスである前記した難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記エチレン系樹脂が、エチレン・ビニルエステル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、並びにエチレン・不飽和カルボン酸共重合体およびそのアイオノマーから選ばれた少なくとも1種である前記の難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記無機難燃剤が、金属水和物である前記の難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
前記オレフィン系ワックスが、変性されたワックスである前記した難燃性樹脂組成物は、本発明の好ましい態様である。
本発明はまた、UL94耐炎試験に従って厚さ3mmの試験片で測定して難燃性が、V−0である前記のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物を提供する。
本発明によって、エチレン系樹脂の好ましい物性を維持しながら難燃性を改善した難燃性樹脂組成物が提供される。
本発明によって提供されるエチレン系樹脂組成物は、難燃性を保持しながら、機械物性および流動性加工性が改善された難燃性樹脂組成物である。
本発明によって、エチレン系樹脂の本来的特長である好ましい物性を維持しながら、難燃性、機械物性および加工性を付与して、電線被覆や建材などの難燃性が求められる用途に好適に使用できる難燃性樹脂組成物が提供される。
本発明は、エチレン系樹脂100重量部に対して、粘度平均分子量が30,000以下で、密度が880〜980kg/mで、融点が60〜160℃であるオレフィン系ワックスを0.01〜10重量部、および無機難燃剤を50〜300重量部配合してなる難燃性樹脂組成物を提供する。
エチレン系樹脂
本発明で使用されるエチレン系樹脂(A)としては、エチレンの単独重合体、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと極性モノマーの共重合体、またはこれらの混合物を挙げることができる。
エチレンの単独重合体及びエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体の好ましい例としては、各種触媒系、例えばラジカル重合触媒、高活性チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物触媒成分からなるチーグラー触媒などのマルチサイト触媒、ジルコニウム化合物を代表例とするメタロセン系触媒成分とアルミノオキサンなどの触媒成分とからなるメタロセン系触媒などのシングルサイト触媒などを用い、各種方法で製造されるエチレンの単独重合体又はエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体を挙げることができる。より具体的には、上記方法で得られ通常ポリエチレンと呼ばれる重合体が好ましく、例えば高圧法ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度直鎖状ポリエチレン、エチレン系エラストマーなどを挙げることができる。
上記α−オレフィンとしては、炭素数3以上、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜8のα−オレフィンが好ましく、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどを挙げることができる。
エチレンと極性モノマーとの共重合体としては、エチレンと、不飽和エステル、不飽和カルボン酸及びその塩、一酸化炭素、ビニルシラン化合物などから選ばれた1種又は2種以上の極性モノマーとの共重合体を挙げることができる。
不飽和エステルの好ましい具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸ジメチルなどの不飽和カルボン酸エステルなどを挙げることができる。
不飽和カルボン酸の好ましい例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸などを挙げることができる。
不飽和カルボン酸の塩の好ましい例としては、前記不飽和カルボン酸のNa、Li、K、Zn、Mg、Caなどの塩を挙げることができる。
これらのエチレンと極性モノマーの共重合体の製造方法にはとくに制限がなく、従来公知の方法を適宜選択することができるが、例えば高温、高圧下のラジカル共重合や溶液重合、エマルジョン重合などによって得ることができる。
エチレン系樹脂としてはまた、上記エチレンの単独重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレンと極性モノマーの共重合体などに、不飽和カルボン酸、その無水物、ビニルシラン化合物などをグラフト重合したものを用いてもよい。
これらエチレン系樹脂の中では、とくにエチレンと極性モノマーの共重合体が好ましい。中でもエチレン・酢酸ビニル共重合体などのエチレン・不飽和エステル共重合体、およびエチレン・飽和カルボン酸共重合体またはその塩(アイオノマー)が好ましい。中でもフィラーローディングの観点から、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体がとくに好ましい。
エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体においてコモノマーの量には制限はないが、エチレン・酢酸ビニル共重合体の場合には、酢酸ビニル含量は15〜47重量%であることが好ましく、より好ましくは21〜47重量%、さらに好ましくは27〜47重量%であることが望ましい。エチレン・アクリル酸エチル共重合体の場合には、アクリル酸エチル含量は10〜35重量%であることが好ましく、より好ましくは13〜30重量%、さらに好ましくは14〜26重量%であることが望ましい。
本発明のエチレン系樹脂は、単独で使用してもいいし、複数種を混合して用いてもよい。また、エチレン系樹脂以外の樹脂との混合物として使用することもできる。エチレン系樹脂に混合使用することができる他の樹脂としては、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン類、あるいはスチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体、およびこれらの水添物であるSEBSやSEPS、またはカルボキシル変性物などのスチレン系熱可塑性エラストマー類などを例示することができる。ポリプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体、エチレンとのランダム共重合体またはブロック共重合体、多元PP樹脂アロイなどから選択して使用することが可能である。これらの他の樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
このようにエチレン系樹脂に他の樹脂を混合使用する例を挙げれば、エチレン・酢酸ビニル共重合体にポリプロピレンを溶融混合したり、エチレン・酢酸ビニル共重合体とポリプロピレンにさらにSEBSのような熱可塑性エラストマーを溶融混合したりする態様を挙げることができる。また、エチレン・酢酸ビニル共重合体に多元PP樹脂を有機過酸化物の存在下に溶融混練して動的架橋樹脂とすることもできる。このような場合にも、本発明の目的を損なわないよう、エチレン系樹脂が主たる割合となるように配合することが好ましい。
本発明のエチレン系樹脂のメルトフローレイト(JIS K 7210−1999、190℃、2,160g荷重)は、諸物性の観点から、5以下が好ましく、より好ましくは0.01〜1.2、さらに好ましくは0.01〜0.5であることが好ましい。
本発明のエチレン系樹脂の密度は、ポリエチレンとしては、密度が870〜970kg/m、好ましくは890〜960kg/m、一層好ましくは900〜950kg/mのものが好ましく、エチレンと極性モノマーの共重合体としては、密度が920kg/m以上、好ましくは930〜970kg/mのものであることが好ましい。
オレフィン系ワックス
オレフィン系ワックス としては、高分子量ポリオレフィンの熱分解によって得られるワックス、オレフィンの単独重合または他のオレフィンとの共重合によって得られるワックスなどがあり、適宜選択して使用することができるが、相溶性の点から本発明の目的にはエチレン系ワックスが好ましい。
エチレン系ワックスとしては、高分子量ポリエチレンの熱分解で得られるポリエチレンワックス、高圧法におけるエチレンの遊離基重合により得られたポリエチレンワックス、またはエチレンを金属触媒の存在下に単独重合するか、エチレンとα−オレフィンとを金属触媒の存在下に共重合することによって得られるポリエチレンワックスなどがある。中でも上記相溶性の点からエチレン・α−オレフィン共重合体ワックスがより好ましく使用される。α−オレフィンとしては、前記で例示したようなものを、好ましい例として挙げることができる。エチレン・α−オレフィン共重合体ワックスにおけるα−オレフィンの含量は、15モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下であることが望ましい。
このようなエチレン系ワックスの製造に好適に用いられる金属触媒としては、チーグラー系触媒などのマルチサイト触媒、メタロセン系触媒などのシングルサイト触媒などがある。メタロセン系触媒を用いてエチレン系ワックスを使用すると、機械物性の向上の観点から好ましい結果が得られるので、シングルサイト触媒とくにはメタロセン系触媒によって製造されたエチレン系ワックスが好ましい。
メタロセン系触媒とは、チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの遷移金属に少なくとも1つのシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を有するメタロセン系化合物からなる触媒成分と、アルモキサン、アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、イオン化イオン性化合物などの共触媒成分から構成される触媒をいう。その触媒としての特徴からシングルサイト触媒と呼ばれることがある。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、シクロペンタジエニル環インデニル環、フルオレニル環などをあげることができ、これらの配位子は置換基を有していてもよく、また配位子同士が炭化水素基、シリル基などを介して結合していてもよい。
メタロセン系触媒の具体的例は、例えば特開昭58−19309号、特開昭59−96292号、特開昭60−35005号、特開昭61−130314、特開平3−163088号、欧州特許公開420,436号、米国特許5,055,438号などに記載されているものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
メタロセン化合物の一例として、シクロペンタシエニルチタニウム(ジメチルアミド)、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミドジルコニウムジクロリド、インデニルチタニウム(ジエチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムビス(メチルホスホナト)などを挙げることができる。
メタロセン系触媒によって得られるエチレン系ワックスは、例えば特開平8−231640号公報や特開2004−59869号公報に記載された方法などを参照して製造することができる。また、ポリエチレンワックスとして市販されているものから、選択使用してもよい。
本発明で使用されるオレフィン系ワックスの粘度平均分子量は30,000以下、好ましくは8000以下、より好ましくは1,000〜8,000であり、密度は880〜980kg/m、好ましくは900〜980kg/mであり、融点は60〜160℃、好ましくは60〜130℃であることが望ましい。
本発明のより好ましいオレフィンワックスは、粘度平均分子量が8,000以下であり、密度が880〜980kg/mであり、融点が60〜160℃であるワックスである。
粘度平均分子量が8,000以下であり、密度が880〜980kg/mであり、融点が60〜130℃であるエチレン系ワックスは、本発明のオレフィンワックスのより好ましいオレフィン系ワックスである。
本発明のオレフィン系ワックスは、分子中に水酸基、カルボン酸基、エポキシ基などの反応性基を含有していてもよい。これらの反応性基は、反応性基を含む不飽和化合物をワックス製造時に共重合させたり、オレフィン系ワックスにグラフト反応させて導入することができる。オレフィン系ワックスの分子中に反応性基を含有させることを、オレフィン系ワックスの変性と呼ぶ。また、変性されたオレフィン系ワックスとして、オレフィン系ワックスの酸化反応によって得られる酸化オレフィン系ワックスを使用することもできる。変性されたオレフィン系ワックスとしては、オレフィン系ワックスに、不飽和化合物をグラフト反応させたものが好ましい。不飽和化合物としては、不飽和カルボン酸、その無水物または誘導体を挙げることができ、中でも無水マレイン酸を特に好ましいものとして挙げることができる。
本発明のオレフィン系ワックスの配合量は、本発明の目的とする効果および成形時の混練性の観点から、エチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%であることが望ましい。
無機難燃剤
本発明で使用される無機難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、クレイ、ゼオライトなどを例示することができる。中でも水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイトのような金属水和物が好ましい。
本発明の無機難燃剤の分散性、混和性を向上させる目的で、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコンオイル、シリコンポリマー、リン酸エステル等で表面処理された無機難燃剤ものを使用するのができる。この場合、異なる表面処理剤で処理した、種類の異なる複数種の無機難燃剤を使用することもできる。
無機難燃剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対して、50〜300重量部、好ましくは80〜250重量部、より好ましい100〜200重量部であることが望ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、カーボンブラックなどの添加剤を使用してもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物を製造する方法にはとくに制限はなく、それを構成する成分、および所望により配合される他の樹脂や添加剤を従来公知の方法で混練することにより製造することができる。混合順序にも特に制限はない。例えば、エチレン系樹脂、オレフィン系ワックス、無機難燃剤、必要に応じて配合される他の添加剤を、1軸押出機、2軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロールなどの通常の混練機を使用し、エチレン系樹脂の融点以上の温度で混練する方法を挙げることができる。また有機過酸化物を配合する場合には、その融点以下の温度で混練すればよい。このようなブレンドは一括して行ってもよく、また段階的に行ってもよい。
本発明により提供される難燃性樹脂組成物は、本来的特徴である好ましい物性を維持しながら、難燃性、機械物性および加工性が付与された組成物であるため、良好な難燃性とともに、すぐれた機械物性、流動性を示すので、電線や通信線の被覆材、建材その他の難燃性が求められる用途に好適に使用することができる難燃性樹脂組成物である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら制限されるものではない。
実施例及び比較例において使用した原料は、以下のとおりである。
(1)エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA):酢酸ビニル単位含有量33重量%、MFR(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重):0.15g/10分。
(2)オレフィン系ワックス1(WAX−1)
粘度平均分子量:4000、密度:980kg/m、融点:128℃
(三井化学社製 商品名エクセレックス HW40800)
(3)オレフィン系ワックス2(WAX−2)
粘度平均分子量:4100、密度:942kg/m、融点:113℃
(三井化学社製 商品名エクセレックス HW41420P)
(4)オレフィン系ワックス3(WAX−3)
粘度平均分子量:4600、密度:902kg/m、融点:90℃
(三井化学社製 商品名エクセレックス HW48070B)
(5)オレフィン系ワックス4(WAX−4)
粘度平均分子量:2600、密度:947kg/m、融点:85℃、酸価19
(三井化学社製 商品名エクセレックス HW26502PE)
(6)難燃剤:商品名 キスマ5A(協和化学工業社製 水酸化マグネシウム)
(7)酸化防止剤:イルガノックス1010(チバスペシャルティケミカルズ社製)
本発明において以下の諸物性は、下記の測定方法によって測定した。
(i)ストランド外観
JIS K 7210に従い、190℃、10kg荷重でストランドを押出し、その表面状態を観察して、下記の判定基準で評価を行った。
○:肌荒れは認められなかった。
△:若干の肌荒れが認められた。
×:肌荒れが著しかった。
(ii)引張り試験
JIS K6760法に従い測定した(ただし、試験片は、JIS K6301の3号ダンベル、試料厚1mmを用い、引張速度200mm/minで測定した)。
(iii)難燃性試験
UL94耐炎性試験:3.0mm厚みのプレスシートにつき、UL94燃焼試験機(スガ試験機社製)を用いて、UL94垂直テストによる難燃性評価を行った。
(iv)粘度平均分子量(Mv)
o−ジクロルベンゼンを溶媒とし、クロス分別クロマトグラフを用いて測定した。
(v)密度(単位:kg/m
JIS K7112−1999法を用いて測定した。
(vi)融点(単位:℃)
示差走査熱量計(DSC)による融点を用いて測定した。
(実施例1〜4)
試料の調製
150℃に設定した6インチロールを用いて、EVA100重量部と、WAX−1 2重量部、難燃剤150重量部に、酸化防止剤0.2重量部とを、予めメルトブレンドした。さらに160℃に設定した加圧ニーダーを用いて20分間溶融混練した。
次に、得られたコンパウンドを、熱板160℃に設定したプレス成形機を用いて圧力100kg/cm(ゲージ圧)の条件で10分間プレス成形し、所定のプレスシートを作製した。
評価
得られたプレスシートについて、前期方法にしたがって各物性を測定した。測定の結果を評に示した。
(比較例1)
実施例1において、オレフィン系ワックスの使用を省略するほかは、同様にして試料を作成し、得られたプレスシートの評価を行った。結果を表1に示した。
Figure 2006283001
本発明によって、エチレン系樹脂の好ましい物性を維持しながら難燃性を改善した難燃性樹脂組成物が提供される。
本発明によって提供されるエチレン系樹脂組成物は、難燃性を保持しながら、機械物性および流動性加工性が改善された難燃性樹脂組成物である。
本発明により、本来的特徴である好ましい物性を維持しながら、難燃性、機械物性および加工性が付与された組成物であって、良好な難燃性とともに、すぐれた機械物性、流動性を示すので、電線や通信線の被覆材、建材その他の難燃性が求められる用途に好適な難燃性樹脂組成物が提供される。

Claims (9)

  1. エチレン系樹脂100重量部に対して、粘度平均分子量が30,000以下で、密度が880〜980kg/mで、融点が60〜160℃であるオレフィン系ワックスを0.01〜10重量部、および無機難燃剤を50〜300重量部配合してなる難燃性樹脂組成物。
  2. 前記オレフィン系ワックスが、メタロセン系触媒によって製造された粘度平均分子量が8,000以下で、密度が880〜980kg/mで、融点が60〜160℃であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記オレフィン系ワックスが、粘度平均分子量が8,000以下で、密度が880〜980kg/mで、融点が60〜130℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記オレフィン系ワックスが、エチレン系ワックスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記エチレン系樹脂が、エチレン・ビニルエステル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、並びにエチレン・不飽和カルボン酸共重合体およびそのアイオノマーから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 前記無機難燃剤が、金属水和物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 前記金属水和物が、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよびハイドロタルサイトから選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の難燃性樹脂組成物。
  8. 前記オレフィン系ワックスが、変性されたワックスであることを特徴とする請求項1〜7に記載の難燃性樹脂組成物。
  9. UL94耐炎試験に従って厚さ3mmの試験片で測定した難燃性が、V−0である請求項1〜8のいずれかに記載の難燃性樹脂組成物。
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