JP2000080213A - 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリオレフィン樹脂組成物

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JP2000080213A JP10252567A JP25256798A JP2000080213A JP 2000080213 A JP2000080213 A JP 2000080213A JP 10252567 A JP10252567 A JP 10252567A JP 25256798 A JP25256798 A JP 25256798A JP 2000080213 A JP2000080213 A JP 2000080213A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲンやリンを含まず高度な難燃性を維持
しつつ押出加工性に優れる難燃性ポリオレフィン樹脂組
成物を得る。 【解決手段】 ポリオレフィン樹脂に、水酸化マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム等の金属水和物、炭酸カルシ
ウム等の無機充填剤、および無水マレイン酸にエチレン
低重合体を共重合した化合物等の反応性滑剤を含有せし
める。ここで、反応性滑剤とは、金属水和物や無機充填
剤と親和性の高い極性基と、ポリオレフィンと親和性の
高い非極性のパラフィン系炭化水素基とを分子内に併せ
持つ化合物を指す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】電線・ケーブルの絶縁被覆あ
るいはシースとして押出加工する難燃性ポリオレフィン
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、安全・衛生上の観点から、電線・
ケーブルの絶縁被覆あるいはシース材料として、火災時
での発煙性が低く、ハロゲン化水素等の有害ガスの発生
がないノンハロゲン難燃性樹脂組成物が用いられるよう
になってきた。これらの樹脂組成物は、難燃剤として水
酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金属水和物
を、難燃助剤として赤燐や燐酸化合物等を使用するのが
一般的である。しかしながら、これらの樹脂組成物は次
に述べるような問題をもっている。
【0003】1)金属水和物自体の難燃化効果はハロゲ
ン系難燃剤に比較するとそれ程大きくなく、十分な難燃
性を付与するためには充填量を増やす必要がある。金属
水和物の充填量を増加させると、樹脂組成物の剪断粘度
が上昇するため押出成形時のトルクが増大し、成形品の
外観が粗れ、成形線速を低下させる必要がある。 2)また、金属水和物の充填量を増加させると、樹脂組
成物の硬度や曲げ弾性率が増し、固く扱い難い電線ケー
ブルとなる。この原因は、金属水和物自体の硬さに加
え、金属水和物がベースポリマーの非晶部に優先的に充
填されるため、樹脂組成物に柔軟性を付与すべき前記非
晶部が減少するためと考えられる。
【0004】3)金属水和物や無機充填剤とポリオレフ
ィン樹脂とは本来相溶性が低いため、これらを配合した
樹脂組成物は溶融時の伸張粘度が低くなる。そのため押
出時に生じる伸張変形に耐えきれなくなり、押出加工時
の加工線速が上昇すると成形物表面が粗れる。4)金属
水和物や無機充填剤を多量に充填することと最終製品
(電線被覆)の機械特性を両立させるためには、用いる
ポリオレフィン樹脂の分子量分布を狭くする方が良い
が、押出トルクが高くなり加工線速を上げることができ
ない。すなわち、狭い分子量分布の樹脂は剪断速度が上
昇しても剪断粘度が低下せず、高速押出時に押出トルク
を上昇させ加工性を低下させることになる。
【0005】5)一方、押出加工性や柔軟性を高めるた
めに金属水和物の充填量を減らすと樹脂組成物の難燃性
は低下する。特に、極性モノマーを含有しないポリオレ
フィン樹脂をベースにした場合には、炭化速度が遅く、
長時間発熱・燃焼が継続するため、難燃性は極端に低下
する。
【0006】6)そこで、金属水和物充填量を低減させ
ても難燃性を保持できるようにするために、赤燐等の難
燃助剤を添加する場合があるが、赤燐添加により樹脂組
成物は赤褐色に着色し、白色や色物の被覆の色調を変え
てしまう。7)また、水酸化マグネシウムは結晶水の放
出温度が水酸化アルミニウムより高いため、高剪断速度
時の温度上昇の際にも水分放出による発泡現象を抑える
ことができ、さらにブルーサイト鉱石を原料とする粉砕
品は耐CO2白化性(水酸化マグネシウムが空気中の水
分及び二酸化炭素と反応し、炭酸マグネシウムを生成す
るため、成型品表面に白色の斑点を形成することがある
が、この現象に対する耐性をいう)に優れるため好適に
使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ハロゲンや
リンを含むことなく高度な難燃性を維持しつつ、押出加
工性に優れ押出成形時の成形物表面が良好な難燃性ポリ
オレフィン樹脂組成物を得ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の種
々の問題点を考慮し、高度な難燃性と良好な押出加工性
を兼ね備える方策につき鋭意検討を行った結果、次に示
す解決策を見出し本発明を完成するに至った。なお、本
発明を構成する材料に関する次の物性は、以下に示す規
格と条件に基づき測定した値である。 a)分子量分布(MWD):ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)法により、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/Mn
より求めた。 b)MFR:JIS K7210に基づき、温度190
℃、荷重2.16kgの条件下、ダイス径2.095m
mで測定した。 c)ダイスウェル比:JIS K7199に示された方
法に基づき、温度200℃で測定した。使用するダイス
は、キャピラリーの長さ(L)と直径(d)の比(L/
d)が4であるものを使用した。 d)鹸価度(鹸化価):酸価およびエステル価の和であ
り、約0.5Nの水酸化カリウムのアルコール溶液中で
試料を鹸化した後、過剰の水酸化カリウムを0.5N塩
酸で滴定することによって求めた。
【0009】本発明は、(A)ポリオレフィン樹脂に、
(B−1)金属水和物、(C)反応性滑剤を含有せしめ
たことを特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を
提供する。ここで(C)反応性滑剤とは、金属水和物と
親和性の高い極性基とポリオレフィンと親和性の高い非
極性のパラフィン系炭化水素基とを分子内に併せ持つ、
分子量が50000以下の化合物を指す。(請求項1) 本発明者らは、(A)〜(C)の材料を混合することに
より電線被覆用のノンハロゲン難燃材料として、これま
で実現が難しかった高い押出加工性達成できることを見
出した。ここで、(A)は絶縁材料として基本的な電気
的、機械的特性を担い、(B−1)はノンハロゲン難燃
剤として難燃性を付与する役割を持つ。従来、これらを
配合した難燃性樹脂組成物は、押出時肌粗れ等が発生し
易いという問題があったが、(C)を添加することによ
り押出時の肌粗れを大幅に抑制できるという格別な効果
を発揮することが判った。
【0010】また、本発明は、(A)ポリオレフィン樹
脂に、(B−1)金属水和物、(B−2)無機充填剤、
(C)反応性滑剤を含有せしめたことを特徴とする難燃
性ポリオレフィン樹脂組成物を提供する。ここで(C)
反応性滑剤とは、金属水和物および無機充填剤と親和性
の高い極性基と、ポリオレフィンと親和性の高い非極性
のパラフィン系炭化水素基とを分子内に併せ持つ、分子
量が50000以下の化合物を指す。(請求項2) (B−2)を(B−1)に共存させることにより、樹脂
成分が希釈され難燃効果を高めることができる。
【0011】次に、本発明は、前記の難燃性ポリオレフ
ィン樹脂組成物における(A)ポリオレフィン樹脂が、
(A−1)エチレンとα−オレフィンを共重合してなる
直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと略称す
る)と、(A−2)エチレン−酢酸ビニル共重合体(以
下EVAと略称する)、エチレン−アクリル酸エチル共
重合体(以下EEAと略称する)もしくはエチレン−ア
クリル酸メチル共重合体(以下EMAと略称する)から
成る群より選ばれた少なくとも1つとを含むポリオレフ
ィン樹脂混合物であることを特徴とする。(請求項3) (A−1)は、難燃剤等の充填時に機械特性を保持する
ため、また(A−2)は押出加工性向上のために好まし
い。また、(A−2)はその添加により難燃性向上にも
有効である。
【0012】さらに、本発明は、(A)ポリオレフィン
樹脂が、(A−1)エチレンとα−オレフィンを共重合
してなるLLDPEと、(A−2)EVA、EEAもし
くはEMAから成る群より選ばれた少なくとも1つ、お
よび(A−3)高圧重合法によるLDPE低密度ポリエ
チレン(以下LDPEと略称する)を含むポリオレフィ
ン樹脂混合物であることをもう一つ別の特徴とする。
(請求項4) (A−3)を添加することにより、樹脂組成物の押出加
工性をさらに向上させることができる。
【0013】また、本発明は、(A−1)エチレンとα
−オレフィンを共重合してなるLLDPEにおけるα−
オレフィンが、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル
ペンテン−1もしくはオクテン−1から成る群より選ば
れた少なくとも1つであることを特徴とする。(請求項
5) これらのα−オレフィンをコモノマーとするLLDPE
は、特に強度と柔軟性のバランスがよく、他の材料と組
合わせた時にも、機械的特性に優れた樹脂組成物を形成
する。
【0014】次に本発明は、先に述べたポリオレフィン
樹脂混合物中において、(A−1)の配合量が30〜8
0重量%、(A−2)の配合量が20〜70重量%であ
ることを特徴とする。(請求項6) 金属水和物や無機充填剤の添加時に機械的特性を保持す
るため、(A−1)がポリオレフィン樹脂中に30重量
%以上含まれることが好ましいが、80重量%を超える
と押出加工性が悪化してしまう。押出加工性を向上させ
るためには、(A−2)が、ポリオレフィン樹脂中に2
0重量%以上含まれることが好ましいが、70重量%を
超えると樹脂組成物としての機械的特性が低下してしま
う。
【0015】次に本発明は、先に述べたポリオレフィン
樹脂混合物中において、(A−1)の配合量が30〜8
0重量%、(A−2)と(A−3)を合せた配合量が2
0〜70重量%であることを特徴とする。(請求項7) (A−1)の配合量については、前段で述べたのと同じ
理由により前記の範囲が好ましい。押出加工性を向上さ
せるためには、(A−2)と(A−3)を合せた量が、
ポリオレフィン樹脂中に20重量%以上含まれることが
好ましいが、70重量%を超えると樹脂組成物としての
機械的特性が低下してしまう。
【0016】また、本発明は、(A−1)の密度が0.
880〜0.920、分子量分布が3.0〜6.0、M
FRが0.5〜2.0の範囲にあることを特徴とする。
(請求項8) (A−1)として、前記のように、ポリオレフィン樹脂
の中では密度が低く、分子量分布が比較的広く、高分子
量の成分をも含むポリマーを選択すれば、樹脂組成物に
対し、金属水和物や無機充填剤等を充填した際にも柔軟
性を失わず、かつ押出加工性が良好で、しかも電線被覆
に必要な機械特性を持たせることができる。
【0017】さらに本発明は、(A−2)に含まれる酢
酸ビニル(以下VAと略称する)、アクリル酸エチル
(以下EAと略称する)もしくはアクリル酸メチル(以
下MAと略称する)の含有量がいずれも10〜25重量
%であり、(A−2)のMFRが0.5〜5.0、ダイ
スウェル比が1.2〜2.5の範囲にあることを特徴と
する。(請求項9) (A−2)に含まれる極性コモノマーの量を10%以上
にすることにより、柔軟性および難燃性を向上させるこ
とができる。極性コモノマーの量が増加すると、(A−
1)との相溶性が低下するため、25重量%以下に抑え
ることが好ましい。また、(A−2)のMFRおよびダ
イスウェル比を前記の範囲に設定することにより、押出
加工性を良好に保つことができる。
【0018】また発明は、(A−2)がEVAであるこ
とを特徴とする。(請求項10) EVAは、EEAやEMAより炭化速度が大きく難燃性
向上には適している。しかもEVAは、安価で容易に入
手でき、経済性の観点からも好ましい。
【0019】さらに本発明は、(A−3)の密度が0.
910〜0.920、MFRが0.5〜2.0、ダイス
ウェル比が1.2〜2.5の範囲にあることを特徴とす
る。(請求項11) (A−3)の密度、MFRおよびダイスウェル比を前記
の範囲に設定することにより、樹脂組成物押出加工時の
肌粗れ現象を起きにくくすることができる。
【0020】次に、本発明は、(B−1)として水酸化
マグネシウムまたは水酸化アルミニウムを50〜140
重量部配合したことを特徴とする。(請求項12) 樹脂組成物として十分な難燃効果を発揮させるために、
(B−1)の添加量は50重量部以上が好ましく、樹脂
組成物の押出加工性を良好に保つためには、添加量が1
40重量部以下であることが好ましい。
【0021】また、本発明は、(B−1)が水酸化マグ
ネシウムであり、その平均粒子径(D50)が1.0〜
7.0μmで、Mg(OH)2の含有量が85〜95重量
%のブルーサイト鉱石を原料とすることを特徴とする。
(請求項13) (B−1)としては、押出時の発泡現象防止の観点か
ら、脱水反応の温度が高い水酸化マグネシウムが好まし
い。また、水酸化マグネシウムの平均粒子径を前記の範
囲に設定することにより押出時の肌粗れの程度を低くす
ることができる。さらに、水酸化マグネシウムとして、
前記のブルーサイト鉱石を原料とするものを用いること
により、耐CO2白化現象を低減させることができる。
【0022】さらに、本発明は、(B−1)として水酸
化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムを50〜14
0重量部、(B−2)として炭酸カルシウムを10〜8
0重量部充填したことを特徴とする。(請求項14) (B−1)については、先に述べたのと同じ理由によ
り、前記の範囲が好ましい。(B−2)の添加量は、難
燃効果に寄与させるためには、10重量部以上が好まし
く、押出加工性に悪影響を及ぼさないためには、80重
量部以下が好ましい。
【0023】また、本発明は、(B−2)が平均粒子径
(D50)1.0〜7.0μmの炭酸カルシウムである
ことを特徴とする。(請求項15) (B−2)の平均粒子径を前記の範囲に設定することに
より、押出時の肌粗れ程度を低く抑えることができる。
【0024】次に、本発明は、(C)反応性滑剤が、分
子内に極性基として酸無水物、アクリルエステル、ビニ
ルエステル、シラン、シラザン、ニトリル、フェニル、
アミドを有する化合物少なくとも1種類と、非極性基と
してαオレフィンを有する化合物少なくとも1種類を共
重合して得られる分子量が2000〜35000の化合
物であり、(A)100重量部に対する添加量が1〜1
0重量部であることを特徴とする。(請求項16) (C)として、前記の化合物を添加することにより、
(A)ポリオレフィン樹脂と(B−1)金属水和物ある
いは(B−2)無機充填剤との相溶性を高めることがで
きるとともに、これらを混合した樹脂組成物の溶融時の
流れ性を高められることが判った。そのため、これらの
特性が相乗的に働いて、従来使われている滑剤を使用せ
ずに、押出時の肌粗れが防止できるという特異な効果が
発現すると考えられる。(C)の添加量が1重量部未満
では前記の効果が不十分であり、10重量部を超えると
効果が頭打ちになり、また経済性の面からも好ましくな
い。
【0025】また、本発明は、(C)反応性滑剤が、分
子内に極性基として酸無水物を有する化合物と、分子内
に非極性基としてαオレフィンを有する化合物少なくと
も1種類を共重合して得られる、分子量が2500〜1
5000、鹸価度が100〜400KOH・mg/gの
化合物であることを特徴とする。(請求項17) 前記、分子内に酸無水基を有する化合物とαオレフィン
を有する化合物を共重合してえられる化合物は、押出時
の肌粗れ防止効果の点で特に好ましい。また、分子量が
2500を下回る場合、樹脂と金属水和物や無機充填剤
との相互作用が不十分で、樹脂組成物押出時の肌粗れを
抑えきれない。分子量が15000を超える場合、押出
加工時のスクリュウトルクが上昇し線速を上げられなく
なる。また、材料混合時、分子量が小さすぎると液体と
なり扱い難く、大きすぎると融点が上がりやはり扱い難
い。鹸価度は100を下回ると前記相互作用の効果が小
さく、400を超えると水分を含みやすくなり成型加工
時の高温により発泡現象を招くことになる。
【0026】ポリオレフィン樹脂混合物に、金属水和物
と無機充填剤を添加した難燃性樹脂組成物は、次の理由
により押出加工性が悪い。すなわち、金属水和物と無
機充填剤添加により粘度が上昇し押出トルクが上がる。
樹脂と充填剤の相溶性が悪いため押出時に肌粗れが生
じやすい。の対策として従来は、外部滑剤としてステ
アリン酸やステアリン酸の金属塩等の金属石鹸類を添加
してやることにより滑り性を上げ、粘度の低下を行って
きたが、に対しては効果のある手法は報告されておら
ず、ステアリン酸等の添加も効果がなかった。本発明に
おいて、(C)金属水和物、無機充填剤と親和性の高い
極性基とポリオレフィンと親和性の高い非極性のパラフ
ィン系炭化水素基とを分子内に併せ持つ化合物である反
応性滑剤は、次に示す様に、前記両方への対策とな
ると考えられる。すなわち、分子内の非極性基と極性基
がそれぞれポリオレフィン樹脂混合物および金属水和物
もしくは無機充填剤の間で相溶性を向上させる役割を果
たすと共に、混合あるいは押出加工時の温度上昇により
粘度が低下するため、滑剤の役割をも発揮するのであ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明に用いるポリオレフィン樹
脂としては、エチレンやα−オレフィンのホモポリマー
あるいは共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の共重
合体等を、単独であるいは2種以上を混合して用いるこ
とができる。これらのポリオレフィン樹脂の中でも、先
に述べたように、(A−1)と(A−2)さらには(A
−3)を選択的に組合わせることにより、電気的特性、
機械的特性のみならず押出成形時の加工性に優れた樹脂
ベースを提供できる。
【0028】(A−1)エチレンとα−オレフィンを共
重合してなるLLDPEとしては、メタロセン触媒に代
表されるシングルサイト触媒、いわゆるチーグラー系触
媒(チタン系、クロム系等)に代表されるマルチサイト
触媒、いずれによって重合されたものでも使用可能であ
る。この中でも、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチ
ルペンテン−1もしくはオクテン−1をα−オレフィン
コモノマーとする直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい
が、樹脂組成物の柔軟性を考慮した場合、ヘキセン−
1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等の嵩高い
コモノマーを使用したものが、ラメラが薄く柔軟性に寄
与するため特に好ましい。(A−1)に用いるポリマー
の密度は0.880〜0.920の範囲が好ましいが、
耐油性能を考慮した場合、低密度のポリマーは不利であ
り、上記記載範囲以下のものは性能不良を起こす危険性
が高い。例えば密度が0.880未満の樹脂を使用した
場合には、JIS C3005に規定された電線被覆材
に要求される耐油性能が満足できなくなる。
【0029】ポリマーの分子量分布(MWD)は単分散
(MWD=1)に近いほど材料強度が高くなる傾向があ
り、充填剤の高充填化には効果的だが、高剪断時の剪断
粘度低下が小さく、押出トルクが高くなり加工性が悪く
なる。一方、分子量分布が広くなると低分子量成分をよ
り多く含む結果となり高剪断時の剪断粘度低下効率が高
く、高速押出時のスクリュウトルク低減に寄与するた
め、押出加工性は向上するが、逆に材料強度が低下す
る。よって(A−1)に用いるポリマーの分子量分布と
しては、加工性と材料強度のバランスを考慮したばあ
い、3.0〜6.0の範囲が最適となる。ポリマーのM
FRは平均分子量の指標である。MFRが小さいと高分
子量成分が多くなり、押出加工が難しくなる。一方、M
FRが大きいと低分子量成分が過剰になり材料強度が低
下する。よって、「電気用品の技術基準及び取扱細目」
に規定された強度特性を得るためには、(A−1)に用
いるポリマーのMFRは、0.5〜2.0の範囲にある
ことが好ましい。前記の密度、分子量分布、MFRの条
件に適合する(A−1)のポリマーとしては、例えば、
ブテン−1またはヘキセン−1をコモノマーとして気相
法により重合した樹脂や、4−メチルペンテン−1また
はオクテン−1をコモノマーとして溶液重合法により重
合した樹脂、ブテン−1、ヘキセン−1をコモノマーと
して用い高圧イオン重合法により重合した樹脂等があげ
られる。
【0030】次に、(A−2)としては、EVA、EE
A、EMAが使用できるが、極性コモノマーであるV
A、EA、MAの添加量が10〜25重量%、MFRが
0.5〜5.0、スウェル比が1.2〜2.5の範囲に
あるポリマーが特に好ましい。これらの極性基を有する
コポリマーはエチレンホモポリマーに比べフィラー充填
系での発熱時間が短く、難燃性材料への使用に適する。
特に使用時の材料特性(強度等)を考慮すると上記MF
Rの範囲をもたらす平均分子量を有するものがよい。極
性基の含有率は低すぎると発熱量低減効果が低下し、高
すぎるとブレンド相手であるLLDPEとの相溶性が低
下し材料特性を低下させる。また極性基はポリエチレン
骨格の結晶性を低下させるため含有率が高いほど柔軟性
を向上させることができるが、高すぎる含有率は上記の
通り特性を悪化させるため好ましくない。
【0031】さらに(A−3)としては、高圧重合法に
よる低密度ポリエチレンで、密度が0.910〜0.9
20、MFRが0.5〜2.0、スウェル比が1.2〜
2.5の範囲にあるものが特に好ましい。(A−3)は
(A−2)に比較して安価であるため、(A−3)を加
えて(A−2)の比率を減らせば、コスト的に有利にな
る。但し、難燃性の低下を防ぐため、(A−2)に対す
る(A−3)の比率は66%の範囲を超えないことが好
ましい。なお、本発明のポリオレフィン樹脂混合物にお
いて、難燃性の効果を発揮させるに必要な極性コモノマ
ーの全樹脂成分に対する割合PR(極性率)は7〜12
重量%が好ましいので、(A−2)の極性モノマー含有
率を考慮して、(A−1)、(A−2)および(A−
3)の比率を決めれば良い。
【0032】(A−2)および(A−3)は長鎖分岐を
有しており、高剪断時の剪断粘度低下に効果を発揮す
る。そのため高速押出時に押出機スクリュウを高速回転
させた場合のトルク上昇を低く抑えることができる。さ
らに長鎖分岐を有するために溶融時の張力(メルトテン
ション)が高く、押出ダイ通過直後に生じる肌粗れ現象
を低減するのに効果がある。フィラー充填材料の押出で
は、しばしばこの肌粗れ現象が問題になるがこれはフィ
ラー充填材料のメルトテンションが低いからであり、こ
の対策としてメルトテンションの高い長鎖分岐ポリマー
の効果が必要である。ただし分岐の程度が低い場合はメ
ルトテンションも低く効果的でないため、分岐度が指定
した範囲にあることが必要となる。ダイスウェル比は長
鎖分岐の数を便宜的に評価する指標である。分岐数が大
きい樹脂ほどダイスウェル比の値が大きくなる。長鎖分
岐数が大きい樹脂は分子同士の絡み合い頻度が大きく、
結果として高いメルトテンションを有する樹脂材料とな
る。
【0033】本発明で用いる(B−1)金属水和物とし
ては、水酸化マグネシウムあるいは水酸化アルミニウム
が適しており、これらを単独あるいは混合して使用でき
る。加工時の加熱温度を考慮すると、水酸化アルミニウ
ムは約250℃で吸着水の放出がピークとなる。その前
後の温度域で水分の放出により成型品中に気泡が発生す
る傾向がある。このため加工温度が上昇しやすい高速押
出加工に用いる材料の場合、水酸化マグネシウムの使用
が好ましい。水和物系の充填剤は吸湿性を有するために
材料の絶縁抵抗が低下する傾向があるとされるが、ステ
アリン酸等で十分に表面処理を受けたものを使用するこ
とにより絶縁抵抗の低下を防ぐことができる。また水酸
化マグネシウムは空気中の水分及び二酸化炭素と反応
し、炭酸マグネシウムを生成することにより成型品表面
に白色の斑点を形成することがあるが、ブルーサイト鉱
石を原料とする水酸化マグネシウムはこの白色斑点形成
を抑制する効果(いわゆる耐CO2白化性)があり好ま
しい。
【0034】本発明で用いる(B−2)無機充填剤とし
ては、樹脂成形材料に使用されるタルク、クレー、酸化
マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が
使用可能である。この中でも特に炭酸カルシウムは二次
凝集が起きにくいために扱いやすく好ましい。炭酸カル
シウムは、二次凝集をおこしやすい(B−1)金属水和
物と配合した時に、金属水和物の分散性も向上させる役
割を果たすと考えられる。
【0035】本発明でもちいる(C)反応性滑剤として
は、酸無水物、アクリルエステル、ビニルエステル、シ
ラン、シラザン、ニトリル、フェニル、アミド等の極性
基を有するモノマーと、αオレフィン等のオレフィン系
モノマー共重合した化合物が適している。滑剤として有
効に機能するためには、(C)の分子量は50000以
下であることが好ましい。特に、分子量は2000〜3
5000の範囲であれば、滑剤効果が大きく、押出線速
向上を図ることができ押出成型品の表面状態が良好にな
る。この中でも、酸無水物とαオレフィンの共重合物の
使用が有効で、特に、分子量2500〜15000、鹸
価度100〜400KOH・mg/gであるものが好ま
しい。上記の分子量の範囲であれば、滑剤としての効果
を十分発揮し、鹸化度により指定される範囲の酸無水基
の存在により金属水和物や無機充填剤との相溶化が容易
となる。さらに、酸無水物としてはコハク酸無水物、マ
レイン酸無水物(無水マレイン酸)等の使用が可能であ
る。経済的な効果を考慮すると無水マレイン酸の使用が
好ましい。α−オレフィンとしては、エチレン、ブテ
ン、ヘキセン、オクテンおよびこれらを重合したものの
使用が可能である。その中でも、エチレンを低重合度で
重合して得た分子式:CH3(CH2)nCH=CH2
(n=20〜28)で表されるものが、前記酸無水物と
共重合した化合物の滑剤としての効果が大きく、好まし
い。
【0036】本発明の難燃性樹脂組成物には、その特性
を阻害しない範囲で、酸化防止剤、銅害防止剤、紫外線
吸収剤、紫外線隠蔽剤、カーボンその他着色用顔料等、
一般的に樹脂成形材料に使用される添加剤を配合しても
よい。特に酸化防止剤としてはDL−α−トコフェロー
ル(ビタミンE)、紫外線吸収剤としては有機骨格系の
ヒンダートアミン系紫外線吸収剤等が、人体や環境への
悪影響がなく、食品衛生上問題のないため、好ましい。
特に、DL−α−トコフェロールは、低添加量で効果が
あり、炭素骨格自体に対する酸素ラジカルの攻撃を抑え
る働きがあるため、従来の酸化防止剤(ビスフェノール
系等)の多量添加や紫外線吸収剤添加等による樹脂組成
物のコスト上昇を抑えることができる。
【0037】本発明の樹脂組成物は、通常使用される二
軸混練押出機、混練ニーダー、混練ロール等のコンパウ
ンディング設備で溶融混合し、必要に応じ適当な形状に
造粒等を行うことにより製造できる。また、こうして製
造したペレット等を用いて電線・ケーブルの絶縁あるい
はシース等の被覆については、通常の方法に準じて押出
機等を使用して行なうことができる。また、(C)反応
性滑剤については、前記のように、樹脂と金属水和物や
無機充填剤等の充填剤を混合する時に他の添加剤と同様
に添加しても、予め充填剤に表面処理剤として塗布して
おき混合時にその充填剤を用いても同様に押出時の加工
性改善に効果を発揮する。
【0038】本発明による難燃性樹脂組成物は、次に記
載の規格および条件により測定を行い評価した。 1)引張特性:樹脂組成物から厚さ1mmのプレスシー
トを作製し、JIS C3005に規定された方法で、
JIS改3号ダンベルを打ち抜き、常温において引張速
度200mm/分で引張り、抗張力と破断伸び率を測定
した。ケーブルの絶縁材料あるいはシース材料として用
いるためには、抗張力と破断伸び率は、それぞれ10M
Pa以上、350%以上であることが好ましい。 2)曲げ弾性率:JIS K7171に規定された方法
で、標準試験片を作製し試験速度50mm/分にて測定
・評価した。曲げ弾性率は絶縁材料あるいはシース材料
の柔軟性を示す指標となり、ケーブルの取り扱いやすさ
を考慮すると、350MPa以下であることが好まし
い。
【0039】3)剪断粘度:JIS K7199に準拠
し、設定温度200℃、ダイスはオリフィス径0.5m
mφ、ランド長8mmでキャピラリーレオメータを使用
して剪断速度3000/secで測定し、見掛けの剪断
粘度からラヴィノヴィッチ補正を行なって真の粘度を算
出した。高剪断速度下での剪断粘度が低い樹脂材料ほ
ど、高速押出時の押出トルク上昇を低く押さえることが
できるので、押出加工には有利であり、70Pa・se
c以下の値を取ることが好ましい。 4)押出外観:前項の剪断粘度測定においてキャピラリ
ーレオメータを使用して押出した成形品について、JI
S B0601に規定された方法に基づき平均表面粗さ
を測定し評価した。ケーブル材料として平均表面粗さR
aは5μm以下であることが好ましい。
【0040】5)酸素指数:JIS K7201に準じ
て測定した。難燃性の指標としては25以上であること
が好ましい。 6)電線燃焼試験:150mmφ押出機により、設定温
度170℃で、外径7.8mmの撚線導体に1.8mm
厚で樹脂組成物を押出被覆し、外径約11.5mmの絶
縁電線を作製した。この絶縁電線について、JISC3
005に規定された方法に従って燃焼試験を行った。評
価は、電気用品の技術基準及び取扱細目に則り、60秒
以内に自消する場合を○、それ以外を×として表した。
【0041】以下、実施例と比較例により、本発明の具
体的な実施態様を説明する。 (実施例1)表1に示す、LLDPE−1、EVA−1
およびLDPE−1を、無水マレイン酸−αオレフィン
共重合体(分子量9000、鹸価度165KOHmg/
g)、ジメチルポリシロキサン(粘度が25000cp
s)、水酸化マグネシウム(平均粒子径3.5μm、M
g(OH)2の含有量が85〜95重量%のブルーサイト
鉱石を原料とするもの)、および炭酸カルシウム(平均
粒子径1.2μm)と、表2に示す重量部数で混合し難
燃性ポリオレフィン樹脂組成物を得た。この組成物を、
180℃、10トンプレスによりプレスシートを、前記
電線燃焼試験の項で記載した方法で絶縁電線を作製し、
前記の特性を測定し、その結果を表2に示した。
【0042】(実施例2〜8、比較例1〜5)表1およ
び表2に示す配合材料を用い、これら配合材料の部数を
表2とする以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィ
ン樹脂組成物を得た。この組成物から、プレスシートお
よび絶縁電線を作製し前記の特性を測定し、その結果を
表2および表3に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】ポリオレフィン樹脂混合物、金属水和物を
含む樹脂組成物に、反応性滑剤である無水マレイン酸−
αオレフィン共重合体を添加した実施例1〜8において
は、押出外観を示す平均表面粗さの値が低く、押出成形
後のサンプル表面状態が良好であった。これに対し、反
応性滑剤を添加しなかった比較例1および比較例3〜5
においては、平均表面粗さの値が大きく、目視上も表面
状態の粗れを観察することができた。また、絶縁電線を
作製した時の押出線速は、比較例の場合に比べ実施例の
場合が3.4〜7.5倍と高く、反応性滑剤が高速押出
時の押出外観を良好に保つのに大きく寄与していること
が判る。実施例4を比較例5と比較すると、剪断粘度が
低く、平均表面粗さも小さい値を示す。これは、添加し
た無水マレイン酸−αオレフィン共重合体が滑剤として
働くとともに、樹脂と充填剤の相溶化剤として作用する
ためと考えられる。そのため、押出加工時には、スクリ
ュウ回転数を上げても負荷が上昇せず、加工速度を上げ
ることができる。無水マレイン酸グラフトLDPEを加
えた比較例2では、平均表面粗さは低い値をもつが、剪
断粘度が高い。そのため、実際に押出加工を行ってみる
と押出時の負荷電流が上昇し、押出線速を下げざるを得
ない。この原因は、無水マレイン酸グラフトLDPEの
分子量が、実施例にあげた反応性滑剤に比較して大きい
ためと考えられる。
【0047】比較例1は、EVA含量が高く、剪断粘度
が低い値を示すが、押出加工品の平均表面粗さの値は大
きい。これは、EVAでは水酸化マグネシウム等の無機
充填剤に対する親和性が低く、押出成型時に樹脂と充填
剤の相溶化剤としては不十分であるためと考えられる。
LDPEを添加した比較例3では、LDPEを含まない
比較例5に比べ剪断粘度が低く押出加工品の平均表面粗
さも小さいが、表面状態を十分に改善することはできな
い。比較例4では、押出成型品の押出外観(平均表面粗
さ)がさらに悪化するが、非極性のLLDPEに充填剤
を添加したのみで、樹脂と充填剤の相溶化剤や滑剤とし
て働く成分が存在しないためと考えられる。
【0048】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成
物は、ハロゲンやリンを含まないでも高度な難燃性をも
ちながら、押出加工性に優れ高速押出時に表面粗れ等の
問題が起こりにくいため、電線・ケーブルの絶縁体やシ
ースに用いれば、火災時での発煙性が低く、ハロゲン化
水素等の有害ガスの発生がない電線・ケーブルを低コス
トで製造することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月4日(1999.8.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明は、(A)ポリオレフィン樹脂に、
(B−1)金属水和物、(C)反応性滑剤を含有せしめ
たことを特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を
提供する。ここで、(C)反応性滑剤とは、分子内に極
性基を有するモノマーと、オレフィン系モノマーを共重
合した化合物で、分子量が2000以上、50000以
下の化合物を指す。(請求項1) 本発明者らは、(A) (C)の材料を混合することに
より電線被覆用のノンハロゲン難燃材料として、これま
で実現が難しかった高い押出加工性が達成できることを
見出した。ここで、(A)は絶縁材料として基本的な電
気的、機械的特性を担い、(B−1)はノンハロゲン難
燃剤として難燃性を付与する役割を持つ。従来、これら
を配合した難燃性樹脂組成物は、押出時肌粗れ等が発生
し易いという問題があったが、(C)を添加することに
より押出時の肌粗れを大幅に抑制できるという格別の効
果を発揮することが判った。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、本発明は、(A)ポリオレフィン樹
脂に、(B−1)金属水和物、(B−2)無機充填剤、
(C)反応性滑剤を含有せしめたことを特徴とする難燃
性ポリオレフィン樹脂組成物を提供する。ここで、
(C)反応性滑剤とは、分子内に極性基を有するモノマ
ーと、オレフィン系モノマーを共重合した化合物で、分
子量が2000以上、50000以下の化合物を指す。
(請求項2) (B−1)を(B−2)に共存させることにより、樹脂
成分が希釈され難燃効果を高めることができる。
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月8日(1999.10.
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明は、(A)ポリオレフィン樹脂10
0重量部に、(B−1)金属水和物50〜140重量
部、(C)反応性滑剤1〜10重量部を含有せしめたこ
とを特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。ここ
で、(C)反応性滑剤とは、分子内に極性基を有するモ
ノマーと、オレフィン系モノマーを共重合した化合物
で、分子量が2000以上、50000以下の化合物を
指す。(請求項1) 本発明者らは、(A)〜(C)の材料を混合することに
より電線被覆用のノンハロゲン難燃材料として、これま
で実現が難しかった高い押出加工性達成できることを見
出した。ここで、(A)は絶縁材料として基本的な電気
的、機械的特性を担い、(B−1)はノンハロゲン難燃
剤として難燃性を付与する役割を持つ。従来、これらを
配合した難燃性樹脂組成物は、押出時肌粗れ等が発生し
易いという問題があったが、(C)を添加することによ
り押出時の肌粗れを大幅に抑制できるという格別な効果
を発揮することが判った。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、本発明は、(A)ポリオレフィン樹
脂100重量部に、(B−1)金属水和物50〜140
重量部、(B−2)無機充填剤10〜80重量部、
(C)反応性滑剤1〜10重量部を含有せしめたことを
特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。ここで、
(C)反応性滑剤とは、分子内に極性基を有するモノマ
ーと、オレフィン系モノマーを共重合した化合物で、分
子量が2000以上、50000以下の化合物を指す。
(請求項2) (B−2)を(B−1)に共存させることにより、樹脂
成分が希釈され難燃効果を高めることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】次に、本発明は、前記の難燃性ポリオレフ
ィン樹脂組成物における(A)ポリオレフィン樹脂が、
(A−1)エチレンとα―オレフィンを共重合してなる
直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと略称す
る)30〜80重量%、と、(A−2)エチレン酢酸ビ
ニル共重合体以下(EVAと略称する)、エチレンーア
クリル酸エチル共重合体(以下EEAと略称する)もし
くはエチレンーアクリル酸メチル共重合体(以下EMA
と略称する)から成る群より選ばれた少なくとも1つを
20〜70重量%含むポリオレフィン混合物であること
を特徴とする。(請求項3)
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】(A−1)は、難燃剤等の充填時に機械特
性を保持するため、また(A−2)は押出加工性向上の
ために好ましい。また、(A−2)はその添加により難
燃性向上にも有効である。金属水和物や無機充填剤の添
加時に機械的特性を保持するため、(A−1)がポリオ
レフィン樹脂中に30重量%以上含まれることが好まし
いが、80重量%を超えると押出加工性が悪化してしま
う。押出加工性を向上させるためには、(A−2)が、
ポリオレフィン樹脂中に20重量%以上含まれることが
好ましいが、70重量%を超えると樹脂組成物としての
機械的特性が低下してしまう。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】さらに、本発明は、(A)ポリオレフィン
樹脂が、(A−1)エチレンとα―オレフィンを共重合
してなるLLDPE30〜80重量%、と、(A−2)
EVA、EEAもしくはEMAから成る群より選ばれた
少なくとも1つ、および、(A−3)高圧重合法による
低密度ポリエチレン(以下LDPEと略称する)を、
(A−2)と(A−3)とを合せた量で20〜70重量
%含むポリオレフィン樹脂混合物であることを、もう一
つ別の特徴とする。(請求項4)
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】(A−1)の配合量については、前に述べ
たのと同じ理由により前記の範囲が好ましい。押出加工
性を向上させるためには、(A−2)と(A−3)を合
せた量が、ポリオレフィン樹脂中に20重量%以上含ま
れることが好ましいが、70重量%を超えると樹脂組成
物としての機械的特性が低下してしまう。(A−3)を
添加することにより、樹脂組成物の押出加工性をさらに
向上させることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】また、本発明は、(A−1)エチレンとα
−オレフィンを共重合してなるLLDPEにおけるα−
オレフィンが、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル
ペンテン−1もしくはオクテン−1から成る群より選ば
れた少なくとも1つであることを特徴とする。(請求項
5) これらのα−オレフィンをコモノマーとするLLDPE
は、特に強度と柔軟性のバランスがよく、他の材料と組
合わせた時にも、機械的特性に優れた樹脂組成物を形成
する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】また、本発明は、(A−1)の密度が0.
880〜0.920、分子量分布が3.0〜6.0、M
FRが0.5〜2.0の範囲にあることを特徴とする。
(請求項6) (A−1)として、前記のように、ポリオレフィン樹脂
の中では密度が低く、分子量分布が比較的広く、高分子
量の成分をも含むポリマーを選択すれば、樹脂組成物に
対し、金属水和物や無機充填剤等を充填した際にも柔軟
性を失わず、かつ押出加工性が良好で、しかも電線被覆
に必要な機械特性を持たせることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】さらに本発明は、(A−2)に含まれる酢
酸ビニル(以下VAと略称する)、アクリル酸エチル
(以下EAと略称する)もしくはアクリル酸メチル(以
下MAと略称する)の含有量がいずれも10〜25重量
%であり、(A−2)のMFRが0.5〜5.0、ダイ
スウェル比が1.2〜2.5の範囲にあることを特徴と
する。(請求項7) (A−2)に含まれる極性コモノマーの量を10%以上
にすることにより、柔軟性および難燃性を向上させるこ
とができる。極性コモノマーの量が増加すると、(A−
1)との相溶性が低下するため、25重量%以下に抑え
ることが好ましい。また、(A−2)のMFRおよびダ
イスウェル比を前記の範囲に設定することにより、押出
加工性を良好に保つことができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】また発明は、(A−2)がEVAであるこ
とを特徴とする。(請求項8) EVAは、EEAやEMAより炭化速度が大きく難燃性
向上には適している。しかもEVAは、安価で容易に入
手でき、経済性の観点からも好ましい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】さらに本発明は、(A−3)の密度が0.
910〜0.920、MFRが0.5〜2.0、ダイス
ウェル比が1.2〜2.5の範囲にあることを特徴とす
る。(請求項9) (A−3)の密度、MFRおよびダイスウェル比を前記
の範囲に設定することにより、樹脂組成物押出加工時の
肌粗れ現象を起きにくくすることができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】次に、本発明は、(B−1)として水酸化
マグネシウムまたは水酸化アルミニウムを50〜140
重量部配合したことを特徴とする。(請求項10) 樹脂組成物として十分な難燃効果を発揮させるために、
(B−1)の添加量は50重量部以上が好ましく、樹脂
組成物の押出加工性を良好に保つためには、添加量が1
40重量部以下であることが好ましい。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】また、本発明は、(B−1)が水酸化マグ
ネシウムであり、その平均粒子径(D50)が1.0〜
7.0μmで、Mg(OH)2の含有量が85〜95重量
%のブルーサイト鉱石を原料とすることを特徴とする。
(請求項11) (B−1)としては、押出時の発泡現象防止の観点か
ら、脱水反応の温度が高い水酸化マグネシウムが好まし
い。また、水酸化マグネシウムの平均粒子径を前記の範
囲に設定することにより押出時の肌粗れの程度を低くす
ることができる。さらに、水酸化マグネシウムとして、
前記のブルーサイト鉱石を原料とするものを用いること
により、耐CO2白化現象を低減させることができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】さらに、本発明は、(B−1)として水酸
化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムを50〜14
0重量部、(B−2)として炭酸カルシウムを10〜8
0重量部充填したことを特徴とする。(請求項12) (B−1)については、先に述べたのと同じ理由によ
り、前記の範囲が好ましい。(B−2)の添加量は、難
燃効果に寄与させるためには、10重量部以上が好まし
く、押出加工性に悪影響を及ぼさないためには、80重
量部以下が好ましい。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】また、本発明は、(B−2)が平均粒子径
(D50)1.0〜7.0μmの炭酸カルシウムである
ことを特徴とする。(請求項13) (B−2)の平均粒子径を前記の範囲に設定することに
より、押出時の肌粗れ程度を低く抑えることができる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】次に、本発明は、(C)反応性滑剤が、分
子内に極性基として酸無水物、アクリルエステル、ビニ
ルエステル、シラン、シラザン、ニトリル、フェニル、
アミドを有する化合物少なくとも1種類と、非極性基と
してαオレフィンを有する化合物少なくとも1種類を共
重合して得られる分子量が2000〜35000の化合
物であり、(A)100重量部に対する添加量が1〜1
0重量部であることを特徴とする。(請求項14) (C)として、前記の化合物を添加することにより、
(A)ポリオレフィン樹脂と(B−1)金属水和物ある
いは(B−2)無機充填剤との相溶性を高めることがで
きるとともに、これらを混合した樹脂組成物の溶融時の
流れ性を高められることが判った。そのため、これらの
特性が相乗的に働いて、従来使われている滑剤を使用せ
ずに、押出時の肌粗れが防止できるという特異な効果が
発現すると考えられる。(C)の添加量が1重量部未満
では前記の効果が不十分であり、10重量部を超えると
効果が頭打ちになり、また経済性の面からも好ましくな
い。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】また、本発明は、(C)反応性滑剤が、分
子内に極性基として酸無水物を有する化合物と、分子内
に非極性基としてαオレフィンを有する化合物少なくと
も1種類を共重合して得られる、分子量が2500〜1
5000、鹸価度が100〜400KOH・mg/gの
化合物であることを特徴とする。(請求項15) 前記、分子内に酸無水基を有する化合物とαオレフィン
を有する化合物を共重合してえられる化合物は、押出時
の肌粗れ防止効果の点で特に好ましい。また、分子量が
2500を下回る場合、樹脂と金属水和物や無機充填剤
との相互作用が不十分で、樹脂組成物押出時の肌粗れを
抑えきれない。分子量が15000を超える場合、押出
加工時のスクリュウトルクが上昇し線速を上げられなく
なる。また、材料混合時、分子量が小さすぎると液体と
なり扱い難く、大きすぎると融点が上がりやはり扱い難
い。鹸価度は100を下回ると前記相互作用の効果が小
さく、400を超えると水分を含みやすくなり成型加工
時の高温により発泡現象を招くことになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB03X BB05W BB06W BB07W BB073 BB103 BB173 DE076 DE146 DE237 DJ036 DJ046 FD070 FD178 GQ01 5G305 AA02 AA14 AB25 AB36 BA15 BA26 CA01 CA51 CB02 CB04 CB08 CB17 CB18 CB26 CC03 CD13 CD15

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオレフィン樹脂に、(B−
    1)金属水和物、(C)反応性滑剤を含有せしめたこと
    を特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。ここで
    (C)反応性滑剤とは、金属水和物と親和性の高い極性
    基と、ポリオレフィンと親和性の高い非極性のパラフィ
    ン系炭化水素基とを分子内に併せ持つ、分子量が500
    00以下の化合物を指す。
  2. 【請求項2】 (A)ポリオレフィン樹脂に、(B−
    1)金属水和物、(B−2)無機充填剤、(C)反応性
    滑剤を含有せしめたことを特徴とする難燃性ポリオレフ
    ィン樹脂組成物。ここで(C)反応性滑剤とは、金属水
    和物および無機充填剤と親和性の高い極性基と、ポリオ
    レフィンと親和性の高い非極性のパラフィン系炭化水素
    基とを分子内に併せ持つ、分子量が50000以下の化
    合物を指す。
  3. 【請求項3】 (A)ポリオレフィン樹脂が、(A−
    1)エチレンとα−オレフィンを共重合してなる直鎖状
    低密度ポリエチレンと、(A−2)エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体もし
    くはエチレン−アクリル酸メチル共重合体から成る群よ
    り選ばれた少なくとも1つとを含むポリオレフィン樹脂
    混合物であることを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)ポリオレフィン樹脂が、(A−
    1)エチレンとα−オレフィンを共重合してなる直鎖状
    低密度ポリエチレンと、(A−2)エチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体もし
    くはエチレン−アクリル酸メチル共重合体から成る群よ
    り選ばれた少なくとも1つ、および(A−3)高圧重合
    法による低密度ポリエチレンを含むポリオレフィン樹脂
    混合物であることを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A−1)エチレンとα−オレフィンを
    共重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンにおけるα−
    オレフィンが、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル
    ペンテン−1もしくはオクテン−1から成る群より選ば
    れた少なくとも1つであることを特徴とする請求項3ま
    たは請求項4記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィン樹脂混合物中において、
    (A−1)の配合量が30〜80重量%、(A−2)の
    配合量が20〜70重量%であることを特徴とする請求
    項3記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィン樹脂混合物中において、
    (A−1)の配合量が30〜80重量%、(A−2)と
    (A−3)を合せた配合量が20〜70重量%であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の難燃性ポリオレフィン樹
    脂組成物。
  8. 【請求項8】 (A−1)の密度が0.880〜0.9
    20、分子量分布が3.0〜6.0、MFRが0.5〜
    2.0の範囲にあることを特徴とする請求項3または請
    求項4記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 (A−2)に含まれる酢酸ビニル、アク
    リル酸エチルもしくはアクリル酸メチルの含有量がいず
    れも10〜25重量%であり、(A−2)のMFRが
    0.5〜5.0、ダイスウェル比が1.2〜2.5の範
    囲にあることを特徴とする請求項3または請求項4記載
    の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 (A−2)がエチレン−酢酸ビニル共
    重合体であることを特徴とする請求項3または請求項4
    記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 (A−3)の密度が0.910〜0.
    920、MFRが0.5〜2.0、ダイスウェル比が
    1.2〜2.5の範囲にあることを特徴とする請求項4
    記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物
  12. 【請求項12】 (B−1)として水酸化マグネシウム
    または水酸化アルミニウムを50〜140重量部配合し
    たことを特徴とする請求項1または請求項2記載の難燃
    性ポリオレフィン樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 (B−1)が水酸化マグネシウムであ
    り、その平均粒子径(D50)が1.0〜7.0μm
    で、Mg(OH)2の含有量が85〜95重量%のブルー
    サイト鉱石を原料とすることを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 (B−1)として水酸化マグネシウム
    または水酸化アルミニウムを50〜140重量部、(B
    −2)として炭酸カルシウムを10〜80重量部充填し
    たことを特徴とする請求項2記載の難燃性ポリオレフィ
    ン樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 (B−2)が平均粒子径(D50)
    1.0〜7.0μmの炭酸カルシウムであることを特徴
    とする請求項2記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成
    物。
  16. 【請求項16】 (C)反応性滑剤が、分子内に極性基
    として酸無水物、アクリルエステル、ビニルエステル、
    シラン、シラザン、ニトリル、フェニル、アミドを有す
    る化合物少なくとも1種類と、非極性基としてαオレフ
    ィンを有する化合物少なくとも1種類を共重合して得ら
    れる分子量が2000〜35000の化合物であり、
    (A)100重量部に対する添加量が1〜10重量部で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2記載の難
    燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 (C)反応性滑剤が、分子内に極性基
    として酸無水物を有する化合物と、分子内に非極性基と
    してαオレフィンを有する化合物少なくとも1種類を共
    重合して得られる分子量が2500〜15000、鹸価
    度が100〜400KOH・mg/gの化合物であるこ
    とを特徴とする請求項18記載の樹脂組成物。
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