JP2006278524A - プリント配線基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のプリント配線基板10は、絶縁フィルム表面11に、導電性金属からなる配線パターン15が形成されたプリント配線基板であって、該プリント配線基板の表面に有機珪素化合物が付着していることを特徴としている。絶縁フィルムの表面に、接着剤層13を介して形成された導電性金属層を選択的にエッチングして所望の形状の配線パターン15を形成し、次いで、該配線パターンにメッキ処理を施した後、有機珪素化合物の共存下に加熱して、有機珪素化合物をプリント配線基板10の表面に付着させることにより製造することができる。
【選択図】図2
Description
チップ等の電子部品を実装するプリント配線基板の需要が急速に増加している。
このようなプリント配線基板においては、電子機器の小型化、軽量化、高機能化の要望が強く、プリント配線基板に形成される配線パターンは、次第に細線化されており、既にピッチ幅が30μmを下回るようなプリント配線基板も実用化されている。
した場合に、プラス極パターンからマイナス極パターンに向かって金属イオンがデンドライト状に成長する。
また、本発明は、高い電圧を印加しても短絡の生じにくい細線化されたプリント配線基板を製造する方法を提供することを目的としている。
の接着剤層表面に付着していることが好ましい。
本発明のプリント配線基板は、絶縁フィルムの表面に、接着剤層を介して形成された導電性金属層を選択的にエッチングして所望の形状の配線パターンを形成し、次いで、該配線パターンにメッキ処理を施した後、有機珪素化合物の共存下に加熱して、有機珪素化合物をプリント配線基板の表面に付着させることにより製造することができる。
配線基板においては配線パターン間で短絡が形成されにくくなる。
図1は、本発明の方法で製造した櫛型電極を有するプリント配線基板であり、図2はその断面A−A断面を模式的に示す断面図であり、櫛型電極のピッチ幅は30μmである。
本発明のプリント配線基板10において、絶縁フィルム11は、ポリイミドフィルム、ポリイミドアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムおよび液晶ポリマーフィルム等を挙げることできる。すなわち、これらの絶縁フィルム11は、エッチングの際に使用されるエッチング液、あるいは、洗浄の際に使用されるアルカリ溶液などに侵食されることがない程度に耐酸・耐アルカリ性を有し、さらに電子部品を実装する際などの加熱によって大きく熱変形しない程度の耐熱性を有している。こうした特性を有する絶縁フィルム11としては、ポリイミドフィルムが好ましい。
上記のような絶縁フィルム11に、パンチングにより、スプロケットホール、デバイスホール、折り曲げスリット、位置合わせ用孔などの必要な透孔が穿設されている。
本発明のプリント配線基板においては、通常は、上記のような接着剤を用いて導電性金属箔を貼着して導電性金属層を形成し、こうして形成された導電性金属層の表面に感光性樹脂を塗布して感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層を露光・現像することにより、感光性樹脂の硬化体からなる所望の形状のパターンを形成し、このパターンをマスキング
材として導電性金属層を選択的にエッチングすることにより所望の形状の配線パターン15を形成する。
に示すプリント配線基板10において、配線パターン15の幅W2は、14μm、隣接する配線パターンとの距離W3は16μm、ピッチ幅W1は30μmである。また、このようにして形成された配線パターン15の厚さT1は5μmであり、単身で扱える厚さ15μmの電解銅箔(厚さ12μmの接着剤層付き)を絶縁フィルムの表面に加熱圧着した後、電解銅箔全面をエッチングして導電性金属層の厚さを7μmに調整して使用した例が示されている。
とするエッチング剤、NaClO2、Cu(NH3)4Cl2、NH4OH、NH4Cl などを含むアンモニアアルカリエッチャントを使用することができる。
は60V以上の直流電圧を印加すると、ピッチ幅30μmの場合には250〜450時間
程度でデンドライト状の導電性金属の成長によって、隣接する配線パターン間の絶縁状態
が破壊される。従って、印加電圧50V以上の高電圧を印加する場合には、ピッチ幅30
μm以下のように細線化された配線パターン13を有するプリント配線基板は適していないとされていた。即ち、上述のように図1に示すようにピッチ幅が30μm以下になるような櫛型電極を形成して50Vあるいはそれ以上の直流電圧を印加すると、配線パターン15
間の接着剤層13にデンドライト状に金属が成長するが、このときの温度および湿度が高いとデンドライト状の金属が短時間で成長し、30μmピッチの場合、85℃、85RH%の
条件で50Vの直流電圧を印加すると、500時間以内でデンドライト状の金属の成長で
配線パターン間の絶縁状態が破壊されるのが一般的である。従って、このようにして生ずる短絡を防止するために、ピッチ幅30μm以下のプリント配線基板においては、印加する電圧に制限があり、50Vあるいはこれを超える電圧が印加される用途には使用されて
いない。
ッキ処理、亜鉛めき処理、クロムメッキ処理、銀メッキ処理、Cuメッキ処理およびこれらの複合メッキ処理を挙げることができる。特に本発明では、スズメッキ処理を施すことが好ましい。このようにして形成されるメッキ層の厚さは、通常は0.01〜1.0μm、好ましくは0.05〜0.6μmの範囲内にある。
0.1〜0.3の範囲内の強度で検出される。このような+元素イオン種Siとしては、通
常は、少なくとも、CH3Si、HOSi、C3H9Si、C5H15OSi2が検出され、ポリジアルキルシロキサンを含む有機珪素化合物を用いて加熱処理することにより、上記のようなフラグメント
を検出することができる。なお、本発明において、飛行時間型2次イオン質量分析計(TOF-SIMS)の測定条件は、一次イオン種:Ga+、一次加速電圧:15kV、一次電流:1nA
、測定範囲:100×100μmである。
亜鉛メッキ、クロムメッキ、銀メッキ、Cuメッキおよびこれらを組み合わせた複合メッキを挙げることができる。例えば、ICなどの電子部品に形成されている接続端子であるバンプが金バンプである場合には、プリント配線板の露出導体部分にはスズメッキを施すことにより、加熱しながら超音波とかけることにより、配線板導体のスズメッキ層と電子部品の金バンプとによって金スズ共晶物が形成され、このプリント配線基板に電子部品を実装することができる。また、電子部品をワイヤーボンディングにより実装する場合には、端子部分に金メッキを施すことにより、あるいはニッケル-金メッキを施すことにより、金
線を用いて良好なワイヤーボンディングを行うことができる。
図3において(2)に示すグラフは、有機珪素化合物の共存下に加熱を行わなかったプリント配線基板の抵抗値の経時変化を示すものであり、250〜450時間の間で抵抗値が急激に低下している。これに対して(1)で示したグラフは、有機珪素化合物の共存下に加熱して有機珪素化合物を付着させた本発明のプリント配線基板の抵抗値の経時変化であり、700時間経過するまでは抵抗値の低下は認められない。なお、上記抵抗値の測定試験は、85℃、85%RHの環境で行っており、この測定は促進試験である。従って、
この促進試験において、700時間を超えて抵抗値の変動が見られないプリント配線基板は、通常の使用においては全く問題なく使用することができる。他方、図3(2)に示すように抵抗値の低下時間が450時間を下回るプリント配線基板は、通常の使用においては問題は比較的発生しにくいが、例えば厳しい使用条件の下では絶縁不良が発生する虞が高い。
本発明のプリント配線基板は、具体的にはTAB(Tape Automated Bonding)テープ、T-BGA(Tape Ball Grid Array)テープ、CSP(Chip Size Package)テープ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)テープ、COF(Chip on Film)テープ、2-メタル(両面配線)テープ、多層配線テープ、ロールtoロールで製造されるFPC(Flexible Printed Circuit)テ
ープなどとに適用することができる。
〔実施例〕
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
上記のようにして形成した感光性樹脂層を、30μmピッチに櫛型パターンが形成されたフォトマスクを用いて紫外線露光した後、KOH溶液で現像して硬化した感光性樹脂から
なるパターンを形成した。こうして形成されたパターンをマスキング材とした。
にして形成された配線パターンに厚さ0.45μmのスズメッキ層を形成した。
こうして得られたプリント配線基板を120℃に加熱したオーブンに入れて90分間加熱処理した。このオーブン内には、予め有機珪素化合物(日立化成(株)製、SN9000)を開口した容器に入れて配置してある。このように有機珪素化合物の存在下にプリント配線基板を加熱処理して、プリント配線基板の表面に有機珪素化合物を付着させた。
図3の(1)に示されるように、このプリント配線基板は、738時間まで絶縁抵抗値の劣化は生じなかった。
μm)で分析したところ、接着剤層の表面からCH3Si、HOSi、C3H9SiおよびC5H15OSi2などの有機珪素化合物に由来するSiが0.28の強度で検出された。
〔比較例1〕
実施例1において、加熱処理をする際にオーブン内に有機珪素化合物を配置しなかった以外は同様にしてプリント配線基板を製造した。
また、製造したプリント配線基板から上記と同様にしてサンプルを切り出し、このサンプルの表面をTOF-SIMSで分析したが、有機珪素化合物に由来するSiは検出されなかった。
11・・・絶縁フィルム
13・・・接着剤層
15・・・配線パターン
20・・・プラス極
30・・・マイナス極
Claims (20)
- 絶縁フィルム表面に、導電性金属からなる配線パターンが形成されたプリント配線基板であって、該プリント配線基板の表面に有機珪素化合物が付着していることを特徴とするプリント配線基板。
- 上記配線パターンが、絶縁フィルム表面に接着剤層を介して配置された導電性金属を、選択的にエッチングすることにより形成されていることを特徴とする請求項第1項記載の
プリント配線基板。 - 上記有機珪素化合物が、少なくとも配線パターン間の接着剤層表面に付着していることを特徴とする請求項第2項記載のプリント配線基板
- 上記配線パターンが、選択的にエッチングされた導電性金属と、該導電性金属の表面に形成されたメッキ層とからなることを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。
- 上記プリント配線基板の表面について、飛行時間型2次イオン質量分析計(TOF-SIMS)を用いて測定した規格化2次イオン検出強度(一次イオン種:Ga+、一次加速電圧:15
kV、一次電流:1nA、測定範囲:100×100μm)である+元素イオン種Si強度が
0.081〜0.4の範囲内にあることを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。 - 上記配線パターンの端子部分のピッチ幅が30μm以下であることを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。
- 上記配線パターンを形成する導電性金属の厚さが12μm以下であることを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。
- 上記プリント配線基板の表面に付着している有機珪素化合物が、上記飛行時間型2次イオン質量分析計(TOF-SIMS)により検出される+元素イオン種として、少なくとも、CH3Si、HOSi、C3H9Si、C5H15OSi2のいずれかを与え得るものであることを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。
- 上記プリント配線基板には、配線パターンの端子部分が露出するように、ソルダーレジスト層が形成されているか、あるいは、カバーレイが貼着されていることを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。
- 上記メッキ層がスズメッキ層であり、該スズメッキ層の厚さが0.05〜1.0μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第4項記載のプリント配線基板。
- 絶縁フィルムの表面に、接着剤層を介して形成された導電性金属層を選択的にエッチングして所望の形状の配線パターンを形成し、次いで、該配線パターンにメッキ処理を施した後、有機珪素化合物の共存下に加熱して、有機珪素化合物をプリント配線基板の表面に付着させることを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
- 上記加熱温度を70〜160℃の範囲内、加熱時間を30〜90分間の範囲内に設定して加熱することを特徴とする請求項第11項記載のプリント配線基板の製造方法。
- 上記有機珪素化合物が、ポリジアルキルシロキサンであることを特徴とする請求項第11項記載のプリント配線基板の製造方法。
- 上記有機珪素化合物の共存下に加熱して有機珪素化合物をプリント配線基板の表面に付着させた後、配線パターンの端子部分が露出するように、ソルダーレジスト層を形成するか、あるいは、カバーレイを貼着することを特徴とする請求項第11項記載のプリント配線基板の製造方法。
- 上記絶縁フィルムの表面に、導電性金属箔を貼着した後、選択的にエッチングする前に、該導電性金属箔の全面エッチングを行い、導電性金属層の厚さを10μm以下に調整することを特徴とする請求項第11項記載のプリント配線基板の製造方法。
- 上記端子部分のピッチ幅が30μm以下になるように導電性金属層を選択的にエッチングして配線パターンを形成することを特徴とする請求項第11項記載のプリント配線基板の製造方法。
- 上記プリント配線基板の表面に、該プリント配線基板の表面に飛行時間型2次イオン質量分析計(TOF-SIMS)を用いて測定した規格化2次イオン検出強度(一次イオン種:Ga+
、一次加速電圧:15kV、一次電流:1nA、測定範囲:100×100μm)における+元素イオン種Si強度が0.081〜0.4の範囲内になるように有機珪素化合物を付着
させることを特徴とする請求項第11項記載のプリント配線基板の製造方法。 - 上記メッキ処理が、無電解スズメッキ処理であることを特徴とする請求項第11項記載のプリント配線基板の製造方法。
- 上記無電解スズメッキ層の厚さが、0.01〜0.6μmの範囲内にあることを特徴とする請求項第11項記載のプリント配線基板の製造方法。
- 絶縁フィルムの表面に、接着剤層を介して形成された導電性金属層を選択的にエッチングして所望の形状の配線パターンを形成する際に、エッチング液を霧状にして噴霧することを特徴とする請求項第11項記載のプリント配線基板の製造方法。
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