JP2006272805A - 再剥離積層体の仮接着方法、再剥離積層体の接着力制御方法及び該接着力制御方法を用いた再剥離帳票 - Google Patents

再剥離積層体の仮接着方法、再剥離積層体の接着力制御方法及び該接着力制御方法を用いた再剥離帳票 Download PDF

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Abstract

【課題】 再剥離積層体における新規なる仮接着手段を提供する。
【解決手段】 第一帳票基材2上に粘着剤層3が配設され、該粘着剤層3上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層4が配設され、該層間剥離層4上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層5が配設され、該硬化阻害層5上に第二帳票基材6が配設されてなる再剥離積層体1Aを構成し、前記硬化阻害層5のアルカリ性物質との接触によって層間剥離層4を未硬化状態に保持するようにした。これにより、未硬化状態に保持された層間剥離層4を介して第一帳票基材2上に第二帳票基材6を剥離可能に仮接着することができる。かかる構成は、再剥離積層体の接着力制御方法及び該接着力制御方法を用いた再剥離帳票に適用され得る。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の帳票基材を再剥離可能に仮接着するための再剥離積層体の仮接着方法、複数の帳票基材が再剥離可能に接着された再剥離積層体の接着力制御方法及び該接着力制御方法を用いた再剥離帳票に関する。
再剥離積層体は、少なくとも二枚の帳票基材を積層した状態で再剥離可能に接着したものであり、このような再剥離積層体を用いた再剥離帳票として、例えば配送伝票が知られている。
図17は、再剥離帳票として構成された従来の配送伝票の一例を示すものであり、図17(イ)に示すように、配送伝票aは、切り込みbにより配達確認票cと荷札dとに分離可能に形成された基材eと、基材eの下層に設けられ、配送物に接着させるための接着剤層fと、配達確認票cと接着剤層fとの層間に設けられ、配達確認票cと接着剤層fとを分離可能に結合するためのシリコーン等からなる剥離層g及び印刷層hと、接着剤層fの下面側に設けられ、接着剤層fを覆い、配送物に接着するときに剥離される剥離紙jとを備えてなる(特許文献1参照)。そして、この剥離紙jと、その上面に積層された接着剤層f,印刷層h,剥離層g,基材eとによって再剥離積層体が構成されている。
かかる配送伝票aは、基材e上に配送先の宛名等の所要情報を表示した後、剥離紙jを剥がし、接着剤層fの接着力によって配送物に貼付される。そして、配送業者は配送物を配送先に配達した際に、図17(ロ)に示すように、配送伝票aから剥離層gの層間剥離を介して配達確認票cを分離することにより、該配達確認票cを持ち帰ることができ、これを配送元に渡すことで配達したことの証明としている。
特開平9−327985号公報
ところで、従来構成の配送伝票aにあっては、配送伝票aから配達確認票cを分離する際に、シリコーン等からなる剥離層gが層間剥離するとされているが、何故剥離層gに層間剥離が生じるのかについては何ら説明がされておらず、その仕組みは不明である。ここで、剥離層gの下面に印刷層hが設けられているが、該印刷層hは配達確認票cが剥離された後に、配送先等に伝達すべき情報を表示するためのものであり、該印刷層hは剥離層gの層間剥離に係わるものではない。また、再剥離積層体からなる配送伝票aにあって、配達確認票cと接着剤層fとを分離可能に結合するときの、その結合力(接着力)の調整方法も開示されていない。
本発明は、かかる従来の実状に鑑みてなされたものであり、新規なる構成の再剥離積層体の仮接着方法を提供すること、並びに再剥離積層体の接着力制御方法及び該接着力制御方法を用いた再剥離帳票を提供することを目的とするものである。
本発明は、第一帳票基材上に粘着剤層が配設され、該粘着剤層上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層が配設され、該硬化阻害層上に第二帳票基材が配設されてなり、硬化阻害層のアルカリ性物質との接触によって、層間剥離層を未硬化状態に保持するようにしたことを特徴とする再剥離積層体の仮接着方法である(請求項1)。
この構成にあって、前記粘着剤層には、強接着性粘着剤が好適に用いられる。前記カチオン重合シリコーンは、酸性条件下の水素イオンを触媒として重合(硬化)するシリコーンであり、重合時にアルカリ性物質が存在すると重合(硬化)が阻害される。また、前記アルカリ性物質を含有した硬化阻害層は、アミン等のアルカリ性物質を添加したインキの印刷層として形成され得る。
また、本発明は、第一帳票基材上に粘着剤層が配設され、該粘着剤層上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層が所定パターンで配設され、該硬化阻害層上に第二帳票基材が配設されてなり、所定パターンで配設された硬化阻害層のアルカリ性物質と接触する領域で、層間剥離層を部分的に未硬化状態に保持するようにしたことを特徴とする再剥離積層体の接着力制御方法である(請求項2)。
かかる再剥離積層体の接着力制御方法にあって、前記硬化阻害層の所定パターンを、網点,万線,格子模様等のパターンとし、かつその構成面積比を変化させた構成(請求項3)が提案される。
また、本発明は、第一帳票基材上に粘着剤層が配設され、該粘着剤層上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性を呈する第二帳票基材が配設されてなり、アルカリ性の第二帳票基材との接触によって、層間剥離層を未硬化状態に保持するようにしたことを特徴とする再剥離積層体の仮接着方法である(請求項4)。
この構成にあって、前記粘着剤層には、強接着性粘着剤が好適に用いられる。前記カチオン重合シリコーンは、酸性条件下の水素イオンを触媒として重合(硬化)するシリコーンであり、重合時にアルカリ性物質が存在すると重合(硬化)が阻害される。また、前記アルカリ性を呈する第二帳票基材には、紙の平滑度及び白色度の向上等を目的とした填料に使用される炭酸カルシウムや、紙の吸湿度調整を目的としたサイズ剤に使用されるアルキルケテンダイマー,アルケニル無水コハク酸等のアルカリ性物質を含有する帳票基材が用いられ得る。
また、本発明は、第一帳票基材上に粘着剤層が配設され、該粘着剤層上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にアルカリ性物質を含有しない接触遮断層が所定パターンで配設され、該接触遮断層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性を呈する第二帳票基材が配設されてなり、所定パターンで配設された接触遮断層によってアルカリ性の第二帳票基材との接触が遮断された領域を除く領域で、層間剥離層を部分的に未硬化状態に保持するようにしたことを特徴とする再剥離積層体の接着力制御方法である(請求項5)。
この構成にあって、前記アルカリ性物質を含有しない接触遮断層は、アミン等のアルカリ性物質を含有しないインキの印刷層として形成され得る。
かかる再剥離積層体の接着力制御方法にあって、前記接触遮断層の所定パターンを、網点,万線,格子模様等のパターンとし、かつその構成面積比を変化させた構成(請求項6)が提案される。
また、本発明は、担持片部の外周若しくは相対する両側縁に第一切断線を介して除去片部が分離可能に連成され、かつ該除去片部の上面にシリコーンからなる剥離層が形成された第一帳票基材の、その剥離層上面及び前記担持片部上面の略全面に亘って粘着剤層が配設され、該粘着剤層の所要領域面上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層が所定パターンで配設され、さらに該硬化阻害層を含む粘着剤層を覆うようにして第二帳票基材が配設され、該第二帳票基材が前記硬化阻害層上で第二切断線により分離可能に切断された剥離片部を備えてなり、硬化阻害層のアルカリ性物質との接触により部分的に未硬化状態に保持されている層間剥離層が層間剥離することにより、第二帳票基材の剥離片部が剥離可能に設けられていることを特徴とする再剥離積層体の接着力制御方法を用いた再剥離帳票である(請求項7)。かかる再剥離帳票は、配送伝票として用いられ得る。
さらに、本発明は、担持片部の外周若しくは相対する両側縁に第一切断線を介して除去片部が分離可能に連成され、かつ該除去片部の上面にシリコーンからなる剥離層が形成された第一帳票基材の、その剥離層上面及び前記担持片部上面の略全面に亘って粘着剤層が配設され、該粘着剤層の所要領域面上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にアルカリ性物質を含有しない接触遮断層が所定パターンで配設され、さらに該接触遮断層を含む粘着剤層を覆うようにして、カチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性を呈する第二帳票基材が配設され、該第二帳票基材が前記接触遮断層上で第二切断線により分離可能に切断された剥離片部を備えてなり、所定パターンの接触遮断層によってアルカリ性の第二帳票基材との接触が遮断された領域を除く領域で部分的に未硬化状態に保持されている層間剥離層が層間剥離することにより、第二帳票基材の剥離片部が剥離可能に設けられていることを特徴とする再剥離積層体の接着力制御方法を用いた再剥離帳票である(請求項8)。かかる再剥離帳票も、配送伝票として用いられ得る。
本発明は、上述したように、第一帳票基材上に粘着剤層が配設され、該粘着剤層上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層が配設され、該硬化阻害層上に第二帳票基材が配設されてなり、硬化阻害層のアルカリ性物質との接触によって、層間剥離層を未硬化状態に保持するようにしたことを特徴とする再剥離積層体の仮接着方法(請求項1)であるから、硬化阻害層のアルカリ性物質との接触によって、未硬化状態に保持された層間剥離層を介して第一帳票基材上に第二帳票基材を剥離可能に仮接着することができる。そして、第二帳票基材の剥離時に未硬化状態の層間剥離層が層間剥離することにより、粘着剤層に強接着性粘着剤を用いた場合にあっても、該第二帳票基材の剥離操作を容易に行うことができる。また、第二帳票基材を剥離すると、層間剥離した層間剥離層が第一帳票基材の粘着剤層上に残留するので、該粘着剤層の接着力を大幅に低減させることができる。これにより、新規なる構成の再剥離積層体の仮接着方法を提供することができ、種々の用途が期待される。
また、本発明は、第一帳票基材上に粘着剤層が配設され、該粘着剤層上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層が所定パターンで配設され、該硬化阻害層上に第二帳票基材が配設されてなり、所定パターンで配設された硬化阻害層のアルカリ性物質と接触する領域で、層間剥離層を部分的に未硬化状態に保持するようにしたことを特徴とする再剥離積層体の接着力制御方法(請求項2)であるから、所定パターンの硬化阻害層に対応する領域の層間剥離層は、未硬化状態に保持される一方、所定パターンの硬化阻害層に対応する領域を除く領域の層間剥離層は硬化する。そしてこのように硬化阻害層のパターン形状に応じて層間剥離層に未硬化部分と硬化部分とを選択的に生じさせることにより、層間剥離層の硬化部分では第一帳票基材上に第二帳票基材が強く接着される一方、未硬化部分では接着力が低下した状態が得られ、これによって接着力を調整することができる。
ここで、前記硬化阻害層の所定パターンを、網点,万線,格子模様等のパターンとし、かつその構成面積比を変化させた構成(請求項3)とすることにより、網点,万線,格子模様等のパターンによって層間剥離層の未硬化部分と硬化部分とを近接させた状態で均一に分布させることができるとともに、構成面積比を変化させることによって接着力の調整を容易に行うことができる。
また、本発明は、第一帳票基材上に粘着剤層が配設され、該粘着剤層上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性を呈する第二帳票基材が配設されてなり、アルカリ性の第二帳票基材との接触によって、層間剥離層を未硬化状態に保持するようにしたことを特徴とする再剥離積層体の仮接着方法(請求項4)であるから、アルカリ性の第二帳票基材との接触によって、未硬化状態に保持された層間剥離層を介して第一帳票基材上に第二帳票基材を剥離可能に仮接着することができる。そして、第二帳票基材の剥離時に未硬化状態の層間剥離層が層間剥離することにより、粘着剤層に強接着性粘着剤を用いた場合にあっても、該第二帳票基材の剥離操作を容易に行うことができる。また、第二帳票基材を剥離すると、層間剥離した層間剥離層が第一帳票基材の粘着剤層上に残留するので、該粘着剤層の接着力を大幅に低減させることができる。これにより、新規なる構成の再剥離積層体の仮接着方法を提供することができ、種々の用途が期待される。
また、本発明は、第一帳票基材上に粘着剤層が配設され、該粘着剤層上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にアルカリ性物質を含有しない接触遮断層が所定パターンで配設され、該接触遮断層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性を呈する第二帳票基材が配設されてなり、所定パターンで配設された接触遮断層によってアルカリ性の第二帳票基材との接触が遮断された領域を除く領域で、層間剥離層を部分的に未硬化状態に保持するようにしたことを特徴とする再剥離積層体の接着力制御方法(請求項5)であるから、所定パターンの接触遮断層に対応する領域の層間剥離層は硬化する一方、所定パターンの接触遮断層に対応する領域を除く領域の層間剥離層は未硬化状態に保持される。そしてこのように接触遮断層のパターン形状に応じて層間剥離層に未硬化部分と硬化部分とを選択的に生じさせることにより、層間剥離層の硬化部分では第一帳票基材上に第二帳票基材が強く接着される一方、未硬化部分では接着力が低下した状態が得られ、これによって接着力を調整することができる。
ここで、前記接触遮断層の所定パターンを、網点,万線,格子模様等のパターンとし、かつその構成面積比を変化させた構成(請求項6)にあっては、網点,万線,格子模様等のパターンによって層間剥離層の未硬化部分と硬化部分とを近接させた状態で均一に分布させることができるとともに、構成面積比を変化させることによって接着力の調整を容易に行うことができる。
また、本発明は、担持片部の外周若しくは相対する両側縁に第一切断線を介して除去片部が分離可能に連成され、かつ該除去片部の上面にシリコーンからなる剥離層が形成された第一帳票基材の、その剥離層上面及び前記担持片部上面の略全面に亘って粘着剤層が配設され、該粘着剤層の所要領域面上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層が所定パターンで配設され、さらに該硬化阻害層を含む粘着剤層を覆うようにして第二帳票基材が配設され、該第二帳票基材が前記硬化阻害層上で第二切断線により分離可能に切断された剥離片部を備えてなり、硬化阻害層のアルカリ性物質との接触により部分的に未硬化状態に保持されている層間剥離層が層間剥離することにより、第二帳票基材の剥離片部が剥離可能に設けられていることを特徴とする再剥離積層体の接着力制御方法を用いた再剥離帳票(請求項7)であるから、第一帳票基材の除去片部を剥離すると再剥離帳票の下面に粘着剤層が露出するので、該粘着剤層によって再剥離帳票を被貼着物に貼着することができる。また、このように再剥離帳票を被貼着物に貼着した状態において、第二帳票基材の剥離片部を、部分的に未硬化状態に保持されている層間剥離層の層間剥離を介して剥離することにより、再剥離帳票から剥離片部を分離させることができる。ここで、所定パターンで配設された硬化阻害層に対応する領域の層間剥離層は未硬化状態に保持されており、この未硬化状態に保持された領域を除く領域の層間剥離層は硬化している。そしてこのように硬化阻害層のパターン形状に応じて層間剥離層に未硬化部分と硬化部分とを選択的に生じさせることにより、層間剥離層の硬化部分では第一帳票基材上に粘着剤層を介して剥離片部が強く接着される一方、未硬化部分では接着力が低下した状態が得られ、これによって粘着剤層による剥離片部の接着力を調整することができる。また、第二帳票基材の剥離片部を、部分的に未硬化状態に保持されている層間剥離層の層間剥離を介して剥離すると、粘着剤層の所要領域面上に層間剥離層が残留して、該粘着剤層の所要領域面の粘着力を低下させることができる。
さらに、本発明は、担持片部の外周若しくは相対する両側縁に第一切断線を介して除去片部が分離可能に連成され、かつ該除去片部の上面にシリコーンからなる剥離層が形成された第一帳票基材の、その剥離層上面及び前記担持片部上面の略全面に亘って粘着剤層が配設され、該粘着剤層の所要領域面上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にアルカリ性物質を含有しない接触遮断層が所定パターンで配設され、さらに該接触遮断層を含む粘着剤層を覆うようにして、カチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性を呈する第二帳票基材が配設され、該第二帳票基材が前記接触遮断層上で第二切断線により分離可能に切断された剥離片部を備えてなり、所定パターンの接触遮断層によってアルカリ性の第二帳票基材との接触が遮断された領域を除く領域で部分的に未硬化状態に保持されている層間剥離層が層間剥離することにより、第二帳票基材の剥離片部が剥離可能に設けられていることを特徴とする再剥離積層体の接着力制御方法を用いた再剥離帳票(請求項8)であるから、第一帳票基材の除去片部を剥離すると再剥離帳票の下面に粘着剤層が露出するので、該粘着剤層によって再剥離帳票を被貼着物に貼着することができる。また、このように再剥離帳票を被貼着物に貼着した状態において、第二帳票基材の剥離片部を、部分的に未硬化状態に保持されている層間剥離層の層間剥離を介して剥離することにより、再剥離帳票から剥離片部を分離させることができる。ここで、所定パターンで配設された接触遮断層に対応する領域の層間剥離層は硬化しており、この硬化した領域を除く領域の層間剥離層は未硬化状態に保持されている。そしてこのように接触遮断層のパターン形状に応じて層間剥離層に未硬化部分と硬化部分とを選択的に生じさせることにより、層間剥離層の硬化部分では第一帳票基材上に粘着剤層を介して剥離片部が強く接着される一方、未硬化部分では接着力が低下した状態が得られ、これによって粘着剤層による剥離片部の接着力を調整することができる。また、第二帳票基材の剥離片部を、部分的に未硬化状態に保持されている層間剥離層の層間剥離を介して剥離すると、粘着剤層の所要領域面上に層間剥離層が残留して、該粘着剤層の所要領域面の粘着力を低下させることができる。
以下に、本発明の第一実施例を、図1,図2に基づいて説明する。この第一実施例は請求項1にかかる再剥離積層体の仮接着方法の一実施例を示すものである。
再剥離積層体1Aは、図1(イ)に示すように、第一帳票基材2上に粘着剤層3が配設され、該粘着剤層3上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層4が配設され、該層間剥離層4上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層5が配設され、該硬化阻害層5上に第二帳票基材6が配設されている。そして、前記層間剥離層4を、硬化阻害層5のアルカリ性物質との接触によって、未硬化状態に保持するようにしている。
ここで、前記第一帳票基材2及び第二帳票基材6には、紙が好適に用いられ得る。また、粘着剤層3には強接着性粘着剤が好適に用いられ得る。前記カチオン重合シリコーンは、酸性条件下の水素イオンを触媒として重合(硬化)するシリコーンであり、重合時にアルカリ性物質が存在すると重合(硬化)が阻害される特性を備えている。また、前記硬化阻害層5は、アミン等のアルカリ性物質を添加したインキの印刷層として形成され得る。ここで、アミンは、紫外線硬化型インキにおいて開始剤や増感剤として使用される添加剤であるが、アミン以外に、印刷インキに混入可能なアルカリ性物質を使用することもできる。
次に、前記再剥離積層体1Aの作成方法について説明する。
先ず、図2(イ)に示すように、第一帳票基材2の一面の略全面に強接着性粘着剤を塗布して粘着剤層3を形成する。一方、第二帳票基材6の一面に、アミン等のアルカリ性物質を添加したインキを印刷して硬化阻害層5を形成する。そして、この硬化阻害層5上にカチオン重合シリコーンを塗布して層間剥離層4を形成する。ここで、硬化阻害層5上に形成されたカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層4は、硬化阻害層5のアルカリ性物質により重合が妨げられて未硬化状態に保持される。
然る後、第一帳票基材2と第二帳票基材6とを積層する。この積層は、図2(ロ)に示すように、粘着剤層3が形成されている面と、層間剥離層4が形成されている面とが密着するように行う。これにより、図1(イ)に示す再剥離積層体1Aが作成される。
かかる構成にあって、硬化阻害層5のアルカリ性物質との接触によって、未硬化状態に保持された層間剥離層4を介して第一帳票基材2上に第二帳票基材6を剥離可能に仮接着することができる。そして、第二帳票基材6の剥離時に、図1(ロ)に示すように、未硬化状態の層間剥離層4が層間剥離することにより、粘着剤層3に強接着性粘着剤を用いた場合にあっても、該第二帳票基材6の剥離操作を容易に行うことができる。また、第二帳票基材6を剥離すると、層間剥離した層間剥離層4が第一帳票基材2の粘着剤層3上に残留するので、該粘着剤層3の接着力を大幅に低減させることができる。
次に、本発明の第二実施例を、図3,図4に基づいて説明する。この第二実施例は、請求項2及び請求項3にかかる再剥離積層体の接着力制御方法の一実施例を示すものである。
この第二実施例における再剥離積層体1Bは、図3に示すように、第一帳票基材2上に粘着剤層3が配設され、該粘着剤層3上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層4が配設され、該層間剥離層4上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層5が所定パターンで配設され、該硬化阻害層5上に第二帳票基材6が配設されている。そして、所定パターンで配設された前記硬化阻害層5のアルカリ性物質と接触する領域で、層間剥離層4を部分的に未硬化状態に保持するようにしている。
前記硬化阻害層5は、第二帳票基材6の一面にアミン等のアルカリ性物質を添加したインキを網点,万線,格子模様等の所定パターンで印刷することにより形成されており、その構成面積比を変化させることによって、図4(イ)に示すように、その粗密度が調整されている。
尚、この再剥離積層体1Bは、硬化阻害層5を所定パターンで印刷形成する工程以外は、上述した再剥離積層体1Aの作成方法が適用され、使用する各材料も同じであるので、作成方法及び使用材料についての重複する説明を省略する。
かかる構成にあって、所定パターンの硬化阻害層5に対応する領域の層間剥離層4は、図4(イ)に示すように、未硬化状態に保持された未硬化部分4aとなる一方、所定パターンの硬化阻害層5に対応する領域を除く領域の層間剥離層4は硬化して硬化部分4bとなる。そしてこのように硬化阻害層5のパターン形状に応じて層間剥離層4に未硬化部分4aと硬化部分4bとを選択的に生じさせることにより、層間剥離層4の硬化部分4bでは第一帳票基材2上に粘着剤層3を介して第二帳票基材6が強く接着される一方、未硬化部分4aでは接着力が低下した状態が得られ、これによって粘着剤層3による第二帳票基材6の接着力を調整することができる。また、硬化阻害層5を、網点,万線,格子模様等の所定パターンとし、かつその構成面積比を変化させて印刷することにより、網点,万線,格子模様等のパターンによって層間剥離層4の未硬化部分4aと硬化部分4bとを近接させた状態で均一に分布させることができるとともに、構成面積比を変化させることによって接着力の調整を容易に行うことができる。尚、第二帳票基材6を剥離すると、図4(ロ)に示すように、層間剥離層4の未硬化部分4aが層間剥離して第一帳票基材2の粘着剤層3上に残留するので、該粘着剤層3の接着力を大幅に低減させることができる。
次に、本発明の第三実施例を、図5〜図8に基づいて説明する。この第三実施例は、上記再剥離積層体1Bの接着力制御方法を用いた請求項7にかかる再剥離帳票の一実施例を示すものである。
この第三実施例における再剥離帳票10Aは、配送伝票として構成されている。図5(イ)に示すように、第一帳票基材2は、担持片部11の外周若しくは相対する両側縁に第一切断線12を介して除去片部13が分離可能に連成されてなるものであり、該除去片部13の上面にシリコーンからなる剥離層14が形成されている。この剥離層14を構成するシリコーンは、剥離剤として用いられる通常のシリコーンであるが、これに代えてカチオン重合シリコーンを用いることもできる。
また、前記第一帳票基材2の剥離層14上面及び担持片部11上面の略全面に亘って粘着剤層3が配設され、該粘着剤層3の所要領域面上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層4が配設され、該層間剥離層4上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層5が所定パターンで配設され、さらに該硬化阻害層5を含む粘着剤層3を覆うようにして第二帳票基材6が配設されており、該第二帳票基材6は、前記硬化阻害層5上で第二切断線15により分離可能に切断された剥離片部16を備えている。
前記第二帳票基材6の表面には、図6に示すように、荷札としての所要事項記入欄17が印刷によって表示されており、また、剥離片部16の表面には配達確認票としての所要事項記入欄18が印刷によって表示されている。
次に、前記再剥離帳票10Aの作成方法について説明する。
先ず、図7に示すように、第一帳票基材2の外周部若しくは相対する両側縁部で、除去片部13となる部分の一面にシリコーンを印刷または塗布して剥離層14を形成し、該剥離層14上を含む第一帳票基材2の一面の略全面に強接着性粘着剤を塗布して粘着剤層3を形成する。一方、第二帳票基材6の一面の所要領域に、アミン等のアルカリ性物質を添加したインキを所定パターンで印刷して硬化阻害層5を形成する。この第二帳票基材6の他面側には、荷札としての所要事項記入欄17(図6参照)と配達確認票としての所要事項記入欄18とが予め印刷されている。そして、この硬化阻害層5上にカチオン重合シリコーンを印刷または塗布して層間剥離層4を形成する。ここで、所定パターンの硬化阻害層5上に形成されたカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層4は、硬化阻害層5のアルカリ性物質と接触する部分の重合が妨げられることにより、部分的に未硬化状態に保持される。
次に、第一帳票基材2と第二帳票基材6とを積層する。この積層は、図8(イ),(ロ)に示すように、粘着剤層3が形成されている面と、層間剥離層4が形成されている面とが密着するように行う。然る後、図8(ハ)に示すように、第一帳票基材2に、剥離層14の形成領域の内側位置に沿ってハーフカット加工を施して第一切断線12を形成することにより、第一帳票基材2を担持片部11と除去片部13とに分割する。また、第二帳票基材6に、硬化阻害層5の形成領域の内側位置に沿ってハーフカット加工を施して第二切断線15を形成することにより、剥離片部16を設ける。これにより、図5(イ)に示す再剥離帳票10Aが作成される。
上記のように配送伝票として構成された再剥離帳票10Aを使用するには、第二帳票基材6の所要事項記入欄17,18(図6参照)に配送先の住所,氏名、配送依頼者の住所,氏名等の所要情報を記入した後、第一帳票基材2の除去片部13を剥離すると再剥離帳票10Aの下面に粘着剤層3が露出するので、該粘着剤層3によって再剥離帳票10Aを配送物としての被貼着物に貼着することができる。そして、配送業者は配送物を配送先に配達した際に、配達確認票としての剥離片部16の所要事項記入欄18(図6参照)に受取人の受領印を受けた後、図5(ロ)に示すように、部分的に未硬化状態に保持されている層間剥離層4の層間剥離を介して剥離片部16を剥離することにより、該剥離片部16を持ち帰ることができ、これを配達したことの証明とすることができる。
かかる構成にあって、所定パターンの硬化阻害層5に対応する領域の層間剥離層4は、未硬化状態に保持された未硬化部分4a(図4(イ)参照)となる一方、所定パターンの硬化阻害層5に対応する領域を除く領域の層間剥離層4は硬化して硬化部分4bとなる。そしてこのように硬化阻害層5のパターン形状に応じて層間剥離層4に未硬化部分4aと硬化部分4bとが選択的に生じていることにより、層間剥離層4の硬化部分4bでは第一帳票基材2上に粘着剤層3を介して剥離片部16が強く接着される一方、未硬化部分4aでは接着力が低下した状態となる。これによって粘着剤層3による剥離片部16の接着力を調整することができ、被貼着物の配送過程では不要に剥離せず、剥離片部16の剥離時には簡単に剥離し得る適正な接着状態が得られる。また、剥離片部16を剥離すると、図4(ロ)に示すように、層間剥離層4の未硬化部分4aが層間剥離して第一帳票基材2の粘着剤層3上に残留するので、該粘着剤層3の接着力を大幅に低減させることができ、剥離後に露出する粘着剤層3がベタ付くことがない。
次に、本発明の第四実施例を、図9,図10に基づいて説明する。この第四実施例は請求項4にかかる再剥離積層体の仮接着方法の一実施例を示すものである。
再剥離積層体1Cは、図9(イ)に示すように、第一帳票基材2上に粘着剤層3が配設され、該粘着剤層3上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層4が配設され、該層間剥離層4上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性を呈する第二帳票基材19が配設されている。そして、前記層間剥離層4を、アルカリ性の第二帳票基材19との接触によって、未硬化状態に保持するようにしている。
ここで、前記第一帳票基材2には、紙が好適に用いられ得る。また、粘着剤層3には強接着性粘着剤が好適に用いられ得る。前記カチオン重合シリコーンは、酸性条件下の水素イオンを触媒として重合(硬化)するシリコーンであり、重合時にアルカリ性物質が存在すると重合(硬化)が阻害される特性を備えている。また、前記アルカリ性を呈する第二帳票基材19には、紙の平滑度及び白色度の向上等を目的とした填料に使用される炭酸カルシウムや、紙の吸湿度調整を目的としたサイズ剤に使用されるアルキルケテンダイマー,アルケニル無水コハク酸等のアルカリ性物質を含有する帳票基材が用いられ得る。
次に、前記再剥離積層体1Cの作成方法について説明する。
先ず、図10(イ)に示すように、第一帳票基材2の一面の略全面に強接着性粘着剤を塗布して粘着剤層3を形成する。一方、第二帳票基材19の一面にカチオン重合シリコーンを印刷または塗布して層間剥離層4を形成する。ここで、第二帳票基材19の一面上に形成されたカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層4は、アルカリ性の第二帳票基材19との接触により重合が妨げられて未硬化状態に保持される。
然る後、第一帳票基材2と第二帳票基材19とを積層する。この積層は、図10(ロ)に示すように、粘着剤層3が形成されている面と、層間剥離層4が形成されている面とが密着するように行う。これにより、図9(イ)に示す再剥離積層体1Cが作成される。
かかる構成にあって、アルカリ性の第二帳票基材19との接触によって、未硬化状態に保持された層間剥離層4を介して第一帳票基材2上に第二帳票基材19を剥離可能に仮接着することができる。そして、第二帳票基材19の剥離時に、図9(ロ)に示すように、未硬化状態の層間剥離層4が層間剥離することにより、粘着剤層3に強接着性粘着剤を用いた場合にあっても、該第二帳票基材19の剥離操作を容易に行うことができる。また、第二帳票基材19を剥離すると、層間剥離した層間剥離層4が第一帳票基材2の粘着剤層3上に残留するので、該粘着剤層3の接着力を大幅に低減させることができる。
次に、本発明の第五実施例を、図11,図12に基づいて説明する。この第五実施例は、請求項5及び請求項6にかかる再剥離積層体の接着力制御方法の一実施例を示すものである。
この第五実施例における再剥離積層体1Dは、図11に示すように、第一帳票基材2上に粘着剤層3が配設され、該粘着剤層3上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層4が配設され、該層間剥離層4上にアルカリ性物質を含有しない接触遮断層20が所定パターンで配設され、該接触遮断層20上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性を呈する第二帳票基材19が配設されている。そして、所定パターンで配設された接触遮断層20によってアルカリ性の第二帳票基材19との接触が遮断された領域を除く領域で、層間剥離層4を部分的に未硬化状態に保持するようにしている。
前記接触遮断層20は、第二帳票基材19の一面にアルカリ性物質が添加されていない非アルカリ性インキを網点,万線,格子模様等の所定パターンで印刷することにより形成されており、その構成面積比を変化させることによって、図12(イ)に示すように、その粗密度が調整されている。
尚、この再剥離積層体1Dは、接触遮断層20を所定パターンで印刷形成する工程以外は、上述した再剥離積層体1Cの作成方法が適用され、使用する各材料も同じであるので、作成方法及び使用材料についての重複する説明を省略する。
かかる構成にあって、所定パターンの接触遮断層20に対応する領域の層間剥離層4は、図12(イ)に示すように、アルカリ性の第二帳票基材19との接触が遮断されることにより硬化して硬化部分4bとなる一方、所定パターンの接触遮断層20に対応する領域を除く領域の層間剥離層4は、未硬化状態に保持された未硬化部分4aとなる。そしてこのように接触遮断層20のパターン形状に応じて層間剥離層4に未硬化部分4aと硬化部分4bとを選択的に生じさせることにより、層間剥離層4の硬化部分4bでは第一帳票基材2上に粘着剤層3を介して第二帳票基材19が強く接着される一方、未硬化部分4aでは接着力が低下した状態が得られ、これによって粘着剤層3による第二帳票基材19の接着力を調整することができる。また、接触遮断層20を、網点,万線,格子模様等の所定パターンとし、かつその構成面積比を変化させて印刷することにより、網点,万線,格子模様等のパターンによって層間剥離層4の未硬化部分4aと硬化部分4bとを近接させた状態で均一に分布させることができるとともに、構成面積比を変化させることによって接着力の調整を容易に行うことができる。尚、第二帳票基材19を剥離すると、図12(ロ)に示すように、層間剥離層4の未硬化部分4aが層間剥離して第一帳票基材2の粘着剤層3上に残留するので、該粘着剤層3の接着力を大幅に低減させることができる。
次に、本発明の第六実施例を、図13〜図16に基づいて説明する。この第六実施例は、上記再剥離積層体1Dの接着力制御方法を用いた請求項8にかかる再剥離帳票の一実施例を示すものである。
この第六実施例における再剥離帳票10Bは、配送伝票として構成されている。図13(イ)に示すように、第一帳票基材2は、担持片部11の外周若しくは相対する両側縁に第一切断線12を介して除去片部13が分離可能に連成されてなるものであり、該除去片部13の上面にシリコーンからなる剥離層14が形成されている。この剥離層14を構成するシリコーンは、剥離剤として用いられる通常のシリコーンであるが、これに代えてカチオン重合シリコーンを用いることもできる。
また、前記第一帳票基材2の剥離層14上面及び担持片部11上面の略全面に亘って粘着剤層3が配設され、該粘着剤層3の所要領域面上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層4が配設され、該層間剥離層4上にアルカリ性物質を含有しない接触遮断層20が所定パターンで配設され、さらに該接触遮断層20を含む粘着剤層3を覆うようにして、カチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性を呈する第二帳票基材19が配設されており、該第二帳票基材19は、前記接触遮断層20上で第二切断線15により分離可能に切断された剥離片部16を備えている。
前記第二帳票基材19の表面には、図14に示すように、荷札としての所要事項記入欄17が印刷によって表示されており、また、剥離片部16の表面には配達確認票としての所要事項記入欄18が印刷によって表示されている。
次に、前記再剥離帳票10Bの作成方法について説明する。
先ず、図15に示すように、第一帳票基材2の外周部若しくは相対する両側縁部で、除去片部13となる部分の一面にシリコーンを印刷または塗布して剥離層14を形成し、該剥離層14上を含む第一帳票基材2の一面の略全面に強接着性粘着剤を塗布して粘着剤層3を形成する。一方、第二帳票基材19の一面の所要領域に、アルカリ性物質を含有しないインキを所定パターンで印刷して接触遮断層20を形成する。この第二帳票基材19の他面側には、荷札としての所要事項記入欄17(図14参照)と配達確認票としての所要事項記入欄18とが予め印刷されている。そして、この接触遮断層20上にカチオン重合シリコーンを印刷または塗布して層間剥離層4を形成する。ここで、所定パターンの接触遮断層20上に形成されたカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層4は、接触遮断層20によってアルカリ性の第二帳票基材19との接触が遮断される領域を除く領域で重合が妨げられることにより、部分的に未硬化状態に保持される。
次に、第一帳票基材2と第二帳票基材19とを積層する。この積層は、図16(イ),(ロ)に示すように、粘着剤層3が形成されている面と、層間剥離層4が形成されている面とが密着するように行う。然る後、図16(ハ)に示すように、第一帳票基材2に、剥離層14の形成領域の内側位置に沿ってハーフカット加工を施して第一切断線12を形成することにより、第一帳票基材2を担持片部11と除去片部13とに分割する。また、第二帳票基材19に、接触遮断層20の形成領域の内側位置に沿ってハーフカット加工を施して第二切断線15を形成することにより、剥離片部16を設ける。これにより、図13(イ)に示す再剥離帳票10Bが作成される。
上記のように配送伝票として構成された再剥離帳票10Bを使用するには、第二帳票基材19の所要事項記入欄17,18(図14参照)に配送先の住所,氏名、配送依頼者の住所,氏名等の所要情報を記入した後、第一帳票基材2の除去片部13を剥離すると再剥離帳票10Bの下面に粘着剤層3が露出するので、該粘着剤層3によって再剥離帳票10Bを配送物としての被貼着物に貼着することができる。そして、配送業者は配送物を配送先に配達した際に、配達確認票としての剥離片部16の所要事項記入欄18(図14参照)に受取人の受領印を受けた後、図13(ロ)に示すように、部分的に未硬化状態に保持されている層間剥離層4の層間剥離を介して剥離片部16を剥離することにより、該剥離片部16を持ち帰ることができ、これを配達したことの証明とすることができる。
かかる構成にあって、所定パターンの接触遮断層20に対応する領域の層間剥離層4は、アルカリ性の第二帳票基材19との接触が遮断されることにより硬化して硬化部分4b(図12(イ)参照)となる一方、所定パターンの接触遮断層20に対応する領域を除く領域の層間剥離層4は、アルカリ性の第二帳票基材19との接触により未硬化状態に保持された未硬化部分4aとなる。そしてこのように接触遮断層20のパターン形状に応じて層間剥離層4に未硬化部分4aと硬化部分4bとが選択的に生じていることにより、層間剥離層4の硬化部分4bでは第一帳票基材2上に粘着剤層3を介して剥離片部16が強く接着される一方、未硬化部分4aでは接着力が低下した状態となる。これによって粘着剤層3による剥離片部16の接着力を調整することができ、被貼着物の配送過程では不要に剥離せず、剥離片部16の剥離時には簡単に剥離し得る適正な接着状態が得られる。また、剥離片部16を剥離すると、図12(ロ)に示すように、層間剥離層4の未硬化部分4aが層間剥離して第一帳票基材2の粘着剤層3上に残留するので、該粘着剤層3の接着力を大幅に低減させることができ、剥離後に露出する粘着剤層3がベタ付くことがない。
(イ)は第一実施例にかかる再剥離積層体1Aの縦断面図、(ロ)は再剥離積層体1Aから第二帳票基材6を剥離した状態を示す説明図である。 同上の再剥離積層体1Aの作成方法を示す説明図である。 第二実施例にかかる再剥離積層体1Bの縦断面図である。 (イ)は同上の再剥離積層体1Bにおける要部の拡大縦断面図、(ロ)は層間剥離層4の層間剥離状態を示す説明図である。 (イ)は第三実施例にかかる再剥離帳票10Aの縦断面図、(ロ)は該再剥離帳票10Aから剥離片部16を剥離した状態を示す説明図である。 同上の再剥離帳票10Aの平面図である。 同上の再剥離帳票10Aの作成手順を示す説明図である。 図7に続く再剥離帳票10Aの作成手順を示す説明図である。 (イ)は第四実施例にかかる再剥離積層体1Cの縦断面図、(ロ)は該再剥離積層体1Cから第二帳票基材19を剥離した状態を示す説明図である。 同上の再剥離積層体1Cの作成方法を示す説明図である。 第五実施例にかかる再剥離積層体1Dの縦断面図である。 (イ)は同上の再剥離積層体1Dにおける要部の拡大縦断面図、(ロ)は層間剥離層4の層間剥離状態を示す説明図である。 (イ)は第六実施例にかかる再剥離帳票10Bの縦断面図、(ロ)は該再剥離帳票10Bから剥離片部16を剥離した状態を示す説明図である。 同上の再剥離帳票10Bの平面図である。 同上の再剥離帳票10Bの作成手順を示す説明図である。 図15に続く再剥離帳票10Bの作成手順を示す説明図である。 (イ)は従来の再剥離帳票からなる配送伝票aの縦断面図、(ロ)は該配送伝票aから配達確認票cを剥離した状態を示す説明図である。
符号の説明
1A,1B,1C,1D 再剥離積層体
2 第一帳票基材
3 粘着剤層
4 層間剥離層
5 硬化阻害層
6 第二帳票基材
10A,10B 再剥離帳票
11 担持片部
12 第一切断線
13 除去片部
14 剥離層
15 第二切断線
16 剥離片部
19 第二帳票基材
20 接触遮断層

Claims (8)

  1. 第一帳票基材上に粘着剤層が配設され、該粘着剤層上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層が配設され、該硬化阻害層上に第二帳票基材が配設されてなり、硬化阻害層のアルカリ性物質との接触によって、層間剥離層を未硬化状態に保持するようにしたことを特徴とする再剥離積層体の仮接着方法。
  2. 第一帳票基材上に粘着剤層が配設され、該粘着剤層上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層が所定パターンで配設され、該硬化阻害層上に第二帳票基材が配設されてなり、所定パターンで配設された硬化阻害層のアルカリ性物質と接触する領域で、層間剥離層を部分的に未硬化状態に保持するようにしたことを特徴とする再剥離積層体の接着力制御方法。
  3. 硬化阻害層の所定パターンが、網点,万線,格子模様等のパターンであり、かつその構成面積比を変化させたものであることを特徴とする請求項2記載の再剥離積層体の接着力制御方法。
  4. 第一帳票基材上に粘着剤層が配設され、該粘着剤層上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性を呈する第二帳票基材が配設されてなり、アルカリ性の第二帳票基材との接触によって、層間剥離層を未硬化状態に保持するようにしたことを特徴とする再剥離積層体の仮接着方法。
  5. 第一帳票基材上に粘着剤層が配設され、該粘着剤層上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にアルカリ性物質を含有しない接触遮断層が所定パターンで配設され、該接触遮断層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性を呈する第二帳票基材が配設されてなり、所定パターンで配設された接触遮断層によってアルカリ性の第二帳票基材との接触が遮断された領域を除く領域で、層間剥離層を部分的に未硬化状態に保持するようにしたことを特徴とする再剥離積層体の接着力制御方法。
  6. 接触遮断層の所定パターンが、網点,万線,格子模様等のパターンであり、かつその構成面積比を変化させたものであることを特徴とする請求項5記載の再剥離積層体の接着力制御方法。
  7. 担持片部の外周若しくは相対する両側縁に第一切断線を介して除去片部が分離可能に連成され、かつ該除去片部の上面にシリコーンからなる剥離層が形成された第一帳票基材の、その剥離層上面及び前記担持片部上面の略全面に亘って粘着剤層が配設され、該粘着剤層の所要領域面上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にカチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性物質を含有した硬化阻害層が所定パターンで配設され、さらに該硬化阻害層を含む粘着剤層を覆うようにして第二帳票基材が配設され、該第二帳票基材が前記硬化阻害層上で第二切断線により分離可能に切断された剥離片部を備えてなり、硬化阻害層のアルカリ性物質との接触により部分的に未硬化状態に保持されている層間剥離層が層間剥離することにより、第二帳票基材の剥離片部が剥離可能に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の再剥離積層体の接着力制御方法を用いた再剥離帳票。
  8. 担持片部の外周若しくは相対する両側縁に第一切断線を介して除去片部が分離可能に連成され、かつ該除去片部の上面にシリコーンからなる剥離層が形成された第一帳票基材の、その剥離層上面及び前記担持片部上面の略全面に亘って粘着剤層が配設され、該粘着剤層の所要領域面上にカチオン重合シリコーンからなる層間剥離層が配設され、該層間剥離層上にアルカリ性物質を含有しない接触遮断層が所定パターンで配設され、さらに該接触遮断層を含む粘着剤層を覆うようにして、カチオン重合シリコーンの重合を妨げて未硬化状態とするアルカリ性を呈する第二帳票基材が配設され、該第二帳票基材が前記接触遮断層上で第二切断線により分離可能に切断された剥離片部を備えてなり、所定パターンの接触遮断層によってアルカリ性の第二帳票基材との接触が遮断された領域を除く領域で部分的に未硬化状態に保持されている層間剥離層が層間剥離することにより、第二帳票基材の剥離片部が剥離可能に設けられていることを特徴とする請求項5または請求項6記載の再剥離積層体の接着力制御方法を用いた再剥離帳票。
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