JP2006269494A - 電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材および分極性電極の製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材および分極性電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ばらつきが少なくかつ高い静電容量を得ることができる電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材および分極性電極の製造方法を提供する。
【解決手段】人造黒鉛電極試験法によって測定される熱膨張係数を0.8〜2の範囲内に調整した石炭または石油由来の未か焼コークスを原料として、この原料を例えば賦活処理した炭素材を用いて電気二重層キャパシタ分極性電極を製造する。石炭由来の未か焼コークスの場合、キノリン不溶分が0.1%以下の石炭系タールを用いて、ディレードコーカー法で製造した、CTEが制御された石炭系ピッチコークスの生コークスを用い、あるいは、所望のCTEの範囲を満足する石炭系ピッチコークスの生コークスを選択して用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質炭素材料を原料として用いる電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材に関する。
電気二重層キャパシタは、多孔質導電材料からなる電極(分極性電極)の界面に電解質イオンを吸脱着させることで電気を充放電する蓄電デバイスである。充放電量は電極界面に吸着するイオン量に比例することから、電極材料としては高比表面積の活性炭等の多孔質炭素材料が主に使用されている。電気二重層キャパシタはこれまで、小型電子部品用永久電源として商品化されてきたが、近年、ハイブリッド自動車(HEV)用電源等の大容量蓄電デバイスとしても適用が検討されている。
HEV用途等の大容量用途では、多数のセルを積層して使用するため、高性能化以外に、セル間の静電容量均一化ならびに低コスト化が重要である。
各セルの電極の静電容量にばらつきがあると、充放電を繰り返した際に、セル間の電圧が不ぞろいになり、過電圧が掛かったセルの破損に至る場合がある。
電極製造工程での品質のつくり込みによる静電容量が完全に均一化できればこのような不具合は生じないが、実際は静電容量のばらつきが存在するため、充放電機構に電子制御回路を付加し、セル間の充電電圧のばらつきを適時平準化する方法が多く用いられている。
そもそも、セル間の静電容量がばらつく大きな要因は、使用される多孔質炭素材料の原料の特性を含めた多孔質炭素材料の製造工程にあると考えられる。
そして、製品の品質ばらつきを抑えるには、製造プロセスのできる限り上流の工程での品質制御を確実に行うことが最も有効であることは品質管理の常識であり、多孔質炭素材料の場合においても、得られる多孔質炭素材料の品質がばらつくと、後工程である多孔質炭素材料の賦活工程での品質のつくり込みや、電気二重層キャパシタの製造工程での品質のつくり込みに最大限の努力を払っても、静電容量のばらつきの制御に限界があることはいうまでもない。
この点に関し、例えば、X線回折で測定される結晶子厚さLc(002)が特定の範囲にある合成ピッチを用いることで静電容量発現の再現性が向上するとの報告がある(特許文献1参照。)。また、同様に、平均自由体積半径が特定の範囲の合成ピッチを用いることで、静電容量発現の再現性が向上するとの報告もある(特許文献2参照。)。
しかしながら、これらの方法は、いずれも、特定の成分(原料)を熱重合し、あるいは特定の成分を通常の成分(天然由来の原料)と混合して熱処理して合成ピッチを得るものであるため、原料コストを含めた多孔質炭素材料の製造コストが高くなることを避けることができない。
上記の従来技術のなかには静電容量発現の再現性を向上させるという目的が明記されているものもあるが、いずれも、再現性の向上がばらつきの低減を意図するものと理解した場合、それを示す具体的なデータは示されておらず、示されているデータを見る限り、むしろ、上記の原料品質の改善により、静電容量の品質レベルを従来のものより嵩あげさせることによって、静電容量のばらつきがあっても高い静電容量を確保することを目的としたもののように考えられる
特開2004−182504号公報 特開2004−182507号公報
上記のように、電極原料として用いられる多孔質炭素材料の品質のばらつきを改善することによって電気二重層キャパシタの静電容量のばらつきを改善する積極的なアプローチは、従来は行われていないように思われる。
この理由として、端的に想定されるのは、現在求められているものが、上記のように、静電容量のばらつきとともに静電容量の向上を中心とした特性向上であるため、静電容量の大幅な向上を実現することによって、静電容量のばらつきに起因する問題をカバーする方向を志向しているためではないかと考えられる。ただし、このアプローチ法では、上記したセルの破損を招く原因となっている静電容量のばらつきは本質的には改善されておらず、従来技術がこの課題に対する抜本的対策となっていないことは明らかである。
また、他の大きな理由として、一般に多孔質炭素材料は管理すべき複雑で多くの品質特性を持っており、静電容量のばらつき改善に顕著に結びつく多孔質炭素材料の有効な品質特性とその品質制御手法を見出すことが難しいことが挙げられる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ばらつきが少なくかつ高い静電容量を得ることができる電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材および分極性電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ピッチ等の炭素原料を、炭化して炭素材料を調製する工程、ついで賦活して多孔質炭素材料を調製する工程において、本来、電炉用人造黒鉛電極材料の評価指標である炭素材料の熱膨張係数(CTE:Coefficient of Thermal Expansion。)値が特定の範囲内にある炭素材料を使用することで、賦活して得られる多孔質炭素材を原料に用いた分極性電極を備えた電気二重層キャパシタの静電容量が安定して発現することを見出し、本発明に想達した。
上記目的を達成するために、本発明に係る電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材は、人造黒鉛電極試験法によって測定される熱膨張係数が0.8〜2の範囲内にある石炭または石油由来原料を熱処理してなる未か焼コークスを原料として用いて製造されることを特徴とする。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材は、前記未か焼コークスが、キノリン不溶分が0.1%以下の石炭系タールまたは石油系重質油を用い、ディレードコーカー法で製造したピッチコークスの生コークスであることを特徴とする。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタ分極性電極の製造方法は、人造黒鉛電極試験法によって測定される熱膨張係数を所定の範囲内に調整した石炭由来未の未か焼コークスおよび石油由来の未か焼コークスのいずれか一方または双方の混合品原料として製造することを特徴とする。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタ分極性電極の製造方法は、前記熱膨張係数の所定の範囲が、0.8〜2であることを特徴とする。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタ分極性電極の製造方法は、前記未か焼コークスが、キノリン不溶分が0.1%以下の石炭系タールまたは石油系重質油を用い、ディレードコーカー法で製造した石炭系または石油系ピッチコークスの生コークスであることを特徴とする。
本発明に係る電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材および分極性電極の製造方法は、人造黒鉛電極試験法によって測定される熱膨張係数が0.8〜2の範囲内にある石炭または石油由来の未か焼コークスを原料として用いるため、ばらつきが少なくかつ高い静電容量を有する電気二重層キャパシタを得ることができる。
本発明に係る電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材の好適な実施の形態について、以下に説明する。
本発明に係る電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材は、人造黒鉛電極試験法によって測定される熱膨張係数が0.8〜2の範囲内にある石炭または石油由来の未か焼コークスを原料として用いるものである。
また、本発明に係る電気二重層キャパシタ分極性電極の製造方法は、上記の未か焼コークスを原料として製造するものである。
本発明では、石炭または石油由来の未か焼コークスを分極性電極(以下、単に電極という)の原料として用いる。
石炭または石油由来の炭素材は、一般に、石炭系の場合はコールタールピッチをまた石油系の場合は蒸留残渣油をそれぞれ出発原料とし、これらの出発原料を例えば500℃程度の温度で熱処理することで生コークスを得る。ついで、この生コークスを例えば1300℃程度の温度でか焼して、か焼コークスを得る。か焼コークスは、人造黒鉛電極の原料に好適に使用される。
本発明でいう未か焼コークスは、上記のか焼が行われる前の炭素材であるコークスを広く含む意である。そして、より好適には、上記の生コークスをいう。未か焼コークスの製造方法等については、さらにその詳細を後述する。
本発明でいう人造黒鉛電極試験法によって測定される未か焼コークスの熱膨張係数(以下、必要に応じてCTEと表示することがある。)の測定法の概要を以下に示す。
測定対象である未か焼コークス(生コークス)を1300℃で炭化後、粉砕し、粒度調整(1.000〜2.380mm:40%、0.074〜0.297mm:35%、0.074mm以下:25%)する。このもの100質量部に、バインダーピッチを30質量部加え、160℃で20分間混合する。ついで20mmφ×100mmの大きさに押し出し成型する。成型したテストピースは焼成炉を用いて900℃まで焼成し、含浸ピッチを含浸した後再び900℃で二次焼成を行う。このテストピースを昇温速度10℃/minで2500℃まで昇温して黒鉛化を行う。二次焼成したテストピースが黒鉛化する際の室温から500℃までの間の、テストピースの押し出し方向の熱膨張係数の平均値を人造黒鉛電極試験法によって測定される熱膨張係数(CTE)と定義する。
バインダーピッチは、新日鐵化学株式会社製のBP−96相当品、含浸ピッチは新日鐵化学株式会社製のIP−78相当品等が使用できる。
CTE値は、本来、電炉用人造黒鉛電極材料の指標であり、キャパシタ特性との相関はこれまで提案されていなかった。
両者の相関は定かではないが、本発明者は、CTE値が代表する炭素材料の構造因子が、賦活時の反応性・得られる細孔構造と相関があるものと想定している。
電気二重層キャパシタの要求仕様により、炭素材料の好適な細孔構造は異なるので、CTE値の具体的な範囲は可変な指標である。すなわち、通常、電気二重層キャパシタ分極性電極の製造方法において、未か焼コークスのCTEの範囲を特に限定するものではない。
ばらつきの少なく、且つ高い静電容量を発現する電気二重層キャパシタを得るためには、未か焼コークスのCTEは0.8〜2の範囲を採用することが好ましい。さらに、CTEの範囲を±0.2程度に抑えることは、電気二重層キャパシタの静電容量のばらつきを抑制する上で好ましい方法のひとつである。
未か焼コークスの製造方法について、以下に説明する。
本発明の未か焼コークスの原料としては、前記のように、コールタール系重質油および/または石油系重質油が使用できる。
コールタール系重質油としては、石炭を乾留する際に生成するコールタールから分離される高沸点タール油およびタールピッチ(コールタールピッチ)等を挙げることができ、好ましくはタールピッチである。タールピッチは、軟化点70℃以下の軟ピッチ、軟化点70〜85℃程度の中ピッチおよび軟化点85℃以上の高ピッチがあり、いずれも使用可能であるが、取り扱いの点で軟ピッチを使用することが有利である。また、タールピッチ、コールタールまたは高沸点タール油の2または3種類を混合したものでもよい。脱QI(キノリン不溶分除去)された石炭系タールを用いることが、生コークス中の不純物が少なくなり好ましく、特にQI 成分を0.1%(質量%)以下に除去したものを用いることが好ましい。
一方、石油系重質油としては、石油の流動接触分解重質成分であるデカント油(FCC−DO)、石油系ナフサのような軽質成分を800℃またはそれ以下の温度で熱分解してエチレンなどの不飽和炭化水素を製造する際に副生する残渣物であるエチレンタール、低硫黄原油の減圧蒸留残油などを挙げることができる。これらの重質油は、炭化収率の面からあらかじめ軽質成分を蒸留により除去するか、または熱処理して熱重合により重質化してもよい。
未か焼コークスの製造方法としては、例えば公知のディレードコーキング装置による連続装入による処理方式が適用できるが、特にこれに限定されるものではない。ディレードコーキング装置は、公知の通り、加熱炉、コークドラムおよびコーカー精留塔から構成されるディレードコーカーとロータリーキルン等のカルサイナー装置からなる。
上記の原料(コールタール系重質油または石油系重質油)を加熱炉で約400〜550℃の範囲で加熱処理してから、コークドラムの底部から連続装入しつつ、コークドラム内で長時間(20〜40時間)かけて熱分解重縮合によるコーキング反応を行わせて、生コークスを生成し堆積させる。分解留出油等はコークドラムの塔頂から気液混合物となって排出し、コーカー精留塔に導入されて、各種の留出油および水素、メタンを多く含む燃料ガス等に分離され、塔底油の一部は再度原料とともに加熱炉から再循環させる。
コークドラム内に堆積した生コークスは高圧水で切り出され、ピッチコークスの生コークス(未か焼コークス)が得られる。
生コークスは、必要なら、分級、粉砕、粒度調整を行う。
このものをさらに電気二重層キャパシタの要求特性に適合する方法で賦活処理することで、電気二重層キャパシタの分極性電極の材料としての炭素材が得られる。なお、必要なら、賦活前に生コークスを熱処理してもよい。
賦活方法は、公知の方法が適用でき、再現性のある賦活方法であれば、方式は制限されない。アルカリ賦活法、電界賦活法は好ましい実施形態のひとつである。また、ガス賦活等の賦活方法を適宜組み合わせてもよい。
また、賦活時に、粉砕・分級を行い、粒度を調整してもよい。賦活後、水素雰囲気下、熱処理を行い、表面官能基の除去を行ってもよい。また、酸またはアルカリで不純物を除去してもよい。例えば、アルカリ賦活では、炭素原料と、水酸化カリもしくは水酸化ナトリウムまたはそれらの混合物とを1:1〜1:5の範囲で混合し、500℃〜900℃で0.5時間〜5時間、不活性雰囲気下で反応させればよい。
得られる炭素材(多孔質炭素材料)を用いて、電気二重層キャパシタを製造する際は、公知の製造法が採用でき、特に限定されない。電解液についても、水系、有機溶剤系いずれも採用でき、特に限定されない。
本発明に係る電気二重層キャパシタ分極性電極の製造方法において、CTEを所定の範囲内、好ましくは0.8〜2に調整した石炭または石油由来の未か焼コークスを得る方法は、好ましくは、未か焼コークスを製造する工程で、このような品質を持つ未か焼コークスをつくり込むことである。
このような未か焼コークスのCTEを所定の範囲内に制御する方法として、例えば、特開昭52−78201号公報に開示されるように、原料中のキノリン不溶成分(QI)を制御する周知の方法を挙げることができる。ただし、これに限らず、その他の公知の手法を用いることができる。
また、上記の方法に変えて、通常の製造方法で得られる未か焼コークスのなかから、上記所定の範囲内のCTEを持つものを選択して、電極原料に供してもよい。
この方法によれば、異なる製法や原料、異なる製造ロットで得られた生コークスがあっても、所定の範囲内のCTEを持つ生コークスを選択して電極原料に供することで、静電容量が揃った電気二重層キャパシタが得られる。
以下、本発明の電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材および分極性電極の製造方法の実施例および比較例を説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
実施例1−1〜1−3
(生コークスの調製)
特開昭52−78201号報に開示の方法に準じて、実質的にQIを含まない石炭系タールを加熱炉で約450℃で加熱処理した後、ディレードコーカーで、コークドラムの底部から連続装入しつつ、コークドラム内で30時間かけて熱分解重縮合によるコーキング反応を行わせて、生コークスを調製した。この操作を3回繰り返し、生コークスを3ロット(実施例1−1〜実施例1−3)製造した。これらのもののCTE値は1.07〜1.15の範囲であった。
(電極原料用炭素材の調製)
上記生コークスを平均径150μmに粉砕したうちもの2g、および水酸化カリウム8gをニッケル製坩堝に充填し、窒素雰囲気下、600℃で1時間熱処理を行なった後、650℃1時間アルカリ賦活した。反応生成物には、過剰のイソプロパノールを加え、副生アルカリ金属を失活させた後、塩酸洗浄し、ついで十分な純水で洗浄し、乾燥し、電極原料用炭素材(多孔質炭素材料)を得た。
(シート電極、テストセルの調製)
電極原料用炭素材は、微粉砕機を用い、平均径50μmになるよう粉砕、分級した。
分級した電極原料用炭素材、テフロン(テフロンは登録商標)樹脂(デュポン社製PTFE 6−J)、導電性フィラー(ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製 ケッチェンブラックEC600JD)を、質量比 8:1:1で混合し、ついでニ本ロールでロール混練し、100μm厚のシートを調製した。
シートは直径16mmの大きさの円形に打ち抜いた後、120℃で8時間減圧乾燥した。ついで、このものを室温まで冷却して得られたシート電極で、宝泉株式会社製2極セル(HSセル)を用いてテストセルを組み、電解質液を減圧下3時間含浸させた。セパレータには、ガラス繊維性フィルターを用いた。電解質液は、富山薬品工業株式会社製の1モル/kgのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロブロマイド(EtNBF)を含有するプロピレンカーボネート溶液を用いた。
(静電容量の測定)
上記のテストセルを2.7Vまで充電した後、100mA/gで0Vまで放電した。
充放電装置としてTOYO SYSTEM製TOSCAT−3000K装置を用い、次式の最大電圧の80%と40%の放電勾配よりシート電極の静電容量C(単位:F)を求めた。
C=I(T2−T1)/(V1−V2)
V1:充電電圧の80%となる値(単位:V)
V2:充電電圧の40%となる値(単位:V)
T1:V1における時間(単位:秒)
T2:V2における時間(単位:秒)
I:放電電流量(単位:A)
単位体積当たり静電容量(単位:F/cc)は、得られた静電容量Cを、仕込み時のシート電極体積(正極と負極の和)で割って算出した。
これらの測定結果を表1に示した。また、表1中、内部抵抗(ΔV:ボルト)は、放電開始時の電圧低下幅で代表した。これらの点は、以下の他の実施例および比較例についても同じである。
Figure 2006269494
実施例2
石炭系ピッチの代りに石油系重質油を用いた以外は実施例1と同様の条件でディレードコーキング処理し、CTE値1.1の生コークスを得た。この生コークスを実施例1と同一条件で賦活し、静電容量を測定した。
実施例3
実施例1−3と、実施例2で得られた未か焼コークスを重量比で1:1で混合したものを用いた以外は実施例1と同様の条件で賦活し、静電容量を測定した。
このものは、CTE値が1.13であった。
比較例1
QI濃度を制御しない原料油を含む石炭系タールを用いた以外、実施例1と同様の条件で繰り返しディレードコーキング処理し、CTE値1.0〜6.0の範囲の生コークス(比較例1−1〜比較例1−3)を得た。この生コークスを実施例1と同一条件で賦活し、静電容量を測定した結果を表1に示す。

Claims (5)

  1. 人造黒鉛電極試験法によって測定される熱膨張係数が0.8〜2の範囲内にある石炭または石油由来原料を熱処理してなる未か焼コークスを原料として用いて製造されることを特徴とする電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材。
  2. 前記未か焼コークスが、キノリン不溶分が0.1%以下の石炭系タールまたは石油系重質油を用い、ディレードコーカー法で製造したピッチコークスの生コークスであることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタの分極性電極用炭素材。
  3. 人造黒鉛電極試験法によって測定される熱膨張係数を所定の範囲内に調整した石炭由来の未か焼コークスおよび石油由来の未か焼コークスのいずれか一方または双方の混合品を原料として製造することを特徴とする電気二重層キャパシタ分極性電極の製造方法。
  4. 前記熱膨張係数の所定の範囲が、0.8〜2であることを特徴とする請求項3記載の電気二重層キャパシタ分極性電極の製造方法。
  5. 前記未か焼コークスが、キノリン不溶分が0.1%以下の石炭系タールまたは石油系重質油を用い、ディレードコーカー法で製造した石炭系または石油系ピッチコークスの生コークスであることを特徴とする請求項3記載の電気二重層キャパシタ分極性電極の製造方法。
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