JP2006266199A - 内燃機関の冷却水ポンプ取付構造 - Google Patents

内燃機関の冷却水ポンプ取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】ポンプシャフトの振動を抑えることができ、加工時間、加工コストを低減できる内燃機関の冷却水ポンプ取付構造を提供する。
【解決手段】クランクシャフト19の回転が冷却水ポンプシャフト73に伝達機構80を介して伝達されて駆動されるように構成し、伝達機構80をクランクシャフト19の回転が伝達されることにより駆動される駆動部材81と、ポンプシャフト72に装着されて駆動部材81の回転を受けて回転駆動される従動部材82とから構成し、ポンプシャフト72に径方向外方にポンプシャフト72の一部が突出して形成された鍔状の嵌合部72cと、従動部材82の一側に形成されて嵌合部72cに嵌合可能な被嵌合部82dとからなる連動手段を備え、従動部材82が円筒状に形成されたポンプシャフト72の一端に嵌合挿入されたときに、嵌合部72cと被嵌合部82dとが嵌合されてポンプシャフト72と従動部材82とを一体に回転可能に構成。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷却水ポンプを備える水冷式内燃機関の冷却水ポンプ取付構造に関する。
二輪車等の車両に搭載される内燃機関の冷却方法として、冷却水ポンプを用いた水冷式がある。冷却水ポンプは、クランクシャフトを支持するクランクケースの側壁に着脱可能に取り付けられ、クランクシャフトの動力をインペラが取り付けられたポンプシャフトに伝達機構を介して伝達して駆動される。伝達機構は、クランクシャフトの回転を受けて回転駆動されるドライブギヤと、ドライブギヤの回転を受けて回転駆動されるドリブンギヤとからなり、ドリブンギヤがポンプシャフト上に配設される。
ポンプシャフトを回転させて冷却水ポンプを駆動するためには、ドリブンギヤとポンプシャフトとを連動させて一体に回転させる必要がある。また、冷却水ポンプの取付け取外し作業を容易にするために、ドリブンギヤはポンプシャフトに対して着脱可能に装着されることが好ましい。これらの要求を満たすため、従来の取付構造では、ドリブンギヤをポンプシャフトにスプライン嵌合させて装着している(例えば、特許文献1)。
特開平9−280048号公報
しかしながら、このような構成によると、ドリブンギヤおよびポンプシャフトに形成されるスプライン溝の加工誤差によって嵌合部分に隙間を生じさせることがある。このような誤差が大きい場合、ポンプシャフトの先端部(ドリブンギヤ取付側の端部)が回転とともに振動するおそれがあり、振動の発生を抑えるにはスプライン溝の形成時に加工の精度を高くする、あるいはスプライン溝の長さを長くすること等が要求され、加工時間および加工コストの増加や装置の大型化を招くという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、ポンプシャフトの振動を抑えることができ、加工時間、加工コストを低減できる内燃機関の冷却水ポンプ取付構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る内燃機関の冷却水ポンプ取付構造は、冷却水ポンプを内燃機関のハウジングに着脱自在に取り付け、内燃機関のクランクシャフトの回転を冷却水ポンプのポンプシャフトに伝達機構を介して伝達して駆動させるように構成しており、この伝達機構がクランクシャフトの回転が伝達されることにより駆動される駆動部材と、ポンプシャフトに装着されて駆動部材の回転を受けて回転駆動される従動部材とを有している。そして、ポンプシャフトに径方向外方にポンプシャフトの一部が突出して形成された鍔状の嵌合部と、従動部材の一側に形成されて嵌合部に嵌合可能な被嵌合部とからなる連動手段を備え、従動部材が円筒状に形成されたポンプシャフトの一端に嵌合挿入されたときに、嵌合部と被嵌合部とが嵌合されてポンプシャフトと従動部材とを一体に回転可能に構成している。
さらに、ポンプシャフトを冷却水ポンプのポンプケースに設けたポンプシャフト用軸受に回動自在に支持し、ポンプシャフトに形成される嵌合部をこのポンプシャフト用軸受に当接させてポンプシャフトを軸受に支持させることが好ましい。
また、ポンプシャフトを冷却水ポンプのポンプケースに設けたポンプシャフト用軸受により回動自在に支持し、従動部材をハウジングに設けられる従動部材用軸受に回動自在に支持し、ポンプシャフト用軸受と従動部材用軸受とにより従動部材を挟持することが好ましい。なお、上記のように嵌合部をポンプシャフト用軸受に当接させた上で、ポンプシャフト用軸受と従動部材用軸受とにより従動部材を挟持することが好ましい。
また、冷却水ポンプはポンプシャフトから従動部材を抜脱して取り外され、駆動部材を内燃機関の機構を駆動する歯車部材と一体に成形し、この歯車部材を従動部材の一部と側面視において重なるようにして配設することが好ましい。
なお、冷却水ポンプはポンプシャフトから従動部材を抜脱して取り外され、駆動部材を内燃機関のバランサと一体に成形し、このバランサを従動部材の一部と側面視において重なるようにして配設してもよい。
本発明に係る内燃機関の冷却水ポンプ取付構造を以上のように構成すると、従動部材が取り付けられるポンプシャフトの一端を、スプライン溝よりも精度が高い加工を容易に行える円筒状に形成しているため、ポンプシャフトと従動部材との隙間を小さくする加工を従来よりも容易に行うことができる。このため、振動の発生を抑えた取付構造を従来よりも短い加工時間で且つ低コストで構成できる。
また、ポンプシャフトと従動部材とを一体に回転させる連動手段を、ポンプシャフトに形成される鍔状の嵌合部と従動部材の一側に形成される被嵌合部とから構成し、従動部材の装着時に嵌合部および被嵌合部を嵌合させるようにしている。このように、スプライン嵌合による組付を避けた取付構造において、ポンプシャフトと従動部材とを一体に回転させる機構を特別に新たな部品から構成する必要がなく、部品点数を増加させずに上記効果を有する取付構造を構成できる。その上、連動手段をポンプシャフトの軸方向に対してコンパクトに構成でき、冷却水ポンプをポンプシャフトの軸方向に小型化できる。
さらに、ポンプシャフトに一体に形成される嵌合部をポンプシャフト用軸受に当接させてポンプシャフトを支持するように構成しており、ポンプシャフトの軸方向への移動を規制できる。このように、ポンプシャフトの移動を規制するための機構を特別に新たな部品から構成する必要がなく、部品点数を増加させずにポンプシャフトを安定して支持できる。
また、ポンプシャフト用軸受と従動部材用軸受とで従動部材を挟持しており、従動部材の軸方向の移動が規制される。このように、従動部材の軸方向への移動を規制するための機構を特別に新たな部品から構成する必要がなく、部品点数を増加させずに従動部材をポンプシャフト上で安定させることができる。
なお、嵌合部がポンプシャフトに当接されるとともに両軸受により従動部材が挟持されることにより、嵌合部と被嵌合部の嵌合状態を保持でき、ポンプシャフトと従動部材とを安定して連動させることができる。さらに、従動部材の移動規制、ポンプシャフトの移動規制を行うために新たな部材を設ける必要がないことから、ポンプシャフトの長さを短く構成でき、冷却水ポンプをポンプシャフトの軸方向に小型化できる。
なお、冷却ポンプは、従動部材がポンプシャフトから抜脱されることでハウジングから取り外すことができ、従動部材がハウジング側に残るようになっている。このため、取外し作業のときにハウジング側に残る従動部材が軸受から脱落してしまうおそれがある。ここで、駆動部材と一体に成形される歯車部材を側面視において従動部材の一部と重なるように配設しており、従動部材の軸方向の移動を規制できるようになっている。このように、冷却ポンプが取り外されるときに従動部材の脱落を防止するための機構を特別に新たな部品から構成する必要がなく、部品点数を増加させずに構成部品の保守性を高めることができる。また、上記歯車部材に替えて駆動部材と一体に形成されるバランサにより従動部材の移動を規制する構成も同様に、部品点数を増加させずに構成部品の保守性を高めることができる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1に本発明に係る内燃機関の冷却水ポンプ取付構造により冷却水ポンプを取り付けた二輪車のパワーユニットを示しており、まず、パワーユニットの全体概要について説明する。
パワーユニットを構成するエンジン10は、V型4気筒エンジンであり、シリンダヘッド11,11、シリンダブロック12,12、およびクランクケース13からなるハウジング10aを有して構成される。シリンダブロック13内に形成されるシリンダ室14には、上下に摺動自在にピストン15が配設されており、このピストン15はコンロッド16を介してクランクケース13内に回転自在に保持されるクランクシャフト19に接続されている。
シリンダヘッド11、シリンダブロック12、およびピストン15により燃焼室20が形成され、この燃焼室20にはシリンダヘッド11側に設けられた吸気口および排気口を介してそれぞれ吸気ポートおよび排気ポートが連通している。シリンダヘッド11内には、茸状の吸気バルブおよび茸状の排気バルブが設けられ、一端が弁軸に取り付けられてリテーナに支持され、他端がシリンダヘッド11に支持されるバルブスプリングにより、それぞれ吸気口および排気口を常時閉じる方向に付勢されている。
さらに、シリンダヘッド11には、吸気バルブおよび排気バルブを開閉作動させるための4本のカムシャフト21が回転自在に配設される。このカムシャフト21にはそれぞれカムドリブンギヤ22が配設され、クランクシャフト19上にカムドライブギヤ23がクランクシャフト19と一体に回転可能に配設されている。それぞれのカムドリブンギヤ22はカムドライブギヤ23とギヤ列24を介して連結されており、カムドリブンギヤ22がクランクシャフト19の回転を受けて回転し、それぞれのカムシャフト21が回転するようになっている。カムシャフト21が回転すると、カムシャフト21に形成されたカム25,25,…が図示しないバルブリフタ−を介して吸気バルブおよび排気バルブを押し下げて吸気口および排気口を開閉する。また、吸気ポートには、インジェクタが設けられ、燃料が吸気ポート内に微粒子化されて噴射される。さらに、シリンダヘッド11には点火プラグが取り付けられる。また、シリンダヘッドの上方に図示しないシリンダヘッドカバーが設けられており、シリンダヘッド11内部の構成部品が保護される。
このように構成されるエンジン10において、エアクリーナで清浄化された空気とインジェクタにより噴射された燃料の混合気が吸気ポートから燃焼室に供給され、ピストン15で圧縮された後に点火プラグで点火されて燃焼し、ピストン15およびコンロッド16を介してクランクシャフト19を回転させるエネルギとなり、その後、排気ガスとして排気ポートから外部に排出される。
クランクシャフト19は、クランクケース13内に格納されるとともに、クランクケース13によって両端部を回転自在に支持される。また、クランクシャフト19の一端には、交流発電機30が配設されている。
クランクケース13の左側面には、変速機カバー41が設けられており、クランクケース13および変速機カバー41とで囲まれて形成される変速機室40に変速機50が格納されている。
パワーユニットを構成する変速機50は、クランクシャフト19の延びる方向に平行に配設されるメインシャフト51およびカウンタシャフト52と、エンジン1からのトルクが伝達されるプライマリドリブンギヤ53と、メインシャフト51の端部に設けられるクラッチ54と、メインシャフト51およびカウンタシャフト52に設けられる6つの変速ギヤ列G1〜G6とから構成される。
プライマリドリブンギヤ53は、メインシャフト51に相対回転可能に配設されており、ダンパー55を介してメインシャフト51の端部に取り付けられたクラッチ54に接続される。このプライマリドリブンギヤ53は、クランクシャフト13に取り付けられたプライマリドライブギヤ56と噛合しており、クラッチ54によりメインシャフト51に係脱自在に構成されている。
変速ギヤ列G1〜G6は常時噛合した状態にあり、運転者のシフトペダルの操作で回転するシフトドラム(図示せず)により駆動されるシフトフォークでギヤを摺動させ、相対回転可能に配設されたギヤをメインシャフト51若しくはカウンタシャフト52に係合して一体回転させ、メインシャフト51の回転を第1〜第6ギヤ列G1〜G6のいずれかの変速比でカウンタシャフト52に伝達するように構成されている。カウンタシャフト52の端部にはドライブスプロケット57が結合されており、このドライブスプロケット57と車輪の回転軸に結合されたドリブンスプロケットに巻き掛けられたチェーン58によりエンジンの回転が変速されて車輪に伝達される。
なお、メインシャフト51上にはプライマリドリブンギヤ53と一体に回転可能にオイルポンプギヤ59が設けられており、このオイルポンプギヤ59の回転によりオイルポンプが駆動されてパワーユニットの各部に潤滑油が送油されるようになっている。
また、図2に示すように、クランクシャフト19と平行に延びて第1バランサシャフト61および第2バランサシャフト62が同軸上に配設されている。クランクシャフト19の端部にはスプライン結合によりバランサドライブギヤ63が配設され、このバランサドライブギヤ63に噛合する第1バランサドリブンギヤ64が第1バランサシャフト61上に回転可能に配設されている。第1バランサドリブンギヤ64の外側端面には、扇形状の第1バランサ65が設けられており、バランサドリブンギヤ64と一体に回転可能になっている。また、第2バランサシャフト62においても第2バランサドリブンギヤ66が第2バランサシャフト62上に回転可能に配設され、第1バランサ65と同様にして第2バランサ67が第2バランサドリブンギヤ66と一体に回転可能に配設されている。第2バランサドリブンギヤ66はプライマリドライブギヤ56と噛合している。
これにより、クランクシャフト19の回転とともに第1および第2バランサ65,67が同軸上で回転するようになっており、第1および第2バランサ65,67の遠心力でクランクシャフト19の回転時における振動が打ち消されるようになっている。
このようなパワーユニットを作動させると、発熱のため各部を冷却する必要がある。そのため、シリンダブロック12には、内部に冷却水を流して冷却するウォータージャケット12aが形成され、シリンダブロック12の冷却が水冷により行われる。この冷却水の供給が、シリンダヘッド12に対して着脱自在に取り付けられた冷却水ポンプ70により行われる。
図4に図2の要部を拡大して示すように、冷却水ポンプ70は、ポンプケース71に回転自在に支持されたポンプシャフト72の回転により、ポンプシャフト72の一端に取り付けられたインペラ73を回転させて駆動されるようになっている。ポンプシャフト72には、クランクシャフト19の回転が伝達機構80を介して伝達されるようになっている。ポンプケース71には、供給パイプ78がシール79を介して取り付けられており、インペラ73の回転により加圧された冷却水がこの供給パイプ75に排出されるようになっている。
図5にも示すように、ポンプシャフト72は、基端側にボルト部72aが形成されており、このボルト部72aをインペラ73の軸心に形成されたナット部73aに螺合させることにより、インペラ73を軸上に固定して一体に回転させる。先端部72bは、公知の旋盤等を用いた円筒研削等の加工手段により円筒状に形成されている。また、ポンプシャフト72の先端部72bには、外周面から径方向外方に突出して形成された鍔状の凸部72cが一体成形されている。このようなポンプシャフト72は、ポンプケース71の内壁に設けたシャフト用ベヤリング74により回転自在に支持されており、凸部72cの左端面72dをシャフト用ベヤリング74に当接させている。また、ポンプシャフト72の先端部72bにはシール75,75が設けられており、冷却水の漏れおよび塵等の侵入を防いでいる。
伝達機構80は、図3にパワーユニットを側面視で略示して示すように、上記バランサドライブギヤ63および第1バランサドリブンギヤ64と、第1バランサシャフト61上に回転可能に配設されるポンプドライブギヤ81と、ポンプドライブギヤ81と噛合してポンプシャフト72上に取り付けられるポンプドリブンギヤ82とからなり、クランクシャフト19の回転を、バランサドライブギヤ63、第1バランサドリブンギヤ64およびポンプドライブギヤ81、ポンプドリブンギヤ82を介し、ポンプシャフト72に伝達するようになっている。このように、伝達機構80の各ギヤが取り付けられるクランクシャフト19、第1バランサシャフト61、ポンプシャフト72は側面視において中心が鋭角三角形の頂点を形成するように配設されており、図2に示す断面図は、図3の矢印II−II矢視図となっている。
第1バランサドリブンギヤ64に一体成形されるポンプドライブギヤ81は、第1バランサドリブンギヤ64に対してハウジング側(内側、図2右側)に設けられる。また、ポンプドライブギヤ81の径が第1バランサドリブンギヤ64の径よりも小さく形成されている。このため、図4に示す組付状態において、ポンプドライブギヤ81に噛合するポンプドリブンギヤ82の一部と、ポンプドライブギヤ81の径よりも大きな第1バランサドリブンギヤ64の一部とが、図3に斜線で領域を示すように重なるようにして配設される。
ポンプドリブンギヤ82は、一端面(右端面)82aから軸方向に円筒状の延びるボス部82bを有し、ボス部82bの内径がポンプシャフト72の先端部72bの外径よりも大きく成形されている。また、ボス部82bの形成される端面と反対側の端面(左端面)82cにおいては、凸部72cを嵌合可能に凹設されて凹部82dが形成されている。凹部82dの深さは、凸部72cの厚さ(図4左右方向)と等しくなっている。
また、ポンプドリブンギヤ82は、シリンダブロック12の側壁に設けられたギヤ用ベヤリング83にボス部82bが挿入されて回転自在に支持される。なお、ボス部82bが形成される端面にはギヤ用ベヤリング83の軸方向外方側の外形輪郭線と整合するように形成されており、ポンプドリブンギヤ82はこの整合部をギヤ用ベヤリング83に当接させた状態でギヤ用ベヤリング83により回転自在に支持される。なお、ギヤ用ベヤリング83の軸方向長さは、一体成形される第1バランサドリブンギヤ64およびポンプドライブギヤ81における対向間隔より長くなっている。
ギヤ用ベヤリング83により支持された状態のポンプドリブンギヤ82は、ボス部82bにポンプシャフト72の先端部72bが嵌合挿入されてポンプシャフト72上に密着して装着される。ポンプシャフト72がボス部82bに嵌合挿入されるときにポンプシャフト72に形成される凸部72cとポンプドリブンギヤ82の凹部82dとが嵌合される。
なお、凹部82dの深さと凸部72cの厚さとがほぼ等しく形成されていることから、凸部72cの右端面72eを凹部82dの内面に当接するまで嵌合挿入すると、凸部72cの左端面72dとポンプドリブンギヤ82の左端面82cとが略同一平面を形成し、ポンプドリブンギヤ82が左端面82cを凸部72cとともにシャフト用ベヤリング74に当接させる。
これにより、ポンプドリブンギヤ82は、右端面82aと当接するギヤ用ベヤリング83と、左端面82cと当接するシャフト用ベヤリング74とにより、ポンプシャフト72上で軸方向に挟持され、軸方向の移動が規制される。なお、ポンプシャフト72の凸部72cは、右端面72eを凹部82dの内面に当接させ、左端面72dをシャフト用ベヤリング74に当接させており、ポンプドリブンギヤ82とシャフト用ベヤリング74とにより軸方向に挟持される。これにより、凸部72cと凹部82dとの嵌合が保持された状態でポンプシャフト72の軸方向への移動が規制される。
このように構成される冷却水ポンプ取付構造において、クランクシャフト19が回転すると、バランサドライブギヤ63および第1バランサドリブンギヤ64の回転により、第1バランサドリブンギヤ64と一体成形されるポンプドライブギヤ81が第1バランサシャフト61上で回転し、ポンプドライブギヤ81と噛合するポンプドリブンギヤ82がギヤ用ベヤリング83に支持されて回転する。ポンプドリブンギヤ82は、左端面82cに設けた凹部82dがポンプシャフト72に形成された凸部72cと嵌合してポンプシャフト72と連結されており、ポンプドリブンギヤ82の回転と連動してポンプシャフト72が一体に回転する。このようにしてクランクシャフト19の回転が伝達されたポンプシャフト72の回転によりポンプシャフト72のボルト部72aに螺合するインペラ73が回動し、冷却水が加圧されて供給パイプ78に排出されてウォータージャケットに供給されるようになっている。
また、冷却水ポンプ70の取外し作業を行うときには、冷却水ポンプ70を構成してポンプケース71内に設けられるポンプシャフト72およびインペラ73がポンプケース71とともに取り外され、シリンダブロック12に設けたギヤ用ベヤリング83に支持されるポンプドリブンギヤ82が、ポンプシャフト72から抜脱されてクランクケース側に残る。
ポンプケース71をシリンダブロック12から取り外すと、ポンプドリブンギヤ82が、ポンプシャフト72との嵌合の密着性によっては、ポンプシャフト72に連れて取り外される方向(図4左方)に移動する。ポンプドリブンギヤ82が軸方向に移動すると、ポンプドライブギヤ81よりも径が大きく形成されるとともに、取付状態においてポンプドライブギヤ81の端面からの距離をギヤ用ベヤリング83の軸方向長さよりも短く成形され、側面視において重なるようにして配設される第1バランサドリブンギヤ64に突き当たり、ポンプドリブンギヤ82の移動が規制される。よって冷却水ポンプ70はさらに取り外される方向に移動するポンプシャフト72からポンプドリブンギヤ82が抜脱され、ポンプドリブンギヤ82がギヤ用ベヤリング83に支持されたままでシリンダブロック12側に残る。
このような本発明に係る内燃機関の冷却水ポンプ取付構造においては、従来公知の加工手段でポンプシャフト72の先端側を円筒状に形成しており、この円筒状のポンプシャフト72の先端部72bにポンプドリブンギヤ82を嵌合収容し、凸部72cおよび凹部82dを介してポンプシャフト72とポンプドリブンギヤ82とを一体に回転させるようになっている。このように従来の取付構造で行われたスプライン溝の形成よりも加工容易な円筒状に形成しているため、振動の発生を抑えた取付構造を短い加工時間で且つ低コストで構成できる。
また、ポンプシャフト72とポンプドリブンギヤ82とは、ギヤ装着時の凸部72cおよび凹部82dの嵌合により両者が連結して一体に回転するようになっている。このように、スプライン嵌合を避けて加工容易な円筒面の嵌合により組み付けられたポンプシャフト72とポンプドリブンギヤ82とを連動させる機構を新たな部品を設けずに構成できる。
さらに、ポンプシャフト72を、一体に形成される凸部72cをシャフト用ベヤリング74に当接させて支持し、ポンプシャフト72の軸方向への移動を規制している。これにより、ポンプシャフト72の移動を規制するための機構を新たな部品を設けずに構成でき、部品点数を増加させずにポンプシャフト72を安定して支持できる。また、シャフト用ベヤリング74とギヤ用ベヤリング83とでポンプドリブンギヤ82を挟持して軸方向の移動を規制している。これにより、ポンプドリブンギヤ82の軸方向への移動を規制するための機構を新たな部品を設けずに構成でき、部品点数を増加させずにポンプシャフト72上で安定させることができる。また、両ベアリング74,76によりポンプシャフト72の凸部72cおよびポンプドリブンギヤ82を挟持するようになっており、凸部72cと凹部82dの嵌合状態を保持することができる。
このように新たな部材を設けずにポンプドリブンギヤ82の移動規制、ポンプシャフト72の移動規制を行えることから、ポンプシャフト72の長さを短く構成でき、冷却水ポンプ70をポンプシャフト72の軸方向に小型化できる。さらに、このような取付構造によりポンプシャフト72とポンプドリブンギヤ82との嵌合精度が向上するため、互いの軸心を精度よく一致させることができる。このため、冷却水ポンプ70の位置決めを行うために用いられるノックピン等の位置決め部材を省略でき、取付構造を簡易な構成とすることができる。
また、ポンプドライブギヤ81と一体に成形される第1バランサドリブンギヤ64を、側面視においてポンプドリブンギヤ82と重なるように、且つポンプドライブギヤ81との対向間隔をギヤ用ベヤリング83の軸方向長さよりも短くして配設しており、取外し作業時にポンプドリブンギヤ82の軸方向の移動を規制して脱落が防止されるようになっている。このように、ポンプドリブンギヤ82の脱落を防止する機構を新たな部品を設けずに構成できる。さらに、ポンプドリブンギヤ82の脱落が防止されることから、ポンプシャフト72とポンプドリブンギヤ82との嵌合の密着性を高めて構成してもよく、ポンプシャフト72とポンプドリブンギヤ82との連動性をボス部82bにおいて確保することができる。
次いで、本発明に係る内燃機関の冷却水ポンプ取付構造の第2実施例について、図6,図7を参照して説明する。なお、この第2実施例は、第1実施例と伝達機構の構成が一部異なるもので伝達機構90以外については上記第1実施例と同様の構成であり、同一部材には同一符号を付して重複説明を省略する。
図6に示すように、第2実施例の伝達機構90は、クランクシャフト19上のバランサドライブギヤ63と、第1バランサシャフト91上のバランサドリブンギヤ92と、ポンプシャフト72上のポンプドリブンギヤ82とからなり、バランサドリブンギヤ92がバランサドライブギヤ63およびポンプドリブンギヤ82と噛合している。これにより、バランサドリブンギヤ92を介してバランサドライブギヤ63の回転がポンプドリブンギヤ82に伝達されるようになっている。すなわち、第2実施例のバランサドリブンギヤ92は、伝達機構として、第1実施例におけるポンプドライブギヤ81の機能を兼ねている。
図7にも示すように、バランサドリブンギヤ92は、軸方向に並んで第1バランサ93が一体に成形されている。この第1バランサ93は、バランサドリブンギヤ92の径よりも大きな径による円板状に形成されて一端面をバランサドリブンギヤ92に対向させる円板部93aと、円板部93aの他端面から平面視扇状に突出する段差部93bとを有して成形される。なお、バランサドリブンギヤ92と円板部93aとの距離は、ギヤ用ベヤリング83の軸方向長さよりも短くなるように形成されている。
このようなバランサドリブンギヤ92を有して伝達機構90を構成し、冷却水ポンプ70を取り付けると、ポンプドリブンギヤ82は、一体成形される第1バランサ94の円板部94aがポンプドリブンギヤ82の一部と重なるようにして配設される。
このように構成される第2実施例においても、上記実施例と同様に、ポンプシャフト72およびポンプドリブンギヤ82が、嵌合精度が向上するとともに軸方向への移動が規制され、安定して回転させることができ、このような取付構造を特別に新たな部品を設けずに構成することができる。
そして、バランサドリブンギヤ93と一体に成形される第1バランサ94を、側面視において円板部94aがポンプドリブンギヤ82と重なるように、且つポンプドリブンギヤ82との間隔をギヤ用ベヤリング83の軸方向長さよりも短くして配設しており、取外し作業時にポンプドリブンギヤ82の軸方向の移動が規制される。このように、ポンプドリブンギヤ82の脱落を防止する機構を新たな部品を設けずに構成できる。
本発明に係る冷却水ポンプ取付構造は、上記各実施例の構成に限られない。伝達機構を構成する駆動部材および従動部材をそれぞれ歯車とし、これらを噛合させてクランクシャフトの回転を伝達するように構成したが、駆動部材および従動部材をそれぞれスプロケットとし、各スプロケット間に無端チェーンを架け渡して伝達機構を構成してもよい。
また、冷却水ポンプは、エンジンを構成するハウジングに対して着脱自在であればよく、上記実施例のようにシリンダブロック12に対して着脱自在に取り付ける形態に限らず、例えばクランクケースに対して着脱自在に取り付けるように構成してもよい。
また、上記実施例ではエンジンの形態をV型4気筒エンジンであってカムシャフト21を4本有するDOHCエンジンとしているが、この形態に限られず他の形態によっても同様に実施可能であり、同様の効果を得ることができる。
本発明に係る冷却水ポンプ取付構造を適用した二輪車のパワーユニットの断面図である。 上記パワーユニットの断面図であり、図3におけるII−II断面図である。 伝達機構を示す側面図である。 冷却水ポンプ取付構造を示す断面図である。 ポンプシャフトの斜視図である。 第2実施例における冷却水ポンプ取付構造を示す断面図である。 第2実施例におけるバランサドリブンギヤを示す平面図である。
符号の説明
1 エンジン
10a ハウジング
19 クランクシャフト
61 第1バランサシャフト
63 バランサドライブギヤ
64 第1バランサドリブンギヤ
65 第1バランサ
70 冷却水ポンプ
71 ポンプケース
72 ポンプシャフト
74 シャフト用ベヤリング
80 伝達機構
81 ポンプドライブギヤ
82 ポンプドリブンギヤ
83 ギヤ用ベヤリング

Claims (6)

  1. 冷却水ポンプを備える水冷式内燃機関の冷却水ポンプ取付構造であって、
    前記冷却水ポンプは、前記内燃機関のケースに着脱自在に取り付けられ、前記内燃機関のクランクシャフトの回転が前記冷却水ポンプのポンプシャフトに伝達機構を介して伝達されて駆動されるように構成され、
    前記伝達機構は、前記クランクシャフトの回転が伝達されることにより駆動される駆動部材と、前記ポンプシャフトに装着されて前記駆動部材の回転を受けて回転駆動される従動部材とを有し、
    前記ポンプシャフトに径方向外方に前記ポンプシャフトの一部が突出して形成された鍔状の嵌合部と、前記従動部材の一側に形成されて前記嵌合部に嵌合可能な被嵌合部とからなる連動手段を備え、
    前記従動部材が円筒状に形成された前記ポンプシャフトの一端に嵌合挿入されたときに、前記嵌合部と前記被嵌合部とが嵌合されて前記ポンプシャフトと前記従動部材とが一体に回転可能に構成されることを特徴とする内燃機関の冷却水ポンプ取付構造。
  2. 前記ポンプシャフトは、前記冷却水ポンプのポンプケースに設けられるポンプシャフト用軸受に回動自在に支持されており、前記嵌合部を前記ポンプシャフト用軸受に当接させて前記ポンプシャフト用軸受に支持されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却水ポンプ取付構造。
  3. 前記ポンプシャフトは、前記冷却水ポンプのポンプケースに設けられるポンプシャフト用軸受により回動自在に支持され、前記従動部材は、前記ハウジングに設けられる従動部材用軸受に回動自在に支持され、
    前記ポンプシャフト用軸受と前記従動部材用軸受とにより前記従動部材が挟持されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却水ポンプ取付構造。
  4. 前記従動部材は、前記ハウジングに設けられる従動部材用軸受に回動自在に支持され、前記ポンプシャフト用軸受と前記従動部材用軸受とにより挟持されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の冷却水ポンプ取付構造。
  5. 前記冷却水ポンプは前記ポンプシャフトから前記従動部材を抜脱して取り外され、
    前記駆動部材は、前記内燃機関の機構を駆動する歯車部材と一体に成形され、
    前記歯車部材が、前記従動部材の一部と側面視において重なるようにして配設されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の冷却水ポンプ取付構造。
  6. 前記冷却水ポンプは前記ポンプシャフトから前記従動部材を抜脱して取り外され、
    前記駆動部材は、前記内燃機関のバランサと一体に成形され、
    前記バランサが、前記従動部材の一部と側面視において重なるようにして配設されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内燃機関の冷却水ポンプ取付構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114320559A (zh) * 2021-12-23 2022-04-12 四川航天世源科技有限公司 一种汽车发动机水泵

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