JP2005090375A - エンジンの潤滑装置 - Google Patents

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JP2005090375A JP2003325750A JP2003325750A JP2005090375A JP 2005090375 A JP2005090375 A JP 2005090375A JP 2003325750 A JP2003325750 A JP 2003325750A JP 2003325750 A JP2003325750 A JP 2003325750A JP 2005090375 A JP2005090375 A JP 2005090375A
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健太郎 廣田
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Abstract

【課題】 エンジンの摺動部に供給される潤滑油のシール性を向上し、潤滑装置を有するエンジンの組立性を向上する。
【解決手段】 クランクケース10にはクランク軸11が回転自在に支持され、シリンダ12にはピストン14が組み込まれ、ピストン14はコネクティングロッド16によりクランク軸11に連結されている。クランクケース10にはチェーン室81を跨いでオイルジェットシャフト82が取り付けられ、クラッチカバー10dには潤滑油をオイルジェットシャフト82に供給する分配管72が設けられ、潤滑油はノズル86からピストン14の摺動部に吐出される。オイルジェットシャフト82の径方向外方に形成された突き合わせ面96dに当接する突き合わせ面96cを有する接続部79がクラッチカバー10dに設けられ、突き合わせ面96c,96dの溝に環状のシール材97が組み込まれている。
【選択図】 図5

Description

本発明はピストンの摺動部に潤滑油を供給するためのエンジンの潤滑装置に関する。
バギー車とも言われる不整地走行車ないし全地形走行車つまりATV(All Terrain Vehicle)は、四輪の一人乗り用のオフロード車であり、ハンティングやトレールツーリングなどのレジャー用のほか一部では農業用実用車としても利用されている。このような全地形走行車を含めて車両用のエンジンには、ピストンとシリンダボアとの接触面やピストンピンとコネクティングロッドとの接触面などのように2つの部材が相互に摺動する部位があり、これらの摺動部には接触面同士が直接接触しないように潤滑油が供給される。摺動部に供給される潤滑油はクランク室内に収容されており、クランク軸により駆動されるオイルポンプにより加圧して摺動部に供給するようにしており、オイルポンプから摺動部に潤滑油を案内するために油供給路を設ける必要がある。
油供給路の一部をクランクケースとこれに取り付けられるクラッチカバーとの間に形成するようにし、ケース間の油供給路に連通してクランクケースに取り付けられたオイル通路管によりピストンとコネクティングロッド間のピストンピンに潤滑油を吹き付けるようにした潤滑装置がたとえば特許文献1に開示されている。
特許第2629937号公報(図2,図3,図4)
クランクケースとこれに取り付けられるクラッチカバーとの間に油供給路を形成する場合には、これらの合わせ面の間に円弧状に湾曲した長い距離の油供給路が形成されることになるので、単にケースとカバーとを突き合わせるのみではシール性を確保することができなくなる。シール性を確保するために、ケースの合わせ面に対応させて湾曲されたシール材をケースとカバーとの間に組み付けるようにすると、シール材は潤滑油の流れ方向に沿って延びる帯状のものを装着しなければならず、エンジン組立時に帯状の長いシール材を挟み込む作業が必要となり、エンジンの組立作業性が低下することになる。
本発明の目的は、エンジンの摺動部に供給される潤滑油のシール性を向上することにある。
本発明の他の目的は、潤滑装置を有するエンジンの組立性を向上することにある。
本発明のエンジンの潤滑装置は、ピストンが往復動自在に組み込まれるシリンダと、前記ピストンにコネクティングロッドを介して連結されるクランク軸が回転自在に支持されるクランクケースとを有するエンジンの潤滑装置であって、前記クランクケースに形成されたチェーン室を跨いで前記クランクケースに取り付けられるオイルジェットシャフトと、オイルポンプから吐出される潤滑油を前記オイルジェットシャフトに供給する分配管が設けられ、前記クランクケースに取り付けられるカバー部材と、前記オイルジェットシャフトに連通させて前記クランクケースに取り付けられ、前記ピストンに潤滑油を吐出するノズルと、前記カバー部材に設けられ、前記オイルジェットシャフトの径方向外方に形成された突き合わせ面に当接する突き合わせ面を有する接続部と、前記突き合わせ面に前記オイルジェットシャフトの開口面を囲むように形成された溝に収容される環状のシール材とを有することを特徴とする。
本発明のエンジンの潤滑装置は、前記接続部の突き合わせ面と、前記クランクケースに形成されて前記カバー部材が取り付けられる取付面とを同一面とすることを特徴とする。また、前記カバー部材は前記クランクケース内に組み込まれたクラッチを覆うクラッチカバーであることを特徴とする。
本発明にあっては、クランクケースとカバー部材との突き合わせ面に前記オイルジェットシャフトの開口面を囲むように溝を形成し、その溝にシール材を収容するようにしたので、オイルポンプからノズルに供給される潤滑油のシール性が向上する。シール材を接続部に形成された溝とクランクケースの突き合わせ面に形成された溝の少なくとも一方に取り付けた状態でクランクケースにカバー部材を組み付けることができ、エンジンの組立性が向上する。接続部の突き合わせ面をクランクケースの取付面と同一面とすることにより、クランクケースに対するカバー部材の組み付け性が向上する。カバー部材はクラッチを覆うクラッチカバーにより形成される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1はエンジンが組み込まれる車両を示す斜視図であり、この車両はバギー車とも言われるATVつまり不整地走行車である。図1に示すように車体1には前輪2a,2bと後輪3a,3bが設けられており、鞍乗り型の座席4が車体1の中央部に設けられている。乗員は座席4に跨って車両に乗り込み、ハンドル5を操作して走行する。
図2は図1の車両に搭載されるエンジンおよび変速機を示す概略図であり、図3は図2のA−A線に沿う断面図である。図2に示すように、2つのケース半体10a,10bにより形成されるクランクケース10内には、クランク軸11が軸受9a,9bを介して回転自在に収容されており、図3に示すように、クランクケース10の上部に形成される開口部にはシリンダ12が取り付けられ、シリンダ12にはシリンダヘッド13が搭載される。シリンダ12のシリンダボア内には、ピストン14が往復動自在に組み込まれている。クランク軸11にその回転中心から偏心した位置に固定された中空のクランクピン15aとピストン14に固定されたピストンピン15bとの間にはコネクティングロッド16が連結され、クランクピン15aとコネクティングロッド16との間にはニードル軸受16aが組み込まれ、ピストン14によりクランク軸11は回転駆動される。シリンダ12およびシリンダヘッド13などにより形成されるエンジンは、単気筒の4サイクル水冷エンジンである。
シリンダヘッド13とシリンダ12とにより形成される燃焼室17に開口してシリンダヘッド13には吸気ポート18と、排気ポート19とがそれぞれ2つずつ独立して形成されており、それぞれの吸気ポート18を開閉するための吸気弁21がシリンダヘッド13に装着され、それぞれの排気ポート19を開閉するための排気弁22がシリンダヘッド13に装着されている。吸気ポート18には空気と燃料の混合気を生成する気化器つまりキャブレター20が接続されており、キャブレター20から吸気ポート18を介して燃焼室17に混合気が供給される。シリンダヘッド13には、吸気弁用と排気弁用の2本のカムシャフト23,24が回転自在に装着されており、カムシャフト23には動弁カム25が固定され、カムシャフト24には動弁カム26が固定されており、それぞれの動弁カム25,26はカムシャフト23,24の基端部に接触している。このように、図示する動弁機構は直動式のDOHC型となっている。ただし、動弁機構としては、ロッカアームを介して動弁カムにより吸気弁21と排気弁22を開閉駆動するようにしたロッカアーム式のDOHC型やSOHC型としても良い。なお、それぞれのカムシャフト23,24には、2つの吸気ポート18と2つの排気ポート19のそれぞれに対応して2本ずつ吸気弁21と排気弁22が設けられるので、それぞれのカムシャフト23,24には動弁カム25,26が2つずつ固定されており、このエンジンは4バルブ式となっている。なお、図3には2つずつ設けられた吸気ポート18と排気ポート19のうちの一方のみが示されている。
図2に示すように、クランク軸11にはスプロケット27が固定され、このスプロケット27とそれぞれのカムシャフト23,24に固定された図示しないスプロケットとの間にタイミングチェーン(図示省略)が掛けわたされており、カムシャフト23,24はクランク軸11の回転に同期して回転駆動される。
図2に示すように、クランクケース10にはバランサ軸31が回転自在に装着され、バランサ軸31にはクランク軸11に固定された歯車32aと噛み合う歯車32bが固定され、バランサ軸31はクランク軸11によりこれと同期して回転駆動される。バランサ軸31にはクランク軸11の回転を円滑にするために図3に示すようにバランス重り33が設けられている。さらに、バランサ軸31には図2に示すようにポンプインペラ34が取り付けられており、このポンプインペラ34は、クランクケース10の一部とこれに取り付けられるポンプカバー35とにより形成されるポンプハウジング内に組み込まれてウォータポンプを構成しており、シリンダ12に形成されたウォータジャケット12aにウォータポンプからエンジン冷却液が供給される。
クランク軸11には図2に示すように、これに回転自在にスタータ歯車36が装着され、スタータ歯車36に隣接させてクランク軸11には永久磁石を備えたロータ37aが固定されている。クランクケース10に固定される発電体カバー10cにはコイルを備えたステータ37bが取り付けられており、ロータ37aとステータ37bとにより発電体37が構成されている。ロータ37aとスタータ歯車36との間には一方向クラッチ38が組み込まれ、スタータ歯車36は図示しないスタータモータの歯車に連結されている。エンジンを始動させるときには、スタータモータにより回転駆動されるスタータ歯車36の回転は一方向クラッチ38を介してクランク軸11に伝達される。一方、エンジンが駆動された状態のもとでは、クランク軸11により駆動されるロータ37aの回転は一方向クラッチ38によりスタータ歯車36に伝達されることが防止される。
図2に示すように、クランクケース10には変速機入力軸としての中空のメインシャフト41と、変速機出力軸としてのカウンタシャフト42とがそれぞれ回転自在に装着され、相互に平行となっている。クランク軸11に固定された駆動歯車43aは、メインシャフト41に対して回転自在に装着された被駆動歯車43bと噛合っており、この被駆動歯車43bはこれに組み込まれた防振ダンパー44を介してクラッチドラム45に連結されている。一方、メインシャフト41にはクラッチハブ46が固定され、クラッチハブ46とクラッチドラム45との間には、クラッチドラム45の内側に装着された複数枚のクラッチディスク45aと、クラッチハブ46の外側に装着された複数枚のクラッチディスク46aとが組み込まれている。このようにそれぞれのクラッチディスク45a,46aにより入力クラッチ47が構成され、クラッチディスク45a,46aを係合状態とするとクランク軸11の回転は入力クラッチ47を介してメインシャフト41に伝達され、係合を解いて解放状態とするとクランク軸11のメインシャフト41に対する動力伝達が解除される。カバー部材として、ケース10には入力クラッチ47を覆うクラッチカバー10dが取り付けられている。
入力クラッチ47を係合状態と解放状態とに切り換えるために、入力クラッチ47には作動プレート48が設けられ、この作動プレート48には図示しないばね部材によりクラッチディスク45a,46aを密着させる方向のばね力が加えられている。メインシャフト41の中空孔内には、プッシュロッド49が軸方向に摺動自在に組み込まれており、このプッシュロッド49は軸受を介して作動プレート48に取り付けられている。プッシュロッド49は、図1に示すように、ハンドル5に設けられたクラッチレバー6にワイヤを介して連結されており、クラッチレバー6の操作によりプッシュロッド49が図2において左方向に移動すると、クランク軸11のメインシャフト41に対する動力伝達は遮断され、クラッチレバー6を離すとばね力により入力クラッチ47は係合状態になる。
メインシャフト41には、図2に示すように、第1速用の駆動歯車51aが一体に設けられ、第2速用と第3速用の駆動歯車52a,53aが相互にドッグクラッチD1に設けられており、切換スリーブを構成するドッグクラッチD1はメインシャフト41に形成されたスプラインに係合してメインシャフト41と一体回転するとともに軸方向に移動自在となっている。さらに、メインシャフト41にはこれに回転自在に第4速用と第5速用の2つの歯車54a,55aがドッグクラッチD1の両側に位置させて回転自在に装着されている。一方、カウンタシャフト42には、駆動歯車51aに常時噛み合って変速歯車列を形成する第1速用の被駆動歯車51bと、駆動歯車52a,53aに常時噛み合ってそれぞれ変速歯車列を形成する第2速と第3速の被駆動歯車52b,53bがそれぞれ回転自在に装着されている。さらに、駆動歯車54aに常時噛み合って変速歯車列を形成する第4速用の被駆動歯車54bが設けられたドッグクラッチD2と、駆動歯車55aと常時噛み合って変速歯車列を形成する第5速用の被駆動歯車55bが設けられたドッグクラッチD3とがカウンタシャフト42に設けられている。それぞれのドッグクラッチD2,D3は、切換スリーブを構成しており、カウンタシャフト42と一体回転するとともに軸方向に移動自在となっている。
それぞれのドッグクラッチD1〜D3の両端面には、図4に示すように、円周方向に所定の間隔毎に突起50が設けられており、軸方向に移動させてそれぞれの突起50に対応させて歯車に形成された凹部に噛み合わせると、噛み合った歯車はそれぞれのドッグクラッチD1〜D3を介して動力を伝達する状態となる。たとえば、ドッグクラッチD3を第1速の被駆動歯車51bに噛み合わせるとこの被駆動歯車51bがドッグクラッチD3によりカウンタシャフト42と一体に回転するので、第1速の変速歯車列を介してメインシャフト41の動力がカウンタシャフト42に伝達される。同様に、ドッグクラッチD1を第4速の駆動歯車54aに噛み合わせると第4速の変速歯車列を介して動力が伝達され、ドッグクラッチD1を第5速の駆動歯車55aに噛み合わせると第5速の変速歯車列を介して動力が伝達される。
図4は図3におけるB−B線に沿う断面図であり、図5は図3におけるC−C線に沿う断面図であり、図6は図5の左側面図である。図4は断面が平面状に展開された状態となって示されているので、第1速から第5速の変速歯車列は離れた状態となって示されている。
図4に示すように、クランクケース10にはリバースシャフト56が取り付けられており、メインシャフト41に固定されてこれと一体に回転する後退用の駆動歯車57aと、カウンタシャフト42に回転自在に装着された後退用の被駆動歯車57bとに常時噛み合って後退用の変速歯車列を形成する後退用のアイドラ歯車つまりリバースアイドラギヤ57cがリバースシャフト56に装着されている。後退用の被駆動歯車57bにはドッグクラッチD2が噛み合うようになっており、これらが噛み合うとメインシャフト41の動力はリバースアイドラギヤ57cによって回転方向が逆転されてカウンタシャフト42に伝達される。
カウンタシャフト42は図示しないチェーンなどの動力伝達部材を介して図1に示した駆動輪としての前輪2a,2bおよび後輪3a,3bに連結されており、エンジン動力はカウンタシャフト42によりそれぞれの駆動輪に伝達される。
リバースシャフト56には、リバースアイドラギヤ57cを軸方向にずれないように回転自在に支持するために、環状の突起部58が一体に設けられており、この突起部58に対してリバースシャフト56の端部側にはリバースアイドラギヤ57cの軸方向のずれ移動を突起部58とにより規制するためにワッシャ59が装着されている。ワッシャ59はリバースアイドラギヤ57cとケース10との間に配置されているので、リバースシャフト56に段差を形成することなく、ワッシャ59をリバースシャフト56に固定することができる。なお、リバースシャフト56にはピン60が取り付けられており、このピン60をケース10に形成されたスリット内60aに挿入することによってリバースシャフト56の回転が規制されている。
それぞれのドッグクラッチD1〜D3には係合溝61a〜61cが形成されており、それぞれの係合溝61a〜61cには図示しないシフトフォークが係合している。それぞれのシフトフォークを作動することによって、いずれかのドッグクラッチD1〜D3をいずれかの歯車に噛み合わせることにより、変速機の変速段は第1速〜第5速および後退段のいずれかに切り換えられる。
リバースシャフト56は内部に油通路62を有する中空のシャフトにより形成され、この油通路62には潤滑油が供給されるようになっている。潤滑油をリバースアイドラギヤ57cの内周部に供給するために油通路62に連通させてリバースシャフト56には吐出口62aが形成され、さらに潤滑油をメインシャフト41に設けられた駆動歯車51a〜55a,57aと、カウンタシャフト42に設けられた被駆動歯車51b〜55b,57bとの外周部に供給するために油通路62に連通させてリバースシャフト56には複数の吐出口62bが軸方向に所定の間隔毎に形成されている。
油通路62に潤滑油を供給するために、図5に示すようにクランクケース10にはオイルポンプ63が装着されている。このオイルポンプ63は2つのポンプケーシング63a,63bを有し、これらのケーシング63a,63bの中には回転自在にポンプロータ64が組み込まれ、このポンプロータ64はこれに取り付けられたロータシャフト65を介してクランク軸11により駆動されるようになっている。
クランクケース10に取り付けられるクラッチカバー10dには、図5に示すようにフィルタケース部66が一体に形成されている。このフィルタケース部66にはフィルタカバー67が取り付けられており、フィルタケース部66とフィルタカバー67とにより形成される空間内にはフィルタエレメント68が組み込まれている。フィルタケース部66は図示しない油路を介してオイルポンプ63の吐出口に接続されており、オイルポンプ63から吐出した潤滑油はフィルタケース部66内に供給される。フィルタケース部66内に供給された潤滑油は、フィルタエレメント68を外側から内側に向けて透過して異物が除去された後に、フィルタカバー67に形成された油供給路69に吐出される。
図5および図6に示すように、クラッチカバー10dには油供給路69に連通する油供給路71を備えた分配管72が一体に形成され、この分配管72の先端に取り付けられる接続プラグ73には油供給管74が接続されている。この油供給管74は図6に示すように動弁カム用の油供給管74aと変速機用の油供給管74bとに分岐しており、動弁カム用の油供給管74aは動弁機構を構成するカムシャフト23,24および動弁カム25,26などの摺動部に潤滑油を供給する。一方、変速機用の油供給管74bはクランクケース10に取り付けられた接続プラグ75に接続され、この接続プラグ75により油供給管74bは図4に示す給油ポート76に連通している。この給油ポート76はリバースシャフト56の油通路62に連通しており、オイルポンプ63から吐出した潤滑油は給油ポート76を介して油通路62に供給され、吐出口62a,62bからリバースアイドラギヤ57cの内周の摺動部と、メインシャフト41とカウンタシャフト42に装着された歯車との噛み合い摺動部と、ドッグクラッチD1〜D3の摺動部とに潤滑油が供給される。
図4に示すように、カウンタシャフト42には内部に油通路77が形成されており、この油通路77にも油供給管74を介して潤滑油が供給されるようになっている。カウンタシャフト42に装着されたそれぞれの被駆動歯車51b,52b,53b,57bの内周面には、油通路77に連通させてカウンタシャフト42に形成された複数の吐出口77aから潤滑油が供給される。さらに、メインシャフト41とプッシュロッド49との間の隙間により形成される油通路80にも油供給管74を介して潤滑油が供給されるようになっており、メインシャフト41に装着されたそれぞれの駆動歯車54a,55aの内周面には、油通路80に連通させてメインシャフト41に形成された複数の吐出口80aから潤滑油が供給される。
図5に示すように、クラッチカバー10dには油供給路71に連通する連通孔78を有する接続部79が一体に形成され、クランクケース10にはこれに形成されたチェーン室81を跨ぐようにオイルジェットシャフト82が固定されており、このオイルジェットシャフト82には接続部79の連通孔78に連通する連通孔83が形成されている。チェーン室81には図5において二点鎖線で示すように、スプロケット27に掛けわたされるタイミングチェーン84が収容されるようになっており、このタイミングチェーン84は図3に示したカムシャフト23,24に取り付けられたスプロケットに掛けわたされている。クランクケース10には、吐出口85を有するノズル86が取り付けられており、ノズル86の吐出口85は連通孔83に連通するとともに、ピストンピン15bとコネクティングロッド16との摺動部に向けて開口している。したがって、オイルポンプ63から吐出された潤滑油は、図5において破線の矢印で示されるようにピストンピン15bとコネクティングロッド16とが嵌合し合う摺動部、およびピストン14とシリンダボアとの摺動面に向けて供給される。
クランクピン15aは内部に油供給路87を有する中空ピンにより形成されており、クランクピン15aの両端部に固定されるキャップ88a,88bにより油供給路87は閉じられている。一方のキャップ88aには軸受9aに向けて開口する吐出口89が形成され、クランク軸11には油供給路87に連通する油供給路91がクランク軸11の端面に開口して形成されている。クラッチカバー10dには油供給路91に連通する連通孔92が形成されており、連通孔92を囲むように、クラッチカバー10dに形成された円筒形状の接続部93がクランク軸11の端部に嵌合し、接続部93には回転するクランク軸11との間をシールするためのシール材94が組み込まれている。したがって、オイルポンプ63から吐出された潤滑油は、油供給路91,87を介して軸受9aに供給される。さらに、クランク軸11には、図5に示すように、油供給路91に連通させて分岐通路95が形成されており、この分岐通路95から吐出される潤滑油がニードル軸受16aの端面に向けて吐出される。
図5に示すように、クラッチカバー10dにはクランクケース10に形成された取付面96bに取り付けられる取付面96aが形成されており、クラッチカバー10dはクランクケース10の端面に形成された取付面96bにボルトにより締結される。クラッチカバー10dに設けられた接続部79には、クランクケース10の突き合わせ面96dに接触するように突き合わせ面96cが形成され、突き合わせ面96cは取付面96aと同一面となり、突き合わせ面96dは取付面96bと同一面となっている。クラッチカバー10dの突き合わせ面96cにはオイルジェットシャフト82を囲むようにシール溝が形成され、クランクケース10の突き合わせ面96dには同様にしてオイルジェットシャフト82を囲むようにシール溝が形成され、両方のシール溝に入り込むようにクラッチカバー10dとクランクケース10との間にはシール材97が組み込まれ、接続部79とクランクケース10との間からの潤滑油の漏れが防止されている。なお、突き合わせ面96cと突き合わせ面96dの一方にシール溝を形成し、そのシール溝にシール材97を組み込むようにしても良い。
このようにオイルジェットシャフト82を介してノズル86に供給される潤滑油を、相互に対向するようにしてクラッチカバー10dとクランクケース10との双方あるいは一方に形成されたシール溝に組み込まれるシール材97によりシールするようにしたことから潤滑油のシール性が向上する。また、シール面はクラッチカバー10dの内面に形成されたフラットな突き合わせ面96cと、これが接触するクランクケース10側の突き合わせ面96dとにより形成されており、それぞれの突き合わせ面96c,96dは取付面96a,96bと同一面となっているので、クラッチカバー10dをクランクケース10にボルトを用いて取り付けることにより容易に取り付けることができ、クラッチカバー10dの組み付け性が向上する。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、切換スリーブとしては図示する場合にはドッグクラッチ式の切換スリーブが使用されているが、シンクロメッシュ式の切換スリーブを使用するようにしても良い。
エンジンが組み込まれる車両を示す斜視図である。 図1の車両に搭載されるエンジンおよび変速機を示す概略図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 図3におけるB−B線に沿う断面を展開状態で示す断面図である。 図3におけるC−C線に沿う断面図である。 図5の左側面図である。
符号の説明
10 クランクケース
10d クラッチカバー
11 クランク軸
41 メインシャフト
42 カウンタシャフト
51a〜55a,57a 駆動歯車
51b〜55b,57b 被駆動歯車
56 リバースシャフト
57c リバースアイドラギヤ
62a,62b 吐出口
63 オイルポンプ
76 給油ポート
96a,96b 取付面
96c,96d 突き合わせ面
97 シール材
D1〜D3 ドッグクラッチ(切換スリーブ)

Claims (3)

  1. ピストンが往復動自在に組み込まれるシリンダと、前記ピストンにコネクティングロッドを介して連結されるクランク軸が回転自在に支持されるクランクケースとを有するエンジンの潤滑装置であって、
    前記クランクケースに形成されたチェーン室を跨いで前記クランクケースに取り付けられるオイルジェットシャフトと、
    オイルポンプから吐出される潤滑油を前記オイルジェットシャフトに供給する分配管が設けられ、前記クランクケースに取り付けられるカバー部材と、
    前記オイルジェットシャフトに連通させて前記クランクケースに取り付けられ、前記ピストンに潤滑油を吐出するノズルと、
    前記カバー部材に設けられ、前記オイルジェットシャフトの径方向外方に形成された突き合わせ面に当接する突き合わせ面を有する接続部と、
    前記突き合わせ面に前記オイルジェットシャフトの開口面を囲むように形成された溝に収容される環状のシール材とを有することを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの潤滑装置において、前記接続部の突き合わせ面と、前記クランクケースに形成されて前記カバー部材が取り付けられる取付面とを同一面とすることを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  3. 請求項1または2記載のエンジンの潤滑装置において、前記カバー部材は前記クランクケース内に組み込まれたクラッチを覆うクラッチカバーであることを特徴とするエンジンの潤滑装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009085108A (ja) * 2007-09-29 2009-04-23 Honda Motor Co Ltd 自動二輪車用パワーユニットにおけるオイルフィルタの配置構造
JP2014196728A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 本田技研工業株式会社 内燃機関の潤滑・冷却構造
CN110925054A (zh) * 2019-12-13 2020-03-27 重庆隆鑫机车有限公司 具有通气功能的离合器盖及发动机

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