JP2006257992A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料噴射装置において、燃料噴霧の変動を抑制することで燃焼安定性の向上を図る。
【解決手段】ハウジング41内に燃料通路51を設けると共に、先端部にこの燃料通路51に連通するサック部44及び噴射口45を形成し、ハウジング41にニードル弁46を移動自在に支持して燃料通路51を開閉可能とし、噴射口45を所定角度上方に傾斜することで噴射角度αを設定すると共に、燃料噴霧が左右に拡散するように左右の広角した扇形状に形成した噴霧角度βを設定し、噴射口45における中心軸線O2側の第1噴射通路45aの長さLaを、噴射軸線O1と反対側の第2噴射通路45bの長さLbよりも短く設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、所定量の燃料を噴射可能とした燃料噴射装置に関するものである。
燃料を吸気ポートではなく、燃焼室に直接噴射する筒内噴射式内燃機関が従来から知られている。この筒内噴射式内燃機関では、吸気弁の開閉時に、空気が吸気ポートから燃焼室に吸入されてピストンで圧縮され、この高圧空気に対して燃料噴射弁から燃料が直接噴射される。すると、燃焼室にて、高圧空気と霧状の燃料とが混合し、この混合気が点火プラグに導かれて着火して爆発し、排気弁の開閉時に、排気ガスが吸気ポートから排出される。
このような筒内噴射式内燃機関にて、燃料噴射装置は、先端部にサック部及び噴射口を有するハウジング内に、ニードル弁が移動自在で、且つ、燃料通路を閉塞するように付勢支持されて構成されている。そして、所定のタイミングで、このニードル弁を移動して燃料通路を開放することで、燃料通路の燃料がサック部を介して噴射口から燃焼室に向けて噴射される。このような燃料噴射装置としては、下記特許文献1に記載されたものがある。
特開平9−126095号公報
ところで、筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置にて、サック部内の燃料が噴射口を通して燃焼室に噴射されるとき、噴射口内で発生したキャビテーション気泡がすぐに消滅してしまうため、噴霧粒径がばらついて燃焼室内で均質な混合気を形成することができないという問題がある。
図9は、従来の燃料噴射装置の先端部の縦断面図、図10は、図9のX−X断面図、図11は、従来の燃料噴射装置の噴射口でのキャビテーション発生状態を表す概略図である。
従来の燃料噴射装置において、図9及び図10に示すように、ハウジング001の先端部にサック部002及び噴射口003が形成され、このハウジング001内にニードル弁004が移動自在に支持され、燃料通路005を開閉可能となっている。この場合、噴射口003は左右に広角した扇形状をなし、噴射軸線O1がニードル弁004の軸線O2に対して所定角度上方に傾斜することで、噴射角度αが設定されている。従って、ニードル弁004を移動して燃料通路005を開放することで、燃料通路005の燃料がサック部002を介して噴射口003から噴射される。
このサック部002の燃料が噴射口003を通って外部に噴射される場合、サック部002のから噴射口003にかけて絞り形状となっているため、サック部002の燃料が噴射口003に流れにくく、噴射口003の内面にキャビテーションが発生する。そして、噴射口003に噴射角度αが設定されているため、燃料がサック部002から噴射口003の上面003a側には流れ込みにくく、ここに剥離部Eが発生する一方、噴射口003の下面003b側にキャビテーションCが発生する。このキャビテーションは多数の気泡を有しており、この気泡の破裂により燃料を微粒化できるものであるが、燃料に含まれる気泡が噴射口003内で破裂して消滅してしまうため、燃料噴霧の微粒化を十分に行うことができない。そのため、燃焼室内で良質な混合気を形成することができず、燃焼が不安定となって燃費の悪化や出力の低下などを招いてしまう。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、燃料噴霧の変動を抑制することで燃焼安定性の向上を図った燃料噴射装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の燃料噴射装置は、燃料通路を有すると共に先端部に該燃料通路が連通するサック部及び噴射口を有するハウジングと、前記ハウジングに移動自在に支持されて前記燃料通路を断続可能である噴射弁とを具え、噴射口軸線が噴射弁軸線に対して所定角度傾斜して形成された燃料噴射装置において、前記噴射口における前記噴射弁軸線側の第1噴射通路の長さが、前記噴射口における前記噴射弁軸線と反対側の第2噴射通路の長さよりも短く設定されたことを特徴とするものである。
本発明の燃料噴射装置では、前記噴射口は左右の広角した扇形状に形成されると共に、前記噴射弁の軸線に対して上方に所定角度傾斜して形成されたことを特徴としている。
本発明の燃料噴射装置では、前記第1噴射通路の長さは、前記第2噴射通路の長さの約1/2に設定されたことを特徴としている。
本発明の燃料噴射装置では、前記第1噴射通路における燃料噴射方向の下流端部に曲面部が形成されたことを特徴としている。
本発明の燃料噴射装置では、前記第2噴射通路における燃料噴射方向の上流端部と前記サック部との間に曲面部が形成されたことを特徴としている。
本発明の燃料噴射装置によれば、ハウジングに燃料通路を設けると共に先端部にサック部及び噴射口を設け、このハウジングに噴射弁を移動自在に支持して燃料通路を断続可能とし、噴射口軸線が噴射弁軸線に対して所定角度傾斜して形成して構成し、噴射口における噴射弁軸線側の第1噴射通路の長さを噴射口における噴射弁軸線と反対側の第2噴射通路の長さよりも短く設定したので、サック部の燃料が噴射口を通って燃焼室に噴射されるとき、第2噴射通路側で噴射燃料の剥離が発生する一方、第1噴射通路側でキャビテーションが発生するが、この第1噴射通路の長さが短く設定されているため、発生したキャビテーション気泡がここで破裂せずに良好に流れ、噴射口から燃焼室に噴射されたときに破裂することで、燃料を微粒化した状態で燃焼室に噴射することができ、燃料噴霧の微粒化を確実に行って燃焼室に良質な混合気を形成することで、燃焼安定性を向上することができる。
以下に、本発明に係る燃料噴射装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る燃料噴射装置を表す要部縦断面図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、実施例1の燃料噴射装置の噴射口でのキャビテーション発生状態を表す概略図、図4は、実施例1の燃料噴射装置の噴射口の幅方向の距離に対する燃料噴霧の粒径を表すグラフ、図5は、実施例1の燃料噴射装置が適用された内燃機関の概略構成図である。
実施例1の燃料噴射装置が適用された内燃機関において、図5に示すように、エンジン10は、筒内噴射式の火花点火エンジンである。このエンジン10にて、シリンダブロック11上にシリンダヘッド12が締結されており、このシリンダブロック11に形成された複数のシリンダボア13にピストン14がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック11の下部にクランクシャフト15が回転自在に支持されており、ピストン14はコネクティングロッド16を介してこのクランクシャフト15にそれぞれ連結されている。
燃焼室17は、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とピストン14により構成されており、この燃焼室17は、上部(シリンダヘッド12の下面)の中央部が高くなるように傾斜したペントルーフ形状をなしている。そして、この燃焼室17の上部、つまり、シリンダヘッド12の下面に吸気ポート18及び排気ポート19が対向して形成されており、この吸気ポート18及び排気ポート19に対して吸気弁20及び排気弁21の下端部がそれぞれ位置している。従って、この吸気弁20及び排気弁21が所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート18及び排気ポート19を開閉し、吸気ポート18と燃焼室17、燃焼室17と排気ポート19とをそれぞれ連通することができる。
吸気ポート18には、インテークマニホールド22を介してサージタンク23が連結され、このサージタンク23には吸気管24が連結されており、この吸気管24の空気取入口にはエアクリーナ25が取付けられている。そして、このエアクリーナ25の下流側にスロットル弁を有する電子スロットル装置26が設けられている。また、シリンダヘッド12には、燃焼室17に直接燃料を噴射するインジェクタ27が装着されており、このインジェクタ27は、吸気ポート18側に位置し、上下方向に所定角度傾斜している。更に、シリンダヘッド12には、燃焼室17の上方に位置して混合気に着火する点火プラグ28が装着されている。
一方、排気ポート19には、エギゾーストマニホールド29を介して排気管30が連結されており、この排気管30には排気ガス中に含まれるHC、CO、NOxなどの有害物質を浄化処理する触媒装置31,32が装着されている。また、吸気管24におけるサージタンク23の下流側と、排気管30における各触媒装置31,32の間とには排気ガス再循環通路(EGR通路)33が設けられており、このEGR通路33にはEGR弁34が設けられている。
また、車両には電子制御ユニット(ECU)35が搭載されており、このECU35は、インジェクタ27、点火プラグ28、EGR弁34などを制御可能となっている。即ち、吸気管24の上流側にはエアフローセンサ36が装着されると共に、サージタンク23には吸気負圧センサ37が装着され、計測した吸入空気量、吸気負圧をECU35に出力している。また、電子スロットル装置26は現在のスロットル開度をECU35に出力しており、エンジン回転数センサ38は検出したエンジン回転数をECU35に出力している。従って、ECU35は、検出した吸入空気量、吸気負圧、スロットル開度(またはアクセル開度)、エンジン回転数などのエンジン運転状態に基づいて、燃料噴射量、噴射時期、点火時期、EGR弁開度などを決定している。
このように構成されたエンジン10に搭載されたインジェクタ27において、図1及び図2に示すように、ハウジング41は中空円筒形状をなし、本体部42に対して先端部43が小径となっており、この先端部43に球面形状をなすサック部44が形成されると共に、外部に開口する噴射口45が形成されている。噴射弁としてのニードル弁46は、円盤形状をなすフランジ部47から円柱形状をなす弁本体48が一体に下方に延出して構成され、フランジ部47の外周面がハウジング41における本体部42の内周面に嵌合し、且つ、軸心方向(図1にて上下方向)に沿って移動自在に支持されている。また、ニードル弁46は、弁本体48の外周面がハウジング41における先端部43の内周面に所定の隙間をもって挿入され、円錐形状をなす先端面49が先端部43の傾斜面50に当接し、ここにシール部が形成されている。
従って、ハウジング41とニードル弁46との間に燃料通路51が構成されることとなり、この燃料通路51の下端部側はサック部44を介して噴射口45に連通可能となっている。そして、ニードル弁46の先端面49がハウジング41の傾斜面50に当接することで燃料通路51を遮断することができる一方、先端面49が傾斜面50から離れたときに燃料通路51を開放し、燃料通路51にある燃料をサック部44を介して噴射口45から外部に噴射することができる。
また、ハウジング41内には、支持リング52を介して支持板53が固定されており、この支持板53とニードル弁46との間にはコイルスプリング54が圧縮状態で介装されている。従って、ニードル弁46は、コイルスプリング54の付勢力により先端面49がハウジング41の傾斜面50に密着して燃料通路51を遮断する方向に付勢されている。一方、ハウジング41の壁内には、ニードル弁46のフランジ部47に対向し、且つ、若干上方に位置してソレノイド55が内蔵されている。従って、ソレノイド55へ通電すると、吸引力が発生してスプリング54の付勢力に抗してニードル弁46を上方に移動し、燃料通路51を開放することができる。
なお、インジェクタ27の基端部には、図示しないデリバリパイプを介して燃料ポンプ、燃料タンクなどが連結されており、ハウジング41内を通して燃料通路51の上流側に所定圧の燃料が供給されている。
ところで、本実施例では、インジェクタ27は、吸気ポート18側に装着され、鉛直状態から排気ポート19側に所定角度傾斜しており、噴射口45は、噴射軸線(噴射口軸線)O1がインジェクタ27の中心軸線(噴射弁軸線)O2に対して所定角度上方に傾斜することで、噴射角度αが設定されている。また、噴射口45は、この噴射口45から噴射される燃料噴霧が左右に拡散するように、左右に広角した扇形状に形成され、その噴霧角度βが設定されている。
そして、この噴射口45において、この噴射口45における中心軸線O2側、つまり、図1にて上面側の第1噴射通路45aの長さLaが、噴射軸線O1と反対側、つまり、下面側の第2噴射通路45bの長さLbよりも短く設定されている。即ち、ハウジング41の先端部43にて、噴射口45が形成された側(図1にて右側)の下部外周面43bをサック部44の中心Oを支点とする球面形状に形成する一方、噴射口45が形成されていない側(図1にて左側)の下部外周面43aをサック部44の中心Oよりやや上方の支点(図示略)とする球面形状に形成し、先端部43の下部外周面に噴射口45の位置で段差が形成されるような形状とすることで、第1噴射通路45aの長さLaと第2噴射通路45bの長さLbとが異なるようにしている。この場合、第1噴射通路45aの長さLaは、第2噴射通路45bの長さLbの約1/2に設定することが好ましい。そして、第2噴射通路45bに対して第1噴射通路45aが存在しない区間Lcを燃料噴霧の助走区間として設定している。
従って、図1に示すように、インジェクタ27にて、ニードル弁46がコイルスプリング54の付勢力により燃料通路51を閉止している状態から、ソレノイド55へ通電すると、ニードル弁46がコイルスプリング54の付勢力に抗して上方に移動することで燃料通路51を開放し、燃料通路51の燃料がサック部44に供給され、このサック部44から噴射口45を通して燃焼室17に噴射される。そして、所定期間が経過すると、ソレノイド55への通電が停止され、ニードル弁46がコイルスプリング54の付勢力により下方に移動することで燃料通路51を閉止し、燃料通路51からサック部44への燃料供給が停止され、噴射口45からの燃料噴射が終了する。
このインジェクタ27による燃料噴射時、図3に示すように、燃料通路51からサック部44に供給された燃料が噴射口45に流入するとき、サック部44から噴射口45の第1噴射通路45aに流入する燃料Faよりも、サック部44から噴射口45の第2噴射通路45bに流入する燃料Fbの方が流れにくいため、第2噴射通路45b側で噴射燃料の剥離Eが発生する一方、第1噴射通路45a側でキャビテーションCが発生する。この場合、本実施例では、噴射口45における第1噴射通路45aの長さLaが第2噴射通路45bの長さLbより短く設定されているため、発生したキャビテーションの気泡が第1噴射通路45aでは破裂せずに良好に流れ、噴射口45から燃焼室17に至る助走区間Lcで圧力が開放されて気泡が破裂しながら噴射されることとなる。そのため、燃料噴霧は、キャビテーションの気泡の破裂により適正に微粒化されることとなり、この微粒化された状態で燃焼室17に噴射されることとなり、この燃焼室17にて良質な混合気が形成される。
ところで、噴射口45において、第1噴射通路45aの長さLaを、第2噴射通路45bの長さLbの約1/2に設定したが、この長さの関係は噴射角度αによって適正な長さに設定される。即ち、本実施例では、噴射角度αが20度のとき、La=(1/2)Lbの関係が成立する。図4は、噴射口45の幅方向の位置に対する燃料噴霧の粒径を表すグラフであり、第1噴射通路45aの長さLaと第2噴射通路45bの長さLbの関係を、La=Lb、La=(1/2)Lb、La=(1/3)Lb、La=(1/4)Lbと変更した場合について解析したグラフである。この図4のグラフに示すように、第1噴射通路45aの長さLaと第2噴射通路45bの長さLbの関係が、La=(1/2)Lbのとき、噴霧粒径が最も小さくなっていることがわかる。そして、噴射角度αが大きくなるに伴って、第1噴射通路45aの長さLaを第2噴射通路45bの長さLbに対してさらに短く設定すると良い。
このように実施例1の燃料噴射装置にあっては、ハウジング41内に燃料通路51を設けると共に、先端部にこの燃料通路51に連通するサック部44及び噴射口45を形成し、このハウジング41にニードル弁46を移動自在に支持して燃料通路51を開閉可能とし、噴射口45を所定角度上方に傾斜することで噴射角度αを設定すると共に、燃料噴霧が左右に拡散するように左右の広角した扇形状に形成した噴霧角度βを設定し、噴射口45における中心軸線O2側の第1噴射通路45aの長さLaを、噴射軸線O1と反対側の第2噴射通路45bの長さLbよりも短く設定している。
従って、サック部44の燃料が噴射口45を通って燃焼室17に噴射されるとき、第2噴射通路45b側で噴射燃料の剥離Eが発生する一方、第1噴射通路45a側でキャビテーションCが発生するが、この第1噴射通路45aの長さが短く設定されているため、発生したキャビテーション気泡がここで破裂せずに良好に流れ、噴射口45から燃焼室17に噴射されたときに破裂することで、燃料を微粒化した状態で燃焼室に噴射することができ、燃料噴霧の微粒化を確実に行って燃焼室に良質な混合気を形成することで、燃焼安定性を向上することができる。
図6は、本発明の実施例2に係る燃料噴射装置を表す要部縦断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の燃料噴射装置において、図6に示すように、インジェクタ27の噴射口45は、噴射軸線O1がインジェクタ27の中心軸線O2に対して所定角度上方に傾斜することで、噴射角度αが設定されている。そして、この噴射口45において、この噴射口45における中心軸線O2側、つまり、図1にて上面側の第1噴射通路45aの長さLaが、噴射軸線O1と反対側、つまり、下面側の第2噴射通路45bの長さLbよりも短く設定されている。即ち、ハウジング41の先端部43にて、下部外周面をサック部44の中心Oを支点とする球面形状に形成すると共に、噴射口45におけるインジェクタ27の中心軸線O2側を削り取って開口部61を形成することで、第1噴射通路45aの長さLaと第2噴射通路45bの長さLbとが異なるようにしている。この場合、第1噴射通路45aの長さLaは、第2噴射通路45bの長さLbの約1/2に設定することが好ましい。そして、第2噴射通路45bに対して第1噴射通路45aが存在しない区間Lcを燃料噴霧の助走区間として設定している。
従って、インジェクタ27にて、ニードル弁46が上方に移動して燃料通路51を開放することで、燃料通路51の燃料がサック部44に供給され、このサック部44から噴射口45を通して燃焼室17に噴射される。このインジェクタ27による燃料噴射時、第2噴射通路45b側で噴射燃料の剥離が発生する一方、第1噴射通路45a側でキャビテーションが発生する。この場合、本実施例では、噴射口45における第1噴射通路45aの長さLaが第2噴射通路45bの長さLbより短く設定されているため、発生したキャビテーションの気泡が第1噴射通路45aでは破裂せずに良好に流れ、噴射口45から燃焼室17に至る助走区間Lcで圧力が開放されて気泡が破裂しながら噴射されることとなる。そのため、燃料噴霧は、キャビテーションの気泡の破裂により適正に微粒化されることとなり、この微粒化された状態で燃焼室17に噴射されることとなり、この燃焼室17にて良質な混合気が形成される。
このように実施例2の燃料噴射装置にあっては、噴射口45を所定角度上方に傾斜することで噴射角度αを設定し、噴射口45における中心軸線O2側の第1噴射通路45aの長さLaを、噴射軸線O1と反対側の第2噴射通路45bの長さLbよりも短く設定している。従って、サック部44の燃料が噴射口45を通って燃焼室17に噴射されるとき、第1噴射通路45a側でキャビテーションCが発生するが、この第1噴射通路45aの長さが短く設定されているため、発生したキャビテーション気泡が第1噴射通路45aで破裂せずに燃焼室17に噴射されたときに破裂することで、燃料を微粒化した状態で燃焼室に噴射することができ、燃焼室に良質な混合気を形成することで、燃焼安定性を向上することができる。
また、この実施例2では、噴射口45におけるインジェクタ27の中心軸線O2側を削り取って開口部61を形成することで、第1噴射通路45aの長さLaを第2噴射通路45bの長さLbより短く設定している。従って、ハウジング41の先端部43の形状を大幅に変更することなく第1噴射通路45aの長さLaを短くすることができ、製造コストの増加を抑制することができる。
図7は、本発明の実施例3に係る燃料噴射装置を表す要部縦断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の燃料噴射装置において、図7に示すように、インジェクタ27の噴射口45は、噴射軸線O1がインジェクタ27の中心軸線O2に対して所定角度上方に傾斜することで、噴射角度αが設定されている。そして、この噴射口45において、この噴射口45における中心軸線O2側、つまり、図7にて上面側の第1噴射通路45aの長さLaが、噴射軸線O1と反対側、つまり、下面側の第2噴射通路45bの長さLbよりも短く設定されている。即ち、ハウジング41の先端部43にて、下部外周面をサック部44の中心Oを支点とする球面形状に形成すると共に、噴射口45におけるインジェクタ27の中心軸線O2側を削り取って開口部61を形成することで、第1噴射通路45aの長さLaと第2噴射通路45bの長さLbとが異なるようにし、第1噴射通路45aにおける燃料噴射方向の下流端部に曲面部62を形成している。この場合、第1噴射通路45aの長さLaは、第2噴射通路45bの長さLbの約1/2に設定することが好ましい。そして、第2噴射通路45bに対して第1噴射通路45aが存在しない区間Lcを燃料噴霧の助走区間として設定している。
従って、インジェクタ27にて、ニードル弁46が上方に移動して燃料通路51を開放することで、燃料通路51の燃料がサック部44に供給され、このサック部44から噴射口45を通して燃焼室17に噴射される。このインジェクタ27による燃料噴射時、第2噴射通路45b側で噴射燃料の剥離が発生する一方、第1噴射通路45a側でキャビテーションが発生する。この場合、本実施例では、噴射口45における第1噴射通路45aの長さLaが第2噴射通路45bの長さLbより短く設定されているため、発生したキャビテーションの気泡が第1噴射通路45aでは破裂せずに良好に流れる。また、第1噴射通路45aにおける燃料噴射方向の下流端部に曲面部62が形成されているため、噴射口45内の燃料の気泡は、第1噴射通路45aから曲面部62に到達したときに圧力が開放されて気泡が破裂し、微粒化された燃料噴霧が曲面部62に沿って流動して噴射されることとなる。そのため、燃料噴霧は、キャビテーションの気泡の破裂により適正に微粒化されることとなり、この微粒化された状態で燃焼室17に噴射されることとなり、この燃焼室17にて良質な混合気が形成される。
このように実施例3の燃料噴射装置にあっては、噴射口45を所定角度上方に傾斜することで噴射角度αを設定し、噴射口45における中心軸線O2側の第1噴射通路45aの長さLaを、噴射軸線O1と反対側の第2噴射通路45bの長さLbよりも短く設定すると共に、第1噴射通路45aにおける燃料噴射方向の下流端部に曲面部62を形成している。従って、サック部44の燃料が噴射口45を通って燃焼室17に噴射されるとき、第1噴射通路45a側で発生したキャビテーション気泡が第1噴射通路45aで破裂せずに曲面部62の近傍で破裂し、微粒化された燃料噴霧がこの曲面部62に誘導されながら燃焼室17に噴射されることとなり、燃料を微粒化した状態で燃焼室に噴射することができ、燃焼室に良質な混合気を形成することで、燃焼安定性を向上することができる。
図8は、本発明の実施例4に係る燃料噴射装置を表す要部縦断面図である。なお、前述した実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の燃料噴射装置において、図8に示すように、インジェクタ27の噴射口45は、噴射軸線O1がインジェクタ27の中心軸線O2に対して所定角度上方に傾斜することで、噴射角度αが設定されている。そして、この噴射口45において、この噴射口45における中心軸線O2側、つまり、図8にて上面側の第1噴射通路45aの長さLaが、噴射軸線O1と反対側、つまり、下面側の第2噴射通路45bの長さLbよりも短く設定されている。即ち、ハウジング41の先端部43にて、噴射口45が形成された側の下部外周面43bをサック部44の中心Oを支点とする球面形状に形成する一方、噴射口45が形成されていない側の下部外周面43aをサック部44の中心Oよりやや上方の支点(図示略)とする球面形状に形成し、先端部43の下部外周面に噴射口45の位置で段差が形成されるような形状とすることで、第1噴射通路45aの長さLaと第2噴射通路45bの長さLbとが異なるようにしている。この場合、第1噴射通路45aの長さLaは、第2噴射通路45bの長さLbの約1/2に設定することが好ましい。そして、第2噴射通路45bに対して第1噴射通路45aが存在しない区間Lcを燃料噴霧の助走区間として設定している。そして、噴射口45にて、第2噴射通路45bにおける燃料噴射方向の上流端部とサック部44との間に曲面部63が形成されている。
従って、インジェクタ27にて、ニードル弁46が上方に移動して燃料通路51を開放することで、燃料通路51の燃料がサック部44に供給され、このサック部44から噴射口45を通して燃焼室17に噴射される。このインジェクタ27による燃料噴射時、本実施例では、第2噴射通路45bとサック部44との間に曲面部63が形成されているため、サック部44から噴射口45に流入する燃料の流動性がよくなり、各噴射通路45a,45bにおけるキャビテーションCの発生が促進される。そして、噴射口45における第1噴射通路45aの長さLaが第2噴射通路45bの長さLbより短く設定されているため、発生したキャビテーションの気泡が第1噴射通路45aでは破裂せずに良好に流れ、噴射口45から燃焼室17に至る助走区間Lcで圧力が開放されて気泡が破裂しながら噴射されることとなる。そのため、燃料噴霧は、キャビテーションの気泡の破裂により適正に微粒化されることとなり、この微粒化された状態で燃焼室17に噴射されることとなり、この燃焼室17にて良質な混合気が形成される。
このように実施例4の燃料噴射装置にあっては、噴射口45を所定角度上方に傾斜することで噴射角度αを設定し、第2噴射通路45bとサック部44との間に曲面部63を形成すると共に、噴射口45における中心軸線O2側の第1噴射通路45aの長さLaを短く設定している。従って、サック部44から噴射口45に燃料が流入しやすくなってキャビテーションCの発生が促進され、この第1噴射通路45aで発生したキャビテーション気泡が第1噴射通路45aで破裂せずに燃焼室17に噴射されるときに破裂することとなり、このキャビテーション気泡の破裂により燃料を微粒化した状態で燃焼室に噴射することができ、燃焼室に良質な混合気を形成することで、燃焼安定性を向上することができる。
なお、上述した各実施例にて、インジェクタ27の噴射口45に対して噴射角度α及び噴霧角度βを設定したが、噴霧角度βは0度であっても良い。また、各実施例では、本発明の燃料噴射装置を筒内噴射式内燃機関に適用したが、燃料を吸気ポートに噴射するポート噴射式内燃機関に適用することもでき、同様の作用効果を奏することができる。
以上のように、本発明に係る燃料噴射装置は、噴射口における噴射弁軸線側の第1噴射通路の長さを噴射口における噴射弁軸線と反対側の第2噴射通路の長さよりも短く設定することで、キャビテーション気泡の破裂による微粒化を可能としたものであり、いずれの種類の内燃機関に用いても好適である。
本発明の実施例1に係る燃料噴射装置を表す要部縦断面図である。 図1のII−II断面図である。 実施例1の燃料噴射装置の噴射口でのキャビテーション発生状態を表す概略図である。 実施例1の燃料噴射装置の噴射口の幅方向の距離に対する燃料噴霧の粒径を表すグラフである。 実施例1の燃料噴射装置が適用された内燃機関の概略構成図である。 本発明の実施例2に係る燃料噴射装置を表す要部縦断面図である。 本発明の実施例3に係る燃料噴射装置を表す要部縦断面図である。 本発明の実施例4に係る燃料噴射装置を表す要部縦断面図である。 従来の燃料噴射装置の先端部の縦断面図である。 図9のX−X断面図である。 従来の燃料噴射装置の噴射口でのキャビテーション発生状態を表す概略図である。
符号の説明
10 エンジン
17 燃焼室
27 インジェクタ(燃料噴射弁)
28 点火プラグ
35 電子制御ユニット(ECU)
41 ハウジング
44 サック部
45 噴射口
45a 第1噴射通路
45b 第2噴射通路
46 ニードル弁(噴射弁)
51 燃料通路
54 コイルスプリング
55 ソレノイド
62,63 曲面部
E 剥離
C キャビテーション

Claims (5)

  1. 燃料通路を有すると共に先端部に該燃料通路が連通するサック部及び噴射口を有するハウジングと、前記ハウジングに移動自在に支持されて前記燃料通路を断続可能である噴射弁とを具え、噴射口軸線が噴射弁軸線に対して所定角度傾斜して形成された燃料噴射装置において、前記噴射口における前記噴射弁軸線側の第1噴射通路の長さが、前記噴射口における前記噴射弁軸線と反対側の第2噴射通路の長さよりも短く設定されたことを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 請求項1に記載の燃料噴射装置において、前記噴射口は左右の広角した扇形状に形成されると共に、前記噴射弁の軸線に対して上方に所定角度傾斜して形成されたことを特徴とする燃料噴射装置。
  3. 請求項1に記載の燃料噴射装置において、前記第1噴射通路の長さは、前記第2噴射通路の長さの約1/2に設定されたことを特徴とする燃料噴射装置。
  4. 請求項1に記載の燃料噴射装置において、前記第1噴射通路における燃料噴射方向の下流端部に曲面部が形成されたことを特徴とする燃料噴射装置。
  5. 請求項1に記載の燃料噴射装置において、前記第2噴射通路における燃料噴射方向の上流端部と前記サック部との間に曲面部が形成されたことを特徴とする燃料噴射装置。
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