JP2010040397A - 導電性微粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い電気伝導性と超微粒子領域の粒径を有し、ヘイズの小さい導電性皮膜を与える導電性酸化物微粒子及び安全な不活性ガス下での低温加熱処理によっても該導電性酸化物微粒子を得る製造方法を提供する。
【解決手段】導電性材料と、ホウ素元素0.001〜1質量%とを含有し、且つ、重量平均粒径が0.1μm以下であることを特徴とする導電性微粒子及びインジウム、錫及び亜鉛の少なくとも一種の酸化物を含有する導電性材料粉末と、ホウ酸とを混合し、不活性ガス下で加熱処理する導電性微粒子の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性塗料、熱線反射塗料などの塗料、着色材、帯電防止材、静電気防止材、電磁波シールド材などの機能性材料の添加剤などとして用いられる分散性の改良された導電性微粒子及びその製造方法に関する。
近年、電子材料、触媒、医薬・化粧品等の幅広い分野でナノオーダーの微粒子を製造する技術へのニーズが高まっている。例えば、プラズマディスプレイに使用されている蛍光材料では、蛍光粒子を数十ナノメートルのサイズにすることにより、解像度の向上だけでなく、光の散乱を減らしエネルギー効率を高めることもできる。
また、ITO(錫ドープ酸化インジウム)を主成分とするナノオーダーの導電性酸化物微粒子は、透明導電性膜への利用が盛んになっている。この導電性酸化物微粒子を透明導電性皮膜とする方法としては、例えば、一次粒子径約0.1μm以下の導電性酸化物微粒子の粉末を、溶媒とバインダー樹脂とからなる溶液中に分散させ、これを、ガラス、プラスチック等の基材に塗布、印刷、浸漬、スピンコート或いは噴霧などの手段で塗工し、乾燥する方法がある。
こうして作製した透明導電膜は、ガラス、プラスチック等の帯電防止やほこりの付着防止に有効であり、例えば、ディスプレイや計測器の窓ガラスの帯電防止やほこりの付着防止に利用されている。
さらに、導電性酸化物微粒子は、ICパッケージ回路、クリーンルーム内装材、塗布型透明電極あるいは赤外線遮蔽材料などの用途に利用されはじめてきている。
これらのITO微粒子などの導電性酸化物微粒子は、通常、溶液法で製造されているが、この溶液法で製造された導電性酸化物微粒子は、溶液に対する分散性に劣るため、得られる導電性酸化物微粒子の皮膜(導電性皮膜)は、導電性にバラツキが生じ、またヘーズが劣るという問題があった。
このような導電性が良好なIn含有酸化物微粉末を得るためには、これまで一般的な製造方法として、2種以上の原料遷移金属イオンを含有する水溶液(例えば、ITO粉末の場合、SnとInを塩化物又は硝酸塩として溶解した水溶液)をアルカリ水溶液と反応させて、原料金属の水酸化物を共沈させ、この共沈水酸化物を出発原料として、これを大気中で加熱処理して酸化物に変換させる方法がある(特許文献1参照)。さらに導電性を高めるために、焼成雰囲気の酸素分圧を制御したり、あるいは還元性の気流で焼成することも述べられている。
また、共沈によって得られた原料を不活性ガスの加圧下、密閉して焼成する等の工夫をして低抵抗化を図ることも知られている(特許文献2参照)。
しかし、このような溶液系を用いた製造方法では廃液処理が必要であり環境負荷が多大でありかつ製造コストも高価になる。また水素による還元処理などが必要であるため、爆発の危険性があり装置も大掛かりなものとなり、コストがかかるという問題点がある。
一方、従来より知られている大気中で2種類以上の原料を混合し、大気中で焼成して反応させた後粉砕し微粉を得るというブレークダウン的な方法では良好な導電性が得られないという課題があったが、本発明者らは物理的方法による超微粒子を不活性ガス存在下で作製することにより高い導電性を得る方法を見出し特許出願している(特許文献3、4)。
特開平7−188593公報 特許第3367149号 特願2005−312724 特願2006−003356
しかしながら上述の特許文献3、4に記載の方法では、高導電化と微粒子化は用途によっては必ずしも十分ではなかった。
本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、高い電気伝導性と超微粒子領域の粒径を有し、ヘイズの小さい導電性皮膜を与える導電性酸化物微粒子及び安全な不活性ガス下での低温加熱処理によっても該導電性酸化物微粒子を得る製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意研究したところ、溶液系を用いなくても、金属酸化物原料にホウ酸を添加し不活性ガス中で低温加熱処理を行うことにより良好な導電性を有し、粒子の成長が抑制された超微粒子であって、ヘイズの小さい導電性皮膜を与える導電性酸化物微粒子が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1.導電性材料と、ホウ素元素0.001〜1質量%とを含有し、且つ、重量平均粒径が0.1μm以下であることを特徴とする導電性微粒子、
2.前記導電性材料がインジウム、錫及び亜鉛の少なくとも一種の酸化物を含有する上記1記載の導電性微粒子、
3.9.81MPa加圧時の電気伝導度が0.1S/cm以上である上記1又は2記載の導電性微粒子、
4.上記1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子を溶媒中に分散させてなる導電性微粒子分散液、
5.上記4記載の導電性微粒子分散液を含有することを特徴とする導電性微粒子含有塗料、及び
6.インジウム、錫及び亜鉛の少なくとも一種の酸化物を含有する導電性材料粉末と、ホウ酸とを混合し、不活性ガス下で加熱処理することを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、導電性を損なうことなく、アルコールなどの溶媒に対する分散性が良好で、かつ安価な導電性微粒子及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係る導電性微粒子は、導電性材料と、ホウ素元素0.001〜1質量%とを含有し、且つ、重量平均粒径が0.1μm以下である。
上記導電性材料としては、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ニッケル、酸化チタンなどの導電性酸化物が挙げられ、これらを単独で用いてもよく、また、通常、導電性酸化物として用いられるSn含有In23(ITO)、Zn含有In23(IZO)、In23の共置換化合物(4価元素と2価元素を3価のInに置換した酸化物)、Sb含有SnO2(ATO)、ZnO、Al含有ZnO(AZO)、Ga含有ZnO(GZO)の組成になるように2種以上を組み合わせたものを用いることもできる。上記導電性材料の中でも、インジウム、錫及び亜鉛の少なくとも一種の酸化物を含有するものが好ましく用いられる。
本発明の導電性微粒子が含有するホウ素元素の原料としては、例えば、ホウ酸、ホウ化炭素などが挙げられ、価格、取り扱い易さの観点から、ホウ酸が好ましい。
本発明の導電性微粒子におけるホウ素元素の含有量は、導電性微粒子全体に対する割合で、0.001〜1質量%であり、0.005〜1質量%であると好ましく、0.01〜0.5質量%であるとより好ましい。ホウ素元素の含有量が0.001質量%未満であると、導電性を向上させる効果が十分ではなく、他方、ホウ素の含有量が1質量%を超えると導電性が逆に低下する。この理由としてはホウ素が多くなると絶縁性のInBO3が生成してInを消費しまうからと思われる。そして、ホウ素元素を上記含有量の割合で含有することにより、窒素などの不活性ガス中での焼成を行っても、導電性微粒子の導電性を向上させることができる。
導電性微粒子の重量平均粒径は、導電性微粒子を含有するペーストや分散液として用いる観点から、0.1μm以下であり、0.07μm以下であると好ましい。その下限については特に制限はないが、凝集の防止及び生産性の観点から、10nm程度である。
導電性微粒子の導電性は、高い方が好ましいが、9.81MPaの加圧時の電気伝導度が、0.01S/cm以上であれば、導電性微粒子としての機能を有する。
前記電気伝導度は、0.1S/cm以上であることがより好ましい。
本発明はまた、上記導電性微粒子を溶媒中に分散させてなる導電性微粒子分散液も提供する。
前記溶媒としては、水、有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒などがある。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
さらに、必要に応じて、スルホン酸アミド系、ε-カプトラクトン系、ハイドロステアリン酸系、ポリカルボン酸系、ポリエステル系などの分散剤を使用することも可能である。
本発明はさらに、上記導電性微粒子分散液を含有する導電性微粒子含有塗料も提供する。
本発明の導電性微粒子含有塗料としては、上述の導電性微粒子分散液をそのまま用いてもよく、この導電性微粒子分散液に、塗膜形成成分として、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂などを加えて、得られたものを導電性微粒子含有塗料として用いることもできる。
次に、本発明に係る導電性微粒子の製造方法について説明する。
本発明に係る導電性微粒子の製造方法は、インジウム、錫及び亜鉛の少なくとも一種の酸化物を含有する導電性材料粉末と、ホウ酸とを混合し、不活性ガス下で加熱処理することを特徴とする。
導電性材料粉末としては、前記したインジウム、錫及び亜鉛の少なくとも一種の酸化物を含有する導電性材料の粉末状のものが用いられる。
ホウ酸は、溶媒に溶解させて溶液状態のものを用いることで、原料の導電性材料粉末及びこの粉砕物の表面に均一にホウ素を付着させ、その後の加熱処理により、導電性微粒子とホウ素を反応させることが容易となる。
ホウ酸の配合量は、得られる導電性微粒子がホウ素元素を0.001〜1質量%含有する量であればよく、具体的には、導電性材料粉末100質量部に対して0.01〜5質量部であると好ましく、0.05〜3質量部であるとより好ましい。
また、ホウ酸に加えてハロゲン化合物を添加すると、さらに溶媒への分散性が向上するため好ましい。
前記ハロゲン化合物としては、溶媒に溶解するハロゲン化合物が好ましく、加熱処理により揮発する成分を含むハロゲン化合物がより好ましい。
これらの観点から、前記ハロゲン化合物としては、ハロゲン化アンモニウムが好ましく、特に、臭化アンモニウムが好ましい。
前記ハロゲン化合物の添加量及び溶媒に対するハロゲン化合物の割合は、加熱処理条件等を考慮して決定されるが、例えば、ハロゲン化合物として、ハロゲン化アンモニウムを用いた場合、その添加量は、導電性材料粉末100質量部に対して、例えば、0.05〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
前記溶媒としては、水、アセトン、アルコールなどの溶媒を用いることができる。
原料の導電性材料粉末と、ホウ酸とを混合する方法は、特に限定されず、通常の混合方法を採用することができ、混合と同時に原料の導電性材料粉末を粉砕する混合方法を採用することが特に好ましい。
例えば、遊星ボールミルによる混合は、粉砕効果にも優れ、原料の導電性材料粉末と前記ホウ酸とを混合すると同時に導電性材料粉末を粉砕することができるので、有用な方法である。
また、混合温度は、通常、常温でよく、混合時間は、導電性材料粉末の粒径、目的とする導電性微粒子の粒径などを考慮して適宜決定することができ、原料の導電性材料粉末の粒径にもよるが、例えば、1〜24時間混合する。
その後、得られた混合粉体を加熱処理することにより、ホウ素元素を0.001〜1質量%含有する本発明の導電性微粒子が得られる。
加熱処理は、通常の電気炉やマイクロ波加熱炉などを用いて行うことができる。
加熱処理における加熱温度、加熱時間は、特に限定されないが、加熱温度としては、原料の種類にもよるが、例えば、300℃以上、好ましくは400℃以上、より好ましくは500℃以上である。
この加熱温度が高いと、加熱により粒成長が激しくなり超微粒子を得られない場合があり、導電性微粒子の種類にもよるが、例えば、加熱温度は、1000℃未満にすることが好ましく、特に、900℃以下が好ましい。
また、加熱時間としては、例えば、1〜120分、好ましくは、5〜90分、より好ましくは10〜60分である。
加熱時間が長くなると、微粒子が成長する傾向にあるが、加熱温度ほどには微粒子の成長に影響しないようである。
さらに、加熱雰囲気としては、大気中でも可能であるが、より高い導電性を得るためには、低酸素雰囲気などが好ましく、低酸素雰囲気における酸素濃度は1体積%以下が好ましく、より好ましくは0.1体積%以下である。
さらに、必要に応じて、加熱処理を行う前に、得られた混合粉体を乾燥することができる。
乾燥温度、乾燥時間は、特に限定されないが、例えば、60〜120℃で、1〜10時間行うことができる。
以下、導電性微粒子として、ITO組成の導電性微粒子を例にして、本発明をさらに説明する。
ITO組成の導電性微粒子を作製する場合、原料として、酸化インジウム粉末と酸化第二錫粉末とを用いることができる。
この場合、加熱処理の雰囲気にもよるが、窒素ガス雰囲気の場合、300℃以上で酸化インジウムと酸化錫の反応が開始する。また、400℃以上では、反応がさらに進み、得られる導電性微粒子の導電性が向上する。さらに、700℃以上では、微粒子の成長が顕著になり、得られる導電性微粒子の導電性がさらに向上する。
このように、加熱処理の温度は、高いほど導電性が向上するものであるが、加熱温度を高くしても、一定温度以上では、導電性は飽和傾向になり、その温度以上で処理しても粒子同士が焼結しはじめ、数μmの大粒径となり、導電性微粒子には適さなくなる。また、エネルギーの利用効率の点からも好ましくない。
加熱処理雰囲気としては、導電性向上には水素などの還元性雰囲気が優れることもあるが、安全上の問題、価格の問題、さらには粉体が濃褐色に着色するという問題があり、窒素などの不活性ガス雰囲気での焼成が望ましい。
窒素ガス雰囲気での焼成では水素などの還元性雰囲気の場合に比べ、粒子の成長が抑制され、粒子の着色も少ない。しかし低温での加熱処理では導電性が十分得られないことがあるが、ホウ酸を共存させることにより500℃程度の低温加熱でも高い導電性を得ることができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに具体的に説明する。
表1に、実施例及び比較例におけるIn:Sn比、加熱温度、得られた導電性微粒子のホウ素含有量、重量平均粒径、電気伝導度、格子定数及び導電性皮膜のヘイズの測定結果を示す。
<測定方法>
(1)ホウ素含有量:
導電性微粒子におけるホウ素含有量は、ICP−MS(高周波誘導結合プラズマ質量分析装置:SII社製SPQ9100)を用いて測定した。
(2)重量平均粒径:
導電性微粒子の平均粒径は、BET法(一点法)による窒素吸着比表面積(m2/g)から測定した。
(3)電気伝導度(σ):
導電性微粒子の電気伝導度(σ)は、粉体抵抗システム(株式会社ダイアインスツルメント社製)を用い、加圧しながら測定し、圧力−電気伝導度のグラフから9.81MPaでの電気伝導度により測定した。
(4)ヘイズ:
ヘイズは、スガ試験機株式会社製ヘーズメーターを用いて測定した。
(5)格子定数:X線回折測定からもとめた。
実施例1
まず、原料である純度99.9%の酸化インジウム粉末(添川化学株式会社製)94.6gを秤量し、これをメノウ乳鉢に入れ、次いで、原料である純度98%の酸化第二錫粉末(日本化学工業株式会社製)5.4gを秤量し、これを前記メノウ乳鉢に入れた。
次に、ホウ酸0.3gを溶解させた水溶液20gを前記メノウ乳鉢に添加して、原料粉末を混合、粉砕した。
その後、さらなる混合、粉砕をするために、遊星ボールミルで6時間混合、粉砕し、混合粉体を得た。
次に、得られた混合粉体を90℃で3時間乾燥させ、乾燥後、この混合粉体をアルミナボートに入れ、このアルミナボートを管状炉の中に挿入し、処理雰囲気として、窒素ガスとするために窒素ガスを0.5リットル/分の流量で流した。そして、加熱温度を600℃、加熱時間を30分とするために、室温から600℃まで約20分間かけて昇温し、600℃で30分間保持し、その後加熱を止め、アルミナボートを取り出して急冷し、薄褐色の粉体を得た。
〔ホウ素含有量〕
この褐色の粉体について、ホウ素含有量をICP−MSにより測定したところ、0.050質量%であった。
〔重量平均粒径〕
この褐色の粉体について、BET法により比表面積の測定し、重量平均粒径を求めたところ、重量平均粒径は37nmであった。
〔電気伝導度〕
この褐色の粉体について、電気伝導度(σ)を測定したところ、9.81MPaの加圧時の電気伝導度は、8.2S/cmであり、電気伝導性が良好であった。
〔格子定数〕
この褐色の粉体について、格子定数を測定した。結果を表1に示す。粉体の格子定数はホウ酸の添加量によって増加することが明らかになった。ホウ素のイオン半径はInに比べて非常に小さいので、In元素などを置換するのではなく、格子間に入っているものと思われる。
〔導電性分散液の調製〕
この薄褐色の粉体である導電性微粒子をシクロヘキサノン溶媒に入れ、導電性微粒子を20質量%含有する導電性微粒子分散液を作製した。
さらに、この導電性微粒子分散液に、導電性微粒子100質量部に対して、3質量部の分散剤(ビッグケミージャパン社製、DISPERBYK−2095)と2質量部のポリエステル樹脂とを添加し、ビーズミルを用いて3時間混合し導電性微粒子分散液を調製した。
この導電性微粒子分散液を導電性微粒子含有塗料として用い、バーコーターによりガラス基板上に塗布し、150℃で1時間乾燥させて、厚さ約1μmの導電性皮膜を得た。
この導電性皮膜について、ヘイズメーターによりヘイズを測定した結果、導電性皮膜のヘイズは4%であり、この薄褐色の粉体である導電性微粒子は、良好な電気伝導度と分散性を有することがわかった。
実施例2
酸化インジウム粉末の量を78.65g、酸化第二錫粉末を21.35g、ホウ酸0.1gを溶解させた水溶液20gとした以外は、実施例1と同様の条件で実施し、薄褐色の粉体を得た。
また、この褐色の粉体のホウ素含有量、重量平均粒径、電気伝導度、格子定数及び導電性皮膜のヘイズを測定した結果を表1に示す。
その結果、この薄褐色の粉体である導電性微粒子は、良好な電気伝導度と分散性を有することがわかった。
実施例3
ホウ酸1.0gを溶解させた水溶液20gとした以外は、実施例2と同様の条件で実施し、薄褐色の粉体を得た。
また、この薄褐色の粉体のホウ素含有量、重量平均粒径、電気伝導度、格子定数及び導電性皮膜のヘイズを測定した結果を表1に示す。
その結果、この薄褐色の粉体である導電性微粒子は、良好な電気伝導度と分散性を有することがわかった。
実施例4
加熱温度を700℃、加熱時間を30分とし、ホウ酸0.3gを溶解させた水溶液20gとした以外は、実施例2と同様の条件で実施し、薄黄緑色の粉体を得た。
また、この薄黄緑色の粉体のホウ素含有量、重量平均粒径、電気伝導度、格子定数及び導電性皮膜のヘイズを測定した結果を表1に示す。
その結果、この薄黄緑色の粉体である導電性微粒子は、良好な電気伝導度と分散性を有することがわかった。
実施例5
加熱温度を500℃、加熱時間を30分とし、ホウ酸0.5gを溶解させた水溶液20gとした以外は、実施例2と同様の条件で実施し、薄褐色の粉体を得た。
また、この薄褐色の粉体のホウ素含有量、重量平均粒径、電気伝導度、格子定数及び導電性皮膜のヘイズを測定した結果を表1に示す。
その結果、この薄褐色の粉体である導電性微粒子は、良好な電気伝導度と分散性を有することがわかった。
実施例6
ホウ酸0.3gに加え、臭化アンモニウムを1gを溶解させた水溶液20gとし、加熱温度を700℃、加熱時間を30分とした以外は、実施例2と同様の条件で実施し、薄黄緑色の粉体を得た。
また、この薄褐色の粉体のホウ素含有量、重量平均粒径、電気伝導度、格子定数及び導電性皮膜のヘイズを測定した結果を表1に示す。
その結果、この薄褐色の粉体である導電性微粒子は、良好な電気伝導度と分散性を有することがわかった。
比較例1
ホウ酸を添加しなかった以外は、実施例2と同じ条件で実施し、褐色の粉体を得た。
また、この褐色の粉体の重量平均粒径、電気伝導度、格子定数及び導電性皮膜のヘイズを測定した結果を表1に示す。
表1に示すように、重量平均粒径は39nmと小さいものの、電気伝導性は低く10の−4乗(S/cm)のオーダーであり、導電性皮膜のヘイズも22と大きく、導電性皮膜は透明性が悪く、分散性も悪くなっていた。
比較例2
加熱温度を700℃、加熱時間を30分とした以外は比較例2と同じ条件で実施し、褐色の粉体を得た。また、この褐色の粉体の重量平均粒径、電気伝導度及び導電性皮膜のヘイズを測定した結果を表1に示す。
表1に示すように、重量平均粒径は42nmと小さいものの、電気伝導性は低く10の−2乗(S/cm)のオーダーであり、導電性皮膜のヘイズも32と大きく、導電性皮膜は透明性が悪く、分散性も悪くなっていた。
Figure 2010040397
本発明の導電性および分散性の改良された導電性微粒子は、アルコールなどの溶媒に対する分散性に優れているため、導電性塗料、熱線反射塗料などの塗料、着色、帯電防止、静電気防止、電磁シールドなどの機能性材料の添加剤などとして好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 導電性材料と、ホウ素元素0.001〜1質量%とを含有し、且つ、重量平均粒径が0.1μm以下であることを特徴とする導電性微粒子。
  2. 前記導電性材料がインジウム、錫及び亜鉛の少なくとも一種の酸化物を含有する請求項1記載の導電性微粒子。
  3. 9.81MPa加圧時の電気伝導度が0.1S/cm以上である請求項1又は2記載の導電性微粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子を溶媒中に分散させてなる導電性微粒子分散液。
  5. 請求項4記載の導電性微粒子分散液を含有することを特徴とする導電性微粒子含有塗料。
  6. インジウム、錫及び亜鉛の少なくとも一種の酸化物を含有する導電性材料粉末と、ホウ酸とを混合し、不活性ガス下で加熱処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019003900A (ja) * 2017-06-19 2019-01-10 学校法人 工学院大学 透明導電膜、透明導電膜つき透明基板、透明導電膜つき透明基板の製造方法、タッチパネル

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