JP2006247775A - 切削工具及びインサート - Google Patents

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Masaharu Takiguchi
正治 滝口
Toshiyoshi Watabe
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Abstract

【課題】 切刃の工具本体径方向外側への突出量を精度良く調整できるとともに、工具本体の切欠部の大きさを小さくし、工具本体の剛性を向上するとともに動バランスを向上させ、加工精度が良く高速条件下で使用できる切削工具及びこの切削工具に使用されるインサートを提供する。
【解決手段】 長尺円柱状の工具本体32を有し、工具本体32の外周面に複数配置された切欠部39が形成され、切欠部39に切刃65を備えたカートリッジ51が収容された切削工具31であって、カートリッジ51は、外形が平板状とされ、カートリッジ51の表面には、切刃65を備えた切刃部70と装着部53とが並設されるとともに、カートリッジ51の裏面には、装着部53と切刃部70とを分けるように延びるスリット57が形成されており、切刃部70の裏面側に、切刃65の工具本体32径方向外側への突出量を調整する調整機構33が具備されたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、被切削材を貫通するように形成された下穴を所定の内径に加工するための長尺状の切削工具に関する。
従来、この種の切削工具として、例えば特許文献1に開示されているラインバー等が知られている。特許文献1に開示されているラインバーは、軸線回りに回転される長尺円柱状の工具本体を有し、この工具本体の外周面に切刃が軸線方向に複数備えられたものである。上記のラインバーでは、工具本体の外周面に装着された切刃の工具本体径方向外側への突出量を精度良く調整する必要がある。そこで、工具本体の外周面に、特許文献2に示すような切刃の突出量を微調整できる微調整式マイクロカートリッジが装着されたラインバーが提供されている。
図23、図24に、上記の微調整式マイクロカートリッジが装着された従来のラインバーの一例を示す。ラインバー1は、長尺円柱状の工具本体2を有し、その外周面に切欠部3が軸線O方向に複数設けられている。そして、この切欠部3には、微調整式マイクロカートリッジ4が装着されている。この微調整式マイクロカートリッジ4は、円筒状のブッシュ5を有し、このブッシュ5がなす円筒の軸線が工具本体2の径方向に沿うように配置されている。
このブッシュ5の内部には、ブッシュ5がなす円筒を工具本体2径方向内側と工具本体2径方向外側とに分ける内壁6が設けられ、この内壁6の工具本体2径方向内側にはワッシャ7が備えられ、ワッシャ7と内壁6との間に皿バネ8が配置されている。また、ブッシュ5の内周面の工具本体2径方向外側には雌ネジ部9が形成され、調整ナット10が螺着されている。
調整ナット10は、外形が円筒状に形成され、この円筒の外周面に雄ネジが形成され、円筒の内周面には雌ネジが形成されており、調整ナット10の内周面には、円柱状の切刃部12が螺着されている。つまり、調整ナット10を介して切刃部12がブッシュ5に嵌入されているのである。
また、切刃部12とワッシャ7とがクランプネジにて接続されている。そして、切刃部12の先端側、つまり工具本体2径方向外側には切刃13を有するインサート14が固定されている。
上記のラインバー1は、被切削材を貫通するように設けられた下穴の中に挿通され、ラインバー1の両端部が工作機械に支持された状態で軸線O回りに回転され、工具本体2の外周面に備えられた複数の切刃13によって、下穴の内周面の複数の箇所を切削加工するものである。
また、このラインバー1に装着された微調整式マイクロカートリッジ4は、調整ナット10をスパナ等の作業用工具で回動させることにより、切刃部12を回転させることなく、つまり切刃13の角度を変化させることなく、切刃部12を工具本体2径方向で出没させることができる。したがって、このラインバー1では、切刃13の工具本体2径方向外側への突出量を精度良く調整できるので、ラインバー1での加工精度を向上させることができる。
特開平08−66810号公報 特開平06−210503号公報
ところで、このラインバー1に装着された微調整式マイクロカートリッジ4においては、調整ナット10を螺着するブッシュ5を工具本体2に収容する必要があり、工具本体2外周面に切欠部3を設ける必要がある。また、調整ナット10をスパナ等の作業用工具で回転することによって切刃13の工具本体2径方向外側への突出量を調整するので、スパナ等を切欠部3に差し込んで調整ナット10に係合させ、これを回転させるためのスペースを確保する必要がある。したがって、切欠部3は、図23、図24に示すように、工具本体2径方向外側に向けて広がった形状とされており、工具本体2を大きく切り欠く必要がある。
また、微調整式マイクロカートリッジ4自体が、皿バネ8、ワッシャ7、調整ナット10等を内蔵しているので、そのサイズが大きく、工具本体2にこの微調整式マイクロカートリッジ4を収容する収容部分が大きくなってしまう。さらに、インサート14が平板状であってその平板面(図24では三角形面)をすくい面として工具回転方向に向けているので、工具本体2の切欠部3の大きさが一層大きくなってしまう。
ここで、上記のラインバー1では、工具本体2の外径が軸線O方向の長さに比べて小さく、この工具本体2の外周面に、大きく切り欠いた切欠部3が形成された場合には、工具本体2の剛性が著しく低下してしまう。したがって、切削加工時の切削抵抗によって工具本体2が撓んでしまい、切刃13の位置が安定せず、このラインバー1の加工精度が劣化するといった問題があった。
また、工具本体2の軸線Oに垂直な断面においては、工具本体2の外周面に切欠部3が形成された部分の重心が切欠部3と反対側にずれてしまうので、この工具本体2を軸線O回りに回転した際の動バランスが悪化して工具本体2に振動が生じ、加工精度が一層劣化するといった問題があった。また、回転速度を高速化した場合には、動バランスの悪化による工具本体2の振動が激しくなるので、このラインバー1の回転速度を上げることができず、加工効率が悪くなるといった問題があった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたものであって、切刃の工具本体径方向外側への突出量を精度良く調整できるとともに、工具本体の切欠部の大きさを小さくし、工具本体の剛性を高くするとともに動バランスを向上させ、加工精度が良く高速条件下で使用できるラインバー等の切削工具及びこの切削工具に使用されるインサートを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、軸線回りに回転される長尺円柱状の工具本体を有し、該工具本体の外周面には前記軸線方向に複数配置された切欠部が形成され、該切欠部に切刃を備えたカートリッジが収容され、前記切刃が前記工具本体の径方向外側に突き出された切削工具であって、前記カートリッジは、外形が平板状とされ、その厚さ方向を前記工具本体の径方向に向けて前記切欠部に収容され、前記カートリッジの前記径方向外側を向く表面には、前記切刃を備えた切刃部と、前記カートリッジを前記工具本体の前記切欠部に装着する装着部とが並設されるとともに、前記カートリッジの裏面には、前記装着部と前記切刃部とを分けるように延びるスリットが形成されており、前記工具本体には、前記切刃部の前記裏面側に、前記切刃部の前記裏面を押圧して前記切刃の前記工具本体径方向外側への突出量を調整する調整機構が具備されたことを特徴とする。
上記の構成の切削工具では、装着部と切刃部との間にスリットが設けられ、切刃部の裏面側に切刃の工具本体径方向外側への突出量を調整する調整機構が具備されているので、この調整機構によって切刃部の裏面を押圧するとスリットの終点を支点としてカートリッジが弾性変形し、切刃が工具本体径方向外側へ突き出される。一方、切刃部の裏面の押圧を緩めることにより、カートリッジが弾性復帰し、切刃が工具本体径方向内側に移動する。このようにして、切刃の工具本体径方向外側への突出量を調整することができ、この切削工具の加工精度を向上することができる。
また、上記の構成の切削工具では、工具本体の外周面に複数配置されたカートリッジが平板状とされ切刃部と工具本体との装着部とが並設されており、その厚さ方向を前記工具本体径方向に向けて前記切欠部に収容されているので、カートリッジの厚さを薄くすることができ、工具本体の切欠部の深さを浅くすることができる。さらに、切刃の工具本体径方向外側への突出量を、切欠部にスパナ等の作業用工具を差し込むことなく切刃部の裏面側、すなわち工具本体の切欠部とは反対側からの調整機構の操作によって調整できるので、工具本体の切欠部の大きさを小さくすることができ、工具本体の剛性の低下を防止することができる。よって、切削抵抗によって工具本体が大きく撓むことが防止され、この切削工具の加工精度を一層向上することができる。
また、工具本体に形成された切欠部が小さいので、工具本体の軸線に垂直な断面における工具本体の重心が工具本体の軸線から大きくずれてしまうことが防止され、工具本体を軸線回りに回転した際の動バランスが向上する。よって、高速回転時の工具本体の振動を防止でき、切削工具の回転速度を上げることができ、この切削工具の加工効率を向上することができる。
また、前記調整機構を、前記切刃部の前記裏面に向けて前記工具本体にねじ込まれる調整ネジとすることにより、調整ネジをねじ込むことで切刃を工具本体径方向外側へ突き出すことができ、調整ネジを緩めることで切刃を工具本体径方向内側に移動することができる。よって、切刃の工具本体径方向外側への突出量を簡単にかつ精密に調整することができる。
また、前記調整ネジを、前記切刃部の前記裏面に向けて延びる調整軸と頭部が前記工具本体の前記切欠部とは反対側の外周面に露出された調整ナットとを備えるものとすることにより、例えば切刃の工具本体径方向外側への突出量を、前記調整ナットの頭部を把持するナット把持部を備えた自動調整機によって自動調整する場合でも、この自動調整機のナット把持部に、露出した調整ナットの頭部を係合でき、自動調整機による切刃の工具本体径方向外側への突出量調整を行うことができる。よって、切刃の工具本体径方向外側への突出量をより簡単にかつより精密に調整することができる。
また、前記調整機構に、前記調整ネジを前記切欠部とは反対側に付勢する付勢部材を備えることにより、付勢部材によって調整ネジが常に切欠部とは反対側に押圧され、調整ネジの雄ネジと工具本体内部の雌ネジとの間に隙間(バックラッシ)が発生することが防止される。よって、切刃の工具本体径方向外側への突出量をより一層精密に行うことができる。
また、前記調整ネジを、前記切刃部の前記裏面から前記工具本体の前記軸線を通り、前記軸線と垂直な方向に延びて前記工具本体の外周面に開口部を有する収納孔に収納し、前記開口部の周囲に、前記工具本体が切り欠かれた平坦部を形成することにより、前記切刃部を有する前記カートリッジに対して工具本体の軸線を挟んだ反対側に平坦部が形成されているので、この工具本体の軸線に垂直な断面において重量バランスが取れ、工具本体の動バランスを向上することができる。また、平坦部が設けられているので、例えば調整ネジとして調整ナットを備えたものでは、この調整ナットの頭部が確実に工具本体から露出され、上述したようなナット把持部を備えた自動調整機による切刃の工具本体径方向外側への突出量調整を確実に行うことができる。
また、前記調整ネジを、前記工具本体径方向に対して傾斜した方向にねじ込むことにより、調整ネジのねじ込み量に対する切刃の移動量が小さくなるので、調整ネジのピッチよりも精度良く切刃の突出量を調整できる。よって、切刃の工具本体径方向外側への突出量を簡単にかつ一層精密に調整することができる。
また、前記切刃部を、前記切刃を有するインサートと、前記カートリッジに設けられたインサート取付座とで構成することにより、切削によって切刃が摩耗したり、破損したりした場合に、インサートを交換して使用することができるので、この切削工具の寿命が向上し、切削工具の使用コストを低減できる。
また、インサート取付座に取り付けられるインサートとして、多角形平板状をなし、該多角形をなす上面部を前記工具本体の径方向外側に向けて前記インサート取付座に取り付けられ、前記上面部の辺稜部には主切刃が設けられるとともに、該主切刃と交差する前記多角形の他の辺稜部には、面取部が形成されて、前記主切刃に連なる副切刃が形成されたインサートを使用することにより、平板状のインサートの厚さ方向を工具本体の径方向と略一致するようにインサートを装着できるので、カートリッジの厚さをさらに薄くでき、このカートリッジが収容される工具本体の切欠部の大きさを小さくすることができ、工具本体の剛性をさらに向上させることができる。
以上のように本発明によれば、切刃の工具本体径方向外側への突出量を精度良く調整できるとともに、工具本体の切欠部の大きさを小さくし、工具本体の剛性を向上するとともに動バランスを向上させ、加工精度が良く高速条件下で使用できるラインバー等の長尺状の切削工具及びこの切削工具に使用されるインサートを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態について、添付した図面を用いて説明する。図1から図6にラインバーを示す。また、図7、図8にカートリッジを、図9から図11にカートリッジに取り付けられるインサートを示す。
ラインバー31は、長尺円柱状の工具本体32と、インサート取付座52とインサート61とからなる切刃部70を具備するカートリッジ51と、主切刃65の工具本体32径方向の位置を調整する調整機構33とを有する。
工具本体32は鋼材等によって構成され、軸線Oを中心とした長尺円柱状の胴体部34と、胴体部34の一つの端部に配置され胴体部34よりも大径とされた円板状の取付部35とを有する。工具本体32の内部には軸線Oと平行に延びて一端が取付部35に開口されたクーラント孔36が複数(図2に示すように本実施形態では2つ)設けられている。
そして、工具本体32の外周面には、軸線O方向に複数(図6に示すように本実施形態では10個)の切欠部39が形成されている。切欠部39は、その工具本体32径方向内側の壁面から工具本体32径方向に沿って延びる収納孔40が形成され、その収納孔40の後端側に大径部40Aと工具外周面に開口した平坦部41とが設けられた第1切欠部39Aと、工具本体32径方向内側の壁面から工具本体32径方向に沿って反対側の外周面に開口する貫通孔42を有する第2切欠部39Bの2種類が存在する。そして、この第1切欠部39Aと第2切欠部39Bとが軸線O方向で交互に配置されている。また、クーラント孔36に連通され、これらの切欠部39に向けて開口するクーラント供給孔43が具備されている。
第1切欠部39Aに設けられた収納孔40には、円柱状の調整軸44Aと調整軸44Aと同軸で径の大きな円板状の頭部44Bとを有する調整ナット44が収納されている。そして、収納孔40の後端側に設けられた大径部40Aに円筒状の付勢部材としてコイルスプリング45が配置され、このコイルスプリング45の円筒の内部に調整軸44Aが挿通されている。調整ナット44の調整軸44Aと頭部44Bとの間には雄ネジ部44Cが形成されており、この雄ネジ部44Cが大径部40Aの内周面に設けられた雌ネジ部40Bと螺合され、円板状の頭部44Bが工具本体32外周面に設けられた平坦部41に露出されている。そして、これらコイルスプリング45と調整ナット44とが、調整機構33を構成している。
第2切欠部39Bに設けられた貫通孔42には、調整ネジ47が収納されており、調整ネジ47の後端面には係合孔が形成され、この係合孔が工具本体32外周面に向けて露呈されている。
そして、これら第1切欠部39Aと第2切欠部39Bには、それぞれ主切刃65を有するインサート61が取り付けられたカートリッジ51が収容されている。
切欠部39に収容されるカートリッジ51は、図7、図8に示すように長円平板状に形成されており、カートリッジ51の表面(図8において左側)には、インサート61を取り付けるインサート取付座52とカートリッジ51を工具本体32に装着する装着部53とが並設されている。そして、インサート取付座52とインサート61が切刃部70を構成している。
装着部53には、装着ネジ59が挿通される装着ネジ挿通孔54が、カートリッジ51の厚さ方向に延びるように設けられている。また、インサート取付座52は、カートリッジ51を工具本体32に装着した際に、工具回転方向の前方側と工具本体32径方向外側を向く面に対して開口された凹部55を有し、インサート61を取り付ける取付ネジ56がカートリッジ51の厚さ方向に螺着されている。
そして、カートリッジ51の裏面(図8において右側)には、インサート取付座52と装着部53とを分けるように延びるスリット57が形成され、スリット57の深さは、カートリッジ51の裏面からカートリッジ51の厚さの約1/2の位置までとされている。
カートリッジ51を工具本体32に装着した際に、工具回転方向の後方側となる部分は軸線Oに平行に延びるとともに工具回転方向の後方側に向かうに従い工具本体32径方向内側に後退する傾斜面58が形成されている。
インサート取付座52に設けられた凹部55の工具本体32径方向内側(図8において右側)の壁面は、図8に示すようにカートリッジ51の切刃部70側(図8において上側)に向かうに従い漸次工具本体32径方向外側(図8において右側)に傾くように形成されている。
インサート61は、超硬合金等の硬質材料によって構成され、図9に示すように外形が正方形平板状に形成され、インサート取付座52に着座する底面部62と底面部62に対向する上面部63と4つの側面部64とを有する。本実施形態においては、側面部64がすくい面とされ、上面部63が逃げ面とされた、いわゆる縦刃のインサートとされている。また、側面部64は底面部62から上面部63に向かうに従い漸次外側に広がるように形成されており、インサート61を側面視した場合に、図10に示すように等脚台形状をなしており、インサート61は逃げ角が付されたポジティブインサートとされている。
そして、側面部64と上面部63とが交差する辺稜部に主切刃65が設けられ、この主切刃と交差する上面部63がなす多角形の他の辺稜部には面取部66が形成され、図9のインサート61をB方向から見た場合には、図11に示すように、上面部63の両端が凸曲面状に形成されている。この面取部66には、主切刃65に連なるように副切刃が設けられている。
また、上面部63がなす正方形の中心部分には、底面部62に垂直に延びる取付ネジ挿通孔68が形成されている。
インサート61の底面部62が、カートリッジ51のインサート取付座52の凹部55に当接するように配置され、取付ネジ56がインサート61の取付ネジ挿通孔68に挿通されてインサート取付座52に螺着され、インサート61がカートリッジ51に取り付けられる。
また、カートリッジ51は、装着部53に設けられた装着ネジ挿通孔54に装着ネジ59が挿通され、工具本体32の切欠部39に形成されたネジ孔に螺着されてカートリッジ51が工具本体32に装着される。ここで、第1切欠部39A、第2切欠部39Bの中にカートリッジ51が収容され、インサート61の主切刃65部分が工具本体32の外周面から突出されている。
第1切欠部39Aに収容されたカートリッジ51のインサート取付座52の裏面側には、収納孔40に収納された調整ナット44の調整軸44Aの先端面が当接され、調整ナット44の頭部44Bが工具本体32外周面に設けられた平坦部41に露出されている。
第2切欠部39Bに収容されたカートリッジ51のインサート取付座52の裏面側には、貫通孔42に収納された調整ネジ47の先端部が当接され、調整ネジ47の係合孔が工具本体32の外周面に露呈されている。
上記のラインバー31は、主切刃65の工具本体32径方向外側への突出量を調整した後に、被切削材を貫通するように設けられた下穴の中に挿通され、ラインバー31の両端部が支持された状態で軸線O回りに回転され、工具本体32の外周面に備えられた複数の主切刃65によって、下穴の複数の箇所を切削する。
ここで、取付部35に開口されたクーラント孔36に切削油剤が供給され、クーラント供給孔43を通じて切欠部39に装着されたカートリッジ51の主切刃65に向けて切削油剤が供給されている。
上記の構成のラインバー31では、カートリッジ51の装着部53とインサート取付座52との間にスリット57が設けられ、インサート取付座52の裏側にインサート61の工具本体32径方向の位置を調整する調整機構33が具備されている。調整機構33によってインサート取付座52の裏面を押圧することでカートリッジ51がスリット57の終点57Aを支点として弾性変形し、インサート61が工具本体32径方向外側へ突き出される。一方、インサート取付座52の裏面の押圧力を緩めることにより、カートリッジ51が弾性復帰し、インサート61が工具本体32径方向内側に移動する。このようにして、主切刃65の工具本体32径方向外側への突出量を精度良く調整することができ、このラインバー31の加工精度を向上することができる。
また、カートリッジ51が平板状とされ、インサート取付座52と工具本体32との装着部53が並設されており、その厚さ方向を工具本体32の径方向に向けて切欠部39に収容されているので、カートリッジ51の工具本体32径方向寸法に占める割合が小さく、このカートリッジ51を収容する切欠部39の大きさを小さくすることができる。さらに、インサート取付座52の裏側に具備された調整機構33によって主切刃65の工具本体32径方向外側への突出量を切欠部39とは反対側からの操作によって精度良く調整でき、切欠部39にスパナ等の作業用工具を差し込む必要がなく、切欠部39の大きさをさらに小さくすることができる。
したがって、工具本体32の剛性を高くすることができるとともに、工具本体32の動バランスを向上できるので、切削抵抗による工具本体32の撓みが防止され、ラインバー31の加工精度が向上するとともに、ラインバー31の回転速度を上げて加工効率を向上することができる。
また、第1切欠部39Aの反対側に調整ナット44の頭部44Bが露出された平坦部41が形成されているので、軸線Oに垂直な断面において第1切欠部39Aと平坦部41とが軸線Oを中心に対向するように配置され、重心が軸線と大きくずれることがない。したがって、このラインバー31を軸線O回りに回転させた場合の動バランスをさらに向上することができる。
また、調整ナット44の頭部44Bが工具本体32外周面に露出されているので、自動調整機を用いて主切刃65の工具本体32径方向外側への突出量を調整することができる。すなわち、図1及び図2に示すように、自動調整機のナット把持部Hによって調整ナット44の頭部44Bを把持でき、主切刃65の工具本体32径方向外側への突出量を調整することができる。
また、付勢部材としてコイルスプリング45が備えられているので、このコイルスプリング45によって常に調整ナット44を工具本体32外周側へ押圧することになり、調整ナット44の雄ネジ部44Cと大径部40Aの雌ネジ部40Bとの隙間、いわゆるバックラッシの発生が防止され、インサート61の主切刃65の位置調整をより精度良く行うことができる。ここで、収納孔40の後端側に設けられた大径部40Aに配置される付勢部材として円筒状のコイルスプリングを用いたもので説明したが、これに限定されることはなく、例えば皿バネ等であっても良い。
また、カートリッジ51に固定されるインサート61が、側面部64がすくい面とされ、上面部63が逃げ面とされたいわゆる縦刃のインサートとされているので、平板状のインサート61で最も寸法の小さいその厚さ方向を工具本体32径方向に向けて取り付けることができ、インサート61を含めたカートリッジ51の厚さを薄くすることができる。したがって、カートリッジ51を収容する切欠部39の大きさを一層小さくでき、工具本体32の剛性を一層向上することができる。
また、インサート61が対称に形成されているので、このインサート61を回転させて4つの主切刃65を順次使用してインサート61を有効使用でき、インサート61の使用コストを低減することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態であるラインバーについて、第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
本実施の形態でも第1の実施の形態の第2切欠部39Bと同様に、切欠部39の工具本体32径方向内側の壁面から工具本体32外周面に開口する貫通孔82が設けられているが、この貫通孔82が工具本体32径方向に対して傾斜するように、つまり、主切刃65の調整方向に対して傾斜するように形成されている。この貫通孔82には調整ネジ87が螺着されており、調整ネジ87の先端側には先端面が斜めに切り欠かれたピンが挿入されている。そして、調整ネジ87の後端側には係合孔が形成され、この係合孔が工具本体32外周面に向けて露呈されている。
この切欠部39にカートリッジ51が装着され、カートリッジ51に設けられたインサート取付座52の裏面にピンの斜めに切り欠かれた先端面が密着して当接される。工具本体32外周面に向けて露呈された調整ネジ87の係合孔に六角レンチ等を差し込んで回転させることによって、インサート61の主切刃65の位置を調整する。
ここで、調整ネジ87が主切刃65の調整方向に対して傾斜するように設けられているので、調整ネジ87のネジピッチよりも精度良く主切刃65の位置調整を行うことができる。したがって、主切刃65の位置調整を精度良くでき、このラインバー31の加工精度をより一層向上させることができる。
なお、本実施形態においては、装着されるインサートとして、面取部をすくい面とし、上面部を逃げ面としたインサートで説明したが、これに限定されることはなく、インサートの上面部の辺稜部に切刃が設けられ、上面部をすくい面とする、いわゆる横刃のインサートであっても良い。ただし、このようなインサートを使用した場合には、工具本体に対してインサートを工具本体外周面に立てるように装着する必要があり、カートリッジの厚さが厚くなり、切欠部の大きさが大きくなってしまうので、本実施形態のようなインサートを使用することが好ましい。
また、インサートを正方形平板状のポジティブインサートとして説明したが、これに限定されることはなく、図15から図18に示すようなネガティブインサートでもよく、面取部が延びる方向が2つの多角形面(正方形面)で同じ方向でも互い違いの方向であってもよい。これらの場合には、8組の主切刃と副切刃を使用できるのでインサートの使用コストを低減することができる。
また、図19、図20に示すような三角形平板状のものや、図21、図22に示す菱形平板状のものであっても良い。
本発明の第1の実施形態であるラインバーの第1切欠部にカートリッジを装着した部分の側面図である。 本発明の第1の実施形態であるラインバーの第1切欠部にカートリッジを装着した部分の断面図である。 本発明の第1の実施形態であるラインバーの第1切欠部にカートリッジを装着した部分をカートリッジ側から見た側面図である。 本発明の第1の実施形態であるラインバーの第2切欠部にカートリッジを装着した部分の側面図である。 本発明の第1の実施形態であるラインバーの第2切欠部にカートリッジを装着した部分の断面図である。 本発明の第1の実施形態であるラインバーの側面図である。 本発明の第1の実施形態であるラインバーに装着されるカートリッジの正面図である。 本発明の第1の実施形態であるラインバーに装着されるカートリッジの側面図である。 図7のカートリッジに取り付けられるインサートの上面図である。 図9のインサートをA方向から見た側面図である。 図9のインサートをB方向から見た側面図である。 本発明の第2の実施形態であるラインバーのカートリッジ取付部の側面図である。 本発明の第2の実施形態であるラインバーのカートリッジ取付部の断面図である。 本発明の第2の実施形態であるラインバーのカートリッジ取付部をカートリッジ側から見た側面図である。 本発明の他の実施形態であるインサートの上面図である。 本発明の他の実施形態であるインサートの側面図である。 本発明の他の実施形態であるインサートの上面図である。 本発明の他の実施形態であるインサートの側面図である。 本発明の他の実施形態であるインサートの上面図である。 本発明の他の実施形態であるインサートの側面図である。 本発明の他の実施形態であるインサートの上面図である。 本発明の他の実施形態であるインサートの側面図である。 従来のラインバーの側面図である。 従来のラインバーのカートリッジ取付部近傍の側面図である。
符号の説明
31 ラインバー(切削工具)
32 工具本体
33 調整機構
39 切欠部
44 調整ナット
44A 調整軸
44B 頭部
45 コイルスプリング(付勢部材)
51 カートリッジ
53 装着部
57 スリット
47、87 調整ネジ
61 インサート
65 主切刃(切刃)
66 面取部
70 切刃部

Claims (8)

  1. 軸線回りに回転される長尺円柱状の工具本体を有し、該工具本体の外周面には前記軸線方向に複数配置された切欠部が形成され、該切欠部に切刃を備えたカートリッジが収容され、前記切刃が前記工具本体の径方向外側に突き出された切削工具であって、
    前記カートリッジは、外形が平板状とされ、その厚さ方向を前記工具本体の径方向に向けて前記切欠部に収容され、前記カートリッジの前記径方向外側を向く表面には、前記切刃を備えた切刃部と、前記カートリッジを前記工具本体の前記切欠部に装着する装着部とが並設されるとともに、前記カートリッジの裏面には、前記装着部と前記切刃部とを分けるように延びるスリットが形成されており、
    前記工具本体には、前記切刃部の前記裏面側に、前記切刃部の前記裏面を押圧して前記切刃の前記工具本体径方向外側への突出量を調整する調整機構が具備されたことを特徴とする切削工具。
  2. 前記調整機構が、前記切刃部の前記裏面に向けて前記工具本体にねじ込まれる調整ネジであることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記調整ネジが、前記切刃部の前記裏面に向けて延びる調整軸と頭部が前記工具本体の前記切欠部とは反対側の外周面に露出された調整ナットとを備えていることを特徴とする請求項2に記載の切削工具。
  4. 前記調整機構には、前記調整ネジを前記切欠部とは反対側に付勢する付勢部材が備えられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の切削工具。
  5. 前記調整ネジが、前記切刃部の前記裏面から前記工具本体の前記軸線を通り、前記軸線と垂直な方向に延びて前記工具本体の外周面に開口部を有する収納孔に収納され、前記開口部の周囲には、前記工具本体が切り欠かれた平坦部が形成されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の切削工具。
  6. 前記調整ネジが、前記工具本体径方向に対して傾斜した方向にねじ込まれていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の切削工具。
  7. 前記切刃部が、前記切刃を有するインサートと、前記カートリッジに設けられたインサート取付座とからなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の切削工具。
  8. 請求項7に記載の切削工具に装着されるインサートであって、
    多角形平板状をなし、該多角形をなす上面部を前記工具本体の径方向外側に向けて前記インサート取付座に取り付けられ、前記上面部の辺稜部には主切刃が設けられるとともに、該主切刃と交差する前記多角形の他の辺稜部には、面取部が形成されて、前記主切刃に連なる副切刃が形成されていることを特徴とするインサート。
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