JP4765807B2 - 穴加工工具及びインサート - Google Patents
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Description
また、前記取付座4には、切刃6Aを有する平板状のインサート6が、その厚さ方向を工具回転方向Tに向けて着座されてクランプネジ7によって固定されている。
この切削を行う際には、加工穴の内壁面とガイドパッド5とが摺動することにより、リーマ1の軸線Oの振れを防止して寸法精度の向上を図っている。
したがって、押圧部材を操作して外周切刃の径方向位置のみを調整すれば良いので、インサートの位置調整を簡単にかつ精度良く行うことができる。
本実施形態であるリーマ20は、軸線Oを中心とした多段円柱状の工具本体21を有し
ており、工具本体21の先端側(図1において下側)が概略円柱状をなす加工部22とされ、工具本体21の後端側(図1において上側)には、この加工部22よりも大径とされた鍔部23が形成され、この鍔部23のさらに後端側に、このリーマ20を工作機械の主軸端に装着するための工具ホルダ(図示なし)が取り付けられる取付部24が形成されている。
さらに、この工具本体21には、取付部24に開口して軸線Oに沿って延びて、工具本体21先端面から後退した部分にまで達するクーラント供給孔26が穿設されるとともに、このクーラント供給孔26から工具本体21径方向外側に向けて延びて工具本体21の外周面に開口するクーラント吐出孔27が穿設されている。
そして、本実施形態においては、前記凹部30は、軸線Oに直交する断面において図3に示すように、工具本体21径方向内側に凹んだ凹曲線状をなして、工具本体21後端側へ向けて軸線Oに平行に延びるように形成されている。
また、軸線Oに直交する断面において図3に示すように、工具回転方向T後方側を向く壁面31Cは工具本体21径方向に沿うように形成され、工具回転方向T前方側を向く壁面31Bはこの壁面31Cに対して工具本体21径方向外側に向かうにしたがい工具回転方向T後方側に後退するように傾斜させられている。
押圧ネジ孔34には、概略円柱状をなして外周面に雄ネジが形成された押圧ネジ41が螺着されており、押圧ネジ41の先端面が押圧ピン40の後端面に当接されている。また、押圧ネジ41の後端面には、レンチ等の作業用工具が係合される係合孔(図示なし)が形成されており、この係合孔が前記大径孔35を介して工具本体21外周面に向けて露呈されている。
このインサート50は、図4及び図5に示すように、概略四角形平板状をなしており、厚さ方向を向く2つの四角形面と4つの側面とを有している。インサート50の厚さ方向を向く一方の四角形面が工具本体21後端側を向いて取付座31の前記工具本体21先端側を向く壁面31Dに着座される着座面51とされ、厚さ方向を向く他方の面が工具本体21先端に向けられて正面逃げ面52とされている。
また、正面逃げ面52と外周逃げ面54との交差部分には面取り部58が形成され、この面取り部58と切刃部56との交差稜線部には食い付き刃59が設けられている。
また、外周逃げ面54はすくい面53から離れるにしたがいインサート50の内部に向けて後退するように傾斜させられていて、すくい面53と外周逃げ面54とは鋭角に交差するように配置されている。
また、外周逃げ面54は、すくい面53に対向する側から見て図4に示すように、着座面51側に向かうにしたがい被押圧面55に漸次近づくように傾斜させられている。
ここで本実施形態においては、クランプ面61が挿通孔60に直交する平面に対して傾斜させられているので、クランプ面61の外周逃げ面54側の部分と当接面72Aとの間に僅かな空隙が形成されることになる。
なお、本実施形態においては、バックテーパ量は、40μm/15mm〜80μm/15mmの範囲内に設定されており、より具体的には、60μm/15mmとされている。
したがって、押圧ネジ41によって押圧ピン40によるインサート50の押圧力を調整することにより、外周切刃56の工具本体21径方向位置を調整することができる。
このように、本実施形態であるリーマ20によれば、押圧ネジ41を操作して外周切刃56の径方向位置のみを調整すれば良いので、インサート50の位置調整を簡単にかつ精度良く行うことができる。
したがって、工具本体21の動バランス及び剛性を向上させて工具本体21の振動を防止でき、加工穴を寸法精度良く形成することができる。また、小径の加工穴を形成するリーマであっても径調整可能なインサート式の穴加工工具を構成することができる。
例えば、工具本体の後端側に鍔部と取付部とを備えたリーマとして説明したが、これに限定されることはなく、例えば、鍔部がなく全長にわたって略一定の外径とされた工具本体を有し、この工具本体の後端部を切削工具に設けられた装着孔に挿入して使用するリーマであっても良い。
また、押圧部材として、押圧ピンを備えたものとして説明したが、これに限定されることはなく、クサビ材等の他の押圧部材を配置したものであっても良い。
さらに、インサートの形状についても本実施形態に限定されることはなく、任意の形状のものとすることができる。
21 工具本体
30 凹部
31 取付座
32 クランプネジ孔
40 押圧ピン(押圧部材)
40A 押圧面
41 押圧ネジ
50 インサート
51 着座面
53 すくい面
55 被押圧面
56 切刃部
57 外周切刃
70 クランプネジ
Claims (4)
- 被切削材に予め形成された下穴に挿入されて、該下穴の内壁面を切削加工する穴加工工具であって、
軸線回りに回転される工具本体の先端部には、前記工具本体先端側及び前記工具本体径方向外側に向けて開口された凹部が形成され、該凹部の工具回転方向後方側に取付座が形成され、
該取付座には、平板状のインサートが、その厚さ方向を前記軸線方向に向けて取り付けられ、該インサートの前記工具本体後端側を向く面が着座面とされ、前記インサートの前記工具本体径方向内側を向く面が被押圧面とされ、前記インサートの前記工具回転方向前方側を向く面がすくい面とされ、このすくい面の前記工具本体径方向外側の稜線部に外周切刃が形成されるとともに前記工具本体先端側の稜線部に正面切刃が形成され、前記外周切刃には、前記工具本体後端側に向かうにしたがい漸次前記工具本体径方向内側に向けて後退するようにバックテーパが付されており、
前記取付座の前記工具本体径方向内側には、前記インサートの前記被押圧面を押圧して前記外周切刃の前記工具本体径方向位置を調整する押圧部材が配置されていることを特徴とする穴加工工具。 - 前記取付座の前記工具本体径方向内側には、前記押圧部材として、先端に前記被押圧面と当接される押圧面が形成された押圧ピンが、前記インサートの移動方向と交差する方向に延びるように配置されており、
該押圧ピンの後端側には、前記押圧ピンによって前記インサートを押圧する際の押圧力を調整する押圧ネジが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の穴加工工具。 - 請求項1または請求項2に記載の穴加工工具に装着されるインサートであって、
外形が平板状をなし、厚さ方向を向く一の面が着座面とされ、該着座面の周りの側面の一つがすくい面とされ、該すくい面の稜線部に外周切刃及び正面切刃が形成され、前記外周切刃にはバックテーパが付されていることを特徴とするインサート。 - 前記すくい面には、ダイヤモンド焼結体で構成された切刃部が備えられており、該切刃部に、前記外周切刃及び前記正面切刃が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のインサート。
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