JP2006247776A - フライスカッター - Google Patents

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正治 滝口
Toshiyoshi Watabe
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Abstract

【課題】 副切刃の切り込み角度を一定に保持したままでインサートの位置調整が容易に行われ、高い切刃振れ精度を得ることができるフライスカッターを提供する。
【解決手段】 円盤状の工具本体32の先端部外周に切刃を有するインサート51が装着されるフライスカッター31であって、取付座35には、少なくとも工具本体32の軸線方向に向けて延びるガイド部が形成される一方、インサート51の着座面には、ガイド部が延びる方向に摺動可能に嵌合する被ガイド部が形成されるとともに、工具本体32には、ガイド部が延びる方向と交差する壁面に開口する切欠部38が設けられ、切欠部38には調整ピース41が挿入されており、調整ピース41の内周部分に調整ネジ46が挿通され、調整ピース41の内周面又は調整ネジ46の少なくとも一方には調整ピース41の外側に向かうに従い径が漸次拡大する拡径部が設けられたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工具本体の先端部外周に複数のインサートが着脱可能に装着されたフライスカッターに関する。
従来、被切削材に平面加工を施す転削工具として、複数のインサートが装着されたフライスカッターが使用されている。この種のフライスカッターにおいては、円盤状の工具本体の先端部外周に形成された多数のチップポケット及び取付座に、超硬合金等の硬質材料より成るインサートが着脱可能に装着されており、上記の工具本体をその軸線回りに高速回転するとともに軸線と交差する方向に送りを与えることにより、上記のインサートの工具本体径方向外側に向けられた外周切刃(主切刃)と工具本体先端側に向けられた副切刃によって被切削材を切削するものである。
ところで、多数のインサートを備えたフライスカッターでは、各インサートの切刃が工具本体の軸線回りに描く回転軌跡が一致するように、各インサートが取り付けられていなければならない。すなわち、上記のフライスカッターには、切刃の振れ出し量が同一となるように、高い切刃振れ精度が備わっていなければならない。上記のフライスカッターにおいては、切刃の振れ出し量が異なっている場合には、振れ出し量の大きい切刃が優先的に磨耗してしまうため、インサートの交換頻度が多くなるとともに、被切削材の仕上げ面が波打ち、面粗度が劣化するといった問題があった。
上記のフライスカッターにおいては、仕上げ面の面粗度を向上させるために、フライスカッターに装着された多数のインサートのうちの一部をワイパー刃(さらい刃)とする手段が提供されているが、ワイパー刃を備えたフライスカッターでは、ワイパー刃のみが切削する部分が多くなり、このワイパー刃が優先的に磨耗するため、インサートの交換頻度が多くなるといった問題があった。
そこで、このようなフライスカッターにおいては、インサートの工具本体軸線方向の位置を移動させ、各切刃の振れ出し量を調整するための調整機構を備えたものが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
図19、図20に、従来の切刃の振れ出し量を調整するための調整機構を備えたフライスカッターの一例を示す。
フライスカッター1は、軸線O回りに回転される円盤状の工具本体2と、複数のインサート3とを有する。工具本体2の先端部外周には、複数のチップポケット4が形成されており、チップポケット4の工具回転方向T後方側には、インサート3の取付座5が形成されている。
インサート3は、取付座5の取付面5Aにインサート3の厚さ方向を向く一の面を着座面として装着される。取付座5の工具回転方向T前方側には、チップポケット4の工具本体2径方向内側の壁面に、工具本体2の径方向内側に凹む凹部が形成されており、この凹部にクサビ部材6が挿入され、クランプネジ7にて工具本体2に固定されている。インサート3は、クサビ部材6により取付座5に押圧され、クサビ部材6の工具回転方向Tの後方側壁面6Aと取付座5の取付面5Aとの間で挟装されている。
また、取付座5の工具本体2後端側の壁面には、雌ネジ部8が形成され、この雌ネジ部8には、インサート3の工具本体2後端側を向く面と当接して、インサート3の軸線O方向の位置を調整する調整ネジ9が螺着されている。調整ネジ9には、頭部10が備えられており、頭部10の側壁には、調整ネジ9を回転させるための専用工具が差し込まれる係合孔11が、一定間隔で複数形成されている。
上記の構成のフライスカッター1は、その工具本体2がその軸線O回りに高速回転されつつ軸線Oと交差する方向に送られることにより、工具本体2の先端部外周に設置されたインサート3の工具本体2径方向外側に向けられた外周切刃と工具本体2先端側に向けられた副切刃によって被切削材を切削していくものである。
上記の構成のフライスカッター1においては、雌ネジ部8に螺着された調整ネジ9を回転させ、インサート3の工具本体2後端側を向く面を調整ネジ9の頭部10で押圧することにより、切刃の振れ出し量を調整している。
特開2001−252813号公報 特開2001−246515号公報
ところで、上記の構成のフライスカッター1においては、インサート3の移動方向が規制されていないので、調整ネジ9の頭部10でインサート3の工具本体2後端側を向く面を押圧した際に、インサート3が調整方向以外の方向へずれてしまう可能性があった。特に、インサート3が取付面5A上で回転してしまった場合には、インサート3の角部に設けられた副切刃の切り込み角度が、各インサートによってばらついてしまうので、インサート3を取り付け直す必要があった。このため、切刃の振れ出し量を調整するのに多大な時間と労力を要した。
また、上記の構成のフライスカッター1においては、切刃振れ精度は、作業者の経験や熟練に頼る部分が多く、満足できるレベルのものを安定して供給できないので、被切削材の仕上げ面の面粗度を良好にするためには、ワイパー刃を装着する必要があった。ワイパー刃を装着した場合においては、切削された面をさらうワイパー刃に過大な負荷が掛かるため、ワイパー刃の磨耗が早く進行し、インサート3の交換頻度が多くなるといった問題があった。
本願発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、副切刃の切り込み角度を一定に保持したままでインサートの位置調整が容易に行われ、高い切刃振れ精度を得ることができるフライスカッターを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は、軸線回りに回転される円盤状の工具本体の先端部外周に形成された凹部に取付座が備えられ、該取付座に、切刃を有するインサートがその着座面を密着させて着脱自在に装着されるフライスカッターであって、前記取付座には、少なくとも前記工具本体の軸線方向に向けて延びるガイド部が形成される一方、前記インサートの前記着座面には、前記ガイド部が延びる方向に摺動可能に嵌合する被ガイド部が形成されるとともに、前記工具本体には、前記取付座の前記ガイド部が延びる方向と交差する壁面に開口する切欠部が設けられ、該切欠部には、弾性変形することにより前記インサートの側面を押圧して前記インサートの位置を調整する調整ピースが挿入されており、前記調整ピースは、筒体状に形成され、該筒体の軸線に沿って延びるスリットが形成されるとともに、前記筒体の内周部分には、雄ネジ部と該雄ネジ部より大径の頭部とを有する調整ネジが挿通されて、前記雄ネジ部が前記切欠部の底面に螺着されるとともに前記頭部が前記調整ピースの内周面に当接させられ、前記調整ピースの内周面又は前記調整ネジの前記頭部の少なくとも一方には前記調整ピースの外側に向かうに従い径が漸次拡大する拡径部が設けられたことを特徴とする。
上記の構成のフライスカッターにおいては、ガイド部が延びる方向と交差する壁面に開口されて設けられた切欠部に筒体状の調整ピースが挿入され、この調整ピースがなす筒体の内周部分に調整ネジが挿通されて調整ネジの雄ネジ部が切欠部の底面に螺着されているので、この調整ネジをねじ込むことにより、調整ネジの頭部が調整ピースの内方に位置し、スリットを有する調整ピースが押し広げられるように弾性変形して取付座に装着されたインサートが押圧される。また、調整ネジを緩めることにより、調整ネジの頭部が調整ピースの外方に位置し、押し広げられていた調整ピースが弾性復帰してインサートを押圧する押圧力が弱まることになる。
インサートを押圧した場合には、インサートが取付座に形成された少なくとも工具本体の軸線方向、すなわち、軸線に垂直ではない方向に延びるガイド部に沿って移動されるので、インサートが取付面上で回転したり、調整方向以外の方向にずれたりせず、切刃の振れ出し量の調整に掛かる労力と時間を削減できる。また、調整ネジをねじ込んだり緩めたりすることでインサートの振れ出し量を進退可能に調整できるので、インサートの位置調整を簡単にかつ精度良く行うことができる。
また、調整ピースが弾性変形することで調整ネジ自体も締め付けられるように押圧されるので、このフライスカッターを高速回転した際でも調整ネジが緩んでしまうことが防止され、切刃の振れ精度を維持したままインサートを強固に固定することができる。
また、前記インサートを、多角形平板状に形成し該多角形の辺稜部にこのインサートが前記取付座に装着された際に外周切刃をなす主切刃を設け、この主切刃の工具本体先端側には前記主切刃に対して内側に傾いて前記軸線に略垂直な平面上に位置する副切刃を設けて、前記ガイド部と前記被ガイド部を前記外周切刃をなす主切刃に平行に延びるように形成することにより、前記インサートを前記取付座に装着した際に、前記副切刃が工具本体の軸線と直交する水平面と略平行に配置される。この状態で、前記調整ネジがねじ込まれると、前記調整ピースが弾性変形してインサートの工具本体後端側を向く面を押圧し、主切刃と平行する方向にかつ工具本体の軸線方向に延びるように取付座に設けられたガイド部に沿ってインサートが移動される。
したがって、上記のフライスカッターでは、副切刃が工具本体の軸線と垂直な水平面と略平行に配置されたままでインサートの位置が調整されるので、上記のフライスカッターで被切削材を切削した際の仕上げ面の面粗度が向上し、別途ワイパー刃を設ける必要がない。また、調整ネジのねじ込み量を調整することにより、インサートの工具本体軸線方向の位置のみを調整すればよいので、切刃の振れ出し量の調整に掛かる労力と時間を大幅に削減できる。
しかも、主切刃からインサートに工具本体径方向内側に作用する送り分力をガイド部と被ガイド部の嵌合で受けることができるので、取付剛性が向上し、切削時の切削抵抗によりインサートがずれることを防止できる。
また、前記切欠部を、前記取付座の前記工具本体後端側に、前記工具本体径方向外側を向く面に開口するように設けることにより、調整ネジの端面が工具本体径方向外側に向けて露呈されるので、調整ネジを回転する際に作業用工具等が工具本体等と干渉することがなく、調整ネジの回転作業を簡易に行うことができ、一層簡単に切刃の振れ出し量の調整を行うことができる。
また、前記切欠部を、前記取付座の前記工具本体後端側に、前記工具本体の回転方向前方側を向く面に開口するように設けることにより、インサートのすくい面と相対する位置から見て調整ネジを回転することになり、インサートの工具本体軸線方向の位置を確認しながら調整できるので、切刃の振れ出し量の調整をより簡単にかつ精度良く行うことができる。
また、前記インサートを、多角形平板状をなし多角形の各辺稜部に切刃を設け、前記工具本体に装着される際に前記取付座と当接される着座面に、この着座面に対向する側から見て互いに交差する少なくとも2方向に向けて延びる同形同大の複数のセレーション溝を設けることによって複数の凸部を形成したものとし、少なくとも2方向に向けて延びる前記セレーション溝の一つを選択的に、前記被ガイド部とするとともに、前記ガイド部を、前記セレーション溝が嵌合可能な突条部としたものとすることにより、セレーション溝の延びる方向に沿って前記インサートの位置調整を行うことができる。しかも、前記インサートには、その着座面に少なくとも2方向に向けて延びる同形同大の複数のセレーション溝が設けられているので、多角形の各辺稜部に形成された主切刃や副切刃をコーナーチェンジして使用した場合でもセレーション溝と突条部とを嵌合でき、インサートの位置調整を容易に行うことができる。
したがって、本発明によれば、副切刃の切り込み角度を一定に保持したままでインサートの位置調整が容易に行われ、高い切刃振れ精度を得ることができるフライスカッターを提供することができる。また、本発明によれば、高い精度で切刃の振れ出し量の調整ができるとともに、副切刃の切り込み角度を一定に保持したままでインサートの位置調整ができるので、本発明に係るフライスカッターで被切削材を切削した際に形成される仕上げ面の面粗度は良好であり、別途、ワイパー刃を備える必要がない。
本発明の第一の実施の形態について添付した図面を参照して説明する。
図1から図5に本発明の第一の実施の形態であるフライスカッター31を示す。図6から図8に本実施の形態で使用される調整ピース41を、図9から図12にインサート51を示す。
フライスカッター31は、鋼材等で構成されて円盤状をなす工具本体32を有し、この工具本体32の先端側外周に切刃を有するインサート51が配置されている。
工具本体32がなす円盤の中央部には、工具本体32をアダプタを介して工作機械の主軸端等に取り付けるための取付孔33が工具本体32の軸線Oに沿うように形成されている。そして、この工具本体32の先端側外周部には、工具本体32の外周面及び先端面に開口するように複数のチップポケット34が形成されており、さらにこれらのチップポケット34の工具回転方向Tの後方側には、それぞれ取付座35が設けられている。
取付座35の取付面35Aは、工具本体32先端側に向かうに従い工具回転方向T前方側に向かうように僅かに傾斜しており、この取付面35Aには、インサート51の移動方向を規制するガイド部として突条部36が、断面V字状で等ピッチに形成されている。この突条部36は、図1、図2に示すインサート51の調整方向Xに沿って設けられており、本実施の形態においては、軸線O方向に対して工具本体32先端側が工具本体32径方向内側に向けて15°傾いた方向に設けられている。また、この取付面35Aにはインサート51を取り付けるクランプネジ37が取付面35Aに垂直な方向に向けて螺着されている。
各取付座35の工具本体32後端側には、工具本体32径方向外側に向けて開口するように工具本体32が切り欠かれた切欠部38が設けられている。この切欠部38はその断面が長円形状に形成され、取付座35側の側縁部が該取付座35に向けて開口させられている。また、切欠部38の工具本体32外周側を向く底面には、工具本体32径方向内側に延びるネジ孔が形成されている。
この切欠部38に挿入される調整ピース41は、切欠部38がなす長円形断面に嵌挿可能な外形を有する筒体状をなし、取付座35側を向く面が平坦面とされ、この平坦面が押圧部42とされている。調整ピース41がなす筒体の内面は断面円形状とされており、切欠部38への挿入方向とは反対側(図7、図8において上側)に位置する部分が大径部43とされ、大径部43の前記挿入方向側には、調整ピース41の挿入方向と反対側(本実施形態では、工具本体32径方向外側)に向かうに従い漸次径が拡大された拡径部44が形成されている。さらに、拡径部44よりも前記挿入方向側は大径部43と同軸で内径の小さい小径部とされ、調整ピース41を貫通している。なお、大径部43の中心軸線は押圧部42と平行とされている。
そして、この調整ピース41には、押圧部42に平行にかつ大径部43の円形断面の中心軸線に沿うように延びるスリット45が、大径部43側から小径部の途中までの前記押圧部42が設けられた範囲に形成されている。
この調整ピース41内には、大径部43及び拡径部44を貫通するように調整ネジ46が挿通されている。この調整ネジ46は、先端側が雄ネジ部46Aとされ、後端側が雄ネジ部46Aよりも大径とされた頭部46Bとされており、この雄ネジ部46Aと頭部46Bとの間に調整ネジ46の後端側に向かうに従い漸次径が拡大するテーパー部46Cが形成されている。そして、調整ピース41を切欠部38に挿入し、調整ピース41の内周部分に調整ネジ46を挿通し、前記雄ネジ部46Aを切欠部38の本実施形態では工具本体32外周側を向く底面に形成されたネジ孔にねじ込むことにより、このテーパー部46Cと調整ピース41の拡径部44とが当接可能に配置されている。
取付座35に取り付けられるインサート51は、超硬合金等の硬質材料により構成されており、平面視して図9に示すように正方形平板状に形成され、すくい面をなす平面状の上面部52と着座面をなす底面部53と逃げ面をなす4つの側面部とを有する。4つの側面部は、底面部53から上面部52に向けて漸次外側に広がるように形成されており、インサート51は、図11、図12に示すように側面から見て等脚台形状に形成されており、側面部に逃げ角が付されたポジティブインサートとされている。
上面部52と4つの側面部との交差稜線からなる4つの辺稜部には、主切刃54が設けられ、上面部52の各コーナー部には、一つの主切刃54からチャンファー部55を介して連なり該主切刃54に対して内側(本実施形態では75°)に傾いた副切刃56が設けられている。
また、インサート51の上面部52の中央部には、インサート51を取付座35に取り付けるためのクランプネジ37が挿通される挿通孔57が、上面部52と垂直な方向に延びるように設けられており、インサート51は、この挿通孔57の中心線に関して90°回転対称となるように形成されている。
そして底面部53には、インサート51を底面部53側から見て、インサート51がなす正方形のそれぞれの辺稜部に設けられた主切刃54に対して直交する方向に、互いに平行に延びる同形同大の断面V字状のセレーション溝58が等ピッチで設けられている。本実施の形態においては、インサート51が正方形平板状に形成されているので、セレーション溝58は、互いに直交する2方向に向けて設けられており、直交する2つのセレーション溝58同士も同形同大で等ピッチに形成されている。よって、底面部53には、この2方向に向けて形成されたセレーション溝58によって、同形同大の正四角錐状の凸部59が複数形成され、凸部59の上面は挿通孔57の中心線に垂直な一の平面状とされており、凸部59は正四角錐台状に形成されている。
取付座35の取付面35Aに軸線O方向に対して工具本体32先端側が工具本体32径方向内側に向けて傾いた(本実施形態では15°)方向に形成された突条部36と、インサート51の底面部53に主切刃54に対して直交する方向に形成されたセレーション溝58とが、互いに嵌まり込むようにインサート51が取付座35に装着されると、このインサート51が取付座35に装着された際に工具本体32径方向外側に位置する主切刃54Aが軸線Oに対して15°傾くように配置されるとともに、この主切刃54Aからチャンファー部55を介して連なる副切刃56Aが軸線Oに直交する水平面に対して略平行に位置されることになる。
そして、インサート51の挿通孔57にクランプネジ37が挿通されて取付座35に螺着され、インサート51が取付座35に固定される。ここで、インサート51の工具本体32後端側を向く面51Aと切欠部38に挿入された調整ピース41の押圧部42とが当接するようにインサート51が配置される。
上記の構成のフライスカッター31は、工具本体32の取付孔33に取付ボルトが挿通されて、該取付ボルトの先端がアダプタにねじ込まれることによって、工具本体32がアダプタに接続され、工具本体32はアダプタを介して工作機械の主軸端に取り付けられ、軸線Oを中心として工具回転方向Tに高速回転されるとともに、軸線Oと交差する方向に送りを与えられることにより、インサート51の工具本体32径方向外側に向けられた外周切刃(主切刃54A)と工具本体32先端側に向けられた副切刃56Aによって被切削材を切削する。
上記の構成のフライスカッター31においては、インサート51の位置の調整は、調整ネジ46をねじ込んだり緩めたりすることにより行う。
調整ネジ46をねじ込んだ場合には、調整ピース41の拡径部44に当接した調整ネジ46のテーパー部46Cが該拡径部44を押圧して、スリット45の終点を支点として調整ピース41が押し広げられるように弾性変形し、押圧部42がインサート51の工具本体32後端側を向く面51Aを押圧し、インサート51が、取付座35の取付面35Aに形成された突条部36に沿って工具本体32先端側へ突き出される。一方、調整ネジ46を緩めた場合には、押し広げられるように弾性変形していた調整ピース41が弾性復帰し、インサート51の工具本体32後端側を向く面51Aを押圧する力が小さくなり、インサート51が工具本体32後端側へ後退する。
このように、インサート51が、取付座35の取付面35Aに形成された突条部36に沿って移動されるので、インサート51の調整方向X以外の方向にズレを生じず、インサート51の副切刃56Aの切り込み角度を一定に保持したままで切刃の振れ出し量の調整を行うことができる。また、インサート51の軸線O方向の位置を調整するだけでよいので、切刃の振れ出し量の調整作業に掛かる労力と時間を大幅に削減できる。
また、インサート51の軸線O方向の位置を進退可能に調整できるので、切刃の振れ出し量の調整を簡単に行うことができる。
また、調整ピース41が弾性変形することでインサート51を押圧するとともに調整ネジ46自体も締め付けられるように押圧されるので、このフライスカッター31を高速回転した際に調整ネジ46が緩んでしまうことが防止され、切刃の振れ出し量を確実に維持しつつもインサート51を強固に固定することができる。
また、突条部36とセレーション溝58とが外周切刃をなす主切刃54Aと平行なので、外周切刃(主切刃54A)からインサート51に工具本体32径方向内側に作用する送り分力を突条部36とセレーション溝58との嵌合で受けることができ、取付剛性が向上し、切削時の切削抵抗によりインサート51がずれることを防止できる。
また、切刃の振れ出し量の調整が精度良くできるとともに、副切刃56Aの切り込み角度を一定に保持したままでインサート51の位置調整ができるので、上記のフライスカッター31によって被切削材を切削した際に形成される仕上げ面の面粗度が良好であり、ワイパー刃(さらい刃)を別途設ける必要がなく、インサート51の交換頻度を低減することができる。
また、切欠部38が工具本体32径方向外側に向けて開口されているので、調整ネジ46の頭部46Bが工具本体32外周面に露呈され、調整ネジ46を回転する際に作業用工具等が工具本体32等と干渉することがなく、調整ネジ46の回転作業を簡易に行うことができる。
次に、本発明の第二の実施の形態について、第一の実施の形態と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
図13から図15に、本発明の第二の実施の形態であるフライスカッター61を、図16から図18に調整ピース71を示す。
第二の実施の形態であるフライスカッター61においては、各取付座35の工具本体32後端側に、工具回転方向T前方側に向けて開口するように工具本体32が切り欠かれた切欠部68が設けられている。この切欠部68は断面長円形状に形成され、取付座35側の側縁部が該取付座35に向けて開口させられている。本実施形態では、この切欠部68の工具回転方向T前方側を向く底面に、調整ネジ46の雄ネジ部46Aが螺着されるネジ孔が形成されている。
調整ピース71は、切欠部38がなす長円形断面に嵌挿可能な外形を有する筒体状をなし、取付座35側を向く面が平坦面とされ、この平坦面が押圧部72とされている。そして、調整ピース71の切欠部38への挿入方向とは反対側(図17、図18において上側)に位置する面が、押圧部72に向かうに従い後退する傾斜面とされている。
上記の構成のフライスカッター61においては、第一の実施の形態と同様の効果が得られるほか、切欠部68が工具回転方向T前方側に向けて開口するように設けられているので、インサート51のすくい面(上面部52)と相対する位置から調整ネジ46を回転することになり、インサート51の軸線O方向の位置の確認を行い易く、切刃の振れ出し量の調整をより簡単にかつ精度良く行うことができる。
また、上記の構成のフライスカッター31、61においては、インサート51に、フライスカッター31、61の取付座35に形成された突条部36に嵌合し得るセレーション溝58が2方向に向けて形成されることにより、着座面をなす底面部53に複数の凸部59が形成されているので、クサビ効果によってインサート51を取付座35に強固に固定することができ、取付剛性を高めて、切削時の切削抵抗によりインサート51がずれてしまうことを防止できる。また、同形同大のセレーション溝58が互いに交差する2方向に向けて延びているので、コーナーチェンジの際などこの2方向間でインサート51を取り付け直したときでも同様の取付剛性を維持することができる。
また、インサート51にはセレーション溝58が正方形の辺に直交する方向に設けられているので、インサート51のコーナーチェンジを行い、インサート51の4つの主切刃54を順次外周切刃として使用した場合にも、フライスカッター31、61の取付座35に設けられた突条部36にセレーション溝58を嵌合でき、インサート51の位置調整を容易に行うことができる。
なお、上記の実施の形態においては、フライスカッターの取付座に形成されるガイド部として断面V字状の突条部として説明したが、凹曲線と凸曲線が連続して構成される断面波型の溝であっても良いし、鋸刃状の溝であっても良い。また、インサートのセレーション溝についても、上記のガイド部と同様に、凹曲線と凸曲線が連続して構成される断面波型の溝であっても良いし、鋸刃状の溝であっても良い。
また、インサートをクランプネジで固定するフライスカッターで説明したが、インサートをクサビ部材で工具本体との間で挟装して固定するものでも良い。この場合でも、インサートのセレーション溝と取付座の突条部とが嵌合されることにより、インサートが強固に固定されるので、切削加工時の切削抵抗などでインサートが移動してしまうのを防止できる。
また、調整ピースの内周面に拡径部を有するとともに調整ネジにテーパー部を有し、これら拡径部とテーパー部とが摺動するように配置されたもので説明したが、調整ピースの内周面に拡径部を有し、調整ネジが雄ネジ部と頭部とで構成されたものや、調整ピースに漸次径が拡大する拡径部を設けず、例えば大径部と小径部とを段状に連続したものとしておいて調整ネジにテーパー部を設けたものであっても良い。
また、インサートを正方形平板状のもので説明したが、上面視多角形であれば良く、例えば、三角形のインサートであれば、その着座面には三角錘状の凸部が形成され、また、着座面に形成される凸部が円錐状に形成されたものであれば、インサートの形状に制限されることなく、取付座の突条部に取り付けることができ、上記の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、インサートの材質を超硬合金として説明したが、インサートの材質に制限されない。また、逃げ角が付されたポジティブインサートとして説明したが、逃げ角のないネガティブインサートであっても良い。
本発明の第一の実施形態であるフライスカッターのインサート取付部の側面図である。 本発明の第一の実施形態であるフライスカッターのインサート取付部の正面図である。 本発明の第一の実施形態であるフライスカッターのインサート取付部の底面図である。 本発明の第一の実施形態であるフライスカッターの側面断面図である。 本発明の第一の実施形態であるフライスカッターの底面図である。 本発明の第一の実施形態で使用される調整ピースの上面図である。 図6の調整ピースをA方向から見た側面図である。 図6の調整ピースをB方向から見た側面図である。 本発明の実施形態に使用されるインサートの上面図である。 図9のインサートの底面図である。 図9のインサートをA方向から見た側面図である。 図9のインサートをB方向から見た側面図である。 本発明の第二の実施形態であるフライスカッターのインサート取付部の側面図である。 本発明の第二の実施形態であるフライスカッターのインサート取付部の底面図である。 本発明の第二の実施形態であるフライスカッターの側面断面図である。 本発明の第二の実施形態で使用される調整ピースの上面図である。 図16の調整ピースをA方向から見た側面図である。 図16の調整ピースをB方向から見た側面図である。 従来のフライスカッターのインサート取付部の詳細図である。 従来のフライスカッターの側面断面図である。
符号の説明
31、61 フライスカッター
32 工具本体
34 チップポケット(凹部)
35 取付座
36 突条部(ガイド部)
38、68 切欠部
41、71 調整ピース
44 拡径部
45 スリット
46 調整ネジ
46A 雄ネジ部
46B 頭部
46C テーパー部(拡径部)
51 インサート
53 底面部(着座面)
54 主切刃(切刃)
56 副切刃
58 セレーション溝(被ガイド部)
59 凸部

Claims (5)

  1. 軸線回りに回転される円盤状の工具本体の先端部外周に形成された凹部に取付座が備えられ、該取付座に、切刃を有するインサートがその着座面を密着させて着脱自在に装着されるフライスカッターであって、
    前記取付座には、少なくとも前記工具本体の軸線方向に向けて延びるガイド部が形成される一方、前記インサートの前記着座面には、前記ガイド部が延びる方向に摺動可能に嵌合する被ガイド部が形成されるとともに、
    前記工具本体には、前記取付座の前記ガイド部が延びる方向と交差する壁面に開口する切欠部が設けられ、該切欠部には、弾性変形することにより前記インサートの側面を押圧して前記インサートの位置を調整する調整ピースが挿入されており、
    前記調整ピースは、筒体状に形成され、該筒体の軸線に沿って延びるスリットが形成されるとともに、前記筒体の内周部分には、雄ネジ部と該雄ネジ部より大径の頭部とを有する調整ネジが挿通されて、前記雄ネジ部が前記切欠部の底面に螺着されるとともに前記頭部が前記調整ピースの内周面に当接させられ、前記調整ピースの内周面又は前記調整ネジの前記頭部の少なくとも一方には前記調整ピースの外側に向かうに従い径が漸次拡大する拡径部が設けられたことを特徴とするフライスカッター。
  2. 前記インサートが、多角形平板状に形成され、該多角形の辺稜部には、このインサートが前記取付座に装着された際に外周切刃をなす主切刃が設けられ、この主切刃の工具本体先端側には、前記主切刃に対して内側に傾いて前記軸線に略垂直な平面上に位置する副切刃が設けられ、前記ガイド部と前記被ガイド部は、前記外周切刃をなす主切刃に平行に延びるように形成されていることを特徴とする請求項1記載のフライスカッター。
  3. 前記切欠部が、前記取付座の前記工具本体後端側に、前記工具本体径方向外側を向く面に開口されて設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフライスカッター。
  4. 前記切欠部が、前記取付座の前記工具本体後端側に、前記工具本体の回転方向前方側を向く面に開口されて設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフライスカッター。
  5. 前記インサートは、多角形平板状をなし、多角形の各辺稜部に切刃が設けられてなり、前記工具本体に装着される際に前記取付座と当接される前記着座面に、該着座面に対向する側から見て互いに交差する少なくとも2方向に向けて延びる同形同大の複数のセレーション溝が設けられることにより、複数の凸部が形成されているものであって、
    少なくとも2方向に向けて延びる前記セレーション溝の一つが選択的に、前記被ガイド部とされるとともに、前記ガイド部は、前記セレーション溝が嵌合可能な突条部とされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のフライスカッター。
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