JP2006241374A - カルボキシメチルセルロース塩の製造方法 - Google Patents

カルボキシメチルセルロース塩の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粘度低下を極力抑え、粉末白色度を高めたカルボキシメチルセルロース塩(CMC塩)を提供する。
【解決手段】(a)セルロースをアルカリセルロース化し、さらにエーテル化してCMC塩水溶液を製造する工程、(b)該CMC塩水溶液を中和し、CMC塩を分離する工程、および(c)該CMC塩を漂白剤により漂白する工程からなるCMC塩の製造方法であって、前記(b)工程における中和後のCMC塩水溶液のpHが7.0〜9.0、CMC塩水溶液から分離されたCMC塩における溶媒/CMC塩固形分の重量比が0.5〜3.0、および該工程(c)が、40〜80℃においてCMC塩100重量部に対して漂白剤として1〜5重量%過酸化水素水溶液を2〜10重量部添加して製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルボキシメチルセルロース塩の製造方法に関するものである。
カルボキシメチルセルロース塩(以下CMC塩という)は、原料セルロースとアルカリとを反応させて得られるアルカリセルロースと、モノクロロ酢酸などのカルボキシメチルエーテル化剤とを反応させて製造される水溶性高分子であり、増粘剤、分散剤、保護コロイド剤、石油ボーリング用泥水添加剤などとして広く用いられているものである。
CMC塩の製造法は、反応媒体として水を用いる水媒法および有機溶媒を用いる溶媒法の二方法に大別される。とくに、溶媒法は水媒法と比較して、少量のアルカリ量でアルカリセルロースを得ることができ、エーテル化反応が比較的短時間で達成され、エーテル化剤の有効利用率が高いためにエーテル化剤の使用量が少なく、さらに高粘度のCMC塩を製造しやすいことから、工業的に非常に多く実用化されている。溶媒法において、有機溶媒としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトンおよびこれらの混合溶媒が使用されているが、イソプロピルアルコールが最も一般的である。溶媒法では、CMC塩は、含水有機溶媒中において、粉砕した原料セルロース、または粉末状原料セルロースとアルカリとを反応させて、原料セルロースの結晶構造を破壊させたのちに、モノクロロ酢酸などのエーテル化剤を添加することによって製造される。
ところで、CMC塩は通常粉末に仕上げられたものであり、粉末が白色なほど品質が高いとされている。また、使用時は水溶液として使用するが、粉末の色が白いほど透明度が高く、このようなことからCMC塩は白色度の高いものが好まれる。
白色度を支配する因子において、パルプ中に、リグニン、樹脂成分、ペントサン、マンナンなどが微量成分として含まれていると、粉末が褐黄色を呈し、さらに水溶液にすると水溶液が薄い褐黄色となる。つまり、α−セルロース分により評価される通常純度が高純度品ほど白色度が高いといえる。
また、表1(「紙パルプの製造技術、全書、第2巻による分析例」370〜375頁(1996))に示すように、パルプの漂白の場合においても、パルプの希望する白さ、すなわち白色度において、パルプの着色物質の主体はリグニンであり、ほかに抽出成分や糖の変成物質などが含まれる。
Figure 2006241374
一般に漂白されたパルプである晒パルプは、高い白色度を要求されるので、リグニンに代表される着色物質を完全に除去することが必要である。
従来、多量の漂白剤を使用してリグニンなどの着色物質の除去が行われている。しかしながら、完全なリグニンなどの着色物質の除去は困難であり、漂白剤を多量に使用することは、セルロース分子の著しい崩壊を招くだけで白色度に対する効果は期待できない。
CMC塩においてもパルプと基本的な考え方は同様である。CMC塩と漂白剤という組み合わせは、一般に過酸化水素を用いてセルロースの解重合による粘度低下剤として使用することが提案されている(特許文献1〜4参照)。しかしながら、これらの方法では、CMC塩の粘度低下が著しく、また白色度の向上においても寄与が少ないという問題点がある。
特許第2800061号 特許第2800062号 特開2000−119303号 特開2000−290301号
本発明は、カルボキシメチルセルロース塩の製法において、粉末の粘度低下を極力抑え白色度の高いカルボキシメチルセルロース塩を向上させることを目的としている。
すなわち、本発明は、
(a)セルロースをアルカリセルロース化し、さらにエーテル化してカルボキシメチルセルロース塩水溶液を製造する工程、
(b)該カルボキシメチルセルロース塩水溶液を中和し、カルボキシメチルセルロース塩を分離する工程、および
(c)該カルボキシメチルセルロース塩を漂白剤により漂白する工程
からなるカルボキシメチルセルロース塩の製造方法であって、
前記(b)工程における中和後のカルボキシメチルセルロース塩水溶液のpHが7.0〜9.0、カルボキシメチルセルロース塩水溶液から分離されたカルボキシメチルセルロース塩における溶媒/カルボキシメチルセルロース塩固形分の重量比が0.5〜3.0、および該工程(c)が、40〜80℃においてカルボキシメチルセルロース塩100重量部に対して漂白剤として1〜5重量%過酸化水素水溶液を2〜10重量部添加して行なわれることを特徴とするカルボキシメチルセルロース塩の製造方法に関する。
さらに、(d)カルボキシメチルセルロース塩の副生塩および残存漂白剤を除去する工程を含むことが好ましい。
前記工程(d)が、カルボキシメチルセルロース塩100重量部に対して60〜95重量%のメタノール水溶液5〜10重量部を添加し攪拌する工程からなることが好ましい。
本発明によると、CMC塩の粘度低下を極力おさえて粉末白色度を向上することができる。
本発明は、
(a)セルロースをアルカリセルロース化し、さらにエーテル化してカルボキシメチルセルロース塩水溶液を製造する工程、
(b)該カルボキシメチルセルロース塩水溶液を中和し、カルボキシメチルセルロース塩を分離する工程、および
(c)該カルボキシメチルセルロース塩を漂白剤により漂白する工程
からなるカルボキシメチルセルロース塩の製造方法であって、
前記(b)工程における中和後のカルボキシメチルセルロース塩水溶液のpHが7.0〜9.0、カルボキシメチルセルロース塩水溶液から分離されたカルボキシメチルセルロース塩における溶媒/カルボキシメチルセルロース塩固形分の重量比が0.5〜3.0、および該工程(c)が、40〜80℃においてカルボキシメチルセルロース塩100重量部に対して漂白剤として1〜5重量%過酸化水素水溶液を2〜10重量部添加して行なわれることを特徴とするカルボキシメチルセルロース塩の製造方法である。
原料セルロースとしては、特に限定はされないが、粉砕パルプ、木材パルプ、コットンリンタ−パルプなどがある。
原料セルロースと反応させるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
原料セルロースとアルカリとを反応させる際の溶媒としては、アルカリとの相溶性をもたせるため、含水有機溶媒が使用される。有機溶媒としては、エチルアルコール、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどの炭素数1〜4のアルコール類、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサン、ジエチルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。とくに入手の手軽さ、低価格、取り扱いやすさの点で、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコールが好ましい。さらに、エチルアルコール−ベンゼン、エチルアルコール−トルエン、イソプロピルアルコール−ベンゼンなどの混合溶媒も使用できる。
含水有機溶媒中の有機溶媒と水の重量比としては、反応系中のアルカリ濃度を充分に高濃度に保つことができるという観点から、有機溶媒:水が70:30〜96:4が好ましく、75:25〜90:10がより好ましい。有機溶媒と水との重量比が96:4を外れて水の量が少なくなると、水によるセルロース分子へのアタックが減少し、結晶化領域の破壊が少なくなり、水溶液としたときに透明性が高いCMC塩を得ることが困難になる。一方、有機溶媒と水との重量比が70:30をはずれて水の量が多くなると、水とカルボキシメチルエーテル化剤とのあいだでの副反応が進み、カルボキシメチルエーテル化剤の有効利用率が低下する。
原料セルロースとアルカリとを反応させる際に、含水有機溶媒/原料セルロースとの重量比は2〜25が好ましく、3〜10がより好ましく、3.5〜5がさらに好ましい。含水有機溶媒と原料セルロースとの重量比が2より小さくなり含水有機溶媒が少なくなると、有機溶媒と原料セルロースを充分に撹拌混合できなくなるため、反応機に対する撹拌時の負荷が大きくなり、均一な反応に支障が生じる。一方、含水有機溶媒と原料セルロースとの重量比が25より大きくなり有機溶媒が多くなると、原料経費が大きくなる。
アルカリの添加量においては、原料セルロースのグルコース単位1molあたり好ましくは0.5〜10mol、より好ましくは1〜5molである。アルカリの添加量が10molより多くなるとカルボキシメチルエーテル化剤の有効利用率の低下をまねく。また、アルカリの添加量が0.5molより少なくなると、アルカリの不足により充分なアルカリセルロースを製造することができない。
原料セルロースとアルカリとを反応させてアルカリセルロースを製造する反応は、0〜50℃で行なうことが好ましく、10〜40℃で行なうことがより好ましい。反応温度が0℃より低いと冷却に多くの制約を必要とするため好ましくなく、50℃より高いと原料セルロースの重合度が低下する。原料セルロースとアルカリとの反応においては、10〜180分間撹拌混合することが好ましく、20〜90分間撹拌混合することがより好ましい。反応時間が10分より短くなると反応が不充分となる。一方、反応時間が180分より長くなると原料セルロースの重合度が低下する。
アルカリセルロースをエーテル化するために用いられるカルボキシメチルエーテル化剤としては、モノクロロ酢酸、モノクロロ酢酸ナトリウム、モノクロロ酢酸メチル、モノクロロ酢酸エチルおよびモノクロロ酢酸イソプロピルなどが挙げられる。これらの中では、原料の入手しやすさという点でモノクロロ酢酸、モノクロロ酢酸ナトリウムが好ましい。
カルボキシメチルエーテル化剤の添加量は、目的とするCMC塩のエーテル化度に応じて適宜決定することができる。たとえば、本発明により得られるCMC塩のエーテル化度は、好ましくは0.5〜2.0、より好ましくは0.6〜1.0である。エーテル化度が0.5より小さい場合には、水溶液に濁りが生じる傾向がある。
カルボキシメチルエーテル化剤は、通常、含水有機溶媒に溶解させた溶液として、アルカリセルロースに添加される。含水有機溶媒としては、原料セルロースとアルカリとの反応に用いられる含水有機溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
カルボキシメチルエーテル化剤の添加混合する時の反応温度は、50〜90℃で行なうことが好ましく、70〜88℃で行なうことがより好ましい。添加混合の温度が50℃より低いと反応が進行せず、90℃より高いと高温による溶媒の揮発が強く、環境上好ましくない。またカルボキシメチルエーテル化反応時間は、60〜360分間かけて行なうことが好ましく、60〜120分間かけて行なうことがより好ましい。添加混合にかける時間が60分より短くなるとカルボキシルメチルエーテル化剤の副分解反応が促進される。360分より長くなると、いたずらに反応時間の延長となる。
原料セルロースをアルカリセルロース化させたのち、さらにエーテル化したCMC塩反応液を中和する反応剤としては、例えば、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、プロピオン酸、ギ酸などを用いることができる。エーテル化反応後のCMC塩反応液のpHは7.0〜9.0である。pHが7.0より小さいと過酸化水素が充分に酸化効果に結びつかないため、充分な効果が得られない傾向があり、pHが9.0より大きいと過酸化水素自体が分解するため充分な効果が得られない傾向がある。
CMC塩水溶液から分離されたCMC塩において、残留した溶媒/CMC塩固形分の重量比は0.5〜3.0であり、0.5〜2.0であることが好ましい。残留した溶媒/CMC塩固形分の質量比が、0.5より小さいとCMC塩の固形分が多いことから添加した過酸化水素が充分に混練されず、不均一となるため、効果が小さくなる。また、3.0より大きいと、過酸化水素濃度が小さくなることから酸化効果が小さくなる傾向がある。
CMC塩の漂白剤においては、たとえば、過酸化水素水、過酸化水素塩などが挙げられる。なかでも使いやすさと分解後の副生物が水である観点から、過酸化水素水を用いることが特に好ましい。
CMC塩の漂白剤として、過酸化水素水の濃度は1〜5重量%であり、2〜3重量%であることが好ましい。過酸化水素水の濃度が1重量%より小さくなると、漂白するための充分な量を得ることができないという傾向がある。濃度が5重量%より大きくなると、白色度向上よりもCMCの開重合効果が大きくなるという傾向がある。
CMC塩の漂白剤として、過酸化水素水の添加量はCMC塩100重量部に対して2〜10重量部であり、3〜5重量部であることが好ましい。2重量部より小さいと漂白が充分に行なわれず、白色度が低下する傾向がある。10重量部より大きいと、粘度が低下する傾向がある。
CMC塩の漂白において反応温度は40〜80℃であり、45〜60℃であることが好ましい。温度が40℃より小さいと過酸化水素の酸化効果が小さくなる傾向がある。温度が80℃より大きいと、過酸化水素の自己分解が生じてしまい、得られる効果が小さくなる傾向がある。
さらに、本発明は、(d)カルボキシメチルセルロース塩の副生塩および残存漂白剤を除去する工程を含むカルボキシメチルセルロース塩の製造方法にも関する。
CMC塩の副生塩および残存漂白剤を除去するメタノール水溶液の濃度としては、60〜95重量%が好ましく、65〜85重量%がより好ましい。濃度が60重量%より小さいとCMC塩が溶解する傾向がある。濃度が95重量%より大きいと、充分に副生塩を除去できない傾向がある。
CMC塩100重量部に対しての副生塩および残存漂白剤を除去するメタノール水溶液としては、5〜10重量部が好ましく、6〜8重量部がより好ましい。メタノール水溶液が5重量部より少ないと充分に副生塩を除去できない傾向がある。なお、10重量部より多くても特に支障はないが、いたずらに使用量を増やすこととなる。
CMC塩の副生塩および残存漂白剤を除去する工程において、溶媒を用いて洗浄することが好ましい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトンなどが挙げられる。なかでも、安価である点からメタノールを用いることが特に好ましい。
漂白後のCMC塩の白色度のL値としては、80以上が好ましく、85以上がより好ましく、90以上がさらに好ましい。白色度のL値が80より小さくなると、商品価値が低く見られるため好ましくない。
本発明の製造方法で得られるCMC塩は、飲料、食品シロップ、ゼリー菓子、透明インク、医薬用基材、練り歯磨き粉などの用途に、好ましく利用できる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1(CMC塩(A)の合成)
5l二軸ニーダー型反応機に水400gおよびIPA1600gからなる含水有機溶媒2000gに水酸化ナトリウム95gを溶解し、チップ状の原料セルロース(商品名:NDP−S、水分約7%、日本製紙ケミカル(株)製)200gを約5分間かけて投入し、25℃に温度調整しながら30分間撹拌してアルカリセルロースを得た。
さらに、このアルカリセルロースに含水有機溶媒100g(水20g、IPA80g)を加え、モノクロロ酢酸100gを10分間かけて添加した。次に20分間撹拌して充分に混合したのち昇温し、77℃で90分間エーテル化反応を行ない反応を完了させた。
反応後、所定温度にし、未反応の過剰の水酸化ナトリウムを50%に希釈した酢酸でpHを7.3に調整した。
反応終了物を遠心分離機でしぼり溶媒/CMC塩固形分の比が1.0である粗CMC塩を得た。
この粗CMCを100重量部取り、5l二軸ニーダー型反応機に仕込み、50℃に温度調整後、2.0重量%に濃度調整した過酸化水素水を2〜10重量部添加し、10分間撹拌した。
その後、メタノールで洗浄操作を2回繰り返した後、遠心分離機で脱溶媒して乾燥・粉砕し、CMC塩(A)を得た。
得られたCMC塩(A)のエーテル化度、粘度および白色度を次の方法により測定した。結果を表2に示す。
(a)エーテル化度
無水物の試料を0.5〜0.7g精密に量り、ろ紙に包んで磁製るつぼで灰化させた。冷却した後、これを500mlビーカーに移し、水約250mlさらにピペットで硫酸35ml(濃度:0.05mol/l)を加えて30分間煮沸した。これを冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸を0.1mol/l水酸化カリウムで逆滴定して次の式によって算出した。
A=(af’−bf)/試料無水物(g)−アルカリ度
エーテル化度=162×A/10000−80A
A :試料1g中の結合アルカリに消費される0.05mol/l硫酸のml
a :0.05mol/l硫酸の使用量(ml)
f’:0.05mol/l硫酸の力価
b :0.1mol/l水酸化カリウムの使用(ml)
f :0.1mol/l水酸化カリウムの力価
式中、“162”はセルロース一単位当たりの分子量、“80”はCH3COONa−Hの分子量を示す。
なお、アルカリ度については、試料(無水物)1gを300ml三角フラスコに精密に量り取り、水約200mlを加えて溶かし、これに0.05mol/l硫酸5mlをピペットで加え、10分間煮沸したのち冷却して、フェノールフタレイン指示薬を加え、0.1mol/l水酸化カリウムで滴定した(Sml)。同時に空試験を行ない(Bml)、次の式によって算出した。
アルカリ度=(B−S)f/試料無水物(g)
(b)粘度
共栓付き三角フラスコにCMC塩と水を加え、溶液を一夜間放置後、マグネチックスターラーで約5分間撹拌させ、口径約4.5mm、高さ約145mmのふた付き容器に移し、25±0.2℃の恒温槽に30分間保持した。溶液が25℃になったところでガラス棒でゆるくかき混ぜて、BM型粘度計の適当なローターおよびガードを取り付け、ローターを回転させ開始3分後の目盛を読み取った。
(c)白色度
日本電色工業(株)製のSPECTRO COLOR METER SE2000によりL値を測定した。
実施例2(CMC塩(B)の合成)
水酸化ナトリウムの添加量を120g、モノクロロ酢酸の添加量を130gとした以外は(i)と同様の方法によりCMC塩(B)を得た。得られたCMC塩(B)のエーテル化度、粘度および白色度を前記の方法により測定した。結果を表2に示す。
実施例3(CMC塩(C)の合成)
原料セルロースとして「LDPTT」(水分約7%、日本製紙ケミカル(株)製)を用い、水酸化ナトリウムの添加量を95g、モノクロロ酢酸の添加量を100gとした以外は(i)と同様の方法によりCMC塩(C)を得た。得られたCMC塩(C)のエーテル化度、粘度および白色度を前記の方法により測定した。結果を表2に示す。
比較例1〜5
中和後の溶液のpH、粗CMC塩における溶媒/CMC塩固形分比、過酸化水素の添加温度および濃度を表2にしたがって変化させた以外は、実施例1と同様の方法によりCMC塩を得た。
得られた各CMC塩について、エーテル化度、粘度および白色度を前記の方法により測定した。結果を表2に示す。
比較例6〜10
中和後の溶液のpH、粗CMC塩における溶媒/CMC塩固形分比、過酸化水素の添加温度および濃度を表2にしたがって変化させた以外は、実施例2と同様の方法によりCMC塩を得た。
得られた各CMC塩について、エーテル化度、粘度および白色度を前記の方法により測定した。結果を表2に示す。
比較例11〜14
中和後の溶液のpH、粗CMC塩における溶媒/CMC塩固形分比、過酸化水素の添加温度および濃度を表2にしたがって変化させた以外は、実施例3と同様の方法によりCMC塩を得た。
得られた各CMC塩について、エーテル化度、粘度および白色度を前記の方法により測定した。結果を表2に示す。
Figure 2006241374
表2によると、実施例1〜3では、特定のpH、温度、添加量、および濃度で過酸化水素を使用することにより、セルロースの解重合への影響を極力おさえることができ、白色度向上効果を大きくすることができる。一方、これらの条件を満たさない比較例1〜14におけるCMC塩は、粘度低下が大きく、白色度が劣ったものとなる。
なお、粗CMC塩における溶媒/CMC塩固形分比が小さいと添加した過酸化水素が充分均一に混練されず不均一になり、逆に該比率が大きくなると過酸化水素濃度が低くなることから白色度向上化効果が小さくなることがわかる。

Claims (3)

  1. (a)セルロースをアルカリセルロース化し、さらにエーテル化してカルボキシメチルセルロース塩水溶液を製造する工程、
    (b)該カルボキシメチルセルロース塩水溶液を中和し、カルボキシメチルセルロース塩を分離する工程、および
    (c)該カルボキシメチルセルロース塩を漂白剤により漂白する工程
    からなるカルボキシメチルセルロース塩の製造方法であって、
    前記(b)工程における中和後のカルボキシメチルセルロース塩水溶液のpHが7.0〜9.0、カルボキシメチルセルロース塩水溶液から分離されたカルボキシメチルセルロース塩における溶媒/カルボキシメチルセルロース塩固形分の重量比が0.5〜3.0、および該工程(c)が、40〜80℃においてカルボキシメチルセルロース塩100重量部に対して漂白剤として1〜5重量%過酸化水素水溶液を2〜10重量部添加して行なわれることを特徴とするカルボキシメチルセルロース塩の製造方法。
  2. さらに、工程(c)ののちに、(d)カルボキシメチルセルロース塩の副生塩および残存漂白剤を除去する工程を含む請求項1記載のカルボキシメチルセルロース塩の製造方法。
  3. 前記工程(d)が、カルボキシメチルセルロース塩100重量部に対して60〜95重量%のメタノール水溶液5〜10重量部を添加し攪拌する工程からなる請求項2記載のカルボキシメチルセルロース塩の製造方法。
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