JP2013096540A - 可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置 - Google Patents

可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 可変容量ポンプが半容量運転状態に固着したことを確実に判定する。
【解決手段】 走行中の車両が減速するとオイルポンプOPが吐出するオイルでトランスミッションの変速比が増加する方向に制御され、オイルポンプOPの吐出流量が充分であれば、車両が停止したときに変速比はLOWに戻り切るが、オイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障して吐出流量が充分でなければ、車両が停止したときに変速比はLOWに戻り切らない。半容量運転状態固着判定手段M5は、車両停止判定手段M3が車両の停止を判定したときに、実変速比算出手段M1で算出したトランスミッションの実変速比が固着判定閾値未満であるときに、つまり変速比がLOWに戻り切らないときにオイルポンプOPが半容量運転状態に固着したと判定するので、オイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障したことを確実に判定することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、走行用の駆動源に接続されたトランスミッションの変速比を無段階に変更する油圧を発生する可変容量ポンプと、前記可変容量ポンプの運転状態を全容量運転状態または部分容量運転状態に切り換える運転状態切換手段と、前記可変容量ポンプが部分容量運転状態に固着したことを判定する部分容量運転状態固着判定手段とを備える可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置に関する。
かかる可変容量ポンプは、下記特許文献1により公知である。
自動車のトランスミッション用の可変容量ポンプをエンジンで駆動する場合、ベーンポンプのような容積型ポンプでは吐出流量が回転数に比例するため、エンジン回転数が低い領域で必要な吐出流量を確保しようとすると、エンジン回転数が高い領域で吐出流量が過剰になり、可変容量ポンプを駆動する動力が無駄に消費されてエンジンの燃料消費量が増加する問題がある。
そこで下記特許文献1に記載されたものは、エンジン回転数が所定値未満の領域では可変容量ポンプを全容量運転状態で運転し、エンジン回転数が所定値以上の領域では可変容量ポンプを半容量運転状態で運転することで、エンジンの燃料消費量の節減を図っている。
特開2011−163258号公報
ところで、可変容量ポンプが半容量運転状態で運転されるのは、トランスミッションの変速、油圧回路からのリーク、トランスミッションの潤滑等に必要な吐出流量が半容量運転状態でも充分に賄える場合に限られる。従って、何らかの原因で可変容量ポンプが半容量運転状態に固着して全容量運転状態への切り換えが不能になると、吐出流量が不足してトランスミッションの機能が充分に発揮されなくなったり、被潤滑部が焼き付いたりする不具合が発生する可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、可変容量ポンプが部分容量運転状態に固着したことを確実に判定することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、走行用の駆動源に接続されたトランスミッションの変速比を無段階に変更する油圧を発生する可変容量ポンプと、前記可変容量ポンプの運転状態を全容量運転状態または部分容量運転状態に切り換える運転状態切換手段と、前記可変容量ポンプが部分容量運転状態に固着したことを判定する部分容量運転状態固着判定手段とを備える可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置であって、前記トランスミッションの実変速比を算出する実変速比算出手段と、車両の停止を判定する車両停止判定手段とを備え、前記部分容量運転状態固着判定手段は、前記車両停止判定手段が車両の停止を判定したときに、前記実変速比算出手段で検出した実変速比が固着判定閾値未満であるときに前記可変容量ポンプが部分容量運転状態に固着したと判定することを特徴とする可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記トランスミッションの目標変速比を算出する目標変速比算出手段と、前記実変速比算出手段で算出した実変速比および前記目標変速比算出手段で算出した目標変速比の差分が所定値以上になったときの車両の減速度を算出する減速度算出手段とを備え、前記部分容量運転状態固着判定手段は、前記減速度算出手段で算出した減速度が第1閾値以上かつ第2閾値未満のときに、前記可変容量ポンプの部分容量運転状態の固着判定の実行を許可することを特徴とする可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項2の構成に加えて、前記第1閾値は、前記可変容量ポンプが半容量運転状態であっても車両が停止したときに前記実変速比が前記固着判定閾値以上になる値であり、前記第2閾値は、前記可変容量ポンプが全容量運転状態であっても車両が停止したときに前記実変速比が前記固着判定閾値未満になる値であることを特徴とする可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、前記部分容量運転状態固着判定手段は、前記可変容量ポンプが部分容量運転状態に固着したと判定したときに、前記駆動源の回転数を増加させることを特徴とする可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置が提案される。
尚、実施の形態のポンプシフトバルブ21およびシフトソレノイドバルブ24は本発明の運転状態切換手段に対応し、実施の形態のオイルポンプOPは本発明の可変容量ポンプに対応し、実施の形態の半容量運転状態固着判定手段M5は本発明の部分容量運転状態固着判定手段に対応し、実施の形態の半容量運転状態は本発明の部分容量運転状態に対応する。
請求項1の構成によれば、走行中の車両が減速すると可変容量ポンプが吐出するオイルでトランスミッションの変速比が増加する方向に制御され、可変容量ポンプの吐出流量が充分であれば、車両が停止したときに変速比はLOWに戻り切るが、可変容量ポンプが部分容量運転状態に固着故障して吐出流量が充分でなければ、車両が停止したときに変速比はLOWに戻り切らない。部分容量運転状態固着判定手段は、車両停止判定手段が車両の停止を判定したときに、実変速比算出手段で算出したトランスミッションの実変速比が固着判定閾値未満であるときに、つまり変速比がLOWに戻り切らないときに可変容量ポンプが部分容量運転状態に固着したと判定するので、可変容量ポンプが部分容量運転状態に固着故障したことを確実に判定することができる。
また請求項2の構成によれば、トランスミッションの実変速比および目標変速比の差分が所定値以上になったときの車両の減速度を算出し、部分容量運転状態固着判定手段は、減速度が第1閾値以上かつ第2閾値未満のときに限って可変容量ポンプの部分容量運転状態の固着判定の実行を許可するので、減速度が小さいために車両が停止したときに変速比がLOWに戻るのが容易な場合や、減速度が大きいために車両が停止したときに変速比がLOWに戻るのが困難な場合に、部分容量運転状態の固着故障の誤判定が行われるのを防止することができる。
また請求項3の構成によれば、第1閾値は、可変容量ポンプが半容量運転状態であっても車両が停止したときに実変速比が固着判定閾値以上になる値であるため、可変容量ポンプが半容量運転状態に固着して吐出流量が不足しているにも関わらずに、車両の減速度が小さいために車両が停止したときに変速比がLOWに戻り切るような場合に、部分容量運転状態に固着故障していないと誤判定されるのを防止することができる。また第2閾値は、可変容量ポンプが全容量運転状態であっても、低車速・低エンジン回転数であるために急制動時で車両が停止したときに実変速比が固着判定閾値未満になる値であるため、可変容量ポンプが全容量運転状態であっても、車両の減速度が大きいために車両が停止したときに変速比がLOWに戻り切らないような場合に、部分容量運転状態に固着故障していると誤判定されるのを防止することができる。
また請求項4の構成によれば、可変容量ポンプが部分容量運転状態に固着したと判定したときに、部分容量運転状態固着判定手段は駆動源の回転数を増加させるので、運転者に異常の発生を確実に認識させることができる。
トランスミッションの油圧回路を示す図。(第1の実施の形態) オイルポンプの全容量運転時の作用説明図。(第1の実施の形態) オイルポンプの半容量運転時の作用説明図。(第1の実施の形態) 半容量運転状態固着判定装置の制御系のブロック図。(第1の実施の形態) 固着故障の判定時のタイムチャート。(第1の実施の形態) 固着故障を判定するためのマップ。(第1の実施の形態) 実施の形態の制御を説明するブロック図。(第1の実施の形態) 実施の形態の制御を説明するフローチャート。(第1の実施の形態)
以下、図1〜図8に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1には、例えばベルト式無段変速機よりなる車両用のトランスミッションの油圧回路の一部が示される。ミッション軸に接続されて走行用のエンジンの駆動力により作動するベーンポンプよりなる可変容量のオイルポンプOPは、楕円状のカムリング11と、カムリング11の内部に配置されたロータ12と、ロータ12を回転自在に支持するポンプ軸13と、ロータ12の周囲に径方向に出没自在に支持されてカムリング11の内面に摺接する複数のベーン14…と、カムリング11、ロータ12およびベーン14…により区画された複数の作動室15…と、容積が拡大する作動室15…に連通可能な第1、第2吸入ポート16A,16Bと、容積が縮小する作動室15…に連通可能な第1、第2吐出ポート17A,17Bとを備える。
エンジンの駆動力でロータ12が矢印方向に回転すると、第1吸入ポート16Aから容積の拡大する作動室15にオイルが吸入され、ロータ12の回転に伴って容積の縮小する作動室15からオイルが第1吐出ポート17Aに吐出される。同様に、第2吸入ポート16Bから容積の拡大する作動室15にオイルが吸入され、ロータ12の回転に伴って容積の縮小する作動室15からオイルが第2吐出ポート17Bに吐出される。
オイルタンク18から延びる油路P1が二股の油路P2,P3に分岐し、一方の油路P2が第1吸入ポート16Aに接続されるとともに、他方の油路P3が第2吸入ポート16Bに接続される。第1吐出ポート17Aから延びる油路P4,P5がトランスミッションのプーリ油室、油圧クラッチ、油圧ブレーキ等の油圧アクチュエータ19に接続されており、油路P4および油路P5間に、オイルポンプOPの吐出圧をライン圧に調圧するレギュレータバルブ20が介装される。
ポンプシフトバルブ21はスプリング22で付勢されたスプール23と、シフトソレノイドバルブ24を介してモジュレータ圧が伝達される油路P6に連なるポート21aと、油路P7を介して油路P1に連なるポート21bと、油路P8を介して第2吐出ポート17Bに連なるポート21cと、油路P9を介して油路P4に連なるポート21dと、モジュレータ圧が伝達される油路P10に連なるポート21eとを備える。
次に、オイルポンプOPの容量を切り換える油圧回路の作用を説明する。
図2に示すように、オイルポンプOPの全容量運転時には、常開電磁弁よりなるシフトソレノイドバルブ24は消磁して開弁しており、ポンプシフトバルブ21の右端のポート21aにモジュレータ圧が伝達される。このとき、ポンプシフトバルブ21の左端のポート21eにもモジュレータ圧が伝達されているが、ポンプシフトバルブ21のスプール23はスプリング22の弾発力によって左動する。
その結果、ポート21cおよびポート21dが相互に連通し、オイルポンプOPの第2吐出ポート17Bが油路P8→ポート21c→ポート21d→油路P9の経路で油路P4に連通することで、第1、第2吐出ポート17A,17Bが吐出したオイルが油路P4で合流し、レギュレータバルブ20および油路P5を介して油圧アクチュエータ19や被潤滑部に供給される。
図3に示すように、オイルポンプOPの半容量運転時には、常開電磁弁よりなるシフトソレノイドバルブ24は励磁して閉弁しており、ポンプシフトバルブ21のポート21aへのモジュレータ圧の伝達が遮断されるため、ポンプシフトバルブ21の左端のポート21eに伝達されるモジュレータ圧がスプリング22の弾発力に勝ってスプール23が右動する。
その結果、ポート21bおよびポート21cが相互に連通し、オイルポンプOPの第2吐出ポート17Bが油路P8→ポート21c→ポート21b→油路P7の経路で油路P1に連通することで、第2吐出ポート17Bが吐出したオイルは第1、第2吸入ポート16A,16B側に戻されてしまい、第1吐出ポート17Aが吐出したオイルだけが油路P4に供給される。オイルポンプOPの半容量運転により発生した油圧は、全容量運転により発生した油圧と同様に油圧アクチュエータ19や被潤滑部に供給される。
図4に示すように、オイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障したことを判定する電子制御ユニットUは、実変速比算出手段M1と、目標変速比算出手段M2と、車両停止判定手段M3と、減速度算出手段M4と、半容量運転状態固着判定手段M5とを備える。実変速比算出手段M1には、トランスミッションの入力軸回転数を検出する入力軸回転数センサSaおよびトランスミッションの出力軸回転数を検出する出力軸回転数センサSbが接続され、目標変速比算出手段M2には、アクセルペダル開度を検出するアクセルペダル開度センサScおよび車速を検出する車速センサSdが接続され、車両停止判定手段M3には、前記車速検出手段Sdが接続される。
実変速比算出手段M1は、入力軸回転数センサSaで検出したトランスミッションの入力軸回転数を出力軸回転数センサSbで検出したトランスミッションの出力軸回転数で除算することで、トランスミッションの実変速比を算出する。トランスミッションの実変速比は、LOW側で最大になり、OD側で最小になる。目標変速比算出手段M2は、アクセルペダル開度センサScで検出したアクセルペダル開度および車速センサSdで検出した車速をパラメータとしてマップ検索によりトランスミッションの目標変速比を算出する。車両停止判定手段M3は、車速センサSdで検出した車速に基づいて車両の停止を判定する。減速度算出手段M4は、実変速比算出手段M1で算出した実変速比および目標変速比算出手段M2で算出した目標変速比の差分が所定値以上になったときの車両の減速度を算出する。車両の減速度は、車速センサSdで検出した車速を微分することで算出可能である。半容量運転状態固着判定手段M5は、実変速比算出手段M1、減速度算出手段M4および車両停止判定手段M3の出力に基づいて、オイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障したことを判定する。
次に、図5に基づいて、オイルポンプOPの半容量運転状態での固着故障の判定原理を説明する。
車両の走行中に運転者がアクセルペダルを放してブレーキペダルを踏むと、車速が次第に減少して減速度が発生する。車速の低下に伴ってベルト式無段変速機よりなるトランスミッションの変速比はOD側からLOW側に向けて次第に増加し、車両が停止した時点でLOW(最大値)になる。その間、オイルポンプOPが吐出するオイルはベルト式無段変速機のドライブプーリおよびドリブンプーリの側圧を制御して変速比をLOW側に変化させるが、オイルポンプOPの吐出流量が不足すると、目標変速比の増加に実変速比が追従できず、車両が停止したときに実変速比がLOWに戻りきれなくなる。従って、車両が停止したときの実変速比が判定閾値未満の場合に、オイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障して吐出流量が不足したために、実変速比がLOWに戻りきれなくなったと判定することができる。
しかしながら、車両が急制動して強い減速度が発生した場合には、オイルポンプOPが全容量運転状態にあって充分な吐出流量が確保されている場合であっても、トランスミッションの変速速度には限界があるため、車両が停止したときに変速比がLOWに戻り切れず、実際には正常なオイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障したと誤判定される可能性がある。
逆に、車両が緩制動して弱い減速度が発生した場合には、オイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障して充分な吐出流量が得られない場合であっても、車両が停止するまでに充分な時間的余裕があるため、車両が停止したときに変速比がLOWに戻り切ることができ、実際には半容量運転状態に固着故障したオイルポンプOPが正常であると誤判定される可能性がある。
このような不具合を解消するために、本実施の形態では、車両の減速中に実変速比および目標変速比を監視し、目標変速比から実変速比を減算した差分が所定値以上になった時点の減速度を算出し、この減速度に基づいて車両が急減速あるいは緩減速したと判定された場合には、オイルポンプOPの半容量運転状態の故障判定を禁止することで誤判定を防止するようになっている。
図6はオイルポンプOPの固着故障を判定するためのマップであり、横軸は目標変速比から実変速比を減算した差分が所定値以上になったときの減速度であり、縦軸は車両が停止したときの変速比である。減速度が第1閾値未満の領域では、上述したように実際には半容量運転状態に固着故障したオイルポンプOPが正常であると誤判定される可能性があるため、判定の実行が禁止される。また減速度が第2閾値以上の領域では、上述したように実際には正常なオイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障したと誤判定される可能性があるため、判定の実行が禁止される。
また車両が停止したときの変速比が油圧回路故障判定閾値未満のときには、判定の実行が禁止される。即ち、図1の油圧回路のポンプシフトバルブ21やシフトソレノイドバルブ24が固着故障すると、オイルポンプOPの吐出流量の大小とは無関係に、変速比をLOW側に変更することが不能になるため、車両が停止したときの変速比がLOWよりも遥かに小さくなる。このように、車両が停止したときの変速比が油圧回路故障判定閾値未満のときには、オイルポンプOPの半容量運転状態の故障判定が事実上不可能になるため、判定の実行が禁止される。
そして目標変速比から実変速比を減算した差分が所定値以上になったときの減速度が前記第1閾値未満で前記第2閾値以上であり、かつ車両が停止したときの変速比が前記油圧回路故障判定閾値以上で固着判定閾値未満のときに、つまり図6の斜線の領域にあるときに、オイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障したと判定される。
次に、上記作用を図7のブロック図に基づいて更に詳細に説明する。
先ず、「前条件設定ブロック」では、固着故障の判定を実行するための前条件を設定する。固着故障が確定していないとき、シフトレンジがDレンジにあり、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の故障がなく、パニックブレーキ中でなく、ベルト式無段変速機のプーリの側圧増加の要求がなく、前輪のスキッドがなく、前輪のロックがなく、ブレーキが作動中であり、トランスミッション油温が所定条件を満たしており、かつブレーキの作動時の車速が高いときに、前条件が満たされたとして固着故障の判定が実行される。
「LOW戻り制御実施判断ブロック」では、トランスミッションの変速比をLOWに戻す制御が行われているか否かが判断される。即ち、トランスミッションの変速速度(変速比の変化率)が閾値CALIBA以上であり、かつ目標変速比がLOW側に変化しているとき、つまり目標変速比の今回値が前回値よりも大きいか、あるいは目標変速比が閾値CALIBB以上であるとき、トランスミッションの変速比をLOWに戻す制御が行われていると判断される。
LOW戻り制御が行われていると判断されると、「通常減速判断条件セットブロック」において、目標減速度から実減速度を減算した差分が閾値CALIBC以上であるときに車両の減速度を検出してセットする。このとき、減速度の最小値の更新が行われ、今回の減速度がすでにセットされた減速度未満であるときには、今回の減速度が新たにセットされる。
続く「停止判断ブロック」で車両が完全に停止したと判断されると、「LOW戻り判断ブロック」で、セットされている減速度が第1閾値♯CALIBL以上で第2閾値♯CALIBH未満であり、かつ車両の停止時の変速比が固着判定閾値CALIBD未満であるときに、オイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障した可能性があると判断してLOW戻り検知フラグを1にセットし、固着故障した可能性があると判断されない場合にはLOW戻り検知フラグを0にセットする。
そして最後に、検知カウンタ処理により、固着故障の有無の最終的な確定を行う。固着故障の有無の最終的な確定はドライブサイクルDC(イグニッションスイッチをONしてからOFFするまでの期間)を単位として行われるもので、LOW戻り検知フラグが0(固着可能性無し)にセットされる毎にOKカウンタをインクリメントするとともに、LOW戻り検知フラグが1(固着可能性有り)にセットされる毎にNGカウンタをインクリメントし、OKカウンタのカウント値が所定数(例えば5)に達すると正常判定を行い、NGカウンタのカウント値が上限値(例えば5)に達すると仮の固着判定を行う。そして仮の固着判定がなされた場合には、エンジン回転数を増加させることで運転者に警報が発せられる。
また仮の固着判定が2回なされると、最終的な固着判定がなされて警報ランプ等で運転者に警報が発せられる。但し、最終的な固着判定がなされるためには、仮の固着判定が2回連続してなされる必要はなく、正常判定が3回連続してなされない限り、固着判定フラグは1に維持される。例えば、固着判定1回目(エンジン回転数を増加させる)→正常判定→正常判定→固着判定2回目(警報ランプを点灯させる)のように制御される。
警報のためのエンジン回転数の増加は、例えば以下のようにして行われる。即ち、車両の走行モードには、燃料消費量を節減するエコノミーモードと、車両の加速性能を高めるスポーツモードとが選択可能に設けられており、運転者がエコノミーモードを選択している状態であっても、固着故障が発生すると強制的にスポーツモードに切り換えられる。スポーツモードでは低車速時のエンジン回転数がエコノミーモードよりも高く設定されるため、運転者はエンジン音によって異常の発生を認識することができる。
上記作用は図8のフローチャートに纏められる。
先ずステップS1で故障判定を行う前条件が成立しているか否かを判断し、ステップS2で前条件が成立していれば、ステップS3で半容量運転状態の固着判定を実行するか否かを判断する。即ち、ステップS4で目標変速速度が所定値以上であり、かつ目標変速比の今回値と前回値との差分が正であって変速比がLOW側に変化していれば、ステップS5で半容量運転状態の固着判定を実行する。そのために、先ずステップS6で実変速比と目標変速比とに所定の差分が生じたときの車両の減速度を検出してセットし、ステップS7で車両が停止しており、かつステップS8で前記セットした減速度が第1閾値♯CALIBL以上かつ第2閾値♯CALIBH未満であれば、ステップS9で車両の停止時の変速比の検出結果を判定する。その結果、ステップS10で変速比が固着判定閾値CALIBD未満であればステップS11でNGカウンタをインクリメントし、前記ステップS10で変速比が固着判定閾値CALIBD以上であればステップS12でOKカウンタをインクリメントする。
以上のように、本実施の形態によれば、車両が減速して停止したときにトランスミッションの実変速比がLOWに戻り切れずにCALIBD未満になる場合に、オイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障したと判定するので、オイルポンプOPの固着故障を確実に判定することができる。特に車両の減速度が第1閾値♯CALIBL以上かつ第2閾値未満♯CALIBHのときに限ってオイルポンプOPの半容量運転状態の固着判定の実行を許可するようにし、第1閾値♯CALIBLは、オイルポンプOPが半容量運転状態であっても車両が停止したときに実変速比が固着判定閾値CALIBD以上になる値であるため、オイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障していないと誤判定されるのを防止することができる。また第2閾値♯CALIBHは、オイルポンプOPが全容量運転状態であっても、低車速・低エンジン回転数であるために、急制動によって車両が停止したときに実変速比が固着判定閾値CALIBD未満になる値であるため、オイルポンプOPが半容量運転状態に固着故障していると誤判定されるのを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の可変容量ポンプは実施の形態のベーンポンプに限定されず、ギヤポンプやトロコイドポンプであっても良い。
また本発明の部分容量運転状態は半容量運転状態に限定されず、全容量運転状態よりも容量の小さい運転状態であれば良い。
21 ポンプシフトバルブ(運転状態切換手段)
24 シフトソレノイドバルブ(運転状態切換手段)
M1 実変速比算出手段
M2 目標変速比算出手段
M3 車両停止判定手段
M4 減速度算出手段
M5 半容量運転状態固着判定手段(部分容量運転状態固着判定手段)
OP オイルポンプ(可変容量ポンプ)
CALIBD 固着判定閾値
♯CALIBL 第1閾値
♯CALIBH 第2閾値

Claims (4)

  1. 車両の走行用の駆動源に接続されたトランスミッションの変速比を無段階に変更する油圧を発生する可変容量ポンプ(OP)と、前記可変容量ポンプ(OP)の運転状態を全容量運転状態または部分容量運転状態に切り換える運転状態切換手段(21,24)と、前記可変容量ポンプ(OP)が部分容量運転状態に固着したことを判定する部分容量運転状態固着判定手段(M5)とを備える可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置であって、
    前記トランスミッションの実変速比を算出する実変速比算出手段(M1)と、車両の停止を判定する車両停止判定手段(M3)とを備え、前記部分容量運転状態固着判定手段(M5)は、前記車両停止判定手段(M3)が車両の停止を判定したときに、前記実変速比算出手段(M1)で検出した実変速比が固着判定閾値(CALIBD)未満であるときに前記可変容量ポンプ(OP)が部分容量運転状態に固着したと判定することを特徴とする可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置。
  2. 前記トランスミッションの目標変速比を算出する目標変速比算出手段(M2)と、前記実変速比算出手段(M1)で算出した実変速比および前記目標変速比算出手段(M2)で算出した目標変速比の差分が所定値以上になったときの車両の減速度を算出する減速度算出手段(M4)とを備え、前記部分容量運転状態固着判定手段(M5)は、前記減速度算出手段(M4)で算出した減速度が第1閾値(♯CALIBL)以上かつ第2閾値(♯CALIBH)未満のときに、前記可変容量ポンプ(OP)の部分容量運転状態の固着判定の実行を許可することを特徴とする、請求項1に記載の可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置。
  3. 前記第1閾値(♯CALIBL)は、前記可変容量ポンプ(OP)が半容量運転状態であっても車両が停止したときに前記実変速比が前記固着判定閾値以上になる値であり、前記第2閾値(♯CALIBH)は、前記可変容量ポンプ(OP)が全容量運転状態であっても車両が停止したときに前記実変速比が前記固着判定閾値未満になる値であることを特徴とする、請求項2に記載の可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置。
  4. 前記部分容量運転状態固着判定手段(M5)は、前記可変容量ポンプ(OP)が部分容量運転状態に固着したと判定したときに、前記駆動源の回転数を増加させることを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の可変容量ポンプの部分容量運転状態固着判定装置。
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